説明

映像データ処理装置

【課題】映像データを格納するための格納部のサイズを減らすとともに処理速度を向上させる映像データ処理装置を提供すること。
【解決手段】映像データを受け、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データを互いに比較し、これを暗号化させるためのヘッダー値、符号化値及び基準値を生成する暗号化部、前記暗号化部に連結され、前記暗号化部で生成されたヘッダー値、符号化値及び基準値を格納する格納部、前記格納部に連結され、前記ヘッダー値、符号化値及び基準値を利用して2n−1番目の画素データと2n番目の画素データにそれぞれ復元させる復号化部、及び前記復号化部に連結され、前記復元されたデータをアナログ信号に変換して出力するD/A変換部、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサイズを減らすとともに処理速度を向上させることができる映像データ処理装置に係り、より詳しくは、映像データの暗号化及び復号化の際、隣合う画素のデータを比較して処理することで、映像データを格納するための格納部のサイズを減らすことができ、データの処理速度を向上させることができる映像データ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスプレイ装置(Display device)は、撮像された映像をディスプレイパネルを介して外部に表示する装置である。このようなディスプレイ装置はデジタル方式に印加される映像のデータを表示するために、これを一時格納し、アナログに変換して出力する映像処理装置が必要である。
最近、ディスプレイ装置の利用増加につれて、徐々に小型化及び高速化している趨勢にあり、このような変化を満たすために、映像データを処理するための装置の小型化及び処理速度の高速化に対する研究が活発に進んでいる。
【0003】
以下、添付図面を参照して、従来技術による映像データ処理装置について説明する。
図1は従来技術による映像データ処理装置のブロック図であり、図2は従来技術による映像データ処理装置のメモリを示すブロック図である。
【0004】
まず、図1に示すように、従来技術による映像処理装置は、RGBデータを圧縮させるためのエンコーダ100と、前記エンコーダ100によって圧縮されたデータを格納するメモリ110と、前記メモリ110に格納されたデータを復元して出力するリードデコーダ140及びスキャンデコーダ120でなる。
ここで、前記エンコーダ100は、第1RGBデータを内部バッファーに一時格納する。ついで、第2RGBデータが印加されれば、第1RGBデータのそれぞれの上位4ビットと第2RGBデータのそれぞれの上位4ビットを比較する。この際、比較結果、上位4ビットが同じ場合、図2に示すように、第2RGBデータの上位4ビットをRGBレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)に格納する。
【0005】
そして、第1RGBデータのそれぞれの下位2ビットを第1レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)に格納し、第2RGBデータのそれぞれの下位2ビットは第2レジスター(E_R)、(E_G)、(E_B)に格納し、フラグビットには11を格納する。
【0006】
前記各データの上位4ビットが同じではない場合、第1RGBデータのそれぞれの上位4ビットを第1及び第2レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)、(E_R)、(E_G)、(E_B)に格納し、第2RGBデータのそれぞれの上位4ビットはRGBレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)に格納する。この際、第1及び第2RGBデータのそれぞれの下位2ビットは格納しなく、フラグビットには00を格納する。
【0007】
また、前記第1及び第2RGBデータに続き、連続して印加される第3及び第4RGBデータに対しても、前記格納された第1及び第2RGBデータと比較することで、同一方法で各レジスターに格納され、この際に、フラグビットは01又は10が格納される。
前記スキャンデコーダ120の復元過程は、まず、スキャンデコーダ120がフラグビットをチェックし、フラグビットによってRGBレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)、第1及び第2レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)、(E_R)、(E_G)、(E_B)に格納されたデータを利用して第1及び第2RGBデータの上位4ビット及び下位2ビットを生成し、圧縮されたRGBデータを復元して出力する。
【0008】
すなわち、前記スキャンデコーダ120は、前記フラグビットが11の場合、RGBレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)に格納されたデータを利用して第1及び第2RGBデータの上位4ビットを生成し、第1レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)に格納されたデータを利用して第1RGBデータの下位2ビットを生成し、第2レジスター(E_R)、(E_G)、(E_B)に格納されたデータを利用して第2RGBデータの下位2ビットを生成する。
