枚葉紙の給紙装置及び給紙方法
【課題】 本発明は、リフターに積載された積層枚葉紙を一枚ずつ確実に分離して送り出すことが可能な枚葉紙の給紙装置及び給紙方法に関する。
【解決手段】 積層した枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するための傾斜検出センサと、積層した枚葉紙の間にエアを吹き込むためのさばきブロックを上下方向に昇降させる昇降装置を設け、最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、さばきブロックの位置を昇降装置の昇降量で制御することが可能な枚葉紙の給紙装置及び給紙方法に提供する。
【解決手段】 積層した枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するための傾斜検出センサと、積層した枚葉紙の間にエアを吹き込むためのさばきブロックを上下方向に昇降させる昇降装置を設け、最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、さばきブロックの位置を昇降装置の昇降量で制御することが可能な枚葉紙の給紙装置及び給紙方法に提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフターに積載された積層枚葉紙を一枚ずつ確実に分離して送り出すことが可能な枚葉紙の給紙装置及び給紙方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロール状に巻き取られた巻取紙は、印刷工程において凹版印刷やオフセット印刷等によって同一図柄が施され、図柄が施された後、再びロール状に巻き取られる。図柄が施された巻取紙は、定寸に断裁されて枚葉紙となり、断裁された枚葉紙は多層上に複数枚重ねられ積層枚葉紙となる。その後、積層枚葉紙は、検査工程や所定の処理工程を通るために、一枚ずつ分離されて次工程へ給紙される。
【0003】
しかし、積層枚葉紙を一枚ずつ分離させて給紙する際に、最上部の紙が二枚目の紙と吸着した状態で重送され給紙不良を起こす場合があった。現在まで、このような給紙不良の発生を防止するために、積層枚葉紙の側面等からエアを供給することによって枚葉紙を一枚ずつ分離し給紙する工夫が成されている。
【0004】
例えば、積層枚葉紙を取り出すための取り出しロール近傍に、エアを吹き込むためのさばきブロックを設置し、積層枚葉紙の側面からエアを吹き込んで各枚葉紙の間に空気層を作り、積層枚葉紙を一枚ずつ分離して給紙する工夫が成されている。さばきブロックには、エアを吹き出すためのエア吹き出し孔が複数設けられており、特に、さばきブロックの上部に多くのエア吹き出し孔が存するように設計し、枚葉紙を給紙する寸前に多くのエアを吹き出せるような仕組みとしている。
【0005】
例えば、給紙ロールによりシート送り出し方向に対して側面の一端部からシートに空気を吹き込むための空気吹き込み手段と、給紙ロールにより送り出されるシートの後端近傍に配置され、空気吹き込み手段から吹き込まれた空気を一端部に対向する他端部までシート間にて貫通させるためのシート押さえ部材とを設けた給紙装置が開示されている。これは、シートの端面に吹き込まれる空気流によってシートが浮揚し、シート間に空気が入ることにより、シート間の結合力を弱め、シートを捌く仕組みである。 そして、シート押さえ部材が積載シート上に配置されていることで、一端よりシート間に入り込んだ空気は、対向する他の一端までシート間を貫通し、更に確実にシート間を分離することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、送り出し方向の側方から積層されたシートにおける上部に空気を送り込む排風口を設け、送り出し方向における排風口の位置と給紙ローラの位置との間であって、給紙ローラからシートの送り出し方向に対して給紙ローラと異なる位置にシートの浮き上がり量を抑制するための浮揚抑制部材を、浮揚していない状態のシート上面から離間するように設けた給紙装置が開示されている。これは、積層シートの上部数枚を給紙ローラの手前で各シート間に隙間ができた状態で浮揚させることができ、密着力の高いシートでも一枚ずつ分離することができるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、積載用紙の側縁近傍に、積載用紙に対するエアを遮断するエア遮断手段を設けて、エアに対して積載用紙を遮断する領域と遮断しない領域との境界の形成されたエア流路を形成し、エア遮断手段を積載用紙の側面に対して上から下に順次移動させることによりエア流路の境界を積載用紙に対して順次移動させ積載用紙の用紙間に順次エアを流れ込ませて用紙間の密着を解くことが可能な給紙装置が開示されている。これは、用紙間に順次にエアを流れ込ませ、用紙間に新たなエア流路が順次に形成され、多くの用紙間に新たなエア流路が一度に形成される場合に比べ、順次形成するエア流路に大量のエアが流入することになり、用紙間の密着を確実に解くことができるものである(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2890674号公報
【特許文献2】特許第3592275号公報
【特許文献3】特許第3889137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、給紙装置において、最上部の枚葉紙が常に水平状態を保ち続けることは難しく、最上部の枚葉紙が傾斜している場合、例えば、搬送方向へ傾いている場合は、通常時よりも最上部に位置する枚葉紙の先端位置が下がっていることで取り出す直前にエアが入りにくくなり、シートの重送等といった給紙不良が発生しやすくなるという課題は残されていた。
【0010】
上述した特許文献1乃至特許文献3においても、用紙間の密着を解いてシートの重送を防止するための工夫はされている。しかし、積層された枚葉紙が傾斜して最上部の枚葉紙が水平でない場合の対策が十分に施されておらず、シートの重送等の給紙不良が発生しやすくなるという課題は残存しており、少なからず改善の余地があった。
【0011】
特に凹版印刷を施した枚葉紙の場合、シートへのインキが凸状に盛られていることから、凹版印刷部分とそれ以外の部分とでは、枚葉紙を積層した際に高低差が生じて波打った状態となり、積層枚葉紙が一枚ずつ分離されず給紙不良が生じるといった問題が発生していた。
【0012】
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するための傾斜検出センサと、積層枚葉紙の間にエアを吹き込むためのさばきブロックを上下方向に昇降させる昇降装置を設け、最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、さばきブロックの位置を昇降装置の昇降量で制御することが可能な枚葉紙の給紙装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明における枚葉紙の給紙装置は、リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、積層枚葉紙を取り出しローラにより給紙する枚葉紙給紙装置において、枚葉紙給紙装置は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、リフターの昇降を制御するためのリフター制御部と、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するためのさばきブロック制御部を有し、リフター制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出するため、リフターの上方部に、少なくとも一個設置された高さ検出手段と、高さ検出手段によって検出された検出値と基準となる数値を比較し、その結果を基にリフターの昇降量を算出する高さ制御手段と、算出した昇降量を基にリフターを昇降させる高さ調整手段を有し、さばきブロック制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するため、リフターの上方部に、枚葉紙の四隅と対応する位置に少なくとも一個ずつ設置された傾斜検出手段と、傾斜検出手段によって検出された検出値同士を比較し、その結果を基にさばきブロックの昇降量を算出する傾斜制御手段と、算出した昇降量を基にさばきブロックを昇降させる傾斜調整手段を有することを特徴とする。
【0014】
本発明における枚葉紙の給紙装置は、高さ調整手段を、枚葉紙の幅方向に対して中央、かつ、搬送方向に対して中央より前方の位置に設置していることを特徴とする。
【0015】
本発明における枚葉紙の給紙方法は、リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、積層枚葉紙の側面からエアを吹き付け、積層枚葉紙を一枚ずつ分離して取り出しローラにより搬送路に給紙する枚葉紙の給紙方法において、小切れ給紙方法は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、リフターの昇降を制御するリフター制御工程と、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するさばきブロック制御工程を有し、リフター制御工程は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出する高さ検出手段により検出した検出値と、あらかじめ記憶してある基準となる数値とを比較し、その結果を基にリフターの昇降量を算出し、高さ制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータの回転によりリフターを上昇又は下降させる。また、さばき制御方法は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを、少なくとも枚葉紙における四隅にて検出し、検出した少なくとも四隅の検出値を基に、検出値同士を比較し、比較した結果を基にさばきブロックの昇降量を算出し、傾斜制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータを回転させさばきブロックを上昇又は下降させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
