説明

検査装置及びPTP包装機

【課題】検査状況を把握可能な検査装置、及び、PTP包装機を提供し、もって、検査状況が適切でない場合に、迅速な対応を可能とする。
【解決手段】検査を実行し(S100)、不良判定された場合(S110:YES)、不良発生日時及び不良項目からなる不良履歴に関連付けて、画像データ、シート位置追従量、及び、判定値を記憶する(S130〜S150)。そして、不良発生情報中の不良項目が作業者によって選択されると、通常時は検査対象の画像が表示される画面左側に、不良判定されたときのPTPフィルムの画像を表示する。さらに、不良発生情報の表示欄の下方に、不良判定されたときのシート位置追従量を表示すると共に、判定に用いられれた判定値を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTPシートの製造に際し、錠剤の画像データに基づき外観検査を行う検査装置及び、当該検査装置を具備するPTP包装機を含む技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシートの製造過程にあっては、ポケット部に錠剤等が充填された後、ポケット部を密封するためのカバーフィルムの取着前や取着後に、カメラなどによってポケット部及び充填された錠剤が撮像され、錠剤の欠け、異物の混入等の異常が検査される。そして、異常判定されたPTPシートは不良品として排出される。
【0003】
このような外観検査において、モニタ等の表示装置に、不良履歴を表示させる技術が知られている。例えば、不良発生の日時、不良項目(欠け錠、シート異物等の欠陥項目)を表示する検査装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−300698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、不良発生の日時、不良項目のみからでは、いかなる状況下で不良判定されたのかを、後に把握することはできない。つまり、従来の検査装置では、検査を再現することができないのである。その理由は、検査対象となる画像データが記憶されていなかったためであり、また、例えばロット単位で行われる一連の検査を通して、変化していく検査条件が存在する場合があるためである。
【0005】
ところで、検査状況の再現が必要となるのは、検査が正常に行われているか否かを判断したい状況が存在するためである。例えば、実際に錠剤に欠け等の異常があって不良判定されたのか、あるいは、判定値等の検査条件が妥当性を欠いたために不良判定されたのかを、知りたいといった場合である。後者のような理由で不良判定された場合、検査が正常に行われていないことになる。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、検査状況を把握可能な検査装置、及び、PTP包装機を提供し、もって、検査状況が適切でない場合に、迅速な対応を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを用い、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段による検査結果の履歴に関連付け、少なくとも前記画像データを、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【0009】
手段1に記載の検査装置では、撮像手段が検査対象を撮像し、撮像結果に基づく画像データを用い、検査判定手段によって、検査対象が検査され、良/不良が判定される。撮像結果に基づく画像データとは、撮像手段から直接的に出力されるイメージデータそのものであってもよいし、撮像手段から出力されるイメージデータに対しマスク処理等の加工処理を施したものであってもよい(以下の手段でも同様)。
【0010】
ここで特に手段1では、検査履歴を記憶するための履歴記憶手段を備えており、この履歴記憶手段に対し、履歴記憶制御手段によって、検査判定手段による検査結果の履歴に関連付け、少なくとも画像データが記憶される。検査結果の履歴とは、検査結果や検査日時等の検査結果を特定可能な情報からなることが考えられる。
【0011】
つまり、検査判定手段による検査は画像データに基づいてなされるため、検査状況を再現させるために、少なくとも画像データを記憶しておく必要がある。手段1によれば、検査結果の履歴に関連付けて画像データが記憶されるため、この画像データに基づいて検査状況を把握することが可能となる。その結果、検査状況が適正でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。
【0012】
手段2.検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データに基づき、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段にて不良判定がなされると、検査結果の履歴としての不良履歴に関連付け、少なくとも前記画像データを、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【0013】
手段2に記載の検査装置では、上記検査装置と同様、撮像手段が検査対象を撮像し、撮像結果に基づく画像データが、画像データ記憶手段に記憶される。そして、画像データに基づき、検査判定手段によって、検査対象が検査され良/不良が判定される。
【0014】
ここで特に手段2では、検査履歴を記憶するための履歴記憶手段を備えており、検査結果判定手段にて不良判定がなされると、履歴記憶手段に対し、履歴記憶制御手段によって、検査結果の履歴としての不良履歴に関連付け、少なくとも画像データが記憶される。不良履歴とは、不良項目や不良発生日時等の不良判定結果を特定可能な情報からなることが考えられる(以下の手段でも同様)。
