映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法
本発明は、塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する塗膜映像保存過程と、前記塗膜映像保存過程後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする塗膜情報ローディング過程と、前記塗膜情報ローディング過程後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する剥離及び錆抽出過程と、前記剥離及び錆抽出過程後に、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する再塗装情報算出過程とから構成される映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法に関し、特に撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出する映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鋼橋梁などの各種構造物に用いられる鉄鋼は、その数と規模が急増しており、現代文明に不可欠な重要な材料である。その反面、これらの材料は、使用環境によって「劣化」又は「腐食」が起こるという重要な欠点を有するので、使用に多くの障害がある。特に、鉄鋼を中心とする金属材料は、安定した天然金属酸化物(錆の形態)である鉱石に多くのエネルギーを加えて有用な実用材料に還元させた不安定なものなので、再び安定した元の状態に戻ろうとする天性の腐食性を有する。
【0003】
従って、このような金属材料の腐食損失は、最近の調査によれば、西欧の工業国でもGNPの2〜3%に達するという。また、2002年の米国の統計によれば、金属腐食により直接損失するコストも年間約2,500億ドルに達すると推算されている。もちろん、このような直接損失以外にも、腐食による修理運休、稼動中断、効率低下、再建設、過重な設計などの間接損失まで加えると、その経済的な損失は実に莫大なものである。
【0004】
また、腐食問題は、経済的な面だけでなく、事故による人命被害につながる恐れがあるので、このような腐食問題の深刻さを正しく認識することは非常に重要である。
【0005】
しかし、韓国内ではこのような腐食問題をないがしろにするので、多くの既存の施設や構造物に深刻な腐食問題が散在している実情であり、これにより社会的に大きな物議を醸すこともあり、現在は周辺の安全に深刻な影響を与えている。しかも、このような実情にもかかわらず、最近行われている主要建設工事ですら、先進国で既に常識化されている基本的な防食技術の重要性を十分に認識しておらず、設計適用を考慮しないことがしばしばあるのが現実である。
【0006】
また、韓国内の鋼橋梁は一般にコンクリートと共に鉄鋼構造物で建設されており、これらの鋼橋梁は、ほとんどが建設初期段階から腐食損傷が予想される鉄筋、鉄骨、ボルト結合部、溶接結合部などの主要部材を中心に全ての部分に防錆被覆塗装を周期的に適用している。一方、このような防錆防食にもかかわらず、最近はこれらの構造物の使用条件が自然汚染や工業発達により日々苛酷化かつ多様化しており、その適正防食寿命まで耐えられずに劣化して腐食損傷被害が続出している現状である。
【0007】
また、最近は海洋環境における構造物建設、塩化物系融雪剤の使用などの鋼材腐食要因の増加により、鋼構造物のメインテナンスの重要性がさらに注目されてきており、経済的かつ効率的な維持管理が要求されている。前記鋼橋の維持管理において、塗膜の寿命は鋼橋の使用年数に比べて非常に短いので、良好な塗膜状態を維持するためには、適切な時期に再塗装が行われるべきである。
【0008】
次に、図1を参照してこのような従来の塗膜検査方法を説明すると、写真やビデオで撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報をメモリ手段に保存する保存ステップ(S101)と、前記保存ステップ(S101)後に、撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報から錆、剥離などの欠陥の占める劣化面積率及び形状などの特徴量を算出する劣化面積算出ステップ(S102)と、前記劣化面積評価ステップ(S102)後に、その算出された特徴量から得られた塗膜劣化度評価基準により、塗膜の残り寿命(再塗装時期)と、図2に示すような橋梁毎の塗膜劣化曲線(塗膜劣化の推移)を得て、早期劣化又は異常塗膜劣化が発生した橋梁を抽出する塗膜劣化橋梁抽出ステップ(S103)とを含む。
【0009】
一方、このような従来の塗膜検査方法をより具体的に説明すると、メモリ手段に保存された写真やビデオで撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報を呼び出し、その撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報から錆、剥離などの欠陥が占める劣化面積率及び形状などの特徴量を算出する。すなわち、前記塗膜劣化の映像情報のうち錆や剥離などの塗膜劣化部(変状部)は、周辺の正常な塗膜面と比較すると、通常は相対的に暗く、その模様を模式的に示すと図2(a)のようになる。
【0010】
このような画像から劣化部を抽出するために一定の明るさで区分する方法(すなわち、指定された明るさよりも暗い部分は劣化部、明るい部分は正常な塗膜面と判定する方法)を適用しても、人の視覚のようによい結果を得ることはできない。
【0011】
前記劣化部でなくても指定された明るさ(限界値)に達しないと劣化部とみなされ、逆に劣化部であっても限界値が高いと劣化部とみなされない場合がある(図2(b))。
【0012】
具体的には、まず図2(a)の入力画像に対して最大値フィルタ処理を行う。前記最大値フィルタ処理とは、画像中の一地点Pの明るさをその周辺で最も明るい明るさに変換する処理である。前記処理の結果、周辺の範囲(フィルタサイズ)より小さく、周辺と比較して暗い点は周辺と同じ明るさに変換された劣化部で埋められる(図2(c))。一方、図2(c)の画像に対して最小値フィルタ処理を行う。また、前記最小値フィルタ処理とは、最大値フィルタ処理とは反対に、画像中の一地点Pの明るさをその周辺で最も暗い点の明るさに変換する処理である。
【0013】
前記変換の結果、最大値フィルタ処理によって全体的に明るくなった画像を元の明るさに戻すことができる。しかし、このように一度最大値フィルタ処理によって劣化部と認識された部分は元に戻すことができないので、図2(a)の入力画像から劣化部(周辺と比較して暗い点)のみを抽出した画像を得ることができる(図2(d))。従って、図2(a)から図2(d)を除いた画像を得れば、照度変化に影響を受けない劣化部だけの画像になる。このように、画像に照度変化がある場合の領域抽出法により、画像中の各位置で周辺の明るさに比べて相対的に暗い領域を抽出し、それを劣化部と認識する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、このような従来の塗膜検査方法は、グレーレベル映像(明暗)のみを用いて劣化領域を抽出するので、劣化の種類、すなわち錆と剥離を区別できず、劣化の種類による劣化度の差を反映することはできないため、効率的な塗装状態の検査が行えない。すなわち、前記劣化の種類には錆、剥離、ひび割れ、チョーキングなどがあり、それらのうち最も頻繁に発生するのは錆と剥離であるが、前記鋼橋塗装は鋼材の腐食防止が主機能であり、実際に鋼橋塗膜の錆と剥離は塗膜下の鋼材に及ぼす影響が異なる。
