説明

案内装置

【課題】ユーザは、その意図する都道府県名や省名等を選択するまでにスクロール操作を繰り返していたこと。
【解決手段】複数の簡易名称1は、表示領域の縦方向y及び横方向xに並んで表示されている。すなわち、複数の簡易名称1は、1画面内に同時に表示されている。簡易名称1は、検索キー候補2を1文字で表したものである。例えば、検索キー候補2aは「北京市」であり、その簡易名称1aは「京」である。また、検索キー候補2bは「山西省」であり、その簡易名称1bは「晋」である。これらの簡易名称は、中華人民共和国内で省名を簡易に表すものとして、車牌(ナンバープレート)に用いられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置に関するものであって、より詳しくは、検索機能を有する車載端末や携帯端末等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、都道府県名のリストを表示しこのリストから選択された都道府県名を受け付けるナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−329458号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術において、全ての都道府県名は、同時に表示されない。例えば、「北海道」、「青森県」、「秋田県」、「岩手県」及び「宮城県」の5つが最初にリスト表示される。そして、「山形県」以降の名称は、スクロール操作によって表示される。そのため、ユーザは、その意図する都道府県名を選択するまでにスクロール操作を繰り返していた。つまり、選択操作が面倒であるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る検索装置は、検索キー候補を表示する機能を有する検索装置であって、表示装置に対して複数の簡易名称を同時に表示させる処理部を備える。本発明における字句の解釈は、次のとおりである。
【0005】
「検索キー候補」とは、情報を検索するために用いられうる属性値である。
【0006】
「表示装置」とは、画像を出力する装置である。例えば、液晶ディスプレイやCRTなどがある。
【0007】
「簡易名称」とは、検索キー候補を1文字(好ましくは、漢字1文字)で表したものである。例えば、「検索キー候補」が「北海道」である場合、「北海道」の簡易名称は、「北」又は「海」となる。また、「検索キー候補」が「北京市」である場合、「北京市」の簡易名称は、「京」となる。ここで、「京」は、「北京市」の簡称として中華人民共和国のナンバープレートに表記されている。
【0008】
「同時に表示」とは、一覧性をもつ表示を意味する。具体的には、複数の簡易名称を表示領域の縦方向及び横方向に並べて表示すること(例えば、m行n列の表形式)が挙げられる。また、検索キー候補が地名である場合、複数の簡易名称を地図に重ねて表示することが挙げられる。
【0009】
「処理部」は、ハードウエア又はハードウエア及びソフトウエアとの協働によって情報処理を実現する部位である。
【0010】
「処理部」は、好ましくは、前記処理部は、前記表示装置に対して、表示される簡易名称のうち入力装置で指定されたものに対応する検索キー候補を表示させる。例えば、「北海道」の簡易名称である「海」が表示されている場合、「海」が指定されると、「海」に対応する検索キー候補である「北海道」が表示される。
【0011】
「入力装置」とは、簡易名称を指定できるものであれば足りる。例えば、リモートコントローラ、キーボードやタッチパネル等がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、検索キー候補を1文字で表した簡易名称を用いることで、検索キー候補の一覧性を高め、ユーザによるスクロール操作の回数を減らすことができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る検索装置を実施するための最良の形態は、図1乃至図5で示される。
【0014】
<表示例>本実施の形態に係る表示例は、図1で示される。複数の簡易名称1は、表示領域の縦方向y及び横方向xに並んで表示されている。すなわち、複数の簡易名称1は、1画面内に同時に表示されている。
【0015】
簡易名称1は、検索キー候補2を1文字で表したものである(図2参照)。例えば、検索キー候補2aは「北京市」であり、その簡易名称1aは「京」である。また、検索キー候補2bは「山西省」であり、その簡易名称1bは「晋」である。これらの簡易名称は、中華人民共和国内で省名を簡易に表すものとして、車牌(ナンバープレート)に用いられている。
【0016】
本実施の形態に係る表示例は、以下のハードウエア構成やデータ構造等よって実現される。
【0017】
<ハードウエア構成について>本実施の形態に係る検索装置のハードウエア構成は、図3で示される。検索装置10は、処理部11を少なくとも備える。2次記憶装置12、入力装置13、スピーカ14及び表示装置15は、処理部11に接続される。
【0018】
処理部11は、I/O、ROM、RAMやCPU等のコンピュータの基本要素を備える。I/Oには、入力装置13、スピーカ14及び表示装置15が接続される。ROMには、BIOS等の基本プログラムが記憶される。RAMには、ROM及び2次記憶装置12に記憶された各種プログラムが展開される。また、RAMには、入力装置13からの入力値及びCPUによる処理結果が記憶される。CPUは、RAMに展開された各プログラムを解釈し、各プログラムに対応する処理を実行する。
【0019】
2次記憶装置12は、簡易名称表示処理を含む各種検索機能を実現するためのプログラムを記憶する。また、2次記憶装置12は、住所(データ)を記憶する。本実施の形態では、ハードディスクドライブ(いわゆるHDD)が、2次記憶装置12として採用される。
【0020】
