映像情報データ配信システム
【課題】効率がよく秘匿性の高い暗号化監視映像情報の蓄積配信が可能な映像情報データ配信システムを提供する。
【解決手段】撮像装置から得られる映像情報データを特定の利用者の暗号機能付携帯端末に通信回線を介して配信するシステムにおいて、携帯端末109は、付属の撮像装置により生成された映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度の設定が可能となっている。携帯端末109は、撮像装置により映像情報データが生成されると、セキュリティ強度の設定画面を表示し、強度設定が行われると、設定強度に応じて各レイヤの暗号化処理部を動作させるか否かを識別し、その識別結果に基づいて映像情報データを暗号化し映像情報蓄積配信装置115に送信する。映像情報蓄積配信装置115は、携帯端末109から送られてきた映像情報データを蓄積し、情報端末装置からの配信要求に基づいて配信する。
【解決手段】撮像装置から得られる映像情報データを特定の利用者の暗号機能付携帯端末に通信回線を介して配信するシステムにおいて、携帯端末109は、付属の撮像装置により生成された映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度の設定が可能となっている。携帯端末109は、撮像装置により映像情報データが生成されると、セキュリティ強度の設定画面を表示し、強度設定が行われると、設定強度に応じて各レイヤの暗号化処理部を動作させるか否かを識別し、その識別結果に基づいて映像情報データを暗号化し映像情報蓄積配信装置115に送信する。映像情報蓄積配信装置115は、携帯端末109から送られてきた映像情報データを蓄積し、情報端末装置からの配信要求に基づいて配信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば利用者(システム管理者も含む)が所有する携帯電話、パーソナルコンピュータ(パソコン)や無線監視カメラ等の暗号機能付き情報端末を用いて、ユーザ自身の選択や侵入者検出時など映像情報データの重要度に応じて通信回線の秘匿性を高め、暗号化した映像情報データを蓄積して配信する映像情報データ配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、監視カメラを用いて侵入者監視を行うシステムにおいて、多種の通信回線の中でも急速に普及しているインターネットやLAN等のネットワークを用いた映像配信の技術や、映像をハードディスクやDVDなどの記憶装置にデジタルデータとして蓄積する技術、また、上記映像配信技術によって配信された映像を携帯端末で蓄積する技術や閲覧する技術、更には映像情報データに暗号化を施す技術などが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。従って、上記技術によって、監視カメラの内部に映像情報データを暗号化する処理手段を備え、映像蓄積配信装置への保存やPCブラウザへの配信を特徴とする監視映像情報データ配信システムを提供している。更に、近年では通信回線の秘匿性を保つために、無線通信規格IEEE802.16(以下、WiMAXと記す)などにおいて、映像や音声データを暗号化する技術が組み込まれている。
【0003】
以下に、従来の映像情報データ配信システムについて説明する。
【0004】
図11は、従来のネットワーク型監視システムの構成例を示す図である。図11において、101はWeb監視カメラ、102は監視カメラ、103はWebエンコーダ、105はWebデコーダ、106はモニタ、107はブラウザPC、112はLAN(Local Area Network)の伝送路、113はインターネットなどのWAN(Wide Area Network)の伝送路、114は公衆回線網、115は映像情報蓄積配信装置である。また、111は無線による伝送路、116は携帯端末(もしくは、少なくとも撮像機能付き携帯端末を含んだ情報端末装置でもよい)、117は無線LAN対応監視カメラ、118は基地局、119は公衆回線による伝送路、120はアクセスポイントである。
【0005】
上記Web監視カメラ101、監視カメラ102、Webエンコーダ103、Webデコーダ105、ブラウザPC107及び映像情報蓄積配信装置115はWANの伝送路113により接続されており、また、上記の各装置はLANの伝送路112で接続されている。
【0006】
また、携帯端末116、無線LAN対応監視カメラ117、基地局118、アクセスポイント120は、公衆回線の伝送路119、公衆回線網114及び無線による伝送路111によって接続されている。
【0007】
図12は、上記ブラウザPC107、映像情報蓄積配信装置115、携帯端末116及び無線LAN対応監視カメラ117のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【0008】
図12において、1101はCPU(Central Processing Unit)、1102はメモリ、1103はネットワークインタフェース、1104は記憶装置、1105はサウンド入出力インタフェース、1106はスピーカ、1107はマイク、1108はビデオ入出力インタフェース、1109はモニタ、1110は入力インタフェース、1111はキーボード等の入力機器、1112はマウスなどのポインティングデバイス、1113はバスである。上記記憶装置1104としては、例えば磁気記憶装置が用いられる。
【0009】
上記CPU1101、メモリ1102、ネットワークインタフェース1103、記憶装置1104、サウンド入出力インタフェース1105、ビデオ入出力インタフェース1108及び入力インタフェース1110は、バス1113を介して相互に接続されており、スピーカ1106とマイク1107はサウンド入出力インタフェース1105に接続している。また、モニタ1109はビデオ入出力インタフェース1108に接続している。更に、入力機器1111とポインティングデバイス1112は、入力インタフェース1110に接続されている。また、ネットワークインタフェース1103は、図示していないが、LANの伝送路112や公衆回線の伝送路119、無線による伝送路111と必要に応じて接続される。なお、図12に示す構成は、システム要求に応じて異なることもある。
【0010】
以下、図11に示すシステムにおいて、監視カメラ102で撮像された映像情報を暗号化して映像情報蓄積配信装置115に蓄積する方法について説明する。
【0011】
監視カメラ102は、ある地点に設置された固定カメラである。この監視カメラ102で撮影した映像を表す映像信号は、Webエンコーダ103に送信される。Webエンコーダ103は、上記映像信号をJPEGやMPEGなどの映像データ・フォーマットのデジタル映像信号に変換し、CPU1101内に格納されている暗号処理手段によって映像データの暗号化を施し、映像情報蓄積配信装置115へ送信する。映像情報蓄積配信装置115では、ネットワークインタフェース1103で受信された上記映像信号がCPU1101に入力され、CPU1101で識別符号が付与された上で、記憶装置1104に暗号化映像情報データとして適切に保存、蓄積される。
