説明

板状物品搬送用トレイ

【課題】薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板の中央部における大きな撓みを確実に防止してガラス板を支承し、移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良く、またトレイ自体の薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれ、構造簡単であり、製作および組付けが容易な板状物品搬送用トレイを提供する。
【解決手段】ガラス板1、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品Gを移送、運搬し、積み重ね可能に設けられるトレイTが、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠2と、複数本の線条部材3と、フレーム枠に線条部材の両端を固定してフレーム枠の内域に線条部材を張設する固定手段と、により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状物品搬送用トレイに関し、ガラス板、例えば液晶表示装置の表示パネルを形成するために使用されるディスプレイ用ガラス基板等の正方形状または長方形状の基板、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の被搬送物品を移送、運搬し、積み重ね可能に使用するものであり、フレーム枠の内域に張設する線条部材の張力を利用して被搬送物品を撓みに対応して支持し、フレーム枠の背面を開放している。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置の表示パネルは、通常、相互に対向して配置される一対のディスプレイ用ガラス基板の間に液晶を封入することにより形成されている。このような表示パネルを工場にて製造する場合には、ディスプレイ用のガラス基板が、表示パネルの製造工場に輸送される。ガラス基板は、液晶表示装置の表示パネルに限らず、各種表示装置の表示パネルの製造にも使用されている。
【0003】
また、表示パネルとするために、ガラス基板の表面に電極等が形成られた状態の表示パネルの半製品がある。
【0004】
近時、各種の表示パネルには、厚さが0.7mm以下のガラス基板が使用されるようになっている。また、表示パネルの大型化にともなって、製造工場に搬入されるガラス基板も大型化しており、一辺が1.3m以上の長方形状のガラス基板も工場に搬入されるようになっている。
【0005】
このような大きな面積で薄いガラス基板は撓み易いために、その輸送には、従来、例えばガラス基板収納ボックス内に、複数枚のガラス基板を垂直な状態であって相互に適当な間隔をあけた状態で収納する方法があるが、輸送時に各ガラス基板が撓んで隣接するガラス基板同士が接触して破損するおそれがある。このために、ガラス基板収納ボックス内には、収納される各ガラス基板が撓むことにより相互に接触しないような間隔をあけて配置する必要がある。
【0006】
例えば、厚さが0.7mm、一辺の長さが1.3m以上のガラス基板は、その側縁部を20〜30mmの幅寸法で垂直に支持すると、ガラス基板の中央部における撓みは90mm以上になる。このために、ガラス基板収納ボックス内では、ガラス基板同士を、水平方向に少なくとも100mm以上の間隔をあけて保持する必要がある。
【0007】
また、ガラス基板収納ボックスからガラス基板を取り出す場合には、通常、一対の平板状の吸着パッドを有するガラス基板吸着ハンドが使用される。このようなガラス基板吸着ハンドを使用する場合には、各吸着パッドを隣接するガラス基板の間に挿入する必要があり、そのためのスペースも必要になる。平板状の各吸着パッドは、通常、その厚さが20mm程度になっている。従って、隣接するガラス基板の間には、各ガラス基板が撓んでも相互に接触しないような間隔と、さらには、吸着パッドが挿入されるための20mm程度の間隔を設ける必要がある。
【0008】
上記ガラス基板収納ボックス内に収納される複数枚のガラス基板は、適当な間隔をあける必要があるために、所定の大きさのガラス基板収納ボックス内に収納することができるガラス基板の収納枚数は減少する。その結果、移送、保管に際して、ガラス基板収納ボックスが占有するスペースに対するガラス基板の枚数が低下し、スペース効率は低くなるという問題があった。
【0009】
さらに、一辺の長さが1.3m以上の大きな面積のガラス基板は、1枚当たりの重量が5kg程度と重く、ガラス基板収納ボックス内に収納されるガラス基板が、20枚以上になると、作業員1人の人力により運搬、移送することが出来ないという問題がある。
【0010】
このように、上記ガラス基板収納ボックスが有する問題を解決するために、従来、例えば1枚のガラス基板を収納する基板用トレイカセットが提案されている。この基板用トレイカセットは、前後左右に配置される周枠と、この周枠間に架設される桟とにより格子状の基本構造を形成し、周枠のうちの左周枠と、右周枠と、後方周枠とによりトレイを積み重ね可能にする入り組み係合構造の主枠を形成し、前記周枠のうちの前方周枠と、前記桟とにより副枠を構成する。また、前記主枠には、その上面より低い位置に、主枠内側面または主枠底面から張り出す張出部材を設ける。そして、主枠に付設された張出部材および副枠上には、基板を下方から支承するための樹脂ピンを下方より上方へ向かって突設している。さらに、格子状のトレイの底部に底板を設けることもできるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−287382公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の基板用トレイカセットは、トレイカセット内部に収納されるガラス基板が、格子状のトレイカセットの主枠に付設された張出部材および副枠上に、突設した多数の樹脂ピンにより下方から散在的に点支持により支承されるものなので、薄くて大きい面積であり、しかも重量が大きなガラス基板の中央部における大きな撓みを防止してガラス基板を支承するのには不十分であった。
【0012】
また、前記樹脂ピン上に支承されているガラス基板は、樹脂ピン上において滑動し易く、周枠の内面に衝突する等して破損され易いものであった。
【0013】
そして、ガラス基板は、中央部に大きな応力が集中することにより、移送時または保管時に破損やかけを生じたり、亀裂が生ずることがあった。また、ガラス基板が基板用トレイカセットの桟や底板に接触することにより傷が付く等の不都合を生じ易く、歩留まりが悪いものであった。
【0014】
しかも、特許文献1に記載の上記従来の基板用トレイカセットは、前後左右に配置される周枠と、この周枠間に架設される桟とにより格子状の基本構造を形成し、周枠のうちの左周枠と、右周枠と、後方周枠とにより主枠を形成し、前記周枠のうちの前方周枠と、前記桟とにより副枠を構成し、下面は底板により塞がれるので、格子状のトレイカセットの主枠に付設された張出部材および副枠上に、突設した樹脂ピンによりガラス基板を支承する構造なので、トレイカセットは、ガラス基板を支承する樹脂ピンの高さと、ガラス基板の厚みと、ガラス基板の中央部における大きな撓みに対応するクリアランスと、底板の厚さとが、合算された寸法がトレイカセットの高さに相当する。従って、トレイカセットの周枠の高さが大きくなり、トレイカセット自体は大型化が余儀なしとされるものであり、重量も大きくなるものであった。
【0015】
