説明

映像再生装置及び逆方向再生方法

【課題】GOPと次のGOPの境界においてもスムーズな映像の逆方向再生を、比較的早い再生速度で実現できる逆方向再生方法及び映像再生装置を提供する。
【解決手段】逆方向再生方法は、GOPを復号してIピクチャ及び複数個のPピクチャを生成して参照バッファRB1〜RB4に保持するステップと、保持されているIピクチャ又はPピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理、又は、保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照してBピクチャを生成して表示用バッファDB0に書き込む処理によって、表示用映像信号を出力するステップとを有し、表示用バッファDB0にピクチャを書き込む処理を、参照バッファRB1〜RB4に保持されているIピクチャ、Pピクチャ、又は生成されたBピクチャを、時間的に新しいピクチャから古いピクチャに向かう順に表示用バッファDB0に1ピクチャずつ上書きすることによって実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録されたデジタル映像データの逆方向再生方法及びこの方法を実施できる映像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク又は光ディスク等の記録媒体に記録されたデジタルデータの記録再生方法として、MPEG(Motion Picture Experts Group)方式で圧縮符号化されたデジタル映像データをGOP(Group of Picture)単位で扱うものがある。この場合、特殊再生に際して複雑なデータ処理が必要になる。GOPは、通常15フレームの映像情報を含み、各フレームの映像データは、I(画面内符号化)ピクチャ、P(前方向予測符号化)ピクチャ、及びB(双方向予測符号化)ピクチャのいずれかで構成される。
【0003】
MPEG方式で圧縮符号化され記録された映像データの逆方向再生が難しいのは、予測符号化に起因する。特に、Bピクチャは、自身に対して時間的に前及び後の2フレーム(Iピクチャ又はPピクチャ)を参照した予測符号化によって生成されているので、逆方向再生する際には複雑な処理が必要になる。そこで、MPEG方式を採用したデジタル映像再生装置において、Iピクチャ、Pピクチャ、及びBピクチャのすべてを表示して逆コマ送り又はスロー再生を実現する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3593293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のスロー再生方法によれば、表示すべきIピクチャ、Pピクチャ、及びBピクチャを得るために、同じGOPを繰り返し読み出すとともに、同じIピクチャ又はPピクチャを複数回復号する必要があり、データ処理量が非常に大きくなる。このため、このスロー再生方法は、逆コマ送り再生や、非常に遅い速度の逆方向再生には適用可能であるが、例えば、1/2倍速以上の速度のように、比較的速い速度の逆方向再生には適用できないという問題がある。この理由を、図13を用いて具体的に説明する。
【0006】
逆方向再生においては、第m番(mは正の整数)のGOPの第1ピクチャ、すなわち、IピクチャI2(図13には示さず)を表示した後、次に表示するのは、図13に示される第m−1番のGOPの最終ピクチャ、すなわち、PピクチャP14である。PピクチャP14の復号に際しては、第m−1番のGOPの先頭ピクチャから順次復号し、第m−1番のGOPの最終ピクチャP14までたどり着かなければならず、通常再生の場合であっても15フレーム分の復号(デコード)時間が必要である。このことから、逆方向スロー再生を行う場合に、時間的に隣接するGOPの境界においてスムーズな映像表示を行うためには、{1/(1GOPを構成するフレーム数)}倍速、すなわち、1/15倍速(1GOPが15フレームの場合)が上限であり、1/15倍速を超える速度の逆方向スロー再生をスムーズな映像で行うことはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになさされたものであり、その目的は、時間的に隣接するGOPの境界においてもスムーズな映像の逆方向再生を、比較的早い速度で実現する逆方向再生方法及びこの方法を実施できる映像再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の映像再生装置は、記録媒体に記録された符号化されたデジタル映像データをGOP単位で読み出す読出部と、前記読み出されたGOPを一時的に保持するGOPバッファと、前記GOPバッファに保持されたGOPを復号してIピクチャ、複数個のPピクチャ、及び複数個のBピクチャを生成するデコーダと、保持したピクチャに基づく表示用映像信号を出力する表示用バッファと、前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記生成されたIピクチャ及び複数個のPピクチャのうちの複数個のピクチャを一時的に保持する参照バッファと、前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理、及び、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照して前記デコーダにBピクチャを生成させ、前記生成されたBピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行するシステム制御部とを有し、前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記システム制御部は、前記表示用バッファにピクチャを書き込む処理を、前記参照バッファに保持されているIピクチャ、前記参照バッファに保持されているPピクチャ、又は前記生成されたBピクチャを、時間的に新しいピクチャから古いピクチャに向かう順に前記表示用バッファに1ピクチャずつ上書きすることによって実行することを特徴としている。
【0009】
