説明

映像配信システムおよび映像配信方法

【課題】広告情報を視聴者に確実に視聴させることの可能な映像配信システムおよび映像配信方法を提供すること。
【解決手段】広告情報を形成するコンテンツデータそのものに、暗号化された本編のコンテンツデータを復号するための情報データを含ませるようにしている。つまりCMコンテンツを視聴することによって、続きの番組コンテンツを復号するために必要となる復号用の鍵(暗号化鍵)を生成、取得できるようにしている。これによりコマーシャルの受信により初めて視聴継続を可能とする限定受信(限定再生)方式を実現できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、不特定多数の視聴者にビデオストリームを配信する形態で放送サービスを提供する映像配信システムおよび映像配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IP(Internet Protocol)ネットワークなどの媒体を介して視聴者にビデオストリームを配信する、いわゆるIPTV(IP Television)サービスが知られている(例えば特許文献1〜3を参照)。この種のサービスは次の2つに大きく分けられる。一つはIP−VOD(Video on Demand)、もう一つは地上D−IP再送信も含むIP放送である。IP−VODでは、各視聴者が視聴したいときに視聴したい番組コンテンツを個々にVODサーバへ指定・要求することで、番組が配信される。課金対象は基本的にはコンテンツそのものであり、視聴者への課金が生じる。これに対し旧来の民放放送ではコマーシャル(以下、CM)などの広告情報を番組コンテンツの合間に配信することで、放送事業者がスポンサーから収入を得る。
【0003】
IP放送では民放と同様に、CM配信による収入確保といったビジネスモデル採ることが想定される。しかし、CMカット/CMスキップが技術的には実施可能であることが課題である。IP放送の視聴においてCMカット/CMスキップを許すことは、これまでの民放スタイルのビジネス形態が成立しなくなることを意味し、最終的に視聴者が番組を無料で視聴することができなくなることに繋がる。
【0004】
或る放送事業者では、VODでありながら視聴者への課金をなくし、CMによる広告料により事業収入を得るという形態を採っている。この事業者では視聴者がCMカット/CMスキップを実行すると以降の番組の続きを配信しないようにしている。しかしIP放送においては同じ手法を使えない。IP放送においてはマルチキャスト配信であるという特性上、不正な視聴者を特定し、それに対処することが事実上不可能だからである。
【特許文献1】特開2001−223653号公報
【特許文献2】特開平10−164550号公報
【特許文献3】特開2005−184640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べたように既存のIP放送システムにおいては、CMカット/CMスキップを実施した視聴者を特定して、排除するといった対処をすることが事実上できないので、視聴者にこれを許してしまう余地が残されている。これは放送システムのビジネスモデルの崩壊を招く虞があるので何らかの対処が望まれている。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、広告情報を視聴者に確実に視聴させることの可能な映像配信システムおよび映像配信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の一態様によれば、パケット化されたコンテンツデータを不特定多数の視聴者に配信する映像配信システムにおいて、前記コンテンツデータを、広告情報を含む第1データと前記広告情報を含まない第2データとに分離し、前記第2データを暗号化する手段と、前記暗号化された第2データを復号化するための鍵データを、前記第1データに含ませる鍵生成手段と、前記第1データの視聴を条件としてこの視聴された第1データに含まれる前記鍵データを抽出する抽出手段と、前記抽出された鍵データにより前記第2データを復号化する復号化手段とを具備することを特徴とする映像配信システムが提供される。
【0007】
このような手段を講じることにより、広告情報以外の、本編のコンテンツデータが暗号化され、しかもこの暗号化されたコンテンツデータを復号するための鍵が、CM情報に含まれる形態となる。これにより広告情報を視聴しないと復号鍵を入手できないことになり、IP放送の形態においてもCMカット/CMスキップの実行を抑圧することができる。すなわち、視聴者がCMカット/CMスキップを実行すると、IP放送番組の続きを受信することはできても、それ以降の継続的な視聴を困難にでき、いわば限定受信(限定再生)を実現することができるようになる。
【0008】
既存の技術では原理的にはCMカット/CMスキップ機能を搭載することは自体は不可能ではないが、ハードウェア構成としてESデコーダライン上に別途割り込ませることが必要になるので、製品単体のコストアップ要素になる。また、スイッチング素子による番組/CMコンテンツデータの切替え機能を並列搭載する場合でも同様である。一方、HDD自体の大容量化・低コスト化も進むため、視聴者によるCMカット/CMスキップ機能の利用機会の抑圧が期待できる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、広告情報を視聴者に確実に視聴させることの可能な映像配信システムおよび映像配信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、この発明に関わる映像配信システムを示すシステム図である。このシステムはIPネットワーク1を中核とするIP放送により番組コンテンツデータをマルチキャスト配信するシステムである。放送局10から電波を介して放送されたコンテンツデータはそれぞれチューナ30で復調再生されたのちIPデータ化され、IPネットワーク1に送出される。これにより地上デジタル−IP再送信をも含むIP放送サービスが実現される。