【0015】
従って、このような従来の塗膜検査方法は、錆と剥離の面積率による評価基準が下記表1から分かるように大きく異なるので、従来の明暗のみを利用する塗膜検査方法では正確な劣化度算出及び適切な塗装時期の把握はできないという問題を引き起こす。
【0016】
【表1】
【0017】
<鋼橋塗膜劣化度評価基準>
よって、本発明はこのような従来技術の諸問題を解決するためになされたものであり、塗膜の再塗装を行うか否か決定する劣化度評価項目のうち最も配点が大きい錆と剥離を区分して検出する、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法を提供することを目的とする。
【0018】
本発明の他の目的は、撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出することにより、鋼橋塗膜の状態を定量的に診断できる、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、映像処理方法を用いて鋼橋の塗膜検査を行い、錆と剥離を区分して扱うことにより、効率的な再塗装時期の予測が行える、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明は、鋼橋の塗膜映像情報を撮像して出力する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された塗膜の画像ファイルの劣化タイプを映像処理プロセスにより診断し、錆と剥離の部位を検出し、その後劣化面積率を出力部に表示して再塗装時期及び最適塗装方法を算出するコンピュータ装置と、前記コンピュータ装置の機能制御信号により撮像された鋼橋の塗膜映像情報、並びに映像処理プロセスにより処理された塗膜劣化度及び再塗装時期算出情報を保存すると共に、塗膜検査システムにより処理された各種情報を保存管理するDB(Database)部とから構成される、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムを提供する。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する塗膜映像保存過程と、前記塗膜映像保存過程後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする塗膜情報ローディング過程と、前記塗膜情報ローディング過程後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する剥離及び錆抽出過程と、前記剥離及び錆抽出過程後に、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する再塗装情報算出過程とから構成される、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法を提供する。
【0022】
さらに、本発明のさらに他の特徴によれば、塗膜検査システムにおいて鋼橋映像から色情報で境界線を抽出する第1過程と、前記第1過程で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッドを適用して領域を分割する第2過程と、前記第2過程で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第3過程と、前記第3過程後に、パルツェン窓を用いて錆の確率密度関数を生成する第4過程と、前記第4過程で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第5過程と、前記第5過程後に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第6過程とから構成される、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明のように、本発明は、撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出することにより、(a)鋼橋塗膜の状態を定量的に診断することができ、また(b)錆と剥離を区分して取り扱うことによって効率的な再塗装時期の予測が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の塗膜検査システムを説明するフローチャートである。
【図2】(a)〜(d)は、従来の塗膜検査システムによる塗膜検査方法の一例を説明する説明図である。
【図3】本発明の塗膜検査システムを説明するブロック図である。
【図4】本発明の塗膜検査方法を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の塗膜検査方法の劣化診断を開始する画面を説明する説明図である。
【図6】本発明の方法のうち原本ファイルの写真を映像処理した写真を説明する説明図である。
【図7】本発明の方法により算出された結果の一例を説明する説明図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の方法により色境界線を抽出する方法を説明する説明図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の方法により実現される色差を説明する説明図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の剥離抽出過程を説明する説明図である。
【図11】(a)及び(b)は、本発明により実現された錆映像を説明する説明図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の錆抽出過程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の塗膜検査システムは、図3に示すように、鋼橋の塗膜映像情報を撮像して出力する撮影手段1と、撮影手段1で撮影された塗膜の画像ファイルの劣化タイプを映像処理プロセスにより診断し、例えば錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を出力部2に表示して再塗装時期及び最適塗装方法を算出するコンピュータ装置3と、コンピュータ装置3の機能制御信号により撮像された鋼橋の塗膜映像情報、並びに映像処理プロセスにより処理された塗膜劣化度及び再塗装時期算出情報を保存すると共に、塗膜検査システム4により処理された各種情報を保存管理するDB(Database)部5とから構成される。
【0026】
ここで、コンピュータ装置3の一端には各種制御信号を入力する入力部6が接続される。また、撮影手段1は、デジタルカメラ、アナログカメラ、カムコーダ、スキャナなどを含む。また、出力部2は、モニタ又はプリンタを含む。
【0027】
次に、本発明の塗膜検査システムに適用される塗膜検査方法を説明する。
【0028】
本発明の方法は、図4に示すように、初期化過程(S200)から塗膜映像保存過程(S300)に進み、塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する。そして、前記塗膜映像保存過程(S300)後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は塗膜情報ローディング過程(S400)に進み、図5に示すように、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする。また、前記塗膜情報ローディング過程(S400)後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、剥離及び錆抽出過程(S500)に進み、図6に示すように、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する。
