説明

横型製袋包装機における上押さえコンベア装置

【課題】センターシールユニットの上方が完全に開放され、センターシールユニットの清掃やメンテナンスを容易に行うことができる製品上押さえコンベアを提供する。
【解決手段】上押さえコンベア6は、センタープレート9との間に製品を挟んで且つ押圧しながら補助送りをする作動位置から、ハンドル8を操作して、回動軸3の回りにシャフトホルダ4や支持シャフト5と共に上方に撥ね上げられて後、シャフトホルダ4に対して支持シャフト5の長手方向にスライドされて補助送りと交差する方向に後退した退避位置へと移動される。この退避位置では、上押さえコンベア6は、センタープレート9の上方スペースを大きく開放することができる。したがって、センターシールユニットの清掃やメンテナンス等も容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横型製袋包装機において、センターシールユニットの清掃やメンテナンスを容易に行うことを可能にする製品上押さえコンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横型製袋充填包装機は、製袋器によって帯状から略筒状に曲成されて水平に移送されるフィルムの中に、供給コンベアにより製品を所定間隔毎に順次受け渡し供給すると共に、当該製品が供給された筒状曲成フィルムにおける周方向両端縁部が重なった重合面にセンターシールを施して帯状フィルムを筒状に成形し、更に筒状フィルムの長手(送り)方向で所定間隔の位置であって且つ順次供給された製品間の位置でエンドシールを施して、ピロー包装体を製造する包装機である。
【0003】
横型製袋充填包装機の一例が、特許文献1に開示されている。この横型製袋充填機は、図9において横型製袋充填機40として示されているように、帯状フィルムFwを巻き取ったフィルム原反ロールFrから繰出しローラ46, 46によって帯状フィルムFwを引き出し、引き出した帯状フィルムFwを幾つかのガイドローラを経て製袋器48に供給し、製袋器48において略筒状に曲成する。製袋器48の上流側には供給コンベア56が配設されており、供給コンベア56は、無端チェン50に所定間隔で取付けた多数の押送体52により、物品Aを一定間隔毎に製袋器48で略筒状に曲成された帯状フィルムFw内に受渡すように供給する。
【0004】
製袋器48のフィルム送り方向下流側には、物品移送路の下方において、縦シール(センターシール)機構62が配設されている。縦シール機構62は、曲成された帯状フィルムFwの周方向の両端縁部が重なった重合端縁部を挟持してフィルムを下流側へ向けて移送する一対の紙送りローラ58, 58(一方のみ図示)と、該紙送りローラ58, 58の下流側に位置し重合端縁部に縦シールを形成するシールローラ60, 60とから構成されている。物品Aが供給されたフィルムの長手方向に延びる重合端縁部に縦シール機構62のシールローラ60, 60によって縦シールが施されて、フィルムは筒状フィルムFtに成形される。
【0005】
製袋器48のフィルム送り方向下流側には筒状フィルムFtに供給された物品Aをフィルムを介して支持するセンタープレート(搬送ベッド)89が水平に配設されている。センタープレート89は後述する横シール(エンドシール)機構64の配設位置まで延びている。センタープレート89には物品移送方向に沿ってスリット(図10参照)が形成されており、スリットから下方に延出するフィルムの長手方向の重合端縁部が、縦シール機構62の送りローラ58, 58及びシールローラ60, 60で挟持される。即ち、物品Aは、フィルムを介してセンタープレート89に載置された状態で、物品Aが載置されるフィルムの移送に伴って下流側に向けて移送される。
【0006】
センタープレート89のフィルム送り方向下流には、筒状フィルムFtに横シール・切断を施す横シール機構64が配設されている。横シール機構64は、サーボモータ等の駆動機構(図示せず)により不等速回転する上下一対のシール体68, 68を、筒状フィルムFtを上下に挟む態様で配設して成る。シール体68, 68が同期的に1回転する間に筒状フィルムFtが1包装体に相当する長さのピッチで移送されることで、筒状フィルムFtに対して、順次送り込まれた物品A間の位置で横シール及び切断が施されるようになっている。
【0007】
供給コンベア56における物品Aのフィルムへの受渡し位置よりフィルム送り方向上流側に設けられた、例えば投受光素子からなる欠品検知センサ70が、通過する物品Aをその都度検知する。欠品検知センサ70からの欠品検知信号の入力を受けた制御装置72は、繰出しローラ46, 46や、縦シール機構62,横シール機構64及び後述する上押えコンベア86の作動を一時停止させて、空袋防止制御運転を行っている。
【0008】
センタープレート89の上方には、補助送り手段としての上押さえコンベア86が配設されている。上押さえコンベア86は、縦シール機構62の上方位置から横シール機構64の上流側近傍まで曲成された帯状フィルムFw及び筒状フィルムFtの走行方向に沿って延びる態様で配設されており、スポンジ状又はブラシ状の複数の弾性的な押圧部材87を循環方向に並ぶ状態に備えた無端コンベアである。上押さえコンベア86の駆動側及び従動側のプーリの軸は水平に延びており、コンベアは、下側の走行路がフィルム送り方向と順方向に走行し、上側の走行路がフィルム送り方向と逆方向に走行することで、循環駆動される。上押さえコンベア86は、下側の走行路において、押圧部材87によって、フィルムを介して物品Aを上方から下方のセンタープレート89との間で押圧した保持状態とし、その状態で物品24を筒状フィルムFtと共に、横シール機構34の回転するシール体38, 38と接触干渉しない直前位置までフィルム送り方向下流側に向けて移送する。これにより、上押さえコンベア86は、縦シール機構62の送りローラ58, 58による主たる送りに合わせて、筒状フィルムFtに弛みが発生することがなく、物品Aが筒状フィルムFtの中で位置ズレを生じることなく、且つ筒状フィルムFt内の物品Aを安定して下流側に向けて送るという、補助送り機能を奏する。なお、上押さえコンベア44の搬送速度は、繰出しローラ16, 16によるフィルム引出し設定速度に同期する速度又はその同期速度より僅かに高速となる速度に回転制御される。
