説明

標識検定装置

【課題】標識検出器と組み合わせて用いられる標識の、検出原理上の回転対称性の程度を評価するための標識検定装置を、提供する。
【解決手段】標識検定装置は、装着部により検定対象の標識を回転軸部材に装着して、駆動部によって回転軸部材に所定の周期運動を与えた場合に、標識検出器から得られた標識の検出データを、処理部に入力し、処理部のデータ処理によって標識の検出原理上の軸対称性の指標データを検定データとして得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識の検出を行って位置計測や標識追跡などを行う標識検出器(3次元位置計測器等で構成される)と組み合わせて用いられる標識(マーカ)の検出原理上の回転対称性の程度を評価するための標識検定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の標識(マーカ)による標識検出器の主な用途は、人体各部に標識を結合して各部の運動軌跡を計測するプローブに標識を結合し、プローブを当てた部分の座標計測を行うことに用いられたり、また、手術器具に標識を結合して、その手術器具の動作軌跡を画面上に表示したり、断層画像などと照合するなど医療などの手術用ナビゲーションシステムに用いられる。手術用ナビゲーションシステムに用いられる標識(マーカ)は、手術の際に汚れなどが付着したり、変形したりすると、正確に位置検出ができなくなるため、検定される必要がある。
【0003】
従来から、この種の標識の検出を行う標識検出器としては、光学的な三角測量の原理により標識の三次元座標値を得る標識検出器、磁場源から発せられる磁場をコイルにより標識の三次元座標値を検出する標識検出器などがある。
【0004】
それらの標識検出器で用いられる標識としては、光学式の標識検出器にあってはLED素子を用いた能動的標識、反射性の素材からなる受動的標識、バーコードのような濃淡模様をもつ受動的標識、磁気式の標識検出器にあっては円筒状のコイルを単独あるいは複数個を互いに直交するように配置したものがある。
【0005】
バーコードのような濃淡模様をもつ受動的な標識をのぞいて、多くの標識は、円形の形状、球形の形状、円筒の形状、それらの一部の形状、あるいは円筒形の形状をした標識となっている。
【0006】
これは、標識をこのような回転対称形とすることにより、標識検出器に対する標識の姿勢(向き)の影響をキャンセルすることができるためである。バーコードのような標識であっても、標識の一点を仮想的な中心点として、その点を通る法線を軸とする回転対称性を有している。一般に、標識検出器は有限の大きさの標識を認識して、数学的で仮想的な大きさを有しない「点」の位置を得るため、その仮想的な中心点と仮想的な回転対称性を有する。
【0007】
以下、このような検出原理に帰趨する仮想的な軸対称性を「検出原理上の軸対称性」と呼び、その軸を「検出原理上の対称軸」と呼ぶこととする。
【0008】
検出原理上の対称軸は、多くの場合、その標識の幾何形状上の対称軸、重心まわりの軸などの物理的な対称軸と一致するが、必ず一致するとは限らない。
【0009】
もっとも、実用上は標識の幾何的な対称軸を検出原理上の対称軸と一致させることが有用であることから、通常はそのように設計される。球状の標識では、球の中心を通る任意の直線が検出原理上の対称軸となる。円筒状の標識では、円筒中心を通る軸が検出原理上の対称軸となる。一方、平面的な標識では、仮想中心点を通る法線が検出原理上の対称軸となる。
【0010】
このような対称性を有する標識を利用する標識検出器では、対称性に依存した標識検出アルゴリズムを採用していることが多い。その一つの例として、光学反射性を有する球形標識を、画像認識により検出して標識の位置検出を行う場合について説明する。
【0011】
この場合には、標識が球形をしていることから、どの方向からこれを検出しても標識は円形の物体として画像認識される。その円の中心点の画像センサ面上での二次元座標を計算して、標識検出器の位置計測器の2カ所からの2つの方向で取得した左右の画像上での視差を求めることにより、その中心点の三次元座標を求めることができる。
【0012】
円の中心点を求める方法の一つに、その円の重心位置を計算する方法があるが、この方法は、画像計測に付随する画像の明るさの雑音、画像計測素子の部分領域誤差(partial region error)を平準化できるので、精度の高い計測値を得ることができる。反面、この方法は、そのようにして決定される重心の位置が円の中心に一致することを仮定している。
【0013】
この仮定は、その円の見かけの明るさが一様であるという条件に依存しており、その条件が破れると位置計測の誤差となる。条件が破れる原因の一つに、反射球の表面が汚れるなどして反射特性が不均質になることがあげられる。そのほかの検出原理についても、標識の幾何的な軸対称性が保たれていても検出原理上の軸対称性が低下することがある。従来からの軸のずれを検出する技術としては、次のような特許文献が参照できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平4−60407号公報
【特許文献2】特開昭60−239602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
