説明

検出装置、及び画像形成装置

【課題】被検出面の電位を高い分解能で計測する。
【解決手段】液晶表示部56は、透明電極62を備えた基板60と基板64とが対向して配置され、基板60,64間にはコレステリック液晶66が封入されて構成されている。
透明電極62には、電位分布を計測するときに透明電極62を所定のバイアス電位にするためのバイアス電源68が接続されている。
基板64には分解電極70が備えられている。基板64及び分解電極70は、(B)に示されるように、複数の細長電極素子を備えた誘電体素子が同図矢印Dで示される主走査方向に並べられたラダー形状に構成されている。細長電極素子を備えた誘電体素子の各々は、所望する電位分布の計測の分解能に応じた間隔で並べられ、各細長電極素子を備えた誘電体素子の間隔の細かさに応じた電位分布が計測されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した画像形成装置は、感光体の周面を一様に帯電し、画像データに応じた露光を行なうことにより静電潜像を形成するプロセスを経て、画像を形成する。
【0003】
このような電子写真方式を利用した画像形成装置は、帯電処理によって感光体の周面を帯電するが、例えば帯電処理を行なうための帯電部材が汚れている場合には、帯電処理によって帯電された感光体の周面の電位が一様とならないときがある。このようになとき、画像形成装置によって形成される画像には、黒スジ及び白スジ等の欠陥が発生する場合がある。これに対し、感光体の周面の帯電電位の分布を把握することで、画像の欠陥の発生を抑制することができる。
【0004】
特許文献1には、被測定物に対して相対的に移動する静電位センサアレイによって、被測定物の表面を平面的にスキャンし、多数の測定ポイントにおける静電位レベルをそれぞれ測定することにより、各測定ポイントごとの静電位を把握する技術が提案されている。
【特許文献1】特開平7−72196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、被検出面の電位を高い分解能で検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明の検出装置は、一方の面が帯電される被検出面と対向するように配置可能な第1の基板と、一方の面に透明電極が設けられ、かつ当該透明電極が設けられた面が前記第1の基板の他方の面と対向するように配置された透明な第2の基板と、前記第1の基板の他方の面側と前記第2の基板の前記透明電極が設けられた側との間に介在され、前記被検出面と前記透明電極との間に発生する電界強度に応じて配向状態が変化する液晶と、前記液晶に入射され、該液晶の配向状態に応じて変化する光の状態を検出する検出手段と、を含んでいる。
【0007】
請求項2の発明は請求項1に記載の検出装置において、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記被検出面の電位分布を計測する計測手段を更に含んでいる。
【0008】
請求項3の発明は請求項1又は請求項2に記載の検出装置において、前記第1の基板を誘電体で構成したものである。
【0009】
請求項4の発明は請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の検出装置において、前記液晶をコレステリック液晶又はNCAP方式の液晶で構成し、前記検出手段が前記光の状態として前記液晶から反射された光の強度分布を検出するようにしたものである。
【0010】
請求項5の発明は請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の検出装置において、前記第1の基板側で、前記液晶で反射される波長の光を吸収するようにしたものである。
【0011】
請求項6の発明は請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の検出装置において、前記液晶をEBCモードの液晶又はTNモードの液晶で構成し、前記検出手段が前記光の状態として前記液晶を透過した光の偏光状態の変化分布を検出するようにしたものである。
【0012】
請求項7の発明は請求項6に記載の検出装置において、前記検出手段は、前記液晶を透過し、かつ偏光子を通過した偏光の強度分布を検出するものである。
【0013】
請求項8の発明は請求項7又は請求項8に記載の検出装置において、前記第1の基板を、入射された光の偏光状態を変更しないで反射する部材で形成したものである。
【0014】
請求項9の発明は請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の検出装置において、前記透明電極に、当該透明電極の電位をバイアス電位にするバイアス電源を接続したものである。
【0015】
請求項10の発明は請求項9に記載の検出装置において、前記バイアス電位を前記液晶に応じた値としたものである。
【0016】
請求項11の発明は請求項9又は請求項10に記載の検出装置において、前記バイアス電位を前記被検出面の電位に応じた値としたものである。
【0017】
請求項12の発明は請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の検出装置において、前記第1の基板に、微小空間毎に電界が形成されるように1次元方向又は2次元方向に並べた複数の電極部材で構成された分解電極を設け、前記液晶の配向状態を初期化するときに、前記透明電極及び前記分解電極に、前記透明電極と前記分解電極との間に前記初期化するための初期化電圧を印加する初期化電源を接続したものである。
