説明

植毛付成形加工品の製造方法

【課題】押出成形部に型成形部を接続してなる成形加工品に植毛を見栄えよく施す製造方法を提供する。
【解決手段】表面に植毛41が施された押出成形部20に型成形部30を接続してなる成形加工品10の型成形部30に植毛42を施す製造方法で、押出成形部20と型成形部30との境界面から押出成形部20側に施された植毛41に水Wを含浸させる含浸工程と、型成形部30の表面に接着剤50を塗布する接着剤層形成工程と、接着剤50の上からパイル42を静電植毛する型成形部植毛工程と、パイル42が静電植毛された接着剤50を熱処理によって硬化させる接着剤層硬化工程を備え、含浸工程で押出成形部20側に施された植毛41に含浸した水Wを流出させ、接着剤層形成工程で塗布した接着剤50に接触するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車用のウェザーストリップのような成形加工品の表面に植毛を施す植毛付成形加工品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4に示すように、自動車用のウェザーストリップ(グラスラン)10のコーナー部において、2本の押出成形部20,20を型成形部30で接続してなる成形加工品の外表面に植毛41,42を施したものが知られている。
このウェザーストリップ10は、既に植毛41した半製品である2本の押出成形部20,20を金型にセットし、両押出成形部20,20間に型成形材料を流して型成形接続した成形加工品に対して、その型成形部30に2次加工で植毛42を新たに施すようにして製造される。2次加工における植毛42は通常、パイルを静電植毛することによって行われる。
【0003】
図4に示したウェザーストリップ(グラスラン)10に施された植毛41,42は、ドアガラスとの摺接面に設けることにより異音の発生を抑え、円滑に摺動するようにしたものであるが、トリム部の意匠面に植毛を施すことにより、意匠性の向上を図ったウェザーストリップも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−131094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図4に示したウェザーストリップ(グラスラン)10の場合、図5で示すように、既に植毛41してある押出成形部20と型成形部30との境界付近に外観不良の部分や、植毛41,42の触感が異なる部分が生じるといった問題があった。
すなわち、型成形部30の表面に接着剤50を塗布するときに、図5(a)に示すように、既に植毛41している押出成形部20に接着剤50が付着すると、接着剤50が付着し、或いはその接着剤上に更に植毛が付着した結果盛り上がり段差Tが生じ、植毛触感や植毛パイルの立毛状態が他の部位と異なってしまう。
逆に、既に植毛41している押出成形部20に接着剤50が付着しないようにマスキンをする方法もあるが、接着剤50の付着を完全に防ぐことは困難である。また、図5(b)で示すように、接着剤50の塗布範囲を、押出成形部20との境界面より手前(型成形部30側)までにすると、接着剤50の未塗布部分ができてしまい植毛42が欠けた部位Kが発生するとともに、境界面上の見切り線Cが露出するため外観不良となる。
また、図5(c)で示すように、接着剤50が境界面からはみ出しても(はみ出し部50a)、外観不良となってしまう。
【0005】
なお、特許文献1に記載のウェザーストリップにおいては、押出成形部に着色した植毛を施すものであるので、図5で示したような、押出成形部と型成形部との境界面付近に生じる段差や植毛の切欠きなどによる外観不良の問題や、その問題を解決するための手段については記載されていない。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、押出成形部に型成形部を接続してなる成形加工品に植毛を見栄えよく施す製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、表面に植毛(41)が施された一次植毛部位(20)と未植毛部位(30)を有する成形加工品(10)の未植毛部位(30)に二次植毛(42)を施す製造方法であって、
前記一次植毛部位(20)と未植毛部位(30)との境界面から一次植毛部位(20)側に施された植毛(41)に水(W)または溶剤を含浸させる含浸工程と、
前記未植毛部位(30)の表面に接着剤(50)を塗布する接着剤層形成工程と、
前記接着剤(50)の上からパイル(42)を静電植毛する植毛工程と、
前記パイル(42)が静電植毛された接着剤(50)を熱処理によって硬化させる接着剤層硬化工程を備え、