標識検出器に用いる標識は経時的に変化して、検出原理上の軸対称性が失われていく。経時変化の原因としては、標識表面への汚れの付着、標識表面に傷が付くこと、標識の幾何形状の変形などが挙げられる。標識の幾何形状の変形を検定する方法は、多くの方法が公知となっている。
【0016】
ところが、標識検出器の検出上の誤差となりうる経時変化は、幾何形状の変化だけではなく、検出原理上の軸対称性の低下によっても起こりうる。また、検出原理上の軸対称性の喪失は、幾何形状の変形を伴わない場合も生じうる。
【0017】
このため、検出原理上の軸対称性の低下の検出は、公知の幾何形状の検定方法では検定することができない。本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、標識検出器と組み合わせて用いられる標識の検出原理上の回転対称性の程度を評価するための標識検定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記のような目的を達成するため、本発明では、被検体となる標識を、これと組み合わせて用いられる標識検出器を用いて認識させ、その出力結果を得る。そこに含まれる検出原理上の軸対称性の低下に由来する成分を検出して、これをもとに検出原理上の軸対称性を表す指標データを得る。
【0019】
具体的に、本発明による標識検定装置は、検定対象の標識を装着する装着部を有する回転軸部材と、前記標識の検出原理上の対称軸まわりに前記標識を装着した回転軸部材を駆動する駆動部と、前記標識を検出する標識検出器から得られる出力データのデータ処理を実行する処理部と、前記処理部によりデータ処理されたデータを検定結果出力として出力する出力部とからなる標識検定装置であって、前記装着部により検定対象の標識を装着して前記駆動部によって回転軸部材に所定の周期運動を与えた場合に標識検出器から得られた標識の検出データを、前記処理部に入力し、前記処理部のデータ処理によって標識の検出原理上の軸対称性の指標データを検定データとして得ることを特徴とする構造となっている。
【0020】
この標識検定装置においては、前記処理部が実行するデータ処理は、予め取得した基準体の標識の検定データとの変動を比較して、検定対象の標識の検出原理上の軸対称性の指標データを検定データとして得るように構成される。
【0021】
また、標識検定装置においては、更に、標識を装着した回転軸部材の幾何的揺動を標識からの位置を計測することにより測定する距離計測器を備え、前記処理部が実行するデータ処理は、標識を装着した回転軸部材の幾何的揺動の計測データにより補正するように構成される。
【0022】
この場合、標識検定装置においては、検定する標識の形状が球形又は球形の一部をなす形状の場合には、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を斜めに位置させるように構成され、また、検定する標識の形状が平面状の形状の場合には、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を正対に近い向きに配置させるように構成される。
【0023】
また、別の形態では、標識検定装置においては、検定する標識の形状が円筒形又は円筒形の一部をなす形状の場合には、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を斜めに位置させるように構成され、検定する標識の形状が半球形又は半球形に近い形状の場合には、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を正対に近い向きに位置させるように構成される。
【0024】
また、更に、別の形態では、標識検定装置においては、検定する標識の形状が球形又は球形の一部をなす形状の場合には、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を直角に近い向きに配置させるように構成され、また、前記駆動部は、回転軸部材を駆動する駆動部に対して平行でない別の駆動部を更に有するように構成される。
【0025】
この標識検定装置においては、さらに処理部は、軸対称性の指標データとして、標識検出器から得られる出力データ中の標識の位置座標値の分布の示す円の半径又は楕円の長軸長を求めるように構成される。
【0026】
また、標識検定装置においては、さらに前記処理部は、軸対称性の指標データとして、標識検出器から得られる出力データ中の標識の位置座標値の分布の、円又は楕円からのばらつき量を計算するように構成される。
【発明の効果】
【0027】
上記のような構成の本発明による標識検定装置は、検定対象の標識は、それと組み合わせて用いる標識検出器を用いて検定を実施することができる。その検定に要する時間は、一個の標識あたり数秒である。このため、この標識検出器を用いる現場において、使用の都度に標識を検定することが可能であり、高い簡便性を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】球形の形状の標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。
【図2】幾何的偏差を距離測定装置を用いて計測し補正する場合の標識検定装置の構成を説明する図である。
【図3】平面状の形状の標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。