本発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであり、薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板の中央部における大きな撓みを確実に防止してガラス板を支承し、移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良く、またトレイ自体の薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれ、構造簡単であり、製作および組付けが容易な板状物品搬送用トレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の請求項1に記載の発明は、ガラス板、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の物品を載置するトレイにおいて、
前記トレイが、被搬送物品の周囲を囲む平面視長方形または平面視正方形のフレーム枠と、複数本の線条部材と、前記フレーム枠に前記線条部材の両端を固定して前記フレーム枠の内域に前記線条部材を張設する固定手段と、により構成されている
ことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記フレーム枠には、合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材が、該フレーム枠の内縁に固着手段を介して取付けられていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記緩衝部材には、前記フレーム枠の四辺の中間域に適宜間隔をあけて取付けられている複数個の第1緩衝部材、または、前記フレーム枠の隣接する二辺が直角に交わる前記フレーム枠の隅角部に取付けられる第2緩衝部材の何れかが設けられるか、或いは、前記フレーム枠の四辺の中間域に適宜間隔をあけて取付けられている複数個の第1緩衝部材、および、前記フレーム枠の隣接する二辺が直角に交わる前記フレーム枠の隅角部に取付けられる第2緩衝部材、が設けられていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項において、前記固着手段が、前記フレーム枠の内周の上方に突設される上部挟着片と、前記フレーム枠の内周の下方に突設される下部挟着片と、により前記緩衝部材の外周側の上面および下面は挟持可能に設けられ、前記上部挟着片が、前記フレーム枠の上面に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持する第1段差部を介してフレーム枠の前記上面よりも低位置に突設され、そして、前記下部挟着片が、前記フレーム枠の下面に対し第2段差部を介して前記下面より低位置に突設されることにより形成されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項において、前記固着手段が、前記フレーム枠の内周に突設されている支持片と、前記フレーム枠に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持可能に前記フレーム枠の上面より低位の第1段差部を介して前記支持片が外周面に嵌入される緩衝部材と、により構成され、そして、前記緩衝部材の下面が第2段差部を介して前記フレーム枠の下面より低位置に設けられていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の何れか1項において、前記第1緩衝部材が、上面内域に設けられた前記被搬送物品の載置部と、下面内域に先端に向かって勾配が減少して設けられた押圧斜面部と、により構成されて、前記被搬送物品の上面および下面が前記載置部と前記押圧斜面部とにより挟持可能に設けられていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項において、前記線条部材が、前記フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に、或いは縦状および横状に張設されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項において、前記線条部材が、前記フレーム枠の隅角部において隣接して直交する二辺に両端部が固定されることにより張設されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか1項において、前記線条部材が、前記フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に張設されるか、或いは縦状および横状に張設され、かつ、前記線条部材が、前記フレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか1項において、前記フレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されている前記線条部材が、前記第1緩衝部材の下面に設けられていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1〜9の何れか1項において、前記線条部材が、金属により形成されるワイヤーまたはピアノ線の何れかにより形成されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか1項において、前記線条部材が、合成樹脂繊維を編成したロープ、またはゴム紐の何れかにより形成されていることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか1項において、前記固定手段が、前記線条部材の端部にかしめ固定可能に基端側に設けられる筒状部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられる止環と、により環状止着部材として構成され、そして、前記筒状部が前記線条部材の端部にかしめられ、固定されて前記環状止着部材が少なくとも前記線条部材の一端側に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項14に記載の発明は、請求項1〜12の何れか1項において、前記固定手段が、基端側に設けられた先窄部と、先端側に前記フレーム枠に立設したピン体に係着可能に設けられた掛止環と、によりスプリング材として構成され、そして、前記先窄部が前記線条部材の端部にかしめ固定された止リングに係止されて前記スプリング材が少なくとも前記線条部材の一端側に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の請求項15に記載の発明は、請求項1〜12の何れか1項において、前記固定手段が、前記線条部材の端部にかしめ固定可能に基端側に設けられる筒状部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられる止環と、により環状止着部材として構成され、そして、前記筒状部が前記線条部材の端部にかしめられ、固定されて前記環状止着部材が前記線条部材の両端に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の請求項16に記載の発明は、請求項1〜12の何れか1項において、基端側に設けられた先窄部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられた掛止環と、によりスプリング材として構成され、そして、前記先窄部が前記線条部材の端部にかしめ固定された止リングに係止されて前記スプリング材が前記線条部材の両端に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ガラス板、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の物品を載置するトレイにおいて、前記トレイが、被搬送物品の周囲を囲む平面視長方形または平面視正方形のフレーム枠と、複数本の線条部材と、前記フレーム枠に前記線条部材の両端