説明

構成の設定を改ざんされにくい無線通信デバイス

制御プログラムが埋め込まれ、埋め込みの制御プログラムの実行を左右する構成データを提供するRF−IDデバイス(114、504)またはその他の非接触型読み取りデータ記憶媒体(non−contact read data carriers)(604)を備えるデバイス(302、702、800)を提供する。好ましい実施形態には、フロント・ファッシャ(front fascia)に埋め込まれたデータをエンコードするRF−IDデバイス(114、504)または一連の磁石配列(604)を備える無線通信デバイス(302、702、800)が含まれる。本発明の実施形態により、構成データのセキュリティが向上し、フロント・ファッシャを交換することによって機能の強化が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に埋め込みソフトウェアによって制御されるデバイスに関する。より詳細には、本発明はプログラム可能な無線機器の構成データの保護に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、製造における量産メリット生かすために、さまざまなエンド・ユーザ市場向けに開発され、わずかに異なる周波数の使用が可能であり、さまざまな機能を備えた双方向の無線機器は、共通のハードウェア設計を共有しており、埋め込みソフトウェアによって読み込まれたデータで画定される構成の設定に関してのみ異なっている。指定された現場で、1つ以上のユーザ・グループ(たとえば警察)は、通信を実行するためのスペクトルの一部を割り当てられ、割り当てられたスペクトルの範囲内の周波数で安全に動作するように構成された双方向無線機器を装備している。警察のように多くのユーザ・グループがある場合は、双方向無線機器(confidential)を使用して実行された会話の機密を保持するという要求が存在する。残念ながら、動作周波数などの構成の設定はソフトウェア内で画定されるので、個人はこのような双方向無線機器を再プログラミングすることで動作周波数などの構成の設定を変更して、このような無線機器で個人の使用が認証されていないスペクトルを使用して、メッセージを受信したり、送信したりすることが可能になる。そのために必要なものは、プログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM:Programmable Read Only Memory)チップ上、または電気的消去可能読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Read Only Memory)チップ上の記録情報である。動作周波数を大幅に変更するには、RF−IF変調器/復調器ハードウェアに対する何らかの変更が必要な場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線通信の別の領域、すなわち携帯電話の領域では、単純な音声通信を超えるさまざまな付加機能が導入されている。セル方式の通信デバイスに追加された付加機能の例には、テキスト・メッセージング、World Wide Web(WWW)サーフィン、データ交換が含まれる。特定のより高度な携帯電話は、複数の通信プロトコルを使用した通信が可能である。セル方式の通信デバイスの市場は、基本的な音声電話以外の機能のレベルによって階層化されており、さまざまな機能を備えるデバイスが含まれる。代替機そのものを新しく購入せずに、所有する電話の機能をアップグレードする方法をユーザに提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明について、以下の添付の図面に示す限定ではない例示的な実施形態を使用して説明するが、図面では同様の参照番号は同様の要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本明細書では、必要に応じて本発明の詳細な実施形態を開示するが、開示された実施形態は本発明の例を示すものにすぎず、本発明はさまざまな形態で具体化し得る。したがって、本明細書で開示する特定の構造上および機能上の詳細は、限定と解釈せず、単に請求項の論拠として、さらに実質的に任意の適切な詳細構造において本発明をさまざまに利用するように当業者を指導するための論拠である。さらに、本明細書で使用する語句は、限定を意味するものではなく、本発明をわかりやすく説明するためのものである。
【0006】