【0029】
そして、前記剥離及び錆抽出過程(S500)後に、再塗装情報算出過程(S600)に進み、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する。
【0030】
ここで、前記剥離及び錆抽出過程(S500)は、鋼橋映像において色情報により境界線を抽出する第501段階と、前記第501段階で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッド(watershed)を適用して領域を分割する第502段階と、前記第502段階で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第503段階とからなる剥離抽出過程をさらに含む。
【0031】
一方、前記剥離及び錆抽出過程(S500)は、パルツェン窓(Parzen window)を用いて錆の確率密度関数を生成する第511段階と、前記第511段階で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第512段階と、前記第512段階中に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第513段階とからなる錆抽出過程をさらに含む。
【0032】
以上の説明のように、前記剥離及び錆抽出過程(S500)の剥離抽出過程と錆抽出過程により、鋼橋塗膜の劣化レベルの算出に必要な錆と剥離を区分して検出することができる。
【0033】
ここで、前記剥離抽出過程中には、ウォーターシェッドアルゴリズムと色空間における類似度測定により剥離を効果的に検出することができ、錆抽出過程中には、パルツェン窓を用いた錆の確率密度関数を生成することにより、錆が発生する特徴に合わせて効果的に検出することができる。
【0034】
一方、このような剥離及び錆抽出過程(S500)により検査が完了したデータはDB部5に保存されているため、本発明の塗膜検査システム4のコンピュータ装置3は、図7に示すように、検査結果を出力部2、すなわちモニタ上にいつでも呼び出すことができるので、塗膜検査履歴管理が容易になり、最適な時期に補修塗装を行うことができるので、維持管理の効率が向上すると期待される。
【0035】
すなわち、前記剥離抽出過程の第501段階では色情報を用いて境界線を検出するが、領域を区分するために使用される情報は領域間の境界線情報であるため、境界線情報を正確に得るために色情報を用いなければならない。
【0036】
ここで、前記色値を用いた境界線抽出のために、RGB色空間でそれぞれのチャネルにソーベルマスクを用いて境界線を求め、その後各チャネルの境界線要素から最大値を用いて境界線を検出した。
【0037】
すなわち、図8(b)は図8(a)の映像からグレーレベルで境界線を抽出した図であり、図8(c)は色境界線の抽出結果を示す。ここで、図8(b)に比べて、図8(c)では境界線がより明確に検出されていることが分かる。
【0038】
そして、前記剥離抽出過程の第502段階では、先に作成した色境界線映像にウォーターシェッドアルゴリズムを適用して映像を同じ色の領域に分割する。
【0039】
ここで、前記ウォーターシェッドアルゴリズムとは、地形学分野で研究されたものであり、映像をピクセル値の高さの3次元地形とみなし、この地形に水を満たしたときにできる1つの輪郭線に囲まれた水溜りを分割された領域と判断して映像を分割するアルゴリズムである。
【0040】
また、前記剥離抽出過程の第503段階では、塗膜領域を指定して残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する。
【0041】
すなわち、図8に示すように、塗膜と剥離の区分は、色が大きく異なる場合と、明るさが大きく異なる場合に分けられる。また、図9(a)では塗膜と剥離は色が大きく異なることが分かり、図9(b)では明るさが大きく異なることが分かる。このような点を用いて塗膜領域との類似度を測定して剥離を区分する。
【0042】
すなわち、前記剥離抽出過程において診断しようとする鋼橋領域内部の最大領域は塗膜であるので、予め分割された領域の最大領域を塗膜に割り当てる。そして、残りの領域は最初に塗膜に設定された領域との色や明るさの類似度測定により塗膜や剥離に区分する。
【0043】
ここで、前記類似度測定のための代表値は、各領域の色と明るさ情報の平均を用いる。類似度測定式は次の式1の通りである。
【0044】
【数1】
【0045】
ここで、Pは塗膜領域であり、Cは比較しようとする領域である。前記色空間における1画素のベクトル要素を、色情報であるchと、明るさ情報であるluで表す。Tpeelingは色や明るさの類似度測定のための閾値(threshold)である。
【0046】
従って、前記塗膜との類似度測定で明るさや色の大きく異なる領域を剥離として検出する。式1はこのような点を考慮し、明るさ情報と色情報のうち大きく異なる値を使用して塗膜と剥離を区分する。
【0047】
結局、図10を参照して前記剥離抽出過程を説明すると、図10(a)の映像に色境界線抽出アルゴリズムを適用して境界線が検出された結果を図10(b)に示す。また、図10(c)は図10(b)にウォーターシェッドアルゴリズムを適用した結果であり、図10(d)は塗膜との類似度測定により剥離領域が抽出された結果である。塗膜領域を黒色、剥離領域を灰色で示す。
【0048】
一方、前記錆抽出過程では、確率に基づいて錆を区分するための確率密度関数は、錆のある鋼橋映像から手動で錆を抽出したカラー映像データにパルツェン窓方法を適用して求める。
【0049】
とりわけ、前記錆抽出過程は、パルツェン窓を用いるとデータの任意の確率分布を多項式のパラメータに依存せずにモデリングすることができる。
【0050】
前記錆の特徴の一つは、最初に錆びる場所が始発点となってその周辺が錆びるということである。
【0051】
従って、前記錆領域周辺画素は錆領域である確率が相対的に高くなる。
【0052】
よって、前記錆抽出過程においては、図11(a)に示す映像の画素を錆の発生確率によって異なる明るさで図11(b)に示す。また、図11(b)における黒色は錆の発生確率が0の画素であり、発生確率が高いほど白色に近い色で示す。また、図11(b)に示すように、錆のある場所の中心には非常に高い確率を有する錆の標本が存在し、周辺へ行くほど錆の発生確率の低い標本が存在する。
【0053】
すなわち、前記錆を検出するためには、まず錆である確率の高い場所を初期錆領域として区分し、錆である確率の低い場所は錆候補とみなす。画素の色xに対する初期錆領域と錆候補領域は、下記式2のように決定される。
【0054】
【数2】
【0055】
ここで、I(x,y)はx、y地点の画素を示す。aはx、y地点において色情報を有するベクトルであり、p(a|rust)は錆の確率密度関数である。Trustは初期錆領域を指定するために使用される確率値である。
【0056】
従って、前記錆抽出過程において、下記式3に示すように、錆領域と錆候補を割り当て、その後周辺位置に錆がある場合や、剥離領域の錆候補である場合は錆に割り当てる。
【0057】
【数3】
【0058】
