説明

検出装置

【課題】内燃機関から排出される粒子状物質が付着することにより粒子状物質の量(あるいはそれと相関する量)を検出する検出装置において、検出装置に付着した粒子状物質を燃焼する再生処理における再生処理期間長や目標温度が適切に設定される検出装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気管中のPM(粒子状物質)量を検出するPMセンサの再生処理を開始したら(S10:YES)、PMセンサの電極の目標温度を算出し(S30)、その目標温度に追従するように制御する(S50)。そして再生期間中にもPMセンサのPM付着量を算出し続けて(S65)、PM付着量が十分小さくなったら(S80:YES)再生処理を終了する。目標温度は、PM付着量が多いほど低く設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、内燃機関に対してすぐれた排気浄化性能が求められている。特にディーゼルエンジンにおいては、エンジンから排出される黒煙などのいわゆる排気微粒子(粒子状物質、PM:Particulate Matter)の除去が重要である。PMの除去の目的のために排気管の途中にディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)が装備されることが多い。
【0003】
排気中のPM量を検出する手段としてPMセンサがある。例えばDPF下流にPMセンサを配置した場合、PMセンサの検出値を用いてDPFが故障していることを検出できる。またDPF上流にPMセンサを配置した場合には、PMセンサの検出値からDPFに堆積するPM量を推定することが可能となる。例えば下記特許文献1では、排気管内にPMセンサを配置してDPF内のPM堆積量を推定するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−60018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PMセンサの代表的な構造は、図18に示されているとおり、絶縁体50と1対の電極51、52と電源54とを備える。PMが流通する排気管中にPMセンサ5を配置すると絶縁体50にPMが付着する。PMは導体なので、電極51、52間をつなぐまでPMが堆積すると電極間が電気的に導通状態となる。したがって電源54によって電極51、52間に電圧を供給すると電極51、52間に電流が流れる。より多くのPMが電極51、52間に堆積するほど、より多くの電流が流れる。よって電極間に流れる電流値によって絶縁体に堆積したPM量、さらには排気管中のPM量が検出(推定)できる。
【0006】
PMセンサを用いる場合、PMセンサ(の絶縁体)に付着(堆積)したPM量が大きくなりすぎたと判断した毎に、PMセンサに付着したPMを燃焼してPMセンサを再生する必要がある。その例が図17に示されている。
【0007】
同図のとおり、PMセンサ再生が終了して絶縁体におけるPM付着量がゼロの状態から時間が経過するにつれてPM付着量が増加していくが、陽極と陰極の間がPMにより電気的に接続されるまではPMセンサの出力値はゼロである。ある時点で陽極と陰極の間が電気的に接続されると、その後PMセンサ出力値は増加し始める。PMセンサ出力値が予め設定された閾値を越えたらPMセンサ再生処理を行う。エンジン運転中、以上の処理が繰り返されることとなる。
【0008】
PMセンサの再生においては、再生期間が短すぎると、PMの一部が燃え残ってPM量の検出精度が低下する可能性がある。逆に、PMセンサ再生中は例えばDPFの故障検出ができないので、再生期間が不必要に長すぎることも回避しなければならない。
【0009】
またPMセンサ再生中におけるPMを燃焼させる温度(電極温度)は通常、設定された目標温度に追従するように制御されるが、目標温度が高すぎるとPMセンサに付着したPMが急激に燃焼してPMセンサが損傷する可能性がある。逆に目標温度が低すぎると、PMの燃焼に時間がかかりPMセンサの再生期間を長くしなければならなくなり望ましくない。したがって適切に目標温度を設定することが必要である。以上のようなPMセンサ再生処理における再生期間長や目標温度の適切な設定は従来技術において課題として認識されていない。
【0010】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、内燃機関から排出される粒子状物質が付着することにより粒子状物質の量(あるいはそれと相関する量)を検出する検出装置において、検出装置に付着した粒子状物質を燃焼する再生処理における再生処理期間長や目標温度が適切に設定される検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するために、本発明に係る検出装置は、内燃機関の排気が流通する排気通路に配置されて、付着部を備え、その付着部に付着した排気中の粒子状物質の量に相関する相関量を検出する検出部と、前記付着部を昇温して前記付着部に付着した粒子状物質を燃焼する再生処理において、前記付着部の温度を目標温度に追従するように制御する制御手段と、前記付着部に付着した粒子状物質の量が多いほど前記目標温度を低く設定する第1設定手段と、前記付着部に付着した粒子状物質の量が多いほど、あるいは前記再生処理の実行中の前記付着部の温度が低いほど、前記再生処理の期間を長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第2設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