入力装置13は、表示領域内の座標を指定するための操作等に用いられる装置である。本実施の形態では、リモートコントローラやタッチパネル等が採用される。
【0021】
<データ構造について>本実施の形態に係る住所データのデータ構造は、図4で示される。住所データでは、簡易名称1と検索キー候補2とが対応付けられている。また、検索キー候補と地名(例えば、省よりも小さな行政区域の名称)30とが対応付けられている。つまり、住所は、簡易名称1又は検索キー候補2を主キーとして階層化されている。また、簡易名称1には、それぞれ、相対アドレス31(k=0,・・・,30)が付されている。
【0022】
<処理について>本実施の形態に係る簡易名称表示処理は、次のとおりである。本処理は、CPUがRAMに展開されたプログラムを解釈し実行することで実現される。また、処理時において、住所データは、2次記憶装置12からRAMに展開されている。
【0023】
本処理では、簡易名称1の表示座標Pk(xk,yk)は、5行7列の表をなす各升目の中心座標である(図5を参照)。表示座標Pk(xk,yk)の順番は、第1行第1列を始点として、縦方向(y方向)、横方向(x方向)及び縦方向(y方向)の順(N字型)で定められる。例えば、表示座標P1(x1,y1)は、第1行第1列に定められる。また、表示座標P5(x1,y5)は、第5行第1列に定められる。さらに、表示座標P31(x7,y1)は、第7行第1列に定められる。
【0024】
本処理に係る手続では、相対アドレス31が「k」である簡易名称1は、表示座標Pk(xk,yk)に対応付けられる。この手続は、「k=31」になるまで繰り返される。この手続が全て終了すると、簡易名称1をRAMのアドレス「k+j」(絶対アドレス)から読み出して表示座標Pk(xk,yk)で表示する旨の命令が出力される。この命令によって、RAMのアドレス「k+j」に記憶された簡易名称1は、表示座標Pk(xk,yk)で表示される。
【0025】
<本実施の形態における効果>本実施の形態によれば、複数の簡易名称1が縦方向y及び横方向xに並んで表示されるので、一覧性が高まり、ユーザによるスクロール操作の回数を減らすことができる。
【0026】
<変形例1>本実施の形態では、簡易名称1は、縦方向y及び横方向xに整列した状態で表示されている。もっとも、整列は不要である。例えば、簡易名称41が地図42に重ねて表示されてもよい(図6を参照)。この場合、簡易名称41が地図42上の正確な位置に表示されるために、簡易名称41の表示座標は、予め2次記憶装置12等に記憶される。本変形例によれば、簡易名称41の表示スペースが小さくて済むので、地図上の各地名を見やすくすることができる。
【0027】
<変形例2>本実施の形態では、検索キー候補2は、表示されない。もっとも、簡易名称51が入力装置13(例えば、タッチパネル)によって指定された場合(いわゆるアクティブ状態)、簡易名称51に対応する検索キー候補52が表示されてもよい(図7を参照)。例えば、簡易名称51である「晋」が指定された場合、「晋」に対応する検索キー候補52として、「山西省」がポップアップ表示される。当該表示例は、入力装置13からの入力を割り込みとして、「晋」の表示座標P及び「山西省」が記憶されているRAMのアドレスをポップアップ表示用API(公知)に渡すことで実現可能である。本変形例によれば、簡易名称に慣れていないユーザに対しても、簡易名称に対応する検索キー候補を認識させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、検索キー候補の一覧性を高め、ユーザによるスクロール操作の回数を減らすことができるという効果を有し、検索機能を有する車載端末や携帯端末等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施の形態に係る表示例を示す図
【図2】本実施の形態に係る簡易名称と検索キー候補との対応関係を示す図
【図3】本実施の形態に係る検索装置のハードウエア構成を示す図
【図4】本実施の形態に係る住所データのデータ構造を示す図
【図5】本実施の形態に係る表示座標の定義を示す図
【図6】変形例1に係る表示例を示す図
【図7】変形例2に係る表示例を示す図
【符号の説明】
【0030】
1 簡易名称
2 検索キー候補
10 検索装置
11 処理部
15 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索キー候補を表示する機能を有する検索装置であって、
表示装置に対して複数の簡易名称を同時に表示させる処理部を備え、
表示される簡易名称は、検索キー候補を1文字で表したものである、検索装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記表示装置に対して複数の簡易名称を表示領域の縦方向及び横方向に並べて表示させることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記処理部は、検索キー候補が地名である場合、前記表示装置に対して複数の簡易名称を地図に重ねて表示させることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記表示装置に対して、表示される簡易名称のうち入力装置で指定されたものに対応する検索キー候補を表示させることを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項5】
表示される簡易名称は、検索キー候補を漢字1文字で表したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−216116(P2008−216116A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55592(P2007−55592)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】