説明

標準分光放射計

【課題】ソーラシミュレータの分光放射特性を正確に測定すると共に、光源ランプとその点灯回路の診断機能をも併せ持った標準分光放射計を提供する。
【解決手段】パルス点灯型ソーラシミュレータ2から放射された閃光を複数の光ファイバ71〜75によって分岐伝導し、伝導された閃光をそれぞれの分光器81〜85で分光し、分光された分光光をそれぞれ検出する第1の光検知手段91〜95を備える標準分光放射計において、ソーラシミュレータ2から放射された閃光を検知する第2の光検知手段10と、第2の光検知手段10によって検知された検出電圧と閾値基準電圧とを比較し、前記検出電圧が前記閾値基準電圧以上になったとき判別信号を出力する閾値判別回路13と、前記判別信号を入力して測定開始信号を出力する遅延時間発生回路14を備え、各第1の光検知手段91〜95は前記測定開始信号を入力すると検知を行うことを特徴とする標準分光放射計である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標準分光放射計に係わり、特に、パルス点灯型ソーラシミュレータ用、カメラ用、医療用、印刷用、紫外線硬化用などの種々のフラッシュランプから発せられる閃光の分光放射特性を計測するための標準分光放射計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策としての太陽電池による大規模発電の実用化が注目されてきているが、より効率的な太陽電池の開発には、太陽光を模擬したソーラシミュレータによる太陽電池の性能の正確な測定が欠かせない。このためには、ソーラシミュレータの特性を事前に正確に把握しておくことが必要であるが、その特性の一つが、ソーラシミュレータに用いられる光源ランプの分光放射特性である。一般に、ソーラシミュレータのスペクトルは、基準太陽光のそれを模擬しており、問題のスペクトル範囲は、太陽電池の分光応答度がある0.25μm〜2.5μmの波長帯のものである。
【0003】
ところで、太陽電池測定用に使用されるソーラシミュレータとしては、現在、太陽電池製造ラインでの使用も可能な、パルス点灯型ソーラシミュレータが主流となってきている。
図2は、従来技術に係るパルス点灯型ソーラシミュレータ101のパルス発光を測定するための分光放射計100の構成を示す図である。
同図に示すように、分光放射計100は、パルス点灯型ソーラシミュレータ101の放電ランプ1011からのパルス発光を、透過型拡散板102を備える入射光学系103を介して光ファイバ104で受光させ、更に分岐部105で各波長λ1、λ2、・・・λ5毎の特性に合う各光ファイバ1061、1062、・・・1063に導入して各光を各分光器1071、1072・・・1075(分光器が5台の場合)に入射させるものである。各分光器1071、1072、・・・1075に備えられる各ディテクタ1081、1082、・・・1085は、パルス点灯型ソーラシミュレータ101の放電ランプ101をパルス点灯するためのトリガ信号に同期して、パルス発光する短時間内に発せられる測定開始信号によって、パルス点灯型ソーラシミュレータの分光放射特性を測定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開11−37851号公報
【特許文献2】特開2001−194302号公報
【特許文献3】特開2002−277207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図2に示すような分光放射計100では、各ディテクタ1081、1082・・・1085は、パルス発光の分光放射特性を正確に測定することが困難であった。その理由は、パルス発光時間が短いだけでなく、パルス点灯型ソーラシミュレータ101に用いられる放電ランプ1011は不図示のコンデンサに充電した電荷をランプ電極間の放電により放出させて発光させるものであるために、発光のタイミングが数10〜100μsec程度の範囲でバラツクことである。つまり、放電ランプ1011を点灯するためのトリガ信号を発してから実際に放電ランプ1011が発光するまでのタイミングにバラツキがあることである。又発光時間が短い放電ランプ1011では、測定タイミングがずれると、分光放射特性の正確な測定を行うことができないという問題がある。
【0006】
