説明

樹脂粉末

【課題】 耐ブロッキング性、再分散性に優れ、再分散後した場合にも耐水性、放置安定性等に優れた樹脂粉末を提供すること。
【解決手段】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体単位を有する重合体(A)を分散質とし、下記一般式(I)で表される基を末端に有するビニルアルコール系重合体(B)を分散剤とする水性エマルジョンを乾燥して得られる樹脂粉末。
【化1】



(式中、Rは水素原子またはOM基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子またはアンモニウム基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中での分散性に優れた樹脂粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
水性媒体中に重合体微粒子が分散した水性エマルジョンは、セメントまたはモルタルへの混和剤、接着剤、塗料用バインダー等の広範な用途に使用されているが、媒体として50重量%程度の水を含んでいることから、輸送コストが高く、また使用後の容器の処理に問題があった。そこで、粉末の形態で輸送し、使用時には水を添加して攪拌することにより容易に水に分散する樹脂粉末が求められている。
【0003】
水への分散性を有する樹脂粉末としては、ポリビニルアルコールを分散剤に使用して、ビニルエステル系単量体を乳化重合して得られた水性エマルジョンを噴霧乾燥することにより得られるビニルエステル系重合体粉末(特許文献1)や、低分子界面活性剤を分散剤に使用して、(メタ)アクリル酸エステル系単量体またはジエン系単量体を乳化重合して得られた水性エマルジョンを噴霧乾燥することにより得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末およびジエン系重合体粉末が知られている。しかしながら、これらの樹脂粉末は、いずれも水への分散性が充分でないという問題があった。また、特許文献2には、1,2グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合体を分散剤とする水性エマルジョンを噴霧乾燥して得られる水への再分散性の高い合成樹脂エマルジョン粉末が開示されているが、該ビニルアルコール系重合体は、通常のビニルアルコール系重合体よりも高温で製造しなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−185606号公報
【特許文献2】特開2001−342260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述の問題点を解決し、耐ブロッキング性、再分散性に優れ、再分散した場合にも耐水性、放置安定性等に優れた樹脂粉末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の実情に鑑み、鋭意検討した結果、エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体単位を有する重合体(A)を分散質とし、下記一般式(I)で表される基を末端に有するビニルアルコール系重合体(B)(以下、「ビニルアルコール系重合体」を「PVA」と略記することがある。)を分散剤とする水性エマルジョンを乾燥して得られる樹脂粉末が目的に適うものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【化1】



(式中、Rは水素原子またはOM基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子またはアンモニウム基を表す。)
【0008】
本発明において、重合体(A)が(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、かつ、PVA(B)の粘度平均重合度が500以上であることが好ましい。また、重合体(A)がジエン系重合体であり、かつ、PVA(B)の粘度平均重合度が100以上であることも好ましい。さらに、本発明は、PVA(B)を分散安定剤として、主として水を含む分散媒中でエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体を重合して水性エマルジョンを製造し、さらに該水性エマルジョンを噴霧乾燥する、上記樹脂粉末の製造方法をも包含する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の樹脂粉末は、水への再分散性および耐ブロッキング性に優れ、かつ水に再分散して得られたエマルジョンは、耐水性および放置安定性に優れる
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の樹脂粉末について詳細に説明する。
本発明の樹脂粉末に含有される重合体(A)を構成するエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のメタクリルアミド誘導体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンスルホン酸およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系単量体;トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミン等のアミン類またはその4級塩;N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらの単量体の中でも、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルが好ましい。すなわち、重合体(A)が(メタ)アクリル酸エステル系重合体であることが、耐候性、透明性および柔軟性等の観点から好ましい。またジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。重合体(A)はこれらの単量体のうち1種のみから構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよい。
【0011】
本発明の樹脂粉末に含有されるPVA(B)は、上記一般式(I)で表される基を末端に有する。
【0012】
Mで示されるアルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられる。Mで示される1/2アルカリ土類金属原子としては、1/2マグネシウム原子、1/2カルシウム原子等が挙げられる。Mが1/2アルカリ土類金属原子である場合は、残りの1/2アルカリ土類金属原子(すなわち2価のアルカリ土類金属原子の残りの結合手)は、一般式(I)における酸素原子、下記一般式(II)における酸素原子、P(H22)等と結合してよい。
【0013】
【化2】