積層された枚葉紙が傾斜して最上部の枚葉紙が水平でない場合でも、その傾斜に応じてさばきブロックの位置が昇降により適正に制御されるため、積層枚葉紙の間に略均等にエアを吹き込むことが可能となり、安定した給紙が実施できる。特に凹版印刷を施した枚葉紙において積層した枚葉紙が波打った状態になった場合においても、さばきブロックの位置が適正に制御されることから問題なく、シートの適正な給紙が連続的に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明における枚葉紙給紙装置の概略図を示す。
【図2】本発明におけるリフター制御部のブロック構成を示す
【図3】本発明における枚葉紙給紙装置の高さ検出センサの概略図を示す。
【図4】本発明における枚葉紙給紙装置の取り出しロールの概略図を示す。
【図5】本発明における枚葉紙給紙装置の取り出し動作図を示す。
【図6】本発明におけるさばきブロック制御部のブロック構成を示す
【図7】(a)は、本発明における枚葉紙給紙装置の傾斜検出センサの平面図を示し、(b)及び(c)は、さばきブロックの高さ算出方法をそれぞれ示す。
【図8】(a)は、図柄が施された枚葉紙の一例を示し、(b)は、その断面を示し、(c)は、枚葉紙給紙装置のさばきブロックの正面図を示す。
【図9】本発明における枚葉紙給紙装置のさばきブロックの正面図を示す。
【図10】本発明におけるリフター制御のフロー図を示す。
【図11】本発明におけるさばきブロック制御のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
【0019】
図1は、本発明における枚葉紙給紙装置の正面図を示す。枚葉紙給紙装置は、リフター(1)、取り出しロール(2)及び搬送路(6)を有しており、更に、本発明の特徴であるリフター制御部及びさばきブロック制御部を有している。リフター制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、リフターの昇降を制御するための制御部であり、さばきブロック制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、さばきブロックの昇降を制御するための制御部である。
【0020】
なお、本発明における「枚葉紙」とは、一枚単位の紙、折り丁又は折り畳み品のことであり、さらには同じ模様の印刷物を複数印刷された枚葉紙を定寸に断裁されて小切れ券となったものも「枚葉紙」に含む。また、本発明における「積層枚葉紙」とは、枚葉紙を複数枚積層した状態の枚葉紙全体のことであり、「枚葉紙の給紙位置」とは、最上部の枚葉紙を給紙する高さのことである。
【0021】
まず、図2を参照してリフター制御部について説明し、それぞれの詳細な説明については、図1を参照して説明する。
【0022】
リフター制御部は、高さ検出手段と高さ制御手段と高さ調整手段を有し、また、さばきブロック制御部は、傾斜検出手段と傾斜制御手段と傾斜調整手段を有している。
【0023】
リフター(1)上には、枚葉紙を複数枚積層した積層枚葉紙(P)が積載されており、リフター(1)の先端側上方部に設けられている取り出しロール(2)により、積層枚葉紙(P)の最上部の枚葉紙(P1)を取り出し、搬送路(6)に搬送される。同時に、取り出しロール(2)により積層枚葉紙(P)の最上部から二枚目の枚葉紙(P2)を取り出し、搬送路(6)に搬送される。この動作は、リフター(1)上から取り出しロール(2)により積層枚葉紙(P)がすべて取り出されるまで繰り返される構成となっている。
【0024】
枚葉紙給紙装置の稼働中、積層枚葉紙(P)の枚葉紙が、取り出しロール(2)によって一枚ずつ取り出されるのと同期して、リフター(1)が駆動モータの正回転により上昇し、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)が、取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置に保持されるようになっている。
【0025】
リフター制御部における高さ検出手段は、積層枚葉紙(P)の最上部の枚葉紙(P1)の高さを検出するための手段であり、リフター(1)の上方部に設置されている。高さ検出手段とは、例えば、高さ検出センサ(9)のことであり、光学的センサや接触式センサなど、用いるセンサの種類には限定されない。
【0026】
また、高さ検出センサ(9)による検出値は、例えば、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙と、高さ検出センサ(9)との接触圧から間接的に検出する値である。
【0027】
図3に、高さ検出センサ(9)の概略図を示す。図3(a)に示すように、高さ検出センサ(9)は、枚葉紙を上から見たときに、枚葉紙の幅方向に対して中央、搬送方向に対して中央より前方の位置に少なくとも一個設置されている。
【0028】
なお、高さ検出センサ(9)を設置する個数が一個の場合、高さ検出センサ(9)は、取り出しロール(2)の幅方向に対して中央の位置に設置すると前述したが、取り出しロール(2)における延長線(図3(a)の図面中の二重線で示す線)上の範囲内であれば、中央から多少ずれていても構わない。
【0029】
ただし、実作業において、高さ検出センサ(9)を設置する位置が、枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央ではなく、枚葉紙(P1)の幅方向に対して片方寄りに設置した場合、積層枚葉紙(P)が幅方向に傾斜すると、最上部の枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央部が取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置から外れることになってしまう。よって、最適な検出値(接触圧)を得るため、取り出しロール(2)の幅方向に対して中央の位置に配置することが望ましい。
【0030】
また、高さ検出センサ(9)を設置する個数が一個の場合、高さ検出センサ(9)は、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方の位置に設置すると前述したが、これは、高さ検出センサ(9)を設置する位置が、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方ではなく、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より後方に設置した場合、積層枚葉紙(P)が搬送方向に傾斜すると、最上部の枚葉紙(P1)の搬送方向に対して前方部が取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置から外れることになるためである。なお、搬送方向に対して中央より前方の位置で、その中でも取り出しロール(2)により近い位置に設置される方が好ましい。これは、取り出しロール(2)によって取り出される直前の接触圧の検出が可能であり、そのため最適な位置に制御可能となるためである。
【0031】
そのため、高さ検出センサ(9)は、設置する個数が一個の場合、前述したとおり枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方の位置に設置する。
【0032】
また、高さ検出センサ(9)を設置する個数に関しては、少なくとも一個としたが、複数設置する場合の設置する位置は適宜決定する。例えば、図3(b)に示すように、高さ検出センサ(9)を二個設置する場合、枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央から均等距離だけ離れた両端であって、かつ、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方の位置に設置する。
【0033】
ただし、二個の高さ検出センサ(9)を枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央から均等距離だけ離す場合についても、前述した一個の場合と同様、あくまでも、取り出しロール(2)の延長線上の範囲内に設置する。これは、取り出しロール(2)の両端から高さ検出センサ(9)が外れた場合、正確な接触圧が測定できないためである。
【0034】
これまで説明してきた設置態様において、枚葉紙(P1)の幅方向に対する先端部の高さが異なる場合は、二個の高さ検出センサ(9)の検出値が異なる。そのため、検出された二個の検出値の平均から算出することによって、リフター(1)の昇降を制御する。
【0035】
リフター制御部における高さ制御手段は、高さ検出センサ(9)によって積層枚葉紙(P)の上面部との接触圧が検出された後、検出された接触圧と、あらかじめ設定してある基準となる数値(接触圧)とを比較する手段である。
【0036】
リフター制御部における高さ調整手段は、前述した高さ制御手段により比較した結果をもとに、リフター(1)の昇降を行う手段である。高さ制御手段により比較した結果、基準となる接触圧よりも低い場合はリフター(1)を上昇させ、逆に基準となる接触圧よりも高い場合はリフター(1)を下降させる。なお、この作業は基準となる接触圧と同じ値になるまで繰り返す。
【0037】
以上のように、リフター制御部によって、積層枚葉紙(P)の上面部が、高さ検出センサ(9)と接触したときの接触圧を一定に保つように、リフター(1)の昇降が制御され、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)が、取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置に保たれる。
【0038】
図4に、取り出しロール(2)の概略図を示す。取り出しロール(2)は、取り出しブロック(12)と、取り出しブロック(12)の外周面に取り付けられた回転ロール(13)を有している。取り出しブロック(12)には、真空チャンバー(14)が取設されており、回転ロール(13)の一部には、真空チャンバー(14)と繋がる吸着孔(15)が設けられている。