本明細書で使用する「1つの(aまたはan)」ということばは、1つ以上と定義される。本明細書で使用する「複数の(plurality)」ということばは、2つまたはそれ以上と定義される。本明細書で使用する「別の(another)」ということばは、少なくとも2つ目またはそれ以降と定義される。本明細書で使用する「含む(including)」および/または「有する(having)」ということばは、備えている(つまり排他的でないことば)と定義される。本明細書で使用する「接続された(coupled)」ということばは、接続されていると定義されるが、必ずしも直接接続されていなくてもよく、必ずしも機械的に接続されていなくてもよい。
【0007】
図1は本発明の好ましい実施形態による第1の無線通信デバイス302(図3)の第1のフロント・ファッシャ102を示す部分的なx線透視図であり、図2は第1のフロント・ファッシャ102を示す横断面図である。フロント・ファッシャ102は、射出成形されたシェル(shell)と、複数のスピーカーのグリル穴(speak grill openings)104、表示ウィンドウ106と、メニュー・ナビゲーション・ボタン(menu navigation button)穴108と、複数のキー・ホール110と、一連のマイクロフォンのグリル穴(microphone grill openings)112を含む複数の穴(openings)とからなるのが好ましい。ネジ穴用突起(Screw hole bosses)202は、第1のフロント・ファッシャ102の取り付けに使用する。第1のフロント・ファッシャ102には、情報を保持する第1の無線周波数ID(RF−ID)デバイス114がさらに含まれる。第1のRF−IDデバイス114は、第1のフロント・ファッシャ102に埋め込まれている。第1のRF−IDデバイス114を埋め込まれた第1のフロント・ファッシャ102は、挿入成形によって製造されるのが好ましい。第1のRF−IDデバイス114の機能については、本明細書の以下の部分で詳細に説明する。
【0008】
図3は、図1に示すフロント・ファッシャ102のない第1の無線通信デバイス302を示す透視図である。第1の無線通信デバイス302は、携帯電話および/または双方向無線機器であるのが好ましい。第1の無線通信デバイス302は、リア・ハウジング部304でサポートされる複数のコンポーネントからなる。フロント・ファッシャ102は、リア・ハウジング部304にはめ合わせる。無線デバイス302には、メイン・アンテナ306、スピーカー308、ディスプレイ310、メニュー・ナビゲーション・ボタン312、複数のキー314、マイクロフォン316が含まれる。フロント・ファッシャ102内のネジ穴用突起202と整合する追加のネジ穴用突起318がリア・ハウジング部304内に配置され、フロント・ファッシャ102をリア・ハウジング部304に取り付けるために用いるネジを収容する。本発明の代替的な実施形態により、フロント・ファッシャ102には金型取り付けタブ(mold mounting tabs)が一体化されており、リア・ハウジング部302にスナップがはめ込まれる。本発明の1つの代替的な実施形態により、第1のRF−IDデバイス114は第1のフロント・ファッシャの上をぴったり覆う化粧ファッシャ(cosmetic fascia)に含まれる。第1の無線通信デバイス302には、第1の誘電コイル(inductive coil)320の形のエア・インターフェイス(air interface)も含まれる。第1の誘電コイル320は、第1のRF−IDデバイス114とデータを交換するためのアンテナとして機能する。1つの代替的な実施形態(図示せず)により、第1の無線通信デバイス302には誘電コイル320の代わりに1つ以上、かつ好ましくは1対の静電容量式の電極(capacitive electrodes)が含まれる。図9に関連してより詳細に説明するように、誘電コイル320は情報を送信および受信するための回路に接続されている。本発明の1つの好ましい実施形態による第1の無線通信デバイスの内部の電気回路については、図9に示すブロック図に関連してより詳細に説明されている。
【0009】
図4は、第1のRF−IDデバイス114を示す横断面図である。第1のRF−IDデ
バイスは、磁気コア(magnetic core)404内で巻かれる第2の誘電コイル402の形のエア・インターフェイスを備えており、磁気コア404には第2の誘電コイル402を収容するリング状のくぼみ406が含まれる。第2の誘電コイル402は、第1の無線通信デバイス302とデータを交換するためのアンテナとして使用される。磁気コア404は缶(can)408のオープン・エンド(open end)で収容され、第2の誘電コイル402のリード線410は、磁気コア404内の穴を経由して延び、磁気コア404の背後にある缶(can)408内に配置された第1のRF−IDアプリケーション専用集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)412に接続する。第1のRF−ID ASIC 412は、改ざん防止用埋め込みエポキシ樹脂414で覆われている。第1のRF−ID