【0009】
また、前記スキャンデコーダ120は、前記フラグビットが01の場合、RGBレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)に格納されたデータを利用して第3RGBデータの上位4ビットを生成し、第1レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)に格納されたデータを利用して第3RGBデータの下位2ビットを生成し、以前の第1及び第2RGBデータが格納されたレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)に格納されたデータを利用して第4RGBデータの上位4ビットを生成し、第2レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)に格納されたデータを利用して第4RGBデータの下位2ビットを生成する。
【0010】
同時に、前記スキャンデコーダ120は、前記フラグビットが00の場合、RGBレジスター(Base_R)、(Base_G)、(Base_B)に格納されたデータを利用して第2RGBデータの上位4ビットを生成し、第1レジスター(O_R)、(O_G)、(O_B)及び第2レジスター(E_R)、(E_G)、(E_B)に格納されたデータを利用して第1RGBデータの上位4ビットを生成し、ディスプレイパネルのガンマ特性を考慮して、それぞれ00、01、10又は11のいずれか一つを選択して1及び第2RGBデータの下位2ビットを生成する。
【0011】
しかし、従来発明による映像データ処理装置は、暗号化の際、現在の2画素のデータを圧縮するために、以前の二つのデータが必要であるので、暗号化及びこれを復元するための復号化の際、すべて四つのデータを格納及び処理しなければならなくてレジスター及び比較器がさらに必要であるため、映像データ処理装置のサイズが増加し、多量のデータを処理するため、これを処理するための処理時間を多大に消耗する問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は前記問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、映像データの暗号化及び復号化の際、隣合う二つの画素のデータのみを比較して処理することで、映像データを格納するための格納部のサイズを減らすことができ、データの処理速度を向上させることができる映像データ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明による映像データ処理装置は、映像データを受け、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データを互いに比較し、これを暗号化させるためのヘッダー値、符号化値及び基準値を生成する暗号化部、前記暗号化部に連結され、前記暗号化部で生成されたヘッダー値、符号化値及び基準値を格納する格納部、前記格納部に連結され、前記ヘッダー値、符号化値及び基準値を利用して、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データにそれぞれ復元させる復号化部、及び前記復号化部に連結され、前記復元されたデータをアナログ信号に変換して出力するD/A変換部、を含む。
前記暗号化部は、前記印加された2n−1番目の画素データを一時格納するレジスター部、前記レジスター部に連結され、2n番目の画素データを直接受け、前記レジスター部に格納された2n−1番目の画素データから前記2n番目の画素データを減算する減算部、及び前記減算部に連結され、前記減算した結果によってヘッダー値、符号化値及び基準値を生成するエンコーディング部、を含む。
【0014】
前記エンコーディング部は、前記減算した結果が−2m-1より大きくて2m-1−1より小さい場合、前記ヘッダー値を1に生成し、前記減算した結果が−2m-1より小さいかあるいは2m-1−1より大きい場合、前記ヘッダー値を0に生成する。この際に、前記mは減算した結果のビット数である。
【0015】
前記エンコーディング部は、前記減算した結果が陽の値を有する場合、前記減算された結果値を符号化値に生成し、前記減算した結果が陰の値を有する場合、前記減算された結果値の補数を符号化値に生成する。
【0016】
前記エンコーディング部は、ヘッダー値が1に生成される場合、前記2n番目の画素データを基準値に生成し、ヘッダー値が0に生成される場合、上位5ビットが前記2n−1番目の画素データの上位5ビットを有し、下位4ビットは前記2n番目の画素データの上位4ビットを有する基準値を生成する。
【0017】
前記復号化部は、前記格納部から印加されるヘッダー値が0又は1であるかを比較する比較部、前記比較部に連結され、前記印加された基準値と符号化値を加算する加算部、及び前記比較部及び加算部に連結され、前記加算部によって加算された値と基準値を利用して元のデータを復元させるデコーディング部、を含む。