これにより本発明に係る検出装置は、内燃機関の排気通路に配置されて、付着部に付着した粒子状物質の量に相関する相関量を検出する検出装置において、付着部に付着した粒子状物質の量が多いほど、付着部を昇温する再生処理における目標温度を低く設定するので、粒子状物質の付着量が多い場合には目標温度を低くして過度の燃焼を回避し、付着量が少ない場合は目標温度を高くして迅速に燃焼させて不必要に長い再生期間長を回避できる。さらに付着部に付着した粒子状物質の量が多いほど、あるいは再生処理の実行中の付着部の温度が低いほど、再生処理の期間を長くするので、粒子状物質の付着量が多い場合や、付着部の温度が低い場合は再生期間を長くして燃え残りを抑制し、粒子状物質の付着量が少ない場合や、付着部の温度が高い場合は再生期間を短くして不必要に長い再生期間長を回避することができる。したがって適切に設定された目標温度と再生期間長とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0013】
また前記第1設定手段は、前記再生処理の開始前に前記検出部により検出された相関量が大きいほど、前記目標温度が低くなるように設定する第3設定手段を備えたとしてもよい。
【0014】
この発明によれば、再生処理の開始前の相関量が大きい(つまり粒子状物質の付着量が大きい)ほど目標温度を低くするので、再生処理の開始前に、粒子状物質の付着量が多い場合には目標温度を低くして過度の燃焼を回避し、付着量が少ない場合は目標温度を高くして不必要に長い再生期間長を回避する目標温度を設定できる。したがって適切に設定された目標温度と再生期間長とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0015】
また前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する算出手段を備え、前記第1設定手段は、前記算出手段により算出された粒子状物質の付着量が多いほど、前記目標温度が低くなるように設定する第4設定手段を備えたとしてもよい。
【0016】
この発明によれば、再生処理の実行中の粒子状物質の付着量を算出して、算出値が大きいほど目標温度を低くするので、再生処理の実行中に時々刻々、粒子状物質の付着量が多い場合には目標温度を低くして過度の燃焼を回避し、付着量が少ない場合は目標温度を高くして不必要に長い再生期間長を回避する目標温度を設定できる。したがって再生処理実行中に時々刻々適切に設定された目標温度と再生期間長とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0017】
また前記第2設定手段は、前記再生処理の開始前に前記検出部により検出された相関量が大きいほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第5設定手段を備えたとしてもよい。
【0018】
この発明によれば、再生処理の開始前の相関量が大きい(つまり粒子状物質の付着量が大きい)ほど再生処理期間長を長くするので、再生処理の開始前に、粒子状物質の付着量が多い場合には再生処理期間長を長くして燃え残りを回避し、付着量が少ない場合は再生処理期間長を短くして不必要に長い再生期間長を回避するように再生期間長を設定できる。したがって適切に設定された再生期間長と目標温度とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0019】
また前記第2設定手段は、前記再生処理の実行中における前記付着部の温度が低いほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第6設定手段を備えたとしてもよい。
【0020】
この発明によれば、再生処理の実行中の付着部の温度が低いほど再生処理期間長を長くするので、再生処理の実行中に時々刻々、付着部の温度が低い場合には再生処理期間長を長くして燃え残りを回避し、付着部の温度が高い場合は再生処理期間長を短くして不必要に長い再生期間長を回避する再生処理期間長を設定できる。したがって再生処理実行中に時々刻々適切に設定された再生期間長と目標温度とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0021】
また前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する算出手段を備え、前記第2設定手段は、前記再生処理の実行中に、前記算出手段により算出された粒子状物質の付着量が所定値より小さくなったら前記再生処理を終了する終了決定手段を備えたとしてもよい。
【0022】