【0015】
手段2によれば、不良履歴に関連付けて画像データが記憶されるため、この画像データに基づいて不良判定がなされた場合の検査状況を把握することが可能となる。その結果、検査状況が適正でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。また、手段2では、不良判定された場合における画像データが記憶されるため、検査に用いられる画像データを全て記憶する構成と比べ、履歴記憶手段に記憶される情報量を低減させることができ、履歴記憶手段の大容量化を要しないというメリットがある。
【0016】
手段3.手段1又は2に記載の検査装置において、
前記履歴記憶制御手段は、前記画像データに加え、検査途中で変化していく検査条件を、前記履歴記憶手段に記憶するよう構成されていることを特徴とする検査装置。
【0017】
検査に用いられる検査条件の中に検査途中で変化していくものがあると、画像データのみを記憶しても検査状況を把握できないという事態が生じるてくる。この点、手段3によれば、履歴記憶制御手段によって、画像データに加え、検査途中で変化していく検査条件が、履歴記憶手段に記憶される。したがって、画像データ及び検査条件に基づいて検査状況を把握することが可能となる。その結果、検査状況が適切でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。
【0018】
なお、検査途中で変化していく検査条件であっても、記憶される画像データから算出できるものであれば、特に記憶する必要はない。この意味において「前記検査途中で変化していく検査条件は、前記画像データからは算出できないものであること」としてもよい。以下の手段でも同様である。
【0019】
手段4.検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データに基づき、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段にて不良判定がなされると、検査結果の履歴としての前記不良判定結果を特定可能な情報に関連付け、前記画像データ及び検査途中で変化していく検査条件を、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【0020】
手段4に記載の検査装置では、上記検査装置と同様、撮像手段が検査対象を撮像し、撮像結果に基づく画像データが、画像データ記憶手段に記憶される。そして、画像データに基づき、検査判定手段によって、検査対象が検査され良/不良が判定される。
【0021】
ここで特に手段4では、検査履歴を記憶するための履歴記憶手段を備えており、検査結果判定手段にて不良判定がなされると、履歴記憶手段に対し、履歴記憶制御手段によって、検査結果の履歴としての前記不良判定結果を特定可能な情報に関連付け、画像データ及び検査途中で変化していく検査条件が記憶される。
【0022】
手段4によれば、不要判定結果を特定可能な情報に関連付けて画像データ及び検査条件が記憶されるため、画像データ及び検査条件に基づいて不良判定がなされた場合の検査状況を把握することが可能となる。その結果、検査状況が適正でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。また、手段4では、不良判定された場合における画像データのみが記憶されるため、検査に用いられる画像データを全て記憶する構成と比べ、履歴記憶手段に記憶される情報量を低減させることができ、履歴記憶手段の大容量化を要しないというメリットがある。
【0023】
手段5.手段3又は4に記載の検査装置において、
前記検査条件は、前記検査対象の位置情報を包含していることを特徴とする検査装置。
【0024】
例えば、検査対象がPTPシートである場合、複数個形成されたポケット部ごとに、錠剤の異常や異物の混入を検査する必要がある。そのため、検査にはPTPシートの位置情報が必要となるが、この位置情報は、検査途中で変化していく。そこで、手段5に示すように、上述の検査条件は、検査対象の位置情報を包含するものであることが考えられる。このように検査対象の位置情報を検査条件として記憶すれば、例えばPTPシートに形成された複数のポケット部ごとに錠剤の異常等を検査する場合に、検査状況を把握することが可能となる。
【0025】
手段6.手段3乃至5のいずれかに記載の検査装置において、
前記検査条件は、前記検査結果から統計的に取得される判定情報を包含していることを特徴とする検査装置。
【0026】
錠剤面積値などの検査においては、過去に検査された良品錠剤の面積値を統計することによって判定値が決定されることがある。このように決定される判定値は、過去に検査された良品錠剤の面積値により、検査途中で変化していく。そこで、手段6に示すように、上述の検査条件は、検査結果から統計的に取得される判定情報を包含するものであることが考えられる。このように検査結果から統計的に取得される判定情報を検査条件として記憶すれば、過去に検査された良品錠剤に基づいて判定値が決定される場合に、検査状況を把握することが可能となる。
【0027】
手段7.請求項3乃至6のいずれかに記載の検査装置において、
前記検査条件は、前記検査判定手段による前記検査対象の検査に際して前記撮像手段から直接的に出力される画像データに加工処理を施す場合の、当該加工処理に関する条件情報を包含していることを特徴とする検査装置。
【0028】
撮像結果に基づく画像データとは、撮像手段から直接的に出力されるイメージデータそのものであってもよいし、撮像手段から出力されるイメージデータに対し加工処理を施したものであってもよいことは既に述べた。