ここで、Xcandidateは鋼橋映像において式2により決定された錆候補の位置座標であり、Xrustは鋼橋映像において式3と式2により決定された錆の位置座標である。Dは錆候補の周辺領域に錆があるか否かを確認する領域の範囲を決定するために用いられる大きさである。
【0059】
また、前記錆抽出過程で錆候補から錆に変わる画素がなくなるまで式3を繰り返して最終錆領域を決定する。
【0060】
結局、前記錆抽出過程を段階的に示すと、下記表2の通りである。
【0061】
【表2】
【0062】
結局、図12を参照して前記錆抽出過程を説明すると、図12の錆は白色で示し、錆候補は灰色で示す。
【0063】
すなわち、図12(a)の映像に錆抽出アルゴリズムStep 1を適用して錆と錆候補を示す映像が図12(b)であるが、確率の高い初期錆領域が錆候補の中心にあり、確率の低い錆候補が囲んでいることが分かる。
【0064】
図12(c)は錆抽出アルゴリズムの第2段階で錆領域が拡張された結果であるが、その周辺領域が錆領域である錆候補領域に徐々に拡張されていくことが分かる。
【0065】
図12(d)は最終錆検出結果を示す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上の説明のように、本発明は、撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出することにより、鋼橋塗膜の状態を定量的に診断することができ、鋼橋塗膜診断分野において便利に使用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1:撮影手段
2:出力部
3:コンピュータ装置
4:塗膜検査システム
5:DB部
6:入力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法に関し、特に撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出する映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鋼橋梁などの各種構造物に用いられる鉄鋼は、その数と規模が急増しており、現代文明に不可欠な重要な材料である。その反面、これらの材料は、使用環境によって「劣化」又は「腐食」が起こるという重要な欠点を有するので、使用に多くの障害がある。特に、鉄鋼を中心とする金属材料は、安定した天然金属酸化物(錆の形態)である鉱石に多くのエネルギーを加えて有用な実用材料に還元させた不安定なものなので、再び安定した元の状態に戻ろうとする天性の腐食性を有する。
【0003】
従って、このような金属材料の腐食損失は、最近の調査によれば、西欧の工業国でもGNPの2〜3%に達するという。また、2002年の米国の統計によれば、金属腐食により直接損失するコストも年間約2,500億ドルに達すると推算されている。もちろん、このような直接損失以外にも、腐食による修理運休、稼動中断、効率低下、再建設、過重な設計などの間接損失まで加えると、その経済的な損失は実に莫大なものである。
【0004】
また、腐食問題は、経済的な面だけでなく、事故による人命被害につながる恐れがあるので、このような腐食問題の深刻さを正しく認識することは非常に重要である。
【0005】
しかし、韓国内ではこのような腐食問題をないがしろにするので、多くの既存の施設や構造物に深刻な腐食問題が散在している実情であり、これにより社会的に大きな物議を醸すこともあり、現在は周辺の安全に深刻な影響を与えている。しかも、このような実情にもかかわらず、最近行われている主要建設工事ですら、先進国で既に常識化されている基本的な防食技術の重要性を十分に認識しておらず、設計適用を考慮しないことがしばしばあるのが現実である。
【0006】
また、韓国内の鋼橋梁は一般にコンクリートと共に鉄鋼構造物で建設されており、これらの鋼橋梁は、ほとんどが建設初期段階から腐食損傷が予想される鉄筋、鉄骨、ボルト結合部、溶接結合部などの主要部材を中心に全ての部分に防錆被覆塗装を周期的に適用している。一方、このような防錆防食にもかかわらず、最近はこれらの構造物の使用条件が自然汚染や工業発達により日々苛酷化かつ多様化しており、その適正防食寿命まで耐えられずに劣化して腐食損傷被害が続出している現状である。
【0007】
また、最近は海洋環境における構造物建設、塩化物系融雪剤の使用などの鋼材腐食要因の増加により、鋼構造物のメインテナンスの重要性がさらに注目されてきており、経済的かつ効率的な維持管理が要求されている。前記鋼橋の維持管理において、塗膜の寿命は鋼橋の使用年数に比べて非常に短いので、良好な塗膜状態を維持するためには、適切な時期に再塗装が行われるべきである。
【0008】
次に、図1を参照してこのような従来の塗膜検査方法を説明すると、写真やビデオで撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報をメモリ手段に保存する保存ステップ(S101)と、前記保存ステップ(S101)後に、撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報から錆、剥離などの欠陥の占める劣化面積率及び形状などの特徴量を算出する劣化面積算出ステップ(S102)と、前記劣化面積評価ステップ(S102)後に、その算出された特徴量から得られた塗膜劣化度評価基準により、塗膜の残り寿命(再塗装時期)と、図2に示すような橋梁毎の塗膜劣化曲線(塗膜劣化の推移)を得て、早期劣化又は異常塗膜劣化が発生した橋梁を抽出する塗膜劣化橋梁抽出ステップ(S103)とを含む。
【0009】
一方、このような従来の塗膜検査方法をより具体的に説明すると、メモリ手段に保存された写真やビデオで撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報を呼び出し、その撮影された鋼橋の塗膜劣化の映像情報から錆、剥離などの欠陥が占める劣化面積率及び形状などの特徴量を算出する。すなわち、前記塗膜劣化の映像情報のうち錆や剥離などの塗膜劣化部(変状部)は、周辺の正常な塗膜面と比較すると、通常は相対的に暗く、その模様を模式的に示すと図2(a)のようになる。
【0010】
このような画像から劣化部を抽出するために一定の明るさで区分する方法(すなわち、指定された明るさよりも暗い部分は劣化部、明るい部分は正常な塗膜面と判定する方法)を適用しても、人の視覚のようによい結果を得ることはできない。
【0011】
前記劣化部でなくても指定された明るさ(限界値)に達しないと劣化部とみなされ、逆に劣化部であっても限界値が高いと劣化部とみなされない場合がある(図2(b))。
【0012】
具体的には、まず図2(a)の入力画像に対して最大値フィルタ処理を行う。前記最大値フィルタ処理とは、画像中の一地点Pの明るさをその周辺で最も明るい明るさに変換する処理である。前記処理の結果、周辺の範囲(フィルタサイズ)より小さく、周辺と比較して暗い点は周辺と同じ明るさに変換された劣化部で埋められる(図2(c))。一方、図2(c)の画像に対して最小値フィルタ処理を行う。また、前記最小値フィルタ処理とは、最大値フィルタ処理とは反対に、画像中の一地点Pの明るさをその周辺で最も暗い点の明るさに変換する処理である。
【0013】