この発明によれば、再生処理の実行中に、付着部における粒子状物質の付着量を算出して、算出値が所定値より小さくなったら再生処理を終了するので、再生処理の実行中に時々刻々算出された精度のよい粒子状物質の付着量を用いて、最適のタイミングで再生処理を終了できる。したがって最適のタイミングで再生処理を終了することによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0023】
また前記排気通路を流通する排気の温度を検出する温度検出手段を備え、前記第2設定手段は、前記温度検出手段により検出された排気温度が低いほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第7設定手段を備えたとしてもよい。
【0024】
この発明によれば、排気温度が低いほど再生処理期間長を長くするので、排気温度が低い場合には燃焼が弱められることを考慮して再生処理期間長を長くして燃え残りを回避し、排気温度が高い場合は再生処理期間長を短くして不必要に長い再生期間長を回避する再生処理期間長を設定できる。したがって排気温度に応じて適切に設定された再生期間長と目標温度とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0025】
また前記排気通路を流通する排気の流量を検出する流量検出手段を備え、前記第2設定手段は、前記流量検出手段により検出された排気流量が大きいほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第8設定手段を備えたとしてもよい。
【0026】
この発明によれば、排気流量が大きいほど再生処理期間長を長くするので、排気流量が大きい場合には排気によって熱が持ち去られる分を考慮することにより再生処理期間長を長くして燃え残りを回避し、排気流量が小さい場合は再生処理期間長を短くして不必要に長い再生期間長を回避する再生処理期間長を設定できる。したがって排気流量に応じて適切に設定された再生期間長と目標温度とによって、燃え残り、過度の燃焼、不必要に長い再生期間長を回避して再生できる検出装置が実現できる。
【0027】
また前記相関量は、前記付着部に付着した粒子状物質を流れる電流値であり、前記算出手段は、前記再生処理の実行中に前記検出部が検出した相関量を前記付着部の温度により補正して、前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する補正手段を備えたとしてもよい。
【0028】
この発明によれば、検出部が付着した粒子状物質を流れる電流値を検出する機能を有する場合に、再生処理の実行中の検出部の出力を付着部の温度により補正するので、付着部の温度が高いほど付着した粒子状物質の電気抵抗が変化する性質があることを適切に利用して出力値を補正する。よって温度による電気抵抗の変化が検出部の出力値に影響を与える場合にも適切に補正して、その影響を除去して、再生処理中における粒子状物質の付着量を高精度に算出できる。
【0029】
また前記算出手段は、前記再生処理の実行中における粒子状物質の単位時間当たりの燃焼量を推定する推定手段と、その推定手段により推定された燃焼量を、前記再生処理の開始前に前記検出部により検出された相関量に相当する粒子状物質量から減算して、前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する減算手段を備えたとしてもよい。
【0030】
この発明によれば、再生処理開始前の粒子状物質の付着量から、再生処理中の燃焼量の推定値を減算して、再生処理中の付着量を算出するので、再生処理中は検出部の出力は用いない方法によって、精度よく再生処理中の粒子状物質の付着量を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明における検出装置の実施例における構成図。
【図2】実施例1におけるPMセンサ再生処理のフローチャート。
【図3】燃焼除去開始直前のPM量検出値と電極目標温度との関係の例を示す図。
【図4】燃焼除去開始直前のPM量検出値と燃焼除去期間との関係の例を示す図。
【図5】実施例2におけるPMセンサ再生処理のフローチャート。
【図6】燃焼時PM残存付着量と電極目標温度との関係の例を示す図。
【図7】PM燃焼除去時の電極温度と燃焼除去期間との関係の例を示す図。
【図8】燃焼時PM残存付着量算出処理の第1の例のフローチャート。
【図9】燃焼時PM残存付着量算出処理の第2の例のフローチャート。
【図10】電極温度と燃焼速度との関係の例を示す図。
【図11】実施例3におけるPMセンサ再生処理のフローチャート。
【図12】燃焼時PM残存付着量の時間推移の例を示す図。
【図13】実施例4におけるPMセンサ再生処理のフローチャート。
【図14】排気管内温度と燃焼除去期間との関係の例を示す図。
【図15】排気管内排気流量と燃焼除去期間との関係の例を示す図。
【図16】ヒータ電気抵抗と電極温度との関係の例を示す図。
【図17】PMセンサの状態、電極温度、PMセンサ出力の時間推移の例を示す図。
【図18】PMセンサの構造の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る検出システム1(システム、検出装置)の実施例1における装置構成の概略図である。図1のシステムは例えば自動車車両に装備すればよい。