【0039】
枚葉紙給紙装置の稼働中、常に回転ロール(13)は取り出しブロック(12)の周囲を回転しており、吸着孔(15)が真空チャンバー(14)と繋がる位置にまで回転ロール(13)が回転すると吸着孔(15)に負圧が発生し、図6に示すように、枚葉紙(P1)が吸着され、回転ロール(13)の回転により取り出される。
【0040】
また、リフター(1)の先端側には、先端壁(3)、二枚取出防止ブロック(4)及びさばきブロック(5)が設置されている。
【0041】
先端壁(3)は、リフター(1)に対して垂直に設置される。枚葉紙給紙装置の稼働中、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)が取り出しロール(2)によって一枚ずつ取り出され、搬送路(6)へ搬送させる際、積層枚葉紙(P)における最上部から二枚目の枚葉紙(P2)より下に積層されている枚葉紙に対し、搬送方向に力が働き、二枚目の枚葉紙(P2)より下に積層されている枚葉紙が、積層枚葉紙(P)から飛び出てしまうことがある。そのため、リフター(1)の先端部に先端壁(3)を設け、取り出しロール(2)によって取り出される前の積層枚葉紙(P)が、搬送方向に飛び出すことを抑制している。
【0042】
二枚取出防止ブロック(4)は、先端壁(3)の上部に固定され、二枚取出防止ブロック(4)の先端部が積層枚葉紙(P)より高い所に位置される形で固定されている。二枚取出防止ブロック(4)は、従前の装置にも設置されているが、後述するさばきブロック(5)と同様、取り出しロール(2)によって取り出される積層枚葉紙(P)が、二枚同時に取り出されることを防ぐために設けられており、一枚ずつ搬送路(6)へ送り出す役割を担っている。二枚取出防止ブロック(4)の上面部には、図示しない複数のエア吸着孔が設置されており、取り出しロール(2)が枚葉紙を二枚同時に取り出した際には、二枚取出防止ブロック(4)が二枚目の枚葉紙(P2)を吸着することで、二枚同時に取り出すことを抑制している。
【0043】
さばきブロック(5)は、二枚取出防止ブロック(4)の役割同様、取り出しロール(2)によって取り出される積層枚葉紙(P)が、二枚同時に取り出されることを防ぐために設けられており、一枚ずつ搬送路(6)へ送り出す役割を担っている。前述した二枚取出防止ブロック(4)とさばきブロック(5)は、積層枚葉紙(P)が二枚同時に取り出されることを重畳して抑制するものである。
【0044】
図1及び図3に示すように、さばきブロック(5)は、積層枚葉紙(P)の上層側、かつ、積層枚葉紙(P)の幅方向に対して両端の近傍に少なくとも二個設置する必要があり、その場合は、枚葉紙(P1)の搬送方向中央より前方に設置されている。
【0045】
なお、さばきブロック(5)を設置する個数に関しては、前述した位置に少なくとも二個設置すればよいが、例えば、さばきブロック(5)を四個設置する場合、四個のうちの二個は、前述した積層枚葉紙(P)の上方、かつ、枚葉紙(P1)の搬送方向中央より前方に設置する必要があるが、他の二個の配置位置については、積層枚葉紙(P)の上方、かつ、積層枚葉紙(P)の幅方向に対して両端であればよく、枚葉紙(P1)の搬送方向に対する位置は限定されない。さばきブロック(5)を四個設置する場合の設置位置の一例を、図3(a)の点線のさばきブロック(5)で示す。
【0046】
また、さばきブロック(5)は、図6に示すように、搬送方向に対して垂直方向に上昇又は下降が可能なように設置してある。さばきブロック(5)の上昇又は下降については後述する。
【0047】
次に、図5を参照して、さばきブロック制御部について説明する。
【0048】
前述したとおり、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)を取り出しロール(2)によって一枚ずつ取り出す際、最上部の枚葉紙(P1)の搬送方向における先端部が傾斜している場合、取り出す直前にエアが入りにくくなり、同時に二枚取り出し等の給紙不良が発生する。
【0049】
さばき制御部は、そのような問題を解決するため、最上部の枚葉紙(P1)が傾斜している場合においても均一にエアが供給できるように、さばきブロックの高さ位置を制御するところである。
【0050】
さばき制御部における傾斜検出手段は、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の傾斜を検出するための手段であり、リフター(1)の上方部に設置されている。傾斜検出手段とは、例えば、傾斜検出センサ(10)のことであり、光学的センサや接触式センサなどでもよく、特にセンサの種類は限定されない。
【0051】
また、傾斜検出センサによる検出値は、最上部の枚葉紙(P1)からの反射距離又は反射時間から算出される。
【0052】
図7(a)に、傾斜検出センサ(10)の平面図を示す。傾斜検出センサ(10)は、枚葉紙(P1)を上から観察したときに、積層枚葉紙(P1)の四隅に少なくとも一個ずつ設置されている。積層枚葉紙(P1)の四隅をそれぞれ傾斜検出センサ(10a、10b、10c、10d)にて検出し、積層枚葉紙(P1)の四隅の高さとしている。
【0053】
さばき制御部における傾斜制御手段は、傾斜検出センサ(10)によって検出した反射距離によって、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の昇降量を算出する手段である。
【0054】
さばき制御部における傾斜調整手段は、前述した傾斜制御手段から算出した昇降量をもとに、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の昇降を行う手段である。昇降量に基づく、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の昇降動作については後述する。
【0055】
以上のように、さばき制御部によって、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の傾斜を検出するための傾斜検出センサ(10)の検出値(反射距離)により、エアを送るためのさばきブロックの高さ位置が制御され、最上部の枚葉紙(P1)が傾斜している場合でも均一にエアが供給できるようになる。
【0056】
次に、積層枚葉紙(P)の四隅に少なくとも一個ずつ傾斜検出センサ(10a、10b、10c、10d)が設置されている場合における、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の動作例を説明する。
【0057】
例1として、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)にて測定した検出値が、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より低い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより低い場合は、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)を所定量だけ下降させる。
【0058】
例2として、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)にて測定した検出値が、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より高い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより高い場合は、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)を所定量だけ上昇させる。
【0059】
例3として、一方の傾斜検出センサ(10a)にて測定した検出値が、他方の傾斜検出センサ(10b)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より高い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10a)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、他方の傾斜検出センサ(10b)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより高い場合は、一方のさばきブロック(5a)を所定量だけ上昇させる。
【0060】
例4として、一方の傾斜検出センサ(10b)にて測定した検出値が、他方の傾斜検出センサ(10a)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より低い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10b)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、他方の傾斜検出センサ(10a)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより低い場合は、一方のさばきブロック(5b)を所定量だけ下降させる。
【0061】
さばきブロック(5a、5b)を所定量だけ上昇させたり下降させたりする昇降量に関しては、各傾斜検出センサによって検出した検出値(反射距離)によって算出され、その結果に基づいて昇降量、つまり、さばきブロック(5a、5b)の高さが決定される。次に、さばきブロック(5a、5b)の高さの算出方法について説明する。
【0062】
図7(b)及び図7(c)に、算出方法を示す模式図を示す。一例として、図7(a)に示す枚葉紙(P1)における搬送方向の傾斜を算出し、さばきブロック(5a)の高さを算出する例について説明する。搬送方向の傾斜を算出するため、用いる検出値(反射距離)は、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10d)である。また、さばきブロック(5a)の搬送方向における位置は、枚葉紙(P1)の紙尻から距離「X」を離した距離とした場合の、さばきブロック(5a)の高さ(Y)を算出する。
【0063】