【0029】
撮像手段から直接的に出力されるイメージデータそのものを画像データとして履歴記憶手段に記憶する場合、検査に際して加工処理を施すような構成にあっては、当該加工処理に関する条件、すなわち、撮像手段から直接的に出力されるイメージデータそのものの画像データから検査判定時に参照する加工処理された画像データに至る間の画像の加工処理に関する条件は、記憶された画像データからは算出することができない。そこで、手段7に示すように、上述の検査条件は、検査判定手段による検査対象の検査に際して撮像手段から直接的に出力される画像データに加工処理を施す場合の、当該加工処理に関する条件情報を包含するものであることが考えられる。この条件情報としては、二値化基準データ(二値化の閾値)が一例として挙げられる。このように加工処理に関する条件情報を検査条件として記憶すれば、撮像手段から直接的に出力されるイメージデータそのものを画像データとして記憶する場合にも、検査状況を把握することが可能となる。
【0030】
手段8.手段1乃至7のいずれかに記載の検査装置において、
情報を表示するための表示手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記表示手段を介して情報表示を行う表示制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【0031】
手段8によれば、表示制御手段によって、表示手段を介し、履歴記憶手段に記憶された情報に基づく情報表示が可能となっている。例えば、履歴記憶手段に記憶された画像データをイメージとしてモニタ等に表示したり、検査条件としての判定値等を表示したりすることが考えられる。このようにすれば、作業者にとって検査状況の把握が容易になり、検査状況が適正でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。
【0032】
手段9.検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データに基づき、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段にて不良判定がなされると、検査結果の履歴としての不良項目及び不良発生日時の少なくとも一方に関連付け、前記画像データ、前記検査対象の位置情報、及び、前記検査結果から統計的に取得される判定情報を、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段と、
情報を表示するための表示手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記表示手段を介して前記画像データ、前記位置情報、及び、前記判定情報を表示する表示制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【0033】
手段9に記載の検査装置では、上記検査装置と同様、撮像手段が検査対象を撮像し、撮像結果に基づく画像データが、画像データ記憶手段に記憶される。そして、画像データに基づき、検査判定手段によって、検査対象が検査され良/不良が判定される。
【0034】
ここで特に手段9では、検査履歴を記憶するための履歴記憶手段を備えており、検査結果判定手段にて不良判定がなされると、履歴記憶手段に対し、履歴記憶制御手段によって、検査結果の履歴としての不良項目及び不良発生日時の少なくとも一方に関連付け、画像データ、検査対象の位置情報、及び、検査結果から統計的に取得される判定情報が記憶される。そして、表示制御手段によって、前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記表示手段を介して前記画像データ、前記位置情報、及び、前記判定情報が表示可能となっている。
【0035】
手段9によれば、不良項目及び不良発生日時の少なくとも一方に関連付けて画像データ、検査対象の位置情報、及び、検査結果から統計的に取得される判定情報が記憶されるため、例えば、PTPシートに形成された複数のポケット部ごとに錠剤の異常や異物の混入を検査する場合や、過去に検査された良品錠剤の検査結果を統計することによって判定値が決定される場合であっても、不良判定がなされた場合の検査状況を把握することが可能となる。しかも、表示制御手段によって、表示手段を介し、履歴記憶手段に記憶された情報に基づく情報表示が可能となっているため、すなわち、画像データ、位置情報、判定情報が表示可能であるため、作業者にとって検査状況の把握が容易になり、検査状況が適切でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。また、手段9では、不良判定された場合における画像データが記憶されるため、検査に用いられる画像データを全て記憶する構成と比べ、履歴記憶手段に記憶される情報量を低減させることができ、履歴記憶手段の大容量化を要しないというメリットがある。
【0036】
手段10.手段1乃至9のいずれかに記載の検査装置において、
前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記検査判定手段による検査を再現する検査再現手段を備えていることを特徴とする検査装置。
【0037】
手段10によれば、検査再現手段によって、履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、検査判定手段による検査を再現可能となっている。つまり、記憶された画像データ等を用いて、検査処理を再度実行可能となっている。この検査結果などを確認すれば、作業者にとって検査状況の把握が容易になり、検査状況が適正でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。