【0012】
次に、上記映像情報蓄積配信装置115に蓄積された暗号化映像情報データをブラウザPC107や携帯端末116に配信する方法について説明する。
【0013】
ブラウザPC107や携帯端末116は、映像情報蓄積配信装置115に対して暗号化映像情報データ取得要求信号を送信する。上記暗号化映像情報データ取得のための要求は、暗号化映像情報データ蓄積時に映像信号に付与された識別番号を指定することによって、所望の暗号化映像情報データを表す映像信号を取得するためである。
【0014】
上記ブラウザPC107から送信されたデータ取得要求信号は、LANの伝送路112とWANの伝送路113とを介して映像情報蓄積配信装置115に伝送される。映像情報蓄積配信装置115は、上記データ取得要求により指定された識別番号に対応した映像信号をブラウザPC107に送信する。送信された上記映像信号は、WANの伝送路113とLANの伝送路112とを介してブラウザPC107に伝送される。ブラウザPC107は入力信号をCPU1101内に格納された暗号(復号)処理手段によって復号化し、ビデオ入出力インタフェース1108を介してアナログ映像信号に変換し、その映像信号に基づいた映像をモニタ1009に表示する。
【0015】
携帯端末116から上記ブラウザPC107と同様に映像情報データ取得要求信号を映像情報蓄積配信装置115に送信した場合は、その映像情報データ取得要求信号は、無線による伝送路111、公衆回線網114及び公衆回線の伝送路119を介して映像情報蓄積配信装置115へ送信される。映像情報蓄積配信装置115は、適切な映像情報データを表す映像信号を記憶装置1104から取り出して携帯端末116へ送信する。携帯端末116は、受信した映像信号をCPU1101内に格納された暗号(復号)処理手段によって復号化し、更にビデオ入出力インタフェース1108を介してアナログ映像信号に変換し、その映像信号に基づいた映像をモニタ1009に表示する。
【0016】
ブラウザPC107及び携帯端末116は、映像情報蓄積配信装置115に蓄積された過去の映像及び最新の映像の2通りの映像を受信することができる。
【特許文献1】特開2004−282730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記のように映像情報データ配信システムでは、映像情報データが暗号化される。この暗号化処理にWiMAXシステムの暗号処理手段を利用した場合、3重の暗号化が可能であるので、CPU1101のリソースに無駄を生じる。
【0018】
そこで、本発明の目的は、WiMAX規格のような暗号機能付き携帯端末において映像情報データの暗号化を行う際に、映像情報データの重要度に応じて暗号化することで、携帯端末のCPUのリソースを無駄に使用せず、効率良く秘匿性の高い映像情報データの蓄積配信が可能な映像情報データ配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、建物や特定の屋外領域に設置された撮像装置から得られる音声や画像データなどの映像情報データを特定の利用者の暗号機能付携帯端末に、通信回線を介して配信する映像情報データ配信システムにおいて、映像情報データを暗号化した暗号化映像情報データを生成する処理部及び撮像装置と、前記撮像装置を有する特定利用者の携帯端末の映像情報データを暗号化する暗号化処理部と、前記生成された映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定する画面に切換える画面切換え処理部と、前記画面切換え処理部によって切換えられた設定画面を表示するための設定画面表示処理部と、前記設定画面に表示されるセキュリティ強度を選択するための操作部と、前記操作部によって選択されたセキュリティ強度に応じて各レイヤの暗号化処理部を動作させるか否かを識別する識別処理部と、暗号機能付き携帯端末からの映像データを保存する映像情報蓄積配信装置と、前記映像情報蓄積配信装置に保存された映像情報データを情報端末装置からの配信要求に基づいて前記情報端末装置に配信する配信手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、WiMAX規格のような暗号機能付き携帯端末において映像情報データの暗号化を行う際に、映像情報データの重要度に応じて暗号化することで、携帯端末のCPUのリソースを無駄に使用せず、効率良く秘匿性の高い映像情報データを蓄積して配信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0022】
図1は、WiMAX規格(無線通信規格IEEE802.16)のような暗号機能を有する携帯端末で撮像された映像を蓄積配信装置に蓄積し、パーソナルコンピュータ(パソコン)等に配信するネットワーク型監視システムの構成例を示す図である。
【0023】
図1において、108はWiMAX基地局、109はWiMAX対応の例えばPDA、携帯電話等の携帯端末、110はWiMAX対応の監視カメラ、121−1〜121−nは監視カメラ110の撮像範囲に対応して設置される監視センサ、112はLANの伝送路、113はWANの伝送路、114は公衆回線網、111は無線による伝送路、115は映像情報蓄積配信装置、107はブラウザPCである。
【0024】
上記WiMAXの携帯端末109、監視カメラ110、監視センサ121−1〜121−nは、LANの伝送路112、公衆回線網114及び無線による伝送路111によって接続されている。また、映像情報蓄積配信装置115及びブラウザPC107は、LANの伝送路112を介してWANの伝送路113に接続されている。監視センサ121−1〜121−nは、監視カメラ110の撮像範囲に対応して設置されるが、例えば災報知機、ドアセンサ、ピッキングセンサなど、何らかの異常を検知し、異常情報(異常検知の有無、異常を検知した時刻、センサの種類等)を送信できるものであれば何でもよい。
【0025】
上記ブラウザPC107、映像情報蓄積配信装置115、携帯端末109及び監視カメラ110のハードウェア構成は、図12に示したものと同様であるが、記憶装置1104に記憶されているプログラムが異なっている。また、記憶装置1104は、システム要求に応じて異なることもある。
【0026】
上記WiMAXの携帯端末109は、図2に示すように特定の利用者が付属の撮像装置によって生成された例えば音声や画像データなどの映像情報データの重要度に応じて、セキュリティ強度の設定が可能となっている。図2において、1001は数字や文字等のキー入力部、1002はセキュリティ強度設定画面を起動して主画面1004に表示するセキュリティ強度設定画面起動ボタン、1003はセキュリティ強度設定画面操作ボタン、1004は主画面である。
【0027】