【0018】
前記加算部は、前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値と符号化値を加算し、前記デコーディング部は、前記ヘッダー値が1の場合、前記加算部で符号化値と基準値を加算した値を前記2n−1番目の画素データに復元させ、前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値を2n番目の画素データに復元させる。
【0019】
前記デコーディング部は、前記ヘッダー値が0の場合、前記基準値の上位5ビットと前記5ビットの上位1ビットを順次並べて前記2n−1番目の画素データに復元させ、前記ヘッダー値が0の場合、前記基準値の下位4ビットと前記下位4ビットの上位2ビットを順次並べて前記2n番目の画素データに復元させる。この際に、前記映像データは、RGB、YUV又はYcbcrで表現されるデータの中でいずれか一つである。
【0020】
また、前記目的を達成するための本発明による映像データ処理方法は、a)映像データを受け、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データを互いに比較し、これを暗号化させるためのヘッダー値、符号化値及び基準値を生成する段階、b)前記a)段階で生成されたヘッダー値、符号化値及び基準値を格納する段階、c)前記b)段階で格納されたヘッダー値、符号化値及び基準値を利用して、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データをそれぞれ復元させる段階、及びe)前記c)段階で復元されたデータをアナログ信号に変換して出力する段階、を含む。
【0021】
この際、前記a)段階は、a−1)前記印加された2n−1番目の画素データを一時格納する段階、a−2)2n番目の画素データを直接受け、前記格納された2n−1番目の画素データから前記2n番目の画素データを減算する段階、及びa−3)前記a−2)段階で減算した結果によって、ヘッダー値、符号化値及び基準値を生成する段階、を含む。
【0022】
ここで、前記a−3)段階は、前記減算した結果が−2m-1より大きくて2m-1−1より小さい場合、前記ヘッダー値を1に生成し、前記減算した結果が−2m-1より小さいかあるいは2m-1−1より大きい場合、前記ヘッダー値を0に生成する。この際、前記mは減算した結果のビット数である。
【0023】
また、前記a−3)段階は、前記減算した結果が陽の値を有する場合、前記減算された結果値を符号化値に生成し、前記減算した結果が陰の値を有する場合、前記減算された結果値の補数を符号化値に生成する。
【0024】
また、前記a−3)段階は、前記ヘッダー値が1に生成される場合、前記2n目の画素データを基準値に生成し、前記ヘッダー値が0に生成される場合、上位5ビットは前記2n−1番目の画素データの上位5ビットを有し、下位4ビットは前記2n番目の画素データの上位4ビットを有する基準値を生成する。
【0025】
一方、c)段階は、c−1)前記b)段階で格納されたヘッダー値が0又は1であるかを比較する段階、c−2)前記b)段階で格納された基準値と符号化値を加算する段階、及びc−3)前記c−2)段階で加算された値と基準値を利用して元のデータを復元させる段階、を含む。
【0026】
この際、前記c−2)段階は、前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値と符号化値を加算し、前記c−3)段階は、前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値と符号化値を加算した値を前記2n−1番目の画素データに復元させる。
【0027】
また、前記c−3)段階は、前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値を2n番目の画素データに復元させ、前記ヘッダー値が0の場合、前記基準値の上位5ビットと前記5ビットの上位1ビットを順次並べて前記2n−1番目の画素データに復元させ、前記ヘッダー値が0の場合、前記基準値の下位4ビットと前記下位4ビットの上位2ビットを順次並べて前記2n番目の画素データに復元させる。この際、前記映像データは、RGB、YUV又はYcbcrで表現されるデータの中でいずれか一つである。
【発明の効果】
【0028】
前述したように、本発明による映像データ処理装置は、映像データの暗号化の際、隣合う二つの画素のデータのみを比較して処理することで、ヘッダー値、符号化値及び基準値を生成し、前記生成されたヘッダー値、符号化値及び基準値のみを用いて復号化させることにより、映像データを格納するための格納部のサイズを減らすことができ、暗号化及び復号化の際、データの処理時間を短縮させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
前述した目的、特徴及び利点は添付図面を参照する以下の詳細な説明によってより明らかになり、これにより本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。
また、本発明の説明において、本発明に係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