傾斜検出センサ(10a)にて検出した反射距離(A)から傾斜検出センサ(10b)にて検出した反射距離(B)を減算することで、枚葉紙(P1)における紙尻と紙頭との高さの差(L1)が求められる「L1=A−B」。
【0064】
次に、枚葉紙(P1)における紙尻と紙頭の傾斜角度(Θ)は、枚葉紙(P1)における紙尻と紙頭の高さの差(L1)を枚葉紙(P1)における搬送方向の長さで除算することで求められる「tanΘ=L1/L=(A−B)/L」。
【0065】
同じ角度(tanΘ)を有する三角形から、さばきブロック(5a)の高さ(Y)に関しては、「tanΘ=Y/X」で求められ、この式を変換すると、「Y=X*tanΘ」、つまり、さばきブロック(5a)の高さ(Y)は、「Y=X*(A−B)/L」で求められる。
【0066】
また、枚葉紙(P1)における幅方向の傾斜を算出し、さばきブロックの高さを算出する方法についても同様、前述した式により求められる。つまり、さばきブロック(5a)の高さに関しては、傾斜検出センサ(10a、10b、10d)により算出され、さばきブロック(5b)に関しては、傾斜検出センサ(10b、10c、10d)により算出される。
【0067】
なお、傾斜検出センサ(10)を設置する個数に関しては、積層枚葉紙(P)の四隅に少なくとも一個としたが、これに限定される必要はなく複数個設置してもよい。複数個設置する場合は、枚葉紙の図柄に応じて設置することが可能であり、その場合の一例を次に説明する。
【0068】
図8(a)、図8(b)及び図8(c)に、傾斜検出センサ(10)を図柄に応じて設置した場合の一例を示す。図8(a)は、図柄が形成された枚葉紙(P1)の一例であり、枚葉紙(P1)の右上に位置する第1凹版印刷部分と左下に位置する第2の凹版印刷部分に「1000」という数字が凹版印刷にて施されている。この場合におけるX−X’断面を図8(b)に示す。凹版印刷が施されている部分と、それ以外の部分とでは高さの差が生じ、当然、枚葉紙(P1)が積層されると、凹版部分に相当する箇所のみ、その他の部分に比べて大きな傾斜を有することになる。
【0069】
その際、図8(c)に示すように、傾斜検出センサ(10a、10a’、10b、10c、10c’、10d)を設置する。前述したように、凹版印刷部分とそれ以外の部分とでは高さの差が生じることから、第1凹版印刷部分に対応した位置に傾斜検出センサ(10a’)を設置するとともに、それに近接した位置に傾斜検出センサ(10a)を設置する。それぞれの傾斜検出センサ(10a、10a’)にて検出した後、一方の傾斜検出センサ(10a)の検出値(反射距離)と他方の傾斜検出センサ(10a’)の検出値(反射距離)の平均値を、検出した位置に対応する積層枚葉紙(P1)の隅の高さとする。
【0070】
同様に、第2凹版印刷部分に対応した位置に傾斜検出センサ(10c’)を設置するとともに、それに近接した位置に傾斜検出センサ(10c)を設置する。それぞれの傾斜検出センサ(10c、10c’)にて検出した後、一方の傾斜検出センサ(10c)の検出値(反射距離)と他方の傾斜検出センサ(10c’)の検出値(反射距離)の平均値を、検出した位置に対応する積層枚葉紙(P1)の隅の高さとする。
【0071】
図9に、さばきブロック(5)の正面図を示す。さばきブロック(5)は、複数のエア吹き出し孔(11)が設けられている。複数のエア吹き出し孔(11)から積層枚葉紙(P)に対してエアを供給することによって、積層枚葉紙(P)の最上部の枚葉紙(P1)だけが取り出しロール(2)に取り出される。
【0072】
図10に、リフター(1)制御のフロー図を示す。
【0073】
まず、高さ検出手段により、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の高さを検出し、これを検出値とする(STEP1)。高さ検出手段としては高さ検出センサを用い、検出値としては高さ検出センサと最上部の枚葉紙(P1)との接触圧とする。
【0074】
次に、高さ検出手段により検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある基準となる接触圧とを比較する(STEP2)。比較した結果、検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある基準となる接触圧が等しい場合はSTEP1に戻る。比較した結果、検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある基準となる接触圧が異なる場合は、リフターの昇降量を算出する(STEP3)。リフターの昇降量は、検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある接触圧との差異を求めることで算出する。
【0075】
次に、高さ調整手段により、高さ制御手段で算出した昇降量をもとに、駆動モータを回転させリフターを上昇させる(STEP4)。
【0076】
リフターを上昇させた後、接触圧があらかじめ記憶してある基準接触圧になったかどうかを比較し(STEP5)、基準接触圧となるまでリフターの上昇を続け、基準接触圧となった時点でリフターの上昇を停止させる(STEP6)。そして、再び、接触圧の検出を行う(STEP1)。
【0077】
図11に、さばきブロック(5)制御のフロー図を示す。
【0078】
まず、傾斜検出手段により、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の傾斜を検出し、これを検出値とする(STEP1)。検出する箇所は、枚葉紙の四隅とし、傾斜検出手段としては傾斜検出センサを用い、検出値としては最上部の枚葉紙(P1)からの反射光が傾斜検出センサに戻ってくるまでの反射距離とする。
【0079】
次に、傾斜制御手段により、傾斜検出手段から検出した四つの反射距離をもとに、反射距離同士を比較していき、どの箇所の反射距離がどれだけ他の部分と異なるかを比較する(STEP2)。比較した結果、すべて等しい場合はSTEP1に戻る。比較した結果、異なる場合は、さばきブロックの昇降量を算出する(STEP3)。さばきブロックの昇降量、つまり、さばきブロックの高さは、図7の説明において前述した算出方法によって求められる。
【0080】
次に、傾斜調整手段により、傾斜制御手段にて算出した昇降量をもとに、駆動モータを回転させ、さばきブロックを上昇又は下降させる(STEP4)。
【0081】
算出した量だけさばきブロックを上昇又は下降させた後、さばきブロックの昇降を停止させる(STEP5)。そして、再び、反射距離の検出を行う(STEP1)。
【0082】
ここまで実施例をいくつか説明してきたが、当然のことながら各種検出センサが故障した場合において、給紙装置における各種動作を停止させるなどの安全対策機能や装置故障防止機能を付帯させる場合もある。
【符号の説明】
【0083】
1 リフター
2 取り出しロール
3 先端壁
4 二枚(重送)取出防止ブロック
5、5a、5b さばきブロック
6 搬送路
7 ロール
8 搬送ベルト
9 高さ検出センサ
10、10a、10a’、10b、10b’、10c、10c’、10d、10d’ 傾斜検出センサ
11 エア吹き出し孔
12 取り出しブロック
13 回転ロール
14 真空チャンバー
15 吸着孔
16 計数カウンタ
P 積層枚葉紙
P1 最上部の枚葉紙
P2 最上部から二枚目の枚葉紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフターに積載された積層枚葉紙を一枚ずつ確実に分離して送り出すことが可能な枚葉紙の給紙装置及び給紙方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロール状に巻き取られた巻取紙は、印刷工程において凹版印刷やオフセット印刷等によって同一図柄が施され、図柄が施された後、再びロール状に巻き取られる。図柄が施された巻取紙は、定寸に断裁されて枚葉紙となり、断裁された枚葉紙は多層上に複数枚重ねられ積層枚葉紙となる。その後、積層枚葉紙は、検査工程や所定の処理工程を通るために、一枚ずつ分離されて次工程へ給紙される。
【0003】
しかし、積層枚葉紙を一枚ずつ分離させて給紙する際に、最上部の紙が二枚目の紙と吸着した状態で重送され給紙不良を起こす場合があった。現在まで、このような給紙不良の発生を防止するために、積層枚葉紙の側面等からエアを供給することによって枚葉紙を一枚ずつ分離し給紙する工夫が成されている。
【0004】
例えば、積層枚葉紙を取り出すための取り出しロール近傍に、エアを吹き込むためのさばきブロックを設置し、積層枚葉紙の側面からエアを吹き込んで各枚葉紙の間に空気層を作り、積層枚葉紙を一枚ずつ分離して給紙する工夫が成されている。さばきブロックには、エアを吹き出すためのエア吹き出し孔が複数設けられており、特に、さばきブロックの上部に多くのエア吹き出し孔が存するように設計し、枚葉紙を給紙する寸前に多くのエアを吹き出せるような仕組みとしている。
【0005】
例えば、給紙ロールによりシート送り出し方向に対して側面の一端部からシートに空気を吹き込むための空気吹き込み手段と、給紙ロールにより送り出されるシートの後端近傍に配置され、空気吹き込み手段から吹き込まれた空気を一端部に対向する他端部までシート間にて貫通させるためのシート押さえ部材とを設けた給紙装置が開示されている。これは、シートの端面に吹き込まれる空気流によってシートが浮揚し、シート間に空気が入ることにより、シート間の結合力を弱め、シートを捌く仕組みである。 そして、シート押さえ部材が積載シート上に配置されていることで、一端よりシート間に入り込んだ空気は、対向する他の一端までシート間を貫通し、更に確実にシート間を分離することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、送り出し方向の側方から積層されたシートにおける上部に空気を送り込む排風口を設け、送り出し方向における排風口の位置と給紙ローラの位置との間であって、給紙ローラからシートの送り出し方向に対して給紙ローラと異なる位置にシートの浮き上がり量を抑制するための浮揚抑制部材を、浮揚していない状態のシート上面から離間するように設けた給紙装置が開示されている。これは、積層シートの上部数枚を給紙ローラの手前で各シート間に隙間ができた状態で浮揚させることができ、密着力の高いシートでも一枚ずつ分離することができるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、積載用紙の側縁近傍に、積載用紙に対するエアを遮断するエア遮断手段を設けて、エアに対して積載用紙を遮断する領域と遮断しない領域との境界の形成されたエア流路を形成し、エア遮断手段を積載用紙の側面に対して上から下に順次移動させることによりエア流路の境界を積載用紙に対して順次移動させ積載用紙の用紙間に順次エアを流れ込ませて用紙間の密着を解くことが可能な給紙装置が開示されている。これは、用紙間に順次にエアを流れ込ませ、用紙間に新たなエア流路が順次に形成され、多くの用紙間に新たなエア流路が一度に形成される場合に比べ、順次形成するエア流路に大量のエアが流入することになり、用紙間の密着を確実に解くことができるものである(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2890674号公報