【図4】円筒形の形状をした標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。
【図5】半球形の形状の標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。
【図6】球形の形状の標識を検定する標識検定装置の別の構成例を説明する図である。
【図7】二軸以上の周期運動軸から構成される標識検定装置の構成の一例を説明する図である。
【図8】標識検定装置により光学反射性の球形標識の検定を行った結果の実例を説明する図である。
【図9】評価した反射球を説明する図である。
【図10】手術で反復使用した光学反射性の球形標識を標識検定装置で検定した結果を説明する図である。
【図11】0回(新品)を検定した際に計測された三次元座標値のうち二軸の値の分布点と、これらの点に楕円を当てはめた計算結果を説明する図である。
【図12】20回使用した後に検定した際に計測された三次元座標値のうち二軸の値の分布点と、これらの点に楕円を当てはめた計算結果を説明する図である。
【図13】30回使用した後に検定した際に計測された三次元座標値のうち二軸の値の分布点と、これらの点に楕円を当てはめた計算結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る標識検定装置を実施するための形態について、実施例に基づいて図面を参照して説明する。ここでは、最も良く用いられる光学式の位置計測器で構成される標識検出器と共に用いられる球形の光学反射性の標識を検定する標識検定装置の一例について説明する。
【0030】
図1は、球形の形状の標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。図1において、1は検定対象とする標識であり、2は標識を回転する回転軸部材、3は回転軸部材を回転駆動する駆動部、4は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置である。
【0031】
検定対象の標識1は球形状の光学反射性の標識である。回転軸部材2は標識1を装着して駆動部3により回転駆動される。回転軸部材2は先端に標識1を装着するための装着部を有しており、検定対象の標識1は、回転軸部材2の先端に装着されて、回転軸部材2が駆動部3により回転駆動または周期運動により軸駆動されることにより、標識1が回転運動または周期運動される。回転軸部材3は標識検出器4に対して斜めに位置しており、これにより標識1が標識検出器4に対して斜め方向から検出する配置となる。このように、回転駆動されている標識1に対して標識検出器4により、標識1の3次元位置座標を検出し、ここで検出される標識1の3次元位置座標の変動を指標データとして、標識1の検定を行う。
【0032】
検定は、標識検出器4から出力される標識1の3次元位置座標のデータをデータ処理装置5に入力し、データ処理装置5において、予め取得した基準体の標識の検定データとの変動を比較して、検定対象の標識の検出原理上の軸対称性の指標データを検定データとして得るデータ処理が実行される。
【0033】
標識検定装置を構成する各構成部品について詳細に説明すると、回転軸部材2は駆動部3の回転運動を標識1に伝達する部品で、先端に標識1を結合するための装着部を有している。装着部は、検定するそれぞれの標識に対応した装着部品を結合して用いる。駆動部3はモータなど、標識1を回転させる機械装置である。標識検出器4は標識1の3次元位置座標を計測する装置である。光学式、磁気式などが用いられる。標識検出器4により計測された標識1の三次元位置座標のデータは、データ処理装置5に入力される。データ処理装置5は、三次元位置座標のデータを演算処理する計算機である。ここでデータ処理された出力データは、表示装置6により出力される。
【0034】
標識1としては、光学反射性の標識の他に、バーコードなど所与の模様あるいはパターンを用いた標識、発光ダイオードなど自光式の標識、X線用マーカ、MRI(磁気共鳴画像装置)用マーカなどがある。それぞれに対応した標識検出器4が用いられて、標識検出器4により計測された標識1の三次元位置座標のデータが、データ処理装置5に入力されて、それぞれにデータ処理される。
【0035】
検定中は、標識検出器4に対して標識1から駆動部3を静置させる必要がある。そのため、機械的にこれらを結合する装置、例えば、床や机の上にこれらを配置する三脚などの固定装置が用いられる。図1では、三脚など、標識1、回転軸部材2、駆動部3、および標識検出器4の配置の位置関係を固定する支持装置については、煩雑さを避けるため図示は省略している。同様に、駆動部3及びデータ処理装置5を操作するためのスイッチなどの入力装置、エネルギー源などの構成についても図示を省略している。
【0036】
検定の結果を表示する表示装置6の表示内容としては、例えば、3次元位置座標が標識1の座標値を一定周期で計測した結果である場合、検出原理上の対称性の低下は、その座標値がある回転半径をもって揺動することとして検出される。したがって、検定結果は、その揺動を、回転半径の平均値を算出する統計演算処理を行い統計値によって、検出原理上の対称性の低下を表現する指標値とするデータ処理を行う。この指標値を指標データとして表示装置6に出力する。
【0037】