ASIC 412には、第2の誘電コイル402に接続する通信回路、第1の無線通信デバイス302を操作するための情報を格納するメモリ、およびメモリの内容を読み出し、通信回路を操作してメモリの内容を送信するための論理回路が含まれるのが好ましい。第1のRF−ID ASIC 412の論理回路は、プログラム可能なマイクロプロセッサを備えているのが好ましい。あるいは、RF−ID ASIC 412の論理回路にはステート・ロジック(state logic)が含まれる。
【0010】
図5は、本発明の代替的な実施形態による第2の無線通信デバイス(図示せず)の第2のフロント・ファッシャ502を示す部分的なx線透視図である。第2のフロント・ファッシャ502は、第1のRF−IDデバイス114とは異なる第2のRF−IDデバイス504を備えている。第2のRF−IDデバイス504には、第2の誘電コイル402は含まれず、センター・ロード・ダイポール・アンテナ(center loaded dipole antenna)506の形のエア・インターフェイスが含まれるのが好ましい。ダイポール・アンテナ506は、ダイポール・アンテナ506の負荷を含む第2のRF−ID ASIC 508に接続されている。好ましくは電源を内蔵しないRF−ID ASICからデータを送信するために、ダイポール・アンテナ506上の負荷が変調されて情報がエンコードされる。第2のRF−IDデバイス504は、第2のフロント・ファッシャ502に埋め込まれている。第2のRF−IDデバイスには、第2の無線通信デバイスのメイン・アンテナからの信号受信が可能であり、このことによって第1の無線通信デバイス302で使用する第1の誘電コイル320が不要になるという利点がある。代替として、負荷のあるダイポール・アンテナ506と信号を交換するための専用のアンテナが提供される。
【0011】
図6は、本発明の別の代替的な実施形態による第3の無線通信デバイス702(図7)の第3のフロント・ファッシャ602を示す部分的なx線透視図である。一連の磁石配列604は、第3のフロント・ファッシャ602内に埋め込まれている。一連の磁石配列604のそれぞれについて磁極が選択され、第3の無線通信デバイス702の動作を制御するための情報をエンコードする。たとえば、各磁石配列面のN極またはS極をあらかじめ指定した方向(たとえば第3の無線通信デバイス702に対して内側)に向けることで、2進数のエンコードが可能である。
【0012】
図7は、図6に示すフロント・ファッシャ602のない第3の無線通信デバイス702を示す透視図である。第3の無線通信デバイス702には、磁場センサー・モジュール704内にまとめてマウントされた一連の磁場センサーが含まれる。磁場センサー・モジュール704は、一連の磁石配列604の配置を読み取り、一連の磁石配列にエンコードされた情報を磁場センサー・モジュール704に接続されたマイクロプロセッサ(図7には図示せず)で使用可能にする。磁場センサー・モジュール704は、1つ以上のホール効果センサー(Hall effect sensors)を備えているのが好ましい。磁場センサーは、一連の磁石配列604にエンコードされたデータを読み取る非接触型読み取り装置(non contact reader)の1つの形である。
【0013】
図1、2、5、6に関連して上で説明したように、構成データを格納するデバイス(1台または複数台)はフロント・ファッシャ102、502、602に配置されるのが好ましいが、代わりに構成データを格納するデバイス(1台または複数台)は無線通信デバイスのその他の着脱可能なコンポーネント(ボリューム・ノブ、ファンクション・キー、周波数ノブ、エスカッション(escutcheon)など)に含まれる。
【0014】
図8は、本発明の好ましい実施形態によるRF−IDデバイス800を示すブロック図である。第1のRF−IDデバイス114と第2のRF−IDデバイス504は、図8に示すものに対応するのが好ましい。図8を参照すると、RF−IDデバイス800はエア・インターフェイス802を備えている。エア・インターフェイス802は、第1のRF−IDデバイス114の場合は第2の誘電コイル402の形をとり、第2のRF−IDデバイス504の場合はダイポール・アンテナ506の形をとる。エア・インターフェイスは復調器804に接続されている。復調器は、RF−IDデバイスが信号を受信する無線デバイスから受信した信号を処理する。
