説明

材料を液体ジェット/レーザ・ハイブリッドシステムによって切断する方法

液体ジェット/レーザ・ハイブリッド装置(10)を使用してチューブまたはシートから材料を除去してステントのような医療器具を形成することができる。液体−ジェット/レーザ流(16)を、チューブまたはシートの両端の間のチューブまたはシートの壁に衝突させて開口(32)をチューブまたはシートに形成し、その後導入部(30)及び全厚切断部(28)を形成することができる。全厚切断部(28)は、液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を最終切断経路(46)に沿って移動させる前に、導入部(30)を経由して形成する必要がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ステント、グラフト、ステント−グラフト、大静脈フィルタなどのような埋め込み可能な医療器具、及びデリバリーアセンブリは多くの医療処置及び状況において利用されるので、これらの器具の構造及び機能は良く知られている。
【背景技術】
【0002】
自己拡張式ステント、膨張拡張式ステント、およびハイブリッド型ステントは、種々のデザイン及び構成で利用することができる。例として、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3を挙げることができ、これらの文献は本明細書において参照することにより文献の内容は本発明の開示に援用される。
【0003】
ステントは通常、チューブ状であるが、多くの異なる構成で実用化され、金属及び樹脂を含む多くの材料から形成されている。ステンレス鋼のような普通の金属が、ニチノールなどのような形状記憶金属と同様に使用されてきた。ステントは生体吸収性樹脂複合材料により形成することもできる。ステントはワイヤ、平坦なシート、チューブ状材料などから形成することができる。
【0004】
ステントをシート及びチューブから形成する多くの方法が提案されている。一つのこのような方法では、レーザ切断によってシート材料にパターンを形成し、そのシートを巻いてチューブとするか、または所望のパターンをレーザ切断によって直接チューブに形成する。他の方法では、所望パターンを化学エッチングまたは放電加工による切断によってシートまたはチューブに形成する。
【0005】
レーザ切断を用いたステントについては、サンダース(Saunders)による特許文献4、リヒター(Richter)による特許文献5、リヒターによる特許文献6を含む多くの出版物に記載されており、これらの文献の開示を本明細書において参照することにより開示の内容は本発明の開示に援用される。レーザ切断を用いたステントについて記載した他の参考文献として、特許文献7、特許文献8、特許文献9、及び特許文献10を挙げることができ、これらの文献の開示を本明細書において参照することにより開示の内容は本発明の開示に援用される。
【0006】
通常のレーザ切断システムはレーザを使用してビームを生成する。このビームは必要に応じて光学ユニットを通して調整され、スポットビームに集光され、このスポットビームが、ステントとなる中空チューブに当てられる。中空チューブは回転モータ駆動装置及びリニアモーション駆動装置によって移動させることができる。
【0007】
ステント材を切断加工する従来のレーザの例として、高集光パルスNd:YAGレーザを挙げることができ、このレーザは約0.1〜20ミリ秒の範囲のパルス幅を有する。このパルス幅は、切断を行なうためには長いパルス時間であり、かつこのパルス幅によって非常に大きな溶融区域及び熱影響区域(heat affected zone:HAZ)が金属の上に特徴的に生じる。従来のレーザ切断プロセスは通常、切断チューブまたはシートの内側の縁に溶融残渣(melt dross)が形成される。この残渣は後続のプロセスで取り除く必要がある。
【0008】
水柱及びレーザを取り入れた切断及び処理システムが開発されている。スイスのローザンヌ所在のシノヴァ インコーポレイテッド(SYNOVA Inc.)は、光ファイバ
伝送と原理が類似するウォータジェットの内部に含まれるレーザビームを使用するレーザ−マイクロジェット装置を提供している。
【0009】
シノヴァのレーザマイクロジェット装置はレーザを収容する低圧の水柱を使用し、この水柱は冷却機構として機能するとともに、切断屑を除去する。
【特許文献1】米国特許第6,348,065号
【特許文献2】米国特許出願公開第2002−0055770−A1号
【特許文献3】米国特許第6,168,621号
【特許文献4】米国特許第5,780,807号
【特許文献5】米国特許第5,922,005号
【特許文献6】米国特許第5,906,759号
【特許文献7】米国特許第5,514,154号
【特許文献8】米国特許第5,759,192号
【特許文献9】米国特許第6,131,266号
【特許文献10】米国特許第6,197,048号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
シノヴァのシステムのような液体ジェット/レーザ・ハイブリッドシステムを使用してステント材を切断加工することによって新たな製造上の懸念が生じる。従来のレーザシステムを使用した場合に良好な最終製品が得られる手順は、通常、液体ジェット/レーザ・ハイブリッドシステムを使用する場合には適用することができない。従って、新規の手順を開発する必要がある。