前記変換の結果、最大値フィルタ処理によって全体的に明るくなった画像を元の明るさに戻すことができる。しかし、このように一度最大値フィルタ処理によって劣化部と認識された部分は元に戻すことができないので、図2(a)の入力画像から劣化部(周辺と比較して暗い点)のみを抽出した画像を得ることができる(図2(d))。従って、図2(a)から図2(d)を除いた画像を得れば、照度変化に影響を受けない劣化部だけの画像になる。このように、画像に照度変化がある場合の領域抽出法により、画像中の各位置で周辺の明るさに比べて相対的に暗い領域を抽出し、それを劣化部と認識する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、このような従来の塗膜検査方法は、グレーレベル映像(明暗)のみを用いて劣化領域を抽出するので、劣化の種類、すなわち錆と剥離を区別できず、劣化の種類による劣化度の差を反映することはできないため、効率的な塗装状態の検査が行えない。すなわち、前記劣化の種類には錆、剥離、ひび割れ、チョーキングなどがあり、それらのうち最も頻繁に発生するのは錆と剥離であるが、前記鋼橋塗装は鋼材の腐食防止が主機能であり、実際に鋼橋塗膜の錆と剥離は塗膜下の鋼材に及ぼす影響が異なる。
【0015】
従って、このような従来の塗膜検査方法は、錆と剥離の面積率による評価基準が下記表1から分かるように大きく異なるので、従来の明暗のみを利用する塗膜検査方法では正確な劣化度算出及び適切な塗装時期の把握はできないという問題を引き起こす。
【0016】
【表1】
【0017】
<鋼橋塗膜劣化度評価基準>
よって、本発明はこのような従来技術の諸問題を解決するためになされたものであり、塗膜の再塗装を行うか否か決定する劣化度評価項目のうち最も配点が大きい錆と剥離を区分して検出する、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法を提供することを目的とする。
【0018】
本発明の他の目的は、撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出することにより、鋼橋塗膜の状態を定量的に診断できる、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、映像処理方法を用いて鋼橋の塗膜検査を行い、錆と剥離を区分して扱うことにより、効率的な再塗装時期の予測が行える、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム及びその処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明は、鋼橋の塗膜映像情報を撮像して出力する撮影手段と、前記撮影手段で撮影された塗膜の画像ファイルの劣化タイプを映像処理プロセスにより診断し、錆と剥離の部位を検出し、その後劣化面積率を出力部に表示して再塗装時期及び最適塗装方法を算出するコンピュータ装置と、前記コンピュータ装置の機能制御信号により撮像された鋼橋の塗膜映像情報、並びに映像処理プロセスにより処理された塗膜劣化度及び再塗装時期算出情報を保存すると共に、塗膜検査システムにより処理された各種情報を保存管理するDB(Database)部とから構成される、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムを提供する。
【0021】
本発明の他の特徴によれば、塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する塗膜映像保存過程と、前記塗膜映像保存過程後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする塗膜情報ローディング過程と、前記塗膜情報ローディング過程後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する剥離及び錆抽出過程と、前記剥離及び錆抽出過程後に、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する再塗装情報算出過程とから構成される、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法を提供する。
【0022】
さらに、本発明のさらに他の特徴によれば、塗膜検査システムにおいて鋼橋映像から色情報で境界線を抽出する第1過程と、前記第1過程で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッドを適用して領域を分割する第2過程と、前記第2過程で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第3過程と、前記第3過程後に、パルツェン窓を用いて錆の確率密度関数を生成する第4過程と、前記第4過程で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第5過程と、前記第5過程後に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第6過程とから構成される、映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明のように、本発明は、撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出することにより、(a)鋼橋塗膜の状態を定量的に診断することができ、また(b)錆と剥離を区分して取り扱うことによって効率的な再塗装時期の予測が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の塗膜検査システムを説明するフローチャートである。
【図2】(a)〜(d)は、従来の塗膜検査システムによる塗膜検査方法の一例を説明する説明図である。
【図3】本発明の塗膜検査システムを説明するブロック図である。
【図4】本発明の塗膜検査方法を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の塗膜検査方法の劣化診断を開始する画面を説明する説明図である。
【図6】本発明の方法のうち原本ファイルの写真を映像処理した写真を説明する説明図である。
【図7】本発明の方法により算出された結果の一例を説明する説明図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の方法により色境界線を抽出する方法を説明する説明図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の方法により実現される色差を説明する説明図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の剥離抽出過程を説明する説明図である。
【図11】(a)及び(b)は、本発明により実現された錆映像を説明する説明図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の錆抽出過程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の塗膜検査システムは、図3に示すように、鋼橋の塗膜映像情報を撮像して出力する撮影手段1と、撮影手段1で撮影された塗膜の画像ファイルの劣化タイプを映像処理プロセスにより診断し、例えば錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を出力部2に表示して再塗装時期及び最適塗装方法を算出するコンピュータ装置3と、コンピュータ装置3の機能制御信号により撮像された鋼橋の塗膜映像情報、並びに映像処理プロセスにより処理された塗膜劣化度及び再塗装時期算出情報を保存すると共に、塗膜検査システム4により処理された各種情報を保存管理するDB(Database)部5とから構成される。
【0026】
ここで、コンピュータ装置3の一端には各種制御信号を入力する入力部6が接続される。また、撮影手段1は、デジタルカメラ、アナログカメラ、カムコーダ、スキャナなどを含む。また、出力部2は、モニタ又はプリンタを含む。