以下、添付図面を参照して、本発明による映像データ処理装置及びこれを用いる映像データの処理方法についてより詳細に説明する。
【0030】
図3は本発明による映像データ処理装置のブロック図、図4は本発明による映像データ処理装置の暗号化部を概略的に示すブロック図、図5は本発明による映像データ処理装置の復号化部を概略的に示すブロック図、図6は映像データの各画素を構成するRGBを示す説明図である。また、図7〜図11は本発明による映像データ処理方法を順次示すフローチャートである。
【0031】
まず、図3及び図7に示すように、本発明による映像データ処理装置200は、映像データを受け、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データを互いに比較し、これを暗号化させるためのヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を生成(S310)する暗号化部210と、前記暗号化部210に連結され、前記暗号化部210で生成されたヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を格納(S320)する格納部220と、前記格納部220に連結され、前記ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を利用して、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データにそれぞれ復元(S330)させる復号化部230と、前記復号化部230に連結され、前記復元されたデータをアナログ信号に変換して出力(S340)するD/A変換部240とからなる。
【0032】
ここで、前記暗号化部210は、これを示す図4及び図8に示すように、前記印加された2n−1番目の画素データを一時格納(S311)するレジスター部211と、2n番目の画素データを直接受け、前記レジスター部に格納された2n−1番目の画素データから前記2n番目の画素データを減算(S312)する減算部212と、前記減算した結果によって、ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を生成(S313)するエンコーディング部213とからなる。
【0033】
詳述すれば、前記レジスター部211は、映像データの各画素を示す図6に示すように、外部から印加される映像データの中で、奇数番目の2n−1番目、つまり11番目画素(F11)に対するRGB(Red、Green、Blue)値である11番目の画素データ(R11、G11、B11)が印加される場合、これを一時格納し、偶数番目の2n番目、つまり12番目の画素データ(R12、G12、B12)が印加される場合、前記格納された11番目の画素データ(R11、G11、B11)を前記減算部212に伝達する。この際、前記各画素に対するデータをRGBに対するデータとして説明したが、これに限定されず、YUV又はYcbcrに対するデータを使用することができる。
【0034】
前記減算部212は、前記レジスター部211及びエンコーディング部213に連結され、前記レジスター部211に格納された11番目の画素データ(R11、G11、B11)を受け、外部から直接12番目の画素データ(R12、G12、B12)を受け、前記11番目の画素データ(R11、G11、B11)から12番目の画素データ(R12、G12、B12)を減算する。
【0035】
前記エンコーディング部213は、前記減算部212及び格納部220に連結され、前記減算部212で減算した結果を受け、外部から12番目の画素データ(R12、G12、B12)を受けて、ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を生成する。
この際、前記エンコーディング部213は、図9に示すように、前記減算部212から印加された演算結果によって前記ヘッダー値(H)を決定する。この際、前記演算結果が−2m-1より大きくて2m-1−1より小さい場合、前記ヘッダー値(H)を1に生成(S313b)する。また、前記減算した結果が−2m-1より小さいかあるいは2m-1−1より大きい場合、前記エンコーディング部213は、前記ヘッダー値(H)を0に生成(S313c)する。この際、前記mは減算した結果のビット数である。
【0036】
また、前記エンコーディング部213は、前記減算した結果を用いて前記符号化値(S)を生成する。この際に、前記減算した結果が陽の値を有する場合、前記減算した結果を符号化値(S)に生成し、前記減算した結果が陰の値を有する場合、前記エンコーディング部213は、前記減算した結果の補数を符号化値(S)に生成する。
【0037】
一方、前記エンコーディング部213は、前記ヘッダー値(H)が1に生成される場合、前記2n番目の画素データ、つまり12番目画素データ(R12、G12、B12)を基準値(V)に生成し、前記ヘッダー値(H)が0に生成される場合、上位5ビットは前記2n−1番目、つまり11番目画素データ(R11、G11、B11)の上位5ビットを有し、下位4ビットは前記2n番目、つまり12番目画素データ(R12、G12、B12)の上位4ビットを有する基準値(V)を生成する。