【0011】
同様にコンテンツホルダー20の持つコンテンツデータもIP化されたのちIPネットワーク1に送出され、IP−VOD形式のサービスが提供される。視聴者の近くのエッジルータに届いたIPパケットはIPテレビジョン(IPTV)により取得されてコンテンツ再生される。現状ではセットトップボックス(STB)により再生された番組をテレビ表示する形態もある。
【0012】
図1のシステムにおいて、映像および音声を含むコンテンツデータがIP放送としてマルチキャスト配信される。コンテンツデータは、暗号化された番組コンテンツと、CMコンテンツとの2つのデータに分けることができる。例えば地上デジタル放送では、暗号化された映像・音声のコンテンツデータとこれらを復号処理するための情報(ECM)データとがセットにして配信される。B−CASなどと称するカードを受信端末に装備することで、ECMデータから復号用の鍵(暗号化鍵)を取得することができる。この種の暗号化技術は、主にコンテンツの複製を制御するために実施される。BS放送やCS放送の有料番組に対し実施されている暗号化は、視聴権限のない視聴者(未購入者)の視聴を制限することが主な目的である。
【0013】
[第1の実施形態]
IP放送では、CMカット/CMスキップが技術的には実現可能であることが課題である。例えば、CM放送中のモノラル−ステレオ音声の切替え特性を利用してCMカット/CMスキップを行うものが市販されている。
【0014】
図2に示すようにIP放送を無料で配信し、収入はCMによる広告料を得ると言う形態を採る場合、CMカット/CMスキップした端末にはデータ配信を中止するという手段をとることが難しい。これはIP放送がマルチキャスト配信であるという特性を持つからで、IPTV側がCMカット/CMスキップを実行したことを上位システムに伝達し、制御しなければならなくなるからである。
【0015】
図3は、既存のIP放送における暗号化方式を示す模式図である。IP放送は、地上波放送と同様にMPEG-2 systemsのTS規格(以下、MPEG−2 TSと表記する)に則っている。すなわち、大きくコンテンツに当たるPESデータと、暗号化されたコンテンツを復号するための情報を含むSectionデータとが多重化して伝送される。
【0016】
図4に示すように、IP放送ではこのMPEG−2 TSのデータをマルチキャストに対応するIPパケットに格納して伝送する。IPTV端末からのマルチキャストJOIN要求を受けることで、エッジルータ40はこのIPパケットの配信を解放する。IPストリーム中のMPEG−2 TSは、暗号処理済みコンテンツデータと、暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ(EMM,ECMなど)との2つに大きく分けられる。さらに、暗号処理済みコンテンツを、暗号処理済み番組コンテンツデータと、暗号処理済みCMコンテンツデータとの2種に分ける。
【0017】
この実施形態では、「暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ」をMPEG−2 TSとして多重化伝送するのではなく、「暗号処理済みCMコンテンツデータ」の内部に「暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ」を重畳する。これによりCM(広告)の表示をCMカット/CMスキップにより飛ばすと、続きの番組コンテンツが視聴できなくなるようにする手法を開示する。
【0018】
図5は従来のIPストリームによるMPEG−2 TSの伝送を示す模式図である。このように、復号のための情報がIPストリームに単純に多重されているだけであるので、CM(広告)の表示をCMカット/CMスキップにより飛ばしても、復号鍵を継続して入手できることから、続きの番組コンテンツを視聴できなくなることはない。
【0019】
図6は、この実施形態でのIPストリームによるMPEG−2 TSの伝送を示す模式図である。ここでは、暗号化されたCMコンテンツデータの内部に、コンテンツデータを復号するための情報データを重畳するようにする。従ってCMコンテンツデータをカットまたはスキップしてしまうと復号化のためのデータを入手できなくなり、従って続きの番組コンテンツが視聴できなくなる。
【0020】
なおコンテンツデータとCMコンテンツデータとは通常、IPストリーム上に規則的に配列される。これに代えてコンテンツデータとCMコンテンツデータとをIPストリーム上に不規則的に配列するようにすると、暗号解読への耐性を高めることができる。次に、IPマルチキャスト配信におけるIPTV端末での番組視聴シーケンスにつき説明する。
【0021】
<電源ON/番組(局)選択〜番組視聴開始>
図7は「電源ON/番組(局)選択〜番組視聴開始」までの手順を示す。電源ON、または、他の番組(局)の選択によるマルチキャストグループの遷移により、IPTV端末はネットワーク上位/エッジに存在するマルチキャストルータやR.A.(Router Advertisement)送出設備に対してJOIN要求を送信する。他の番組(局)への選択であれば、JOINの前にLEAVEメッセージも送信される。