【0009】
更に、包装する製品が変更された場合、包装フィルムを掛け直す必要があるが、製品の高さが低い場合には上押さえコンベア装置にフィルムを通すためのスペースが無く、その作業が煩雑になる。また、縦シール機構(センターシールユニット)の清掃等のメンテナンス作業を行う場合にも、センターシールユニットの上方に位置する上押さえコンベアがセンターシールユニットへのアクセスに対して邪魔になっており、作業が煩雑となる。
【0010】
これに対する対策として、上押さえコンベアを上方に旋回させ、上方に回動した位置・姿勢で上押さえコンベアを固定可能にすることにより、作業スペースを確保するものが提案されている。この構造の例が図10に示されている。即ち、図10(a)の側面概略図に示すように、機械の固定フレーム82に対して回動軸83と共に回動可能に取り付けられている上押さえコンベア装置81は、回動軸83と共に揺動可能なシャフトホルダ84と、シャフトホルダ84に取り付けられた支持シャフト85と、支持シャフト85に支持された上押さえコンベア86と、上押さえコンベア86に取り付けられたハンドル88とを備えている。ハンドル88を握って上押さえコンベア装置81を回動軸83の回りに回動させると(図10(b))、上押さえコンベア装置81は、固定フレーム82に設けられているストッパピン89が回動軸83の凹部83aに係合して、その回動した持ち上げ位置・姿勢で固定される。そのため、メンテナンス等のため、センタープレート(搬送ベッドに相当)89の上方スペースを開けることができる。
【0011】
また、上押さえコンベアに関して、包装する製品の高さに合わせてコンベアの高さを調整する高さ調整機構を備えたものが、特許文献2に開示されている。即ち、この機構によれば、製品抑えベルト装置を連携する機枠の上方に設けたハンドルを正逆回転することで、当該ハンドルに連結したスクリューネジが回転し、当該スクリューネジに連結した筒状の雌ネジを上下移動させ、当該雌ネジに製品抑えベルト装置を連結することで、製品抑えベルト装置も昇降可能としている。
【0012】
更に、特許文献3に示されるような高さ調整機構とは別に上方に移動可能な機構を設ける解決策が提案されている。即ち、上押えベルトを上下移動させるための昇降装置と、上押えベルトを回転駆動させるための駆動装置とを備え、昇降装置は、上下方向に延びるネジ軸の正逆回転に伴い昇降移動する移動台に下方に向けて延びるように取り付けられた支持ロッドに昇降移動可能に作動ブロックを設け、作動ブロックにベルト支持ブラケットを連携させる。係止ピンを移動台の第2位置決め用孔部に挿入することで作動ブロックが移動台に対して固定され、ピンを抜くと、コイルスプリングの弾性復元力により作動ブロックが移動台に対して相対的に上昇移動し、ブラケットに接続した抑えベルトも上昇するように構成されている。
【0013】
しかしながら、上押さえコンベアが上方に旋回・固定されてもオペレータの手が入る最低限の作業スペースが確保されるだけである。上押さえコンベアは、作業スペースの上方に位置したままであり、依然として、センターシールユニットの清掃やメンテナンス等の作業において作業員がアクセスするときの邪魔となっている。このように、上押さえコンベアを上方に旋回させても、十分な作業スペースを得るための解決策となっておらず、したがって、この点でなお一層に改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3546352号公報
【特許文献2】特開2007−062823号公報
【特許文献3】特開2009−096484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで、回動させて持ち上げられた上押さえコンベアを更に移動可能にすることでセンタープレートの上方のスペースを更に開放する点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、センターシールユニットの上方が完全に開放され、センターシールユニットの清掃やメンテナンスを一層容易に行うことを可能にする製品上押さえコンベアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、この発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置は、無端体と当該無端体に取り付けられている押圧部材とを有し、横方向に紙送りされるフィルムに載置されている製品を前記フィルムを介して上方から下方に押圧した保持状態で、前記製品を前記フィルム共々下流側に向けて補助送りをする上押さえコンベアを備えており、前記上押さえコンベアは、回動及びスライド複合機構により、前記製品を押圧しながら前記補助送りをする作動位置と、前記フィルムに載置されている前記製品に対して上方に撥ね上げられ且つ前記補助送りと交差する方向に後退した退避位置との間で、位置姿勢変更可能であることを特徴としている。
【0017】
この横型製袋包装機における上押さえコンベア装置によれば、センターシールユニットの清掃やメンテナンス等のために上押さえコンベアをフィルムの送り経路から外す必要があるときには、上押さえコンベアを、製品を押圧しながら補助送りをする作動位置から、フィルムに載置されている製品に対して上方に撥ね上げられ且つ補助送りと交差する方向に後退した退避位置へと退避される。この退避位置では、上押さえコンベアは、上方に撥ね上げられてしかも補助送りと交差する方向に後退しているので、作動位置に居る場合と比較して位置及び姿勢が変更されており、フィルムの送り経路とその上方のスペースを大きく開放することができる。したがって、センターシールユニットの清掃やメンテナンス等も容易に行うことができる。
【0018】