図3は、WiMAXの携帯端末109の主画面1004に表示されるセキュリティ強度設定画面の例を示す図である。図3において、1005はセキュリティ強度設定画面、1006はセキュリティ強度、1007は送信ボタン、1008は終了ボタンである。上記セキュリティ強度は、例えば「1」、「2」、「3」、「4」の4段階に設定できるようになっている。利用者は、表示されたセキュリティ強度1006の中から、操作ボタン1003の操作により映像情報データの重要度に応じたセキュリティ強度を選択し、送信ボタン1007を操作する。
【0028】
図4は、WiMAXの携帯端末109のレイヤ別機能ブロック図である。暗号化プログラムは、アプリケーション層の映像暗号化プログラム211、IETF(インターネット技術標準化委員会)が規定したIP層のセキュリティプロトコル(IPsec)212、WiMAXが規定したMAC層のセキュリティ副層213の3箇所である。
【0029】
図5は、映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定し、WiMAXの携帯端末109からの暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置115へ蓄積する処理の一例を示したフローチャートである。
【0030】
(1)ステップA1は、携帯端末109のWebブラウザを起動するステップである。
【0031】
(2)ステップA2は、携帯端末109のセキュリティ強度設定画面起動ボタン1002を押下するステップである。
【0032】
(3)ステップA3は、携帯端末109がセキュリティ強度設定画面1005を映像情報蓄積配信装置115に対して要求するステップである。
【0033】
(4)ステップA4は、セキュリティ強度設定画面1005を映像情報蓄積配信装置115が受信するステップである。
【0034】
(5)ステップA5は、映像情報蓄積配信装置115がセキュリティ強度設定画面1005を携帯端末109に送信するステップである。セキュリティ強度設定画面1005は、予め映像情報蓄積配信装置115内の記憶装置に記憶されている。
【0035】
(6)ステップA6は、携帯端末109がセキュリティ強度設定画面1005を受信し、図3に示したように主画面1004に表示するステップである。
【0036】
(7)ステップA7は、セキュリティ強度設定画面1005において、利用者が映像情報データの重要度に応じて、操作ボタン1003にてセキュリティ強度1006を選択するステップである。選択できるセキュリティ強度1006は、図4に示した暗号化を可能とするレイヤ数に対応する。
【0037】
(8)ステップA8は、セキュリティ強度1006に応じた暗号映像データを送信する送信ボタン1007を押下する。
【0038】
(9)ステップA9は、暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置115に送信するステップである。
【0039】
(10)ステップA10は、携帯端末109から送信された暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置115が受信するステップである。
【0040】
(11)ステップA11は、映像情報蓄積配信装置115が映像データを記憶装置に保存するステップである。
【0041】
(12)ステップA12は、映像情報蓄積配信装置115がステップA11の処理結果を携帯端末109に送信するステップである。
【0042】
(13)ステップA13は、ステップA11の処理結果を携帯端末109が受信し、モニタに表示するステップである。
【0043】
(14)ステップA14は、ステップA11の処理結果、すなわち映像情報蓄積配信装置115が映像データの蓄積に成功したかどうかを判断するステップである。ステップA11の処理が正常に終了している場合、携帯端末109は「監視情報の保存が完了した」旨のメッセージを表示する。
【0044】
(15)ステップA15は、ステップA11の処理が正常に終了しなかった場合に、「監視情報の保存に失敗した」旨のメッセージを表示するステップであり、携帯端末109は再度、暗号化映像情報データを送信したり、処理が正常に終了しなかった原因を取り除いたりすることを利用者に促す。
以上で映像データの蓄積処理を終了する。なお、上記ステップA8において、終了ボタン1008が押下された場合は、ステップA9以降の処理を実行せずに終了する。
【0045】
上記したように携帯端末109を操作することにより、映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定した映像情報を送信することができる。
【0046】
次に、上記撮像機能付き携帯端末109により撮像した映像信号を映像情報蓄積配信装置115に蓄積する場合の手順例について、図6及び図7を参照して説明する。
【0047】
(1)ステップB1では、撮像機能付き携帯端末109の撮像機能を実現するためのカメラを用いて映像を撮像し、映像情報データとしての映像信号を生成する。
【0048】
(2)ステップB2では、携帯端末109のセキュリティ強度設定画面1005によって強度を設定する。
【0049】
(3)ステップB3では、設定されたセキュリティ強度値に応じて、CPU1101に格納された図4の暗号処理手段の映像暗号化プログラム211、IPsec212、セキュリティ副層213により映像情報データを暗号化し、暗号化映像信号を生成する。強度値が“4”の場合、映像暗号化プログラム211、IPsec212、セキュリティ副層213の全てにおいて暗号化する。
【0050】
(4)ステップB4では、上記携帯端末109と映像情報蓄積配信装置115との通信を確立する。
【0051】
(5)ステップB5では、上記携帯端末109から映像情報蓄積配信装置115に上記映像情報データとして映像信号を送信する。
【0052】
(6)ステップB6では、上記携帯端末109と映像情報蓄積配信装置115との接続を切断する。このとき上記ステップB1により映像情報データを生成する前に、ステップB2により携帯端末109と映像情報蓄積配信装置115との接続を確立してもよい。すなわち、上記ステップB1と上記ステップB2の順序はどちらが先行してもよい。
【0053】
ここで、携帯端末109(PDA、携帯電話等)に付属している携帯端末カメラの映像を映像情報蓄積配信装置115に送信する場合の処理について、図7を参照して以下に説明する。
【0054】
(1)ステップC1では、撮影された映像データは、携帯端末109内の記憶領域(メモリ等)にファイルとして保存される。
【0055】
(2)ステップC2では、上記保存されたファイルは、携帯端末109に実装の電子メール機能を使い、電子メールの添付ファイルとして、電子メールサーバ機能が格納されている映像情報蓄積配信装置115に向けて電子メールの通信プロトコルとして送られる。
【0056】
(3)ステップC3では、上記送られた電子メールは、電子メールサーバ機能(例えばPOPサーバ)により映像情報蓄積配信装置115で受信される。
【0057】
(4)ステップC4では、電子メールの添付ファイルは、映像情報蓄積配信装置115の記憶装置に格納されたプログラムにより、電子メールの中から取り出される。