前記含浸工程で一次植毛部位(20)側に施された植毛(41)に含浸した水(W)または溶剤を流出させ、前記接着剤層形成工程で塗布した接着剤(50)に接触するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、表面に植毛(41)が施された一次植毛部位(20)と未植毛部位(30)を有する成形加工品(10)の未植毛部位(30)に二次植毛(42)を施す製造方法であって、
前記一次植毛部位(20)と未植毛部位(30)との境界面から一次植毛部位(20)側に施された植毛(41)に水(W)または溶剤を含浸させる含浸工程と、
前記未植毛部位(30)の表面に接着剤(50)を前記境界面から離して塗布する接着剤層形成工程と、
前記接着剤(50)の上からパイル(42)を静電植毛する型成形部植毛工程と、
前記パイル(42)が静電植毛された接着剤(50)を熱処理によって硬化させる接着剤層硬化工程を備え、
前記含浸工程で一次植毛部位(20)側に施された植毛(41)に含浸した水(W)または溶剤を流出させ、前記接着剤層形成工程で塗布した接着剤(50)に接触するようにしたことを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項3に係る発明は、前記一次植毛部位(20)が押出成型部(20)であり、前記未植毛部位(30)が押出成型部に接続した型成形部(30)であることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項4に係る発明は、前記成形加工品(10)は、自動車用ウェザーストリップ(10)であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記含浸工程では、一次植毛部位(20)側に施された植毛(41)に、水性接着剤と分離しない極性溶剤を含浸させ、前記接着剤層形成工程では、前記接着剤(50)を水性接着剤としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記含浸工程では、一次植毛部位(20)側に施された植毛(41)に、水(W)を含浸させ、前記接着剤層形成工程では、前記接着剤(50)を水性接着剤としたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記含浸工程では、押出成形部(20)側に施された植毛(41)に、溶剤型接着剤と分離しない非極性溶剤を含浸させ、前記接着剤層形成工程では、前記接着剤(50)を溶剤型接着剤としたことを特徴とする。
【0014】
上記請求項1乃至は請求項7のいずれかに係る発明においては、含浸工程の次に接着剤層形成工程を行うものに限らず、含浸工程と接着剤層形成工程を同時に行うもの、接着剤層形成工程の次に含浸工程を行うものも含まれる。
【0015】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための最良の形態に記載された態様要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の植毛付成形加工品の製造方法によれば、表面に植毛が施された一次植毛部位と未植毛部位を有する成形加工品の前記未植毛部位に二次植毛を施す場合、例えば、請求項3に係る発明のように、表面に植毛が施された押出成形部に接続された型成形部に植毛を施す場合に、特に押出成形部と型成形部との境界面から押出成形部側に施された植毛に水または溶剤を含浸させる含浸工程を設け、押出成形部側に施された植毛に含浸した水または溶剤を流出させ、接着剤層形成工程で塗布した接着剤に接触するようにしたので、接着剤が水に溶解もしくは分散して、押出成形部と型成形部との境界面の際まで濡れ広がっていく。
そして、型成形部植毛工程により、接着剤の上からパイルが静電植毛されることによりパイルは、押出成形部と型成形部との境界面の際から型成形部側にかけて均一に植毛される。
また、植毛上に付着した接着剤も水又は溶剤に溶解若しくは分散して、植毛の上部から植毛の根本側へ移行する。
これにより、押出成形部と型成形部の境界面付近に目に見えるような大きな段差や盛り上がりが生じることは防止されるので、植毛の触感や立毛状態が他と異なることはなく均一で見栄えの良い植毛付成形加工品、例えば、請求項4に係る発明のように、自動車用のウェザーストリップなどが得られる。
その後、パイルが静電植毛された接着剤を熱処理によって硬化させる接着剤層硬化工程によって型成形部から植毛が抜け落ちることが防止される。
【0017】