【0018】
請求項13の発明は請求項12に記載の検出装置において、前記分解電極を前記液晶と近接させて設けたものである。
【0019】
請求項14の発明は請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の検出装置において、前記被検出面と前記液晶との間に分圧素子を更に設けたものである。
【0020】
請求項15の発明の画像形成装置は、感光体と、前記感光体の周面を一様に帯電する帯電装置と、前記帯電装置により帯電された前記感光体の周面に画像データに応じた露光を施す露光手段と、前記帯電装置により帯電された前記感光体の周面を前記被検出面として、前記請求項1〜請求項14に記載の検出装置によって検出された検出結果に基づいて、前記露光手段による露光量、及び前記画像データの階調特性の少なくとも一方を位置に応じて補正する補正手段と、を含んでいる。
【0021】
請求項16の発明は請求項15に記載の画像形成装置において、前記補正手段は、トーンリプロダクションカーブを補正することにより、前記画像データの階調特性を補正するものである。
【0022】
請求項17の発明は請求項15又は請求項16に記載の画像形成装置において、前記検出手段によって検出された各位置の電位差が予め定めた範囲外である場合にその旨を報知する報知手段を更に設けたものである。
【0023】
請求項18の発明は請求項15〜請求項17の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記検出手段によって検出された各位置の電位差が予め定めた範囲外である場合に前記帯電装置を清掃する清掃手段を更に設けたものである。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明によれば、液晶の配向状態に応じて変化する光の状態を検出しない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0025】
請求項2の発明によれば、液晶の配向状態に応じて変化する光の状態を検出しない場合と比較して、精度よく被検出面の電位分布を計測することができる、という効果が得られる。
【0026】
請求項3の発明によれば、基板を誘電体で構成しない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0027】
請求項4の発明によれば、液晶から反射された光の強度分布を検出することにより、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0028】
請求項5の発明によれば、基板が液晶で反射される波長の光を反射する場合と比較して、良好に被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0029】
請求項6の発明によれば、液晶を透過した光の偏光状態の変化分布を検出することにより、被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0030】
請求項7の発明によれば、偏光子を通過した偏光の強度分布を検出しない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0031】
請求項8の発明によれば、基板を入射された光の偏光状態を変更する部材とした場合と比較して、良好に被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0032】
請求項9の発明によれば、透明電極の電位をバイアス電位にしない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0033】
請求項10の発明によれば、バイアス電位を液晶に応じた値としない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0034】
請求項11の発明によれば、バイアス電位を被検出面の電位に応じた値としない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0035】
請求項12の発明によれば、液晶の配向状態を初期化しない場合と比較して、良好に被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0036】
請求項13の発明によれば、分解電極を液晶に近接させない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0037】
請求項14の発明によれば、被検出面と液晶との間の電圧を分圧しない場合と比較して、精度よく被検出面の電界強度の分布を把握することができる、という効果が得られる。
【0038】
請求項15の発明によれば、検出装置によって検出された検出結果に基づいた補正をしない場合と比較して、良好な画像を形成することができる、という効果が得られる。
【0039】
請求項16の発明によれば、トーンリプロダクションカーブを補正しない場合と比較して、良好な画像を形成することができる、という効果が得られる。
【0040】
請求項17の発明によれば、各位置の電位差が予め定めた範囲外である場合にその旨を報知しない場合と比較して、良好な画像を形成することができる、という効果が得られる。
【0041】