【0058】
(5)ステップC5では、上記取り出された添付ファイルは、更にファイル内のデータが読み出され、必要に応じてコーデック変換やフォーマット変換を施される。この際、コーデック変換・フォーマット変換は、監視カメラが映像情報蓄積配信装置115に対して映像を提供する場合と同じコーデックやフォーマットになるように施される。
【0059】
(6)ステップC6では、上記ステップC5で必要に応じてコーデック変換やフォーマット変換が施されたデータは、映像情報蓄積配信装置115の記憶装置に記憶される。上記コーデックは、JPEGやMPEG−1,2,4,H.264等である。また、フォーマットの基本構成は、コーデック+ヘッダ情報である。
【0060】
次に、監視センサ121−1〜121−nにより得られた異常検出情報と、画像処理により得られた物体検出情報とに基づく監視情報を生成し、異常を検出した前記監視センサの種類に応じて、監視映像情報データのセキュリティ強度を決定する場合の例について説明する。
【0061】
図8は、監視カメラの映像を説明するための図で、ある部屋の出入口となるドアを監視対象として、部屋の内部に設置した監視カメラ110で撮影した場合の映像である。図8において、2001は監視対象となる映像、2002はドアである。
【0062】
ドア2002にピッキングとドアセンサが設置され、部屋の内部には火災報知器が設置されている。ピッキングセンサは、ドア2002がピッキングにより開けられた場合に異常を検知する装置とし、ドアセンサはピッキング以外の原因でドア2002が開けられた場合に反応する装置とする。火災報知器は、報知器周辺の熱や煙に反応する装置とする。
【0063】
図9は、図8と同様の映像であるが、ドア2002がピッキングによって開けられ、侵入者2003がドア2002から侵入してきた場合の監視カメラ110の映像である。
【0064】
上記監視カメラ110により撮影された画像を画像認識処理することにより、映像の変化が検知される。映像の変化が検知された時点の映像と、ピッキングセンサ及びドアセンサが反応した旨を知らせる内容とを監視情報として警備会社や、この部屋の住人の携帯電話に送信する。
【0065】
図10は、上記した各センサ及び画像認識処理による異常検知とセキュリティ強度とを関連付けるテーブル2005の例を示す図である。
【0066】
上記テーブル2005において、例えば火災報知器が反応した場合にはセキュリティ強度“4”、ドアセンサが反応した場合はセキュリティ強度“2”、ピッキングが反応した場合はセキュリティ強度“3”、画像認識処理により映像の変化が検知された場合はセキュリティ強度“4”が設定される。
【0067】
上記のテーブル2005により、監視センサの種類に応じて監視映像情報データのセキュリティ強度を決定する。なお、暗号化の処理手順と映像データの送信手順は、前述の図6及び図7で説明した通りである。
【0068】
上記のように構成された映像情報データ配信システムにおける監視サービスとしては、例えばデータセンターに設置された映像情報蓄積配信装置から個人が外出先から携帯端末109によって部屋の状態を確認する[個人遠隔監視]、警備会社の職員が通報を受けて、ビル・マンションへ到達するまでの間、携帯端末109で監視する[遠隔監視]、等のサービスが考えられる。この場合、暗号化鍵は、個人や警備会社が管理することでプライバシーが保護される。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像情報データ配信システムをネットワーク型監視システムに適用した場合の構成例を示す図である。
【図2】同実施形態におけるWiMAXの携帯端末の構成例を示す図である。
【図3】同実施形態におけるWiMAXの携帯端末の主画面に表示されるセキュリティ強度設定画面の例を示す図である。
【図4】同実施形態におけるWiMAXの携帯端末のレイヤ別機能ブロック図である。
【図5】同実施形態において、WiMAXの携帯端末からの暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置へ蓄積する場合の処理例を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態において、撮像機能付き携帯端末により撮像した映像信号を映像情報蓄積配信装置に蓄積する場合の手順例を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態において、携帯端末に付属している携帯端末カメラの映像を映像情報蓄積配信装置に送信する処理を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における監視カメラの映像を説明するための図である。
【図9】図8において、侵入者がドアから侵入してきた場合の監視カメラの映像を示す図である。
【図10】同実施形態において、各監視センサ及び画像認識による異常検知とセキュリティ強度とを関連付けるテーブル例を示す図である。
【図11】従来のネットワーク型監視システムの構成例を示す図である。
【図12】図11におけるブラウザPC、映像情報蓄積配信装置、携帯端末及び無線LAN対応監視カメラ等のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0071】
101…Web監視カメラ、102…監視カメラ、103…Webエンコーダ、105…Webデコーダ、107…ブラウザPC、109…撮像機能付き携帯端末、110…監視カメラ、111…無線による伝送路、112…LANの伝送路、113…WANの伝送路、114…公衆回線網、115…映像情報蓄積配信装置、116…携帯端末、117…LAN対応監視カメラ、118…基地局、119…公衆回線の伝送路、120…アクセスポイント、121−1〜121−n…監視センサ、211…映像暗号化プログラム、212…IP層のセキュリティプロトコル(IPsec)、213…セキュリティ副層、1001…キー入力部、1002…セキュリティ強度設定画面起動ボタン、1003…操作ボタン、1004…主画面、1005…セキュリティ強度設定画面、1006…セキュリティ強度、1007…送信ボタン、1009…モニタ、1101…CPU、1102…メモリ、1103…ネットワークインタフェース、1104…記憶装置、1105…サウンド入出力インタフェース、1106…スピーカ、1107…マイク、1108…ビデオ入出力インタフェース、1109…モニタ、1110…入力インタフェース、1111…入力機器、1112…ポインティングデバイス、1113…バス、2002…ドア、2003…侵入者、2005…テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば利用者(システム管理者も含む)が所有する携帯電話、パーソナルコンピュータ(パソコン)や無線監視カメラ等の暗号機能付き情報端末を用いて、ユーザ自身の選択や侵入者検出時など映像情報データの重要度に応じて通信回線の秘匿性を高め、暗号化した映像情報データを蓄積して配信する映像情報データ配信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、監視カメラを用いて侵入者監視を行うシステムにおいて、多種の通信回線の中でも急速に普及しているインターネットやLAN等のネットワークを用いた映像配信の技術や、映像をハードディスクやDVDなどの記憶装置にデジタルデータとして蓄積する技術、また、上記映像配信技術によって配信された映像を携帯端末で蓄積する技術や閲覧する技術、更には映像情報データに暗号化を施す技術などが開発されている(例えば、特許文献1参照。)。従って、上記技術によって、監視カメラの内部に映像情報データを暗号化する処理手段を備え、映像蓄積配信装置への保存やPCブラウザへの配信を特徴とする監視映像情報データ配信システムを提供している。更に、近年では通信回線の秘匿性を保つために、無線通信規格IEEE802.16(以下、WiMAXと記す)などにおいて、映像や音声データを暗号化する技術が組み込まれている。
