説明

暗証番号の変更および通知システム

【課題】暗証番号の変更作業は、新暗証番号の登録,新暗証番号を覚えなおさなければならない等面倒で手間の掛かるものであった。また、生年月日,ゾロ目,電話番号,過去に使用した番号等、他者に予測されやすい番号にしてしまう可能性がある等セキュリティー上不具合である。
【解決手段】現暗証番号の有効期限に基づいて現暗証番号を変更し、登録された連絡先に新暗証番号をメールにて通知する。また、利用者はそのメールに返信することにより、容易に自分の希望する暗証番号に変更することができる。さらに、ホストコンピュータは利用者が希望する暗証番号とNG番号の照合を行い、他者に推測されやすい番号が使用されることを未然に避けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動取引装置,入室管理システム等の、利用者が固有の暗証番号を使用する装置、及びシステムにおける暗証番号の変更および通知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシステムは、端末でカード情報等と暗証番号から個人認証を行った後、暗証番号の有効期限が間近である場合等の条件を満たした場合に暗証番号変更モードに移行し、新暗証番号の入力を受け付け、現暗証番号を新暗証番号に書き換えるというシステムであり、たとえば特開2002−201837号に開示されている。
【特許文献1】特開2002−201837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のシステムでは、有効期限間近となるたびに利用者は端末での新暗証番号の登録の作業を行わなければならない。暗証番号を変えるたびに新暗証番号を覚えなおさなければならない。時間がかかるために端末の混雑時には行いづらい。使用者が自分で暗証番号を決めると、生年月日,ゾロ目,電話番号,過去に使用した番号等他者に予測されやすい番号にしてしまう可能性がある等セキュリティー上不具合である。等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため本願発明は、利用者の各種暗証番号情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に接続された通信装置と、前記記憶装置と通信装置を制御する制御装置によって構成され、制御装置は記憶装置に記憶された第1の暗証番号の有効期限を管理し、該有効期限に基づいて第1の暗証番号を変更し、通信装置は記憶装置に記憶された連絡先に第2の暗証番号を通知すること特徴とする。
【0005】
また、他の発明は、利用者の各種暗証番号情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に接続された通信装置と、前記記憶装置と通信装置を制御する制御装置によって構成され、制御装置は記憶装置に記憶された第1の暗証番号の有効期限を管理し、該有効期限に基づいて第1の暗証番号を変更し、通信装置は記憶装置に記憶された連絡先に第2の暗証番号をメールにて通知し、通知されたメールの返信により第2の暗証番号の変更を受け付ける。
【0006】
さらに、第2の暗証番号の変更は記憶装置に記憶されたNG番号との照合により、他者に予測されやすい番号への変更を未然に回避することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施例1による暗証番号の変更および通知システムによれば、利用者の手を煩わせることなく暗証番号の変更を行うことができる。また、新暗証番号がメールで通知されるため、利用者が新暗証番号を忘れる危険性が少ない。
【0008】
また、実施例2による暗証番号の変更および通知システムによれば、利用者はホストコンピュータからのメールに返信することにより、端末での作業を必要とすることなく容易に自分の希望する暗証番号に変更することができる。また、ホストコンピュータは利用者が希望した暗証番号とNG番号の照合を行うため、他者に推測されやすい番号が使用されることを未然にさけることができる。さらに、利用者が特に暗証番号を指定しなければ、実施例1と同様にセンタで自動的に番号の変更を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による暗証番号の変更および通知システムについて詳細に説明する。
<実施例1>
図1は実施例1の構成を示すブロック図である。図2は実施例1の暗証番号の変更および通知システムの動作フローを示す図である。
【0010】
図1において、10はホストコンピュータであり、事務センタ等に設置される。このホストコンピュータ10はホストコンピュータ制御部11、データ記憶部12から構成され、データ記憶部12は、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され、データを格納して記憶および記憶したデータを読み取ることができるものであり、登録される利用者ごとに、氏名121,連絡先(携帯アドレス等) 122,暗証番号変更サイクル123,暗証番号変更までの残り日数124,現暗証番号125,次期暗証番号126のデータ枠を持っている。取引装置20は取引装置制御部21と利用者操作入力部22を持ち、ホストコンピュータ10と専用通信回線25にて接続されている。