最初のJOIN送信の段階では、番組コンテンツを復号するための復号鍵を所有していない。よってJOIN要求時に、別途「復号のための情報」が配信される形態をとる。これにより、電源ON/番組(局)選択においても、番組の視聴が可能となる。
【0022】
<復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続>
図8は、復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続、までを示している。IPTV端末は復号のための情報を取得することにより、継続して番組の視聴が可能となる。暗号化アルゴリズムの強度と暗号化に用いる鍵の長さに対してトレードオフが生じるので、「復号のための情報」が配信されてから次の「復号のための情報」が配信されるまでの期間を限定する必要がない。
【0023】
例えば、1時間番組において、CM(広告)は大体15分間隔で配信されると想定するが、「暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ」の適応期間に関する情報については、従来からも送信される情報データ内部には含まれていない。規格としては2秒程度で情報が更新されてはいるものの、送信側が自由なタイミングで適応期間を変更することが可能であり、図10に示すように、MPEG−2 TSのヘッダ内部にはそのための情報ビットフィールドが格納される。
【0024】
図10において、暗号化の有無は、Transport_scrambling_controlフィールドの上位1ビットの状態を確認することで判断できる。なお、Transport_scrambling_controlフィールドの下位1ビットの伝達は「暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ−復号鍵(odd)」「暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ−復号鍵(even)」を判断するために利用することが可能であり、そのため「暗号処理済みコンテンツデータを復号するための情報データ」には、一度に2つ分の復号鍵を格納して伝送することが可能である。
【0025】
<復号のための情報を取得しないことによる番組視聴不可>
図9は「復号のための情報を取得しないことによる番組視聴不可」までを示している。番組視聴を再開したい場合には、復号のための情報を改めて取得する必要がある。次に、コンテンツを暗号化処理するために必要な暗号化鍵を生成する手法につき説明する。
図11に示すように、オフライン時にも暗号化鍵(復号鍵)の生成を可能とするには、CM(広告)コンテンツデータをハッシュ生成関数のような一方向関数を用いて処理する。これにより、出力されたダイジェストメッセージ(DM)が、続きの番組コンテンツを復号するためのスクランブル/エンクリプト復号鍵になるという形態を実現できる。また、N−bit XOR加算によるビット演算子を用いる形態もある。IPTV側に搭載されているメモリバッファの容量の制限に合わせ、HASH関数とN−bit XOR加算によるビット演算子の両方を組み合わせた形態もありうる。
【0026】
これにより、仮にCM(広告)コンテンツデータが未取得の暗号化鍵により暗号処理が行われていて、IPTV側で映像として視聴可能な状態でなくとも、CM(広告)コンテンツデータそのものを取得さえしていれば、続きの番組コンテンツを復号するためのスクランブル/エンクリプト復号鍵を生成可能となる。
【0027】
この手法では、生成された暗号化鍵(復号鍵)は、CM(広告)コンテンツデータと共に多重化するのではなく、CM(広告)コンテンツデータそのものが暗号化鍵(復号鍵)を生成するための必須データとなる。よって視聴者がCMカット/CMスキップを実行すると、番組の続きが配信されていても視聴は不可能となる。さらに、IPTV側がCMカット/CMスキップを実行したことを上位システムに伝達し、制御する必要もない。つまり必須の機能はCM(広告)コンテンツのデコード処理機能のみであるので既存の機器から簡易な変更のみで実現が可能となる。
【0028】
また、ハッシュ生成のような一方向関数の代わりとなる手法としては、CM(広告)コンテンツデータのある特定の部分に、復号するためのキーとなる情報を入れ込む形態をとる。または、CMコンテンツデータの特定の部分それ自体が復号するためのキーとなる形態を採ることもできる。
【0029】
図12に示すように、CM(広告)コンテンツデータの映像ESの高周波領域、あるいは音声ESの高周波領域にキー情報を埋め込む形態をとれる。これは電子透かしの技術を応用することで実現可能である。または、情報を埋め込む(多重化する)のではなく、特定周波数や振幅値を越えたデータの集合が復号のための情報となる形態も採れる。映像情報では一般的にR:G:Bの色情報と、0〜255までの輝度情報から成立しているので、R(0〜255):G(0〜255):B(0〜255)の組み合わせにより、復号するための情報として生成することが可能である。
【0030】
図13はこの実施形態に関わる映像配信装置100を示す機能ブロック図である。配信すべきコンテンツはハードディスクドライブ(HDD)11などの媒体に一旦格納されたのち暗号化処理部12とCM検出処理部13とに送られる。CM検出処理部13はコンテンツデータからCMコンテンツ部分を検出し、暗号鍵抽出生成処理部14により、続きの番組コンテンツ部分の暗号化に用いるための暗号鍵がHASH関数などを用いて生成される。生成されたデータは多重化(MUX)処理部15および配信処理部16により伝送データ化され、ネットワークデバイス17を介してIPネットワーク1などに送出される。なおコンテンツをHDD11に格納することは必須ではなく、外部の別装置からでも配信装置の入力として存在していれば構わない。