【0038】
前記のような構成でなる暗号化部210で映像データを暗号化する過程を具体的な例を挙げて説明する。ただ、各画素データは、これを成すRGB成分の中で、GB成分を除いたR成分を有するデータとして説明する。
【0039】
まず、11番目の画素データ(R11)が100100(2)であり、12番目の画素データ(R12)が100100(2)であると仮定すれば、減算部212は、前記レジスター部211に格納された11番目の画素データ(R11)を受け、12番目の画素データ(R12)を直接受け、前記11番目の画素データ(R11)から12番目の画素データ(R12)を減算する。
【0040】
前記減算(100100−100100)の結果、‘000000’を有することになり、これは−23-1より大きくて23-1−1より小さな値を有するので、前記エンコーディング部213は前記ヘッダー値(H)を1に生成し、符号化値(S)を‘000’に生成し、基準値(V)を12番目の画素データ(R12)のデータ値である‘100100’に生成する。
【0041】
11番目の画素データ(R11)が100100(2)であり、12番目の画素データ(R12)が100101(2)であると仮定すれば、減算部212は‘100100−100101’を演算して‘−1’の結果値を算出する。この際、前記結果値の‘−1’は−23-1より大きくて23-1−1より小さな値を有するので、前記エンコーダ部213かでヘッダー値(H)を1に生成し、前記結果値が陰の値を有するので、‘−1’の補数である‘111’値を符号化値(S)に生成し、基準値(V)を12番目の画素データ(R12)である‘100101’に生成する。
【0042】
また、11番目の画素データ(R11)が100100(2)であり、12番目の画素データ(R12)が100000(2)であると仮定すれば、減算部212は‘100100−100000’を演算して‘000100’の結果値を算出する。この際、前記結果値の‘000100’は4の値で、23-1−1より大きな値を有することにより、前記エンコーディング部213でヘッダー値(H)を0に生成し、上位5ビットを11番目の画素データ(R11)の上位5ビットである‘10010’に割り当て、下位4ビットを12番目の画素データ(R12)の上位4ビットである‘1001’を割り当て、順次並べることで‘100101001’の基準値(V)を生成する。
【0043】
これにより、隣合う各画素の奇数番目である2n−1番目の画素データと偶数番目である2n番目の画素データのみを用いて、ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を生成するので、従来に比べ、レジスター部212のサイズを減らすことができ、暗号化時間を減らすことができる利点がある。
【0044】
一方、前記格納部220は、前記暗号化部210によって生成されたヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)のみを格納し、前記暗号化された映像データの復号化の際、前記格納されたそれぞれの値を前記復号化部230に伝達することで、前記ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)のみを格納するための空間だけ必要になるので、そのサイズを減らすことができる利点がある。
【0045】
前記復号化部230は、前記格納部220及びD/A変換部240に連結され、図5及び図10に示すように、比較部231、加算部232及びデコーディング部233でなり、前記格納部220に格納されたヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を利用して映像データの元のデータを復元させる。
【0046】
この際、前記比較部231は、前記格納部220及び加算部232に連結され、前記格納部220から印加されるヘッダー値(H)が0又は1であるかを比較する(S331)。前記比較部231で前記ヘッダー値(H)が1であると判断される場合、前記ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)を加算部232に伝達し、前記ヘッダー値(H)が0であると判断される場合、前記ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)をデコーディング部233に伝達する。
【0047】
前記加算部232は、前記比較部231及びデコーディング部233に連結され、前記印加された符号化値(S)と基準値(V)を加算(S332)し、前記加算した結果を前記デコーディング部233に伝達する。
【0048】
また、前記デコーディング部233は、前記比較部231、加算部232及びD/A変換部240に連結され、前記ヘッダー値(H)が1の場合、前記加算部232によって加算された値と基準値(V)を利用して元のデータを復元させ、前記ヘッダー値(H)が0の場合、前記基準値(V)を利用して元のデータを復元させる(S333)。
【0049】
すなわち、前記デコーディング部233は、前記ヘッダー値(H)が1の場合、前記加算部232によって加算した結果値を2n−1番目の画素データに復元させ、前記基準値(V)を2n番目の画素データに復元させる(S333b)。