を固定して前記フレーム枠の内域に前記線条部材を張設する固定手段と、により構成されているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、フレーム枠域に両端を固定している複数本の線条部材の上面に載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は張力により同等量変形してフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みを確実に防止し、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠に両端が固定された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0033】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、前記フレーム枠には、合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材が、該フレーム枠の内縁に固着手段を介して取付けられているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きいガラス板は、緩衝部材の上面に載置されることにより、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。
【0034】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、前記緩衝部材には、前記フレーム枠の四辺の中間域に適宜間隔をあけて取付けられている複数個の第1緩衝部材、または、前記フレーム枠の隣接する二辺が直角に交わる前記フレーム枠の隅角部に取付けられる第2緩衝部材、の何れかが設けられるか、或いは、前記フレーム枠の四辺の中間域に適宜間隔をあけて取付けられている複数個の第1緩衝部材、および、前記フレーム枠の隣接する二辺が直角に交わる前記フレーム枠の隅角部に取付けられる第2緩衝部材、が設けられているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、その外縁部が第1緩衝部材または第2緩衝部材、或いは第1緩衝部材および第2緩衝部材により弾力的に支持され、それ以外の下面はフレーム枠に両端を固定している複数本の線条部材の上面に載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、張力により同等量変形してフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みを確実に防止し、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内縁に固着手段を介して取付けられる第1緩衝部材および第2緩衝部材と、前記フレーム枠に両端が固定されている複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0035】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、前記固着手段が、前記フレーム枠の内周の上方に突設される上部挟着片と、前記フレーム枠の内周の下方に突設される下部挟着片と、により前記緩衝部材の外周側の上面および下面は挟持可能に設けられ、前記上部挟着片が、前記フレーム枠の上面に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持する第1段差部を介してフレーム枠の前記上面よりも低位置に突設され、そして、前記下部挟着片が、前記フレーム枠の下面に対し第2段差部を介して前記下面より低位置に突設されることにより形成されているので、上部挟着片と下部挟着片とにより緩衝部材の外周側の上面および下面は上下から挟持されてフレーム枠の内縁に緩衝部材を取付けることができる。そして、前記上部挟着片が、前記フレーム枠の上面に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持する第1段差部を介してフレーム枠の前記上面よりも低位置に突設され、前記下部挟着片が、前記フレーム枠の下面に対し第2段差部を介して前記下面より低位置に突設されるので、トレイを積み重ねた場合に、上部に積み重ねられるトレイの下底部は第1段差部に支持され、ガラス板はフレーム枠の上面よりも第1段差部を介して低位置に取付けられている緩衝部材の載置部に充分なクリアランスをもって支持され、しかも、ガラス板の自重や振動による変形が生じたり、中央部における撓みを生じた場合に、線条部材は、ガラス板の変形や撓みに対応して張力により同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、ガラス板は安定して支持される。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内縁に上部挟着片と下部挟着片とにより取付けられる緩衝部材と、前記フレーム枠に両端が固定された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0036】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、前記固着手段が、前記フレーム枠の内周に突設されている支持片と、前記フレーム枠に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持可能に前記フレーム枠の上面より低位の第1段差部を介して前記支持片が外周面に嵌入される緩衝部材と、により構成され、そして、前記緩衝部材の下面が第2段差部を介して前記フレーム枠の下面より低位置に設けられているので、トレイを積み重ねた場合に、上部に積み重ねられるトレイの下底部は第1段差部に支持され、ガラス板はフレーム枠の上面よりも第1段差部を介して低位置に取付けられている緩衝部材の載置部に充分なクリアランスをもって支持される。しかも、ガラス板の自重や振動による変形が生じたり、中央部における撓みを生じた場合に、線条部材は、ガラス板の変形や撓みに対応して張力により同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、ガラス板を支持し、ガラス板は安定して支持される。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内縁に上部挟着片と下部挟着片とにより取付けられる緩衝部材と、前記フレーム枠に両端が固定された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0037】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項3〜5の何れか1の請求項において、前記第1緩衝部材が、上面内域に設けられた前記被搬送物品の載置部と、下面内域に先端に向かって勾配が減少して設けられた押圧斜面部と、により構成されて、前記被搬送物品の上面および下面が前記載置部と前記押圧斜面部とにより挟持可能に設けられているので、トレイを積み重ねた場合に、上段のトレイの下面に設けられたフレーム枠の内域に向かって勾配が減少する押圧斜面部と第1緩衝部材の載置部とが搬送物品の上面および下面を確実に挟持し、ガラス板が不用意に振動したり、不用意に移動するのを阻止するため、撓みが大きなガラス板の中央部における干渉を確実に防止することができる。