【0027】
次に、本発明の塗膜検査システムに適用される塗膜検査方法を説明する。
【0028】
本発明の方法は、図4に示すように、初期化過程(S200)から塗膜映像保存過程(S300)に進み、塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する。そして、前記塗膜映像保存過程(S300)後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は塗膜情報ローディング過程(S400)に進み、図5に示すように、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする。また、前記塗膜情報ローディング過程(S400)後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、剥離及び錆抽出過程(S500)に進み、図6に示すように、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する。
【0029】
そして、前記剥離及び錆抽出過程(S500)後に、再塗装情報算出過程(S600)に進み、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する。
【0030】
ここで、前記剥離及び錆抽出過程(S500)は、鋼橋映像において色情報により境界線を抽出する第501段階と、前記第501段階で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッド(watershed)を適用して領域を分割する第502段階と、前記第502段階で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第503段階とからなる剥離抽出過程をさらに含む。
【0031】
一方、前記剥離及び錆抽出過程(S500)は、パルツェン窓(Parzen window)を用いて錆の確率密度関数を生成する第511段階と、前記第511段階で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第512段階と、前記第512段階中に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第513段階とからなる錆抽出過程をさらに含む。
【0032】
以上の説明のように、前記剥離及び錆抽出過程(S500)の剥離抽出過程と錆抽出過程により、鋼橋塗膜の劣化レベルの算出に必要な錆と剥離を区分して検出することができる。
【0033】
ここで、前記剥離抽出過程中には、ウォーターシェッドアルゴリズムと色空間における類似度測定により剥離を効果的に検出することができ、錆抽出過程中には、パルツェン窓を用いた錆の確率密度関数を生成することにより、錆が発生する特徴に合わせて効果的に検出することができる。
【0034】
一方、このような剥離及び錆抽出過程(S500)により検査が完了したデータはDB部5に保存されているため、本発明の塗膜検査システム4のコンピュータ装置3は、図7に示すように、検査結果を出力部2、すなわちモニタ上にいつでも呼び出すことができるので、塗膜検査履歴管理が容易になり、最適な時期に補修塗装を行うことができるので、維持管理の効率が向上すると期待される。
【0035】
すなわち、前記剥離抽出過程の第501段階では色情報を用いて境界線を検出するが、領域を区分するために使用される情報は領域間の境界線情報であるため、境界線情報を正確に得るために色情報を用いなければならない。
【0036】
ここで、前記色値を用いた境界線抽出のために、RGB色空間でそれぞれのチャネルにソーベルマスクを用いて境界線を求め、その後各チャネルの境界線要素から最大値を用いて境界線を検出した。
【0037】
すなわち、図8(b)は図8(a)の映像からグレーレベルで境界線を抽出した図であり、図8(c)は色境界線の抽出結果を示す。ここで、図8(b)に比べて、図8(c)では境界線がより明確に検出されていることが分かる。
【0038】
そして、前記剥離抽出過程の第502段階では、先に作成した色境界線映像にウォーターシェッドアルゴリズムを適用して映像を同じ色の領域に分割する。
【0039】
ここで、前記ウォーターシェッドアルゴリズムとは、地形学分野で研究されたものであり、映像をピクセル値の高さの3次元地形とみなし、この地形に水を満たしたときにできる1つの輪郭線に囲まれた水溜りを分割された領域と判断して映像を分割するアルゴリズムである。
【0040】
また、前記剥離抽出過程の第503段階では、塗膜領域を指定して残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する。
【0041】
すなわち、図8に示すように、塗膜と剥離の区分は、色が大きく異なる場合と、明るさが大きく異なる場合に分けられる。また、図9(a)では塗膜と剥離は色が大きく異なることが分かり、図9(b)では明るさが大きく異なることが分かる。このような点を用いて塗膜領域との類似度を測定して剥離を区分する。
【0042】
すなわち、前記剥離抽出過程において診断しようとする鋼橋領域内部の最大領域は塗膜であるので、予め分割された領域の最大領域を塗膜に割り当てる。そして、残りの領域は最初に塗膜に設定された領域との色や明るさの類似度測定により塗膜や剥離に区分する。
【0043】
ここで、前記類似度測定のための代表値は、各領域の色と明るさ情報の平均を用いる。類似度測定式は次の式1の通りである。
【0044】
【数1】
【0045】
ここで、Pは塗膜領域であり、Cは比較しようとする領域である。前記色空間における1画素のベクトル要素を、色情報であるchと、明るさ情報であるluで表す。Tpeelingは色や明るさの類似度測定のための閾値(threshold)である。
【0046】
従って、前記塗膜との類似度測定で明るさや色の大きく異なる領域を剥離として検出する。式1はこのような点を考慮し、明るさ情報と色情報のうち大きく異なる値を使用して塗膜と剥離を区分する。
【0047】
結局、図10を参照して前記剥離抽出過程を説明すると、図10(a)の映像に色境界線抽出アルゴリズムを適用して境界線が検出された結果を図10(b)に示す。また、図10(c)は図10(b)にウォーターシェッドアルゴリズムを適用した結果であり、図10(d)は塗膜との類似度測定により剥離領域が抽出された結果である。塗膜領域を黒色、剥離領域を灰色で示す。
【0048】
一方、前記錆抽出過程では、確率に基づいて錆を区分するための確率密度関数は、錆のある鋼橋映像から手動で錆を抽出したカラー映像データにパルツェン窓方法を適用して求める。
【0049】
とりわけ、前記錆抽出過程は、パルツェン窓を用いるとデータの任意の確率分布を多項式のパラメータに依存せずにモデリングすることができる。
【0050】
前記錆の特徴の一つは、最初に錆びる場所が始発点となってその周辺が錆びるということである。
【0051】
従って、前記錆領域周辺画素は錆領域である確率が相対的に高くなる。
【0052】
よって、前記錆抽出過程においては、図11(a)に示す映像の画素を錆の発生確率によって異なる明るさで図11(b)に示す。また、図11(b)における黒色は錆の発生確率が0の画素であり、発生確率が高いほど白色に近い色で示す。また、図11(b)に示すように、錆のある場所の中心には非常に高い確率を有する錆の標本が存在し、周辺へ行くほど錆の発生確率の低い標本が存在する。
【0053】