請求項18の発明によれば、各位置の電位差が予め定めた範囲外である場合に帯電装置を清掃しない場合と比較して、良好な画像を形成することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成を示している。
【0043】
図1に示されるように、画像形成装置10は、所定の読込位置に載置された原稿から画像を読み込み、当該画像を示す画像データを取得するスキャナ12と、スキャナ12により取得した画像データを処理する画像処理部14と、画像処理部14によって処理された画像データに基づいて用紙Pに対して画像形成処理を行う画像形成エンジン部16と、画像形成エンジン部16へ用紙Pを供給する給紙部18とを含んで構成されている。
【0044】
画像形成エンジン部16は、図示しないモータの駆動力により所定の速度で同図矢印A方向に回転する感光体20を備えている。
【0045】
感光体20の同図左上方には、感光体20の周面を帯電させる帯電器22が設けられている。図2に示されるように、帯電器22は、帯電ロール22Aを備え、帯電ロール22Aが感光体20の周面に接触するように配置されている。帯電器22は、帯電ロール22Aで放電を行うことにより、帯電ロール22Aと接触している感光体20の周面を帯電させる。また、帯電ロール22Aの斜め上方部には、帯電ロール22Aの表面に接触するクリーニングロール22Bが設けられている。クリーニングロール22Bは、シャフト23Aの周囲に発泡樹脂からなるスポンジ層23Bが形成されたものである。なお、クリーニングロール22Bに代えて、帯電ロール22Aの表面の付着物を除去するクリーニングパッド、又はクリーニングブラシ等、他のクリーニング部材を配設しても良い。
【0046】
感光体20と帯電ロール22Aとの接触位置よりも回転方向下流側には、後述する電位分布計測装置24が設けられている。
【0047】
また、画像形成エンジン部16は、電位分布計測装置24による計測位置よりも回転方向下流側の感光体20の光ビームの走査位置に対して光ビームを走査させる走査光学系部26を備えている。走査光学系部26は、帯電器22により帯電された感光体20の周面に対して光ビームを走査することにより、感光体20の周面に静電潜像を形成する。
【0048】
感光体20の光ビームの走査位置よりも回転方向下流側には、感光体20の周面との間隔が所定間隔となるように現像ローラ28が配置されている。現像ローラ28は、内部にイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),黒(K)の各色のトナーを含む現像剤を貯留しており、回転することにより内部に貯留された現像剤を感光体20と対向する対向位置に搬送し、感光体20の周面に形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させることにより静電潜像をトナー像に現像する。
【0049】
また、感光体20の現像ローラ28との対向位置よりも回転方向下流側には、無端状の中間転写体30が配設されている。この中間転写体30は、複数の図示しないローラに巻掛けられており、周面が感光体20の周面に接触するように配置され、同図矢印B方向に回転される。
【0050】
感光体20と中間転写体30とが接触する位置の中間転写体30に対して感光体20と反対側には、中間転写体30を感光体20とで挟持するように転写器32が配設されている。感光体20の周面の現像されたトナー像は、感光体20の回転によって中間転写体30と接触する中間転写位置に搬送されると、転写器32によって中間転写体30に中間転写される。
【0051】
感光体20の周面の中間転写位置よりも回転方向下流側には、クリーニング装置34が配置されている。クリーニング装置34は、感光体20の周面に接触するように配置されるクリーニングブレード34Aを備えている。クリーニング装置34は、クリーニングブレード34Aにより転写後の感光体20の周面を摺擦して周面に残留する残留トナーを回収する。
【0052】
給紙部18に搭載されている用紙Pは、給紙部18から順次取り出され、複数のローラ対36によって搬送経路38を介して、中間転写体30に転写されたトナー像と同期した状態で中間転写体30の配設部位へ搬送される。
【0053】
この中間転写体30を挟んで、ローラ40の反対側には、図示しない転写器が配置されている。搬送経路38を介して中間転写体30の配設部位へ搬送された用紙Pは、中間転写体30とローラ40との間に送り込まれ、転写器によって中間転写体30上のトナー像が転写される。ローラ40よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着器42が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは定着器42の配設部位に搬送され、定着器42によって加熱定着された後に画像形成装置10外へ排出され、排紙容器44上に排出される。
【0054】
図3は、感光体20の光ビームの走査位置に対して光ビームを走査する走査光学系部26の概略構成を示している。
【0055】
走査光学系部26は、光ビームを発する光源46、入力される信号に応じて光源46の発する光ビームの光量、強度、位相、及び振幅を変調するドライバ48、同図矢印C方向に等速回転する回転多面鏡50、及びfθレンズ52を含んで構成されている。
【0056】
光源46から発せられた光ビームは、等速回転する回転多面鏡50の反射面に照射され、偏向される。回転多面鏡50により反射された光ビームの光路上には、fθレンズ52が設けられている。このfθレンズ52は、回転多面鏡50によって反射された光ビームの結像位置を補正する。回転多面鏡50によって偏向され、fθレンズ52を透過した光ビームは、同図矢印Dで示される感光体20の軸方向(主走査方向)に走査され、これにより、感光体20に静電潜像が形成される。