【0038】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、前記線条部材が、前記フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に、或いは縦状および横状に張設されているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に、或いは縦状および横状に張設された複数本の線条部材の上面に載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、張力により、同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みは確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板が破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠に両端が固定された線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0039】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、前記線条部材が、前記フレーム枠の隅角部において隣接して直交する二辺に両端部が固定されるので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、フレーム枠の隅角部において隣接して直交する二辺に両端部が固定されて張設された線条部材の上面に外縁の四隅が載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、張力により、同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みを確実に防止し、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板が破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の隅角部において隣接して直交する二辺に両端部が固定されている線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0040】
また、本発明の請求項9によれば、前記線条部材が、前記フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に張設されるか、或いは縦状および横状に張設され、かつ、前記線条部材が、前記フレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されているので、
薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に、或いは縦状および横状に張設されるのと、フレーム枠の隅角部において隣接して直交する二辺に両端部が固定されて張設された複数本の線条部材の上面に載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は張力により同等量変形してフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みは確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板が破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0041】
また、本発明の請求項10に記載の発明によれば、前記フレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されている前記線条部材が、前記第1緩衝部材の下面に設けられているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きいガラス板は、前記フレーム枠の四隅では、第1緩衝部材により支持され、前記フレーム枠の内域では、前記第1緩衝部材の下面に設けられてフレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されている線条部材に支持されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は張力により、同等量変形してフレーム枠の内域にガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みは確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0042】
また、本発明の請求項11に記載の発明によれば、前記線条部材が、金属により形成されるワイヤーまたはピアノ線の何れかにより形成されているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材の上面に載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は張力により、同等量変形してフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みは確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0043】
また、本発明の請求項12に記載の発明によれば、前記線条部材が、合成樹脂繊維を編成したロープ、またはゴム紐の何れかにより形成されているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板は、フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材の上面に載置されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は張力により、同等量変形してフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、中央部における撓みは確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0044】
また、本発明の請求項13に記載の発明によれば、前記固定手段が、前記線条部材の端部にかしめ固定可能に基端側に設けられる筒状部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられる止環と、により環状止着部材として構成され、そして、前記筒状部が前記線条部材の端部にかしめられ、固定されて前記環状止着部材が少なくとも前記線条部材の一端側に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されるので、フレーム枠に複数本の線条部材を簡単な取扱いによりかつ確実に固定することができ、この線条部材に薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板が支持されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、常時、一定の張力により同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生じないように中央部における撓みを確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された金属、合成樹脂、またはゴムにより形成されている複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0045】