【特許文献2】特許第3592275号公報
【特許文献3】特許第3889137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、給紙装置において、最上部の枚葉紙が常に水平状態を保ち続けることは難しく、最上部の枚葉紙が傾斜している場合、例えば、搬送方向へ傾いている場合は、通常時よりも最上部に位置する枚葉紙の先端位置が下がっていることで取り出す直前にエアが入りにくくなり、シートの重送等といった給紙不良が発生しやすくなるという課題は残されていた。
【0010】
上述した特許文献1乃至特許文献3においても、用紙間の密着を解いてシートの重送を防止するための工夫はされている。しかし、積層された枚葉紙が傾斜して最上部の枚葉紙が水平でない場合の対策が十分に施されておらず、シートの重送等の給紙不良が発生しやすくなるという課題は残存しており、少なからず改善の余地があった。
【0011】
特に凹版印刷を施した枚葉紙の場合、シートへのインキが凸状に盛られていることから、凹版印刷部分とそれ以外の部分とでは、枚葉紙を積層した際に高低差が生じて波打った状態となり、積層枚葉紙が一枚ずつ分離されず給紙不良が生じるといった問題が発生していた。
【0012】
本発明は、前述した課題の解決を目的とするものであり、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するための傾斜検出センサと、積層枚葉紙の間にエアを吹き込むためのさばきブロックを上下方向に昇降させる昇降装置を設け、最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、さばきブロックの位置を昇降装置の昇降量で制御することが可能な枚葉紙の給紙装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明における枚葉紙の給紙装置は、リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、積層枚葉紙を取り出しローラにより給紙する枚葉紙給紙装置において、枚葉紙給紙装置は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、リフターの昇降を制御するためのリフター制御部と、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するためのさばきブロック制御部を有し、リフター制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出するため、リフターの上方部に、少なくとも一個設置された高さ検出手段と、高さ検出手段によって検出された検出値と基準となる数値を比較し、その結果を基にリフターの昇降量を算出する高さ制御手段と、算出した昇降量を基にリフターを昇降させる高さ調整手段を有し、さばきブロック制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するため、リフターの上方部に、枚葉紙の四隅と対応する位置に少なくとも一個ずつ設置された傾斜検出手段と、傾斜検出手段によって検出された検出値同士を比較し、その結果を基にさばきブロックの昇降量を算出する傾斜制御手段と、算出した昇降量を基にさばきブロックを昇降させる傾斜調整手段を有することを特徴とする。
【0014】
本発明における枚葉紙の給紙装置は、高さ調整手段を、枚葉紙の幅方向に対して中央、かつ、搬送方向に対して中央より前方の位置に設置していることを特徴とする。
【0015】
本発明における枚葉紙の給紙方法は、リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、積層枚葉紙の側面からエアを吹き付け、積層枚葉紙を一枚ずつ分離して取り出しローラにより搬送路に給紙する枚葉紙の給紙方法において、小切れ給紙方法は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、リフターの昇降を制御するリフター制御工程と、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するさばきブロック制御工程を有し、リフター制御工程は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出する高さ検出手段により検出した検出値と、あらかじめ記憶してある基準となる数値とを比較し、その結果を基にリフターの昇降量を算出し、高さ制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータの回転によりリフターを上昇又は下降させる。また、さばき制御方法は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを、少なくとも枚葉紙における四隅にて検出し、検出した少なくとも四隅の検出値を基に、検出値同士を比較し、比較した結果を基にさばきブロックの昇降量を算出し、傾斜制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータを回転させさばきブロックを上昇又は下降させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
積層された枚葉紙が傾斜して最上部の枚葉紙が水平でない場合でも、その傾斜に応じてさばきブロックの位置が昇降により適正に制御されるため、積層枚葉紙の間に略均等にエアを吹き込むことが可能となり、安定した給紙が実施できる。特に凹版印刷を施した枚葉紙において積層した枚葉紙が波打った状態になった場合においても、さばきブロックの位置が適正に制御されることから問題なく、シートの適正な給紙が連続的に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明における枚葉紙給紙装置の概略図を示す。
【図2】本発明におけるリフター制御部のブロック構成を示す
【図3】本発明における枚葉紙給紙装置の高さ検出センサの概略図を示す。
【図4】本発明における枚葉紙給紙装置の取り出しロールの概略図を示す。
【図5】本発明における枚葉紙給紙装置の取り出し動作図を示す。
【図6】本発明におけるさばきブロック制御部のブロック構成を示す
【図7】(a)は、本発明における枚葉紙給紙装置の傾斜検出センサの平面図を示し、(b)及び(c)は、さばきブロックの高さ算出方法をそれぞれ示す。
【図8】(a)は、図柄が施された枚葉紙の一例を示し、(b)は、その断面を示し、(c)は、枚葉紙給紙装置のさばきブロックの正面図を示す。
【図9】本発明における枚葉紙給紙装置のさばきブロックの正面図を示す。
【図10】本発明におけるリフター制御のフロー図を示す。
【図11】本発明におけるさばきブロック制御のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
【0019】
図1は、本発明における枚葉紙給紙装置の正面図を示す。枚葉紙給紙装置は、リフター(1)、取り出しロール(2)及び搬送路(6)を有しており、更に、本発明の特徴であるリフター制御部及びさばきブロック制御部を有している。リフター制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、リフターの昇降を制御するための制御部であり、さばきブロック制御部は、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、さばきブロックの昇降を制御するための制御部である。
【0020】
なお、本発明における「枚葉紙」とは、一枚単位の紙、折り丁又は折り畳み品のことであり、さらには同じ模様の印刷物を複数印刷された枚葉紙を定寸に断裁されて小切れ券となったものも「枚葉紙」に含む。また、本発明における「積層枚葉紙」とは、枚葉紙を複数枚積層した状態の枚葉紙全体のことであり、「枚葉紙の給紙位置」とは、最上部の枚葉紙を給紙する高さのことである。
【0021】
まず、図2を参照してリフター制御部について説明し、それぞれの詳細な説明については、図1を参照して説明する。
【0022】
リフター制御部は、高さ検出手段と高さ制御手段と高さ調整手段を有し、また、さばきブロック制御部は、傾斜検出手段と傾斜制御手段と傾斜調整手段を有している。
【0023】
リフター(1)上には、枚葉紙を複数枚積層した積層枚葉紙(P)が積載されており、リフター(1)の先端側上方部に設けられている取り出しロール(2)により、積層枚葉紙(P)の最上部の枚葉紙(P1)を取り出し、搬送路(6)に搬送される。同時に、取り出しロール(2)により積層枚葉紙(P)の最上部から二枚目の枚葉紙(P2)を取り出し、搬送路(6)に搬送される。この動作は、リフター(1)上から取り出しロール(2)により積層枚葉紙(P)がすべて取り出されるまで繰り返される構成となっている。
【0024】
枚葉紙給紙装置の稼働中、積層枚葉紙(P)の枚葉紙が、取り出しロール(2)によって一枚ずつ取り出されるのと同期して、リフター(1)が駆動モータの正回転により上昇し、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)が、取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置に保持されるようになっている。