【0033】
システム1は、ディーゼルエンジン2(エンジン)の排気管4中のPM量を検出するためのシステムであり、吸気管3、排気管4、PMセンサ5、電子制御装置6を備える。吸気管3を通じてエンジン2へ吸気(空気)が供給される。吸気管3には、エアフロメータ30が装備されている。エアフロメータ30によって吸気量(例えば単位時間当たりの質量流量)が検出される。エンジン2の筒内にはインジェクタ20から燃料が噴射される。
【0034】
排気管4には、DPF40、差圧センサ41、排気温センサ42が配置されている。DPF40によってエンジン2から排出されたPMが捕集される。差圧センサ41はDPF40の前後差圧(DPF40の上流側の圧力と下流側の圧力の差分値)を検出する。排気温センサ42は排気温度を検出する。PMセンサ5は、DPF40下流の排気管4に装備されて、DPF40をすり抜けてきたPM量を検出する。
【0035】
DPF40は、例えば代表的な構造として、いわゆるハニカム構造において入口側と出口側を交互に目詰めした構造とすればよい。エンジン2の運転中に排出される排気にはPM(粒子状物質)が含まれ、このPMはDPF40の上記構造のDPF壁を排気が通過するときに、このDPF壁の内部あるいは表面に捕集されて車外に排出される排気が浄化される。DPF40は例えば酸化触媒が担持された酸化触媒付きDPFであるとすればよい。
【0036】
DPF40に堆積したPMの堆積量が十分大きくなった度ごとに、堆積したPMを燃焼することによって除去し、DPF40を再生する。PMの堆積量を推定する方法は例えば、DPF40の前後差圧とPM堆積量の関数関係(マップ)を予め求めておいてメモリ60に記憶しておき、差圧センサ41の検出値と同マップとからPMの堆積量を推定すればよい。このマップは、代表的な特性としては、前後差圧とPM堆積量とをそれぞれ縦軸横軸とした関係がほぼ平行四辺形の形状となり、PMが堆積し、燃焼することによりその平行四辺形を1周する。
【0037】
電子制御装置6(ECU:Electronic Control Unit)は、通常のコンピュータと同様の構造を有するとして、各種演算をおこなうCPUや各種情報の記憶を行うメモリ60を備えるとすればよい。ECU6は上記各種センサの検出値の取得やインジェクタ20での燃料噴射量の指令などを司る。またECU6は後述のとおり、本発明の主要目的であるPMセンサの再生における再生期間や目標温度の調節を行う。
【0038】
PMセンサ5の構造の例が図18に示されている。PMセンサ5は、板状の絶縁体50の上に1対の陽極51、陰極52からなる電極が形成されている。そして全体が、例えば金属製のカバー56で覆われている。カバー56には複数の孔部が形成されていて、カバーの内側にPMが流入する。そしてPMは、自身が持つ粘着性によって電極部(絶縁体50、電極51、52など)に付着、堆積していく。PMは導電性を有するので、絶縁体50上に堆積したPMによって電極51、52間が連結されると、電極51、52間が導通状態となる。
【0039】
電極51、52間には直流電源54によって電圧が印加されており、センサ素子50上に堆積したPMによって電極51、52間が導通状態となると、電極51、52間に電流が流れる。その電流値を電流計55によって計測し、センサ出力としてECU6へ出力する。PMセンサが出力する電流値は、絶縁体50のPM付着量(さらには排気管4を流通する粒子状物質の量)に相関する量である。直流電源54は車両のバッテリーとしてもよい。
【0040】
絶縁体50における電極51、52の裏側には、ヒータ53が装備されている。ヒータ53は例えば金属(導体)からなるとすればよい。ECU6からの指令でヒータ53に電流を流してヒータ53の電気抵抗によって昇温させて、これにより絶縁体50表面に堆積したPMを燃焼して除去する。これによってPMセンサ5が再生される。
【0041】
ECU6は、ヒータ53を流れる電圧値、電流値を検出することによって、両者の除算によってヒータ53の電気抵抗値を算出できるとする。周知のとおり電気抵抗値は温度によって変化する性質を有するので、図16に例示されているように、電気抵抗値の算出によってヒータ53の温度、すなわち近似的に電極の温度が検出できる。用いられるヒータ53の材質(例えば白金)などに応じて図16の特性を予め求めておいて、例えばメモリ60に記憶しておけばよい。
【0042】
以上の構成のもとで、実施例1においてシステム1では、PMセンサの再生期間の終了および再生中の目標温度の制御を行う。その処理手順が図2に示されている。図2(および後述の図5、図8、図9、図11)の処理手順は予めプログラム化されて例えばECU6内のメモリ60に記憶されており、エンジン2の運転中ECU6が自動的に繰り返しそれを実行すればよい。
【0043】
図2の処理ではまず手順S5でECU6は、PMセンサ5の出力値を取得する。次にS10でECU6はPMセンサ5の出力値が再生処理(PMセンサ5の絶縁体50に付着したPMの燃焼除去)を必要とする数値まで達したか否か、すなわち再生を開始するか否かを判定する。PMセンサ5の再生を開始する場合(S10:YES)はS15に進み、再生を開始しない場合(S10:NO)は再びS5に戻る。
【0044】