【0038】
なお、上述してきた検査装置を複数のユニットで構成するようにしてもよい。その場合、ネットワークを介して各ユニット間で情報を送受するようにすることが考えられる。この意味において、「少なくとも前記撮像手段、前記画像データ記憶手段、並びに、前記検査判定手段を有する検査ユニット、及び、検査結果を処理するための処理ユニットから構成されてなること」としてもよい。この場合、上述した履歴記憶手段及び履歴記憶制御手段、表示手段及び表示制御手段、検査再現手段はそれぞれ、検査ユニットが備えているということも考えられるし、処理ユニットが備えているということも考えられる。
【0039】
以上は検査装置の発明として説明してきたが、次に示すように、PTP包装機の発明として捉えることもできる。
【0040】
手段11.手段1乃至10のいずれかに記載の検査装置を具備してなるPTP包装機。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0042】
まず、図1に基づいて、検査対象としてのPTPシート1について説明する。PTPシート1は、複数のポケット部2の形成された包装用フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして包装用フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。そして、各ポケット部2には、錠剤5が1つずつ収容されている。本実施の形態では、PTPシート1は、帯状の包装用フィルム3及びカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6が打抜かれることで、シート状に製造される。PTPフィルム6(包装用フィルム3)には、幅方向に10個のポケット部2が形成されている。したがって、この幅方向において、2枚のPTPシート1が打ち抜かれる。
【0043】
上記のように構成されてなるPTPシート1は、図2に示すようにPTP包装機11で製造され、該PTP包装機11内に設けられた外観検査装置12(図3参照)によって外観検査が実施されるようになっている。
【0044】
図2に示すPTP包装機11には、最上流側に、ロール状に巻回された包装用フィルム3が配置されている。包装用フィルム3には、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)等の光透過性を有する(ここでは透明性を有する)熱可塑性樹脂材料が採用されている。包装用フィルム3は、間欠的に搬送されるようになっており、包装用フィルム3の搬送経路に沿って、加熱手段14とポケット成形手段15とが順に配設されている。これら加熱手段14及びポケット成形手段15によって、ポケット部2が成形される。そして、ポケット部2が形成された包装用フィルム3の移送経路に沿って、錠剤投入装置16、フィルム受けロール17が配設されている。錠剤投入装置16へと到達した包装用フィルム3の各ポケット部2には、該錠剤投入装置16によって、錠剤5が充填される。
【0045】
一方、ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、前記フィルム受けロール17の方へと案内されている。フィルム受けロール17には、加熱ロール18が圧接可能となっており、両ロール17,18間を加熱圧接状態で通過することで、包装用フィルム3にカバーフィルム4が貼着されるようになっている。これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。かかるPTPフィルム6はその後図示しない打抜装置によってPTPシート1単位に裁断される。
【0046】
このようなPTPシート1の製造過程において、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6を検査するために構成されているのが、外観検査装置12である。
【0047】
次に、外観検査装置12について説明する。図2に示すように、外観検査装置12は、照明装置21、撮像手段としてのカメラ22、処理実行装置23などで構成される。さらに、図3に示すように、外観検査装置12は、表示装置24及び入力装置25を備えている。
【0048】
照明装置21は、赤外光を照射することができる。カメラ22は、照明装置21から照射される赤外光の波長領域に感度を有する。ここで、カメラ22と照明装置21との関係について説明する。図4に示すように、カメラ22と照明装置21とは、PTPフィルム6のポケット部2側に配置されている。そして、照明装置21から照射される赤外光が、包装用フィルム3越しに錠剤5及びカバーフィルム4を照らし、錠剤5及びカバーフィルム4からの反射光により、カメラ22は二次元でPTPフィルム6を撮像する。
【0049】
表示装置24は、情報を表示するためのものであり、CRTや液晶を用いたディスプレイ装置である。本実施形態では、この表示装置24により、後述するように不良画像や検査条件などの表示がなされる。
【0050】
入力装置25は、情報を入力するためのものであり、キーボード、ポインティングデバイスとしてのマウス、上記表示装置24と一体になったタッチパネルなどで構成されている。
【0051】
処理実行装置23は、いわゆるコンピュータシステムとして構成されており、画像処理等の各種処理を実行可能となっている。
【0052】
処理実行装置23は、図3に示すように、画像メモリ31、検査結果及び統計データメモリ32、判定用メモリ33、画像・検査条件記憶装置34、カメラタイミング制御装置35、及び、CPU及び入出力インターフェース36を備えている。