また、本発明の逆方向再生方法は、記録媒体に記録された符号化されたデジタル映像データをGOP単位で読み出し、GOPバッファに保持するステップと、前記GOPバッファに保持されたGOPを復号してIピクチャ及び複数個のPピクチャを生成し、前記生成されたIピクチャ及び複数個のPピクチャのうちの複数個のピクチャを参照バッファに保持するステップと、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを表示用バッファに書き込む処理、又は、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照してBピクチャを生成し、前記生成されたBピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理によって、前記表示用バッファに保持されたピクチャに基づく表示用映像信号を出力するステップとを有し、前記表示用バッファにピクチャを書き込む処理を、前記参照バッファに保持されているIピクチャ、前記参照バッファに保持されているPピクチャ、又は前記生成されたBピクチャを、時間的に新しいピクチャから古いピクチャに向かう順に前記表示用バッファに1ピクチャずつ上書きすることによって実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、GOPバッファに保持されているGOP内のIピクチャ及び/又はPピクチャを予め復号して保持する参照バッファを備え、保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照してBピクチャを復号する。このため、Bピクチャを復号するために要するデータ処理量は1ピクチャ分のデータ処理量であり、GOPバッファに保持されたGOPを復号してBピクチャを生成するたびに、GOPの先頭から目標とするピクチャまで復号する従来の場合に比べ、データ処理量を低減することができる。したがって、本発明によれば、逆方向再生時における比較的早い再生速度を実現できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像再生装置11(すなわち、実施の形態に係る逆方向再生方法を実施できる装置)の構成を概略的に示すブロック図である。図1に示されるように、映像再生装置11は、放送電波を受信するアンテナ1からの放送信号が入力されるチューナ2と、復調部3と、切り替え部4と、多重分離部5と、デコーダ6と、内蔵された又は着脱可能な記録媒体(例えば、ハードディスク又は光ディスク等)7aにデジタル信号を記録又は再生する記録再生部(例えば、ハードディスクドライブ又は光ディスク記録再生部等)7と、記録再生制御部8と、メモリ9と、映像再生装置11全体を制御するシステム制御部10とを有している。なお、図1に示される映像再生装置11は、チューナ内蔵型の映像記録再生装置であるが、本発明は、チューナ2を備えていない装置にも適用できる。また、図1に示される映像再生装置11は、記録媒体7aにデジタル信号を記録する機能を有しているが、本発明は、デジタル信号を記録する機能を持たない再生専用の装置にも適用できる。さらに、図1において、メモリ9はシステム制御部10の一部として図示されているが、メモリ9は、システム制御部10の外に備えられてもよい。さらにまた、図1において、メモリ9は1個のメモリとして描かれているが、メモリ9を、複数個のメモリから構成することもできる。
【0012】
チューナ2は、アンテナ1からの放送信号から目的の搬送波を選択抽出する。復調部3は、チューナ2からの変調された放送信号を復調してデジタル多重信号を生成する。なお、デジタル多重信号形式は、例えば、デジタル放送で用いられているMPEG2−Systems(ISO/IEC13818−1)で定義されるトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)に準拠した形式である。切り替え部4は、復調部3から出力されたデジタル多重信号又は記録再生部7から読み出されたデジタル多重信号のいずれかを選択して多重分離部5に出力する。多重分離部5は、切り替え部4から出力されたデジタル多重信号から映像と音声の信号を分離する。デコーダ6は、多重分離部5で多重分離された信号を復号(デコード)する。記録再生部7は、受信した放送番組を記録媒体7aに記録保存し、また、記録媒体7aに記録された放送番組を再生する。記録再生制御部8は、記録再生部7の記録動作及び再生動作を制御する。メモリ9は、デコーダ6の作業用データ及び記録再生部7から読み出したデジタルデータを一時的に記憶する。
【0013】
システム制御部10は、チューナ2、復調部3、切り替え部4、デコーダ6、記録再生制御部8、及びメモリ9へ指示を出して映像再生装置11全体を制御する。放送番組を録画する際に、システム制御部10は、チューナ2及び復調部3を制御し、この番組のデジタル多重信号を抽出させる。復調部3から出力されるデジタル多重信号は切り替え部4によって、記録再生部7へ伝送される。
【0014】
図2は、図1に示される切り替え部4の機能を説明するための図である。放送番組を記録する場合には、切り替え部4は端子4aと4cを接続して、復調部3からのデジタル多重信号を多重分離部5及び記録再生部7へ伝送する。このとき、予約録画などで放送番組をリアルタイムに視聴しない場合は、記録再生部7へのパスだけが有効になり、多重分離部5への伝送を無効にするように構成してもよい。記録再生部7が記録媒体7aに記録した放送番組を再生する場合には、切り替え部4は端子4bと4cを接続して、記録再生部7からのデジタル多重信号を多重分離部5へ伝送する。再生時には、記録再生部7へのパスは無効にする。
【0015】
放送番組の記録時には、記録再生制御部8は、TSパケット毎にタイムスタンプを付けて記録媒体7aに記録する。通常再生時には、記録再生制御部8は記録再生部7を制御して記録媒体7aからTSを読み出し、タイムスタンプを参照して、TSを記録再生部7から切り替え部4に送出するように制御を行う。タイムスタンプを参照することによって、TSが到来したタイミングと同様のタイミングでTSを送出することができる。記録した番組の再生時には、記録再生部7から送出されたTSが多重分離部5へ入力されて、映像データと音声データに分離される。分離された映像データ及び音声データは符号化されているので、これらのデータをデコーダ6によって復号する。復号された映像データは、アナログ信号又はデジタル信号としてビデオ出力される。