回転半径の平均値を算出する統計演算処理としては、標識検出器4が計測した標識1の三次元空間内の軌跡が、駆動部3の駆動軸に軸対称な図形となることを利用する方法がある。駆動部3の運動が回転運動である場合、標識1の三次元空間内の軌跡は、駆動軸に垂直な平面上の円となり、その半径が前記の揺動の回転半径となる。よって、計測された標識1の座標点を(xi,yi,zi)とすると、揺動の回転半径rは、
(xi−xo)2+(yi−yo)2+(zi−zo)2=r2 …(1)
ax(xi−xo)+ay(yi−yo)+az(zi−zo)=0 …(2)
を満たすrとして算出できる。ここで(xo,yo,zo)は揺動の中心、(ax,ay,az)は駆動軸の方向を表すベクトルである。
【0038】
また、揺動の回転半径rは、前記の計測された座標点(xi,yi,zi)を平面上に投影した点がなす楕円の長軸長として求める事ができる。例えば、計測点をXY平面へ投影した(xi,yi)につき、
Xi2/R12+Yi2/R22=1 …(3)
(Xi,Yi)T=R(xi,yi)T−T …(4)
ここで、R1とR2は楕円の2軸の長さ、Rは回転、Tは並進を表す行列であり、R1とR2のうち大きな方が揺動の回転半径rとなる。
あるいは、楕円を二次曲線の一般式
axi2+bxiyi+cyi2+dxi+eyi+f=0 …(5)
を求めて、これから式(3)中のR1,R2を求める事もできる。
rは、式(1)および(2)の組合せ、あるいは(3)および(4)の組合せ、あるいは(5)につき最小二乗法により求める事ができる。
【0039】
三角測量を計測原理とする標識検出器4では、検出器からの奥行き方向の計測の正確さが、残りの二軸の計測の正確さに比較して劣る傾向があることが知られている。そのよう場合には楕円への当てはめがより適切な統計処理となる。また、揺動の回転半径rが信頼できるかどうかを表す量として、計測点(xi,yi,zi)の円の方程式(1)に対するばらつきに関する量を使う事ができる。その様な量の例としては、計測点(xi,yi,zi)から円の方程式(1)までの距離の分散あるいは標準偏差あるいは二乗平均平方根(root mean square)がある。楕円へ当てはめを行った場合は、楕円の式(3)(4)への距離として求める事ができる。距離としてはユークリッド距離、マンハッタン距離など既知の定義を用いることができる。なお、rを計算する解法、ばらつき量を計算する解法は、解析的な方法、近似的な方法が公知であり省略する。このように、標識検出の結果の軌跡を三次元空間内の円、あるいはそれを平面に投影した楕円として扱うことで、標識1および回転軸部材2の運動軸を標識検出器4に対して厳密に鉛直にする必要がない。これは標識検出器の使用現場において手軽に標識の検定を行う上で重要である。
【0040】
また、標識検定装置4においては、図2により後述するように、標識1を装着した回転軸部材の幾何的揺動を標識からの位置を計測することにより測定する距離計測器8が備えられている場合は、ここでのデータ処理は、標識の検出原理上の軸対称性の指標データは、標識1を装着した回転軸部材2の幾何的揺動の計測データにより補正するようにデータ処理される。
【0041】
標識検出器4に対する標識1の位置は、図1では標識検出器4の中心軸の延長上に描かれているが、標識1をその正確な延長上に配置する必要はない。また、標識1、回転軸部材2、駆動部3の周期運動軸は、標識検出器4の中心軸に対して角度を以て斜めに配置されている。後述する別の実施例で説明する図3の例のように、その2つの軸が互いに平行に近くなるように配置して検定することも可能である。しかし、その場合には、球形標識を常にその周期運動軸の方向から見ることになり、標識の側面から後ろ側(図中球体の右半分)は標識検出器4からみて死角となり、その部分の検定ができないことになる。しかし、図1に示す実施例のように、標識検出器4の中心軸に対して、標識1を回転する回転軸部材2を、斜めに配置することで死角を減らすことができる。
【0042】
また、標識1と回転軸部材2、回転軸部材2と駆動部3の軸はそれぞれ完全に一致させることが理想的であるが、実際には偏差および方向の不一致が存在し、軸を完全に一致させることは困難である。また、標識1の球体にはその理想的な幾何形状からの偏差が存在する。これらの偏差は、データ処理装置5において標識検出器4により検出された3次元位置座標のデータ処理を行うと、揺動として検出され、これを本来の検定目的である標識の検出原理上の対称性の低下により生じる揺動と区別することができない。
【0043】
そこで、次の方法あるいはその組合せにより幾何的偏差に起因する成分を推定して弁別するデータ処理をデータ処理装置5において実行することができる。
【0044】
第1の方法について説明すると、まず、公知の方法で真球度につき検定され、光学的な特性も均一であることが確認された、標準となる標識1aを用意する。標識1aは検出原理上の対称性は十分に高いと仮定することができる。この標識1aを、回転軸部材2に装着し回転して、標識検出器4により検定すると、得られる揺動の検定結果のデータは、軸の不一致などの幾何的偏差に起因するデータを含んだ指標データとして検定される。このデータの値を、被検体の揺動半径から差分することにより、幾何学的誤差を除去した被検体の標識の検出原理上の対称性を表す指標データの指標値を得ることができる。
【0045】