【0025】
リフター制御部における高さ検出手段は、積層枚葉紙(P)の最上部の枚葉紙(P1)の高さを検出するための手段であり、リフター(1)の上方部に設置されている。高さ検出手段とは、例えば、高さ検出センサ(9)のことであり、光学的センサや接触式センサなど、用いるセンサの種類には限定されない。
【0026】
また、高さ検出センサ(9)による検出値は、例えば、積層枚葉紙における最上部の枚葉紙と、高さ検出センサ(9)との接触圧から間接的に検出する値である。
【0027】
図3に、高さ検出センサ(9)の概略図を示す。図3(a)に示すように、高さ検出センサ(9)は、枚葉紙を上から見たときに、枚葉紙の幅方向に対して中央、搬送方向に対して中央より前方の位置に少なくとも一個設置されている。
【0028】
なお、高さ検出センサ(9)を設置する個数が一個の場合、高さ検出センサ(9)は、取り出しロール(2)の幅方向に対して中央の位置に設置すると前述したが、取り出しロール(2)における延長線(図3(a)の図面中の二重線で示す線)上の範囲内であれば、中央から多少ずれていても構わない。
【0029】
ただし、実作業において、高さ検出センサ(9)を設置する位置が、枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央ではなく、枚葉紙(P1)の幅方向に対して片方寄りに設置した場合、積層枚葉紙(P)が幅方向に傾斜すると、最上部の枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央部が取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置から外れることになってしまう。よって、最適な検出値(接触圧)を得るため、取り出しロール(2)の幅方向に対して中央の位置に配置することが望ましい。
【0030】
また、高さ検出センサ(9)を設置する個数が一個の場合、高さ検出センサ(9)は、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方の位置に設置すると前述したが、これは、高さ検出センサ(9)を設置する位置が、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方ではなく、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より後方に設置した場合、積層枚葉紙(P)が搬送方向に傾斜すると、最上部の枚葉紙(P1)の搬送方向に対して前方部が取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置から外れることになるためである。なお、搬送方向に対して中央より前方の位置で、その中でも取り出しロール(2)により近い位置に設置される方が好ましい。これは、取り出しロール(2)によって取り出される直前の接触圧の検出が可能であり、そのため最適な位置に制御可能となるためである。
【0031】
そのため、高さ検出センサ(9)は、設置する個数が一個の場合、前述したとおり枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方の位置に設置する。
【0032】
また、高さ検出センサ(9)を設置する個数に関しては、少なくとも一個としたが、複数設置する場合の設置する位置は適宜決定する。例えば、図3(b)に示すように、高さ検出センサ(9)を二個設置する場合、枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央から均等距離だけ離れた両端であって、かつ、枚葉紙(P1)の搬送方向に対して中央より前方の位置に設置する。
【0033】
ただし、二個の高さ検出センサ(9)を枚葉紙(P1)の幅方向に対して中央から均等距離だけ離す場合についても、前述した一個の場合と同様、あくまでも、取り出しロール(2)の延長線上の範囲内に設置する。これは、取り出しロール(2)の両端から高さ検出センサ(9)が外れた場合、正確な接触圧が測定できないためである。
【0034】
これまで説明してきた設置態様において、枚葉紙(P1)の幅方向に対する先端部の高さが異なる場合は、二個の高さ検出センサ(9)の検出値が異なる。そのため、検出された二個の検出値の平均から算出することによって、リフター(1)の昇降を制御する。
【0035】
リフター制御部における高さ制御手段は、高さ検出センサ(9)によって積層枚葉紙(P)の上面部との接触圧が検出された後、検出された接触圧と、あらかじめ設定してある基準となる数値(接触圧)とを比較する手段である。
【0036】
リフター制御部における高さ調整手段は、前述した高さ制御手段により比較した結果をもとに、リフター(1)の昇降を行う手段である。高さ制御手段により比較した結果、基準となる接触圧よりも低い場合はリフター(1)を上昇させ、逆に基準となる接触圧よりも高い場合はリフター(1)を下降させる。なお、この作業は基準となる接触圧と同じ値になるまで繰り返す。
【0037】
以上のように、リフター制御部によって、積層枚葉紙(P)の上面部が、高さ検出センサ(9)と接触したときの接触圧を一定に保つように、リフター(1)の昇降が制御され、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)が、取り出しロール(2)に取り出されるための最適な位置に保たれる。
【0038】
図4に、取り出しロール(2)の概略図を示す。取り出しロール(2)は、取り出しブロック(12)と、取り出しブロック(12)の外周面に取り付けられた回転ロール(13)を有している。取り出しブロック(12)には、真空チャンバー(14)が取設されており、回転ロール(13)の一部には、真空チャンバー(14)と繋がる吸着孔(15)が設けられている。
【0039】
枚葉紙給紙装置の稼働中、常に回転ロール(13)は取り出しブロック(12)の周囲を回転しており、吸着孔(15)が真空チャンバー(14)と繋がる位置にまで回転ロール(13)が回転すると吸着孔(15)に負圧が発生し、図6に示すように、枚葉紙(P1)が吸着され、回転ロール(13)の回転により取り出される。
【0040】
また、リフター(1)の先端側には、先端壁(3)、二枚取出防止ブロック(4)及びさばきブロック(5)が設置されている。
【0041】
先端壁(3)は、リフター(1)に対して垂直に設置される。枚葉紙給紙装置の稼働中、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)が取り出しロール(2)によって一枚ずつ取り出され、搬送路(6)へ搬送させる際、積層枚葉紙(P)における最上部から二枚目の枚葉紙(P2)より下に積層されている枚葉紙に対し、搬送方向に力が働き、二枚目の枚葉紙(P2)より下に積層されている枚葉紙が、積層枚葉紙(P)から飛び出てしまうことがある。そのため、リフター(1)の先端部に先端壁(3)を設け、取り出しロール(2)によって取り出される前の積層枚葉紙(P)が、搬送方向に飛び出すことを抑制している。
【0042】
二枚取出防止ブロック(4)は、先端壁(3)の上部に固定され、二枚取出防止ブロック(4)の先端部が積層枚葉紙(P)より高い所に位置される形で固定されている。二枚取出防止ブロック(4)は、従前の装置にも設置されているが、後述するさばきブロック(5)と同様、取り出しロール(2)によって取り出される積層枚葉紙(P)が、二枚同時に取り出されることを防ぐために設けられており、一枚ずつ搬送路(6)へ送り出す役割を担っている。二枚取出防止ブロック(4)の上面部には、図示しない複数のエア吸着孔が設置されており、取り出しロール(2)が枚葉紙を二枚同時に取り出した際には、二枚取出防止ブロック(4)が二枚目の枚葉紙(P2)を吸着することで、二枚同時に取り出すことを抑制している。
【0043】
さばきブロック(5)は、二枚取出防止ブロック(4)の役割同様、取り出しロール(2)によって取り出される積層枚葉紙(P)が、二枚同時に取り出されることを防ぐために設けられており、一枚ずつ搬送路(6)へ送り出す役割を担っている。前述した二枚取出防止ブロック(4)とさばきブロック(5)は、積層枚葉紙(P)が二枚同時に取り出されることを重畳して抑制するものである。
【0044】
図1及び図3に示すように、さばきブロック(5)は、積層枚葉紙(P)の上層側、かつ、積層枚葉紙(P)の幅方向に対して両端の近傍に少なくとも二個設置する必要があり、その場合は、枚葉紙(P1)の搬送方向中央より前方に設置されている。
【0045】
なお、さばきブロック(5)を設置する個数に関しては、前述した位置に少なくとも二個設置すればよいが、例えば、さばきブロック(5)を四個設置する場合、四個のうちの二個は、前述した積層枚葉紙(P)の上方、かつ、枚葉紙(P1)の搬送方向中央より前方に設置する必要があるが、他の二個の配置位置については、積層枚葉紙(P)の上方、かつ、積層枚葉紙(P)の幅方向に対して両端であればよく、枚葉紙(P1)の搬送方向に対する位置は限定されない。さばきブロック(5)を四個設置する場合の設置位置の一例を、図3(a)の点線のさばきブロック(5)で示す。
【0046】
また、さばきブロック(5)は、図6に示すように、搬送方向に対して垂直方向に上昇又は下降が可能なように設置してある。さばきブロック(5)の上昇又は下降については後述する。
【0047】
次に、図5を参照して、さばきブロック制御部について説明する。
【0048】
前述したとおり、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)を取り出しロール(2)によって一枚ずつ取り出す際、最上部の枚葉紙(P1)の搬送方向における先端部が傾斜している場合、取り出す直前にエアが入りにくくなり、同時に二枚取り出し等の給紙不良が発生する。
【0049】
さばき制御部は、そのような問題を解決するため、最上部の枚葉紙(P1)が傾斜している場合においても均一にエアが供給できるように、さばきブロックの高さ位置を制御するところである。
【0050】