【0011】
利用者によって利用者操作入力部22から入力された暗証番号はホストコンピュータ10に送信されホストコンピュータ制御部11で、受信した暗証番号とデータ記憶部12の現暗証番号125を照合することで個人認証を行う。これにより各種取引に進むことができる。
【0012】
21は取引装置制御部であり、この取引装置制御部21は取引装置20全体の動作を記憶部(図示せず)に格納されたソフトウエアにて制御する。記憶部は、半導体メモリや磁気ディスク等で構成されデータを格納して記憶および記憶したデータを読み取ることができるものである。
【0013】
利用者操作入力部22は、ディスプレイ等の表示部上にタッチパネルを配置し利用者が入力操作を行うものであり、また、取引選択画面、利用者が選択した取引に対して利用者の入力操作等の誘導を行う画面および入力された情報等を表示するものである。
30は通信装置でありホストコンピュータ制御部11によって制御され、公衆通信回線31によってメールにて登録された連絡先122に通知する機能を有する。なお、通信装置30はホストコンピュータ10に組み込まれていてもよい。
【0014】
上述した構成の作用について、図2の実施例1のフローチャートにしたがって説明する。なお、以下に説明する各部の動作はプログラム(ソフトウエア)に基づいて制御される。
【0015】
ST1:まず、利用者は店舗またはWeb等により、暗証番号定期変更の申込みを行う。申込みの際、利用者は最初の暗証番号と暗証番号変更サイクルの指定を行う。申込みを受け、ホストコンピュータ10は氏名121,連絡先122,暗証番号変更サイクル123,暗証番号変更までの残り日数124,現暗証番号125をセットする。
【0016】
ST2:ホストコンピュータ10は暗証番号変更までの残り日数124が規定日数以下になった時点で、
【0017】
ST3:ランダムに作成した番号を次期暗証番号126にセットする。
【0018】
ST4:利用者に対して図5に示すような次期暗証番号126のメール通知を行う。
【0019】
ST5:その後、暗証番号変更までの残り日数124が0になった時点で、
【0020】
ST6:次期暗証番号126のデータを現暗証番号にセットする。
【0021】
以上のように、実施例1によれば、利用者の手を煩わせることなく暗証番号の変更を行うことができる。
また、新暗証番号がメールで通知されるため、利用者が新暗証番号を忘れる危険性が少ない。
【0022】
<実施例2>
次に実施例2について説明する。なお、実施例1と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記実施例1と同じ動作および同じ効果についても、その説明を省略する。
【0023】
図3は実施例2の構成を示すブロック図である。図4は実施例2の暗証番号の変更および通知システムの動作フローを示す図である。
【0024】
図3において、50はホストコンピュータであり、事務センタ等に設置される。このホストコンピュータ50はホストコンピュータ制御部51、データ記憶部52から構成され、データ記憶部52は、半導体メモリや磁気ディスク等で構成され、データを格納して記憶および記憶したデータを読み取ることができるものであり、登録される利用者ごとに、氏名121,連絡先(携帯アドレス等) 122,暗証番号変更サイクル123,暗証番号変更までの残り日数124,現暗証番号125,次期暗証番号126,NG番号527,NG番号528,NG番号529・・・等のデータ枠を持っている。取引装置20は取引装置制御部21と利用者操作入力部22を持ち、ホストコンピュータ制御部51と専用通信回線25にて接続されている。
【0025】
利用者によって利用者操作入力部22から入力された暗証番号はホストコンピュータ50に送信されホストコンピュータ制御部51で、受信した暗証番号とデータ記憶部52の現暗証番号125を照合することで個人認証を行う。これにより各種取引に進むことができる。
【0026】
21は取引装置制御部であり、この取引装置制御部21は取引装置20全体の動作を記憶部(図示せず)に格納されたソフトウエアにて制御する。記憶部は、半導体メモリや磁気ディスク等で構成されデータを格納して記憶および記憶したデータを読み取ることができるものである。
【0027】
利用者操作入力部22は、ディスプレイ等の表示部上にタッチパネルを配置し利用者が入力操作を行うものであり、また、取引選択画面、利用者が選択した取引に対して利用者の入力操作等の誘導を行う画面および入力された情報等を表示するものである。
30は通信装置でありホストコンピュータ制御部51によって制御され、公衆通信回線31によってメールにて登録された連絡先122に通知する機能を有する。なお、通信装置30はホストコンピュータ10に組み込まれていてもよい。
【0028】
上述した構成の作用について、図4の実施例2のフローチャートにしたがって説明する。なお、以下に説明する各部の動作はプログラム(ソフトウエア)に基づいて制御される。
【0029】
ST101:まず、利用者は店舗またはWeb等により、暗証番号定期変更の申込みを行う。申込みの際、利用者は最初の暗証番号と暗証番号変更サイクルの指定を行う。申込みを受け、ホストコンピュータ10は氏名121,連絡先122,暗証番号変更サイクル123,暗証番号変更までの残り日数124,現暗証番号125をセットする。