すなわち、前記錆を検出するためには、まず錆である確率の高い場所を初期錆領域として区分し、錆である確率の低い場所は錆候補とみなす。画素の色xに対する初期錆領域と錆候補領域は、下記式2のように決定される。
【0054】
【数2】
【0055】
ここで、I(x,y)はx、y地点の画素を示す。aはx、y地点において色情報を有するベクトルであり、p(a|rust)は錆の確率密度関数である。Trustは初期錆領域を指定するために使用される確率値である。
【0056】
従って、前記錆抽出過程において、下記式3に示すように、錆領域と錆候補を割り当て、その後周辺位置に錆がある場合や、剥離領域の錆候補である場合は錆に割り当てる。
【0057】
【数3】
【0058】
ここで、Xcandidateは鋼橋映像において式2により決定された錆候補の位置座標であり、Xrustは鋼橋映像において式3と式2により決定された錆の位置座標である。Dは錆候補の周辺領域に錆があるか否かを確認する領域の範囲を決定するために用いられる大きさである。
【0059】
また、前記錆抽出過程で錆候補から錆に変わる画素がなくなるまで式3を繰り返して最終錆領域を決定する。
【0060】
結局、前記錆抽出過程を段階的に示すと、下記表2の通りである。
【0061】
【表2】
【0062】
結局、図12を参照して前記錆抽出過程を説明すると、図12の錆は白色で示し、錆候補は灰色で示す。
【0063】
すなわち、図12(a)の映像に錆抽出アルゴリズムStep 1を適用して錆と錆候補を示す映像が図12(b)であるが、確率の高い初期錆領域が錆候補の中心にあり、確率の低い錆候補が囲んでいることが分かる。
【0064】
図12(c)は錆抽出アルゴリズムの第2段階で錆領域が拡張された結果であるが、その周辺領域が錆領域である錆候補領域に徐々に拡張されていくことが分かる。
【0065】
図12(d)は最終錆検出結果を示す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上の説明のように、本発明は、撮影された鋼橋塗膜の画像ファイルからの色情報、映像処理、ウォーターシェッド、パルツェン窓を用いて自動的に錆と剥離を検出することにより、鋼橋塗膜の状態を定量的に診断することができ、鋼橋塗膜診断分野において便利に使用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1:撮影手段
2:出力部
3:コンピュータ装置
4:塗膜検査システム
5:DB部
6:入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼橋の塗膜映像情報を撮像して出力する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された塗膜の画像ファイルの劣化タイプを映像処理プロセスにより診断し、錆と剥離の部位を検出し、その後劣化面積率を出力部に表示して再塗装時期及び最適塗装方法を算出するコンピュータ装置と、
前記コンピュータ装置の機能制御信号により撮像された鋼橋の塗膜映像情報、並びに映像処理プロセスにより処理された塗膜劣化度及び再塗装時期算出情報を保存すると共に、塗膜検査システムにより処理された各種情報を保存管理するDB(Database)部とから構成されることを特徴とする映像処置方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム。
【請求項2】
塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する塗膜映像保存過程と、
前記塗膜映像保存過程後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする塗膜情報ローディング過程と、
前記塗膜情報ローディング過程後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する剥離及び錆抽出過程と、
前記剥離及び錆抽出過程後に、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する再塗装情報算出過程とから構成されることを特徴とする映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項3】
前記剥離及び錆抽出過程が、
鋼橋映像から色情報で境界線を抽出する第501段階と、
前記第501段階で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッドを適用して領域を分割する第502段階と、
前記第502段階で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第503段階とからなる剥離抽出過程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項4】
前記第501段階が、
色値を用いた境界線抽出のためにRGB色空間でそれぞれのチャネルにソーベルマスクを用いて境界線を求め、その後各チャネルの境界線要素から最大値を用いて境界線を検出する段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項5】
前記503段階の類似度測定が式1を用いて測定し、Pは塗膜領域であり、Cは比較しようとする領域であり、前記色空間における1画素のベクトル要素を、色情報であるchと、明るさ情報であるluで表し、Tpeelingは色や明るさの類似度測定のための閾値(threshold)であることを特徴とする請求項3に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【数1】
【請求項6】
前記剥離及び錆抽出過程が、
パルツェン窓(Parzen window)を用いて錆の確率密度関数を生成する第511段階と、
前記第511段階で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第512段階と、
前記第512段階後に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第513段階とからなる錆抽出過程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項7】
前記第512段階が、
式3を用いて錆領域と錆候補を割り当て、その後周辺位置に錆がある場合や、剥離領域の錆候補である場合は錆に割り当て、Xcandidateは鋼橋映像において式2により決定された錆候補の位置座標であり、Xrustは鋼橋映像で式3と式2により決定された錆の位置座標であり、Dは錆候補の周辺領域に錆があるか否かを確認する領域の範囲を決定するために用いられる大きさであることを特徴とする請求項6に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【数3】
【請求項8】
塗膜検査システムにおいて鋼橋映像から色情報で境界線を抽出する第1過程と、
前記第1過程で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッドを適用して領域を分割する第2過程と、
前記第2過程で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第3過程と、
前記第3過程後に、パルツェン窓を用いて錆の確率密度関数を生成する第4過程と、
前記第4過程で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第5過程と、