【0057】
ところで、例えば帯電器22が汚れているとき、及び感光体20に傷があるとき等には、帯電器22により帯電された感光体20の周面の帯電電位に、同図にグレーの筋で示されているようなムラが生じる場合がある。帯電電位にこのようなムラが生じた場合でも、走査光学系部26によって静電潜像が形成される前に、感光体20の周面に発生した帯電電位のムラを検出し、画像処理部14による画像処理、及び走査光学系部26による処理の少なくとも一方を補正することで良好な画像を得ることができる。そこで、本実施の形態では、帯電器22と走査光学系部26による走査位置との間に感光体20の周面の電位分布を計測することにより、帯電電位のムラを検出するための電位分布計測装置24が設けられている。
【0058】
図4に、画像形成装置10の電子写真方式による画像形成のサイクルを示す。
【0059】
画像形成装置10は、帯電器22によって感光体20に帯電が施される帯電ステップS10、走査光学系部26によって感光体20に露光が施される露光ステップS12、現像器28によって静電潜像に現像が施される現像ステップS14、感光体20から中間転写体30に中間転写が施される中間転写ステップS16、中間転写体30から用紙Pに転写が施される転写ステップS18、定着器42によって用紙Pに画像を定着させプリントPを生成する定着ステップS20、及びクリーニング装置34によって感光体20にクリーニングが施されるクリーニングステップS22の各々のステップを実行することによって、画像形成を行う。
【0060】
本実施の形態では、帯電ステップS10と露光ステップS12との間に、電位分布計測装置24により感光体20の周面の電位分布を計測する電位分布計測ステップS24を実行する。
【0061】
電位分布計測装置24による感光体20の周面の電位分布の計測は、マイクロコンピュータを含んで構成された補正制御部54により制御される。補正制御部54は、電位分布計測装置24による感光体20の周面の電位分布の計測結果に応じて、画像処理部14による画像処理、及び走査光学系部26による露光処理の少なくとも一方が補正されるように制御する。
【0062】
次に、電位分布計測装置24の構成を説明する。
【0063】
図5は、感光体20の回転方向(同図矢印A方向)と直交する方向から電位分布計測装置24を見た場合の様子を示している。
【0064】
図5(A)に示されるように、電位分布計測装置24は、感光体20の周面と対向するように感光体20の軸方向に沿って配置されており、液晶表示部56と、カメラ58とを含んで構成されている。液晶表示部56は、感光体20の周面に近接するように配置されている。
【0065】
カメラ58は、光源と主走査方向に画素が配列されたラインセンサとを含んで構成され、光源から照射され、液晶表示部56により反射された光をレンズを介してラインセンサで受光することにより、感光体20の軸方向に沿った部分の液晶表示部56の状態を撮像する。
【0066】
液晶表示部56は、透明電極62を備えた基板60と感光体20の周面に対向するように配置された基板64とが対向して配置され、基板60,64間に液晶66が封入されて構成されている。本実施の形態に係る画像形成装置10に備わる感光体20の周面は、帯電器22によって例えば約−700Vに一様帯電されるようになっている。また、帯電後に発生する感光体20の周面の帯電電位のムラは約±5Vの範囲である。このことから、本実施の形態では、液晶66として、実効値が60V〜70Vの範囲の電圧により配向状態が変化するコレステリック液晶を用いている。コレステリック液晶は、電界強度に応じて、状態を選択反射状態(プレーナー状態)、透過状態(フォーカルコニック状態)、又は選択反射状態と透過状態との間の中間状態に変化する液晶である。
【0067】
基板60は、PETフィルム等の誘電体部材で形成された透明な細長板状の基板であり、透明電極62は、酸化インジウムスズ等で形成された透明電極である。透明電極62には、透明電極62を所定のバイアス電位にするためのバイアス電源68が接続されている。このバイアス電位は、感光体20の帯電電位及び基板60,64間に封入された液晶66の種類に応じて定められる。本実施の形態では、基板60,64間の電圧が例えば約65Vになるように、透明電極62を−635Vのバイアス電位にするバイアス電源68を用いている。すなわち、液晶66には、±5Vの範囲のムラのある65Vの電圧が印加され、配向状態が変化する60V〜70Vの範囲の電圧が印加されることになる。
【0068】
基板64は、PETフィルム等の誘電体部材で形成された黒色の細長板状の基板であり、セルサイズは、例えば長手0.1mm×短手0.1mmとするとよい。また、基板64には分解電極70が設けられている。基板64及び分解電極70は、図5(B)に示されるように、複数の細長電極素子が設けられた細長誘電体素子を同図矢印Dで示される主走査方向に平行に並べたラダー形状に構成されている。細長電極素子は、例えば、長手10mm×短手0.1mmの形状のものを用いるとよい。細長電極素子を備えた誘電体素子の各々は、所望する電位分布の計測の分解能に応じた間隔で並べられ、微小空間毎に電界が形成されるようになっている。電位分布計測装置24は、各電極素子を備えた誘電体素子の間隔の大きさに応じた電位分布を計測する。
【0069】