また、本発明の請求項14に記載の発明によれば、前記固定手段が、基端側に設けられた先窄部と、先端側に前記フレーム枠に立設したピン体に係着可能に設けられた掛止環と、によりスプリング材として構成され、そして、前記先窄部が前記線条部材の端部にかしめ固定された止リングに係止されて前記スプリング材が少なくとも前記線条部材の一端側に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されるので、フレーム枠に複数本の線条部材を簡単な取扱いによりかつ確実に固定することができ、この線条部材に薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板が支持されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、前記スプリング材にて、常時、一定の張力により同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生じないように中央部における撓みを確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0046】
また、本発明の請求項15に記載の発明によれば、前記固定手段が、前記線条部材の端部にかしめ固定可能に基端側に設けられる筒状部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられる止環と、により環状止着部材として構成され、そして、前記筒状部が前記線条部材の端部にかしめられ、固定されて前記環状止着部材が前記線条部材の両端に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されるので、フレーム枠に複数本の線条部材を簡単な取扱いによりかつ確実に固定することができ、この線条部材に薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板が支持されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、常時、一定の張力により同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生じないように中央部における撓みを確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0047】
また、本発明の請求項16に記載の発明によれば、基端側に設けられた先窄部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられた掛止環と、によりスプリング材として構成され、そして、前記先窄部が前記線条部材の端部にかしめ固定された止リングに係止されて前記スプリング材が前記線条部材の両端に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されるので、フレーム枠に複数本の線条部材を簡単な取扱いによりかつ確実に固定することができ、この線条部材に薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板が支持されることにより、ガラス板の自重や振動による変形に対応して線条部材は、前記スプリング材により、常時、一定の張力にて同等量変形されてフレーム枠の内域にはガラス板との間にクリアランスが確保されるため、干渉が生じないように中央部における撓みを確実に防止され、安定して支持することができる。従って、ガラス板の移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイ自体、被搬送物品の周囲を囲むフレーム枠と、前記フレーム枠の内域に張設された複数本の線条部材とにより構成されるので、フレーム枠の高さを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、図面に従って本発明の実施の最良の形態により、本発明の詳細を説明する。
【0049】
<実施形態1>
図1は本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態1を示す拡大平面図、図2は同じく拡大背面図、図3は同じく拡大正面図、図4は同じく説明的な正面図、図5は図1のA−A拡大断面図、図6は図1のB−B拡大断面図、図7は図4のC−C拡大断面図、図8は図4のD−D拡大断面図、図9は本実施形態1を構成する線条部材を示し、一端部に環状止着部材を取付け、他端部にスプリング部材を取付けた状態の拡大平面図、図10は同じく拡大側面図、図11は本実施形態1の板状物品搬送用トレイを積み重ねた状態を示す拡大正面図、図12は本実施形態1の板状物品搬送用トレイを積み重ねた状態を示す拡大側面図である。
【0050】
本発明の実施形態1は、ガラス板1、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の物品を載置するトレイにおいて、前記トレイTが、被搬送物品Gの周囲を囲む平面視長方形または平面視正方形のフレーム枠2と、複数本の線条部材3と、前記フレーム枠2に前記線条部材3の両端を固定して前記フレーム枠2の内域に前記線条部材3を張設する固定手段6と、により構成されている。
【0051】
前記フレーム枠2が、軽量金属または合成樹脂により形成される枠材が、平面視上下左右の四辺2A,2B,2C,2Dとして組付けられる。前記フレーム枠2は、本実施形態1ではアルミニウム枠により形成される。そして、前記被搬送物品Gが載置される載置部4aを有する合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材4が、前記フレーム枠2の内縁に固着手段5を介して取付けられる。Fは前記四辺2A,2B,2C,2Dの外側に突設された外鍔であり、この外鍔Fは例えばトレイTを製造ラインのコンベア(図には示さず)上に移載したり、トレイTを運搬、保管する場合に積み重ねる場合に、昇降装置(図には示さず)の係止爪体を係止するのに使用される。
【0052】
前記緩衝部材4が、本実施形態1では、前記フレーム枠2の前記四辺2A,2B,2C,2Dの中間域において適宜間隔K1,K2をあけて設けられた複数個の第1緩衝部材7Aと、前記四辺2A,2B,2C,2Dのうち隣接する二辺2A,2B;2A,2D;2B,2C;2C,2Dが直角に交わる前記フレーム枠2の4つの隅角部に取付けられる第2緩衝部材7Bとにより構成されている。
【0053】
また、前記固着手段5が、前記フレーム枠2の内周の上方に突設される上部挟着片8Aと、前記フレーム枠2の内周の下方に突設される下部挟着片8Bと、により前記緩衝部材4の外周側の上面および下面は挟持可能に設けられ、前記上部挟着片8Aが前記フレーム枠2の上面に対し上部に積み重ねられるトレイTの下底部9を支持する第1段差部10Aを介してフレーム枠2の前記上面11aよりも低位置に突設され、そして、前記下部挟着片8Bが、前記フレーム枠2の下面11bに対し第2段差部10Bを介して前記下面11bより低位置に突設されていることにより形成されている。この第1段差部10Aと、第2段差部10Bとは、図示する実施形態1では略同寸をもって形成される。
【0054】
前記第1緩衝部材7Aが、上面内域に設けられた前記被搬送物品Gの載置部4aと、前記フレーム枠2の下面内域に先端に向かって勾配θが減少して設けられた押圧斜面部12と、により構成されて、前記被搬送物品Gの上面および下面が前記載置部4aと、前記押圧斜面部12とにより挟持可能に設けられている。このように、第1緩衝部材7Aの下面に前記フレーム枠2の内域に向かって勾配θが減少する押圧斜面部12が下面に形成されているのは、トレイAを積み重ねた場合に、押圧斜面部12と第1緩衝部材7Aの載置部4aとが被搬送物品Gの上面および下面を確実に挟持し、ガラス板1が不用意に振動したり、不用意に移動するのを阻止するようにし、撓みが大きなガラス板1の中央部における干渉を確実に防止するためである。なお、前記勾配θの増減変更は自由に行える。
【0055】