また本発明の請求項2に記載の植毛付成形加工品の製造方法によれば、表面に植毛が施された一次植毛部位と未植毛部位を有する成形加工品の前記未植毛部位に二次植毛を施す場合、例えば、請求項3に係る発明のように、表面に植毛が施された押出成形部に接続された型成形部に植毛を施す場合に、接着剤層形成工程においては型成形部の表面に接着剤を境界面から離して塗布しても、接着剤が境界面の際に導かれ、パイルの降りかけにより、境界面の際から型成形部側に均一に植毛が施されるので、接着剤を塗布するときに、誤って押出成形部の植毛上に塗布したりする危険性を回避することができるとともに、また、境界面の際まで接着剤を塗布する必要がなく熟練を要しないので作業性に優れる。
【0018】
さらに請求項5乃至7に記載の発明によれば、含浸工程で植毛に含浸させられる水または溶剤と相性がよく馴染み易い接着剤を、接着剤層形成工程で塗布するようにしたので、接着剤は、容易にかつ瞬時に押出成形部と型成形部との境界面まで導かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第一実施形態)
図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る植毛付成形加工品の製造方法について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る植毛付成形加工品の製造工程を示すもので、図4のA−A線拡大断面図に相当する。従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。本実施形態では、植毛付成形加工品として自動車用のウェザーストリップ(グラスラン)10を例にして説明する。
【0020】
この製造方法は、表面に植毛が施された一次植毛部位と未植毛部位を有する成形加工品の前記未植毛部位に二次植毛を施す方法であり、一次植毛部位として、自動車用のウェザーストリップの押出成形部20を適用し、未植毛部位として、同じく自動車用のウェザーストリップの型成形部30を適用したものである。すなわち、押出成形時に予め表面に植毛41が施された押出成形部20に型成形部30を接続してなる自動車用ウェザーストリップ10の型成形部30に対して新たに植毛42を施す方法である。
型成形接続は、既に押出成形と同時に植毛41が施された半製品である2本の押出成形部20,20の端部を金型にセットした後、両押出成形部20,20間に型成形材料を流すことによって行われ、図示は省略するが、自動車のサイドドアのコーナー部において適用される。
【0021】
このようにして形成された、自動車用ウェザーストリップ10の型成形部30に対して新たに植毛42を施すには、以下に示すような、含浸工程と、接着剤層形成工程と、型成形部植毛工程と、接着剤層硬化工程が行われる。
【0022】
先ず、含浸工程では、図1(a)に示すように、自動車用ウェザーストリップ10の押出成形部20と型成形部30との境界面から押出成形部20側(図1の紙面では左側)に施された植毛41に水Wを含浸させる。含浸方法としては特に限定されるものではないが、ここでは刷毛を使用して植毛41に水Wを塗布して水Wが植毛41の付け根まで流れるようにした。
【0023】
次に、接着剤層形成工程では、図1(b)に示すように、型成形部30の表面に接着剤50を塗布して、接着剤層を形成する。接着剤50の塗布は、押出成形部20との境界面の際から型成形部30側にかけて行う。接着剤50としては、水との相性がよく水に溶解もしくは分散して濡れ広がる性質を有する、水性接着剤が好ましく、本実施形態でも水性接着剤を使用した。
これによって、押出成形部20に含浸させた水Wが流出して、型成形部30に塗布した接着剤に接触し、接着剤が水Wに溶解もしくは分散して、押出成形部20と型成形部30との境界面の際まで濡れ広がっていく。
【0024】
次に、型成形部植毛工程では、図1(c)に示すように、型成形部30に電圧をかけた状態で、接着剤50の上から、例えば、散布用のエアー噴射機(図示しない)を使用して帯電させたパイル42を降りかけて接着層に対して静電植毛する。
これにより、帯電したパイル42は、押出成形部20との境界面の際から型成形部30側にかけて均一に植毛される。
【0025】
次に、接着剤層硬化工程では、パイル42が静電植毛された接着剤50を熱処理によって硬化させる。これによって、植毛されたパイル42が接着層から抜け落ちることが防止される。そして、エアーを吹き付けることで押出成形部20側にかかったパイル42や型成形部30側において接着層に植毛されずに余ったパイル42を吹き飛ばすと、図1(d)に示すような、見栄えよく植毛された植毛付成形加工品である自動車用ウェザーストリップ10が完成する。
【0026】
このようにして完成した自動車用ウェザーストリップ10の性能を、従来例の製造方法によって完成した自動車用ウェザーストリップ10の性能と比較すると、図3に示すような表になる。
