説明

構成部品内部の電気めっき方法、その電気めっき装置およびステータバークリップ

【課題】液冷式発電機において、漏れを補修および防止するための改善された方法を提供すること。
【解決手段】ステータバー16の端部に接合されたステータバークリップ30の内部を電気めっきすることによって、ステータバー16とクリップの間のろう付け接合部を金属バリアコーティングで覆い、接合部とその周りに実質的に液体を通さない封止部を画定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、発電機用の水冷式ステータバーのような物品の内部をめっきする装置並びに方法に関する
【背景技術】
【0002】
発電機用の水冷式ステータバーは、互いにろう付けされてバーを形成する小さな長方形断面の中実および中空の銅ストランドからなる。ストランドの端部は、通常ステータバークリップと呼ばれる端部取付け部にろう付けされる。クリップウィンドウには、カバーがろう付けされる。端部取付け部は、ステータバーの電気的接続部および冷却流接続部の両方として働く。
【0003】
中空の端部取付け部は、一般に、通常脱イオン水であるステータバーの冷却液が流入し流出する、周りを囲まれたチャンバを備える。この端部取付け部は一端部で、ステータバーのストランドの端部を受ける。取付け部とステータバーの周方向に最も外側の銅ストランドとは、互いにろう付けされる。取付け部の反対側端部は、ステータ冷却用導管に連結される。
【0004】
液冷式ステータバークリップには、長年にわたり設計変更が加えられてきた。しかし、そうしたステータバークリップは通常、互いにろう付けされた中実および中空の混合ストランドと、クリップウィンドウにろう付けされたカバーを備える。動作中、中空のストランドは、バーを冷却するための水を送る。時間が経つと、ステータバー端部とステータバー取付け部の間、カバーとクリップの間、ならびに隣接するストランド同士の間の接続部周囲で漏れが生じる可能性がある。様々な配管接続部でも漏れが生じることがある。漏れの主な機構は、ろう付け接合部の内部表面のろう付け合金中で始まるすきま腐食過程であると考えられている。すきま腐食は、通常、微細環境レベルで停滞した溶液に関連して局所的に形成される腐食である。このような停滞した微細環境は、ろう付けの際に特にストランドとろう付け合金の境界に形成される表面上の微細なくぼみなどの、すきまに生じやすい。すきま腐食は、すきま内部が亜リン酸状態に移行するなど、すきま内の局部的な化学的状態が変化することによって始まる。取付け部のチャンバ内の停滞水が、ろう付け合金および銅ストランドに接触する。この冷媒とろう付け接合部および銅ストランドとの接触により腐食が生じ、その結果として漏れが生じると考えられる。
【0005】
ステータバー端部の接続部からの冷媒の漏れ部の現場補修は、成功を収めてきた。真空減衰・追跡可能ヘリウムテストなどいくつかの異なるテストによって、漏れの位置が識別される。
【0006】
漏れ補修および防止方法として、エポキシバリアコーティング法が使用されてきた。エポキシバリアコーティング法の例が、参照として本明細書に組み込んだ米国特許第5,605,590号に開示されている。このエポキシバリアコーティングは、水によって開始される腐食機構に対する保護を、ストランドパッケージのろう付けした部分の長さに沿って提供するために施されていた。エポキシコーティングは、手動で注入される。注入時に、くぼみおよびエアポケットが形成される可能性がある。すなわち、このプロセスは多大な労力と、全数検査を要する。その結果、このプロセスは多大な労力を要し、完了するのに時間がかかり、欠陥を生じる可能性がある。
【0007】
液冷式発電機にはまた、漏れに関する他の問題もある。実際、水冷式発電機に伴う多くのタイプの漏れがある。ステータバー端部のすきまは、主要なものの1つである。しかし、他の漏れは、腐食の結果としてではなく、製造中のポロシティー、亀裂、および局部的な損傷によって生じる。
【特許文献1】米国特許第5,605,590号
【特許文献2】米国特許第6778053号
【特許文献3】米国特許第6447167号
【特許文献4】米国特許第6372116号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
液冷式発電機における、漏れを補修および防止するための改善された方法が必要とされている。特に、ステータバーとそのクリップとの間の接合部での腐食保護が必要とされている。この腐食保護は、強固で、かつ、凹状ろう付け、フラッシュろう付け、および盛り上がった中空ストランドろう付け設計など、様々なステータバークリップ設計に適用可能でなければならない。また、他の要因によって生じる、発電機の送水路内の漏れを補修および防止するための改善された方法も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、液冷式ステータバークリップの内部表面の一部または全体に金属バリアコーティングの薄い層を被着させるための、電気めっき方法を提案する。金属層は、クリップとストランドの間のろう付け接合部など腐食しやすい領域への水の接触を妨げる、耐腐食性バリアコーティングとなる。金属バリアコーティングとして、銅、ニッケルなどの様々な材料を被着させることができる。