【0003】
以下に、従来の映像情報データ配信システムについて説明する。
【0004】
図11は、従来のネットワーク型監視システムの構成例を示す図である。図11において、101はWeb監視カメラ、102は監視カメラ、103はWebエンコーダ、105はWebデコーダ、106はモニタ、107はブラウザPC、112はLAN(Local Area Network)の伝送路、113はインターネットなどのWAN(Wide Area Network)の伝送路、114は公衆回線網、115は映像情報蓄積配信装置である。また、111は無線による伝送路、116は携帯端末(もしくは、少なくとも撮像機能付き携帯端末を含んだ情報端末装置でもよい)、117は無線LAN対応監視カメラ、118は基地局、119は公衆回線による伝送路、120はアクセスポイントである。
【0005】
上記Web監視カメラ101、監視カメラ102、Webエンコーダ103、Webデコーダ105、ブラウザPC107及び映像情報蓄積配信装置115はWANの伝送路113により接続されており、また、上記の各装置はLANの伝送路112で接続されている。
【0006】
また、携帯端末116、無線LAN対応監視カメラ117、基地局118、アクセスポイント120は、公衆回線の伝送路119、公衆回線網114及び無線による伝送路111によって接続されている。
【0007】
図12は、上記ブラウザPC107、映像情報蓄積配信装置115、携帯端末116及び無線LAN対応監視カメラ117のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【0008】
図12において、1101はCPU(Central Processing Unit)、1102はメモリ、1103はネットワークインタフェース、1104は記憶装置、1105はサウンド入出力インタフェース、1106はスピーカ、1107はマイク、1108はビデオ入出力インタフェース、1109はモニタ、1110は入力インタフェース、1111はキーボード等の入力機器、1112はマウスなどのポインティングデバイス、1113はバスである。上記記憶装置1104としては、例えば磁気記憶装置が用いられる。
【0009】
上記CPU1101、メモリ1102、ネットワークインタフェース1103、記憶装置1104、サウンド入出力インタフェース1105、ビデオ入出力インタフェース1108及び入力インタフェース1110は、バス1113を介して相互に接続されており、スピーカ1106とマイク1107はサウンド入出力インタフェース1105に接続している。また、モニタ1109はビデオ入出力インタフェース1108に接続している。更に、入力機器1111とポインティングデバイス1112は、入力インタフェース1110に接続されている。また、ネットワークインタフェース1103は、図示していないが、LANの伝送路112や公衆回線の伝送路119、無線による伝送路111と必要に応じて接続される。なお、図12に示す構成は、システム要求に応じて異なることもある。
【0010】
以下、図11に示すシステムにおいて、監視カメラ102で撮像された映像情報を暗号化して映像情報蓄積配信装置115に蓄積する方法について説明する。
【0011】
監視カメラ102は、ある地点に設置された固定カメラである。この監視カメラ102で撮影した映像を表す映像信号は、Webエンコーダ103に送信される。Webエンコーダ103は、上記映像信号をJPEGやMPEGなどの映像データ・フォーマットのデジタル映像信号に変換し、CPU1101内に格納されている暗号処理手段によって映像データの暗号化を施し、映像情報蓄積配信装置115へ送信する。映像情報蓄積配信装置115では、ネットワークインタフェース1103で受信された上記映像信号がCPU1101に入力され、CPU1101で識別符号が付与された上で、記憶装置1104に暗号化映像情報データとして適切に保存、蓄積される。
【0012】
次に、上記映像情報蓄積配信装置115に蓄積された暗号化映像情報データをブラウザPC107や携帯端末116に配信する方法について説明する。
【0013】
ブラウザPC107や携帯端末116は、映像情報蓄積配信装置115に対して暗号化映像情報データ取得要求信号を送信する。上記暗号化映像情報データ取得のための要求は、暗号化映像情報データ蓄積時に映像信号に付与された識別番号を指定することによって、所望の暗号化映像情報データを表す映像信号を取得するためである。
【0014】
上記ブラウザPC107から送信されたデータ取得要求信号は、LANの伝送路112とWANの伝送路113とを介して映像情報蓄積配信装置115に伝送される。映像情報蓄積配信装置115は、上記データ取得要求により指定された識別番号に対応した映像信号をブラウザPC107に送信する。送信された上記映像信号は、WANの伝送路113とLANの伝送路112とを介してブラウザPC107に伝送される。ブラウザPC107は入力信号をCPU1101内に格納された暗号(復号)処理手段によって復号化し、ビデオ入出力インタフェース1108を介してアナログ映像信号に変換し、その映像信号に基づいた映像をモニタ1009に表示する。
【0015】
携帯端末116から上記ブラウザPC107と同様に映像情報データ取得要求信号を映像情報蓄積配信装置115に送信した場合は、その映像情報データ取得要求信号は、無線による伝送路111、公衆回線網114及び公衆回線の伝送路119を介して映像情報蓄積配信装置115へ送信される。映像情報蓄積配信装置115は、適切な映像情報データを表す映像信号を記憶装置1104から取り出して携帯端末116へ送信する。携帯端末116は、受信した映像信号をCPU1101内に格納された暗号(復号)処理手段によって復号化し、更にビデオ入出力インタフェース1108を介してアナログ映像信号に変換し、その映像信号に基づいた映像をモニタ1009に表示する。
【0016】
ブラウザPC107及び携帯端末116は、映像情報蓄積配信装置115に蓄積された過去の映像及び最新の映像の2通りの映像を受信することができる。