次に、第2の方法について説明すると、被検体の標識の機械的な揺動を別の計測手段よって直接計測し、この計測データを、データ処理装置において、被検体の揺動半径から差分することにより、幾何学的誤差を除去した被検体の標識の検出原理上の対称性を表す指標データの指標値を得ることができる。
【0046】
図2により、幾何的偏差を距離測定装置を用いて計測する場合の標識検定装置の構成を説明する。図2は、幾何的偏差を距離測定装置を用いて計測し補正する場合の標識検定装置の構成を説明する図である。図2において、1は検定対象とする標識であり、2は標識を回転する回転軸部材、3は回転軸部材を回転駆動する駆動部、4は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置、8は距離計測器である。
【0047】
ここで、距離計測器8は、標識1の幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を計測する計測器である。多くが公知であり、その説明を省略するが、距離計測器8からは幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動が計測される。この計測データは、データ処理装置5に入力されて、幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を、検定の指標データから除去するために利用される。つまり、距離計測器8によって得られる標識1の揺動の回転半径を、検査対象の標識を計測した揺動の回転半径から差分することで、被検体の検出原理上の対称性を表す指標値を得る。
【0048】
次に、検定対象の標識の形状が平面状である場合の標識検定装置の実施例の構成について説明する。図3は、平面状の形状の標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。図3において、11は検定対象とする形状が平面状である標識であり、12は標識を回転する回転軸部材、13は回転軸部材を回転駆動する駆動部、14は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置である。
【0049】
この実施例を実施例1として説明する。実施例1の標識検定装置は平面状の光学的標識を光学的に検出する構成の例である。標識11は平面状の(あるいはほぼ平面形に近い形状)標識である。そのような標識としては、円盤状の光学的反射体を用いた標識、バーコードなど所与の模様あるいはパターンを用いた標識、発光ダイオードなど自光式の標識、X線用マーカなどがある。
【0050】
回転軸部材12は駆動部13の回転運動を標識1に伝達する部品で、先端に標識1を結合する形状をなしている。回転軸部材12は金属、セラミックス、樹脂など標識11を回転させた際に剛体として無視できる程度の変形量しか示さない材質の部材で構成する。回転軸部材12の長さは、その剛体条件が保たれる程度の長さであることが望ましい。
【0051】
駆動部13は周期運動を与える機械装置であり、そのエネルギー源、制御方法を公知のものを利用する。例えば、電動モータなどが適当であるが、手動動作でも可能である。運動は一定速度である必要はない。周期運動としては、回転運動が典型的であるが、1/2周の反復運動など、回転以外の周期運動によっても、本発明に係る標識を検定する目的を達することができる。
【0052】
標識検出器14は標識11と組み合わせて用いる(磁気式又は光学式など標識の検出原理に対応して用いる)標識検出器である。例えば、標識11の位置座標を計測する位置計測装置が用いられる。このほか、標識11を追尾してその他の装置の制御に供する装置、例えば、カメラの被写体の自動追尾機能、体内に埋入したり体表に貼り付けて用いるX線マーカを追尾するX線透視装置などである。
【0053】
標識検出器14からは3次元位置座標のデータが出力される。例えば、標識検出器14の定義する座標系で測定された標識1の三次元あるいは二次元の座標位置、あるいは標識の位置に関するその他のパラメータである。
【0054】
データ処理装置5は少なくとも3次元位置座標を入力の一つとして、データ処理を実行して、標識11の検出原理上の軸対称性を表す指標のデータを出力する。データ処理装置5としては、例えば、3次元位置座標を演算処理する計算機、あるいは表示装置6と一体となったオシロスコープなどの計測器を用いることもできる。
【0055】
表示装置6としては、座標値などを文字あるいは記号にて、データ処理装置5の検出した結果を表示する表示器を用いることができる。その表示形態はデータ処理装置5が計算機の場合は、検出原理上の対称性を表す指標値のデータや、その値が事前に設定した基準値を上回るかどうかを示す文字列、これらを含むその他の文字列、記号あるいは色表示、あるいはその一部のみ、あるいはそれらを音声など他の方法で出力表示するものが利用できる。
【0056】
表示装置6の表示および3次元位置座標からデータ処理装置5の計算過程などを記録することにより、その表示あるいは記録に基づいて標識の選別をする応用装置との組合せも容易に可能である。
【0057】
また、図2により説明したような距離計測器8を組み合わせて用いることもできる。すなわち、標識11の幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を計測する手段と組み合わせることも可能である。
【0058】