この横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記横型製袋包装機は、引き出された帯状フィルムを略筒状に曲成する製袋器、前記製袋器から水平に移送されるフィルムの中へ製品を順次受け渡し供給する供給コンベア、当該製品が供給されたフィルムの周方向端縁部の重合面にセンターシールを施して前記曲成された帯状フィルムを筒状フィルムに成形するセンターシーラ、前記筒状フィルムに前記製品間の位置でエンドシールを施すエンドシーラ、及び前記製袋器から前記エンドシーラまで延びており且つ前記製品を前記フィルムを介して支持するセンタープレートを備えることができる。横型製袋包装機においては、製袋器によって略筒状に曲成されたフィルムの中へ、供給コンベアによって供給されてくる製品が順次受け渡し供給され、センターシーラがフィルムの周方向端縁部の重合面にセンターシールを施して、曲成された帯状フィルムが筒状フィルムに成形される。エンドシーラが筒状フィルムに対して製品間の位置でエンドシールを施すことで、製品のピロー包装が行われる。
【0019】
上記の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記上押さえコンベアは、前記センタープレートの上方に配置されていて無端体が循環回転するコンベアに構成されており、且つ前記無端体の循環回転に伴い前記フィルムを介して前記製品を上方から前記センタープレートに向けて下方に押圧した保持状態で前記製品を前記フィルム共々下流側に向けて補助送りをする。上押さえコンベアによって、筒状フィルムに弛みを発生させることがなく、物品が筒状フィルムの中で位置ズレを生じることなく、筒状フィルム内の物品を安定して下流側に向けて送るという、補助送り機能を奏する。
【0020】
上記の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記回動及びスライド複合機構は、前記上押さえコンベアを前記補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持する支持シャフト、及び前記支持シャフトを前記片持ちの方向にスライド可能に支持するとともに固定フレームに対して前記補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線の回りに回動可能に保持されているシャフトホルダを備えることができる。こうした構造に基づいて、前記上押さえコンベアは、前記シャフトホルダが前記上押さえコンベアを振り降ろす俯角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に伸長した状態で前記作動位置を占め、前記シャフトホルダが前記上押さえコンベアを撥ね上げる仰角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に引き戻された状態で前記退避位置を占めることができる。
【0021】
また、上記の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記回動及びスライド複合機構は、前記上押さえコンベアを前記補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持する支持シャフト、及び前記支持シャフトを前記片持ちの方向にスライド可能に支持するとともに固定フレームに対して前記補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線を回転中心とする回動軸を備えることができる。こうした構造に基づいて、前記上押さえコンベアは、前記回動軸が前記上押さえコンベアを振り降ろす俯角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に伸長した状態で前記作動位置を占め、前記回動軸が前記上押さえコンベアを撥ね上げる仰角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に引き戻された状態で前記退避位置を占めることができる。
【0022】
更に上記の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記回動及びスライド複合機構は、前記上押さえコンベアを前記補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持するとともに固定フレームに対して前記片持ちの方向にスライド可能に支持される支持シャフト、及び前記支持シャフトの前記上押さえコンベア寄りの位置に配置されており前記補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線の回りに前記支持シャフトを屈折させる回動軸を備えることができる。こうした構造に基づいて、前記上押さえコンベアは、前記回動軸が前記上押さえコンベアを振り降ろす俯角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に伸長した状態で前記作動位置を占め、前記回動軸が前記上押さえコンベアを撥ね上げる仰角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に引き戻された状態で前記退避位置を占めることができる。
【0023】
シャフトホルダ及び回動軸を備える上記の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記支持シャフトの前記上押さえコンベアを支持する側とは反対側の端部には前記補助送り方向と平行に延びるバーストッパが設けられており、前記上押さえコンベアが前記作動位置を占めるときには、前記バーストッパは、前記シャフトホルダに当接して前記支持シャフトが前記シャフトホルダから抜け出るのを阻止するとともに、前記固定フレームに設けられている規制部材に当接して前記シャフトホルダが前記俯角方向に回動するのを規制し、前記上押さえコンベアが前記シャフトホルダとともに前記仰角方向に回動されるときには、前記バーストッパが前記規制部材から外れるとともに、前記支持シャフトが反伸長方向にスライド可能となり、前記支持シャフトが前記シャフトホルダに対してスライドして前記退避位置へと退避することができる。上押さえコンベアが作動位置を占めるときには、バーストッパがシャフトホルダと固定フレームの規制部材とに当接しているので、支持シャフトがシャフトホルダに対して抜け出す方向にスライドするのが阻止されるとともに俯角方向に回動するのが阻止され、上押さえコンベアによる補助送りが実行される。また、上押さえコンベアが退避位置を占めるときには支持シャフトも回動し、バーストッパが固定フレームに設けられた規制部材から外れるので、上押さえコンベアは、支持シャフトがシャフトホルダに対して補助送りと交差する後退方向にスライドし、退避位置へと移動することができる。上押さえコンベアが退避位置を占めるとき、センタープレートの上方のスペースを大きく開放することができる。