【特許文献1】特開2004−282730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記のように映像情報データ配信システムでは、映像情報データが暗号化される。この暗号化処理にWiMAXシステムの暗号処理手段を利用した場合、3重の暗号化が可能であるので、CPU1101のリソースに無駄を生じる。
【0018】
そこで、本発明の目的は、WiMAX規格のような暗号機能付き携帯端末において映像情報データの暗号化を行う際に、映像情報データの重要度に応じて暗号化することで、携帯端末のCPUのリソースを無駄に使用せず、効率良く秘匿性の高い映像情報データの蓄積配信が可能な映像情報データ配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、建物や特定の屋外領域に設置された撮像装置から得られる音声や画像データなどの映像情報データを特定の利用者の暗号機能付携帯端末に、通信回線を介して配信する映像情報データ配信システムにおいて、映像情報データを暗号化した暗号化映像情報データを生成する処理部及び撮像装置と、前記撮像装置を有する特定利用者の携帯端末の映像情報データを暗号化する暗号化処理部と、前記生成された映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定する画面に切換える画面切換え処理部と、前記画面切換え処理部によって切換えられた設定画面を表示するための設定画面表示処理部と、前記設定画面に表示されるセキュリティ強度を選択するための操作部と、前記操作部によって選択されたセキュリティ強度に応じて各レイヤの暗号化処理部を動作させるか否かを識別する識別処理部と、暗号機能付き携帯端末からの映像データを保存する映像情報蓄積配信装置と、前記映像情報蓄積配信装置に保存された映像情報データを情報端末装置からの配信要求に基づいて前記情報端末装置に配信する配信手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、WiMAX規格のような暗号機能付き携帯端末において映像情報データの暗号化を行う際に、映像情報データの重要度に応じて暗号化することで、携帯端末のCPUのリソースを無駄に使用せず、効率良く秘匿性の高い映像情報データを蓄積して配信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0022】
図1は、WiMAX規格(無線通信規格IEEE802.16)のような暗号機能を有する携帯端末で撮像された映像を蓄積配信装置に蓄積し、パーソナルコンピュータ(パソコン)等に配信するネットワーク型監視システムの構成例を示す図である。
【0023】
図1において、108はWiMAX基地局、109はWiMAX対応の例えばPDA、携帯電話等の携帯端末、110はWiMAX対応の監視カメラ、121−1〜121−nは監視カメラ110の撮像範囲に対応して設置される監視センサ、112はLANの伝送路、113はWANの伝送路、114は公衆回線網、111は無線による伝送路、115は映像情報蓄積配信装置、107はブラウザPCである。
【0024】
上記WiMAXの携帯端末109、監視カメラ110、監視センサ121−1〜121−nは、LANの伝送路112、公衆回線網114及び無線による伝送路111によって接続されている。また、映像情報蓄積配信装置115及びブラウザPC107は、LANの伝送路112を介してWANの伝送路113に接続されている。監視センサ121−1〜121−nは、監視カメラ110の撮像範囲に対応して設置されるが、例えば災報知機、ドアセンサ、ピッキングセンサなど、何らかの異常を検知し、異常情報(異常検知の有無、異常を検知した時刻、センサの種類等)を送信できるものであれば何でもよい。
【0025】
上記ブラウザPC107、映像情報蓄積配信装置115、携帯端末109及び監視カメラ110のハードウェア構成は、図12に示したものと同様であるが、記憶装置1104に記憶されているプログラムが異なっている。また、記憶装置1104は、システム要求に応じて異なることもある。
【0026】
上記WiMAXの携帯端末109は、図2に示すように特定の利用者が付属の撮像装置によって生成された例えば音声や画像データなどの映像情報データの重要度に応じて、セキュリティ強度の設定が可能となっている。図2において、1001は数字や文字等のキー入力部、1002はセキュリティ強度設定画面を起動して主画面1004に表示するセキュリティ強度設定画面起動ボタン、1003はセキュリティ強度設定画面操作ボタン、1004は主画面である。
【0027】
図3は、WiMAXの携帯端末109の主画面1004に表示されるセキュリティ強度設定画面の例を示す図である。図3において、1005はセキュリティ強度設定画面、1006はセキュリティ強度、1007は送信ボタン、1008は終了ボタンである。上記セキュリティ強度は、例えば「1」、「2」、「3」、「4」の4段階に設定できるようになっている。利用者は、表示されたセキュリティ強度1006の中から、操作ボタン1003の操作により映像情報データの重要度に応じたセキュリティ強度を選択し、送信ボタン1007を操作する。
【0028】
図4は、WiMAXの携帯端末109のレイヤ別機能ブロック図である。暗号化プログラムは、アプリケーション層の映像暗号化プログラム211、IETF(インターネット技術標準化委員会)が規定したIP層のセキュリティプロトコル(IPsec)212、WiMAXが規定したMAC層のセキュリティ副層213の3箇所である。
【0029】
図5は、映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定し、WiMAXの携帯端末109からの暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置115へ蓄積する処理の一例を示したフローチャートである。
【0030】
(1)ステップA1は、携帯端末109のWebブラウザを起動するステップである。
【0031】
(2)ステップA2は、携帯端末109のセキュリティ強度設定画面起動ボタン1002を押下するステップである。
【0032】
(3)ステップA3は、携帯端末109がセキュリティ強度設定画面1005を映像情報蓄積配信装置115に対して要求するステップである。
【0033】
(4)ステップA4は、セキュリティ強度設定画面1005を映像情報蓄積配信装置115が受信するステップである。
【0034】
(5)ステップA5は、映像情報蓄積配信装置115がセキュリティ強度設定画面1005を携帯端末109に送信するステップである。セキュリティ強度設定画面1005は、予め映像情報蓄積配信装置115内の記憶装置に記憶されている。
【0035】
(6)ステップA6は、携帯端末109がセキュリティ強度設定画面1005を受信し、図3に示したように主画面1004に表示するステップである。
【0036】
(7)ステップA7は、セキュリティ強度設定画面1005において、利用者が映像情報データの重要度に応じて、操作ボタン1003にてセキュリティ強度1006を選択するステップである。選択できるセキュリティ強度1006は、図4に示した暗号化を可能とするレイヤ数に対応する。