【0031】
図14はこの実施形態に関わる映像受信装置を示す機能ブロック図である。ネットワークデバイス21を介して取り込まれたIPデータは受信処理部22および分離(DEMUX)処理部23によりパケット分解などの処理を施されたのち、復号処理部24で復号化される。復号化されたデータはESデコード処理部25により暗号を解かれ、CM検出処理部26によるCM情報の検出、および復号鍵抽出生成処理部27による鍵抽出などの処理を経てHDD28に保存され、表示器に表示される。なお復号鍵抽出生成処理部27により抽出された復号鍵は復号処理部24に与えられ、復号化に用いられる。
【0032】
上記構成において、既存技術では必要となるECMデータが受信後のDEMUXの対象ではなくなるので、ECM抽出処理部はかならずしも必要でない(点線表示)。一方、復号のための情報をCM(広告)コンテンツデータから生成するため、CMを抽出した上でその情報を復号鍵抽出生成処理部に与える点が特徴的である。よってCMカット/CMスキップ機能をESデコード処理以降のラインに設ける(点線表示)。
【0033】
以上述べたようにこの実施形態では、広告情報を形成するコンテンツデータそのものに、暗号化された本編のコンテンツデータを復号するための情報データを含ませるようにしている。つまりCMコンテンツを視聴することによって、続きの番組コンテンツを復号するために必要となる復号用の鍵(暗号化鍵)を生成、取得できるようにしている。これによりコマーシャルの受信により初めて視聴継続を可能とする限定受信(限定再生)方式を実現できるようになる。従って広告情報を視聴者に確実に視聴させることの可能な映像配信システムおよび映像配信方法を提供することが可能になる。
【0034】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、第1の実施形態の基本的構成が継承される。CM(広告)コンテンツデータそのものが暗号化鍵(復号鍵)を生成するための必須データになるので、視聴者がCMカット/CMスキップを実行することで番組の続きが配信されていてもその視聴は不可能となる。さらに、IPTV側がCMカット/CMスキップを実行したことを上位システムに伝達し、制御する必要もないため簡易な変更のみで実現が可能となる点は変わらない。
【0035】
この実施形態では、図15に示すように、番組コンテンツを復号するための別情報を保持する別情報サーバ400をIPネットワーク1に設ける。第1の実施形態では、CM(広告)コンテンツデータから抽出された情報そのものを、番組コンテンツを復号するための情報(復号鍵)とした。この実施形態では、CM(広告)コンテンツデータから抽出された情報と、外部情報配信サーバである別情報サーバ400にアクセスして取得した情報との2つの情報から最終的な番組コンテンツを復号するための情報を抽出・生成するようにする。次に、IPマルチキャスト配信におけるIPTV端末での番組視聴シーケンスを示す。
【0036】
<電源ON/番組(局)選択〜番組視聴開始>
図16は、IPTV端末における電源ON/番組(局)選択から番組視聴開始までの手順を示す図である。IPTV端末の電源ON、または他の番組(局)の選択によるマルチキャストグループの遷移により、IPTV端末はネットワーク上位/エッジに存在するマルチキャストルータやR.A.(Router Advertisement)送出設備に対してJOIN要求を送信する。他の番組(局)への選択の場合にはJOINの前にLEAVEメッセージも送信する。
【0037】
最初のJOIN送信の段階では、番組コンテンツを復号するための復号鍵を所有していない。よってJOIN要求時に、別情報サーバ400から別途「復号のための情報」が配信される。これにより、以下は第1の実施形態と同様の手順を経て電源ON/番組(局)選択においても、番組の視聴が可能となる。
【0038】
<復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続>
図17〜図19は、復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続までを示す図である。図17はこのうちの第1の例を示すもので、もっともシンプルな基本構成である。図17においてIPTV端末は、配信されてきたコンテンツから「復号のための情報(aパート)」を取得し、復号のための情報(aパート)と対を成す復号のための情報(bパート)の取得を別情報サーバ400に対して要求する。別情報サーバ400は、番組コンテンツを復号するための別情報を保持する。
【0039】
図18に示すように、復号のための情報(bパート)の取得要求を受信した別情報サーバ400は、IPTV端末に向けて復号のための情報(bパート)を送信する。復号のための情報(aパート)と復号のための情報(bパート)を取得できたIPTV端末は、第1の実施形態と同様に番組コンテンツを復号するための復号鍵を抽出・生成する。これによりIPTV端末において、継続して番組の視聴が可能となる。なお別情報サーバ400は一台である必要はなく、負荷分散のため複数設けることも可能である。
【0040】