【0015】
エア・インターフェイス802は、エア・インターフェイス802の負荷を変調するための負荷変調器806にも接続されている。負荷変調器806は、可変のレジスタとして構成される電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)を備えているのが好ましい。第2の誘電コイル402の例では、可変のレジスタが誘電コイル402に並列に接続するのが好ましい。ダイポール・アンテナ506の場合は、可変のレジスタがダイポール・アンテナ506の2本のアームの間で接続されているのが好ましい。RF−IDデバイス800は無線デバイスに情報を返送可能であり、RF−IDデバイス800はこの情報を使用してエア・インターフェイス802上の負荷を変調することで通信している。RF−IDデバイス808が通信に使用するデバイスは、負荷内の検出可能な変更にエンコードされている情報を受信する。
【0016】
マイクロコントローラ808は、復調器804と負荷変調器806に接続されている。マイクロコントローラ808は、RF−IDデバイス800で受信したメッセージを含めて復調器からのデータを読み取り、負荷変調器806を操作してデータを送信する。マイクロコントローラ808は、RF−IDデバイス800の動作を制御するのに使用されるプログラムを格納するプログラム・メモリ810に接続されている。プログラム・メモリ810は不揮発性メモリである。マイクロコントローラ808は、第2の不揮発性メモリ812にも接続されている。第2の不揮発性メモリ812は、前述の第1の無線通信デバイス302、第2の無線通信デバイス、第3の無線通信デバイス702などの外部デバイスを操作するプログラムで使用する構成データを格納するために使用する。2つのメモリ810、812は、別の目的で取り上げるために別々に示されているが、実際にこの2つのメモリ810、812は1つの物理メモリ内の2つのアドレス・ブロックでもよい。
【0017】
エア・インターフェイス802は、電力を抽出し、エア・インターフェイス802を経由して受信したRF信号からRF−IDデバイスの回路に電力を供給する役割を果たす電力整流器(power rectifier)およびフィルタ814にも接続されている。電力整流器およびフィルタ814は、たとえばフィルタ・コンデンサ(filter capacitor)がフォローする全波ブリッジ整流器(full wave bridge rectifier)を備えている。電力整流器およびフィルタ814は、復調器804、負荷変調器806、マイクロコントローラ808、およびメモリ810、812に接続されており、これらに電力を供給する。復調器804、負荷変調器806、電力整流器およびフィルタ814、マイクロコントローラ808、プログラム・メモリ810、不揮発性データ・メモリ812は、1つのASIC 816として実装され、たとえば第1のRF−IDデバイス114の場合は第1のRF−ID ASIC 412内で具体
化され、第2のRF−IDデバイス504の場合は第2のRF−ID ASIC 414内で具体化されるのが好ましい。RF−IDデバイス800は、非接触型読み出し情報記録デバイスである。
【0018】
動作時に、外部のデバイスから受信する信号に応答して、外部のデバイスの構成データが不揮発性メモリ812から読み出され、負荷変調器806を経由して外部のデバイスに送信される。オプションで、構成データの送信には暗号化の方法を使用して外部デバイスの認証に成功した場合という条件を付ける。送信する構成データは暗号化されるのが好ましい。構成データは、暗号化してから不揮発性メモリ812に格納するか、送信する前に暗号化するかのいずれかである。
【0019】
図9は、図3に示す本発明の好ましい実施形態による第1の無線通信デバイス302を示すブロック図である。図9に示すように、無線通信デバイス302は、トランシーバ・モジュール902、プロセッサ904(たとえばデジタル信号プロセッサ)、アナログ・デジタル変換器(A/D)906、キー入力デコーダ908、デジタル・アナログ変換器(D/A)912、表示ドライバ914、プログラム・メモリ916、変調器918、復調器920、デジタル信号バス924を経由して接続された揮発性メモリ922からなる。
【0020】
トランシーバ・モジュール902は、アンテナ306に接続されている。データで変調された搬送波信号、たとえばオーディオ・データなどはアンテナ306とトランシーバ902に接続される。
【0021】
マイクロフォン316は、A/D 906に接続されている。話しことばを含むオーディオは、マイクロフォン316から入力され、A/D 906によってデジタル形式に変換される。