さらに、基板64には初期化電極68Eが設けられている。初期化電極68Eには、透明電極62及び初期化電極68Eの間に所定の初期化電圧を印加するために、スイッチ68Sを介してバイアス電源68が接続されている。本実施の形態では、液晶66として電圧の印加が停止した後も、配向状態を維持するメモリー性を有するコレステリック液晶を用いている。このため、電位分布の計測後は透明電極62及び初期化電極68Eの間に所定の初期化電圧を印加することで、液晶66の配向状態を初期化する必要がある。バイアス電源68は、透明電極62及び初期化電極68Eの間に、コレステリック液晶が初期化される、例えば80Vの電圧を印加する。スイッチ68Sは、電位分布の計測後にオン状態とされ、バイアス電源68と分解電極70とが接続されるようになっている。また、初期化電極68Eと分解電極70との間には配線69が設けられている。
【0070】
次に、感光体20の周面の電位分布を計測するときの、電位分布計測装置24の動作について説明する。
【0071】
電位分布計測装置24を構成する各部は、画像形成装置10に設けられている補正制御部54によって制御される。
【0072】
補正制御部54は、液晶表示部56が帯電器22により帯電された直後の感光体20の周面と対向すると、透明電極62をバイアス電位にする。例えば、まず−635Vの電位を200msecの期間印加した後に、−700Vの電位を印加する。
【0073】
基板60,64間に封入されている液晶66は、基板60,64間の電界強度に応じて、配向状態を変える。感光体20の周面が一様に帯電されている場合は、基板60,64間の電界強度は一様となるため、基板60,64間に封入されている液晶66の配向状態は均一となる。一方、感光体20の周面の帯電電位にムラがある場合は、基板60,64間の電界強度にもムラが生じ、基板60,64間に封入されている液晶66の配向状態は不均一となる。
【0074】
補正制御部54は、カメラ58の光源から液晶表示部56に光を照射させる。液晶表示部56の液晶66は、照射された光を配向状態に応じた透過率で透過し、液晶66を透過した光は、黒色の基板64又は分解電極70により吸収される。
【0075】
カメラ58のラインセンサは、液晶表示部56により反射された光を受光する。このように、カメラは、液晶66の配向状態に応じた反射光の撮像を行う。
【0076】
補正制御部54は、撮像された反射光の強度に基づいて、感光体20の周面の軸方向に沿った細長部分の電位分布を計測する。
【0077】
電位分布計測装置24と対向する感光体20の周面の位置は、感光体20の回転に応じて、感光体20の回転方向に移動する。これにより、電位分布計測装置24は、感光体20の周面の電位分布を連続して順次計測する。
【0078】
上記の通り、コレステリック液晶はメモリー性を有する。このため、補正制御部54は、カメラ58による撮像後にスイッチ68Sをオン状態として、バイアス電源68と初期化電極68Eとを接続し、透明電極62及び初期化電極68Eの間に初期化電圧を印加して、液晶66の配向状態を初期化する。例えば、初期化電極68Eには−700Vの電位を印加すると共に、透明電極62にはまず−620Vの電位を200msecの期間印加して液晶66が初期化する80Vの電位差を生じさせた後に、−700Vの電位を印加する。これにより、液晶66はプレーナ状態となる。補正制御部54は、感光体20の回転に併せて、液晶66の初期化後に電位分布の計測が行われるように制御する。
【0079】
次に、感光体20の周面の帯電電位からムラを検出した場合に実行する補正処理について説明する。
【0080】
補正制御部54は、感光体20の周面に発生した帯電電位のムラに応じて、画像処理部14による画像処理、及び走査光学系部26による露光処理の少なくとも一方が補正されるように制御する。
【0081】
画像処理部14による画像処理を補正する場合は、トーンリプロダクションカーブが補正されるように制御する。
【0082】
一例として、図6に示されるような、13ドットで階調を表現している場合の補正処理を説明する。例えば、図6(A)に示されるように13ドットのうちの4ドットを露光する領域の帯電電位が高かった場合は、図6(B)に示されるように13ドットのうちの3ドットを露光するように画像データを補正する。
【0083】
また、走査光学系部26による露光処理を補正する場合は、ドットに応じて露光量を補正するように制御する。走査光学系部26は、例えば帯電電位が高い領域の露光時に、露光量が減少するように光量を補正する。
【0084】
これにより、帯電電位が高い領域の露光量を減らすことができ、形成される画像に生じるムラを抑制することができる。
【0085】
このように、補正制御部54による補正の制御により、感光体20の周面に帯電電位のムラが発生した場合にも、良好に画像形成を行うことができる。
【0086】
また、例えば、主走査方向の同じ位置に他の領域と電位の異なる領域が連続して検出された場合は、対応する帯電ロール22Aの主走査方向の位置に傷の発生や汚れの付着等があると判断することができる。
【0087】
例えば、他の領域との電位差が予め定めた範囲外である場合に、その旨をユーザーに報知するようにするとよい。
【0088】
また、他の領域との電位差が予め定めた範囲外である場合に、帯電ロール22Aをクリーニングロール22Bによりクリーニングするとよい。クリーニング時は、クリーニングロール22Bを、帯電ロール22Aに所定の圧力で押圧させ、スポンジ層23Bを帯電ロール22Aの周面に沿って弾性変形させてニップ部を形成させる。これにより、帯電ロール22Aの表面に付着した異物がクリーニングロール22Bのスポンジ層23Bに取り込まれる。