つまり、従来のパルス点灯型ソーラシミュレータ101の発光スペクトル測定においては、放電ランプ1011の点灯時間が短いため、0.25〜2.5μmという広範囲のスペクトル領域を幾つかの分光器1071、1072、・・・1075で分担するために、各分光器1071、1072、・・・1075にアレイ状のディテクタ1081、1082・・・1085を取り付け、放電ランプ1011を点灯するためのトリガ信号に同期して、測定開始信号により、各ディテクタ1081、1082・・・1085は、放電ランプ1011の分光スペクトルを測定し記録する。ところが、放電ランプ1011は、発光開始のためのトリガ信号を受信してから実際に放電ランプ1011が発光するまでに要する時間にはバラツキがあるため、実際の発光と測定のタイミングがずれ、測定を何回もやり直さねばならないという問題があった。一方、放電ランプ1011の点灯時間は短いため、ディテクタ1081、1082・・・1085による分光測定は、トリガ信号を受信したら即時に実行しなければならず、更に、他の問題点として、パルス点灯型ソーラシミュレータには種々のものが有るために、発光パターンにも種々のものが存在し、それぞれのシミュレータで測定の最適タイミングが異なるという問題があり、測定した分光放射特性が、本当に太陽電池を測る際のパルスのピーク発光時のものかを保証することができなかった。
【0007】
図3は、ショートパルス型ソーラシミュレータの発光パターンの例を示す図である。この発光パターンは、パルス点灯型ソーラシミュレータから受光した光を分光せずに、フォトデイテクタで受けた場合の発光パターンであり、この発光パターンは、時間軸方向に平行移動はするものの波形自体はほぼ一定である。
同図において、パルス点灯し始めの時間t1では強度I1、ピーク時t2では強度I2、強度のピーク時t2を過ぎた時間t3では強度I3となることを示しており、分光放射計で測定すべきは、ピーク時t2における光の分光放射特性である。しかし、このピーク時t2における特性は、一般的にはt1やt3における非ピーク時の分光放射特性とは異なっている。つまり、測定タイミングがt2から狂うと、太陽電池測定時の正しい分光放射特性を得ることができない。
【0008】
又、図4は、ロングパルス型ソーラシミュレータの発光パターンの例を示す図である。ショートパルス型ソーラシミュレータの発光パターンとは異なり、ピークの部分が長く平坦に続いている。このように発光し始めてから、ピーク部分に達するまでの時間も、パルス点灯型ソーラシミュレータの種類によりまちまちで、最適タイミングで測定することが難しいという問題がある。
【0009】
図5は、従来技術に係る分光放射計によるパルス型ソーラシミュレータの分光放射特性の測定結果を示すグラフである。
同図に示すように、ピーク時t2からずれた不適正な測定タイミングで測定されたために、測定誤差が発生している。
一方、図6は、正しい測定タイミングで測定された分光放射計によるパルス型ソーラシミュレータの分光放射特性の測定結果を示すグラフである。
図7は、図5と図6の測定結果の差を見るために、2つの測定結果を50nm幅の波長帯域ごとに比較した分光エネルギー比率を棒グラフで表示したものである。この図から明らかなように、図5における不適正な測定タイミングによって(400nm〜650nm)においては過小評価、(850nm〜950nm)においては過大評価の分光分布誤差がもたらされていることが解る。この結果は又、不適正な測定タイミングで測定された閃光は、適正なタイミングで測定された閃光と比較すると、通電電流強度不足のため低温で発光している閃光の裾野の状態、すなわち分光分布が長波長側にずれた閃光の状態であることに良く符合している。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、パルス点灯型のソーラシミュレータの分光放射特性を正確に測定することを可能にした標準分光放射計を提供すると共に、ソーラシミュレータの光源ランプとその点灯回路の診断機能をも併せ持った標準分光放射計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、パルス点灯型ソーラシミュレータから放射された閃光を複数の光ファイバによって分岐し、分岐された閃光をそれぞれの分光器で分光し、該分光された分光光をそれぞれ検出する第1の光検知手段と、前記第1の光検知手段で検知された光スペクトルを取得するコンピュータを備える標準分光放射計において、前記パルス点灯型ソーラシミュレータから放射された閃光を検知する第2の光検知手段と、該第2の光検知手段によって検知された検出電圧と閾値基準電圧とを比較し、前記検出電圧が前記閾値基準電圧以上になったとき判別信号を出力する閾値判別回路と、前記判別信号を入力して測定開始信号を出力する遅延時間発生回路とを備え、前記各第1の光検知手段は前記測定開始信号を入力すると検知を行うことを特徴とする標準分光放射計である。