【0024】
また、この横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記固定フレームには、前記退避位置へと退避する前記支持シャフトを案内・支持する案内ローラを回動自在に設けることができる。案内ローラは支持シャフトをその上側から当接して案内するので、傾斜しながらスライド中の支持シャフト及び上押さえコンベアは、傾斜に起因した回転モーメントによって回動軸の回りに不本意な回動をすることなく、スムーズに案内し且つ支持することができる。
【0025】
シャフトホルダ又は回動軸を備える上記の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記支持シャフトの前記上押さえコンベアを支持する側とは反対側の端部には前記固定フレームに当接するストッパが設けられており、前記上押さえコンベアが前記作動位置を占めるときには前記ストッパが前記固定フレームに当接して前記支持シャフトが前記作動位置から反伸長方向にスライドするのを阻止し、前記上押さえコンベアが前記退避位置を占めるときには前記ストッパが前記固定ブラケットから外れて前記支持シャフトは前記シャフトホルダに対してスライドして前記補助送りと交差する方向に後退した退避位置へと退避することができる。上押さえコンベアが作動位置を占めるときにはストッパが固定フレームに当接しているので、支持シャフトがシャフトホルダに対してスライドするのが阻止され、上押さえコンベアによる補助送りが実行される。また、上押さえコンベアが撥ね上げ位置を占めるときには支持シャフトも回動し、ストッパが固定フレームから外れるので、支持シャフトはスライドを阻止するストッパによって規制されることなく、シャフトホルダに対してスライドする。したがって、上押さえコンベアは、補助送りと交差する方向に後退した退避位置へと退避することができ、センタープレートの上方の空間を大きく開放することができる。
【0026】
上記のストッパを備える横型製袋包装機における上押さえコンベア装置において、前記支持シャフトと前記固定フレームとの間には、前記上押さえコンベアが前記作動位置を占めるとき、前記ストッパが前記固定フレームから外れる方向に前記支持シャフトが移動するのを制限する移動制限手段を設けることができる。移動制限手段により、上押さえコンベアが作動位置を占めるとき、上押さえコンベアが支持シャフトの長手方向に沿って抜け出る方向に移動することを防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
この発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置は、上記のように構成されているので、上押さえコンベアをその作動位置から上方へ撥ね上げるとともに片持ちシャフトの方向の後退した退避位置へと姿勢・位置を変更することができるので、センタープレートの上方のスペースが大きく開き、作業員はセンタープレートを目視可能となり、センターシールユニットの清掃やメンテナンスを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の一実施例をその作動状態と退避状態とで示す図である。
【図2】図1に示す上押さえコンベア装置の上面図である。
【図3】図1に示す上押さえコンベア装置が作動位置を占めるときの斜視図である。
【図4】図3に示す上押さえコンベア装置が退避位置を占めるときの斜視図である。
【図5】本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の別の実施例をその作動状態と退避状態とで示す図である。
【図6】本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の別の実施例をその作動状態と退避状態とで示す図である。
【図7】本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の更に別の実施例をその作動状態と退避状態とで示す図である。
【図8】本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置と従来のコンベア装置における作業改善の比較を示す図である。
【図9】横型製袋包装機の一例を示す側面図である。
【図10】従来の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の一例において、その作動状態と退避状態とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面に基づいて、本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の実施例を説明する。図1は本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の一実施例を示す正面概略図である。図2には、図1に示す上押さえコンベア装置1Aの上面図が示されており、図3及び図4には、それぞれ図1に示す上押さえコンベア装置1Aが作動位置又は退避位置占めている様子が斜視図として示されている。
【0030】