(ただし、Mは水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子またはアンモニウム基を表す。)
【0014】
PVA(B)は上記一般式(II)で表される基を主鎖中に含んでいてもよい。
【0015】
PVA(B)のけん化度は、特に限定されないが、水溶性等の観点から、40〜99.99モル%が好ましく、50〜99.9モル%がより好ましく、60〜99.5モル%がさらに好ましい。なお、PVAのけん化度は、JIS−K6726に準じて測定し得られる値である。
【0016】
PVA(B)の粘度平均重合度(P)については特に制限はないが、100〜3000が好ましく、300〜2000がより好ましい。粘度平均重合度が100未満の場合には、得られる樹脂粉末の再分散性が低下するおそれがあり、3000を越える場合には、該PVAの工業的な製造が困難となるおそれがある。ここで、上記の重合体(A)が(メタ)アクリル酸エステル系重合体の場合には、PVA(B)の粘度平均重合度は、500〜2500が好ましく、500〜1500がより好ましい。また、重合体(A)がジエン系重合体の場合には、PVA(B)の粘度平均重合度は、100〜2000が好ましく、100〜1500がより好ましい。なお、PVA(B)は、重合度の異なる2種以上のPVAのブレンド物であってもよい。この場合、ブレンド物の粘度平均重合度が上記の範囲になるように、ブレンド比率等を調整することが好ましい。PVA(B)の粘度平均重合度(P)は、JIS−K6726に準じて測定される。すなわち、該PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められる。

P=([η]×10/8.29)(1/0.62)