【0053】
画像メモリ31は、カメラ22から出力される撮像画像の二次元イメージデータを記憶する。この画像メモリ31に記憶された画像データに基づいて、検査が実行される。なお、検査の実行に際し、画像データに対し加工処理を施してもよい。例えば、マスキング処理を施すことが考えられる。また例えば、シェーディング補正などの処理を施してもよい。シェーディング補正は、包装用フィルム3の撮像範囲全体を照明装置21の赤外光で均一に照らすことは技術的に限界があることから、位置の相違により生じる赤外光の明度のばらつきを補正するためのものである。
【0054】
検査結果及び統計データメモリ32は、イメージデータに関する座標等のデータ、外観検査結果データ、及び、該外観検査結果データを確率統計的に処理した統計データなどを記憶するものである。これらの外観検査結果データや統計データは、CPU及び入出力インターフェース35の制御に基づき、表示装置24に表示させることができる。また、これらの外観検査結果データや統計データに基づいてCPU及び入出力インターフェース35がPTP包装機11に制御信号を送出することもできる。
【0055】
判定用メモリ33は、検査に用いられる判定値を記憶するものである。判定値は、検査項目毎に設定される。なお、錠剤面積値を検査するための判定値など、過去の検査で良品と判定されたものについての検査計測結果を統計して決定される判定値もある。このような判定値は、検査途中において、検査計測結果に応じて変化していく。本実施形態でいう判定値は、このような検査結果に応じて変化していく判定値をいうものとする。
【0056】
画像・検査条件記憶装置34は、ハードディスク装置で構成されており、検査によって不良品と判定された場合に、「欠錠」、「シート異物」等の不良項目、不良判定の日時、画像データ、検査に用いられた検査条件が記憶される。
【0057】
カメラタイミング制御装置35は、カメラ22の撮像タイミングを制御するものである。かかるタイミングはPTP包装機11に設けられた図示しないエンコーダからの信号に基づいて制御され、PTPフィルム6を所定量送るごとにカメラ22による撮像が行われる。
【0058】
CPU及び入出力インターフェース36は、各種処理プログラムを実行すると共に、PTP包装機11に制御信号を送出し又はPTP包装機11から動作信号などの各種信号を受信するためのものである。これによって、例えば、PTP包装機11の不良シート排出機構などを制御することができるようになっている。また、CPU及び入出力インターフェース36は、表示装置24に表示データを送出する機能を有する。これにより、検査結果などを表示装置24に表示させることができる。さらにまた、CPU及び入出力インターフェース36は、入力装置25から情報を入力する機能を有する。
【0059】
次に、本実施形態における検査処理を、図5のフローチャートに基づき説明する。この処理は、CPU及び入出力インターフェース36によって実行される。
【0060】
最初のステップ(以下、ステップを単に記号Sで示す)100において、検査を実行する。この処理は、画像メモリ31に記憶されている画像データに基づき、判定値を用いてポケット部2に充填された錠剤5の異常などを検査するものである。なお、この検査は、PTPシート1の単位で良/不良を判定するために各ポケット部2についてなされる。したがって、各ポケット部2についての検査には、シート部ひいてはポケット部2を特定するためのシート位置追従量(シート部を特定するために、例えばシート検査枠の移動が許容される量)が用いられる。また、検査の結果は、検査結果及び統計データメモリ32に記憶する。
【0061】
続くS110では、不良判定されたか否かを判断する。ここで不良判定されたと判断された場合(S110:YES)、S120へ移行する。一方、不良判定されなかった場合(S110:NO)、すなわち良品と判定された場合には、以下の処理を実行せず、本検査処理を終了する。
【0062】
不良判定された場合に移行するS120では、不良発生日時、不良項目を記憶する。続くS130では、不良判定されたときの画像データを記憶する。ここで、画像データは、不良発生日時又は不良項目に関連付けて記憶される。次のS140では、不良とされた錠剤5に対応するポケット部2を特定するためのシート位置追従量を記憶し、S150では、判定値を記憶する。なお、判定値は不良項目に対応するものだけを記憶してもよいし、各検査項目の判定値を全て記憶するようにしてもよい。そして、S160では不良項目、不良発生時刻を表示装置24に表示し、その後、本検査処理を終了する。なお、不良発生日時、不良項目、画像データ、シート位置追従量、及び判定値は、画像・検査条件記憶装置34に記憶される。
【0063】
ここで不良項目、発生時刻の表示画面の一例を、図7に基づいて説明する。図7は、検査処理実行時の表示装置24の表示画面を示す説明図である。
【0064】
画面の左側には、検査対象となっているPTPフィルム6の画像g1,g2が表示される。なお、これらの画像g1,g2においては、PTPフィルム6の端部の図示を省略してある。そして、その画像g1,g2の右側には、検査結果が表示される。本実施形態におけるPTPシート1は、シート単位で10個のポケット部2を有するものである(図1(a)参照)。したがって、シート単位の検査では、10個のポケット部2に充填された錠剤5が検査されることになる。図7中、記号A,Bで示した枠線の内部にあるポケット部2が、PTPフィルム6の中で現在、検査対象となっているものを示す。つまり、この枠線A,Bは、検査対象となる1枚のPTPシート1に対応するものである。ここに示される画像g1,g2は、検査対象が変わると更新されていく。なお、図7において、画像g1,g2が「奥側」、「手前側」となっているのは、上述したように、PTPフィルム6の幅方向において2枚のPTPシート1が打ち抜かれるためである(図1参照(b)参照)。したがって、検査結果の表示も、奥側、手前側という具合に、上下に分けてなされる。