図1に示す横型製袋包装機における上押さえコンベア装置1Aにおいて、横型製袋包装機については図9に示された包装機と同様であり、固定フレームと上押さえコンベアの基本的な構造自体は図9及び図10に示す構造と同様である。即ち、上押さえコンベア6は複数の押圧部材7を備えており、図9に示すような押圧部材87を備えた上押さえコンベア86と同等の構造である。上押さえコンベア6は、センタープレート(搬送ベッドに相当)9の上方に配置されていて無端体が循環回転するコンベアに構成されており、横方向(図1の紙面に垂直方向)に紙送りされる筒状フィルムFt内に載置されている製品Aを、フィルムを介して上方から下方にセンタープレート9の上面に押圧した保持状態で、製品Aを筒状フィルムFt共々、下流側に向けて補助送りをする。
【0031】
上押さえコンベア装置1Aにおいては、上押さえコンベア6は、固定フレーム2に対して、回動及びスライド複合機構1aにより、製品を押圧しながら補助送りをする作動位置(図1(a)に示す位置)と、筒状フィルムFtに載置されている製品Aに対して上方に撥ね上げられ且つ補助送りと交差する方向に後退した退避位置(図1(b)に示す位置)との間で、位置姿勢変更可能である。
【0032】
図1〜図4に示すように、包装機の固定フレーム2は、上押さえコンベア6の補助送り方向に間隔を置いて配置された一対の互いに平行なフレーム側板14,14と、一方のフレーム側板14に関連して外付け式に設けられた駆動機構ボックス15とを備えている。駆動機構ボックス15には、上押さえコンベア6を駆動するためのサーボモータ、或いはその出力を受けて速度調整をする機構が収容されている。駆動機構ボックス15から出る駆動軸には駆動側の歯車19aが取り付けてあり、歯車19aに係脱自在な従動側の歯車19bが、上押さえコンベア6の駆動軸19に取り付けられている。
【0033】
回動及びスライド複合機構1aは、固定フレーム2のフレーム側板14,14間に補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線を持つように掛け渡されて設けられた回動軸3と、当該回動軸3の回りに回動可能に保持されているシャフトホルダ4と、当該シャフトホルダ4によってスライド可能に支持されており且つ上押さえコンベア6を補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持する支持シャフト5,5とを備えている。即ち、回動軸3は、その両端においてフレーム側板14,14に対して回動可能に支持されている。シャフトホルダ4は、図2〜図4に示すように鞄状に設けられており、シャフトホルダ4には、当該補助送り方向に間隔を置いて、2本の支持シャフト5,5が当該補助送り方向に交差する方向に延びる態様で設けられている。また、シャフトホルダ4には、支持シャフト5,5をスライド可能に支持するための軸受け16,16が設けられている。
【0034】
支持シャフト5,5の上押さえコンベア6を片持ち支持する側とは反対の基端部には、支持シャフト5,5間に掛け渡す態様で上記補助送り方向と平行な方向にバー状に延びるバーストッパ10が設けられている。また、フレーム側板14,14間には、回動軸3の近傍に且つ回動軸3と平行に規制部材17が掛け渡す態様で取り付けられている。上押さえコンベア6には、ハンドル8が取り付けられている。ハンドル8を握って上押さえコンベアユニット(シャフトホルダ4、支持シャフト5,5及び上押さえコンベア6から成るユニット)を回動軸3の回りに俯角方向に振り降ろす、或いは仰角方向に撥ね上げることができる。
【0035】
図1(a)、図2及び図3に示す作動位置では、バーストッパ10がシャフトホルダ4に備わる軸受け16,16に当接するので、支持シャフト5,5は、シャフトホルダ4に対してそれ以上にスライドすることができず、シャフトホルダ4から抜け出るのが阻止される。また、作動位置では、支持シャフト5,5は、バーストッパ10が後述する案内ローラ18,18に当接するので、後退方向にもスライドできない。更に、作動位置では、軸受け16,16が規制部材17に対して正面に当接し、バーストッパ10が固定フレーム2に備わる規制部材17に対して下方から当接するので、シャフトホルダ4は俯角方向に回動することができず、上押さえコンベアユニットはそれ以上に俯角方向に回動するのが阻止される。したがって、支持シャフト5,5及び上押さえコンベア6は、バーストッパ10及び軸受け16,16が互いに且つ規制部材17や案内ローラ18,18に当接することによって、いずれの側にも動くことはなく、またそれ以上に俯角方向に回動することもない。上押さえコンベアユニットは、上押さえコンベア6が支持シャフト5,5によって片持ち方向に横方向に伸長した状態となり、作動位置を占める。駆動側の歯車19aは従動側の歯車19bに噛み合っており、駆動機構ボックス15から出力される駆動力が上押さえコンベア6の駆動軸19に入力され、上押さえコンベア6を駆動可能である。
【0036】
ハンドル8を握って上押さえコンベアユニットを回動軸3の回りに仰角方向に撥ね上げるように回動させると、シャフトホルダ4は支持シャフト5,5とともに回動軸3の回りに回動し、バーストッパ10及び軸受け16,16が規制部材17や案内ローラ18,18との当接状態から外れる方向に移動し、支持シャフト5,5は軸受け16,16によってスライド可能となる。支持シャフト5が十分傾くと、支持シャフト5,5 と上押さえコンベア6とはそれらに作用する重力によって下がり勝手となり或いは手動によって押し下げることによって、上押さえコンベア6は、補助送りと交差する方向に後退した退避位置へと移動し、図1(b)及び図4に示すように、当該退避位置を占めることができる。このとき、駆動側の歯車19aは従動側の歯車19bから外れるので、上押さえコンベア6の駆動軸19には駆動力は入力されない。
【0037】
退避位置への移動中、上押さえコンベアユニットには回動軸3の回りに俯角方向の回転モーメントが生じる。固定フレーム2にはフレーム側板14,14に対して案内ローラ18,18が回転自在に設けられており、案内ローラ18,18が、退避位置へと移動する支持シャフト5,5の上側に当接するので、上押さえコンベアユニットを当該回転モーメントに対抗して支えることができ、上押さえコンベアユニットの退避位置への移動を容易に行うことができる。退避位置では、支持シャフト5,5及び上押さえコンベア6は適宜の停止手段(ストッパ)によって、それ以上のスライドが停止され、また、重量の殆どを占める上押さえコンベア6はシャフトホルダ4に接近した位置を占めているので、回動軸3の回りに水平方向に戻ろうとするモーメントが小さく、上押さえコンベア6は撥ね上げられた傾斜姿勢を保つ。上押さえコンベア6の退避位置でのこうした傾斜姿勢により、センタープレート(搬送ベッドに相当)9の上方スペースを大きく開けることができ、メンテナンス等のための作業性が向上する。なお、案内ローラ18,18は、作動位置にある上押さえコンベアユニットの支持シャフト5,5やバーストッパ10とは干渉しない位置に配置されている。