次にS15でECU6は、再生期間(燃焼除去期間)の長さを算出する。その具体的な算出方法の例が図4に示されている。図4は、PMセンサの再生処理(PM燃焼除去)の開始直前(あるいは開始時)におけるPM量検出値(横軸)に応じた適切なPMセンサ再生(PM燃焼除去)期間を示す図である。同図のとおり、PMセンサ再生処理開始直前のPM付着量が多いほど再生期間を長くすれば、燃え残りが抑制されて好適である。図4のマップは予めメモリ60に記憶しておけばよい。
【0045】
次にS30でECU6は、燃焼除去期間中における電極部の目標温度を算出する。この算出処理は例えば図3に基づいて行う。図3は、燃焼除去開始直前におけるPM量検出値(横軸)に応じた適切な電極目標温度(縦軸)を示す図である。同図のとおり、PMセンサ再生処理開始直前のPM付着量が多いほど電極目標温度を低くすれば、付着量が多い場合過度な燃焼によってPMセンサの損傷などの不具合を起こすことが回避でき、付着量が少ない場合は迅速に燃焼できるので好適である。図3のマップは予めメモリ60に記憶しておけばよい。
【0046】
次にS40でECU6は、電極温度を検出する。これは上述のとおりヒータ53の電気抵抗を算出して、それとメモリ60に記憶された図16の特性とから算出したヒータ温度を電極温度とみなせばよい。次にS50でECU6は電極温度を制御する。これは、S40で検出した電極温度をS30で求めた目標温度に追従するように、ECU6でフィードバック制御を行えばよい。
【0047】
次にS70でECU6は、PMセンサの再生処理(PMセンサに付着したPMの燃焼除去処理)を終了するか否かを判定する。再生処理を終了する場合(S70:YES)は図2の処理を終了する。まだ再生処理を終了しない場合(S70:YES)はS40に戻って上記処理を繰り返す。終了判定(S70:YES)がなされたらECU6はPMセンサ再生処理を終了する。具体的に終了判定は、S15で設定したPMセンサ再生期間が経過したら終了と判定すればよい。このためにECU6は計時機能を有するとすればよい。
【0048】
以上が実施例1である。上記のとおり実施例1では、PMセンサ再生処理開始前に再生期間長(S15)および目標温度(S30)を設定している。そして再生処理開始直前のPM付着量が多いほど再生期間長を長くすることにより燃え残りが回避できる。また再生処理開始直前のPM付着量が多いほど目標温度を低くすることにより過度の燃焼が回避しつつ迅速な燃焼が達成できる。
【0049】
次に実施例2を説明する。実施例2においては、PMセンサ再生処理中にPMセンサにおけるPMの残存付着量を算出し、その残存付着量に応じて再生中に電極目標温度を調節し、再生中の電極温度に応じて再生期間も調節する。
【0050】
実施例2においても図1の構成を用いる。以下で実施例1とは異なる部分を説明する。実施例2では図2でなく図5のフローチャートが実行される。図5のフローチャートにおいて図2と同一符号の処理は、説明しない限り同一の処理内容とすればよい。図5のフローチャートでは、図2におけるS15が削除され、新たにS20、S60、S65の処理が実行される。そしてS70で否定判断(NO)となったらS30に戻る。
【0051】
S20では再生開始直前のPMセンサ出力値からPM付着量を算出する。この目的のためにPMセンサの出力値と絶縁体50におけるPM付着量との関係を示すマップを予めメモリ60に記憶しておいて、S20ではこれを用いればよい。
【0052】
図5のS30ではPMセンサ再生処理中のPMセンサにおけるPMの付着量(燃焼中PM残存付着量)に応じて電極目標温度を算出する。その算出は例えば図6に基づいて実行する。図6は、燃焼時PM残存付着量(横軸)に応じた適切な電極目標温度(縦軸)を示す図である。同図のとおり、PMセンサ再生処理開中のPM付着量が多いほど電極目標温度を低くすれば、過度な燃焼によってPMセンサの損傷などの不具合を起こすことが回避できるので好適である。図6のマップは予めメモリ60に記憶しておけばよい。なお図6の横軸の燃焼時PM残存付着量は後述のS65で算出する。
【0053】
またS60でECU6は、S40で求めた電極温度を用いて燃焼除去期間(再生期間)を算出する。具体的な算出方法は図7に基づいて行う。図7は、PMセンサ再生処理中における電極温度(横軸)に応じた適切なPMセンサ再生処理(燃焼除去)期間の長さ(縦軸)を示す図である。同図のとおり、PMセンサ再生処理中における電極温度が低いほどPMセンサ再生処理期間長を長くし、電極温度が高いほどPMセンサ再生処理期間長を短くすれば、燃え残りも過度の燃焼も回避できるので好適である。図7のマップは予めメモリ60に記憶しておけばよい。
【0054】
続いてS65でECU6は燃焼時PM残存付着量を算出する。S65での具体的な算出方法は、たとえば図8に基づいた方法、あるいは図9、図10に基づい方法により行う。図8に基づいた方法は、PMセンサ再生中におけるPMセンサの出力値を電極温度で補正して燃焼時PM残存付着量を算出する方法である。
【0055】
具体的に図8の処理では、まずS650でECU6は、PMセンサ5の出力値を取得する。続いてS651でECU6は、電極温度を用いてS650で取得したPMセンサ出力値を補正する。通常PMセンサ再生処理中(特に再生処理開始直後)はPMセンサ出力の電流値が大きくなる場合があるが、この現象は、高温になるとPMの電気抵抗が小さくなる性質が影響しているとの知見を発明者は得ている。