【0010】
したがって、本発明は、構成部品の内部を電気めっきする装置として実施することができる。この装置は、前記構成部品の内部に電気めっき液を流すための流入チューブと、前記構成部品の内部から電気めっき液を流出させるための流出チューブと、前記流入チューブを通して電気めっき液を導入し、前記流出チューブを通して前記電気めっき液をくみ出すためのポンプと、前記電気めっき液内に配置され、電源に電気接続されるアノードとを備え、前記部品がカソードとして前記電源に電気接続される。
【0011】
本発明はまた、ステータバーの少なくとも一部分を形成し冷媒を流すための内部液体通路を備えるステータバーを封止する方法として実施することができ、前記方法は、前記ステータバーの濡れた内部表面の少なくとも一部分を電気めっきすることを含む。
【0012】
本発明はまた、ステータバー端部を受ける取付け部の内部表面を封止し、実質的に液体を通さない封止部を画定する方法として実施することができる。この取付け部は、取付け部の開口から液体を受けるためのチャンバを備え、前記チャンバは、前記ステータバーの少なくとも一部を形成する中空のストランドと連通する。前記方法は、前記チャンバに電気めっき液を導入するステップと、被着させる金属または合金のアノードを前記電気めっき液内に配置するステップと、前記アノードを電流源の正端子にカソードとして接続するステップと、前記ステータバーを前記電流源の負端子に電気接続するステップと、前記アノードと前記カソードの間に電位差を確立させて、アノードから構成部品の導電性内部表面への金属イオンの電気泳動による移動を開始させるステップとを含む。
【0013】
本発明はまた、実質的に液体を通さない封止部を画定する、ステータバー端部およびその端部を受ける取付け部として実施することができる。この取付け部は、取付け部の開口から液体を受ける、前記ステータバーの少なくとも一部を形成する中空のストランドと連通し液体を中空のストランド内に流すチャンバを備える。前記取付け部の内部表面の少なくとも一部には、電気めっきによって金属層が被着される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発電機用の水冷式ステータバーは、互いにろう付けされ端部取付け部にろう付けされた、複数の小さな長方形断面の中実および中空の銅ストランドからなる。端部取付け部は、ステータバーの電気および液体接続部として働く。端部取付け部は、通常脱イオン水であるステータバー用冷却液が流入および流出する、囲まれたチャンバを通常備える。端部取付け部の別の開口は、ステータバーのストランド端部を受け、この取付け部と、周方向に最も外側にあるステータバーの銅ストランドとは、互いにろう付けされている。時間が経つと、ステータバー端部とステータバー端部取付け部の間の接続部の周り、ならびに隣接するストランド同士の間で、様々な漏れが生じる。漏れの分析結果によると、漏れの機構は、ろう付け接合部の内部表面のろう付け合金中で始まるすきま腐食過程によるものであると考えられている。すきま腐食は、すきま内部が亜リン酸状態に移行するなど、すきま内の局部的な化学的性質が変化することによって始まる。
【0015】
液冷式発電機にはまた、漏れに関する他の問題もある。すきま腐食以外による漏れの例として、クリップ亀裂による漏れ、クリップウィンドウの漏れ、配管および取付け部の漏れ、および接続リングの漏れが挙げられる。
【0016】
ステータバー端部接続部からの漏れの現場補修は、大した成功を収めてはこなかった。
本発明の一実施形態では、液冷式ステータバーの送水路の内部表面上すべてに、または、選択的に、たとえば腐食の危険性が高いか、そのままでは漏れの潜在的可能性が高いめっき対象領域上に金属バリアコーティングの薄い層を被着させるための、電気めっき法が提案される。この金属層は、クリップとストランドの間のろう付け接合部など腐食しやすい領域への水の接触を防止する、耐腐食性のバリアコーティングとなる。このコーティングは同時に、実質的にすべての他のタイプの漏れを補修および防止することができる。
【0017】