【0016】
次に、記録媒体7aに記録された番組を逆方向スロー再生する方法を説明する。図3(A)及び(B)は、記録媒体7aに記録されているTSを読み出して、送出する際のタイミングを示す図である。図3(A)に示されるように、通常再生においては、タイムスタンプに従った順番でTSを記録媒体7aから読み出して、送出する。すなわち、時間的に古いGOPから順に(GOP−1、GOP−2、GOP−3、GOP−4の順に)、記録媒体7aからTSを読み出して、送出する。また、図3(B)に示されるように、逆方向スロー再生においては、GOP単位でTSを送出する。GOPにはGOPの開始を示すヘッダ情報がある。記録再生制御部8は、GOPのヘッダ情報を基準にして、時間的に新しいGOPから順に(GOP−4、GOP−3、GOP−2の順に)、GOP単位でTSを送出するよう記録再生部7を制御する。記録再生部7からはファイルシステムに依存する単位で読み出しを行い、記録再生制御部8によって、GOP検出及びGOP単位のTS送出を行う。
【0017】
図4(A)乃至(C)は、GOPの一般的な構成を示す図である。GOPの復号にあたっては、IピクチャをもとにPピクチャが再生され、IピクチャとPピクチャをもとに又はPピクチャをもとにBピクチャが再生される。なお、MPEG方式では、図4(A)に示される符号化されたピクチャの並びと、図4(B)に示される復号化して再生されるピクチャの並びは、異なっている。逆方向スロー再生では、図4(B)に示される復号したGOP分のピクチャデータを、図4(C)に示されるように、逆方向順に表示する。既に説明したように、特許文献1に記載の方法によれば、GOP分のデータを合計15ピクチャ分復号して、PピクチャP14からBピクチャB0までを順に表示しているので、スムーズな映像による逆方向スロー再生速度の上限は1/15倍速である。
【0018】
本実施の形態の映像再生装置11おける逆方向スロー再生方法では、次のような制御を行うことで、逆方向スロー再生としては比較的再生速度の速い速度(例えば、1/2倍速)でスムーズな映像の逆方向スロー再生を実現できる。なお、本実施の形態において用いられるGOPは、GOP単位で独立であり、隣り合うGOPを参照しなくても復号可能なクローズド(Closed)GOPである。
【0019】
図5は、メモリ9内に設けられた参照バッファRB1〜RB4と表示用バッファDB0を概念的に示す図である。参照バッファRB1〜RB4と表示用バッファDB0は、デコーダ6からアクセス可能に構成されている。参照用バッファRB1〜RB4は、Pピクチャ又はBピクチャを復号するために、デコーダ6による復号後のIピクチャ又はPピクチャを一時的に保持するメモリ9内の所定領域である。また、表示用バッファDB0は、復号後のIピクチャ又はPピクチャ又はBピクチャを格納するメモリ9内の所定領域であり、表示用バッファDB0に格納された各ピクチャは視聴者が視聴できる形で映像出力される。よって、表示用バッファDB0に各ピクチャを書き込めば(上書きすれば)、書き込まれたピクチャに基づく映像信号が出力され、表示装置(図示せず)に映像を表示させることができる。
【0020】
図6(A)は、15ピクチャから構成されるGOPの先頭IピクチャI2とPピクチャP5、P8、P11、P14の復号処理を示す図であり、図6(B)は、復号されたIピクチャI2とPピクチャP5、P8、P11を参照バッファRB1〜RB4に保持し、次に、PピクチャP14を復号して参照バッファRB1に上書きし、復号されたPピクチャP14を表示用バッファDB0に書き込む(コピーする)処理を示している。1/2倍速の逆方向スロー再生では、この表示用バッファDB0を1/15秒(通常再生時の2ピクチャ分の時間)毎に書き換えるように制御を行う。
【0021】
図6(A)及び(B)を用いて、PピクチャP14を表示するまでの復号処理の流れを詳細に説明する。なお、図6(B)における白抜き矢印のそれぞれは、1ピクチャ分の復号処理を意味する。図6(B)に示されるように、最初に、IピクチャI2が復号されて参照バッファRB1に取り込まれ、次に、参照バッファRB1に保持されているIピクチャI2をもとにPピクチャP5が復号されて参照バッファRB2に取り込まれ、次に、参照バッファRB2に保持されているPピクチャP5をもとにPピクチャP8が復号されて参照バッファRB3に取り込まれ、次に、参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8をもとにPピクチャP11が復号されて参照バッファRB4に取り込まれる。次に、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP11をもとにPピクチャP14が復号されて参照バッファRB1に取り込まれる。このとき、参照バッファRB1に保持されていたIピクチャI2は、PピクチャP14によって上書きされることになり、参照バッファRB1上から無くなる。参照バッファRB1に保持されているPピクチャP14は表示のために、表示用バッファDB0にコピーされて表示される。各バッファRB1〜RB4,DB0間のピクチャデータの移動はメモリ9内の移動であり、データの移動に要する処理時間は、復号処理と比較して無視できるほど短い。図6(B)に示されるように、PピクチャP14を表示している時には、参照バッファRB1にはPピクチャP14が、参照バッファRB2にはPピクチャP5が、参照バッファRB3にはPピクチャP8が、参照バッファRB4にはPピクチャP11が保持されている。
【0022】
図7は、本実施の形態における復号処理に要する時間を示す図である。図7に示されるように、先頭のIピクチャI2が復号されてからPピクチャP14が表示されるまでには、通常再生時に換算して5ピクチャ分のデコード時間(5ピクチャ分の復号処理は、図6(B)における5本の白抜き矢印が示す復号処理に相当する。)を要する。また、PピクチャP14が表示されてから、以降の各ピクチャを表示するために必要な処理時間は、1ピクチャ分のデコード時間である。
【0023】