【0022】
キー314は、キー入力デコーダ908に接続されている。キー入力デコーダ908は、押下されたキーを特定し、押下された各キーを特定する情報をプロセッサ904に提供する役割を果たす。
【0023】
D/A 912はスピーカー308に接続されている。D/A 912は、デコードされたデジタル・オーディオをアナログ信号に変換し、スピーカー308を操作する。ディスプレイ・ドライバ914はディスプレイ310に接続されている。
【0024】
変調器918と復調器920は、搬送波周波数生成器(carrier frequency generator)926と第1の誘電コイル320の形をとるエア・インターフェイスに接続されている。変調器920と組み合わせたエア・インターフェイス320は、RF−IDデバイス800(114)から情報を読み取るための非接触型読み取り装置である。動作時に、第1の無線通信デバイス302の電源を入れると、変調器918を経由してRF−IDデバイス800(414)に信号が送信され、オプションでハンドシェーク手順の認証を実行した後、さらにオプションで、暗号化された通信リンクのネゴシエーションを実行した後に、第1の無線通信デバイス302の構成データはRF−IDデバイス800(414)から復調器920を経由して受信されるのが好ましい。それから、構成データは復号化され、揮発性メモリ922に格納されるのが好ましい。後のケースでは、第1の無線通信デバイスの電源を落とすと構成データは消去されるので、構成データを無断で利用しようとする者からはアクセスされない。構成データを復号化するための暗号化キーはプログラム・メモリ916に格納されるのが好ましい。あるいは、ユーザがキー314から復号化キーを入力するように指示するメッセージが表示される。揮発性メモリ922、プログラム・メモリ916、およびプロセッサは、1つのチップに統合さ
れているので、構成データを復号化された形で読み出すのは困難になっている。
【0025】
プログラム・メモリ916は、第1の無線通信デバイス302を制御するプログラムを格納するために使用する。プログラム・メモリ916に格納されたプログラムは、プロセッサ904で実行される。構成データは、無線デバイス302を制御するプログラムで使用される。構成データは、無線デバイス操作のさまざまな側面の制御に使用可能である。構成データで制御可能な操作データの側面の例には、動作周波数や、高度な機能(安全な音声通信、Webブラウジング(browsing)、テキスト・メッセージング、および/または電子メールなどがあるがこれらに限定はされない)の有効化または無効化が含まれる。構成データは、2進のエンコードされた値、たとえば2進のエンコードされた周波数、2進のフラグ(たとえば、第1の無線通信デバイス302の動作を制御するプログラム内の判断文の結果を確認するフラグ)からなるのが好ましい。構成データには、たとえば無線通信デバイス技術において無線デバイス302のいわゆる「コード・プラグ」を含めてもよい。
【0026】
本発明の1つの代替的な実施形態により、最初にフロント・ファッシャ102がマウントされた場合に、構成データは、キー入力されたユーザ入力に応答して第1のRF−IDデバイス114から無線通信デバイス302に送信され、それから構成データは不揮発性メモリに格納される。
【0027】
図10は、本発明の好ましい実施形態により、第1のRF−IDデバイス114を第1の無線通信デバイス302と組み合わせて操作する方法を示す流れ図である。工程1002で、第1の無線通信デバイス302の電源を入れる。オプションのブロック1004で、暗号化手順を使用して第1の無線通信デバイス302をRF−IDデバイス114に対して認証し、RF−IDデバイス114を第1の無線通信デバイス302に対して認証する。ブロック1006は判断のブロックであり、その結果は1006で実行した認証が成功したかどうかによって決まる。失敗した場合は工程が終了する。一方、認証が成功した場合は工程がブロック1008に進み、ここで第1の無線通信デバイス302と第1のRF−IDデバイス114との間に暗号化された通信リンクがセットアップされる。既知の認証と暗号化の方法を使用してブロック1004、1008を実行することが可能である。ブロック1010で、構成データは第1のRF−IDデバイス114からで第1の無線通信デバイス320に無線で送信される。ブロック1011で、構成データは第1の無線通信デバイス320の揮発性メモリ922に格納される。ブロック1014で、第1の無線通信デバイス320がユーザ入力に応答し、構成データに従って動作する。ブロック1016で、第1の無線通信デバイス320の電源を切る。第1の無線通信デバイス320の電源を切ると、構成データは揮発性メモリ922から失われるので、第1の無線通信デバイス320からの認証されない読み出しは不可能である。