図を参照すると、特に図1に、典型的な液冷式発電機で使用される液冷式ステータ・巻線構成が示されている。コアフランジ12およびコアリブ14を有するステータコアが示してあり、ステータバー16が、径方向に延びたスロット内を通り、端部取付け部18および20内の対向する端部で終端している。流入ホース22が、流入取付け部18を流入冷媒ヘッダ24に接続し、流出ホース26が、流出取付け部20を流出冷媒ヘッダ28に接続している。各ステータバー16は、隣接して配置され互いに重ねられた複数の中空および中実の銅ストランドを備える。取付け部、たとえば取付け部20は、銅などの導電性材料で形成されたクリップ30を備える。クリップは、ステータバー16のストランドを受けるためのまっすぐな開口を一端部に有する本体を備える。反対側の端部には、使用中は通常銅チューブ32に係合される開口が設けられている。この銅チューブ32は、電気接続部、ならびにステータバークリップ30と中空および中実の銅ストランドの露出した端部とによって画定されたチャンバ34に流入しまたはそこから流出する、たとえば脱イオン水などの液体冷媒を流す液体接続部として働く。取付け部が流入取付け部である場合は、チャンバ内の液体が、取付け部に流入し冷却のために中空のストランド内を流れ、取付け部が流出取付け部として使用される場合は、チャンバが中空ストランドから液体冷媒を受けそれを流出させる。上述したように、中実および中空のストランドは、互いにろう付けされ、カバーが、クリップウィンドウにろう付けされる。こうした接合部も、時間が経つと漏れを生じる潜在的可能性のある部分である。
【0018】
本発明の一実施形態では、クリップ30とステータバー16の間の腐食しやすいろう付け接合部を含めたステータバークリップ30の内部と、カバーとクリップの間のろう付け封止部とが、内部表面全体に薄い金属層が付着されるように電気めっきされる。金属層は、クリップとストランドの間のろう付け接合部やカバーとクリップの間のろう付け封止部など腐食および/または漏れが生じやすい領域への水の接触を防止する、耐腐食性のバリアコーティングとなる。
【0019】
ステータバーから遠い方のクリップ端部にアクセスできるように部分的に分解するなどして、ステータバーとの間のろう付け接合部を含めためっき対象のステータバークリップを分離させることによって、電気めっきが容易になる。図2を参照すると、ステータバークリップを電気めっきするための適切なアセンブリが、例として概略的に示されている。図示の実施形態では、プラスチックの管40がクリップに固定して連結され、クリップから上方に離れて延びてめっき液浴の上面42を画定し、めっき液44が、ステータクリップによって画定されたチャンバ34を満たす。ステータクリップ30の内部と管40の内部とによって画定される浴内にめっき液44を循環させるために、ポンプ46が設けられている。めっき液をまず管40から、またはポンプによって流入チューブ48を通して、クリップ内部に装入することができる。後者の場合、めっき液の液だめ(図示せず)を設け、動作可能にポンプに連結する。いずれの場合も、再循環流れチューブ50がポンプ(およびリザーバがある場合はリザーバ)に流体を再循環させ、クリップ内部の最上部に閉じ込められた水素の泡などの気体を取り除く。その結果生じる循環流によって、有利なことに攪拌が促進される。
【0020】
図2に示した実施形態では、アノード52は、ある長さの10ゲージの絶縁銅線であり、これを数インチ露出させ巻いてコイルとすることで、その全体の寸法を低減してある。もちろん銅線は、アノードとして使用可能な消耗金属源の単なる一例にすぎない。他の代替例として、金属メッシュ構造が挙げられる。アノードとめっきされる部品との間にはもちろん、電気的接触を生じさせてはならない。したがって、例示的な実施形態では、アノードは、電気的接触が妨げられるが溶液が接触できるように、たとえば非導電性材料の二重多孔質バッグ54内に挿入されている。アノードは、適切な電源に接続されている(試験用装置では2−3V直流電源を使用した)。この装置自体はカソードとして、たとえば接触線56を介して電源に電気接続されている。
【0021】
図2に示した構成では、アクセスチューブから離れたところでリザーバを閉じることができる。代替実施形態では、再循環システムを設けることができる。図3に示すように、その遠端部は閉じられず、代わりにステータバーの各端部で流れがクリップ30を通り、両クリップの内部およびそれぞれのろう付け接合部が同時にめっきされる。図示の実施形態では、めっき液リザーバ60、62が各クリップと流体連通して配置され、ポンプ64が、めっき液をクリップおよびバー16内に循環させるために設けられている。
【0022】
詳細は示さないが、実際はこの装置をたとえば加熱テープで40から50℃の間で加熱することができる。加熱はまた、電解質戻りチューブ内のライン内加熱器で行うこともできる。
【0023】
例示的な酸性の銅電気めっき液は、たとえば、水、硫酸、硫酸銅、および微量の塩酸の混合物である。この混合物には、たとえば銅などの送達物を調節し、それをめっきする表面に分配する働きをする、いくつかの有機成分が加えられる。2つの基本的な有機添加剤は、一般に「光沢剤/平滑剤」および「キャリア」と呼ばれる。