すなわち、従来例の方法で製造したものによると、サンプル(n1)やサンプル(n2)のように、半製品である押出成形部20と金型を利用して成形した型成形部30との間の隙間が0mmであっても、図5(a)で示したように、押出成形部20と型成形部30との段差Tが2.0mmや1.5mmと大きくなってしまうので、植毛42を指で触った感触が悪いのに加え、大きな段差Tが生じるため外観も悪い。また、サンプル(n3)のように、押出成形部20と型成形部30との間に、図5(b)で示したように、隙間が0.8mmが生じた場合、押出成形部20と型成形部30との段差Tが0.5mmであっても、植毛42の指触感触が悪いのに加え、植毛の欠けによって外観も悪くなってしまう。
これに対して、本発明の第一実施形態の方法で製造したものは、サンプル(n1),サンプル(n2),サンプル(n3)で示すように、押出成形部20と型成形部30との間の隙間が0mmであり、押出成形部20と型成形部30との段差も、0.2mmや0.3mmといった非常に小さい値であるので、植毛42を指で触った感触は良く外観上見栄えも良い。
【0027】
以上のように構成された本発明の第一実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ10によれば、押出成形部20と型成形部30の境界面付近に段差や盛り上がりが生じることがないか、たとえ段差が生じても肉眼では認識できない程度の軽微であるので、植毛42の触感や立毛状態が他と異なることはなく均一である。
【0028】
(第二実施形態)
次に、図2を参照にして、本発明の第二実施形態に係る植毛付成形加工品の製造方法について説明する。図2は、本発明の第二実施形態に係る植毛付成形加工品の製造工程を示すもので、図4のA−A線拡大断面図に相当する。本発明の第一実施形態で示したものと同一部分には同一符号を付した。本実施形態では、第一実施形態と同様に、植毛付成形加工品として自動車用のウェザーストリップ(グラスラン)10を例にして説明する。
【0029】
この第二実施形態に係る製造方法は、第一実施形態に係る製造方法と比較して、含浸工程と、接着剤層形成工程と、型成形部植毛工程と、接着剤層硬化工程が行われる点では共通するが、接着剤層形成工程において、接着剤50を塗布する範囲が異なる。
すなわち、接着剤層形成工程では、図2(b)に示すように、型成形部30の表面に接着剤50を境界面の際から所定距離L分程離して塗布したものである。
【0030】
ここに示す所定距離Lとは、含浸工程において、押出成形部20に含浸した水Wが流出して、型成形部30に塗布した接着剤に接触し、接着剤50が水Wに溶解もしくは分散して、押出成形部20と型成形部30との境界面の際まで濡れ広がっていくことができる距離である。
【0031】
これによれば、接着剤層形成工程において、押出成形部20と型成形部30との境界面の際まで接着剤50を施さなくても、接着剤50が境界面の際に導かれ、その結果、図2(c),(d)に示すように、パイル42を降りかけると、境界面の際から型成形部30側に均一に植毛42が施されるので、接着剤50を塗布するときに、誤って押出成形部20の植毛41上に塗布したりする危険性を回避することができるとともに、境界面の際まで接着剤50を塗布する必要がないので特に熟練を要せず作業性に優れる。
【0032】
なお、本発明の第一,第二実施形態では、含浸工程の次に接着剤層形成工程を行うようにしたが、含浸させた水と接着剤とが接触し溶解又は分散して押出成形部20と型成形部30の境界面の際において植毛42を見栄えよくできるものであればよいので、含浸工程と接着剤層形成工程を同時に行ってもよく、接着剤層形成工程の次に含浸工程を行うようにしてもよい。
【0033】
また、本発明の第一,第二実施形態では、水Wに馴染み易い接着剤として水性接着剤を使用したが、水Wにかえて、押出成形部20側に施された植毛41に、アルコール,メチルエチルケトンなどの水性接着剤と分離しない極性溶剤を含浸させてもよい。あるいは、含浸工程では、押出成形部20側に施された植毛41に、トルエン,キシレンなどの溶剤型接着剤と分離しない非極性溶剤を含浸させ、接着剤層形成工程では、接着剤50を溶剤型接着剤としてもよい。
【0034】
また、本発明の第一,第二実施形態では、植毛付の成形加工品として自動車用ウェザーストリップ10の製造方法について説明したが、これに限定されるものではなく、植毛が施された押出成形部に接続された型成形部に対して2次加工として植毛を施すようにした植毛付成形加工品の製造方法であれば適用可能である。
【0035】