図19は、復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続までの第2の例を示す図である。すなわち別情報サーバ400へのアクセス先を用いることで、別情報サーバ400をネットワーク的に隠蔽することができる。なおアクセス先としてURL(Uniform Resource Locator)を指定してhttpプロトコルにより「復号のための情報」を転送するのは一例であり、ほかにもFTPプロトコルを用いたり、種々の方法を用いることができる。
【0041】
図20に示すように、IPTV端末は、配信されてきたコンテンツから、「別情報サーバ400へアクセスするための情報」を取得する。この情報を取得することによって初めて別情報サーバ400にアクセスすることが可能になる。復号のための情報の取得要求を受信した別情報サーバ400は、復号のための情報をIPTV端末に送信する。復号のための情報を取得できたIPTV端末は、第1の実施形態と同様に番組コンテンツを復号するための復号鍵を抽出・生成することにより、継続して番組の視聴が可能となる。
【0042】
図21は、復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続までの第3の例を示す図である。図19において、CM(広告)コンテンツデータから抽出された情報には、別情報サーバ400にセキュアなアクセスをするためのトンネリング情報を含める。この情報により通信経路上にセキュアコネクションを形成し、かつ図17および図18の方式をも複合的に扱うことが可能となる例である。
【0043】
図22に示すように、基本的にIPTV端末は、配信されてきたコンテンツから「復号のための情報(aパート)」を取得する。次にIPTV端末は、復号のための情報(aパート)と対を成す復号のための情報(bパート)の取得を別情報サーバ400に要求する。この要求を受信した別情報サーバ400は復号のための情報(bパート)をIPTV端末に送信する。
【0044】
復号のための情報(aパート)と復号のための情報(bパート)とを取得したIPTV端末は、第1の実施形態と同様にして、番組コンテンツを復号するための復号鍵を抽出・生成することにより、継続して番組の視聴が可能となる。なお「復号のための情報(aパート)」が、「別情報サーバ400にアクセスするための情報」を含むものであってももちろん構わない。この場合「復号のための情報(aパート)」には、Nance的な扱いをするための情報を含み、CHAPのような認証利用も実現可能になる。
【0045】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第1および第2の実施形態の基本的構成を継承し、CM(広告)コンテンツデータそのものが暗号化鍵(復号鍵)を生成するための必須データとなるので、視聴者がCMカット/CMスキップを実行することで番組の続きが配信されていても視聴は不可能となる。さらに、IPTV側がCMカット/CMスキップを実行したことを上位システムに伝達し制御する必要もないので、簡易な変更のみで実現が可能となる点は変わらない。
【0046】
第1、第2の実施形態では暗号済みコンテンツとして「番組コンテンツ」と「CM(広告)コンテンツデータ」とを並列的に列挙した。この場合、CM(広告)コンテンツが何らかの制約を受ける可能性があることにつながる。これは、広告主にとっては必ずしも望ましいことではない。
【0047】
図23は、CM(広告)コンテンツデータを暗号化処理しない方式である。前述のように暗号化状況の判断は、MPEG−2 TSのヘッダ内部に存在する情報ビットフィールドを用いて行う(図24)ので、CM(広告)の視聴に関して障害は発生しない。
この実施形態では、CM(広告)コンテンツデータから抽出された情報から「番組コンテンツを復号するための情報」を取得するようにしているが、その復号可能な適応期間については、「復号のための情報」の配信以後であれば特定の制限の無いことに、この実施形態では着目する。
【0048】
例えば図25に示すように、本編のコンテンツデータを「復号可能な適応期間」を、「復号のための情報」の配信直後とすることができる。一方、図26に示すように、復号可能な適応期間を「復号のための情報」と「復号のための情報」との範囲でブロックとして特定できるようにすることもできる。図26の例では複数のブロックを飛ばす形態を採ることが可能になる。よって送信側においてはリアルタイム処理の負荷を抑制でき、サービス提供側においては、より柔軟なCM(広告)コンテンツデータの配置が可能となる。
【0049】
また図27に示すように、CM(広告)コンテンツデータ配信中における「復号のための情報」の配置方法として、CM(広告)コンテンツデータの全てに「復号のための情報」の配置することもできる。さらには図28に示すように、CM(広告)コンテンツデータのある特定の部分に「復号のための情報」を配置するようにしても良い。
【0050】
このことによる副次的な効果としては、CM(広告)コンテンツデータの全てに「復号のための情報」の配置する場合と比較してIPTV側のCM(広告)コンテンツデータ用のバッファサイズを低減することが出来る。CM(広告)コンテンツデータのある特定の部分に、復号のための情報を入れ込む形態を採ることによって、例えばスポンサーが支払う広告料金にも明確な格差をつけることが可能で、復号のための情報を入れ込む特定部分を選択的に配信側が決定することにより実現する。
【0051】