【0024】
電気めっきセルは通常、処理される領域または部品表面と流体連通する、電気めっき液で満たされた(非金属の)コンテナと、アノードとしてのめっき用金属イオンの発生源とからなる。図示の実施形態では、電気めっきセルは、部品(クリップ30)内部34と、アクセス管40の内側空間と、流入および流出チューブ48、50と、遠隔溶液リザーバ(提供される場合)と、アノードとして、アクセス管40および/またはクリップ30内に配置されるコイル状に巻かれた銅線52または他の消耗金属源とからなる。このイオン供給源を、短絡状態に近い負荷に供給し続けることができなければならない。典型的な銅電気めっき浴は、0.025オームから0.015オームの有効全負荷動作「インピーダンス」を有する。電気めっきコーティングを受ける表面は、カソードと呼ばれ、この場合はクリップ、ステータバー、およびそれらの間のろう付け接合部であり、電流源の負端子に接続される。めっき対象部品への、たとえばこの例における銅などの付着は、アノードとカソード(めっき対象部品)の間に電位差が確立されたときに生じる。その結果として電場が生じると、銅イオンがアノードからカソードの導電性表面へと電気泳動により移動し始め、溶液中の金属イオンが析出するにつれてイオン電荷が中和される。その結果として、滑らかで光沢のある銅の均質で薄いコーティングが、めっき対象表面に付着する。
【0025】
空気または発生した気体が、たとえばすきま、または目に見えないくぼんだ領域などに閉じ込められる恐れがある場合、そのような領域内のめっきが妨げられることになるため、加圧処理が必要になることがあることに留意されたい。加圧処理は、密封し、加圧することができる閉ループとして送水路システムを画定することによって行うことができる。さらに上述のように、ステータクリップの垂直方向上部から流体をくみ出すように戻り流れチューブを配置することにより、閉じ込められた空気または発生したガスを簡単に除去し、それによって均一なめっき形成を促進することができる。
【0026】
電気めっきプロセスは、付着された層が1〜3mmになるまで続ける。このプロセスは、単に電源を切断するだけでいつでも中止することができる。
【0027】
単一金属の電気めっきに代わり、ろう付け接合部のめっきを、第1のめっきに続き、第1めっき層の上に第2のめっきを施す二層めっきとして行うことができる。二層めっきでは、たとえば内側にめっきされた膜が強い耐腐食性であり、第2のめっき膜が気密性、耐久性、および耐腐食性を有するなど、特にめっきコーティングが選択的な性質を有する場合に、単一層のめっきに比べて耐久性が向上することが理解できるであろう。
【0028】
さらなる代替方法として、ステータバーおよび/またはクリップの送水路をたとえば、組立ての前にめっきし、次いで組立て後に再びめっきを実施してろう付け接合部をめっきすることにより、特定の領域または特定の部分に二層めっきを効果的に施すことができる。
【0029】
本発明によれば、漏れ通路を形成する潜在的可能性を有するすべての接合部に電気めっきが施される。このようにすると、発電機のステータバー端部の連結部に存在する1つまたは複数の漏れ部が、その場で補修される。さらに、接合部の潜在的な漏れ通路すべてに保護コーティングを提供することによって、将来的な漏れ通路の形成を防ぐ封止部が形成される。すなわち、電気めっきは、液体冷媒をろう付け材料から隔離し、隣接するストランドと最も外側のストランドの間の接合部を封止するだけではなく、冷媒流路の内部表面全体に、それを封止するための材料層を堆積するために使用することもでき、これにより潜在的な漏れ通路が封止され、将来生じ得る漏れが防止される。本発明は、特に現在の発電機の現場修理に適用することができるが、将来的な漏れに対する保護を提供するために、初期製造中の発電機に適用することもできる。
【0030】
上記のように、本明細書に記載した方法では、流れシステムの表面の濡れる部分全体にコーティングを施すことができるので、クリップのすきま腐食による漏れの問題、および液冷式発電機の漏れに関する他の問題を解決することができる。たとえば、本発明を実施した方法を使用して、クリップのすきまからの漏れ、クリップウィンドウの漏れ、配管および取付け部の漏れ、および接続リングの漏れを解決することができる。したがって、本発明を現時点で最も実用的で好ましいと考えられる実施形態に関して説明してきたが、本発明は、記載された実施形態に特に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある様々な変更形態および等価な構成を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ステータバーおよび端部取付け部を流入および流出冷媒用ヘッダに連結させた、液冷式ステータ巻線構成の概略図である。