【0089】
電位分布計測装置24による感光体20の周面の露光電位の分布の計測は、例えば画像形成装置10が起動されたときに実施してもよいし、所定の枚数の画像形成後等の帯電器22の汚れによる帯電電位のムラが発生し易いときに実施してもよい。
【0090】
また、画像形成処理の直前の電位分布を計測し、計測直後の画像形成処理に計測結果を反映させるように、画像形成処理と同期して処理を行なってもよい。
【0091】
さらに、上記の通り、本実施の形態で用いたコレステリック液晶はメモリー性を有している。従って、電位分布計測装置24を感光体20との対向面から離し、画像形成装置10の装置外に出した場合にも、液晶表示部56の液晶の配向状態を検出することが可能である。このように、電位分布計測装置24を画像形成装置10の装置外に出して用いる場合は、電位分布計測装置24にカメラ58を含めなくてもよくなる。
【0092】
このように、本実施の形態では、液晶の配向状態により被検出面の帯電状態を検出することから、100μm以下の液晶の大きさの位置分解能で、電位分布を計測することが可能である。
【0093】
なお、本実施の形態では、黒色の基板64を用いているが、コレステリック液晶で反射される波長の光を吸収する色であればよい。
【0094】
また、本実施の形態では、基板間にコレステリック液晶を封入する場合について説明したが、基板間にネマティック液晶を充填した複数の液晶マイクロカプセルを分散したNCAP層を基板間で挟むNCAP方式の液晶を用いてもよい。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る電位分布装置について説明する。
【0095】
第1の実施の形態では、コレステリック液晶を用いた電位分布計測装置により被検出面の電位分布を計測する場合について説明したが、第2の実施の形態では、ネマティック液晶を用いた電位分布計測装置により被検出面の電位分布を計測する場合について説明する。以下では、第1の実施の形態と対応する部分についての説明を省略し、第1の実施の形態との差異を主として説明する。
【0096】
図7(A)に示されるように、第2の実施の形態に係る電位分布計測装置24は、液晶表示部82と、カメラ58とで構成される。
【0097】
液晶表示部82は、透明電極62を備えた基板84と分解電極70を備えた基板86とが対向して配置され、基板84,86間に液晶88が封入されて構成されている。
【0098】
本実施の形態では、液晶88として、液晶を透過した光のガンマ値が1に近いECBモード(HAN型)の液晶を用いる。1に近いガンマ値の液晶を用いることで、より精密に帯電電位のムラを検出することが可能になる。
【0099】
ECBモードの液晶を用いるため、基板84,86は、透明なPESフィルム等の偏光の状態を変更しない誘電体部材で形成する。また、基板86と液晶88との間には偏光の状態を変更しない反射膜90を設ける。なお、基板86又は分解電極70を、透過光を反射する部材で構成した場合は、反射膜90は不要である。
【0100】
さらに、液晶表示部82は、基板84の上にλ/4板92及び偏光板94が設けられている。偏光板94は、液晶88に入射する光を一方向成分のみをもった直線偏光に偏光する。λ/4板92は、偏光板94によって偏光された直線偏光を円偏光に変換する。
【0101】
また、ECBモードの液晶は、実効値が0V〜5Vの範囲の電圧印加により配向状態が変化する。これに対し、想定される帯電後に発生する感光体20の周面の帯電電位のムラは約±25Vの範囲である。このことから、本実施の形態では、液晶表示部82に、液晶88に印加される電圧が、基板84,86間の電圧の1/10の大きさになる機構を設ける。すなわち、基板86の液晶88側と分解電極70の感光体20の周面側とにチップコンデンサ96を接続する。これにより、基板84,86間は、図7(B)に示されるように2つのコンデンサが直列接続された状態になる。チップコンデンサ96の容量は、液晶88の容量の例えば1/9倍に定めるとよい。これにより、液晶88に印加される電圧は、基板84,86間の電圧の1/10の大きさになる。例えば、液晶88の容量が0,9nFである場合は、チップコンデンサ96の容量を0.1nFとすればよい。
【0102】
透明電極62には、透明電極62を所定のバイアス電位にするためのバイアス電源98が接続されている。例えば、本実施の形態では、基板84,86間の電圧が例えば約25Vになるように、透明電極62を−675Vのバイアス電位にするバイアス電源98を用いている。すなわち、液晶88には、±2.5Vの範囲のムラのある2.5Vの電圧が印加され、配向状態が変化する0V〜5Vの範囲の電圧が印加されることになる。
【0103】
バイアス電源98は、スイッチ98Sを介して基板86に設けられている初期化電極98Eとも接続されている。本実施の形態では、電位分布の計測後に初期化電極98Eをバイアス電源98と接続することで、透明電極62と初期化電極98Eとを同電位にして、液晶88の配向状態を初期化する。
【0104】
基板86、反射膜90、及び分解電極70は、第1の実施の形態の基板64及び分解電極70と同様に、図5(B)に示されるように、複数の反射膜素子を電極素子と誘電体素子とで挟んだ素子が同図矢印Dで示される主走査方向に並べられたラダー形状に構成されている。
【0105】
次に、感光体20の周面の電位分布の計測するときの、電位分布計測装置24の動作について説明する。