また、本発明の第一,第二実施形態では、一次植毛部位として押出成型品、未植毛部位として押出成型部に接続した型成形部を例にして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、押出成型部に施された植毛が、接着剤塗布不良によって一部欠損している時の手直し加工に応用することが出来る。或いは、植毛を施した押出成型部を一部切り欠き成形し、更にその部位に植毛が必要な場合にも応用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第一実施形態に係る植毛付成形加工品の製造工程を示す、図4のA−A線拡大断面図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係る植毛付成形加工品の製造工程を示す、図4のA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る製造方法で製造した植毛付成形加工品と、従来例に係る製造方法で製造した植毛付成形加工品の性能を比較した表を示す平面図である。
【図4】植毛付成形加工品の一例を示す斜視図である。
【図5】従来例に係る製造方法で製造した植毛付成形加工品を示す、図4のA−A線拡大断面図であり、(a)は段差が生じたもの、(b)は植毛の欠けが生じたもの、(c)は接着剤のはみ出しが生じたものをそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0037】
10 ウェザーストリップ
20 押出成形部
30 型成形部
41 植毛
42 植毛
50 接着剤
50a 接着剤のはみ出し部
C 見切り線
K 植毛が欠けた部位
L 所定距離
T 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に植毛が施された一次植毛部位と未植毛部位を有する成形加工品の前記未植毛部位に二次植毛を施す製造方法であって、
前記一次植毛部位と未植毛部位との境界面から一次植毛部位側に施された植毛に水または溶剤を含浸させる含浸工程と、
前記未植毛部位の表面に接着剤を塗布する接着剤層形成工程と、
前記接着剤の上からパイルを静電植毛する二次植毛工程と、
前記パイルが静電植毛された接着剤を熱処理によって硬化させる接着剤層硬化工程を備え、
前記含浸工程で一次植毛部位側に施された植毛に含浸した水または溶剤を流出させ、前記接着剤層形成工程で塗布した接着剤に接触するようにしたことを特徴とする植毛付成形加工品の製造方法。
【請求項2】
表面に植毛が施された一次植毛部位と未植毛部位を有する成形加工品の前記未植毛部位に二次植毛を施す製造方法であって、
前記一次植毛部位と未植毛部位との境界面から一次植毛部位側に施された植毛に水または溶剤を含浸させる含浸工程と、
前記未植毛部位の表面に接着剤を前記境界面から離して塗布する接着剤層形成工程と、
前記接着剤の上からパイルを静電植毛する二次植毛工程と、
前記パイルが静電植毛された接着剤を熱処理によって硬化させる接着剤層硬化工程を備え、
前記含浸工程で一次植毛部位側に施された植毛に含浸した水または溶剤を流出させ、前記接着剤層形成工程で塗布した接着剤に接触するようにしたことを特徴とする植毛付成形加工品の製造方法。
【請求項3】
前記一次植毛部位は押出成型部であり、前記未植毛部位は押出成型部に接続した型成形部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植毛付成形加工品の製造方法。
【請求項4】
前記成形加工品は、自動車用ウェザーストリップであることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の植毛付成形加工品の製造方法。
【請求項5】
前記含浸工程では、一次植毛部位側に施された植毛に、水性接着剤と分離しない極性溶剤を含浸させ、前記接着剤層形成工程では、前記接着剤を水性接着剤としたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の植毛付成形加工品の製造方法。
【請求項6】
前記含浸工程では、一次植毛部位側に施された植毛に、水を含浸させ、前記接着剤層形成工程では、前記接着剤を水性接着剤としたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の植毛付成形加工品の製造方法。
【請求項7】
前記含浸工程では、一次植毛部位側に施された植毛に、溶剤型接着剤と分離しない非極性溶剤を含浸させ、前記接着剤層形成工程では、前記接着剤を溶剤型接着剤としたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の植毛付成形加工品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−5577(P2010−5577A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169851(P2008−169851)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【Fターム(参考)】