平面状の標識11は、図3に示すように、その平面を標識検出器4に向けて用いる構造となるので、本発明による標識検定装置においても、そのような位置関係として配置するのが最も妥当な配置となる。
【0059】
次に、検定対象の標識の形状が円筒形である場合の標識検定装置の実施例の構成について説明する。図4は、円筒形の形状をした標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。図4において、15は検定対象とする形状が円筒形である標識であり、12は標識を回転する回転軸部材、13は回転軸部材を回転駆動する駆動部、14は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置である。
【0060】
この実施例を実施例2として説明する。実施例2の標識検定装置は、円筒状あるいはその一部をなす標識1を検定する場合の構成の例である。このような標識としては、典型例として、磁気式の位置計測装置と共に用いるコイルを用いた標識がある。これらは円筒状の保護用外被の内側にコイルを配置することが多く、コイルの軸が保護用外被の幾何的な軸と一致しない場合、それに起因する偏差は保護用外被の幾何的な偏心として検出できないので、本発明による標識検定装置により検定する必要がある。
【0061】
回転軸部材12、駆動部13、標識検出器14、データ処理装置5、および表示装置6の構成は、実施例1と同様である。表示装置6の表示および標識検出器14から出力される3次元位置座標のデータ処理を実行するデータ処理装置5の計算過程などを記録することにより、その表示あるいは記録に基づいて標識の選別をする応用装置との組合せも容易に可能である。
【0062】
また、前述したように、図2の距離計測器8を組み合わせて用いることもできる。すなわち、標識11の幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を計測する手段と組み合わせることも可能である。このような円筒状の形状をした標識は、標識検出器14に対して正対あるいはそれに近い角度で配置して用いることを意図しているので、本発明の実施例の標識検定装置においても、そのような配置にして標識の検定を行う。
【0063】
次に、検定対象の標識の形状が半球形である場合の標識検定装置の実施例の構成について説明する。図5は、半球形の形状をした標識を検定する標識検定装置の構成を説明する図である。図5において、16は検定対象とする半球形の形状の標識であり、12は標識を回転する回転軸部材、13は回転軸部材を回転駆動する駆動部、14は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置である。
【0064】
この実施例を実施例3として説明する。実施例3の標識検定装置は、球形状あるいは半球など球の一部をなす標識1を検定する場合の装置構成の例である。そのよう形状の標識としては、光学的反射体を用いた標識、バーコードなど所与の模様あるいはパターンを用いた標識、発光ダイオードなど自光式の標識、X線用マーカ、MRI(磁気共鳴画像装置)用マーカなどがある。
【0065】
回転軸部材12、駆動部13、標識検出器14、データ処理装置5、および表示装置6の構成は、実施例1と同様である。また、実施例2と同様に、表示装置6の表示および標識検出器14から出力される3次元位置座標のデータ処理を実行するデータ処理装置5の計算過程などを記録することにより、その表示あるいは記録に基づいて標識の選別をする応用装置との組合せも容易に可能である。
【0066】
また、前述したように、図2の距離計測器8を組み合わせて用いることもできる。すなわち、標識11の幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を計測する手段と組み合わせることも可能である。このような半球形の形状の標識16は、標識検出器14に対して正対あるいはそれに近い角度で配置して用いることを意図しているので、本発明の実施例の標識検定装置においても、そのような配置にして標識の検定を行うことが、最も妥当な配置となる。
【0067】
次に、検定対象の標識の形状が球形である場合の標識検定装置の別の実施例の構成について説明する。図6は、球形の形状をした標識を検定する標識検定装置の別の構成を説明する図である。図6において、21は検定対象とする形状が球形である標識であり、22は標識を回転する回転軸部材、23は回転軸部材を回転駆動する駆動部、4は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置である。
【0068】
この実施例を実施例4として説明する。実施例4の標識検定装置は、球形の標識の側面を標識検出器に認識させる場合の装置構成の一例である。回転軸部材22、駆動部23、標識検出器4、データ処理装置5、および表示装置6の構成は、図1により説明した構成と同様である。この実施例の構成は、球形の標識21の側面を検定するため、標識21、回転軸部材22、駆動部23の回転軸方向を、標識検出器4の中心軸方向とは直角の方向に配置している。
【0069】
表示装置6の表示および標識検出器4から出力される3次元位置座標のデータ処理を実行するデータ処理装置5の計算過程などを記録することにより、その表示あるいは記録に基づいて標識の選別をする応用装置との組合せも容易に可能である。