【0011】
全ての米国特許及び出願、及び本出願のいずれかの箇所で触れる他の全ての公開文書は、本明細書において参照することによりこれらの文書の全容が本発明の開示に援用される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
権利請求される複数の実施形態の内の幾つかに関する要約を以下に示す。要約実施形態及び/又は更に別の実施形態についての更なる詳細は、以下の詳細な説明により知ることができる。
【0013】
本明細書における技術的開示の抄録も、37 C.F.R. 1.72に準拠するためにのみ提示される。抄録は請求項に示される技術範囲の解釈に使用するためのものではない。
【0014】
一実施形態では、本発明は材料を貫通する一つ以上の成形開口を設ける方法に関するものである。本方法は、内側部分を有する材料を準備する工程と、材料を液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流で切断する切断装置を提供する工程とを有する。材料を前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して第1速度で移動させながら、このハイブリッド流を材料の表面に衝突させることができる。ハイブリッド流が材料を完全に貫通すると、材料を前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して第2速度で移動させることができる。この場合、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流の少なくとも一部分が材料を完全に貫通し続けて所定形状の開口が材料に形成されるようにする。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、或る厚さのチューブ材料を含むチューブ材料の壁を貫通する一つ以上の成形開口を設ける方法、及び液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を供給する切断装置を含む。チューブを前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流がチューブの厚さを完全に貫通するまで移
動させることにより、切断時の導入部を形成することができる。その後、チューブを前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して移動させて所定の切断経路に沿った切断を行なうことができる。レーザのパルスレート及びパルスエネルギーを変更して必要な導入経路長を短縮することができる。
【0016】
これらの実施形態及び他の実施形態は、特定の形でここに添付する請求項に明確に示され、本明細書の一部分を構成する。しかしながら、本発明、本発明を使用することによって達成される本発明の利点及び目的を更に深く理解するためには、本明細書の別の部分を構成する図、及び実施形態を例示し、記載する添付の記載事項を参照する必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に詳細な記述を、特に図面を参照しながら行なう。
本発明は多くの異なる形態で具体化することができるが、本明細書では特定の実施形態について詳細に記載する。本記述は本発明の原理を例示するために為されるのであって本発明を例示の特定の実施形態に制限するために為されるのではない。
【0018】
本開示を行なうために、図における同様の参照番号は特に断らない限り同様の要素を指すものとする。
ステントを垂直方向に切断するプロセスを開示する米国特許出願番号10/190975、及びチューブ切断プロセス及びシステムを開示する米国特許出願番号10/190424は、本明細書において参照することによりこれら文献の内容が本発明の開示に援用される。
【0019】
液体ジェット/レーザ・ハイブリッドシステムを使用してチューブ材料または平坦なシート材料またはウェブ状材料から材料を切断する、または取り取ることができる。液体ジェット/レーザ・ハイブリッドシステムは、液体流と、低圧流と、レーザビームとを含む。レーザビームは液体流内に取り込まれ得る。液体流及びレーザの双方を含むハイブリッド流が表面に衝突すると、レーザによって融解された材料が液体流によって運び去られ得る。従って、残渣や再付着する材料を最小限に抑えることができる。更に、液体流が表面を直接冷却することができることにより、熱影響区域(heat affected zone:HAZ)を低減する。
【0020】
液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流が、切断が材料の端部から始まる場合に材料の切断に効果的であることが分かっているが、液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流が端部ではない位置から始まる場合の切断に効果的であることは判明していない。開始経路が端部に沿って位置しない状態で材料を切断するためには、導入経路(lead−in path)が必要になることが分かっている。導入部は、一貫した材料の全厚にわたる切断を完了する前に通過する必要のある所定の移動長を有することができる。導入経路は最終的に不要となる領域を通過して形成される。多くの場合、導入部の長さを最小化することが望ましい。