本実施形態1では、図1に示すように前記線条部材3が、前記フレーム枠2の対向する二辺2A,2Cに平面視適宜間隔にて縦状に、および対向する二辺2B,2Dに平面視適宜間隔にて横状に張設されている。しかも、本実施形態1では、前記線条部材3が、前記フレーム枠2の4つの隅角部において隣接して直交する二辺2A,2B;2A,2D;2B,2C;2C,2Dに両端部3a,3bが固定されることにより張設されている。前記線条部材3が、本実施形態1では金属により形成されるワイヤーを、例えばポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂のような合成樹脂、またはゴムを用いて被覆したものが用いられるほか、ピアノ線、さらにはポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂のような合成樹脂繊維を編成したロープ、またはゴム紐の何れかが使用される。
【0056】
前記固定手段6が、本実施形態1では、前記線条部材3の一端部3aにかしめ固定可能に基端側に設けられた筒状部13aと、先端側に前記フレーム枠2に立設されたピン体Pに係着可能に設けられた止環13bと、により環状止着部材13として構成され、そして、前記筒状部13aが前記線条部材3の一端部3aにかしめられ、固定されて前記環状止着部材13が前記線条部材3の一端側に取付けられる。また、固定手段6が、基端側に設けられた先窄部15aと、先端側に前記フレーム枠2に立設されたピン体Pに係着可能に設けられた掛止環15bと、によりスプリング材15として構成され、そして、前記先窄部15aが前記線条部材3の他端部3bにかしめ固定された止リング14に係止されて前記スプリング材15が少なくとも前記線条部材3の他端側に取付けられる。こうして、線条部材3の一端側に取付けられた前記環状止着部材13と、線条部材3の他端側に取付けられた前記スプリング材15とにより、前記線条部材3の両端が、前記フレーム枠2に固定されるようになっている。
【0057】
本発明の物品搬送用トレイの実施形態1は、以上の構成からなり、板状の被搬送物品Gとしてガラス板1を移送、運搬し、積み重ねるのに使用する場合に、ガラス板1は平面視が長方形または図には示さないが正方形に形成されるフレーム枠2の内縁に固着手段5により取付けられた合成樹脂発泡材、またはゴムよりなる緩衝部材4の載置部4aに載置される。
【0058】
この際、前記緩衝部材4が、前記フレーム枠2の四辺2A,2B,2C,2Dの中間域において適宜間隔K1,K2をあけて設けられた複数個、図1では10個の第1緩衝部材7Aと、フレーム枠2の前記四辺2A,2B,2C,2Dのうち隣接する二辺2A,2B;2A,2D;2B,2C;2C,2Dが直角に交わる前記フレーム枠2の4つの隅角部に取付けられる4個の第2緩衝部材7Bとの合計14個の緩衝材4がフレーム枠2に取付けられているので、薄くて大きい面積であり、しかも重量が大きく、中央部において大きく撓む被搬送物品Gとしてのガラス板1は、上下左右の外縁部1a,1b,1c,1d側が合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された前記第1緩衝部材7Aと、前記第2緩衝部材7Bとにより周囲から弾力的に安定して支持される。
【0059】
しかも、ガラス板1が第1緩衝部材7Aと、第2緩衝部材7Bとにより支持される以外のガラス板1の下面は、フレーム枠2の内域に張設された例えばポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂のような合成樹脂、またはゴムを用いて被覆されている金属よりなるワイヤーで形成された複数本の線条部材3の上面に載置される。
【0060】
このようにして、トレイTに収納されたガラス板1の移送や運搬が行われるが、ガラス板1の自重や振動による撓みや変形に対応して線条部材3は、裏面側が開放されているフレーム枠2に対して張力により同等量変形することによりガラス板1を支持する。
【0061】
この際、本実施形態1では、図1に示すように前記線条部材3が、前記フレーム枠2の対向する二辺2A,2Cに平面視適宜間隔にて縦状に、および対向する二辺2B,2Dに横状に張設されるとともに、本実施形態1では、前記線条部材3が、前記フレーム枠2の4つの隅角部において隣接して直交する二辺2A,2B;2A,2D;2B,2C;2C,2Dに両端部3a,3bが固定されることにより張設されているので、薄くて大きい面積であり、重量が大きく、中央部において大きく撓むガラス板1は、前記フレーム枠2の対向する二辺2A,2Cに平面視適宜間隔にて縦状に、および対向する二辺2B,2Dに横状に張設された5本の線条部材3により外縁部1a,1b,1c,1d側が所望幅により縦横に線接触されて支持されるとともに、前記フレーム枠2の4つの隅角部において隣接して直交する二辺2A,2B;2A,2D;2B,2C;2C,2Dに両端部3a,3bが固定されている4本の線条部材3にガラス板1の4つの隅角部が載置されることにより、ガラス板1の自重や振動による変形に対応して線条部材3は、張力により、同等量変形され、ガラス板1の中央部における撓みは確実に防止される。従って、ガラス板1に応力が集中することにより、破損やかけを生じたり、亀裂が生ずるのが防止される。このため、本実施形態1の板状物品搬送用トレイは、特許文献1に記載の基板用トレイカセットのように、主枠に付設された張出部材および副枠上に突設した多数の樹脂ピンによりガラス板を点支持するものとは異なり、ガラス板1は不用意に滑動したり、フレーム枠2に外縁部が衝突することなく、安定して支持できる。そして、前記線条部材3が、本実施形態1では金属により形成されるワイヤーを、例えばポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂のような合成樹脂、またはゴムを用いて被覆したものが用いられるが、線条部材3はこれに限ることなく、例えばピアノ線、さらにはポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂のような合成樹脂繊維を編成したロープ、またはゴム紐の何れかが使用されてもよい。
【0062】
また、本実施形態1のトレイTでは、緩衝部材4を固着するための固着手段5が、前記フレーム枠2の内周の上方に突設される上部挟着片8Aと、前記フレーム枠2の内周の下方に突設される下部挟着片8Bとにより緩衝部材4の外周側の上面および下面は挟持されることにより緩衝部材4は前述のようにフレーム枠2の内域に取付けられるが、移送や保管時に、前述のようにガラス板1をトレイTに収容して図5乃至図8、並びに図11および図12に示すように積み重ねた場合に、第1段差部10Aはフレーム枠2の前記上面11aよりも低位置に突設され、しかも、下部挟着片8Bは前記フレーム枠2の下面11bに対し第2段差部10Bを介して前記下面11bより低位置に突設されているので、トレイTを積み重ねた場合に、上部に積み重ねられるトレイTの下底部9は第1段差部10Aに支持され、ガラス板1はフレーム枠2の上面よりも第1段差部10Aを介して低位置に取付けられている緩衝部材4の載置部4aに充分なクリアランスをもって支持される。
【0063】
しかも、ガラス板1の自重や振動による変形が生じたり、中央部における撓みを生じた場合に、線条部材3は、ガラス板1の変形や撓みに対応して張力により同等量変形される。このため、フレーム枠2の内域においてガラス板1との間にはクリアランスが確保されるため、干渉が生ぜず、ガラス板1は安定して支持される。従って、トレイTを積み重ねてガラス板1を移送したり、保管する場合に、ガラス板1は破損されたり、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。
【0064】
前記第1緩衝部材7Aが、前記フレーム枠2の内域に向かって勾配θが減少する押圧斜面部12が下面に形成されているので、トレイTを積み重ねた場合に、上段のトレイTの第1緩衝部材7Aの下面に設けられたフレーム枠2の内域に向かって勾配θが減少する押圧斜面部12と第1緩衝部材7Aの載置部4aとが被搬送物品Gとしてのガラス板1の上面および下面を確実に挟持し、ガラス板1が不用意に振動したり、不用意に移動するのを阻止するため、撓みが大きなガラス板1の中央部における干渉を確実に防止することができる。