【0056】
したがってPMセンサ再生処理中のPMセンサの電流値は必ずしもPM付着量を精度よく反映しているとは言えないので、温度による電気抵抗値の変化の影響を低減(除去)するように補正することが望ましい。S651では、この補正を実行する。したがって例えば、温度と補正係数の関係を示すマップを予めメモリ60に記憶しておいて、S651ではこのマップとS40で求めた電極温度とから補正係数を求めて、S650で求めたPMセンサ出力に補正係数を例えば乗算して補正すればよい。
【0057】
そしてS652でECU6は、S651で補正されたPMセンサ出力値によってPMセンサのPM残存付着量を算出する。この算出は上述のS20と同様にマップにより行えばよい。以上が図8に基づくS65での算出処理の例である。
【0058】
次に図9、図10に基づくPM残存付着量の算出方法は、マップにより燃焼速度を算出し、それで得られた燃焼量を再生開始直前のPM付着量から減算していくことにより、PM残存付着量を算出する方法である。具体的にはまずS653でPMセンサにおけるPM燃焼速度を算出する。この算出は例えば図10のマップにしたがって行えばよい。同図は、電極温度(横軸)の値ごとの絶縁体50に付着したPMの燃焼速度(縦軸)を示すマップである。
【0059】
同図のとおり、電極温度と燃焼速度(単位時間あたりの燃焼量)との関係はPMセンサにおけるPM残存付着量(残存量と略記)に応じて異なり、PM残存付着量が多いほど、燃焼反応が活発となって燃焼速度も大きくなる。図10のマップは予め求めておいて例えばメモリ60に記憶しておけばよい。
【0060】
続いてS654でECU6は、PMセンサ5の再生処理(燃焼除去処理)開始直前のPMセンサにおけるPM付着量から、S653で算出された燃焼速度に対応する燃焼量を減算する。
【0061】
図9の処理はPMセンサの再生中繰り返し行えばよい。これにより、再生処理開始直前のPM付着量から時々刻々の燃焼量が減算されていって、現在時点でのPM残存付着量が算出される。以上が図9、図10に基づくS65での算出処理の例である。
【0062】
以上が実施例2である。上記のとおり実施例2では、PMセンサ再生処理中に再生期間長(S60)および目標温度(S30)を設定している。したがって再生期間長および目標温度は、PMセンサ再生中に時々刻々、適切に調節される。そして再生処理中のPM残存付着量が多い(少ない)ほど目標温度を低く(高く)することにより燃え残りや過度の燃焼が回避できる。また再生処理中の電極温度が低い(高い)ほど再生期間を長く(短く)することによっても燃え残りや過度の燃焼が回避できる。
【0063】
次に実施例3を説明する。実施例3においては、実施例1、2のように再生期間を算出するのではなく、PMセンサ再生処理中にPMセンサにおけるPMの残存付着量を算出し、その残存付着量が十分小さくなったら再生を終了する。実施例3においても図1の構成を用いる。以下で実施例2と異なる部分を説明する。
【0064】
実施例3では図5でなく図11のフローチャートが実行される。図11のフローチャートにおいて図5と同一符号の処理は、説明しない限り同一の処理内容とすればよい。図11のフローチャートでは、再生期間の算出は不要なので図5のS60の処理は削除される。そして図5のS70の処理が、図11ではS80の処理に変更される。
【0065】
S80においてECU6は、S65で算出されたPM残存付着量が所定値以下か否かを判定する。PM残存付着量が所定値以下の場合(S80:YES)、再生終了を判定して図11の処理を終了する。PM残存付着量が所定値より大きい場合(S80:NO)はS30に戻って上述の以降の処理を繰り返す。再生終了が判定された(S80:YES)らECU6はPMセンサ5の再生処理を終了する。
【0066】
図12には、燃焼時PM残存付着量の時間推移の例が示されている。同図のとおり、再生時間が経過するにつれてPMセンサ5の絶縁体50に付着したPMの量が減少していき、いずれかの時点で図11のS80が肯定判断(YES)となる。これにより、PM残存付着量を時々刻々算出(推定)していき、そのPM残存付着量が十分小さくなればPMセンサの再生処理を終了するので、PMの燃え残りがなく、かつ再生期間が不必要に長すぎないとの条件を達成することができる。
【0067】
以上が実施例3である。実施例3では、PMセンサ再生中に時々刻々、PM残存付着量を求めて、この値が所定値以下となったら再生を終了するので、絶縁体50に付着したPMが十分に燃焼したらただちにPMセンサ再生処理を終了することができる。よって、最適な時期にPMセンサ再生処理を終了できる。
【0068】
次に実施例4を説明する。実施例4においては、実施例1に、排気温度と排気流量とによって再生期間(燃焼除去期間)を調節する処理を付加する。実施例4においても図1の構成を用いる。以下で実施例1と異なる部分を説明する。
【0069】
実施例4では図2でなく図13のフローチャートが実行される。図13のフローチャートにおいて図2と同一符号の処理は、説明しない限り同一の処理内容とすればよい。図13のフローチャートでは、図2のフローチャートからS15が削除され、S16、S17、S60の処理が付加されている。そしてS70が否定判断(NO)となったらS16に戻る。