【0021】
図1は液体ジェット/レーザ・ハイブリッドシステム10が、液柱14の内部に取り込まれたレーザ12、すなわち液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流16を使用して、原材料20を切断する様子を示している。切断部28は通常、材料20の全厚にわたって貫通させることにより得られる。切断部28の幅は通常、液柱14の直径と同じ寸法である。
【0022】
材料20をハイブリッド流16に向けて移動させて、ハイブリッド流16がまず材料の端部22に係合するようにすると、通常、全厚切断が行なわれる。しかしながら、ハイブリッド流16が、端部以外の内側部分のような位置の材料20の壁部分に衝突する場合に
は、適正な幅の全厚切断が行われ得る前に、一定の導入部の距離を通過する必要がある場合がある。従って、材料20の壁に開口を形成する場合、導入経路が必要になる。
【0023】
図2〜図4は、切断部28及び導入部30を有する材料20を示している。ハイブリッド流16がまず材料20の壁面に衝突すると、ハイブリッド流によって最初の貫通部、すなわち開口32が形成される。開口32は材料20の全厚を貫通し、通常、ハイブリッド流16の液柱14の直径よりもわずかに大きい直径を有する。
【0024】
開口32を切断により形成した後、材料が非常に薄くない限り、材料20がハイブリッド流16に対して移動させた直後においては、ハイブリッド流16は通常、材料20の全厚にわたって貫通することはないであろう。よって、材料20の一部分のみを貫通する一定長の導入部30の経路が延在する。導入部30の切断幅は通常、ハイブリッド流16の水柱14の幅よりもわずかに大きい。山および谷を有する鋸刃状の表面34が導入部30の経路に沿って形成されるが、材料20の厚さ方向における導入部30の深さは通常、通過する距離が長くなるにつれて大きくなる。
【0025】
図3は、図2の開口部、導入部、及び全厚切断部の平面図を示している。
図4は、材料20から成るチューブに形成される開口32、導入部30、及び全厚切断部28の断面図を示している。導入部30及び鋸刃状表面34の徐々に大きくなる深さが図4の断面図に最も明瞭に示される。導入部30が材料20の全厚を貫通するようにして形成されると、全厚切断部28が得られ、材料20がハイブリッド流16に対して移動し続ける限り全厚切断部を形成し続けることができる。移動が停止された場合には、全厚切断部28が再度得られる前に、通常、更に別の導入部30が必要になる。
【0026】
図5はステントの外形パターン40を示し、このパターンを使用してステントを1片の材料20から作製することができる。パターン40は原材料20から除去される材料42を画定する輪郭を形成する。除去されるべき材料42は原材料20から切り取られて複数のセル41を形成することができる。従って、複数のセル41を有するほぼ円筒形のフレームを有するステントを形成することができる。これらのセル41の境界は通常、パターン40に従って残存する材料20によって形成されが、ステントの端部領域に形成される複数のセル41は、通常、その境界全体が材料20によって形成される訳ではない。除去された材料42は通常、不要な材料となり、廃棄される。除去されるべき材料42は更に、除去されるであろう材料区域42として表わすこともできる。材料区域42は、材料20の端部22に当接する端部区域42aを有することができる。材料区域42はまた、内側区域42bを有することができ、最終的なセル41は材料の内側部分42bを切り取ることにより形成する必要がある。
【0027】
材料の部分42を端部区域42aから除去する場合、切断部28は材料20の端部22から開始することができ、切断部28の全体は最終切断経路46に沿って形成され得る。しかしながら、以下に記載する手順を用いて、導入部30を使用して、切断部28を端部区域42aの内側領域から開始することにより、材料を端部区域42aから除去することもできる。
【0028】
材料を内側区域42bから除去する場合、通常、導入部30を使用する必要がある。導入経路44は内側区域42b、すなわち最終的に不要な領域に位置する。導入経路44は出来る限り短くする必要があり、かつ全厚切断部28が形成され次第、最終切断経路46が延在し得るように配置する必要がある。ハイブリッド流16は材料20の壁表面に衝突して開口32を形成することができる。開口32を形成している間、材料20の全厚を貫通するためには初期には停留していることが有効である。初期の停留はモーション制御システムにプログラムすることができ、初期停留の間は、材料20がハイブリッド流16に
対して移動しない状態が維持される。初期停留によって通常、開口32は液柱14の直径よりもわずかに大きい直径を有するようになる。初期停留の時間は50〜500ミリ秒の範囲である。開口32が形成されたならば、良好な導入部30及び切断部28を確保するために、直ちに材料20をハイブリッド流16に対して移動させなければならない。全厚切断部28が形成されると、ハイブリッド流16を最終切断経路46に沿って進めることができる。
【0029】