【0070】
また、前述したように、図2の距離計測器8を組み合わせて用いることもできる。すなわち、標識11の幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を計測する手段と組み合わせることも可能である。このように配置することで、標識1をもっぱらこの図の様に標識検出器4に対して配置して用いる場合の検出原理上の軸対称性を検定することができる。
【0071】
検定対象の標識を検定する精度を向上させるために、例えば、球形の形状の標識であれば、死角が無くなるように全周囲を標識検出器に対向させることが望ましい。このためには、標識の回転駆動系を二軸以上の周期運動軸から構成されるものとする。
【0072】
図7は、二軸以上の周期運動軸から構成される標識検定装置の構成の一例を説明する図である。図7において、31は検定対象とする形状が球形の標識である。32は標識を回転する第1の回転軸部材、33は回転軸部材を回転駆動する第1の駆動部、34は標識を回転する第2の回転軸部材、35は回転軸部材を回転駆動する第2の駆動部、4は標識の3次元座標の位置を検出する検出器から構成される標識検出器、5はデータ処理を実行するデータ処理装置、6はデータ処理されたデータを表示出力する表示装置である。この構成の標識検定装置では、第2の回転軸部材35は、標識31、第1の回転軸部材32、第1の駆動部33を一体として回転軸駆動する。球形31の標識に対して二軸以上の周期運動を行わせる装置構成となっている。
【0073】
標識検出器4、データ処理装置5、および表示装置6の構成は、先に説明した実施例の構成と同様である。表示装置6の表示および標識検出器4から出力される3次元位置座標のデータ処理を実行するデータ処理装置5の計算過程などを記録することにより、その表示あるいは記録に基づいて標識の選別をする応用装置との組合せも容易に可能である。
【0074】
また、図2の距離計測器8を組み合わせて用いることもできる。すなわち、標識31の幾何的真球度および回転軸上の幾何的揺動を計測する手段と組み合わせることも可能である。
【0075】
球形の標識に対しては、図1のような構成を取ることにより、標識検出器4からの死角を減らすことが可能であるが、死角をより小さくするには、図7に示す構成のように、複数の周期運動軸を組み合わせることで実現できる。
【0076】
図8は、標識検定装置により光学反射性の球形標識の検定を行った結果の実例を説明する図であり、図9は、評価した反射球を説明する図である。図8には、光学反射性の球形標識の検定を行った結果の実例を示している。図8の右上に図示したように、標準として用いた一様な標識(図中A)、劣化した標識として一部を塗料により反射しなくした標識(図中B)を検定した。これらの標識を、光学式位置計測装置にて位置計測させ、本発明による標識検定装置によって、その揺動を評価した。図中、横軸は時間軸、縦軸は標識位置の水平方向の変動を示している(単位mm)。
【0077】
図8のグラフの揺動を参照すると、標準として用いた標識の揺動値(±0.08mm)は、図2の距離計測器8を用いて計測した幾何的な揺動と一致する。一方、劣化した標識の揺動値(±0.22mm)のうち、幾何的な揺動値を差分した±0.14mmが、この標識の検出原理上の軸対称の劣化を表す指標として得られた。
【0078】
図10から図13は、標識検出器を手術ナビゲーションにおける位置計測に応用したシステム例において、手術で反復使用した光学反射性の球形標識を標識検定装置で検定した結果を説明する図である。図10はその一例であり、同一の標識を30回の手術で使用して、5回の手術ごとに検定を行った結果である。横軸が手術回数、縦軸が揺動半径であり、各計測値の縦棒は、当てはめた楕円への距離の二乗平均平方根である。繰り返し使用により揺動半径が増大する傾向を示した。使用するにつれて標識の表面には傷がつき、反射特性が非対称的に変化する。反面、球の幾何形状には変化は観察されないことから、揺動半径の増大は幾何的な軸対称性の喪失ではなく、計測原理上の軸対称性の喪失(この場合は、反射特性の変化)によるものと判断できる。
【0079】
図11から図13は、そのうち0回(新品)、20回、30回使用した後に検定した際に計測された三次元座標値のうち二軸の値の分布点(図中の「×」で表される点)と、これらの点に上述した計算方法で楕円を当てはめた計算結果(実線)である。図11は、0回(新品)使用、図12は20回使用後、図13は30回使用後の検定結果をそれぞれ示している。揺動半径rおよび誤差の二乗平均平方根rmsは、使用回数0回(図11)でr=0.096mm、rms=0.007mm、使用回数30回(図13)でr=0.229mm、rms=0.010mmであった。
【0080】
使用回数20回(図12)の計測では、rms=0.046mmとなった。rmsが通常観察されるよりも約4倍大きな値となった。検定時の異常振動などの不備がその原因として推察される。計測値の分布図が楕円でない不規則な分布を示すことからも検定作業に何らかの問題があったことがわかる。このように、rms値が大きな場合は、検定結果の信頼を疑うことができ、不確かな検定結果を排除することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明による標識検定装置は、光学式位置計測装置、光学式運動記録装置、磁気式位置計測装置、カメラなどの被写体自動追尾機能、X線撮影装置、MRI(磁気共鳴画像)装置その他の医療用画像装置と共に用いる、軸対称性を有する標識の検定に用いることができる。また、これらの装置を用いる実地で簡単に実施可能であることから、装置使用の際の精度確認のプロセスの一部に組み入れて使うことも可能であり、また装置のメンテナンス時の確認に用いることもできる。