【0106】
液晶表示部82が帯電器22により帯電された直後の感光体20の周面と対向すると、バイアス電源98を接続された透明電極62と感光体20の周面との間に電圧が生じる。
【0107】
基板84,86間に封入されている液晶88は、チップコンデンサ96により分圧された基板84,86間の電圧に応じて、配向状態を変える。
【0108】
ここで、本実施の形態に係る液晶表示部82に封入されているECBモードの液晶は、電圧が印加されない状態では、基板84,86に対して垂直に配列する。カメラ58の光源から照射されて液晶表示部82に入射した光は、偏光板94によって一方向成分のみをもった直線偏光に偏光され、λ/4板92によって円偏光に変えられる。電圧が印加されない状態では液晶88は基板84,86に垂直に配列するので、円偏光は偏光の向きを変えずに反射膜90に反射され、再びλ/4板92を通過することによって直線偏光に変えられ、偏光板94を通過して液晶表示部82から出射する。
【0109】
一方、液晶88は、電圧が印加されると配向状態を変える。配向状態を変えた液晶88は、入射された光を複屈折して円偏光の偏光の向きを変える。偏光の向きが変わった円偏光は、反射膜90に反射され、再びλ/4板92を通過する。このとき、偏光の向きが変わった円偏光は、最初に偏光板94に偏光されたときと偏光の向きが異なる直線偏光にとなるため、再び偏光板94を通過して液晶表示部82から出射する光の量は、電圧が印加されない状態と比較して減少する。
【0110】
感光体20の周面が一様に帯電されている場合は、基板84,86間の電界強度は一様となるため、基板84,86間に封入されている液晶88の配向状態は均一となり、液晶表示部82から出射する光の量は一様である。一方、感光体20の周面の帯電電位にムラがある場合は、基板84,86間の電界強度にもムラが生じ、基板84,86間に封入されている液晶88の配向状態は不均一となり、液晶表示部82から出射する光の量は位置により異なる。
【0111】
なお、本実施の形態では、ECBモードの液晶を用いる場合について説明したが、TN液晶を用いてもよい。
(第3の実施の形態)
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る電位分布装置について説明する。
【0112】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、分解電極等をラダー形状に構成する場合について説明したが、第3の実施の形態では、分解電極等を網形状に構成する場合について説明する。以下では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と対応する部分についての説明を省略し、第1の実施の形態及び第2の実施の形態との差異を主として説明する。
【0113】
第3の実施の形態においては、分解電極等は、図8に示されるように、複数の素子を2次元方向に並べられて網形状に構成されている。各々の素子は、所望する電位分布の計測の分解能に応じた間隔で並べられ、微小空間毎に電界が形成されるようになっている。電位分布計測装置24は、各素子の間隔の細かさに応じた電位分布を計測する。
【0114】
このように、分解電極等を2次元形状にすることにより、感光体20の回転速度によらず、主走査方向と直交する副走査方向の帯電電位のムラを精度よく検出することができる。
【0115】
なお、上記の各実施の形態において、電圧の印加が停止した後も、配列状態を維持するメモリー性を有さない液晶を用いる場合は、初期化電極の設置は必須ではない。しかし、液晶に連続して極性の偏った電圧を印加した場合、イオンが偏り、電位分布計測装置が正常に動作しなくなるときがあるため、初期化電極を設けて、液晶の配向状態の初期化を行う方が望ましい。
【0116】
また、第1の実施の形態おいても、帯電電位のムラが±5Vの範囲を超える場合は、第2の実施の形態と同様に分圧する機構を設けるとよい。
【0117】
また、上記の実施の形態で、分解電極が初期化電極を兼ねる構成としてもよい。この場合、分解電極がスイッチを介してバイアス電源と接続される。
【0118】
また、上記の各実施の形態では、感光体の周面の電位の分布を計測する場合について説明したが、被検出面は感光体の周面に限らず、中間転写体の面及び転写用の用紙の面の電位分布を計測してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る帯電器の概略構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係る走査光学系部の概略構成を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る画像形成装置の画像形成のサイクルを示す図である。
【図5】(A)は第1実施の形態に係る電位分布計測装置の概略構成を示す図であり、(B)は分解電極等の概念図である。
【図6】トーンリプロダクション補正の概念図である。
【図7】(A)は第2実施の形態に係る電位分布計測装置の概略構成を示す図であり、(B)は分圧の概念図である。
【図8】第3の実施の形態に係る分解電極等の概念図である。
【符号の説明】
【0120】
10 画像形成装置
14 画像処理部
16 画像形成エンジン部
20 感光体
22 帯電器
22A 帯電ロール
22B クリーニングロール
24 電位分布計測装置
26 走査光学系部
30 中間転写体
54 補正制御部
56 液晶表示部
58 カメラ
60,64 基板
62 透明電極
66 液晶