【0070】
S16においてECU6は排気温度を検出する。これは排気温センサ42により検出すればよい。そしてS17においてECU6は排気流量を検出する。これは吸気流量と排気流量とはほぼ同じ数値だとみなして、エアフロメータ30による検出値を排気流量としてもよい。
【0071】
そしてS60では、S16で求めた排気温度、S17で求めた排気流量に応じて再生期間(燃焼除去期間)を算出する。その際、例えば上述のS15のように再生開始直前のPMセンサ出力値(PM付着量)に応じて再生期間の基本値を求めて、その基本値を排気温度、排気流量を用いて補正してもよい。その補正は例えば図14、図15の傾向を用いて行えばよい。
【0072】
図14は、排気管4内の排気温度(横軸)に応じた適切な燃焼除去期間の長さ(縦軸)を示す図である。同図のとおり、排気温度が高いほど再生中のPM温度も高くなる傾向があると考えられるので、排気温度が高いほど再生期間は短くてよい。図15は、排気管4内の排気流量(横軸)に応じた適切な燃焼除去期間の長さ(縦軸)を示す図である。同図のとおり、排気流量が大きいほど再生中のPMから排気によって熱が下流に持ち去られる傾向があると考えられるので、排気流量が大きいほど再生期間は長くとる必要がある。例えば図14、図15の縦軸は補正係数として、再生期間の基本値にこれらの補正係数を乗算する補正とすればよい。
【0073】
以上が実施例4である。実施例4では、PMセンサ再生期間長を排気流量や排気温度に応じて適切に設定できて、排気流量や排気温度のばらつきのもとでも、燃え残りや過度の燃焼や不必要に長い再生期間長などを回避したPMセンサ再生処理が実行できる。
【0074】
本発明の実施例は、上記説明に限定されず、特許請求の範囲の記載の趣旨に応じて適宜変更可能である。例えば実施例4における排気温度、排気流量の情報の使用を実施例2,3に組み込んでもよい。実施例2に組み込む場合、例えばS16、S17を図5のS30の前に追加し、S60では図14、図15のマップも用いてPMセンサ再生処理期間長を算出すればよい。
【0075】
また実施例3に組み込む場合、例えばS16、S17を図11のS30の前に追加し、S65の処理で図10における横軸の電極温度を図14、図15と同様の趣旨にもとづいて補正すればよい。すなわち排気温度が高いほど電極温度も高くなるように補正する。また、排気流量が大きいほど、熱の持ち去りを考慮して電極温度を低くなるように補正する。
【0076】
なお上記S17における排気流量(流速)の算出方法は以下のとおりおこなってもよい。具体的には、エアフロメータ30で計測した吸気の単位時間当たりの質量流量に筒内での噴射量を加味して、体積流量に変換する。この場合、算出は例えば次の式(E1)にしたがって行う。
V(m/sec)
=[[G(g/sec)/28.8(g/mol)]
×22.4×10−3(m/mol)
+[Q(cc/sec)/207.3(g/mol)
×0.84(g/cc)×6.75]
×22.4×10−3(m/mol)]
×[Teg(K)/273(K)]
× [P0(kPa)/[P0(kPa)+dP(kPa)]] (E1)
【0077】
式(E1)において、V(m/sec)が排気管流通排気体積流量、G(g/sec)が吸気の単位時間当たりの質量流量、Teg(K)が排気温度、dP(kPa)がDPF差圧、Q(cc/sec)が単位時間当たりの燃料噴射量をそれぞれ示している。G、Tegはそれぞれ、エアフロメータ30、排気温センサ42の計測値、そしてQはインジェクタ20への噴射量の指令値とすればよい。
【0078】
式(E1)の右辺第1項は吸気の質量流量を体積流量に変換したものであり、第2項は、噴射燃料の燃焼による吸気から排気への増量分である。第2項中、0.84(g/cc)は軽油の代表的な液密度である。22.4×10−3(m/mol)は摂氏0度、1気圧(atm)での理想気体の1mol当たりの体積である。6.75は燃料噴射量1(mol)に対する排気のモル数の増加率である。
【0079】
増加率(6.75)は以下により得ている。軽油の組成は代表的には、C1527.3(分子量207.3)と表され、燃焼は次の反応式(E2)で表される。したがって、燃料噴射量1(mol)に対し、排気は6.75(=(15+13.5)−21.75)倍のモル数となる。
1527.3+21.75O→15CO+13.5HO (E2)
【0080】
また、燃料噴射はECU6で決定される所定の噴射時期にのみ噴射され、間欠的な噴射となる。式(E1)中の燃料噴射量Qは、非噴射期間も合わせた平均的な燃料噴射量である。
【0081】
なお排気管流通体積流量は次の式(E3)で算出してもよい。式(E3)で算出される排気管流通体積流量は、DPF40の上流における排気流速であり、P0(kPa)が大気圧、dP(kPa)がDPF差圧である。DPF差圧は差圧計41により計測すればよい。
V(m/sec)
=[[G(g/sec)/28.8(g/mol)]
×22.4×10−3(m/mol)
+[Q(cc/sec)/207.3(g/mol)
×0.84(g/cc)×6.75]
×22.4×10−3(m/mol)]