【0028】
無線通信デバイスの構成データをRF−IDデバイス内に格納することで、データのセキュリティが向上し、無線通信デバイスが最初に販売されたときに意図していない機能を実行するように構成データを変更するのがより困難になる。構成データをRF−IDデバイス内またはそれ以外(磁石配列による)の着脱可能な部品(たとえばフロント・ファッシャ102、502、または602)にエンコードして格納すると、着脱可能な部品を交換することによって電話の機能上のアップグレードも可能である。
【0029】
図11は、本発明のさらに別の実施形態による第4の無線通信デバイス1102を示す正面図である。第4の無線通信デバイス1102は第1の無線通信デバイス302とは異なり、第1の無線通信デバイス302は第1のRF−IDデバイス114を含む取り外し可能なフロント・ファッシャ102を備えているのに対して、第4の無線通信デバイス1102は第3のRF−IDデバイス1106を含む取り外し可能な制御ノブ(remov
able control knob)1104を備えている。第3のRF−IDデバイス1106が備える取り外し可能な制御ノブ1104は、挿入成形によって製造されるのが好ましい。取り外し可能なノブ1104は、第4の無線通信デバイス1102のシャフト1108上に装着される。シャフト1108は、ロータリー・スイッチ(rotary
switch)の一部であるか、ボリューム(volume)調整に使用するポテンショメーター(potentiometer)のような回転式の連続的に可変のインピーダンス調整デバイスであるのが好ましい。第3のRF−IDデバイス1106を含むノブ1104は無線通信デバイスからの取り外し、輸送、無線通信デバイスへの取り付けが容易に可能であるため、こうした無線通信デバイスは第3のRF−IDデバイスに格納された構成データに従った動作が可能になる。
【0030】
図12は、本発明のさらに別の実施形態による第5の無線通信デバイス1200を示す横断面図である。第5の無線通信デバイス1200には、エラストマー・キーパッド(elastomeric keypad)1204を含む多くのコンポーネントをサポートし、そうしたコンポーネントを電気的に相互接続する回路基板1202が含まれる。第4のRF−IDデバイス1206は、エラストマー・キーパッド1204内で成形される。回路基板1202は、第4のRF−IDデバイス1206とのデータ交換に使用する第3のソレノイド1208と図9に関連して説明した電気回路を具体化するその他の回路コンポーネント1210もサポートする。バッテリ1212も提供される。
【0031】
キーパッド1204内に第4のRF−IDデバイス1206を含めることにより、それ以外の同等のデバイスと区別され、キーパッド1204のキー上にさまざまなテキストやアイコンを備えるさまざまなキーパッド1204に代わり、さらにキーの機能を制御する構成データとオプションでその他の構成データ(たとえばディスプレイ1214に表示されるメニューの内容)を補足的に変更する機能を提供する。キーパッド1204に含まれる個々のファンクション・キーの機能は、RF−IDデバイス1206に格納された構成データによって決定し、各ファンクション・キーにプリントされたテキストまたはアイコンによって示されるのが好ましい。このように、キーパッド1204を交換することで、無線通信デバイスは、たとえばゲームに関心のあるティーンエージャーと連絡先情報の体系化により関心のあるプロフェッショナル、あるいはスペイン語を話す人と英語を話す人といった別々のユーザ・グループに適応するという特徴付けが可能である。
【0032】
本発明の代替的な実施形態により、無線通信デバイスの着脱可能な部品には、読み出し/書き込みメモリを含むRF−IDデバイスが含まれており、無線通信デバイス自体がユーザ・データを含む構成データをRF−IDデバイスに送信し、さらにRF−IDデバイスから構成データを受信するようにプログラミングされており、RF−IDデバイスは無線通信デバイスから受信したユーザ設定を将来の利用に備えて格納し、後でこのユーザ・データを無線通信デバイスに送信するようにプログラミングされている。こうした実施形態によって、ユーザのデータを格納する着脱可能なデバイスを1台の無線通信デバイスから別の無線通信デバイスを移動し得る。ユーザ・データは、たとえばボリューム設定、デフォルトのチャネル、画面のレイアウト、ディスプレイのコントラスト、フォント・サイズ、日付と時刻のフォーマット、ソフト・ボタンの定義および/または個人の電話帳リストからなる。この実施形態は、ユーザ組織が使用可能なデバイスのプールから多くの無線通信デバイスの中の1台をユーザに割り当て可能な場合、またはユーザに無線通信デバイスを貸し出す場合は特に有効である。このような事例において、ユーザにとって新しい無線通信デバイスは、あらかじめユーザ・データを格納したRF−IDデバイスを含む着脱可能なデバイスを取り付け、RF−IDデバイスから無線通信デバイスに構成データという形でデータを送信することで、ユーザのデータに従った構成が可能になる。