図29は、本発明に係わるコンテンツ配信側(放送局10、コンテンツホルダー20など)における処理を示すフローチャートである。ストリーム配信に先立ち、まずコンテンツデータを本編コンテンツとCMコンテンツとに分離する(ステップS1)。そのうえで本編コンテンツを暗号化するとともにこれを復号化するための復号鍵を生成する(ステップS2)。そのうえでこの実施形態では、ステップS1で分離したCMコンテンツに復号鍵を格納したのちに、暗号化した本編コンテンツと合わせてストリーム配信を行う(ステップS4)。
【0052】
図30は、本発明に係わるコンテンツ受信側(IPTV端末など)における処理を示すフローチャートである。受信側においてはストリームデータを受信した後(ステップS5)、CMデータの取得すなわちCMの視聴の有無が判定される(ステップS6)。CMの視聴が正常になされることによってはじめてCMコンテンツデータから復号鍵を抽出することができ(ステップS6でYes)、得られた復号鍵から本編コンテンツが復号されて視聴に供される(ステップS9)。一方、CMの視聴がなされない限り復号鍵を抽出することはできず(ステップS7)、従って本編コンテンツを再生することもできない。
【0053】
以上をまとめると、本願発明思想は以下に集約される。すなわち、配信されるコンテンツデータが任意のパートに分離可能な複数のコンテンツデータであるとし、その集合をCD≡{CD1,CD2,CD3,…,CDx}と表現する。さらに暗号化処理が行われているコンテンツデータ集合をCDe(e:encrypted),暗号化処理が行われていないコンテンツデータ集合をCDp(p:plain)と表現する。また、それぞれのパートは{CDe1,CDe2,…,CDey}や{CDp1,CDp2,…,CDpx}のように表現する。
【0054】
[1] 暗号化処理が行われていないコンテンツデータ集合であるCDpxを視聴することで、暗号化処理が行われているコンテンツデータ集合であるCDeyの復号するための情報を入手でき、さらにCDeyの内容を視聴可能とする。ただし、CDeの視聴開始直後のパートを復号処理するための情報は別経路から入手可能とすることもできる。
【0055】
[2] 配信されるコンテンツデータには番組コンテンツデータとCM(広告)部分のコンテンツデータが含まれ、CM(広告)部分のコンテンツデータに、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号するための情報を含み、CM(広告)部分のコンテンツデータを取得することで、以降(続き)の暗号化された番組コンテンツを視聴可能とする。
【0056】
[3] CM(広告)部分のコンテンツデータを受信端末で受信し、ディスプレイのような出力デバイスにCM(広告)部分の全ての内容をCMカット/CMスキップなしに表示する事により、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号するための情報をCM(広告)部分のコンテンツデータから抽出取得可能とする。
【0057】
[4] [3]において、CM(広告)部分のコンテンツデータから抽出取得した情報のみから、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号することを可能とする。
【0058】
[5] [3]において、CM(広告)部分のコンテンツデータから抽出取得した情報と、さらに以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号することを可能とするための別情報の両方を取得する事で最終的に続きの番組コンテンツデータを復号することを可能とする。
【0059】
[6] [5]において、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号することを可能とするための別情報を、受信端末側から明示的に要求する事で送出を行う「別情報送出サーバ」が存在し、受信端末はこの別情報送出サーバから別(復号)情報を入手可能とし、CM(広告)部分のコンテンツデータから抽出取得していた情報とにより、最終的に続きの番組コンテンツデータを復号することを可能とする。
【0060】
[7] [5]の方式において、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号することを可能とするための別情報を、受信端末側から明示的に要求する事で送出を行う「別情報送出サーバ」が存在し、かつこの別情報送出サーバを一意に特定するためにCM(広告)部分のコンテンツデータから事前に抽出取得していた別情報送出サーバ特定情報を必要とするようにする。
【0061】
[8] [2]において、CM(広告)部分のコンテンツデータに、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号するための情報を含み、かつ番組コンテンツデータを復号するための情報をCM(広告)部分のコンテンツデータ内部の任意箇所に配置する。
【0062】
[9] [8]において、CM(広告)部分のコンテンツデータ内部の任意箇所に番組コンテンツデータを復号するための情報を配置し、その任意箇所を特定するための別情報を取得する事で、最終的に続きの番組コンテンツデータを復号することを可能とする。
【0063】
[10] [9]において、CM(広告)部分のコンテンツデータ内部の任意箇所に番組コンテンツデータを復号するための情報を配置し、その任意箇所を特定するための別情報を受信端末側から明示的に要求する事で送出を行う別情報送出サーバ400を設ける。
[11] [8]において、CM(広告)部分のコンテンツデータ内部の任意箇所に番組コンテンツデータを復号するための情報をさらに複数箇所に分けて配置するようにする。
【0064】