【0065】
検査結果の表示項目は、図7に示すように、「全欠」、「欠錠」、「錠剤不良」、「処理不良」、「色不良」、「テープ継ぎ目」、「シート異物」及び「シート巨塊異物」という不良項目と、「良品数」、「不良数」、「不良率」、「合計良品数」、「合計不良数」及び「合計不良率」という統計データ、及び、不良発生情報からなる。
【0066】
最初に不良項目について説明する。「全欠」は、ポケット部2に錠剤5が全く充填されていないことを示す。「欠錠」は、いずれかのポケット部2に錠剤5が充填されていないことを示す。「錠剤不良」は、錠剤に欠け、割れ、形状の異常等があることを示す。
【0067】
「処理不良」は、検査処理の実行がPTPフィルム6の搬送速度に間に合わなくなったことを示し、例えば、膨大な数の異物が誤検出された場合や、画像の輝度が小さすぎた場合等に生じ得る。「色不良」は、RGB輝度のズレが大きくなったことを示す。
【0068】
また、ロール状に巻回されたフィルムがなくなると、フィルム終端と新たなフィルムの始端とをテープで継ぐため、この継ぎ目部分は、排出対象となる。「テープ継ぎ目」は、この継ぎ目部分を検出したことを示す。「シート異物」は、異物が混入したことを示す。「シート巨塊異物」は、数mm(例えば5mm)以上という大きな異物を検出したこと示し、例えば工具などをフィルム上に誤って置き忘れた場合等に生じ得る。
【0069】
統計データとしての「良品数」、「不良数」及び「不良率」は、奥側と手前側とでそれぞれ算出され、順に、良品の数の合計、不良品の数の合計、全体数に対する不良品の数の割合を示す。「合計良品数」、「合計不良数」及び「合計不良率」は、奥側と手前側との合計であり、順に、良品の数の合計、不良品の数の合計、全体数に対する不良品の数の割合を示す。
【0070】
不良発生情報は、不良発生時刻、及び、不良項目からなり、奥側と手前側とでそれぞれ表示される。本実施形態では、図7に示すように、例えば「14:34:00 錠剤不良」(記号Cで示した)や「14:31:30 欠錠」(記号Dで示した)などの表示がなされる。この不良発生情報は、最新のものから所定件数(例えば9件)が表示され、それよりも過去のものは表示されないようになっている。この不良発生情報の表示は、図5中のS160にてなされる。
【0071】
次に、本実施形態における情報表示・検査再現処理を、図6のフローチャートに基づき説明する。この処理は、CPU及び入出力インターフェース36によって実行される。
【0072】
最初のS200において、表示中の不良発生情報における不良項目が選択されたか否かを判断する。不良項目の選択は、入力手段25を介してなされる。例えば、不良項目を特定する情報をキーボードから入力して選択したり、マウスを用いて不良項目を選択したり、あるいは、タッチパネルを用いて作業者が表示画面に触れて不良項目を選択したりすることが考えられる。なお、マウスやタッチパネルで選択する場合、不良項目自体を選択してもよいし、不良項目に対応して表示される不良発生時刻を指示して不良項目を選択するようにしてもよい。
【0073】
表示中の不良項目が選択された場合に移行するS210では、不良項目に関連付けて記憶されたPTPフィルム6の画像を表示する。そして、続くS220では、不良項目に関連付けて記憶されたシート位置追従量を表示し、次のS230では、不良項目に関連付けて記憶された判定値を表示し、その後、S240へ移行する。
【0074】
S240では、検査再現が指示されたか否かを判断する。検査再現の指示は、入力手段25を介してなされる。例えば、キーボードから入力して指示したり、マウスやタッチパネルを用いて表示画面上から指示したりすることが考えられる。ここで検査再現が指示された場合(S240:YES)、S250へ移行する。一方、検査再現が指示されていない場合(S240:NO)、以降の処理を実行せずに、情報表示・検査再現処理を終了する。
【0075】
検査再現が指示された場合に移行するS250では、検査を実行する。この検査は、不良項目に関連付けて記憶された情報、すなわち、画像データ、シート位置追従量、判定値を用いて行われる。そして、S260にて検査結果を表示して、情報表示・検査再現処理を終了する。
【0076】
不良項目、不良発生時刻の表示画面の一例を図7に示したが、例えば記号Cで示す不良発生情報中の錠剤不良の項目が選択された場合の情報表示について説明する。図8は、不良発生情報の選択時の表示装置24の表示画面を例示する説明図である。
【0077】
図8中の記号Cで示す不良発生情報中の錠剤不良の項目が選択されると(図6中のS200:YES)、例えばタッチパネルを介して作業者が画面上のこの項目に触れると、不良判定されたときの画像g3が、記号Eで示す枠線と共に表示される(S210)。さらに、不良発生情報の欄の下方に、記号Fで示すように不良判定されたときのシート位置追従量が表示されると共に、記号Gで示すように判定値が表示される(S220,S230)。
【0078】
なお、本実施形態におけるカメラ22が「撮像手段」に相当し、画像メモリ31が「画像データ記憶手段」に相当する。また、画像・検査条件記憶装置34が「履歴記憶手段」に相当し、表示装置24が「表示手段」に相当する。そして、CPU及び入出力インターフェース36が「検査判定手段」、「履歴記憶制御手段」、「表示制御手段」及び「検査再現手段」に相当する。
【0079】