【0033】
図13は、読み出し/書き込み機能付きのRF−IDを2台の別々の再構成可能な装置
(たとえば双方向無線機器や携帯電話)と組み合わせて操作する方法を示す流れ図である。工程1302で、読み出し/書き込み可能なRF−IDデバイスを含む着脱可能な部品(たとえば、フロント・ファッシャ102、502、602、ノブ1104、キーパッド1206)は第1の再構成可能な装置に取り付けられる。着脱可能な部品を取り付けると、着脱可能な部品に含まれるRF−IDデバイスが配置されることにより、再構成可能な装置とRF−IDデバイスとの間でデータ信号を交換するときに適切な信号強度が実現され、高出力信号を使用する必要はない。工程1304で、データのユーザ入力(たとえば、使用する周波数、ボリューム設定、電話帳エントリ)が読み込まれる。工程1304を実行するために、第1の再構成可能な装置はたとえばキー314からのユーザ入力を受け入れるようにプログラミングされている。第1の再構成可能な装置は、たとえばディスプレイ上310に1つ以上のメニューを表示し、入力するときにユーザを案内するようにプログラミングされているのが好ましい。
【0034】
工程1306で、RF−IDデバイスと第1の再構成可能な装置との間で無線通信が確立され、あらかじめ工程1304でユーザによって入力され、受け入れられたユーザ・データが工程1308で第1の再構成可能な装置からRF−IDデバイスに送信される。工程1310で、ユーザ・データはRF−IDデバイスの不揮発性メモリに格納される。第1の再構成可能な装置は、ユーザが行った構成データへの任意の変更を着脱可能な部品内のRF−IDデバイスに送信するようにプログラミングされているのが好ましい。
【0035】
工程1312で、読み出し/書き込み可能なRF−IDデバイスを含む着脱可能な部品が第2の再構成可能な装置に取り付けられ、工程1314で第2の再構成可能な装置と読み出し/書き込み可能なRF−IDデバイスとの間で無線通信が確立される。工程1316で、RF−IDデバイスに工程1310で格納されたユーザ・データがRF−IDデバイスから送信され、第2の再構成可能な装置で受信される。工程1318で、第2の再構成可能な装置はRF−IDデバイスから受信したユーザ・データに従って動作する。たとえば、第2の再構成可能な装置はRF−IDデバイスから受信したボリュームと周波数の設定に従って構成され、RF−IDデバイス上に格納された電話帳エントリは第2の再構成可能な装置で使用可能になる。
【0036】
複数の特定の実施形態に関連して以上に説明したように、本発明は携帯電話や双方向無線のような無線通信デバイスに特に適しているが、本発明は、たとえば、ビデオ・ゲーム・コンソール、セット・トップ・ボックス、デジタル・カメラなど、その他のタイプの電子デバイスにも適用可能であることに留意されたい。
【0037】
本発明の好ましい実施形態およびその他の実施形態について図示し、説明してきたが、本発明がそれほど限定的でないことは言うまでもない。さまざまな修正、変更、変形、代替、および同等物は、当業者によって添付の請求項で定義する本発明の精神と範囲を逸脱することなく作成されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1の無線通信デバイスの第1のフロント・ファッシャを示す部分的なx線透視図。
【図2】RF−IDデバイスを埋め込まれた図1に示す第1のフロント・ファッシャを示す横断面図。
【図3】図1と2に示すフロント・ファッシャのない第1の無線通信デバイスを示す透視図。
【図4】RF−IDデバイスを示す横断面図。
【図5】第2の無線通信デバイスの第2のフロント・ファッシャを示す部分的なx線透視図。
【図6】第3の無線通信デバイスの第3のフロント・ファッシャを示す部分的なx線透視図。
【図7】図6に示すフロント・ファッシャのない第3の無線通信デバイスを示す透視図。
【図8】RF−IDデバイスを示すブロック図。
【図9】図3に示す第1の無線通信デバイスを示すブロック図。
【図10】RF−IDデバイスを無線通信デバイスと組み合わせて操作する方法を示す流れ図。