なお、粘度平均重合度は、単に重合度と呼ぶことがある。
【0017】
PVA(B)の製造方法は、得られるPVAが一般式(I)で表される基を末端に有する限り特に制限はないが、例えば、ビニルエステル系単量体を、リンを含む化合物の存在下でラジカル重合する工程、および得られた重合体をけん化する工程を含む方法によって製造することができる。
【0018】
ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられるが、中でも酢酸ビニルが最も好ましい。
【0019】
リンを含む化合物としては、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アンモニウムおよびその水和物等の次亜リン酸化合物等が挙げられるが、工業的には最も安価な次亜リン酸ナトリウムまたはその水和物が好適に用いられる。
【0020】
リンを含む化合物の使用量は、特に制限はなく、PVA(B)に導入したい一般式(I)で表される基の量に応じて適宜設定すればよい。リンを含む化合物の使用量は、ビニルエステル系単量体100重量部に対して0.001〜30重量部が好ましい。
【0021】
ビニルエステル系単量体の重合は、アルコール系溶媒等の溶媒中で、または無溶媒で行うことができる。
【0022】
ビニルエステル系単量体の重合を行うのに用いられる重合方式としては、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよい。重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の任意の方法を用いることができる。その中でも、無溶媒またはアルコール系溶媒中で重合を行う塊状重合法や溶液重合法が好適に採用され、高重合度の共重合物の製造を目的とする場合は乳化重合法が採用される。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。またこれらの溶媒は2種類またはそれ以上の種類を混合して用いることができる。重合に使用される開始剤としては、重合方法に応じて従来公知のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が適宜選ばれる。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、過酸化物系開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。さらには、上記開始剤に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を組み合わせて開始剤とすることもできる。また、レドックス系開始剤としては、上記の過酸化物と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤とを組み合わせたものが挙げられる。また、ビニルエステル系単量体の重合を高い温度で行った場合、ビニルエステル系単量体の分解に起因するPVAの着色等が見られることがあるため、その場合には着色防止の目的で重合系に酒石酸のような酸化防止剤を1〜100ppm(ビニルエステル系単量体に対して)程度添加することはなんら差し支えない。
【0023】
ビニルエステル系単量体の重合を行う際に採用される温度は0〜200℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。重合を行う温度が0℃より低い場合は、十分な重合速度が得られないため好ましくない。また、重合を行う温度が200℃より高い場合、目的とするPVAを得ることが困難になるため好ましくない。重合を行う際に採用される温度を0〜200℃に制御する方法としては、例えば、重合速度を制御することで、重合により生成する発熱と反応器の表面からの放熱とのバランスをとる方法や、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法等が挙げられるが、安全性の面からは後者の方法が好ましい。
【0024】
ビニルエステル系単量体の重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲で他の単量体と共重合しても差し支えない。ビニルエステル系単量体と共重合可能な単量体として、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;N−ビニルピロリドン;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;テトラフルオロエチレン;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等の不飽和スルホン酸塩;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸およびその塩、その無水物またはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル酸アミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル等のオキシアルキレン基含有単量体;酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
【0025】
また、ビニルエステル系単量体の重合に際し、得られるPVAの重合度を調節すること等を目的として、本発明の主旨を損なわない範囲で連鎖移動剤の存在下で重合を行っても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール、n−ドデカンチオール、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類;テトラクロロメタン、ブロモトリクロロメタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハライド類が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物は、PVAの末端に官能基を導入するために使用できる。
【0026】
リンを含む化合物存在下でのビニルエステル系単量体の重合により、リンを含む化合物を末端に組み込んだビニルエステル(共)重合体が得られる。
【0027】
ビニルエステル系重合体のけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒またはp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた加アルコール分解反応ないし加水分解反応を適用することができる。この反応に使用しうる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類:ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でもメタノールまたはメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒に用いてけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
【0028】
以上の方法によれば、一般式(I)で表される基を末端に有するPVA、および一般式(I)で表される基を末端に有し、かつ一般式(II)で表される基を主鎖中に有するPVAを、混合物として得ることができる。
【0029】
PVA(B)において、一般式(I)で表される基の変性量は0.01〜18モル%であることが好ましい。0.01モル%未満では、重合度が3000を超える可能性があり、該PVAの生産性が低下し、実用性が損なわれるおそれがある。18モル%を超える場合は、PVA(B)の重合度が10未満になる可能性があるため、生産性が低下し、実用性が損なわれるおそれがある。
【0030】
本発明の樹脂粉末は、PVA(B)を分散安定剤として、主として水を含む分散媒中で上記のエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体を重合して水性エマルジョンを製造し、さらに該水性エマルジョンを噴霧乾燥することによって製造される。
【0031】
重合の際に用いられる重合開始剤としては特に制限されず、各種のものが使用でき、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の重合開始剤を単独で、または各種還元剤との組み合わせてレドックス系重合開始剤として使用できる。開始剤の添加方法としては、初期に一括添加する方法、重合の経過に伴って連続的に添加する方法が挙げられる。
【0032】