以上詳述したように、本実施形態によれば、検査が実行され(図5中のS100)、不良判定された場合(S110:YES)、不良発生日時及び不良項目からなる不良履歴に関連付けて、画像データ、シート位置追従量、及び、判定値が記憶される(S130〜S150)。
【0080】
つまり、不良履歴に関連付けて画像データ、検査対象の位置情報、及び、検査結果から統計的に取得される判定情報が記憶されるのである。これによって、PTPフィルム6の複数のポケット部2ごとに錠剤5の異常や異物の混入を検査し、また、過去に検査された良品錠剤の検査結果を統計することによって判定値が決定される本実施形態において、不良判定がなされた場合の検査状況を把握することが可能となる。
【0081】
また、本実施形態では、不良発生情報中の不良項目が選択されると(図6中のS200:YES)、通常時は検査対象の画像g1が表示される画面左側に、不良判定されたときのPTPフィルム6の画像g3が表示される(S210、図8参照)。さらに、不良発生情報の表示欄の下方に、不良判定されたときのシート位置追従量が表示されると共に判定値が表示される(S220,S230、図8参照)。これによって、作業者にとって検査状況の把握が容易になり、検査状況が適切でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。
【0082】
さらにまた、本実施形態では、不良判定された場合に限って(図5中のS110:YES)画像データが記憶されるため(S130)、検査に用いられる画像データを全て記憶する構成と比べ、画像・検査条件記憶装置34に記憶される情報量を低減させることができ、画像・検査条件記憶装置の大容量化を要しない。
【0083】
また、本実施形態では、検査再現が指示されると(図6中のS240:YES)、選択された不良項目についての検査が実行され(S250)、その検査結果が表示される(S260)。これによって、作業者にとって検査状況の把握がさらに容易になり、検査状況が適切でない場合に、迅速な対応をとることが可能となる。
【0084】
以上、一実施形態について説明してきたが、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の形態で実施可能であることは言うまでもない。すなわち、以下に例示するような態様で実施することも可能であるし、また、以下に例示しない態様で実施することももちろん可能である。
【0085】
(a)上記実施形態では画像・検査条件記憶装置34に不良発生日時及び不良項目を記憶していたが、検査結果及び統計データメモリ32に記憶するようにしてもよい。不良発生日時及び不良項目に対して、画像データ、シート位置追従量、及び、判定値などが関連付けられさえすればよいためである。
【0086】
(b)上記実施形態は、包装用フィルム3にカバーフィルム4が貼着された後に、検査を行う構成であった。これに対し、包装用フィルム3にカバーフィルム4が貼着される前に、検査を行う構成としてもよい。すなわち、フィルム受けロール17及び加熱ロール18の上流側において、錠剤5を撮像するようにしてもよい。また、その場合、本実施形態と同様の反射光を用いるようにしてもよいし、カメラと照明装置とを包装用フィルム3を介して対向するように配置し、透過光を用いて検査するようにしてもよい。
【0087】
(c)上記実施形態では、不良発生日時を記憶しておき(図5中のS120)、不良発生情報としては不良発生時刻だけを表示していた(S160)。表示が煩雑になることを回避するためである。もちろん、不良発生情報の表示欄に日付まで表示するようにしてもよいし、画面の上部や下部などの不良発生情報の表示欄以外に日付を表示するようにしてもよい。また、不良項目を特定できる情報であればよく、不良発生日時に代えて、ユニークな番号を記憶するようにしてもよい。
【0088】
(d)上記実施形態では検査装置12が検査の再現まで実行可能に構成されていたが、検査装置12とオンラインで接続された別の装置において、検査を再現可能な構成としてもよい。同様に、不良発生情報の表示、さらに、画像データ等の記憶なども、当該別の装置で行う構成としてもよい。
【0089】
(e)上記実施形態では、画像メモリ31にカメラ22から出力される撮像画像の二次元イメージデータが記憶され、この画像メモリ31に記憶された画像データに基づいて、検査が実行される。そして、不良判定された場合には、この画像メモリ31の画像データが、画像・検査条件記憶装置34に記憶される(図5中のS130)。
【0090】
ところで、検査の実行に際し画像データに加工処理を施してもよいことは既に述べたが、カメラ22から直接的に出力されるイメージデータそのものを画像データとした場合、例えば二値化基準データ(二値化の閾値)等の加工処理に関する条件情報については、画像データからは算出することができない。
【0091】
そこで、シート位置追従量、判定値に加え、このような加工処理に関する条件情報を、画像・検査条件記憶装置34に記憶する構成としてもよい。このようにすれば、検査の実行に際して画像データに加工処理を施すような構成にあっても、忠実に検査を再現できることになる。
【0092】
もちろん、このような条件情報を記憶する代わりに、加工処理を施した後の画像データを画像・検査条件記憶装置34に記憶するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)は裁断前のPTPフィルムを示す斜視図であり、(c)は、PTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図2】実施形態におけるPTP包装機の概略構成を示す模式図である。
【図3】検査装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】カメラと照明装置との関係を示す説明図である。