セル41は、区域材料42を2つ以上の切断を使用して除去することにより形成することもできる。従って、或る区域材料42は第1切断によって除去され、別のまたは残りの区域材料42は一つ以上の後続の切断によって除去され得る。区域42の部分の除去は、原材料20が切断中に構造完全性のほとんどを維持することができるように行うことが望ましい。例えば、ステントをチューブ材料20から切断により作製する場合、まずチューブの全外周の周りの各区域42の部分48を切断し、次に区域42の残りの部分を除去することが望ましい。
【0030】
区域42の部分48は導入経路44を使用し、かつ導入部30の長さだけ通過した後に最終切断経路46の一部分に沿って切断することにより除去することができる。場合によっては、導出経路50が望ましい。導出部は、最終切断経路46から離れて区域42の内部に入り込むように全厚切断部28の継続することにより形成される。導出経路50は導入経路44と結合して、材料20の部分48を区域42から完全に除去し得る。次に、隣接区域42の部分48を除去することができる。
【0031】
各区域42は複数の部分48に必要に応じて分割することができる。内部区域42の部分48が除去される場合、区域42は開口または部分セル38、及び内側端部部分36を有して残る。後の段階で、残りの材料20を、開口38を有する区域42から除去する場合、ハイブリッド流16は切断部28を内側端部部分36において開始することができる。切断部28は、導入部30が必要ではないので、最終切断経路46に沿って行なうことができる。
【0032】
導入部30に必要な長さは使用する材料20、及び材料20の厚さによって変えることができる。一般的に、材料片20が薄くなると、同じ材料20の厚片よりも導入部30が短くて済む。
【0033】
ハイブリッド流16を使用して医療器具を形成するためには、任意の適切な材料20を使用することができる。例えば、ステントはポリマー材料、金属、セラミック、及び複合材料により形成することができる。適切なポリマー材料として、サーモトロピック液晶ポリマー(thermotropic liquid crystal polymers:LCPs)を挙げることができる。ステントを金属により形成する場合、金属はステンレス鋼、エルジロイ(elgiloy)のようなコバルトクロム合金、タンタル、ジルコニウム(Zr)またはニオビウム(Nb)、或いは他の可塑変形可能な金属とすることができる。他の適切な金属として、「ニチノール(Nitinol)」として一般的に知られるニッケル−チタン合金のような形状記憶金属、白金/タングステン合金、及びチタン合金を挙げることができる。
【0034】
ニチノール片の切断には通常、同様の厚さのステンレス鋼片を切断する場合よりも長い導入部30が必要となる。例えば、約0.009インチ〜約0.012インチの範囲の厚さを有するニチノールを切断する場合、少なくとも0.035インチの長さの導入経路44を設けて、最終切断経路46に達する前に全厚切断部28を確保することができるようにすることが通常望ましい。
【0035】
ハイブリッド流16の液柱14の直径を変更することによって導入部30に影響を与えることができる。使用するレーザ12を支持する、できる限り小さい直径の液注14を使用することが望ましい。液注14の直径の例としては、例えば60ミクロン、50ミクロン、及び40ミクロンを挙げることができる。液注14の流量は、概して直径に従って変化する。
【0036】
ハイブリッド流16に対する材料12の移動速度を変更することによって導入部30に影響を与えることができる。初期の穿孔、及び導入部30形成の間は、移動速度が小さいことが望ましく、その後は速度を大きくすることができる。初期停留は初期の穿孔の間に使用することもできる。例えば、ハイブリッド流16を材料表面20に衝突させる場合、50〜500ミリ秒の初期停留が生じ得る。その後、導入部30形成の間に、材料20をハイブリッド流16に対して0.05インチ/秒の速度で移動させることができる。全厚にわたって貫通したならば、所望の切断速度を使用することができる。所望の切断速度は1〜2インチ/秒とすることができる、または使用する特定のモーション制御システムによって変わる形でこの速度よりも大きくすることができる。
【0037】
レーザ12のパルスレート及びパルスパワーを変更することによって導入部30に影響を与えることができる。導入部30形成の間には、導入部30の長さを短くするために、高いピークエネルギーを有するパルスを低い周波数で繰り返すことが望ましい。例えば、Qスイッチレーザを使用する場合、パルス繰り返し速度は導入部形成の間は11〜14KHzとすることができる。その後、パルス繰り返し速度を12〜15KHzに上げることができる。より低いピークエネルギーを有する、より高速のパルス繰り返し速度によって、よりきれいな最終切断部28を生成することができる。
【0038】
導入経路44の形状は直線であり得るが、必要に応じて曲線とすることもできる。図5は曲線導入経路の2つの実施形態、すなわち弓形導入経路52及び渦巻き形導入経路54を示している。曲線導入部30に関しては、直線導入部30よりも同じ材料を長い距離に渡って通過する必要がある。
【0039】
上記の開示は例示であり、全てを網羅するものではない。本記述は多くの変更及び代替をこの技術分野の当業者に示唆する。全てのこれらの代替及び変更は、請求項に示す技術範囲に含まれるものであり、これらの請求項においては、「comprising(備える・有する)」という用語は「including, but not limited