【符号の説明】
【0082】
1 標識
2 回転軸部材
3 駆動部
4 標識検出器
5 データ処理装置
6 表示装置
8 距離計測器
11 標識
12 回転軸部材
13 駆動部
14 標識検出器
16 標識
21 標識
22 回転軸部材
23 駆動部
31 標識
32 第1の回転軸部材
33 第1の駆動部
34 第2の回転軸部材
35 第2の駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検定対象の標識を装着する装着部を有する回転軸部材と、
前記標識の検出原理上の対称軸まわりに前記標識を装着した回転軸部材を駆動する駆動部と、
前記標識を検出する標識検出器から得られる出力データのデータ処理を実行する処理部と、
前記処理部によりデータ処理されたデータを検定結果出力として出力する出力部と
からなる標識検定装置であって、
前記装着部により検定対象の標識を装着して前記駆動部によって回転軸部材に所定の周期運動を与えた場合に標識検出器から得られた標識の検出データを、前記処理部に入力し、前記処理部のデータ処理によって標識の検出原理上の軸対称性の指標データを検定データとして得る
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の標識検定装置において、
前記処理部が実行するデータ処理は、予め取得した基準体の標識の検定データとの変動を比較して、検定対象の標識の検出原理上の軸対称性の指標データを検定データとして得る
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の標識検定装置において、更に、
標識を装着した回転軸部材の幾何的揺動を標識からの位置を計測することにより測定する距離計測器を備え、
前記処理部が実行するデータ処理は、標識を装着した回転軸部材の幾何的揺動の計測データにより補正する
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の標識検定装置において、
検定する標識の形状が球形又は球形の一部をなす形状の場合に、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を斜めに位置させる
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の標識検定装置において、
検定する標識の形状が平面状の形状の場合に、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を正対に近い向きに配置させる
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の標識検定装置において、
検定する標識の形状が円筒形又は円筒形の一部をなす形状の場合に、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を斜めに位置させる
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の標識検定装置において、
検定する標識の形状が半球形又は半球形に近い形状の場合に、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を正対に近い向きに位置させる
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の標識検定装置において、
検定する標識の形状が球形又は球形の一部をなす形状の場合に、標識を検出する標識検出器に対して回転軸部材を直角に近い向きに配置させる
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の標識検定装置において、
前記駆動部は、回転軸部材を駆動する駆動部に対して平行でない別の駆動部を更に有する
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項10】
請求項2乃至請求項9のいずれか記載の標識検定装置において、
前記処理部は、前記軸対称性指標データとして、標識検出器から得られる出力データ中の標識の位置座標値の分布の示す円の半径又は楕円の長軸長を求める
ことを特徴とする標識検定装置。
【請求項11】
請求項10に記載の標識検定装置において、
前記処理部は、前記軸対称性指標データとして、標識検出器から得られる出力データ中の標識の位置座標値の分布の、円又は楕円からのばらつき量を計算する
ことを特徴とする標識検定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−125687(P2011−125687A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240323(P2010−240323)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】