【図5】検査処理を示すフローチャートである。
【図6】情報表示・検査再現処理を示すフローチャートである。
【図7】通常時の画面表示内容を例示する説明図である。
【図8】不良項目選択時の画面表示内容を例示する説明図である。
【符号の説明】
【0094】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…包装用フィルム、4…カバーフィルム、5…錠剤、6…PTPシート、11…PTP包装機、12…検査装置、21…照明装置、22…カメラ、23…処理実行装置、24…表示手段としての表示装置、25…入力手段としての入力装置、31…画像データ記憶手段としての画像メモリ、32…検査結果及び統計データメモリ、34…履歴記憶手段としての画像・検査条件記憶装置、35…カメラタイミング制御装置、36…検査判定手段、履歴記憶制御手段、表示制御手段及び検査再現手段としてのCPU及び入出力インターフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを用い、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段による検査結果の履歴に関連付け、少なくとも前記画像データを、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データに基づき、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段にて不良判定がなされると、検査結果の履歴としての不良履歴に関連付け、少なくとも前記画像データを、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の検査装置において、
前記履歴記憶制御手段は、前記画像データに加え、検査途中で変化していく検査条件を、前記履歴記憶手段に記憶するよう構成されていることを特徴とする検査装置。
【請求項4】
検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データに基づき、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段にて不良判定がなされると、検査結果の履歴としての前記不良判定結果を特定可能な情報に関連付け、前記画像データ及び検査途中で変化していく検査条件を、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の検査装置において、
前記検査条件は、前記検査対象の位置情報を包含していることを特徴とする検査装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載の検査装置において、
前記検査条件は、前記検査結果から統計的に取得される判定情報を包含していることを特徴とする検査装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかに記載の検査装置において、
前記検査条件は、前記検査判定手段による前記検査対象の検査に際して前記撮像手段から直接的に出力される画像データに加工処理を施す場合の、当該加工処理に関する条件情報を包含していることを特徴とする検査装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の検査装置において、
情報を表示するための表示手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記表示手段を介して情報表示を行う表示制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項9】
検査対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像結果に基づく画像データを記憶するための画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段に記憶された画像データに基づき、前記検査対象を検査して良/不良を判定する検査判定手段とを備えた検査装置において、
検査履歴を記憶するための履歴記憶手段と、
前記検査判定手段にて不良判定がなされると、検査結果の履歴としての不良項目及び不良発生日時の少なくとも一方に関連付け、前記画像データ、前記検査対象の位置情報、及び、前記検査結果から統計的に取得される判定情報を、前記履歴記憶手段に記憶する履歴記憶制御手段と、
情報を表示するための表示手段と、
前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記表示手段を介して前記画像データ、前記位置情報、及び、前記判定情報を表示する表示制御手段とを備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の検査装置において、
前記履歴記憶手段に記憶された情報に基づき、前記検査判定手段による検査を再現する検査再現手段を備えていることを特徴とする検査装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載の検査装置を具備してなるPTP包装機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−214814(P2006−214814A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26525(P2005−26525)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】