to(それを含むがそれに限定されない)」ことを意味する。この技術分野では良く知られたこれらの表現は、他の均等物が本明細書に記載する特定の実施形態に在り得ることを示すものであり、これらの均等物も請求項に包含されるべきものである。
【0040】
更に、従属請求項に提示される複数の特定の特徴は互いに本発明の技術範囲の中で他の方法で組み合わせることができるので、本発明は従属請求項に示される複数の特徴の他のいずれかの可能な組み合わせを有する他の実施形態にも特に関連するものとして捉えることができる。例えば、請求項を公開するために、次に示すいずれの従属請求項も、全ての先行する請求項に基づいて複数の従属形式で別の構成で記述され得るものとして捉えられるべきであり、これらの先行する請求項は、このような複数の従属請求項を使用する形式が管轄区域内で許可される形式である場合に、このような従属請求項において参照される全ての先行事項を含む(例えば、請求項1に直接従属する各請求項は別の構成として、全ての前の請求項に従属するものとして捉えられるべきである)。複数の従属請求項を使用する形式を禁止する管轄区域では、後続の従属請求項は各々が、単一の上位請求項に属する従属請求項の形式で別の構成で記述され得るものとしても捉えられるべきであり、この形式によって、以下に示すこのような従属請求項に列挙される特定請求項以外の、前の先行事項を包含する請求項に対する従属関係を形成することができる。
【0041】
以上により、好適な、かつ別の実施形態についての記述を終了する。この技術分野の当業者であれば、本明細書に記載する特定の実施形態には他の均等物が存在し得るものであり、これらの均等物は本明細書に添付する請求項に含まれるべきものであることが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流で材料を切断する様子を示す斜視図。
【図2】導入部を使用して液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流で材料内部領域を切断する様子を示す斜視図。
【図3】導入切断部の平面図。
【図4】導入切断部の断面図。
【図5】ステントの切断パターン、導入経路、及び最終切断経路を示す材料の平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を貫通する一つ以上の成形開口を設ける方法であって、
1)少なくとも一つの端部部分及び内側部分を有する材料を準備する工程と、
2)液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を提供する、前記材料を切断するための切断装置を提供する工程と、
3)前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流が材料を完全に貫通するまで、前記材料を前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して第1速度で移動させながら、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を材料の内側部分に衝突させる工程と、
4)その後、前記材料を前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して第2速度で移動させながら、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を材料に衝突させる工程であって、前記材料に所定形状の開口を形成するように、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流の少なくとも一部分が材料を完全に貫通し続けさせる工程とを有する、方法。
【請求項2】
2a)前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を材料の内側部分に衝突させて初期停留の間に開口を形成する工程と、
2b)その後、前記材料を前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して第1速度にまで加速する工程とをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
初期停留の時間は50〜500ミリ秒の範囲である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
第1速度は第2速度よりも小さい、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記液体は水である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
工程3)及び工程4)を1回以上繰り返して、切断によって所定形状の複数の開口を材料に形成する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
工程3)及び4)を繰り返す間に、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対する材料の位置を変更する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