【0050】
また、前記デコーディング部233は、前記ヘッダー値(H)が0の場合、前記比較部231から基準値(V)を受け、前記基準値(V)の上位5ビットと前記5ビットの上位1ビットを順次割り当てて2n−1番目の画素データに復元させ、前記基準値(V)の下位4ビットと前記下位4ビットの上位2ビットを順次割り当てて2n番目の画素データに復元させる(S333c)。
【0051】
前記のような構成でなる復号化部230で映像データを復号化する過程を具体的な例を挙げて説明する。ただ、それぞれお画素データは、これを成すRGB成分の中で、GB成分を除いたR成分を有するデータとして説明する。
まず、前記格納部220から伝達されたヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)がそれぞれ1、000000、100100の場合、前記比較部231では前記符号化値(S)と基準値(V)を加算部232で伝達し、前記加算部232は前記伝達された符号化値(S)及び基準値(V)を加算し、演算結果である100100を前記エンコーディング部233に伝達し、前記エンコーディング部233は、前記演算された100100を11番目の画素データに生成し、基準値(V)である100100を12番目の画素データに生成する。
【0052】
また、前記ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)がそれぞれ1、111111、100101の場合、前記符号化値(S)と基準値(V)を加算した100100を11番目の画素データに生成し、基準値(V)100101を12番目の画素データに生成する。
【0053】
一方、ヘッダー値(H)及び基準値(V)がそれぞれ0、100010111の場合、前記エンコーディング部233においては、前記基準値(V)の上位5ビットである10001とその上位1ビットである1を順次並べて100011を11番目の画素データに生成し、前記基準値(V)の下位4ビット0111とその上位2ビットである01を順次並べて011101を12番目の画素データに生成する。
【0054】
そして、前記D/A変換部240は、前記復号化部230に連結され、前記復号化部230によって復元された映像データ(R、G、B)をアナログ信号であるR’、G’、B’に変換して出力し、前記D/A変換部240に連結されたディスプレイ250は、前記アナログ信号に変換された信号を一つの映像として表示させる。
【0055】
これにより、本発明による映像データ処理装置200は、従来とは異なり、隣合う画素のデータによって暗号化されたヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)のみを用いて、隣合う画素のデータをすべて復元することができるので、格納部220のサイズを減らすことができ、前記ヘッダー値(H)、符号化値(S)及び基準値(V)のみを使用して暗号化されたデータを復号化させることにより、復号化させるために消耗する時間を短縮させることができる利点がある。
【0056】
以上説明した本発明の好ましい実施例は例示の目的で開示したもので、本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者によって、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内でさまざまな代替、変形及び変更が可能であり、このような代替、変更などは以下の特許請求範囲に属するものであると見なければならない。
【0057】
本発明は、映像データの暗号化及び復号化の際、隣合う画素のデータを比較して処理することで、映像データを格納するための格納部のサイズを減し、データの処理速度を向上させる映像データ処理装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来技術による映像データ処理装置のブロック図である。
【図2】従来技術による映像データ処理装置のメモリを示すブロック図である。
【図3】本発明による映像データ処理装置のブロック図である。
【図4】本発明による映像データ処理装置の暗号化部を概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明による映像データ処理装置の復号化部を概略的に示すブロック図である。
【図6】映像データの各画素を構成するRGBを示す説明図である。
【図7】本発明による映像データ処理方法を順次示すフローチャートである。
【図8】本発明による映像データ処理方法を順次示すフローチャートである。
【図9】本発明による映像データ処理方法を順次示すフローチャートである。
【図10】本発明による映像データ処理方法を順次示すフローチャートである。
【図11】本発明による映像データ処理方法を順次示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
200 映像データ処理装置
210 暗号化部
211 レジスター部
212 減算部
213 エンコーディング部
220 格納部
230 復号化部
231 比較部
232 加算部
233 デコーディング部