【図11】第4の無線通信デバイスを示す正面図。
【図12】第5の無線通信デバイスを示す側断面図。
【図13】読み出し/書き込み機能付きのRF−IDを2台の別々の再構成可能な装置と組み合わせて操作する方法を示す流れ図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のメモリと、
該1つ以上のメモリの少なくとも1つに格納された電気的装置を操作するためのプログラムと、
該1つ以上のメモリに接続された該プログラムを実行するためのプロセッサと、
該1つ以上のメモリの少なくとも1つに接続された非接触型情報読み取り装置と、
該非接触型情報読み取り装置に接続された,非接触型読み出し情報記録デバイスと、から
なり、

該情報記録デバイスは該電子的装置を操作するためにプログラムで使用する情報の1つ以上の項目を格納する、電子的装置。
【請求項2】
前記電子的装置は着脱可能な部品をさらに備えており、
前記非接触型読み出し情報記録デバイスは前記電子的装置の該着脱可能な部品に含まれる請求項1に記載の電子的装置。
【請求項3】
前記情報記録デバイスは、前記情報の1つ以上の項目をエンコードする磁石配列を備える請求項1に記載の電子的装置。
【請求項4】
前記情報記録デバイスは、RF−IDデバイスを備える請求項1に記載の電子的装置。
【請求項5】
電子的装置を操作するためのプログラムを実行するプロセッサと、
該プロセッサに接続され、プログラムの実行を左右する構成データの1つ以上の項目を格納する第1の揮発性メモリと、

該構成データの1つ以上の項目を格納する第2の不揮発性メモリを備える機械的に着脱可能なデバイスと、からなり、

該機械的に着脱可能なデバイスは、該構成データの1つ以上の項目を該第1の揮発性メモリに転送するために、少なくとも1つ以上の回路を経由して該第1の揮発性メモリと通信接続可能である、電子的装置。
【請求項6】
前記機械的に着脱可能なデバイスは、前記1つ以上の回路の他にエア・インターフェイスを含む信号経路を経由して、前記第1の揮発性メモリと通信接続可能である請求項5に記載の電子的装置。
【請求項7】
着脱可能な構成データ記録デバイスを、動作が該構成データに依存する電子的装置と組み合わせて操作する方法であって、
構成データの1つ以上の項目を暗号化によって保護する工程と、
構成データの1つ以上の項目を該着脱可能な構成データ記録デバイスから該電子的装置に無線で送信する工程と、

からなる方法。
【請求項8】
前記構成データの1つ以上の項目を前記暗号化によって保護する工程は、前記電子的装置を前記着脱可能な構成データ記録デバイスに対して認証し、前記送信する工程に認証の成功に関する条件を付ける工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記構成データの1つ以上の項目を前記暗号化によって保護する工程は、前記構成データ
の1つ以上の項目を暗号化する工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
構成データを格納する機能のある着脱可能なデバイスを、動作が該構成データに依存する複数の再構成可能な装置と組み合わせて操作する方法であって、
構成データを保持する機能のある着脱可能なデバイスを第1の再構成可能な装置に取り付ける工程と、
該第1の再構成可能な装置に入力された構成データのユーザ入力を受け入れる工程と、
該第1の再構成可能な装置と該着脱可能なデバイスとの無線通信を確立する工程と、
該第1の再構成可能な装置から該着脱可能なデバイスに構成データを送信する工程と、
該着脱可能なデバイスに該構成データを格納する工程と、
該着脱可能なデバイスを第2の再構成可能な装置に取り付ける工程と、
該着脱可能なデバイスと該第2の再構成可能な装置との無線通信を確立する工程と、
該着脱可能なデバイスから該第2の再構成可能な装置に該構成データを送信する工程と、該着脱可能なデバイスから受信した該構成データに従って該第2の再構成可能な装置を操作する工程と、からなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−503662(P2007−503662A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533620(P2006−533620)
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/018215
【国際公開番号】WO2004/112299
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】