68 バイアス電源
68E 初期化電極
68S スイッチ
70 分解電極
82 液晶表示部
84,86 基板
88 液晶
90 反射膜
92 λ/4板
94 偏光板
96 チップコンデンサ
98 バイアス電源
98E 初期化電極
98S スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面が帯電される被検出面と対向するように配置可能な第1の基板と、
一方の面に透明電極が設けられ、かつ当該透明電極が設けられた面が前記第1の基板の他方の面と対向するように配置された透明な第2の基板と、
前記第1の基板の他方の面側と前記第2の基板の前記透明電極が設けられた側との間に介在され、前記被検出面と前記透明電極との間に発生する電界強度に応じて配向状態が変化する液晶と、
前記液晶に入射され、該液晶の配向状態に応じて変化する光の状態を検出する検出手段と、
を含む検出装置。
【請求項2】
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記被検出面の電位分布を計測する計測手段を更に含む請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1の基板を誘電体で構成した請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記液晶をコレステリック液晶又はNCAP方式の液晶で構成し、前記検出手段が前記光の状態として前記液晶から反射された光の強度分布を検出するようにした請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記第1の基板側で、前記液晶で反射される波長の光を吸収するようにした請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記液晶をEBCモードの液晶又はTNモードの液晶で構成し、前記検出手段が前記光の状態として前記液晶を透過した光の偏光状態の変化分布を検出するようにした請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記液晶を透過し、かつ偏光子を通過した偏光の強度分布を検出する請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記第1の基板を、入射された光の偏光状態を変更しないで反射する部材で形成した請求項7又は請求項8に記載の検出装置。
【請求項9】
前記透明電極に、当該透明電極の電位をバイアス電位にするバイアス電源を接続した請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項10】
前記バイアス電位を前記液晶に応じた値とした請求項9に記載の検出装置。
【請求項11】
前記バイアス電位を前記被検出面の電位に応じた値とした請求項9又は請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記第1の基板に、微小空間毎に電界が形成されるように1次元方向又は2次元方向に並べた複数の電極部材で構成された分解電極を設け、
前記液晶の配向状態を初期化するときに、前記透明電極及び前記分解電極に、前記透明電極と前記分解電極との間に前記初期化するための初期化電圧を印加する初期化電源を接続した請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項13】
前記分解電極を前記液晶と近接させて設けた請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記被検出面と前記液晶との間に分圧素子を更に設けた請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の検出装置。
【請求項15】
感光体と、
前記感光体の周面を一様に帯電する帯電装置と、
前記帯電装置により帯電された前記感光体の周面に画像データに応じた露光を施す露光手段と、
前記帯電装置により帯電された前記感光体の周面を前記被検出面として、前記請求項1〜請求項14に記載の検出装置によって検出された検出結果に基づいて、前記露光手段による露光量、及び前記画像データの階調特性の少なくとも一方を位置に応じて補正する補正手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項16】
前記補正手段は、トーンリプロダクションカーブを補正することにより、前記画像データの階調特性を補正する請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記検出手段によって検出された各位置の電位差が予め定めた範囲外である場合にその旨を報知する報知手段を更に設けた請求項15又は請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記検出手段によって検出された各位置の電位差が予め定めた範囲外である場合に前記帯電装置を清掃する清掃手段を更に設けた請求項15〜請求項17の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−210824(P2009−210824A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53843(P2008−53843)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】