240 D/A変換部
250 ディスプレイ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを受け、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データを互いに比較し、これを暗号化させるためのヘッダー値、符号化値及び基準値を生成する暗号化部、
前記暗号化部に連結され、前記暗号化部で生成されたヘッダー値、符号化値及び基準値を格納する格納部、
前記格納部に連結され、前記ヘッダー値、符号化値及び基準値を利用して、2n−1番目の画素データと2n番目の画素データにそれぞれ復元させる復号化部、及び
前記復号化部に連結され、前記復元されたデータをアナログ信号に変換して出力するD/A変換部、
を含むことを特徴とする、映像データ処理装置。
【請求項2】
前記暗号化部は、
前記印加された2n−1番目の画素データを一時格納するレジスター部、
前記レジスター部に連結され、2n番目の画素データを直接受け、前記レジスター部に格納された2n−1番目の画素データから前記2n番目の画素データを減算する減算部、及び
前記減算部に連結され、前記減算した結果によってヘッダー値、符号化値及び基準値を生成するエンコーディング部、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の映像データ処理装置。
【請求項3】
前記エンコーディング部は、
前記減算した結果が−2m-1より大きくて2m-1−1より小さい場合、前記ヘッダー値を1に生成し、前記mは減算した結果のビット数であることを特徴とする、請求項2に記載の映像データ処理装置。
【請求項4】
前記エンコーディング部は、
前記減算した結果が−2m-1より小さいかあるいは2m-1−1より大きい場合、前記ヘッダー値を0に生成し、前記mは減算した結果のビット数であることを特徴とする、請求項2に記載の映像データ処理装置。
【請求項5】
前記エンコーディング部は、
前記減算した結果が陽の値を有する場合、前記減算された結果値を符号化値に生成することを特徴とする、請求項2に記載の映像データ処理装置。
【請求項6】
前記エンコーディング部は、
前記減算した結果が陰の値を有する場合、前記減算された結果値の補数を符号化値に生成することを特徴とする、請求項2に記載の映像データ処理装置。
【請求項7】
前記エンコーディング部は、
前記2n番目の画素データを基準値に生成することを特徴とする、請求項3に記載の映像データ処理装置。
【請求項8】
前記エンコーディング部は、
上位5ビットが前記2n−1番目の画素データの上位5ビットを有し、下位4ビットは前記2n番目の画素データの上位4ビットを有する基準値を生成することを特徴とする、請求項4に記載の映像データ処理装置。
【請求項9】
前記復号化部は、
前記格納部から印加されるヘッダー値が0又は1であるかを比較する比較部、
前記比較部に連結され、前記印加された基準値と符号化値を加算する加算部、及び
前記比較部及び加算部に連結され、前記加算部によって加算された値と基準値を利用して元のデータを復元させるデコーディング部、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の映像データ処理装置。
【請求項10】
前記加算部は、
前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値と符号化値を加算することを特徴とする、請求項9に記載の映像データ処理装置。
【請求項11】
前記デコーディング部は、
前記ヘッダー値が1の場合、前記加算部で符号化値と基準値を加算した値を前記2n−1番目の画素データに復元させることを特徴とする、請求項9に記載の映像データ処理装置。
【請求項12】
前記デコーディング部は、
前記ヘッダー値が1の場合、前記基準値を2n番目の画素データに復元させることを特徴とする、請求項9に記載の映像データ処理装置。
【請求項13】
前記デコーディング部は、
前記ヘッダー値が0の場合、前記基準値の上位5ビットと前記5ビットの上位1ビットを順次並べて前記2n−1番目の画素データに復元させることを特徴とする、請求項9に記載の映像データ処理装置。
【請求項14】
前記デコーディング部は、
前記ヘッダー値が0の場合、前記基準値の下位4ビットと前記下位4ビットの上位2ビットを順次並べて前記2n番目の画素データに復元させることを特徴とする、請求項9に記載の映像データ処理装置。
【請求項15】
前記映像データは、RGB、YUV又はYcbcrで表現されるデータの中でいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の映像データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−5355(P2009−5355A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160207(P2008−160207)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(508185513)マグナチップ セミコンダクタ−, エルティディ (3)
【Fターム(参考)】