【0037】
(8)ステップA8は、セキュリティ強度1006に応じた暗号映像データを送信する送信ボタン1007を押下する。
【0038】
(9)ステップA9は、暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置115に送信するステップである。
【0039】
(10)ステップA10は、携帯端末109から送信された暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置115が受信するステップである。
【0040】
(11)ステップA11は、映像情報蓄積配信装置115が映像データを記憶装置に保存するステップである。
【0041】
(12)ステップA12は、映像情報蓄積配信装置115がステップA11の処理結果を携帯端末109に送信するステップである。
【0042】
(13)ステップA13は、ステップA11の処理結果を携帯端末109が受信し、モニタに表示するステップである。
【0043】
(14)ステップA14は、ステップA11の処理結果、すなわち映像情報蓄積配信装置115が映像データの蓄積に成功したかどうかを判断するステップである。ステップA11の処理が正常に終了している場合、携帯端末109は「監視情報の保存が完了した」旨のメッセージを表示する。
【0044】
(15)ステップA15は、ステップA11の処理が正常に終了しなかった場合に、「監視情報の保存に失敗した」旨のメッセージを表示するステップであり、携帯端末109は再度、暗号化映像情報データを送信したり、処理が正常に終了しなかった原因を取り除いたりすることを利用者に促す。
以上で映像データの蓄積処理を終了する。なお、上記ステップA8において、終了ボタン1008が押下された場合は、ステップA9以降の処理を実行せずに終了する。
【0045】
上記したように携帯端末109を操作することにより、映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定した映像情報を送信することができる。
【0046】
次に、上記撮像機能付き携帯端末109により撮像した映像信号を映像情報蓄積配信装置115に蓄積する場合の手順例について、図6及び図7を参照して説明する。
【0047】
(1)ステップB1では、撮像機能付き携帯端末109の撮像機能を実現するためのカメラを用いて映像を撮像し、映像情報データとしての映像信号を生成する。
【0048】
(2)ステップB2では、携帯端末109のセキュリティ強度設定画面1005によって強度を設定する。
【0049】
(3)ステップB3では、設定されたセキュリティ強度値に応じて、CPU1101に格納された図4の暗号処理手段の映像暗号化プログラム211、IPsec212、セキュリティ副層213により映像情報データを暗号化し、暗号化映像信号を生成する。強度値が“4”の場合、映像暗号化プログラム211、IPsec212、セキュリティ副層213の全てにおいて暗号化する。
【0050】
(4)ステップB4では、上記携帯端末109と映像情報蓄積配信装置115との通信を確立する。
【0051】
(5)ステップB5では、上記携帯端末109から映像情報蓄積配信装置115に上記映像情報データとして映像信号を送信する。
【0052】
(6)ステップB6では、上記携帯端末109と映像情報蓄積配信装置115との接続を切断する。このとき上記ステップB1により映像情報データを生成する前に、ステップB2により携帯端末109と映像情報蓄積配信装置115との接続を確立してもよい。すなわち、上記ステップB1と上記ステップB2の順序はどちらが先行してもよい。
【0053】
ここで、携帯端末109(PDA、携帯電話等)に付属している携帯端末カメラの映像を映像情報蓄積配信装置115に送信する場合の処理について、図7を参照して以下に説明する。
【0054】
(1)ステップC1では、撮影された映像データは、携帯端末109内の記憶領域(メモリ等)にファイルとして保存される。
【0055】
(2)ステップC2では、上記保存されたファイルは、携帯端末109に実装の電子メール機能を使い、電子メールの添付ファイルとして、電子メールサーバ機能が格納されている映像情報蓄積配信装置115に向けて電子メールの通信プロトコルとして送られる。
【0056】
(3)ステップC3では、上記送られた電子メールは、電子メールサーバ機能(例えばPOPサーバ)により映像情報蓄積配信装置115で受信される。
【0057】
(4)ステップC4では、電子メールの添付ファイルは、映像情報蓄積配信装置115の記憶装置に格納されたプログラムにより、電子メールの中から取り出される。
【0058】
(5)ステップC5では、上記取り出された添付ファイルは、更にファイル内のデータが読み出され、必要に応じてコーデック変換やフォーマット変換を施される。この際、コーデック変換・フォーマット変換は、監視カメラが映像情報蓄積配信装置115に対して映像を提供する場合と同じコーデックやフォーマットになるように施される。
【0059】
(6)ステップC6では、上記ステップC5で必要に応じてコーデック変換やフォーマット変換が施されたデータは、映像情報蓄積配信装置115の記憶装置に記憶される。上記コーデックは、JPEGやMPEG−1,2,4,H.264等である。また、フォーマットの基本構成は、コーデック+ヘッダ情報である。
【0060】
次に、監視センサ121−1〜121−nにより得られた異常検出情報と、画像処理により得られた物体検出情報とに基づく監視情報を生成し、異常を検出した前記監視センサの種類に応じて、監視映像情報データのセキュリティ強度を決定する場合の例について説明する。
【0061】
図8は、監視カメラの映像を説明するための図で、ある部屋の出入口となるドアを監視対象として、部屋の内部に設置した監視カメラ110で撮影した場合の映像である。図8において、2001は監視対象となる映像、2002はドアである。
【0062】
ドア2002にピッキングとドアセンサが設置され、部屋の内部には火災報知器が設置されている。ピッキングセンサは、ドア2002がピッキングにより開けられた場合に異常を検知する装置とし、ドアセンサはピッキング以外の原因でドア2002が開けられた場合に反応する装置とする。火災報知器は、報知器周辺の熱や煙に反応する装置とする。
【0063】
図9は、図8と同様の映像であるが、ドア2002がピッキングによって開けられ、侵入者2003がドア2002から侵入してきた場合の監視カメラ110の映像である。
【0064】
上記監視カメラ110により撮影された画像を画像認識処理することにより、映像の変化が検知される。映像の変化が検知された時点の映像と、ピッキングセンサ及びドアセンサが反応した旨を知らせる内容とを監視情報として警備会社や、この部屋の住人の携帯電話に送信する。
【0065】
図10は、上記した各センサ及び画像認識処理による異常検知とセキュリティ強度とを関連付けるテーブル2005の例を示す図である。