第2の手段は、第1の手段において、前記パルス点灯型ソーラシミュレータから放射された閃光を時系列的に検知して時系列的発光パターンを記憶する記憶手段を備え、前記コンピュータは、前記該記憶手段に記憶された時系列的パターンデータを読み出して前記閃光のピーク値を読み出すことを特徴とする標準分光放射計である。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段において、前記記憶手段は、前記時系列的発光パターンと共に、前記遅延時間発生回路から出力される測定開始信号を記憶し、前記コンピュータは、同一画面上に前記時系列的発光パターンと共に前記測定開始信号の出力時点を表示することを特徴とする標準分光放射計である。
第4の手段は、第1の手段ないし第3の手段のいずれか1つの手段において、前記コンピュータは、前記記憶手段に記憶されている時系列的発光パターンを読み出し、その時系列的発光パターンのピーク時の前後の所定の許容時間Δtdを設定する手段と、前記測定開始信号が前記許容時間Δtd内に入っているか否かを判定する手段と、前記測定開始信号が前記許容時間Δtd内に入っているときは、前記各第1の光検知手段で検知された測定データを採用する手段とを備えることを特徴とする標準分光放射計である。
第5の手段は、第1の手段ないし第4の手段のいずれか1つの手段において、前記コンピュータは、前記パルス点灯型ソーラシミュレータを複数回点灯する毎に、前記閾値判別回路で閾値に達した時間t1を検出すると共に、前記記憶手段に記憶されている時系列的発光パターンからピーク値の時間t2を検出する手段と、前記パルス点灯型ソーラシミュレータを複数回点灯する毎の時間差Δt=t2−t1の平均値を求める手段と、前記求められた平均値を前記遅延時間発生回路における遅延時間として自動的に設定する手段とを備えることを特徴とする標準分光放射計である。
第6の手段は、第1の手段ないし第5の手段のいずれか1つの手段において、前記コンピュータは、前記パルス点灯型ソーラシミュレータを複数回点灯する毎に、前記閾値判別回路で閾値に達した時間t1を検出すると共に、前記記憶手段に記憶されている時系列的発光パターンからピーク値の時間t2を検出する手段と、時間差Δt=t2−t1のバラツキの大きさから前記パルス点灯型ソーラシミュレータに備えられる放電ランプの異常又は寿命を判定する手段を備えていることを特徴とする標準分光放射計である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パルス点灯型ソーラシミュレータから放射される閃光強度を検出し、検出された閃光強度に基づいて、分光器で分光された分光光の測定タイミングを調整することにより、分光スペクトルの測定誤差を低く抑えることができる。
また、本発明によれば、分光放射照度測定毎に、事前にパルス点灯型ソーラシミュレータの放電ランプを複数回発光させ、その発光パターンから時間差Δtのバラツキやパルス幅のバラツキを検査することにより、放電ランプの異常や劣化の状況を判定することができる。
また、本発明によれば、事前の調整・点検作業により、パルス点灯型ソーラシミュレータの分光放射特性の高精度測定、及び点灯回路を含む放電ランプの異常診断が可能となる。
また、本発明によれば、コンピュータをノートパソコンとし、その他の部分を小型化して携帯可能とすることにより、例えば、太陽電池製造工場内に複数のラインがある場合でも、1個の標準分光放射計で工場内の全てのラインに設置されたパルス点灯型ソーラシミュレータの分光放射特性を容易に測定することができ、太陽電池製造ラインにおける太陽電池測定の正確さを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る標準分光放射計1の構成を示す図である。
【図2】従来技術に係る分光放射計100の構成を示す図である。
【図3】ショートパルス型ソーラシミュレータの発光パターンの例を示す図である。
【図4】ロングパルス型ソーラシミュレータの発光パターンの例を示す図である。
【図5】従来技術に係る分光放射計によるパルス型ソーラシミュレータの分光放射特性の測定結果を示すグラフである。
【図6】正しい測定タイミングで測定された分光放射計によるパルス型ソーラシミュレータの分光放射特性の測定結果を示すグラフである。
【図7】図5に示した分光放射特性と図6に示した分光放射特性とを較べて、測定誤差が発生していることを波長帯の積分値の比較により示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を図1及び図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係る標準分光放射計1の構成を示す図である。