図8は、逆方向再生を行う場合の参照バッファRB1〜RB4の状態、表示用バッファDB0の状態、復号処理対象のピクチャ(白抜き矢印)を示す図である。図8において、処理対象になるGOPをGOP−aと表記し、このGOP−aの次に処理対象になるGOPをGOP−bと表記する。これらのGOPは、記録再生部7によって記録媒体7aから順番に読み出される。GOPの読み出しにあたっては、図9に示されるように、GOP2つ分のデータを記憶できる記憶領域、すなわち、第1のGOPバッファ20と第2のGOPバッファ21をメモリ9に用意し、GOP−aの表示が完了した時点で、記憶装置7から次のGOPであるGOP−cを読み出すようにシステム制御部10が制御を行う。
【0024】
はじめは、図9に示されるように、記録再生部7から、第1のGOPバッファ20にGOP−aが、第2のGOPバッファ21にGOP−bが読み出された状態から処理を開始する。図8及び図9において、GOP−aのIピクチャをIn−a、PピクチャをPn−a、BピクチャをBn−aと表記し、GOP−bのIピクチャをIn−b、PピクチャをPn−b、BピクチャをBn−bと表記する。また、図9において、GOP−cのIピクチャをIn−c、PピクチャをPn−c、BピクチャをBn−cと表記する。ここで、nは任意の数字(本実施の形態においては、n=0,1,…,14)とする。また、状態S1−aは、PピクチャP14−aの表示が完了した状態を示す。
【0025】
次に、図8に示されるように、BピクチャB13−aを表示するために参照バッファRB1に保持されているPピクチャP14−aと、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP11−aを使ってBピクチャB13−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S2−a)。次に、BピクチャB12−aを表示するために、BピクチャB13−aと同様に、参照バッファRB1に保持されているPピクチャP14−aと、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP11−aを使ってBピクチャB12−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S3−a)。BピクチャB13−a及びBピクチャB12−aの各復号処理は、通常再生時と同じく、1ピクチャ分の負荷であり、通常再生時における1ピクチャ分のデコード時間を要する。
【0026】
次に、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP11−aを表示用バッファDB0にコピーして、PピクチャP11−aを表示する(状態S4−a)。PピクチャP11−aを表示するタイミングで、GOP−a内のIピクチャI2−aを再び復号して参照バッファRB1に取り込む(状態S5−a)。このとき、PピクチャP14−aは、IピクチャI2−aの上書きによって参照バッファRB1から無くなる。PピクチャP11−aの表示とIピクチャI2−aの復号処理の合計の負荷は、1ピクチャ分の負荷であり、通常再生時における1ピクチャ分のデコード時間を要する。
【0027】
次に、BピクチャB10−aを表示するために、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP11−aと参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8−aを使ってBピクチャB10−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S6−a)。次に、BピクチャB9−aを表示するために、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP11−aと参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8−aを使ってBピクチャB9−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S7−a)。
【0028】
次に、参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8−aを表示用バッファDB0にコピーして、PピクチャP8−aを表示する(状態S8−a)。PピクチャP8−aを表示するタイミングで、GOPバッファ(図9のバッファ21)に保持された次のGOP(すなわち、GOP−b)内のIピクチャI2−bを復号し、参照バッファRB4に取り込む(状態S9−a)。このとき、参照バッファRB4に保持されていたPピクチャP11−aは、上書きされ、参照バッファ上から無くなる。PピクチャP8−aの表示とIピクチャI2−bの復号処理の合計の負荷は、1ピクチャ分の負荷であり、通常再生時における1ピクチャ分のデコード時間を要する。
【0029】
次に、BピクチャB7−aを表示するために、参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8−aと参照バッファRB2に保持されているPピクチャP5−aを使って、BピクチャB7−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S10−a)。次に、BピクチャB6−aを表示するために、参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8−aと参照バッファRB2に保持されているPピクチャP5−aを使って、BピクチャB6−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S11−a)。
【0030】
次に、参照バッファRB2に保持されているPピクチャP5−aを表示用バッファDB0にコピーし、PピクチャP5−aを表示する(状態S12−a)。PピクチャP5−aを表示するタイミングで、GOPバッファ(図9のバッファ21)に保持された次のGOP(すなわち、GOP−b)内のPピクチャP5−bを復号し、参照バッファRB3に取り込む(状態S13−a)。このとき、参照バッファRB3に保持されていたPピクチャP8−aは、上書きされ、参照バッファ上から無くなる。
【0031】