【0038】
図5に示す横型製袋包装機における上押さえコンベア装置1Bにおいて、横型製袋包装機については図9に示された包装機と同様であり、固定フレームと上押さえコンベアの基本的な構造自体は図9及び図10に示す構造と同様である。即ち、図5(a)の側面概略図に示すように、機械の固定フレーム2は、水平アーム2aと垂直アーム2bとを備えており、水平アーム2aの先端部には回動軸3が設けられている。上押さえコンベア6は複数の押圧部材7を備えており、図9に示すような押圧部材87を備えた上押さえコンベア86と同等の構造であるので、再度の詳細な説明を省略する。
【0039】
上押さえコンベア装置1Bにおいては、上押さえコンベア6は、固定フレーム2に対して、回動及びスライド複合機構1bにより、製品を押圧しながら補助送りをする作動位置(図1(a)に示す位置)と、筒状フィルムFtに載置されている製品Aに対して上方に撥ね上げられ且つ補助送りと交差する方向に後退した退避位置(図1(b)に示す位置)との間で、位置姿勢変更可能である。
【0040】
回動及びスライド複合機構1bは、固定フレーム2に対して補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線を持つ上記した回動軸3と、当該回動軸3の回りに回動可能に保持されているシャフトホルダ4と、当該シャフトホルダ4によってスライド可能に支持されており且つ上押さえコンベア6を補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持する支持シャフト5,5とを備えている。図示しないが、水平アーム2aは、先の実施例の場合と同様、紙面垂直方向に上押さえコンベアの長さ方向に距離を置いた2箇所において設けられており、回動軸3はその両端が水平アーム2a,2aに対して回動可能に支持されている。シャフトホルダ4には、2本の支持シャフト5,5が設けられていて、上押えコンベア6を2カ所で支持している。上押さえコンベア6には、ハンドル8が取り付けられている。ハンドル8を握って上押さえコンベアユニット(シャフトホルダ4、支持シャフト5及び上押さえコンベア6から成るユニット)を回動軸3の回りに俯角方向に回動させると、支持シャフト5が片持ち方向に横方向に伸長した状態となり、上押さえコンベア6は図5(a)に示す作動位置を占める。
【0041】
支持シャフト5,5の上押さえコンベア6を片持ち支持する側とは反対の基端部にはバーストッパ10が設けられており、支持シャフト5の所定位置には移動制限手段としてのカラー11が位置不動に取り付けられている。図5(a)に示す作動位置では、バーストッパ10が固定フレーム2の垂直アーム2bに備わる縦面12に当接し、カラー11がシャフトホルダ4の、縦面12に対向する縦面13に当接している。したがって、支持シャフト5は、バーストッパ10が固定フレーム2に、またカラー11がシャフトホルダ4に当接する作用によって、いずれの側にも動くことはない。
【0042】
ハンドル8を握って上押さえコンベアユニットを回動軸3の回りに仰角方向に撥ね上げる方向に回動させると、シャフトホルダ4は支持シャフト5,5とともに回動軸3の回りに回動する。このとき、バーストッパ10は、固定フレーム2の垂直アーム2bに備わる縦面12から離れる方向に移動する。また、カラー11はシャフトホルダ4の縦面13に当接したまま回動する。支持シャフト5,5はシャフトホルダ4に対してスライド可能に貫通しているので、支持シャフト5,5が十分傾くと、支持シャフト5,5と上押さえコンベア6とは、それらに作用する重力によって或いは手動によって押し下げることによって、シャフトホルダ4に対してスライドして下がり、上押さえコンベア6は、図5(b)に示すように、撥ね上げられ且つ固定フレーム2に近接した退避位置を占める。この際、カラー11は、シャフトホルダ4の縦面13から離れる方向に支持シャフト5と共に移動するので、支持シャフト5,5と上押さえコンベア6とのスライド動作を妨げない。退避位置では、重量の殆どを占める上押さえコンベア6はシャフトホルダ4に接近した位置を占めているので、回動軸3の回りに水平方向に戻ろうとするモーメントが小さく、上押さえコンベア6は撥ね上げられた傾斜姿勢を保つ。上押さえコンベアユニットをこの傾斜姿勢に保つため、固定フレーム2との間で別の係合手段を設けてもよい。当該退避位置でのこの姿勢のため、メンテナンス等において、センタープレート(搬送ベッドに相当)9の上方スペースを大きく開けることができる。
【0043】
バーストッパ10は、固定フレーム2に対する当接をより確実にするため、磁石で吸着可能であるか、又はフックやラッチによって係合可能に構成することができる。こうした構造により、上押さえコンベア6が作動位置を占めるときには、支持シャフト5は固定フレーム2に対して当接状態が保持され、上押さえコンベア6の意図しない動き(不本意なスライド動作や回動動作)を阻止することができる。
【0044】
図6は、本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の別の実施例を示す図である。本実施例の上押さえコンベア装置1Cにおいては、基本的な構造は図5に示す装置1Bと同等であり、同じ構成要素には同じ符号を付すことで再度の説明を省略する。本実施例ではシャフトホルダ4は設けられておらず、回動及びスライド複合機構1cは、固定フレーム2の水平アーム2aの軸支持部2cに回動軸23が回動可能に設けられており、回動軸23に形成した貫通孔24に支持シャフト5を貫通して配置することで構成されている。固定フレーム2の垂直アーム2bと軸支持部2cとの間の位置において、支持シャフト5にはカラー26が取り付けられており、カラー26と軸支持部2cの縦面25との間にコイルばね27が配設されている。