同図に示すように、この標準分光放射計1は、パルス発光型ソーラシミュレータ2の放電ランプ21から放射された閃光を、透過型拡散板3(積分球、反射型拡散板でも良い)で拡散した後、入射光学系4、光ファイバ5、分岐部6を介して、各波長λ1、λ2、・・・λ5毎の特性に合う複数の各光ファイバ71、72、・・・75に導入し、導入された各光を各分光器81、82、・・・85(分光器5台の場合)に入射させるものである。各分光器81、82、・・・85に入射された光はそれぞれ分光となって第1の光検知手段である(フォト)ディテクタ91、92、・・・95で検出される。
【0015】
更に、この標準分光放射計1は、入射光学系4に導入された光が、強度モニタする第2の光検知手段であるディテクタ10で検出され、ディテクタ10で検出された出力は、アンプ11で増幅され、その出力の一方は閾値判別回路13に入力され、他方の出力はA/D回路15に入力される。閾値判別回路13に入力された信号、つまり、ディテクタ10で検出された出力が予め閾値基準電圧部12で設定された閾値基準電圧を越えると、閾値判別回路13からトリガ信号が発せられ、遅延時間発生回路14に入力される。
【0016】
ここで、例えば、閾値基準電圧部12で設定される閾値基準電圧を図3に示した光の強度I1に対応する電圧に設定しておけば、時間t1で閾値判別回路13からトリガ信号が出力され、また光強度がピークI2の時間t2までの遅延時間Δt=t2−t1を遅延時間発生回路14に設定しておけば、時間t1からΔt後に遅延時間発生回路14から、測定開始信号が、各分光器81、82、・・・85の各ディテクタ91、92、・・・95に出力され、そのタイミングで各ディテクタ91、92、・・・95で分光光が検出される。検出された各分光光は、A/D回路17を介して、分光放射特性データとしてメモリ18に記憶される。なお、ディテクタ91、92、・・・95の反応時間は、放電ランプ21の発光パルス幅に比べると非常に短いから、測定はランプ発光のピーク部分、つまり時間t2において完了する。
【0017】
一方、アンプ11からA/D回路15を介して送られた閃光の強度信号Iは逐次メモリ16に記憶される。コンピュータ19は、メモリ16のデータを読み出すことによって、図3に示すような時系列的発光パターンを読み出すことができ、強度信号IのピークI2となるタイミングt2を、コンピュータ19に備えられる表示手段191によって知ることができる。
【0018】
また、コンピュータ19は、メモリ18から記憶内容を読み出すと共に、遅延時間発生回路14から出力された測定開始信号も取得することにより、測定開始信号が時系列的発光パターンどの時点で発せられたかを知ることができる。
【0019】
また、コンピュータ19は、予めメモリ16内の時系列的発光パターンを読み出し、その時系列的発光パターンのピーク時の前後の何ミリ秒かの許容時間Δtdを設定し、更に遅延時間発生回路14から出力された測定開始信号を入力し、測定開始信号がこの許容時間Δtd内に入っているか否かを判定し、許容時間Δtd内に入っているときは、ディテクタ91、92、・・・95で検知されメモリ18に記憶されている測定データを採用するこができる。
【0020】
また、コンピュータ19は、事前にパルス点灯型ソーラシミュレータ2の放電ランプ21を複数回点灯する毎に、一方で、閾値判別回路13で閾値I1が測定された時間t1を検出し、他方で、メモリ16からピーク値I2の時間t2を検出して、点灯毎の時間差Δt=t1−t2のバラツキの幅や許容時間Δtの設定基準を統計的に知ることができる。更に、点灯毎の時間差Δt=t1−t2の平均値を求め、この平均値を遅延時間発生回路14に対する遅延時間として自動的に設定することもできる。
【0021】
また、コンピュータ19は、事前にパルス点灯型ソーラシミュレータ2の放電ランプ21を複数回点灯して、得られた点灯毎の時間差Δt=t2−t1のバラツキの大きさが所定値以上のときは、放電ランプ21やその点灯回路が異常状態にある、又は放電ランプ21が寿命に達していると判定することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、性能の良い太陽電池の開発のため又は太陽電池製造ライン上に設置された、パルス型ソーラシミュレータの性能評価に応用できる。この他、カメラ用・医療用・印刷用・紫外線硬化用などのフラッシュランプの閃光を測る標準分光放射計として用いることが出来る。更に、応用分野として温度変動や時間変動があるレーザ光の波長変動を計測することも可能となる。更に、これにより、UV光の短波長レーザ光等の耐候、被爆量などを正確に測定することもできる。
【符号の説明】
【0023】
1 標準分光放射計
2 パルス発光型ソーラシミュレータ
21 放電ランプ
3 透過型拡散板
4 入射光学系
5 光ファイバ
6 分岐部
71、72、・・・75 光ファイバ
81、82、・・・85 分光器
91、92、・・・95 ディテクタ(第1の光検知手段)
