説明

果実形状測定装置

【課題】 果実は、平核無柿のように平面視で正方形に近い形態のものが上級品とされ、円形に近いものは異形品とされる。そこで、この果実の四角度合を測定する果実形状測定装置、乃至、柿等の果実選別の選別センサとするものである。
【解決手段】 果実の撮像画1と、この撮像位置に果実の基準型として重合設定する基準画2との各中心位置3を致心させた状態で、この基準画2を中心位置3の周りに移動させながら、この基準画2の外周に食み出す食出撮像画部分4の面積を各移動撮影位置毎に算出して、この各食出撮像画部分4の面積のうち最小面積値に基づいて、この果実の変形度合とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、果実の変形度合を測定する果実形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果実の平面形状として撮像する撮像画上面に、基準形状となる基準画を重合させて、この基準画の外周部における撮像画の食出部の形態を求めて、果実の変形度合とする技術(例えば、特許文献1参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10ー78312号公報(第1頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
果実は、平核無柿のように平面視で正方形に近い形態のものが上級品とされ、円形に近いものは異形品とされる。そこで、この果実の四角度合を測定する果実形状測定装置、乃至、柿等の果実選別の選別センサとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、果実の撮像画1と、この撮像位置に果実の基準型として重合設定する基準画2との各中心位置3を致心させた状態で、この基準画2を中心位置3の周りに移動させながら、この基準画2の外周に食み出す食出撮像画部分4の面積を各移動撮影位置毎に算出して、この各食出撮像画部分4の面積のうち最小面積値に基づいて、この果実の変形度合とすることを特徴とする果実形状測定装置の構成とする。
【0006】
果実の平面形状をカメラによって測定することにより、この測定した撮像画1の中心位置3に、予め設定されているカメラ側の基準画2の中心位置3を重合させる。この基準画2を一定角度毎に中心位置3の周りに移動させながら各移動位相位置における重合状態の撮影により、この撮像画1と基準画2の重合形態からこの基準画2の外周に食み出した食出撮像画部分4の面積を算出する。この食出撮像画部分4の面積が基準画2の各移動位置毎に算出されるため、この各位相位置において算出された面積値のうち最も小さい最小面積値を、この測定を受けた果実の変形度合(乃至変形度値)とするものである。そして、果実の選別を行うときは、この変形度合の大小の領域を所定幅に決めることによって選別基準として設定することができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、果実の形状の判定の基準となる基準画2を果実の中心位置の周りに回動移動させながら、各移動位置の食出撮像画部分4の面積値を算出して、この各面積値の最も小さい最小面積を果実の変形度合とするものであるら、果実の形状、搬送供給姿勢等に拘らず正確で、安定した変形度合の測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】果実変形度合測定制御のフローチャート。
【図2】カメラの測定基準画と、果実の平面図。
【図3】果実変形度合測定装置の側面図。
【図4】選別果実を収容するダンボールケースのマーキングの平面図。
【図5】その認識穴の形状を示す拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面に基づいて、果実(平核無柿)を載せて搬送するコンベア5、乃至受皿の上側にカメラ6を設置して、このコンベア5によって搬入される果実Wを上方から撮影して、この果実Wの平面視撮像画1を撮るものである。この撮影時において、撮像画1から果実Wの変形度合を測定することができる。カメラ6による撮像画1部分には、果実Wの基準形状となる四角形状の基準画2が同時撮影できるように構成されていて、この基準画2が果実Wの撮像画1と重合して撮影される。そして、これら重合する部分の果実W部は撮影されないで、この基準画2の外周部に食み出す果実部分が撮影される構成である。
【0010】
前記コンベア5上面には、果実Wを測定位置7に正確に送込案内する案内機構を設けて、測定位置7に位置する果実Wが、カメラ6によって撮影される姿勢に置かれるように構成している。このとき果実Wの中心位置3がカメラ6の基準画Wの中心位置3上に略一致するように案内される。このようにしてコンベア5の測定位置7に位置される果実Wをカメラ6によって直上から平面的に撮影して、上下に重合する撮像画1と基準画2を撮影して、この基準画2の外周に食み出す食出撮像画部分4の面積値を算出させるものである。この果実Wの撮影においては、例えば、基準画2を撮影間隔毎に中心位置3の周りに90度×1/4毎に回動位相位置A〜Eを順次変えて撮影するような形態として、これら各回動位相位置A〜Eにおいて各々食出撮像画部分4の面積値を算出させる。図1の例では、これら各回動位相位置A〜Eで算出した各面積値のうち、基準画2全周が撮像画1の輪郭内に位置する回動位相位置Aが、最小の食出撮像画部分4の面積値となるから、この面積値をこの果実Wの変形度値(乃至、変形度合)とするものである。
【0011】
このような各搬送の果実W毎に変形度が測定されて、コントローラに記憶される。そして、果実Wが選別装置部に搬送されることによって、このコントローラからの出力により所定の選別領域に設定されている変形度基準領域に基づいて選別される。
【0012】
前記基準画2は、カメラ6で撮影する毎に回動位相位置A〜Eを順次変更するが、このとき、カメラ6自体を中心位置3(撮影方向に沿う中心軸芯)周りに間歇的に回動させたり、又は、このカメラ6に対して果実Wを受ける受皿を間歇的に回動させる形態とするもよい。更には、これら基準画2や、カメラ6、又は果実W等を回動させないで、カメラ6内部固定位置に、各位相位置A〜E毎の基準画2を設定しておき、撮影と同時に各位相位置A〜E毎の各基準画2を写して、これら各位相位置A〜E毎の食出撮像蛾部分4の面積を同時に算出する形態とする形態とするも可能である。この形態では、果実W毎の機械的測定時間を短かくして、測定能率を高めることができる。
【0013】
次に、図4、図5に基づいて、選別された果実を収容するダンボールケース19のマーキングについて、ダンボールケース19の外周面に表示されたエリア20に、判別カメラによって検出させる認識孔21、22の孔径を大、小に変えて形成、表示させるように構成したものである。単にエリア20位置を変えて穿孔するだけの形態に対して、孔径の大、小異なる穿孔によって複数倍の種類表示を行わせることができる。
【0014】
又、前記認識孔21、22の丸孔形態に代えて、図5のように、縦方向の長穴23、横方向の長穴24、右上り傾斜の長穴25、又は左上り傾斜の長穴26等を形成して種類表示するもので、更に種類表示を増すことができる。
【符号の説明】
【0015】
1 撮像画
2 基準画
3 中心位置
4 食出撮像画部分
5 コンベア
6 カメラ
7 測定位置
W 果実
A〜E 基準画の各回動位相位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実の撮像画(1)と、この撮像位置に果実の基準型として重合設定する基準画(2)との各中心位置(3)を致心させた状態で、この基準画(2)を中心位置(3)の周りに移動させながら、この基準画(2)の外周に食み出す食出撮像画部分(4)の面積を各移動撮影位置毎に算出して、この各食出撮像画部分(4)の面積のうち最小面積値に基づいて、この果実の変形度合とすることを特徴とする果実形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−153888(P2011−153888A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15116(P2010−15116)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】