×[Teg(K)/273(K)]
× [P0(kPa)/[P0(kPa)+dP(kPa)]] (E3)
【0082】
また上記では電流値を出力するPMセンサ5を用いたが、シャント(分流)抵抗を有して、電圧値を出力とするPMセンサでもよく、絶縁体50に付着したPM量(あるいは排気管中のPM量)と相関を有する数値を出力するPMセンサであればよい。
【符号の説明】
【0083】
1 検出システム(検出装置)
2 ディーゼルエンジン(エンジン、内燃機関)
4 排気管(排気通路)
5 PMセンサ
40 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
50 絶縁体(付着部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気が流通する排気通路に配置されて、付着部を備え、その付着部に付着した排気中の粒子状物質の量に相関する相関量を検出する検出部と、
前記付着部を昇温して前記付着部に付着した粒子状物質を燃焼する再生処理において、前記付着部の温度を目標温度に追従するように制御する制御手段と、
前記付着部に付着した粒子状物質の量が多いほど前記目標温度を低く設定する第1設定手段と、
前記付着部に付着した粒子状物質の量が多いほど、あるいは前記再生処理の実行中の前記付着部の温度が低いほど、前記再生処理の期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第2設定手段と、
を備えたことを特徴とする検出装置。
【請求項2】
前記第1設定手段は、前記再生処理の開始前に前記検出部により検出された相関量が大きいほど、前記目標温度が低くなるように設定する第3設定手段を備えた請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する算出手段を備え、
前記第1設定手段は、前記算出手段により算出された粒子状物質の付着量が多いほど、前記目標温度が低くなるように設定する第4設定手段を備えた請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第2設定手段は、前記再生処理の開始前に前記検出部により検出された相関量が大きいほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第5設定手段を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記第2設定手段は、前記再生処理の実行中における前記付着部の温度が低いほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第6設定手段を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する算出手段を備え、
前記第2設定手段は、前記再生処理の実行中に、前記算出手段により算出された粒子状物質の付着量が所定値より小さくなったら前記再生処理を終了する終了決定手段を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記排気通路を流通する排気の温度を検出する温度検出手段を備え、
前記第2設定手段は、前記温度検出手段により検出された排気の温度が低いほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第7設定手段を備えた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記排気通路を流通する排気の流量を検出する流量検出手段を備え、
前記第2設定手段は、前記流量検出手段により検出された排気の流量が大きいほど、前記再生処理を実行する期間が長くなるように前記再生処理の終了時期を設定する第8設定手段を備えた請求項1乃至7のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記相関量は、前記付着部に付着した粒子状物質を流れる電流値であり、
前記算出手段は、前記再生処理の実行中に前記検出部が検出した相関量を前記付着部の温度により補正して、前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する補正手段を備えた請求項3又は6に記載の検出装置。
【請求項10】
前記算出手段は、
前記再生処理の実行中における粒子状物質の単位時間当たりの燃焼量を推定する推定手段と、
その推定手段により推定された燃焼量を、前記再生処理の開始前に前記検出部により検出された相関量に相当する粒子状物質量から減算して、前記再生処理の実行中の前記付着部における粒子状物質の付着量を算出する減算手段と、
を備えた請求項3又は6に記載の検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−154216(P2012−154216A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12689(P2011−12689)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】