10 ディテクタ(第2の光検知手段)
11 アンプ
12 閾値基準電圧部
13 閾値判別回路
14 遅延時間発生回路
15 A/D回路
16 メモリ
17 A/D回路
18 メモリ
19 コンピュータ
191 表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス点灯型ソーラシミュレータから放射された閃光を複数の光ファイバによって分岐し、分岐された閃光をそれぞれの分光器で分光し、該分光された分光光をそれぞれ検出する第1の光検知手段と、前記第1の光検知手段で検知された光スペクトルを取得するコンピュータを備える標準分光放射計において、
前記パルス点灯型ソーラシミュレータから放射された閃光を検知する第2の光検知手段と、該第2の光検知手段によって検知された検出電圧と閾値基準電圧とを比較し、前記検出電圧が前記閾値基準電圧以上になったとき判別信号を出力する閾値判別回路と、前記判別信号を入力して測定開始信号を出力する遅延時間発生回路とを備え、前記各第1の光検知手段は前記測定開始信号を入力すると検知を行うことを特徴とする標準分光放射計。
【請求項2】
前記パルス点灯型ソーラシミュレータから放射された閃光を時系列的に検知して時系列的発光パターンを記憶する記憶手段を備え、前記コンピュータは、前記該記憶手段に記憶された時系列的パターンデータを読み出して前記閃光のピーク値を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の標準分光放射計。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記時系列的発光パターンと共に、前記遅延時間発生回路から出力される測定開始信号を記憶し、前記コンピュータは、同一画面上に前記時系列的発光パターンと共に前記測定開始信号の出力時点を表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の標準分光放射計。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記記憶手段に記憶されている時系列的発光パターンを読み出し、その時系列的発光パターンのピーク時の前後の所定の許容時間Δtdを設定する手段と、前記測定開始信号が前記許容時間Δtd内に入っているか否かを判定する手段と、前記測定開始信号が前記許容時間Δtd内に入っているときは、前記各第1の光検知手段で検知された測定データを採用する手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の標準分光放射計。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記パルス点灯型ソーラシミュレータを複数回点灯する毎に、前記閾値判別回路で閾値に達した時間t1を検出すると共に、前記記憶手段に記憶されている時系列的発光パターンからピーク値の時間t2を検出する手段と、前記パルス点灯型ソーラシミュレータを複数回点灯する毎の時間差Δt=t2−t1の平均値を求める手段と、前記求められた平均値を前記遅延時間発生回路における遅延時間として自動的に設定する手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の標準分光放射計。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記パルス点灯型ソーラシミュレータを複数回点灯する毎に、前記閾値判別回路で閾値に達した時間t1を検出すると共に、前記記憶手段に記憶されている時系列的発光パターンからピーク値の時間t2を検出する手段と、時間差Δt=t2−t1のバラツキの大きさから前記パルス点灯型ソーラシミュレータに備えられる放電ランプの異常又は寿命を判定する手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の標準分光放射計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−169492(P2010−169492A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11478(P2009−11478)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591288388)株式会社オプトリサーチ (2)
【出願人】(507104016)オーケーラボ有限会社 (5)
【出願人】(000004374)日清紡ホールディングス株式会社 (370)
【出願人】(591107676)山下電装株式会社 (3)
【Fターム(参考)】