さらに、配信されるCM(広告)部分のコンテンツデータをスポンサー毎に分離可能な複数の連続するCM(広告)コンテンツデータの集合体とし、CM≡{CM1,CM2,CM3,…,CMx}と表記する。
[12] [11]において、例えばCM2,CM5,CM9というようなCM(広告)部分のコンテンツデータ集合体の任意パートに番組コンテンツデータを復号するための情報を配置する。
【0065】
[13] [2]において、CM(広告)部分のコンテンツデータをさらに映像データと音声データとに分けることで、以降(続き)の暗号化が施された番組コンテンツデータを復号するための情報を「CM(広告)―映像データ」や「CM(広告)―音声データ」、または「混合組み合わせデータ」と任意に配置先を選択決定可能とする。
【0066】
さらに、配信されるコンテンツデータの一連のストリームを番組コンテンツ部分(PC:Program Contents)と、CM(広告)コンテンツ部分(CM)とにより、CD≡{PC1,CM1,PC2,CM2,PC3,CM3,…,PCx,CMx}と表現する。PCnは暗号化されている番組コンテンツデータであり、CMnは暗号化された番組コンテンツデータを復号するための情報を含むデータである。
【0067】
[14] [2]において、CM1のデータを取り込むことでPC2の最初のX時間だけ復号・視聴可能とし、CM1のデータと外部から取得した別情報を元にPC2の残り時間分のコンテンツデータを復号・視聴可能とする。
【0068】
[15] [2]において、番組コンテンツデータを復号するための情報をCM(広告)部分のコンテンツデータに含ませる、すなわち隠蔽させる対象として、コンテンツデータのビットストリーム中の音声ESにのみ含ませるものと、コンテンツデータのビットストリーム中の映像ESにのみ含ませるものと、さらに複合的に音声ESと映像ESの両方に含ませるものとを選択可能とする。
【0069】
[16] [2]において、番組コンテンツデータを復号するための情報をCM(広告)部分のコンテンツデータに含ませる(隠蔽させる)対象として、コンテンツデータのビットストリーム中の映像ESに含ませるものとして、自然な映像を提供するために番組コンテンツデータを復号するための情報を例えば電子透かしのように人間が視覚認知し難い高周波領域に埋め込むようにする。
【0070】
[17] [2]において、番組コンテンツデータを復号するための情報をCM(広告)部分のコンテンツデータに含ませる(隠蔽させる)対象として、コンテンツデータのビットストリーム中の音声ESに含ませるものとして、自然な音声を提供するために番組コンテンツデータを復号するための情報を人間が聴覚認知し難い高周波領域に埋め込むようにする。
【0071】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】この発明に関わる映像配信システムを示すシステム図。
【図2】マルチキャストによるIPパケットストリームを示す模式図。
【図3】既存のIP放送における暗号化方式を示す模式図。
【図4】既存の技術においてMPEG−2 TSストリームをパケット化した状態を示す図。
【図5】既存技術におけるIPストリーム中のMPEG−2TSを示す図。
【図6】この実施形態でのIPストリームによるMPEG−2 TSの伝送を示す模式図。
【図7】IPTV端末における電源ON/番組(局)選択から番組視聴開始までの手順を示す図。
【図8】IPTV端末において復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続を示す図。
【図9】IPTV端末において復号のための情報を取得しないことによる番組視聴不可の状態を示す図。
【図10】MPEG−2 TSのヘッダ構成を示す図。
【図11】コンテンツデータの復号のための情報を生成する一例を示す図。
【図12】CMコンテンツデータに本編コンテンツを復号するための情報を格納する一例を示す図。
【図13】この発明の実施形態に関わる映像配信装置を示す機能ブロック図。
【図14】この発明の実施形態に関わる映像受信装置を示す機能ブロック図。
【図15】この発明の第2の実施形態に関わる映像配信システムを示すシステム図。
【図16】IPTV端末における電源ON/番組(局)選択から番組視聴開始までの手順を示す図。
【図17】復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続までの第1の例を示す図。
【図18】図17における処理を示す模式図。
【図19】復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続までの第2の例を示す図。
【図20】図19における処理を示す模式図。
【図21】復号のための情報を取得することによる番組視聴の継続までの第3の例を示す図。
【図22】図21における処理を示す模式図。
【図23】CM(広告)コンテンツデータを暗号化処理しない方式を示す図。
【図24】IPストリーム中のMPEG−2TSを示す図。
【図25】本編のコンテンツデータを復号可能な適応期間と、復号のための情報の配信時点との関係の第1の例を示す図。
【図26】本編のコンテンツデータを復号可能な適応期間と、復号のための情報の配信時点との関係の第2の例を示す図。
【図27】本編のコンテンツデータを復号可能な適応期間と、復号のための情報の配信時点との関係の第3の例を示す図。
【図28】本編のコンテンツデータを復号可能な適応期間と、復号のための情報の配信時点との関係の第4の例を示す図。
【図29】本発明に係わるコンテンツ配信側における処理を示すフローチャート。