次に、BピクチャB4−aを表示するために、参照バッファRB1に保持されているIピクチャI2−aと参照バッファRB2に保持されているPピクチャP5−aを使って、BピクチャB4−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S14−a)。次に、BピクチャB3−aを表示するために、参照バッファRB1に保持されているIピクチャI2−aと参照バッファRB2に保持されているPピクチャP5−aを使って、BピクチャB3−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S15−a)。
【0032】
次に、参照バッファRB1に保持されているIピクチャI2−aを表示用バッファDB0にコピーし、IピクチャI2−aを表示する(状態S16−a)。IピクチャI2−aを表示するタイミングで、GOPバッファ(図9のバッファ21)に保持された次のGOP(すなわち、GOP−b)内のPピクチャP8−bを復号し、参照バッファRB2に取り込む(状態S17−a)。このとき、参照バッファRB2に保持されていたPピクチャP5−aは、上書きされ、参照バッファ上から無くなる。
【0033】
次に、参照バッファRB1に保持されているIピクチャI2−aを使って、BピクチャB1−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S18−a)。次に、参照バッファRB1に保持されているIピクチャI2−aを使って、BピクチャB0−aを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S19−a)。
【0034】
次に、参照バッファRB2に保持されているPピクチャP8−bを使って、GOP−b内に保持されているPピクチャP11−bを復号し、参照バッファRB1に取り込む(状態S20−a)。以上で、GOP−a内の各ピクチャの復号表示が完了し、同時に、GOP−aの次に表示されるべきGOPであるGOP−bの表示開始準備が完了する。GOP−aの表示が完了したので、ここでGOP−cをメモリ9上に保持されている第1のGOPバッファ20に読み出しておく。
【0035】
図10は、逆方向再生を行う場合の参照バッファRB1〜RB4の状態、表示用バッファDB0の状態、復号処理対象のピクチャ(白抜き矢印)を示す図である。図10は、図8に示す処理に続く処理を示す。図10の処理は、第1のGOPバッファ20にGOP−cが、第2のGOPバッファ21にGOP−bが読み出された状態から開始される。
【0036】
図10に示されるように、状態S20−aで、GOP−b内のPピクチャP11−bが準備されたので、再生するべき、PピクチャP14−bの復号が可能になる。そこで、まずは参照バッファRB1に保持されているPピクチャP11−bを使って、PピクチャP14−bを復号して参照バッファRB4に取り込む(状態S1−b)。そして、PピクチャP14−bを表示用バッファDB0に書き込み、PピクチャP14−bを表示する。
【0037】
次に、BピクチャB13−bを表示するために、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP14−bと参照バッファRB1に保持されているPピクチャP11−bを使ってBピクチャB13−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S2−b)。
【0038】
次に、BピクチャB12−bを表示するために、BピクチャB13−bと同様に、参照バッファRB4に保持されているPピクチャP14−bと参照バッファRB1に保持されているPピクチャP11−bを使ってBピクチャB12−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S3−b)。
【0039】
次に、参照バッファRB1に保持されているPピクチャP11−bを表示用バッファDB0にコピーして、PピクチャP11−bを表示する(状態S4−b)。
PピクチャP11−bを表示するタイミングで、GOP−b内のIピクチャI2−bを再び復号して参照バッファRB4に取り込む(状態S5−b)。このとき、PピクチャP14−bは、IピクチャI2−aの上書きによって参照バッファRB4から無くなる。
【0040】
次に、BピクチャB10−aを表示するために、参照バッファRB1に保持されているPピクチャP11−bと参照バッファRB2に保持されているPピクチャP8−bを使ってBピクチャB10−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S6−b)。次に、BピクチャB9−bを表示するために、参照バッファRB1に保持されているPピクチャP11−aと参照バッファRB2に保持されているPピクチャP8−bを使ってBピクチャB9−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S7−b)。
【0041】
次に、参照バッファRB2に保持されているPピクチャP8−bを表示用バッファDB0にコピーしこれを表示する(状態S8−b)。PピクチャP8−bを表示するタイミングで、GOPバッファ(図9のバッファ20)に保持された次のGOP(すなわち、GOP−c)内のIピクチャI2−cを復号し、参照バッファRB1に取り込む(状態S9−b)。このとき、参照バッファRB1に保持されていたPピクチャP11−bは、上書きされ、参照バッファ上から無くなる。
【0042】
次に、BピクチャB7−bを表示するために、参照バッファRB2に保持されているPピクチャP8−bと参照バッファRB3に保持されているPピクチャP5−bを使って、BピクチャB7−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S10−b)。次に、BピクチャB6−bを表示するために、参照バッファRB2に保持されているPピクチャP8−bと参照バッファRB3に保持されているPピクチャP5−bを使って、BピクチャB6−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S11−b)。
【0043】
次に、参照バッファRB3に保持されているPピクチャP5−bを表示用バッファDB0にコピーし、PピクチャP5−bを表示する(状態S12−b)。PピクチャP5−bを表示するタイミングで、GOPバッファ(図9のバッファ20)に保持された次のGOP(すなわち、GOP−c)内のPピクチャP5−cを復号し、参照バッファRB2に取り込む(状態S13−b)。このとき、参照バッファRB2に保持されていたPピクチャP8−bは、上書きされ、参照バッファ上から無くなる。