【0066】
上記テーブル2005において、例えば火災報知器が反応した場合にはセキュリティ強度“4”、ドアセンサが反応した場合はセキュリティ強度“2”、ピッキングが反応した場合はセキュリティ強度“3”、画像認識処理により映像の変化が検知された場合はセキュリティ強度“4”が設定される。
【0067】
上記のテーブル2005により、監視センサの種類に応じて監視映像情報データのセキュリティ強度を決定する。なお、暗号化の処理手順と映像データの送信手順は、前述の図6及び図7で説明した通りである。
【0068】
上記のように構成された映像情報データ配信システムにおける監視サービスとしては、例えばデータセンターに設置された映像情報蓄積配信装置から個人が外出先から携帯端末109によって部屋の状態を確認する[個人遠隔監視]、警備会社の職員が通報を受けて、ビル・マンションへ到達するまでの間、携帯端末109で監視する[遠隔監視]、等のサービスが考えられる。この場合、暗号化鍵は、個人や警備会社が管理することでプライバシーが保護される。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像情報データ配信システムをネットワーク型監視システムに適用した場合の構成例を示す図である。
【図2】同実施形態におけるWiMAXの携帯端末の構成例を示す図である。
【図3】同実施形態におけるWiMAXの携帯端末の主画面に表示されるセキュリティ強度設定画面の例を示す図である。
【図4】同実施形態におけるWiMAXの携帯端末のレイヤ別機能ブロック図である。
【図5】同実施形態において、WiMAXの携帯端末からの暗号化映像情報データを映像情報蓄積配信装置へ蓄積する場合の処理例を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態において、撮像機能付き携帯端末により撮像した映像信号を映像情報蓄積配信装置に蓄積する場合の手順例を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態において、携帯端末に付属している携帯端末カメラの映像を映像情報蓄積配信装置に送信する処理を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における監視カメラの映像を説明するための図である。
【図9】図8において、侵入者がドアから侵入してきた場合の監視カメラの映像を示す図である。
【図10】同実施形態において、各監視センサ及び画像認識による異常検知とセキュリティ強度とを関連付けるテーブル例を示す図である。
【図11】従来のネットワーク型監視システムの構成例を示す図である。
【図12】図11におけるブラウザPC、映像情報蓄積配信装置、携帯端末及び無線LAN対応監視カメラ等のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0071】
101…Web監視カメラ、102…監視カメラ、103…Webエンコーダ、105…Webデコーダ、107…ブラウザPC、109…撮像機能付き携帯端末、110…監視カメラ、111…無線による伝送路、112…LANの伝送路、113…WANの伝送路、114…公衆回線網、115…映像情報蓄積配信装置、116…携帯端末、117…LAN対応監視カメラ、118…基地局、119…公衆回線の伝送路、120…アクセスポイント、121−1〜121−n…監視センサ、211…映像暗号化プログラム、212…IP層のセキュリティプロトコル(IPsec)、213…セキュリティ副層、1001…キー入力部、1002…セキュリティ強度設定画面起動ボタン、1003…操作ボタン、1004…主画面、1005…セキュリティ強度設定画面、1006…セキュリティ強度、1007…送信ボタン、1009…モニタ、1101…CPU、1102…メモリ、1103…ネットワークインタフェース、1104…記憶装置、1105…サウンド入出力インタフェース、1106…スピーカ、1107…マイク、1108…ビデオ入出力インタフェース、1109…モニタ、1110…入力インタフェース、1111…入力機器、1112…ポインティングデバイス、1113…バス、2002…ドア、2003…侵入者、2005…テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物や特定の屋外領域に設置された撮像装置から得られる音声や画像データなどの映像情報データを特定の利用者の暗号機能付携帯端末に、通信回線を介して配信する映像情報データ配信システムにおいて、
映像情報データを暗号化した暗号化映像情報データを生成する処理部及び撮像装置と、前記撮像装置を有する特定利用者の携帯端末の映像情報データを暗号化する暗号化処理部と、前記生成された映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定する画面に切換える画面切換え処理部と、前記画面切換え処理部によって切換えられた設定画面を表示するための設定画面表示処理部と、前記設定画面に表示されるセキュリティ強度を選択するための操作部と、前記操作部によって選択されたセキュリティ強度に応じて各レイヤの暗号化処理部を動作させるか否かを識別する識別処理部と、暗号機能付き携帯端末からの映像データを保存する映像情報蓄積配信装置と、前記映像情報蓄積配信装置に保存された映像情報データを情報端末装置からの配信要求に基づいて前記情報端末装置に配信する配信手段とを具備することを特徴とする映像情報データ配信システム。
【請求項1】
建物や特定の屋外領域に設置された撮像装置から得られる音声や画像データなどの映像情報データを特定の利用者の暗号機能付携帯端末に、通信回線を介して配信する映像情報データ配信システムにおいて、
映像情報データを暗号化した暗号化映像情報データを生成する処理部及び撮像装置と、前記撮像装置を有する特定利用者の携帯端末の映像情報データを暗号化する暗号化処理部と、前記生成された映像情報データの重要度に応じてセキュリティ強度を設定する画面に切換える画面切換え処理部と、前記画面切換え処理部によって切換えられた設定画面を表示するための設定画面表示処理部と、前記設定画面に表示されるセキュリティ強度を選択するための操作部と、前記操作部によって選択されたセキュリティ強度に応じて各レイヤの暗号化処理部を動作させるか否かを識別する識別処理部と、暗号機能付き携帯端末からの映像データを保存する映像情報蓄積配信装置と、前記映像情報蓄積配信装置に保存された映像情報データを情報端末装置からの配信要求に基づいて前記情報端末装置に配信する配信手段とを具備することを特徴とする映像情報データ配信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−172287(P2008−172287A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−683(P2007−683)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]