【図2】ステータバークリップなどの部品内部をめっきするための、めっき機構を示す断面図である。
【図3】バーが循環溶液に浸してある同時めっきのためのめっき機構を示す概略図である。
【符号の説明】
【0032】
16 ステータバー
18 端部取付け部
20 端部取付け部
30 ステータバークリップ
34 チャンバ
40 アクセス管
42 電気めっき浴上面
44 電気めっき液
46 ポンプ
48 流入チューブ
50 流出チューブ
52 アノード
54 多孔質バッグ
60 液だめ
62 液だめ
64 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータバー端部と、前記端部を受け実質的に液体を通さない封止部を画定する取付け部(18、20)とを有するステータバークリップであって、
前記取付け部(18)、(20)はチャンバ(34)を備え、
前記チャンバは、前記取付け部(18、20)の開口から液体を受けるとともに、前記ステータバー(16)の少なくとも一部を形成する中空のストランドと連通して前記液体を前記中空のストランドに流し、
前記取付け部(18、20)の内部表面の少なくとも一部分は、その上に電気めっきによって被着された金属層を有することを特徴としたステータバークリップ。
【請求項2】
構成部品の内部を電気めっきする電気めっき装置であって、
電気めっき液(44)を前記構成部品の内部に流す流入チューブ(48)と、
前記構成部品の内部から電気めっき液(44)を流出させる流出チューブ(50)と、
前記流入チューブ(48)を介して電気めっき液(44)を導入し、前記流出チューブ(50)を介して前記電気めっき液(44)をくみ出すポンプ(46)と、
前記電気めっき液(44)内に配置され電源に電気接続されたアノード(52)とを備え、
前記構成部品がカソードとして前記電源に電気接続される電気めっき装置。
【請求項3】
前記構成部品の入口端部に連結され、前記構成部品の前記内部と共に電気めっき浴を画定するアクセス管(40)をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の電気めっき装置。
【請求項4】
前記ポンプ(46)に動作可能に接続された電気めっき液(44)の供給源をさらに備え、前記ポンプ(46)が、前記液だめから電気めっき液(44)をくみ出し、それを前記流入チューブ(48)を介して前記部品の内部(34)に給送することを特徴とする請求項2記載の電気めっき装置。
【請求項5】
前記ポンプ(46)が、前記流出チューブ(50)を介してくみ出した前記電気めっき液(44)を前記液だめに戻すことを特徴とする請求項4記載の電気めっき装置。
【請求項6】
前記アノード(52)が、消耗可能金属源を備えることを特徴とする請求項2記載の電気めっき装置。
【請求項7】
ステータバーの少なくとも一部を形成し冷媒を流す内部液体通路を備えるステータバー(16)を封止する方法であって、前記ステータバー(16)の濡れた内部表面の少なくとも一部分を電気めっきするステップを含む電気めっき方法。
【請求項8】
前記電気めっきするステップが、
前記チャンバ(34)に電気めっき液(44)を装入するステップと、
被着させる前記金属または合金のアノード(52)を前記電気めっき液(44)中に配置するステップと、
前記アノード(52)を前記電流源の前記正端子に接続するステップと、
前記ステータバー(16)を、前記電流源の前記負端子にカソードとして電気接続するステップと、
前記アノード(52)と前記カソードの間に電位差を確立して、前記アノード(52)から前記構成部品の前記導電性の内部表面への金属イオンの電気泳動による移動を開始させるステップとを含むことを特徴とする請求項7記載の電気めっき方法。
【請求項9】
電気めっき液(44)を前記チャンバ(34)内に給送するステップと、電気めっき液(44)を前記チャンバ(34)からくみ出すステップとをさらに含み、それによって前記チャンバ(34)内に電気めっき液(44)を循環させることを特徴とする請求項8記載の電気めっき方法。
【請求項10】
アクセス管(40)を前記構成部品の流入端部に連結させ、前記構成部品の前記内部と共に電気めっき浴を画定するステップをさらに含む請求項8記載の電気めっき方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−144125(P2006−144125A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320294(P2005−320294)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】