【0044】
次に、BピクチャB4−bを表示するために、参照バッファRB4に保持されているIピクチャI2−bと参照バッファRB3に保持されているPピクチャP5−bを使って、BピクチャB4−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S14−b)。次に、BピクチャB3−bを表示するために、参照バッファRB4に保持されているIピクチャI2−aと参照バッファRB3に保持されているPピクチャP5−bを使って、BピクチャB3−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S15−b)。
【0045】
次に、参照バッファRB4に保持されているIピクチャI2−bを表示用バッファDB0にコピーし、IピクチャI2−bを表示する(状態S16−b)。IピクチャI2−bを表示するタイミングで、GOPバッファ(図9のバッファ20)に保持された次のGOP(すなわち、GOP−c)内のPピクチャP8−cを復号し、参照バッファRB3に取り込む(状態S17−b)。このとき、参照バッファRB3に保持されていたPピクチャP5−bは、上書きされ、参照バッファ上から無くなる。
【0046】
次に、参照バッファRB4に保持されているIピクチャI2−bを使って、BピクチャB1−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S18−b)。次に、参照バッファRB4に保持されているIピクチャI2−bを使って、BピクチャB0−bを復号して表示用バッファDB0に取り込む(状態S19−b)。
【0047】
次に、参照バッファRB3に保持されているPピクチャP8−cを使って、GOP−c内に保持されているPピクチャP11−cを復号し、参照バッファRB4に取り込む(状態S20−b)。ここまでで、GOP−b内の各ピクチャの復号表示が完了し、さらに、次のGOPであるGOP−cの表示開始準備が完了する。その後は上記の一連の流れを繰り返すことで、再生制御が行われる。
【0048】
図11は、図8に示されるデータ処理において、復号対象のピクチャと、表示対象のピクチャと、復号に要する処理数(デコード数)の関係を示す図である。Bピクチャの生成は、4つの参照バッファのうち2つの参照バッファのデータを参照して復号処理を行うことによって行われ、Bピクチャの表示は、生成されたBピクチャを表示用バッファDB0にコピーすることによって行われる。Pピクチャ及びIピクチャに関しては、予め復号して参照バッファRB1〜RB4に用意しておいたものを必要な時点で表示用バッファDB0にコピーして表示している。例えば、PピクチャP11−aを表示する際には、これは既に参照バッファRB4に保持されているので、ここで次のGOP−bのIピクチャI2を復号して準備しておく。また、PピクチャP8を表示する際には、これは既に参照バッファRB3に保持されているので、ここで次のGOPのPピクチャP5を復号して準備しておく。ここで、GOPの境界のBピクチャB0とPピクチャP14の間については、例えば、BピクチャB0−a及び、PピクチャP11−bを復号する必要がある。図11では、その意味で復号処理数を“2”として表記している。このように制御することで、1フレームの映像を表示する期間で、最大でも2ピクチャ分の復号をすれば良い。逆方向スロー再生において、1/2倍速であれば1フレーム分(1ピクチャ分)の表示時間は1/15秒であり、この時間で最大2ピクチャ分の復号処理と必要であればメモリコピーを行えばよいことなる。これは通常再生時と同等の処理能力があれば処理可能なレベルである。
【0049】
図12は、図10に示されるデータ処理において、復号対象のピクチャと、表示対象のピクチャと、復号に要する処理数(デコード数)の関係を示す図である。図11の場合と同様の理由によって、逆方向スロー再生において、1/2倍速であれば1フレーム分(1ピクチャ分)の表示時間は1/15秒であり、この時間で最大2ピクチャ分の復号処理と必要であればメモリコピーを行えばよいことなる。これは通常再生時と同等の処理能力があれば処理可能なレベルである。
【0050】
以上に説明したように、本実施の形態においては、記録媒体7aに記録された符号化されたデジタル映像データをGOP単位で読み出し、GOPバッファ20又は21に保持するステップと、GOPバッファ20又は21に保持されたGOPを復号してIピクチャ及び複数個のPピクチャを生成し、これら生成されたIピクチャ及び複数個のPピクチャのうちの複数個のピクチャを参照バッファRB1〜RB4に保持するステップと、参照バッファRB1〜RB4に保持されているIピクチャ又はPピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理、又は、参照バッファRB1〜RB4に保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照してBピクチャを生成し、生成されたBピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理によって、表示用バッファDB0に保持されたピクチャに基づく表示用映像信号を出力するステップとを有し、表示用バッファDB0にピクチャを書き込む処理を、参照バッファRB1〜RB4に保持されているIピクチャ、参照バッファRB1〜RB4に保持されているPピクチャ、又は前記生成されたBピクチャを、時間的に新しいピクチャから古いピクチャに向かう順に表示用バッファDB0に1ピクチャずつ上書きすることによって実行している。このように、GOPバッファ20又は21に保持されたGOP内のIピクチャ及びPピクチャを予め復号して保持する参照バッファRB1〜Rb4を備えることによって、参照バッファRB1〜Rb4に保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照してBピクチャを復号することができる。このため、GOPバッファ20又は21に保持されているGOPをBピクチャ復号のたびに先頭から復号する従来の再生方法に比べ、データ処理量を低減することができる。よって、本実施の形態の逆方向再生方法によれば、スムーズな映像の逆方向再生を比較的早い速度で実行することができる。