材料はステント用材料である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
材料はカテーテル前駆材料である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
材料は平板材料である、請求項7記載の方法。
【請求項11】
材料はチューブである、請求項7記載の方法。
【請求項12】
材料はカテーテルチューブ前駆材料である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
チューブは金属である、請求項11記載の方法。
【請求項14】
チューブはステント前駆材料である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
材料に複数の開口を設けてステントを形成する、請求項1記載の方法。
【請求項16】
切断装置を固定したままの状態で、前記材料を移動させる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
チューブ状材料を切断することによって製品を形成する方法であって、
チューブ状材料を準備する工程であって、該チューブは第1端と、第2端と、第1端と第2端との間に配置される壁と、該チューブを貫通して延びる内腔とを有する、工程と、
液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を提供する、前記チューブを切断するための切断装置を提供する工程と、
前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流をチューブに対して第1端と第2端との間の位置において衝突させる工程と、
前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流の一部分がチューブの壁を完全に貫通して、内腔内に延びるまで、前記チューブを前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して移動させることにより、切断導入部を形成する工程と、
その後、前記チューブを前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して移動させて、所定の切断経路に沿って切断部を形成する工程とを有する、方法。
【請求項18】
チューブを前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流に対して一定速度で移動させる、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記切断導入部は不要領域に形成される、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記レーザは一定の繰り返し速度を有するパルスレーザである、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記切断導入部の形成の間は、前記レーザを第1繰り返し速度で動作させる、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記切断導入部を形成した後には、前記レーザを第2繰り返し速度で動作させる、請求項21記載の方法。
【請求項23】
チューブの壁を貫通する一つ以上の成形開口を設ける方法であって、
1)チューブを準備する工程であって、該チューブはチューブの一端からチューブの他端に延びる開口の周囲に配置される壁を有する、工程と、
2)液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を提供する、前記チューブを切断するための切断装置を提供する工程と、
3)チューブの第1端と第2端との間の位置において、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流の一部分がチューブの壁を完全に貫通するまで、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を導入経路に沿ってチューブの壁に衝突させる工程と、
4)その後、前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流を最終切断経路に沿って移動させながら、チューブの壁を前記液体ジェット/レーザ・ハイブリッド流の少なくとも一部分によって完全に貫通させ続ける工程とを有する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−521966(P2007−521966A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551470(P2006−551470)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/002583
【国際公開番号】WO2005/072905
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】