また、生年月日,ゾロ目,電話番号,過去に使用した番号等、他者に推測されやすいと思われる番号についてもNG番号527,NG番号528,NG番号529・・・にセットする。
【0030】
ST102:ホストコンピュータ50は暗証番号変更までの残り日数124が規定日数以下になった時点で、
【0031】
ST103:利用者に対して図6に示すような次期暗証番号126のメール通知を行う。
【0032】
ST104:利用者が希望の暗証番号を返信してきた場合、
【0033】
ST105:ホストコンピュータ10はNG番号527,NG番号528,NG番号529・・・との照合を行う。
【0034】
ST106:NG番号527,NG番号528,NG番号529・・・と重複していればホストコンピュータ10は利用者に対して、図7に示すような希望番号使用不可の通知メールを送る。
【0035】
ST107:NG番号527,NG番号528,NG番号529・・・と重複していなければ、利用者の希望番号を次期暗証番号126にセットし、
【0036】
ST108:ホストコンピュータ50は利用者に対して、図5に示すような暗証番号変更通知のメールを送る。
【0037】
ST109:利用者が期日までに希望番号の返信をしない、もしくはNG番号527,NG番号528,NG番号529・・・と重複している等で有効な番号が指定されなかった場合、
【0038】
ST110:ランダムに作成した番号を次期暗証番号126にセットしST108に進む。
【0039】
ST111:その後、暗証番号変更までの残り日数124が0になった時点で、
【0040】
ST112:現暗証番号125の値をNG番号にセットして、
【0041】
ST113:今後同一の番号が使用されないようにし、次期暗証番号126のデータを現暗証番号にセットする。
【0042】
以上のように、実施例2によれば、利用者はホストコンピュータからのメールに返信することにより、取引装置等端末での作業を必要とすることなく容易に自分の希望する暗証番号に変更することができる。
また、ホストコンピュータは利用者が希望した新暗証番号とNG番号の照合を行うため、他者に推測されやすい番号が使用されることを未然に避けることができる。
さらに、利用者が特に番号を指定しなければ、実施例1と同様にホストコンピュータで自動的に番号の変更を行うことができる。
【0043】
実施例1,2では、自動取引装置等のホストコンピュータと端末が別々に存在するケースについて説明したが、入室管理システム等のようにホストコンピュータと端末が同一である装置についても適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1のブロック図
【図2】実施例1のフローチャート
【図3】実施例2のブロック図
【図4】実施例2のフローチャート
【図5】新暗証番号通知例文
【図6】新暗証番号受付通知例文
【図7】希望番号使用不可通知例文
【符号の説明】
【0045】
10,50 ホストコンピュータ
11,51 ホストコンピュータ制御部
12,52 データ記憶部
20 取引装置
21 取引装置制御部
22 利用者操作入力部
25 専用通信回線
30 通信装置
31 公衆通信回線
122 連絡先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の各種暗証番号情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に接続された通信装置と、前記記憶装置と通信装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は前記記憶装置に記憶された第1の暗証番号の有効期限を管理し、該有効期限に基づいて第1の暗証番号を変更し、前記通信装置は前記記憶装置に記憶された連絡先に第2の暗証番号を通知すること特徴とする暗証番号の変更および通知システム
【請求項2】
利用者の各種暗証番号情報を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に接続された通信装置と、前記記憶装置と通信装置を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は前記記憶装置に記憶された第1の暗証番号の有効期限を管理し、該有効期限に基づいて第1の暗証番号を変更し、前記通信装置は前記記憶装置に記憶された連絡先に第2の暗証番号をメールにて通知し、通知されたメールの返信により第2の暗証番号の変更を受け付けること特徴とする暗証番号の変更および通知システム
【請求項3】
請求項2の暗証番号の変更および通知システムにおいて、
前記第2の暗証番号の変更は前記記憶装置に記憶されたNG番号との照合により、他者に予測されやすい番号への変更を未然に回避することを特徴とする暗証番号の変更および通知システム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−102279(P2007−102279A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287554(P2005−287554)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】