さばき制御部における傾斜検出手段は、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の傾斜を検出するための手段であり、リフター(1)の上方部に設置されている。傾斜検出手段とは、例えば、傾斜検出センサ(10)のことであり、光学的センサや接触式センサなどでもよく、特にセンサの種類は限定されない。
【0051】
また、傾斜検出センサによる検出値は、最上部の枚葉紙(P1)からの反射距離又は反射時間から算出される。
【0052】
図7(a)に、傾斜検出センサ(10)の平面図を示す。傾斜検出センサ(10)は、枚葉紙(P1)を上から観察したときに、積層枚葉紙(P1)の四隅に少なくとも一個ずつ設置されている。積層枚葉紙(P1)の四隅をそれぞれ傾斜検出センサ(10a、10b、10c、10d)にて検出し、積層枚葉紙(P1)の四隅の高さとしている。
【0053】
さばき制御部における傾斜制御手段は、傾斜検出センサ(10)によって検出した反射距離によって、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の昇降量を算出する手段である。
【0054】
さばき制御部における傾斜調整手段は、前述した傾斜制御手段から算出した昇降量をもとに、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の昇降を行う手段である。昇降量に基づく、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の昇降動作については後述する。
【0055】
以上のように、さばき制御部によって、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の傾斜を検出するための傾斜検出センサ(10)の検出値(反射距離)により、エアを送るためのさばきブロックの高さ位置が制御され、最上部の枚葉紙(P1)が傾斜している場合でも均一にエアが供給できるようになる。
【0056】
次に、積層枚葉紙(P)の四隅に少なくとも一個ずつ傾斜検出センサ(10a、10b、10c、10d)が設置されている場合における、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)の動作例を説明する。
【0057】
例1として、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)にて測定した検出値が、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より低い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより低い場合は、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)を所定量だけ下降させる。
【0058】
例2として、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)にて測定した検出値が、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より高い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10b)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、一方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより高い場合は、一方のさばきブロック(5a)及び他方のさばきブロック(5b)を所定量だけ上昇させる。
【0059】
例3として、一方の傾斜検出センサ(10a)にて測定した検出値が、他方の傾斜検出センサ(10b)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より高い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10a)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、他方の傾斜検出センサ(10b)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより高い場合は、一方のさばきブロック(5a)を所定量だけ上昇させる。
【0060】
例4として、一方の傾斜検出センサ(10b)にて測定した検出値が、他方の傾斜検出センサ(10a)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)にて測定した検出値より低い場合、つまり、一方の傾斜検出センサ(10b)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さが、他方の傾斜検出センサ(10a)、他方の傾斜検出センサ(10c)及び他方の傾斜検出センサ(10d)の位置に当たる積層枚葉紙(P1)の隅の高さより低い場合は、一方のさばきブロック(5b)を所定量だけ下降させる。
【0061】
さばきブロック(5a、5b)を所定量だけ上昇させたり下降させたりする昇降量に関しては、各傾斜検出センサによって検出した検出値(反射距離)によって算出され、その結果に基づいて昇降量、つまり、さばきブロック(5a、5b)の高さが決定される。次に、さばきブロック(5a、5b)の高さの算出方法について説明する。
【0062】
図7(b)及び図7(c)に、算出方法を示す模式図を示す。一例として、図7(a)に示す枚葉紙(P1)における搬送方向の傾斜を算出し、さばきブロック(5a)の高さを算出する例について説明する。搬送方向の傾斜を算出するため、用いる検出値(反射距離)は、一方の傾斜検出センサ(10a)及び他方の傾斜検出センサ(10d)である。また、さばきブロック(5a)の搬送方向における位置は、枚葉紙(P1)の紙尻から距離「X」を離した距離とした場合の、さばきブロック(5a)の高さ(Y)を算出する。
【0063】
傾斜検出センサ(10a)にて検出した反射距離(A)から傾斜検出センサ(10b)にて検出した反射距離(B)を減算することで、枚葉紙(P1)における紙尻と紙頭との高さの差(L1)が求められる「L1=A−B」。
【0064】
次に、枚葉紙(P1)における紙尻と紙頭の傾斜角度(Θ)は、枚葉紙(P1)における紙尻と紙頭の高さの差(L1)を枚葉紙(P1)における搬送方向の長さで除算することで求められる「tanΘ=L1/L=(A−B)/L」。
【0065】
同じ角度(tanΘ)を有する三角形から、さばきブロック(5a)の高さ(Y)に関しては、「tanΘ=Y/X」で求められ、この式を変換すると、「Y=X*tanΘ」、つまり、さばきブロック(5a)の高さ(Y)は、「Y=X*(A−B)/L」で求められる。
【0066】
また、枚葉紙(P1)における幅方向の傾斜を算出し、さばきブロックの高さを算出する方法についても同様、前述した式により求められる。つまり、さばきブロック(5a)の高さに関しては、傾斜検出センサ(10a、10b、10d)により算出され、さばきブロック(5b)に関しては、傾斜検出センサ(10b、10c、10d)により算出される。
【0067】
なお、傾斜検出センサ(10)を設置する個数に関しては、積層枚葉紙(P)の四隅に少なくとも一個としたが、これに限定される必要はなく複数個設置してもよい。複数個設置する場合は、枚葉紙の図柄に応じて設置することが可能であり、その場合の一例を次に説明する。
【0068】
図8(a)、図8(b)及び図8(c)に、傾斜検出センサ(10)を図柄に応じて設置した場合の一例を示す。図8(a)は、図柄が形成された枚葉紙(P1)の一例であり、枚葉紙(P1)の右上に位置する第1凹版印刷部分と左下に位置する第2の凹版印刷部分に「1000」という数字が凹版印刷にて施されている。この場合におけるX−X’断面を図8(b)に示す。凹版印刷が施されている部分と、それ以外の部分とでは高さの差が生じ、当然、枚葉紙(P1)が積層されると、凹版部分に相当する箇所のみ、その他の部分に比べて大きな傾斜を有することになる。
【0069】
その際、図8(c)に示すように、傾斜検出センサ(10a、10a’、10b、10c、10c’、10d)を設置する。前述したように、凹版印刷部分とそれ以外の部分とでは高さの差が生じることから、第1凹版印刷部分に対応した位置に傾斜検出センサ(10a’)を設置するとともに、それに近接した位置に傾斜検出センサ(10a)を設置する。それぞれの傾斜検出センサ(10a、10a’)にて検出した後、一方の傾斜検出センサ(10a)の検出値(反射距離)と他方の傾斜検出センサ(10a’)の検出値(反射距離)の平均値を、検出した位置に対応する積層枚葉紙(P1)の隅の高さとする。
【0070】
同様に、第2凹版印刷部分に対応した位置に傾斜検出センサ(10c’)を設置するとともに、それに近接した位置に傾斜検出センサ(10c)を設置する。それぞれの傾斜検出センサ(10c、10c’)にて検出した後、一方の傾斜検出センサ(10c)の検出値(反射距離)と他方の傾斜検出センサ(10c’)の検出値(反射距離)の平均値を、検出した位置に対応する積層枚葉紙(P1)の隅の高さとする。
【0071】
図9に、さばきブロック(5)の正面図を示す。さばきブロック(5)は、複数のエア吹き出し孔(11)が設けられている。複数のエア吹き出し孔(11)から積層枚葉紙(P)に対してエアを供給することによって、積層枚葉紙(P)の最上部の枚葉紙(P1)だけが取り出しロール(2)に取り出される。
【0072】
図10に、リフター(1)制御のフロー図を示す。
【0073】
まず、高さ検出手段により、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の高さを検出し、これを検出値とする(STEP1)。高さ検出手段としては高さ検出センサを用い、検出値としては高さ検出センサと最上部の枚葉紙(P1)との接触圧とする。
【0074】
次に、高さ検出手段により検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある基準となる接触圧とを比較する(STEP2)。比較した結果、検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある基準となる接触圧が等しい場合はSTEP1に戻る。比較した結果、検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある基準となる接触圧が異なる場合は、リフターの昇降量を算出する(STEP3)。リフターの昇降量は、検出した接触圧と、あらかじめ記憶してある接触圧との差異を求めることで算出する。