【0045】
図6(a)に示す上押さえコンベア6の作動位置は図5(a)と同様の位置にある。コイルばね27は圧縮状態にあり、カラー26が支持シャフト5を図示左方向に付勢し、バーストッパ10を縦面12に当接させている。カラー26及びコイルばね27は、支持シャフト5や上押さえコンベア6が固定フレーム2から離れる方向の移動を制限する移動制限手段を構成している。図6(a)からハンドル8を撥ね上げ操作すると、上押さえコンベア6は、図5(b)に示す場合と同様に図6(b)に示す退避位置に移行する。その他の動作や作用については、図5に示す実施例の場合と同様であるので、再度の説明を省略する。
【0046】
図7は、本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置の更に別の実施例を示す図である。本実施例の上押さえコンベア装置1Dにおいては、基本的な構造は図5に示す装置1Bと同等であり、同じ構成要素には同じ符号を付すことで再度の説明を省略する。本実施例では固定フレーム2に回動軸3やシャフトホルダ4は設けられておらず、固定フレーム2は、支持シャフト5,5を回動支持するものではなく、摺動自在に支持するのみである。各支持シャフト5は、固定フレーム2側のシャフト部分5aと上押さえコンベア6側のシャフト部分5bに分割されている。本実施例においては、回動及びスライド複合機構1dは、シャフト部分5aが固定フレーム2の軸支持部2cに摺動自在に支持されており、両部分5a,5bを回動連結する回動軸33を備えている。したがって、シャフト部分5bは、シャフト部分5aに対して、上押さえコンベア6とともに回動自在であり、上押さえコンベア6は、図7(a)に示す作動位置と図7(b)に示す退避位置との間で、位置と姿勢が変更可能である。
【0047】
回動軸33に関連してシャフト部分5aにはストッパ34が設けられており、ストッパ34は、シャフト部分5bが図7(a)に示す作動位置での姿勢以上に下がるのを阻止している。また、シャフト部分5aにはカラー35が設けられており、図7(a)に示す上押さえコンベア6の作動位置では、固定フレーム2の軸支持部2cの縦面25に当接している。カラー35は、支持シャフト5,5と上押さえコンベア6が固定フレーム2から離れる方向に移動するのを制限する移動制限手段を構成している。支持シャフト5,5を矢印の方向に移動させ、シャフト部分5bと上押さえコンベア6とを回動軸33の回りに回動させて撥ね上げて、適宜の手段にてその姿勢で保持することにより、上押さえコンベア6は図7(b)に示すように退避位置を取らせることができる。なお退避位置としては、図示のように45度の回転位置ではなく、更に回動させて90度近くまで撥ね上げてもよい。
【0048】
図8は、本発明による横型製袋包装機における上押さえコンベア装置と従来のコンベア装置における作業改善の比較を示す図である。図8(a)は単に上に持ち上げるだけの従来の上押さえコンベア装置を説明しており、図8(b)は単に上方に回動させるだけの従来の上押さえコンベア装置を説明している。どちらも、センタープレート8の上方にある程度の作業空間を確保させることができるが、上押さえコンベア装置自体によって視界が遮られ、作業位置の目視が難しい。これに対して、本発明によれば、上押さえコンベア装置を上方に撥ね上げた後に後退(実施例3ではその逆であって、後退後に撥ね上げも可)させているので、センタープレート8の上方に十分な作業空間が確保されるとともに作業位置の目視も確保することができることが理解される。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B,1C,1D 上押さえコンベア装置
1a,1b,1c,1d 回動及びスライド複合機構
2 固定フレーム 2a 水平アーム
2b 垂直アーム 2c 軸支持部
3 回動軸 4 シャフトホルダ
5 支持シャフト 5a,5b シャフト部分
6 上押さえコンベア 7 押圧部材
8 ハンドル 9 センタープレート
10 ストッパ 10 カラー
12 縦面 13 縦面
14,14 フレーム側板 15 駆動機構ボックス
16,16 軸受け 17 規制部材
18,18 案内ローラ 19 駆動軸
19a,19b 歯車
23 回動軸 24 貫通孔
25 縦面 26 カラー
27 コイルばね
33 回動軸 34 ストッパ
35 カラー
Ft 筒状フィルム A 製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端体と当該無端体に取り付けられている押圧部材とを有し、横方向に紙送りされるフィルムに載置されている製品を前記フィルムを介して上方から下方に押圧した保持状態で、前記製品を前記フィルム共々下流側に向けて補助送りをする上押さえコンベアを備えており、前記上押さえコンベアは、回動及びスライド複合機構により、前記製品を押圧しながら前記補助送りをする作動位置と、前記フィルムに載置されている前記製品に対して上方に撥ね上げられ且つ前記補助送りと交差する方向に後退した退避位置との間で、位置姿勢変更可能であることを特徴とする横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項2】
前記横型製袋包装機は、引き出された帯状フィルムを略筒状に曲成する製袋器、前記製袋器から水平に移送されるフィルムの中へ製品を順次受け渡し供給する供給コンベヤ、当該製品が供給されたフィルムの周方向端縁部の重合面にセンターシールを施して前記曲成された帯状フィルムを筒状フィルムに成形するセンターシーラ、前記筒状フィルムに前記製品間の位置でエンドシールを施すエンドシーラ、及び前記製袋器から前記エンドシーラまで延びており且つ前記製品を前記フィルムを介して支持するセンタープレートを備えていることを特徴とする請求項1に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項3】