前記第5過程後に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第6過程とから構成されることを特徴とする映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項1】
鋼橋の塗膜映像情報を撮像して出力する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された塗膜の画像ファイルの劣化タイプを映像処理プロセスにより診断し、錆と剥離の部位を検出し、その後劣化面積率を出力部に表示して再塗装時期及び最適塗装方法を算出するコンピュータ装置と、
前記コンピュータ装置の機能制御信号により撮像された鋼橋の塗膜映像情報、並びに映像処理プロセスにより処理された塗膜劣化度及び再塗装時期算出情報を保存すると共に、塗膜検査システムにより処理された各種情報を保存管理するDB(Database)部とから構成されることを特徴とする映像処置方法を用いた鋼橋の塗膜検査システム。
【請求項2】
塗膜検査システムが撮像された鋼橋の塗膜映像情報をDB部に保存する塗膜映像保存過程と、
前記塗膜映像保存過程後に、塗膜検査プログラムを実行する場合は、塗膜検査システムのDB部に保存されている、検査しようとする塗膜映像情報の入ったファイルを呼び出してローディングする塗膜情報ローディング過程と、
前記塗膜情報ローディング過程後に、塗膜検査プログラムの診断命令を実行する場合は、塗膜検査システムの映像処理プロセスにより錆と剥離の部位を検出し、劣化面積率を算出し、DB部に保存して出力部に表示する剥離及び錆抽出過程と、
前記剥離及び錆抽出過程後に、剥離と錆の情報を含む塗膜劣化情報により再塗装時期及び最適塗装方法を算出する再塗装情報算出過程とから構成されることを特徴とする映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項3】
前記剥離及び錆抽出過程が、
鋼橋映像から色情報で境界線を抽出する第501段階と、
前記第501段階で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッドを適用して領域を分割する第502段階と、
前記第502段階で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第503段階とからなる剥離抽出過程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項4】
前記第501段階が、
色値を用いた境界線抽出のためにRGB色空間でそれぞれのチャネルにソーベルマスクを用いて境界線を求め、その後各チャネルの境界線要素から最大値を用いて境界線を検出する段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項5】
前記503段階の類似度測定が式1を用いて測定し、Pは塗膜領域であり、Cは比較しようとする領域であり、前記色空間における1画素のベクトル要素を、色情報であるchと、明るさ情報であるluで表し、Tpeelingは色や明るさの類似度測定のための閾値(threshold)であることを特徴とする請求項3に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【数1】
【請求項6】
前記剥離及び錆抽出過程が、
パルツェン窓(Parzen window)を用いて錆の確率密度関数を生成する第511段階と、
前記第511段階で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第512段階と、
前記第512段階後に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第513段階とからなる錆抽出過程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【請求項7】
前記第512段階が、
式3を用いて錆領域と錆候補を割り当て、その後周辺位置に錆がある場合や、剥離領域の錆候補である場合は錆に割り当て、Xcandidateは鋼橋映像において式2により決定された錆候補の位置座標であり、Xrustは鋼橋映像で式3と式2により決定された錆の位置座標であり、Dは錆候補の周辺領域に錆があるか否かを確認する領域の範囲を決定するために用いられる大きさであることを特徴とする請求項6に記載の映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【数3】
【請求項8】
塗膜検査システムにおいて鋼橋映像から色情報で境界線を抽出する第1過程と、
前記第1過程で作成した境界線映像を用いてウォーターシェッドを適用して領域を分割する第2過程と、
前記第2過程で分割された領域において塗膜領域を指定し、残りの領域との類似度測定により剥離領域を検出する第3過程と、
前記第3過程後に、パルツェン窓を用いて錆の確率密度関数を生成する第4過程と、
前記第4過程で生成された確率密度関数を用いて錆領域と錆候補領域を選定する第5過程と、
前記第5過程後に、錆候補が錆と隣接する場合は繰り返し錆と指定して錆を抽出する第6過程とから構成されることを特徴とする映像処理方法を用いた鋼橋の塗膜検査システムの処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図12】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図12】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−538258(P2010−538258A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522783(P2010−522783)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002190
【国際公開番号】WO2009/031743
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(510056892)コリア エクスプレスウェイ コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】KOREA EXPRESSWAY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】293−1,Geumto−dong,Sujeong−gu,Seongnam−si,Gyeonggi−do 461−703,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/KR2008/002190
【国際公開番号】WO2009/031743
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(510056892)コリア エクスプレスウェイ コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】KOREA EXPRESSWAY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】293−1,Geumto−dong,Sujeong−gu,Seongnam−si,Gyeonggi−do 461−703,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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