【0075】
次に、高さ調整手段により、高さ制御手段で算出した昇降量をもとに、駆動モータを回転させリフターを上昇させる(STEP4)。
【0076】
リフターを上昇させた後、接触圧があらかじめ記憶してある基準接触圧になったかどうかを比較し(STEP5)、基準接触圧となるまでリフターの上昇を続け、基準接触圧となった時点でリフターの上昇を停止させる(STEP6)。そして、再び、接触圧の検出を行う(STEP1)。
【0077】
図11に、さばきブロック(5)制御のフロー図を示す。
【0078】
まず、傾斜検出手段により、積層枚葉紙(P)における最上部の枚葉紙(P1)の傾斜を検出し、これを検出値とする(STEP1)。検出する箇所は、枚葉紙の四隅とし、傾斜検出手段としては傾斜検出センサを用い、検出値としては最上部の枚葉紙(P1)からの反射光が傾斜検出センサに戻ってくるまでの反射距離とする。
【0079】
次に、傾斜制御手段により、傾斜検出手段から検出した四つの反射距離をもとに、反射距離同士を比較していき、どの箇所の反射距離がどれだけ他の部分と異なるかを比較する(STEP2)。比較した結果、すべて等しい場合はSTEP1に戻る。比較した結果、異なる場合は、さばきブロックの昇降量を算出する(STEP3)。さばきブロックの昇降量、つまり、さばきブロックの高さは、図7の説明において前述した算出方法によって求められる。
【0080】
次に、傾斜調整手段により、傾斜制御手段にて算出した昇降量をもとに、駆動モータを回転させ、さばきブロックを上昇又は下降させる(STEP4)。
【0081】
算出した量だけさばきブロックを上昇又は下降させた後、さばきブロックの昇降を停止させる(STEP5)。そして、再び、反射距離の検出を行う(STEP1)。
【0082】
ここまで実施例をいくつか説明してきたが、当然のことながら各種検出センサが故障した場合において、給紙装置における各種動作を停止させるなどの安全対策機能や装置故障防止機能を付帯させる場合もある。
【符号の説明】
【0083】
1 リフター
2 取り出しロール
3 先端壁
4 二枚(重送)取出防止ブロック
5、5a、5b さばきブロック
6 搬送路
7 ロール
8 搬送ベルト
9 高さ検出センサ
10、10a、10a’、10b、10b’、10c、10c’、10d、10d’ 傾斜検出センサ
11 エア吹き出し孔
12 取り出しブロック
13 回転ロール
14 真空チャンバー
15 吸着孔
16 計数カウンタ
P 積層枚葉紙
P1 最上部の枚葉紙
P2 最上部から二枚目の枚葉紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、前記積層枚葉紙を取り出しローラにより給紙する枚葉紙の給紙装置において、前記枚葉紙の給紙装置は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、前記リフターの昇降を制御するためのリフター制御部と、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するためのさばきブロック制御部を有し、前記リフター制御部は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出するため、前記リフターの上方部に、少なくとも一個設置された高さ検出手段と、前記高さ検出手段によって検出された検出値と基準となる数値を比較し、その結果を基にリフターの昇降量を算出する高さ制御手段と、前記高さ制御手段によって算出した昇降量を基にリフターを昇降させる高さ調整手段を有し、前記さばきブロック制御部は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するため、前記リフターの上方部に、枚葉紙の四隅と対応する位置に少なくとも一個ずつ設置された傾斜検出手段と、前記傾斜検出手段によって検出された検出値同士を比較し、その結果を基に前記さばきブロックの昇降量を算出する傾斜制御手段と、前記傾斜制御手段によって算出した昇降量を基に前記さばきブロックを昇降させる傾斜調整手段を有することを特徴とする枚葉紙の給紙装置。
【請求項2】
前記高さ検出手段は、枚葉紙の幅方向に対して中央、かつ、搬送方向に対して中央より前方の位置に設置されることを特徴とする請求項1記載の枚葉紙の給紙装置。
【請求項3】
リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、前記積層枚葉紙の側面からエアを吹き付け、前記積層枚葉紙を一枚ずつ分離して取り出しローラにより搬送路に給紙する枚葉紙の給紙方法において、前記枚葉紙の給紙方法は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、前記リフターの昇降を制御するリフター制御工程と、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するさばきブロック制御工程を有し、前記リフター制御工程は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出する高さ検出手段により検出した検出値と、あらかじめ記憶してある基準となる数値とを比較し、その結果をもとに前記リフターの昇降量を算出し、前記高さ制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータの回転により前記リフターを上昇又は下降させ、前記さばき制御工程は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを、少なくとも前記枚葉紙における四隅にて検出し、検出した少なくとも四隅の検出値をもとに、前記検出値同士を比較し、前記比較した結果を基に前記さばきブロックの昇降量を算出し、前記傾斜制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータを回転させ前記さばきブロックを上昇又は下降させることを特徴とする枚葉紙の給紙方法。
【請求項1】
リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、前記積層枚葉紙を取り出しローラにより給紙する枚葉紙の給紙装置において、前記枚葉紙の給紙装置は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、前記リフターの昇降を制御するためのリフター制御部と、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するためのさばきブロック制御部を有し、前記リフター制御部は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出するため、前記リフターの上方部に、少なくとも一個設置された高さ検出手段と、前記高さ検出手段によって検出された検出値と基準となる数値を比較し、その結果を基にリフターの昇降量を算出する高さ制御手段と、前記高さ制御手段によって算出した昇降量を基にリフターを昇降させる高さ調整手段を有し、前記さばきブロック制御部は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜を検出するため、前記リフターの上方部に、枚葉紙の四隅と対応する位置に少なくとも一個ずつ設置された傾斜検出手段と、前記傾斜検出手段によって検出された検出値同士を比較し、その結果を基に前記さばきブロックの昇降量を算出する傾斜制御手段と、前記傾斜制御手段によって算出した昇降量を基に前記さばきブロックを昇降させる傾斜調整手段を有することを特徴とする枚葉紙の給紙装置。
【請求項2】
前記高さ検出手段は、枚葉紙の幅方向に対して中央、かつ、搬送方向に対して中央より前方の位置に設置されることを特徴とする請求項1記載の枚葉紙の給紙装置。
【請求項3】
リフター上に積載された積層枚葉紙に対し、前記積層枚葉紙の側面からエアを吹き付け、前記積層枚葉紙を一枚ずつ分離して取り出しローラにより搬送路に給紙する枚葉紙の給紙方法において、前記枚葉紙の給紙方法は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の給紙位置に応じて、前記リフターの昇降を制御するリフター制御工程と、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の傾斜に応じて、枚葉紙をさばく機能を有するさばきブロックの昇降を制御するさばきブロック制御工程を有し、前記リフター制御工程は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを検出する高さ検出手段により検出した検出値と、あらかじめ記憶してある基準となる数値とを比較し、その結果をもとに前記リフターの昇降量を算出し、前記高さ制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータの回転により前記リフターを上昇又は下降させ、前記さばき制御工程は、前記積層枚葉紙における最上部の枚葉紙の高さを、少なくとも前記枚葉紙における四隅にて検出し、検出した少なくとも四隅の検出値をもとに、前記検出値同士を比較し、前記比較した結果を基に前記さばきブロックの昇降量を算出し、前記傾斜制御手段で算出した昇降量を基に、駆動モータを回転させ前記さばきブロックを上昇又は下降させることを特徴とする枚葉紙の給紙方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−219255(P2011−219255A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92798(P2010−92798)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】
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