【0065】
またトレイT自体、被搬送物品Gの周囲を囲むフレーム枠2と、前記フレーム枠2の内縁に上部挟着片8Aと下部挟着片8Bとにより取付けられる合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材4と、前記フレーム枠2の内域に張設された複数本の線条部材3とにより構成されるので、特許文献1に記載の上記従来のトレイカセットのように、ガラス基板を支承する樹脂ピンの高さと、ガラス基板の厚みと、ガラス基板の中央部における大きな撓みに対応するクリアランスと、底板の厚さとが合算された寸法がトレイカセットの高さに相当するものとは異なり、フレーム枠2の高さHを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価である。
【0066】
そして、本実施形態1では、線条部材3をフレーム枠2に取付けるのに固定手段6として、前記線条部材3の一端部3aにかしめ固定可能に基端側に設けられた筒状部13aと、先端側には
止環13bが設けられた環状止着部材13を用いて止環13bを前記フレーム枠2に立設されたピン体14に係着することにより線条部材3の一端部3aをフレーム枠2に固定し、また、前記線条部材3の他端部3bにかしめ固定された止リング14に係止可能な先窄部15aを有し、先端側には掛止環15bが設けられたスプリング材15を用いて前記掛止環15bを前記フレーム枠2に立設されたピン体Pに係着するスプリング材15を介して前記線条部材3の他端側を前記フレーム枠2に固定することにより、前記線条部材3の両端を前記フレーム枠2に固定されるので、フレーム枠2の内域に複数本の線条部材3を簡単な取扱いにより確実に固定することができ、フレーム枠2に対する線条部材3の取り外しも容易に新たな線条部材3の交換も容易に行え、保守・管理に優れている。
【0067】
このようにして、フレーム枠2に両端部が固定された線条部材3は、他端部3bにピン体Pとの間にスプリング材15が介装されているので、スプリング材15の引っ張り力により、線条部材3に常時、一定の張力を作用させることにより、ガラス板1を安定に支持することができる。
【0068】
<実施形態2>
図13乃至図16に示すものは、本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態2を示す。この実施形態2では、フレーム枠2の内縁に緩衝部材4を固着するための前記固着手段5が、前記フレーム枠2の内周に突設されている支持片8Cと、前記フレーム枠2に対し上部に積み重ねられるトレイTの下底部9を支持可能に前記フレーム枠2の上面より低位の第1段差部10を介して前記支持片8Cが外周面に嵌入される緩衝部材4とにより構成され、そして、前記緩衝部材4の下面は第2段差部10Bを介して前記フレーム枠2の下面より低位置に設けられている点が前記実施形態1とは異なる構成である。
【0069】
そして、本実施形態2ではフレーム枠2の内周に支持片8Cにより合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材4を取付ける。そして、トレイTを積み重ねた場合に、上部に積み重ねられるトレイTの下底部9は第1段差部10Aに支持され、ガラス板1はフレーム枠2の上面よりも第1段差部10Aを介して低位置に取付けられている緩衝部材4の載置部4aに充分なクリアランスをもって支持され、しかも、ガラス板1の自重や振動による変形が生じたり、中央部における撓みを生じた場合に、線条部材3はガラス板1の変形や撓みに対応して張力により同等量変形されるため、クリアランスが確保され、干渉が生じないようにガラス板3を支持しているので、ガラス板3は安定して支持される。従って、ガラス板3の移送時または保管時において、ガラス板3の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良くなる。またトレイT自体、被搬送物品Gの周囲を囲むフレーム枠2と、前記フレーム枠2の内縁に支持片8Cを介して取付けられる合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材4と、前記フレーム枠2の内域に張設された金属、合成樹脂、またはゴムにより形成されている複数本の線条部材3とにより構成されるので、フレーム枠2の高さHを高くする必要はなく、薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれる。そして、構造簡単であり、製作および組付けが容易であり、製作コストは安価であるという、前記実施形態1と同様の構成、作用がある。
【0070】
なお、上記説明では、被搬送物品Gとして、ガラス板1をトレイTに収納して移送する等する場合を代表的に説明しているけれども、これに限ることなくトレイTに収納して移送される被搬送物品Gとしては自重により撓み易い金属薄板であってもよい。
【0071】
また、上記説明では、緩衝部材4が、フレーム枠2の四辺2A,2B,2C,2Dの中間域において設けられた10個の第1緩衝部材7Aと、前記四辺2A,2B,2C,2Dのうち隣接する二辺2A,2B;2A,2D;2B,2C;2C,2Dが直角に交わる前記フレーム枠2の隅角部に取付けられる4個の第2緩衝部材7Bとを用いた場合を代表的に説明しているけれども、第1緩衝部材7A、および第2緩衝部材7Bの選択、並びに第1緩衝部材7Aの設置個数、および長さの増減変更は自由に行える。
【0072】
また、上記説明では、線条部材3をフレーム枠2に固定するための固定手段6として、線条部材3の一端部3aに止環13bを有する環状止着部材13を取付けるとともに、線条部材3の他端部3bに掛止環15bを有するスプリング材15を取付けることにより、環状止着部材13の止環13bと、スプリング材15の掛止環15bとをフレーム枠2に立設したピン体P,Pに係止することにより線条部材3の両端をフレーム枠2に固定して線条部材3を張設しているが、環状止着部材13を線条部材3の一端部3aと他端部3bとの両端部に取付けることによりフレーム枠2に立設したピン体P,Pに係止することにより線条部材3をフレーム枠2に固定しても良いし、スプリング材15を線条部材3の一端部3aと他端部3bとの両端部に取付けることによりフレーム枠2に立設したピン体P,Pに係止することにより線条部材3をフレーム枠2に固定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、薄くて大きい面積であり、重量が大きなガラス板の中央部における大きな撓みを確実に防止してガラス板を支承し、移送時または保管時において、ガラス板の破損、亀裂を生ぜず、歩留まりが良く、またトレイ自体の薄形化がはかれ、小型化、軽量化がはかれ、構造簡単であり、製作および組付けが容易になるという用途・機能に適する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は本発明の板状物品搬送用トレイの実施形態1を示す拡大平面図である。
【図2】図2は同じく拡大背面図である。
【図3】図3は同じく拡大正面図である。
【図4】図4は同じく説明的な正面図である。
【図5】図5は図1のA−A拡大断面図である。
【図6】図6は図1のB−B拡大断面図である。
【図7】図7は図4のC−C拡大断面図である。
【図8】図8は図4のD−D拡大断面図である。
【図9】図9は本実施形態1を構成する線条部材を示し、一端部に環状止着部材を取付け、他端部にスプリング部材を取付けた状態の拡大平面図である。
【図10】図10は同じく拡大側面図である。
【図11】図11は本実施形態1の板状物品搬送用トレイを積み重ねた状態を示す拡大正面図である。
【図12】図12は本実施形態1の板状物品搬送用トレイを積み重ねた状態を示す拡大側面図である。