【0051】
また、本実施の形態においては、参照バッファRB1〜RB4に保持されているピクチャがすべてPピクチャである場合に、参照バッファRB1〜RB4に保持されているPピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理を実行したタイミング(図8における状態S4−a、S5−a)で、GOPバッファ20又は21に保持されているGOPから復号されたIピクチャを生成させ、該生成されたIピクチャを参照バッファRB1〜RB4に保持されているPピクチャのいずれか(図8におけるP14−a)に上書する処理を実行する。参照バッファRB1〜RB4に保持されているPピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理は、メモリ9内におけるデータ移動であって負荷の小さい処理であるので、図8における状態S4−a、S5−aの処理は、通常再生時の復号処理能力があれば1デコード時間内で実現できる。よって、本実施の形態の逆方向再生方法によれば、スムーズな映像の逆方向再生を比較的早い速度で実行することができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、参照バッファRB1〜RB4に保持されているIピクチャ又はPピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理を実行したタイミング(図8における状態S4−a、S8−a、S12−a、S16−a)で、このタイミングよりも時間的に前であって且つこのタイミングに最も近い時点で表示用バッファDB0に書き込まれたPピクチャが保持されている参照バッファに、新たに復号されたIピクチャ(図8における状態S6−a)又はPピクチャ(図8における状態S5−a、S9−a、S13−a、S17−a)を上書きする処理を実行する。このため、GOPを構成するすべてのピクチャを復号してバッファに保持する方法と比較して、メモリ利用効率を上げることができる。
【0053】
また、本実施の形態においては、参照バッファRB1〜RB4に保持されているIピクチャ又はPピクチャを表示用バッファDB0に書き込む処理を実行したタイミングで、現在復号対象となっているGOP(例えば、図8及び図9におけるGOP−a)よりも時間的に古い他のGOP(例えば、図8及び図9におけるGOP−b)を復号してIピクチャ又はPピクチャを生成し、他のGOP(例えば、図8及び図9におけるGOP−b)を復号して生成されたIピクチャ又はPピクチャを参照バッファRB1〜RB4のいずれかのピクチャに上書きする処理を実行する(図8における状態S9−a、S13−a、S17−a、S20−a)。このため、GOP−aと、その次に再生されるGOP−bの境界で不自然さの無いスムーズな表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示される切り替え部の機能を説明するための図である。
【図3】(A)は、時間的に古いデータから順に記録媒体のデータを読み出す通常再生時のTS送出タイミングを示す図であり、(B)は、時間的に新しいデータから順に記録媒体のデータを読み出す逆方向スロー再生時におけるTS送出タイミングを示す図である。
【図4】(A)は、GOPを構成する符号化されたピクチャを示す図であり、(B)は、復号化後のピクチャを示す図であり、(C)は、逆方向再生時におけるピクチャの表示順を示す図である。
【図5】図1のメモリ上に用意された参照バッファと表示用バッファを示す図である。
【図6】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態における参照バッファの初期制御状態を模式的に示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における復号処理時間を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における参照バッファ及び表示用バッファの制御状態を模式的に示す図である。
【図9】図1のメモリ上に用意されたGOPバッファにGOPを上書きする処理を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における参照バッファ及び表示用バッファの制御状態(図8に続く状態)を模式的に示す図である。
【図11】図8における復号処理数を示す図である。
【図12】図10における復号処理数を示す図である。
【図13】従来の映像再生装置におけるスロー再生方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 アンテナ、 2 チューナ、 3 復調部、 4 切り替え部、 5 多重分離部、 6 デコーダ、 7 記録再生部、 7a 記録媒体、 8 記録再生制御部、 9 メモリ、 10 システム制御部、 11 映像再生装置、 20 第1のGOPバッファ、 21 第2のGOPバッファ、 DB0 表示用バッファ、 RB1〜RB4 参照バッファ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された符号化されたデジタル映像データをGOP単位で読み出す読出部と、
前記読み出されたGOPを一時的に保持するGOPバッファと、
前記GOPバッファに保持されたGOPを復号してIピクチャ、複数個のPピクチャ、及び複数個のBピクチャを生成するデコーダと、
保持したピクチャに基づく表示用映像信号を出力する表示用バッファと、
前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記生成されたIピクチャ及び複数個のPピクチャのうちの複数個のピクチャを一時的に保持する参照バッファと、
前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理、及び、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照して前記デコーダにBピクチャを生成させ、前記生成されたBピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行するシステム制御部と
を有し、