【図30】本発明に係わるコンテンツ受信側における処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0073】
1…IPネットワーク、10…放送局、20…コンテンツホルダー、30…チューナ、40…エッジルータ、400…別情報サーバ、11…ハードディスクドライブ(HDD)、12…暗号化処理部、13…CM検出処理部、14…暗号鍵抽出生成処理部、15…多重化(MUX)処理部、16…配信処理部、17…ネットワークデバイス、21…ネットワークデバイス、22…受信処理部、23…分離(DEMUX)処理部、24…復号処理部、25…ESデコード処理部、26…CM検出処理部、27…復号鍵抽出生成処理部、28…ハードディスクドライブ(HDD)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケット化されたコンテンツデータを不特定多数の視聴者に配信する映像配信システムにおいて、
前記コンテンツデータを、広告情報を含む第1データと前記広告情報を含まない第2データとに分離し、前記第2データを暗号化する手段と、
前記暗号化された第2データを復号化するための鍵データを、前記第1データに含ませる鍵生成手段と、
前記第1データの視聴を条件としてこの視聴された第1データに含まれる前記鍵データを抽出する抽出手段と、
前記抽出された鍵データにより前記第2データを復号化する復号化手段とを具備することを特徴とする映像配信システム。
【請求項2】
前記第1データと、この第1データに含まれる前記鍵データにより復号化される第2データとをストリーム上において規則的に配置することを特徴とする請求項1に記載の映像配信システム。
【請求項3】
さらに、前記鍵データと組み合わせて用いられる復号データを記憶するサーバ装置を具備し、
前記復号化手段は、前記サーバ装置から前記復号データを取得し、この復号データと前記鍵データとを用いて前記第2データを復号化することを特徴とする請求項1に記載の映像配信システム。
【請求項4】
前記第1データに前記サーバ装置にアクセスするためのアドレスデータを含ませ、
前記抽出手段は、前記第1データの視聴を条件としてこの視聴された第1データに含まれる前記アドレスデータを抽出し、
前記復号化手段は、前記第1データから抽出されたアドレスデータに基づいて前記サーバ装置から前記復号データを取得することを特徴とする請求項3に記載の映像配信システム。
【請求項5】
前記第1データと、この第1データに含まれる前記鍵データにより復号化される第2データとをストリーム上において不規則的に配置することを特徴とする請求項1に記載の映像配信システム。
【請求項6】
さらに、前記鍵データを含む前記第1データの前記ストリーム上における位置を特定するための位置データを記憶するサーバ装置を具備し、
前記復号化手段は、前記サーバ装置から前記位置データを取得し、この位置データにより特定される鍵データを用いて前記第2データを復号化することを特徴とする請求項5に記載の映像配信システム。
【請求項7】
パケット化されたコンテンツデータを不特定多数の視聴者に配信する映像配信方法において、
前記コンテンツデータを、広告情報を含む第1データと前記広告情報を含まない第2データとに分離し、前記第2データを暗号化する暗号化ステップと、
前記暗号化された第2データを復号化するための鍵データを、前記第1データに含ませる鍵生成ステップと、
前記第1データの視聴を条件としてこの視聴された第1データに含まれる前記鍵データを抽出する抽出ステップと、
前記抽出された鍵データにより前記第2データを復号化する復号化ステップとを具備することを特徴とする映像配信方法。
【請求項8】
前記第1データと、この第1データに含まれる前記鍵データにより復号化される第2データとをストリーム上において規則的に配置することを特徴とする請求項7に記載の映像配信方法。
【請求項9】
前記復号化ステップは、前記鍵データと組み合わせて用いられる復号データを記憶するサーバ装置から前記復号データを取得し、この復号データと前記鍵データとを用いて前記第2データを復号化するステップであることを特徴とする請求項7に記載の映像配信方法。
【請求項10】
前記第1データに前記サーバ装置にアクセスするためのアドレスデータを含ませ、
前記抽出ステップは、前記第1データの視聴を条件としてこの視聴された第1データに含まれる前記アドレスデータを抽出するステップであり、
前記復号化ステップは、前記第1データから抽出されたアドレスデータに基づいて前記サーバ装置から前記復号データを取得するステップであることを特徴とする請求項9に記載の映像配信方法。
【請求項11】
前記第1データと、この第1データに含まれる前記鍵データにより復号化される第2データとをストリーム上において不規則的に配置することを特徴とする請求項7に記載の映像配信方法。
【請求項12】
前記復号化ステップは、前記鍵データを含む前記第1データの前記ストリーム上における位置を特定するための位置データを記憶するサーバ装置から前記位置データを取得し、この位置データにより特定される鍵データを用いて前記第2データを復号化するステップであることを特徴とする請求項11に記載の映像配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−77073(P2009−77073A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242977(P2007−242977)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】