前記上押さえコンベアは、前記センタープレートの上方に配置されていて無端体が循環回転するコンベアに構成されており、且つ前記無端体の循環回転に伴い前記フィルムを介して前記製品を上方から前記センタープレートに向けて下方に押圧した保持状態で前記製品を前記フィルム共々下流側に向けて補助送りをすることを特徴とする請求項2に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項4】
前記回動及びスライド複合機構は、前記上押さえコンベアを前記補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持する支持シャフト、及び前記支持シャフトを前記片持ちの方向にスライド可能に支持するとともに固定フレームに対して前記補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線の回りに回動可能に保持されているシャフトホルダを備えており、前記上押さえコンベアは、前記シャフトホルダが前記上押さえコンベアを俯角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に伸長した状態で前記作動位置を占め、前記シャフトホルダが前記上押さえコンベアを仰角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に引き戻された状態で前記退避位置を占めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項5】
前記回動及びスライド複合機構は、前記上押さえコンベアを前記補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持する支持シャフト、及び前記支持シャフトを前記片持ちの方向にスライド可能に支持するとともに固定フレームに対して前記補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線を回転中心とする回動軸を備えており、前記上押さえコンベアは、前記回動軸が前記上押さえコンベアを俯角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に伸長した状態で前記作動位置を占め、前記回動軸が前記上押さえコンベアを仰角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に引き戻された状態で前記退避位置を占めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項6】
前記回動及びスライド複合機構は、前記上押さえコンベアを前記補助送りの方向と交差する方向に片持ち状に支持するとともに固定フレームに対して前記片持ちの方向にスライド可能に支持される支持シャフト、及び前記支持シャフトの前記上押さえコンベア寄りの位置に配置されており前記補助送りの送り方向と平行な方向に延びる軸線の回りに前記支持シャフトを屈折させる回動軸を備えており、前記上押さえコンベアは、前記回動軸が前記上押さえコンベアを俯角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に伸長した状態で前記作動位置を占め、前記回動軸が前記上押さえコンベアを仰角方向に回動され且つ前記支持シャフトが前記片持ち方向に引き戻された状態で前記退避位置を占めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項7】
前記支持シャフトの前記上押さえコンベアを支持する側とは反対側の端部には前記補助送り方向と平行に延びるバーストッパが設けられており、前記上押さえコンベアが前記作動位置を占めるときには、前記バーストッパは、前記シャフトホルダに当接して前記支持シャフトが前記シャフトホルダから抜け出るのを阻止するとともに、前記固定フレームに設けられている規制部材に当接して前記シャフトホルダが前記俯角方向に回動するのを規制し、前記上押さえコンベアが前記シャフトホルダとともに前記仰角方向に回動されるときには、前記バーストッパが前記規制部材から外れるとともに、前記支持シャフトが反伸長方向にスライド可能となり、前記支持シャフトが前記シャフトホルダに対してスライドして前記退避位置へと退避することを特徴とする請求項4又は5に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項8】
前記固定フレームには、前記退避位置へと退避する前記支持シャフトを案内・支持する案内ローラが回動自在に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項9】
前記支持シャフトの前記上押さえコンベアを支持する側とは反対側の端部には前記固定フレームに当接するストッパが設けられており、前記上押さえコンベアが前記作動位置を占めるときには前記ストッパが前記固定フレームに当接して前記支持シャフトが前記作動位置から反伸長方向にスライドするのを阻止し、前記上押さえコンベアが前記退避位置を占めるときには前記ストッパが前記固定フレームから外れて前記支持シャフトは前記シャフトホルダに対してスライドして前記補助送りと交差する方向に後退した退避位置へと退避することを特徴とする請求項4又は5に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。
【請求項10】
前記支持シャフトと前記固定フレームとの間には、前記上押さえコンベアが前記作動位置を占めるとき、前記ストッパが前記固定フレームから外れる方向に前記支持シャフトが移動するのを制限する移動制限手段が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の横型製袋包装機における上押さえコンベア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−158341(P2012−158341A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17314(P2011−17314)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】