前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記システム制御部は、前記表示用バッファにピクチャを書き込む処理を、前記参照バッファに保持されているIピクチャ、前記参照バッファに保持されているPピクチャ、又は前記生成されたBピクチャを、時間的に新しいピクチャから古いピクチャに向かう順に前記表示用バッファに1ピクチャずつ上書きすることによって実行する
ことを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記参照バッファに保持されているピクチャがすべてPピクチャである場合には、前記システム制御部は、前記参照バッファに保持されているPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行したタイミングで、前記GOPバッファに保持されているGOPから復号されたIピクチャを生成させ、該生成されたIピクチャを前記参照バッファに保持されているPピクチャのいずれかに上書する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記システム制御部は、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行したタイミングで、該タイミングよりも時間的に前であって且つ該タイミングに最も近い時点で前記表示用バッファに書き込まれたPピクチャが保持されている前記参照バッファに、前記デコーダによって新たに復号されたIピクチャ又はPピクチャを上書きする処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記デジタル映像データを逆方向再生するときに、前記システム制御部は、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行したタイミングで、現在復号対象となっているGOPよりも時間的に古い他のGOPを前記デコーダによって復号させてIピクチャ又はPピクチャを生成し、前記他のGOPを復号して生成されたIピクチャ又はPピクチャを前記参照バッファのいずれかのピクチャに上書きする処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記GOPバッファに保持されたGOPは、1個のIピクチャ及び4個のPピクチャを含み
前記参照バッファに保持されるピクチャ数が4個である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の映像再生装置。
【請求項6】
記録媒体に記録された符号化されたデジタル映像データをGOP単位で読み出し、GOPバッファに保持するステップと、
前記GOPバッファに保持されたGOPを復号してIピクチャ及び複数個のPピクチャを生成し、前記生成されたIピクチャ及び複数個のPピクチャのうちの複数個のピクチャを参照バッファに保持するステップと、
前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを表示用バッファに書き込む処理、又は、前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを参照してBピクチャを生成し、前記生成されたBピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理によって、前記表示用バッファに保持されたピクチャに基づく表示用映像信号を出力するステップと
を有し、
前記表示用バッファにピクチャを書き込む処理を、前記参照バッファに保持されているIピクチャ、前記参照バッファに保持されているPピクチャ、又は前記生成されたBピクチャを、時間的に新しいピクチャから古いピクチャに向かう順に前記表示用バッファに1ピクチャずつ上書きすることによって実行する
ことを特徴とする逆方向再生方法。
【請求項7】
前記参照バッファに保持されているピクチャがすべてPピクチャである場合に、前記参照バッファに保持されているPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行したタイミングで、前記GOPバッファに保持されているGOPから復号されたIピクチャを生成させ、該生成されたIピクチャを前記参照バッファに保持されているPピクチャのいずれかに上書する処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の逆方向再生方法。
【請求項8】
前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行したタイミングで、該タイミングよりも時間的に前であって且つ該タイミングに最も近い時点で前記表示用バッファに書き込まれたPピクチャが保持されている前記参照バッファに、新たに復号されたIピクチャ又はPピクチャを上書きする処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の逆方向再生方法。
【請求項9】
前記参照バッファに保持されているIピクチャ又はPピクチャを前記表示用バッファに書き込む処理を実行したタイミングで、現在復号対象となっているGOPよりも時間的に古い他のGOPを復号してIピクチャ又はPピクチャを生成し、前記他のGOPを復号して生成されたIピクチャ又はPピクチャを前記参照バッファのいずれかのピクチャに上書きする処理を実行することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の逆方向再生方法。
【請求項10】
前記GOPバッファに保持されたGOPは、1個のIピクチャ及び4個のPピクチャを含み
前記参照バッファに保持されるピクチャ数が4個である
ことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の逆方向再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−221306(P2007−221306A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37649(P2006−37649)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】