【図13】図13は図1のA′−A′断面図である。
【図14】図14は図1のB′−B′断面図である。
【図15】図15は図4のC′−C′断面図である。
【図16】図16は図4のD′−D′断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 ガラス板
2 フレーム枠
3 線条部材
4 緩衝部材
4a 載置部
5 固着手段
6 固定手段
7A 第1緩衝部材
7B 第2緩衝部材
8A 上部挟着片
8B 下部挟着片
10A 第1段差部
10B 第2段差部
12 押圧斜面部
13 環状止着部材
15 スプリング材
G 被搬送物品
T トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板、または自重により撓み易い金属薄板よりなる板状の物品を載置するトレイにおいて、
前記トレイが、被搬送物品の周囲を囲む平面視長方形または平面視正方形のフレーム枠と、複数本の線条部材と、前記フレーム枠に前記線条部材の両端を固定して前記フレーム枠の内域に前記線条部材を張設する固定手段と、により構成されている
ことを特徴とする板状物品搬送用トレイ。
【請求項2】
前記フレーム枠には、合成樹脂発泡材またはゴムにより形成された緩衝部材が、該フレーム枠の内縁に固着手段を介して取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項3】
前記緩衝部材には、前記フレーム枠の四辺の中間域に適宜間隔をあけて取付けられている複数個の第1緩衝部材、または、前記フレーム枠の隣接する二辺が直角に交わる前記フレーム枠の隅角部に取付けられる第2緩衝部材の何れかが設けられるか、或いは、前記フレーム枠の四辺の中間域に適宜間隔をあけて取付けられている複数個の第1緩衝部材、および、前記フレーム枠の隣接する二辺が直角に交わる前記フレーム枠の隅角部に取付けられる第2緩衝部材、が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項4】
前記固着手段が、前記フレーム枠の内周の上方に突設される上部挟着片と、前記フレーム枠の内周の下方に突設される下部挟着片と、により前記緩衝部材の外周側の上面および下面は挟持可能に設けられ、前記上部挟着片が、前記フレーム枠の上面に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持する第1段差部を介してフレーム枠の前記上面よりも低位置に突設され、そして、前記下部挟着片が、前記フレーム枠の下面に対し第2段差部を介して前記下面より低位置に突設されることにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項5】
前記固着手段が、前記フレーム枠の内周に突設されている支持片と、前記フレーム枠に対し上部に積み重ねられるトレイの下底部を支持可能に前記フレーム枠の上面より低位の第1段差部を介して前記支持片が外周面に嵌入される緩衝部材と、により構成され、そして、前記緩衝部材の下面が第2段差部を介して前記フレーム枠の下面より低位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項6】
前記第1緩衝部材が、上面内域に設けられた前記被搬送物品の載置部と、下面内域に先端に向かって勾配が減少して設けられた押圧斜面部と、により構成されて、前記被搬送物品の上面および下面が前記載置部と前記押圧斜面部とにより挟持可能に設けられていることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項7】
前記線条部材が、前記フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に、或いは縦状および横状に張設されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項8】
前記線条部材が、前記フレーム枠の隅角部において隣接して直交する二辺に両端部が固定されることにより張設されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項9】
前記線条部材が、前記フレーム枠の対向する二辺に平面視適宜間隔にて縦状または横状に張設されるか、或いは縦状および横状に張設され、かつ、前記線条部材が、前記フレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項10】
前記フレーム枠の四隅において隣接して直交する二辺に両端部が固定されている前記線条部材が、前記第1緩衝部材の下面に設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項11】
前記線条部材が、金属により形成されるワイヤーまたはピアノ線の何れかにより形成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項12】
前記線条部材が、合成樹脂繊維を編成したロープ、またはゴム紐の何れかにより形成されていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項13】
前記固定手段が、前記線条部材の端部にかしめ固定可能に基端側に設けられる筒状部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられる止環と、により環状止着部材として構成され、そして、前記筒状部が前記線条部材の端部にかしめられ、固定されて前記環状止着部材が少なくとも前記線条部材の一端側に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されていることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項14】
前記固定手段が、基端側に設けられた先窄部と、先端側に前記フレーム枠に立設したピン体に係着可能に設けられた掛止環と、によりスプリング材として構成され、そして、前記先窄部が前記線条部材の端部にかしめ固定された止リングに係止されて前記スプリング材が少なくとも前記線条部材の一端側に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項15】
前記固定手段が、前記線条部材の端部にかしめ固定可能に基端側に設けられる筒状部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられる止環と、により環状止着部材として構成され、そして、前記筒状部が前記線条部材の端部にかしめられ、固定されて前記環状止着部材が前記線条部材の両端に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。
【請求項16】
基端側に設けられた先窄部と、先端側に前記フレーム枠に立設されたピン体に係着可能に設けられた掛止環と、によりスプリング材として構成され、そして、前記先窄部が前記線条部材の端部にかしめ固定された止リングに係止されて前記スプリング材が前記線条部材の両端に取付けられることにより、前記線条部材が、前記フレーム枠に固定されることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の板状物品搬送用トレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−120690(P2010−120690A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298316(P2008−298316)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(596026578)サイデック株式会社 (15)
【Fターム(参考)】