上記の重合において用いられるPVA(B)の量は特に制限されないが、用いる単量体100重量部に対して、0.5〜100重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましく、2〜30重量部がさらに好ましい。PVA(B)の使用量が0.5重量部未満の場合には、重合安定性が低下し、得られた樹脂粉末を水に投入して得られる水性分散液の機械的安定性や化学的安定性が低下したり、皮膜の強度が低下するおそれがある。一方、PVA(B)の使用量が100重量部を越える場合には、重合時の粘度が上昇し、反応熱の除去が難しくなったり、皮膜の耐水性が低下するおそれがある。PVA(B)の添加方法としては、初期に一括添加する方法、初期に一部を添加し、重合の経過に伴って連続的に添加する方法が挙げられる。なお、重合に際しては、PVA(B)の他に、従来公知のノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤、PVA(B)以外の各種のPVA、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子を併用してもよい。
【0033】
重合における単量体の添加方法としては、初期に一括添加する方法、初期に単量体の一部を添加し、残りを重合の経過に伴って連続的に添加する方法、分散剤を用いて予め単量体を水に乳化したものを連続的に添加する方法が挙げられる。
【0034】
重合において、連鎖移動剤を添加することもできる。連鎖移動剤としては、連鎖移動効率の点で、メルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカプト基を有する化合物としては、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。連鎖移動剤の添加量は、単量体100重量部に対して、5重量部以下が好ましい。連鎖移動剤が5重量部を越える場合には、重合安定性が低下し、得られる重合体の分子量が著しく低下し、皮膜物性が低下するおそれがある。
【0035】
本発明の樹脂粉末は、上記の重合により得られた水性エマルジョンを乾燥することにより得られる。乾燥方法としては、噴霧乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、凍結乾燥等が挙げられ、この中でも噴霧乾燥が好ましい。噴霧の方法としては、ディスク式、ノズル式等が挙げられる。乾燥の熱源としては、熱風や加熱水蒸気等が挙げられる。乾燥条件としては、乾燥温度が40〜150℃の範囲で十分に乾燥した粉末が得られるように、噴霧乾燥機の大きさや種類、水性エマルジョンの濃度、粘度および流量の条件を設定するのが好ましい。樹脂粉末の揮発分は、平衡含水率程度であればよく、具体的には3重量%以下が好ましく、2重量%以下がより好ましい。
【0036】
本発明の樹脂粉末には、水への再分散性をさらに向上させるために、水溶性添加剤を添加することができる。水溶性添加剤は、噴霧乾燥前の水性エマルジョンに添加するのが好ましい。水溶性添加剤の使用量は、樹脂粉末の耐水性等の物性に悪影響を与えない程度に設定される。水溶性添加剤としては、PVA、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、でんぷん誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性アルキッド樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ナフタレンスルホン酸樹脂、水溶性アミノ樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリカルボン酸樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリオール樹脂、水溶性エポキシ樹脂等の水溶性高分子が挙げられる。
【0037】
また、本発明の樹脂粉末には、貯蔵安定性および水への再分散性を向上させるために、ブロッキング防止剤(抗粘結剤)を添加することが好ましい。ブロッキング防止剤は、噴霧乾燥して得られた樹脂粉末に添加して均一に混合してもよいが、噴霧乾燥前の水性エマルジョンに添加するのが好ましい。ブロッキング防止剤としては、平均粒径0.1〜10μmの微粒子の無機粉末が好ましい。無機粉末としては、炭酸カルシウム、クレー、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。また、有機系のフィラーも使用できる。ブロッキング防止剤の使用量は、合成樹脂粉末に対して20重量%以下が好ましく、0.2〜10重量%がより好ましい。
【0038】
本発明の樹脂粉末は、用途に応じて、上記した以外の各種の添加剤を配合することができる。例えば、セメントおよびモルタル等への混和剤に使用される場合には、AE剤、減水剤、流動化剤、保水剤、増粘剤、防水剤等が添加される。接着剤に使用される場合には、粘性改良剤、保水剤、粘着付与剤、増粘剤等が添加される。塗料用バインダーに使用される場合には、粘性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、安定剤等が添加される。
【0039】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」および「%」はいずれも重量基準を意味する。
【0040】
製造例1
(PVA−1の製造)
メタノール200gおよびホスフィン酸ナトリウム・一水和物1.0gを反応器に仕込み、ホスフィン酸ナトリウム・一水和物のメタノール溶液を調整した。次いで、酢酸ビニル1200gを反応器に仕込み、窒素ガスのバブリングにより反応器内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5gを反応器に添加して重合を開始した。重合中は重合温度を60℃に維持した。4時間後に重合率が30%に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液を得た。25%に調整したPVAc溶液にアルカリモル比(NaOHのモル数/PVAc中の酢酸ビニル単位のモル数)が0.015となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加してけん化した。アルカリ溶液を添加後、約8分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール4000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してPVA−1を得た。この重合体の粘度平均重合度は1500、けん化度は96.0モル%であった。
【0041】
得られたPVA−1の一般式(I)で表される基の変性量は、H−NMRにより以下のようにして求めた。得られたPVA−1をメタノールで48時間ソックスレー抽出による精製を行った後、d−DMSOに溶解し、500MHzのH−NMR(JEOL GX−500)を用いて分析を行い、PVAの主鎖メチレンに由来するピーク(1.1〜1.9ppm)の面積αと一般式(I)で表される基のリンに付いたプロトンに由来するピーク(7.5〜7.7ppmと6.3〜6.6ppm)の面積βから、下記式を用いて一般式(I)で表される基の変性量を算出した。PVA−1において、一般式(I)で表される基の変性量は0.05モル%であった。結果を表1に示す。

一般式(I)で表される基の変性量(モル%)={(ピーク面積β)/((ピーク面積α)/2+(ピーク面積β))}×100
【0042】
製造例2〜5
酢酸ビニル、メタノールおよびホスフィン酸ナトリウム・一水和物の仕込み量、けん化時における酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を変更した以外は、製造例1と同様にしてPVA−3、PVA−5、PVA−6およびPVA−8を得た。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、製造例1で得られたPVA−1 8部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全に溶解させた。得られたPVA水溶液のpHを希硫酸により4に調整し、150rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を添加した。次に、系を窒素置換した後、60℃まで昇温した。濃度5%の酒石酸水溶液5部を添加した後、濃度0.5%の過酸化水素水溶液を連続添加して乳化重合を開始した。2時間かけて酢酸ビニル90部を連続的に添加し、重合開始から3時間後に、残存酢酸ビニル濃度が1%以下になった時点で重合を終了し、固形分濃度50.4%の安定なポリ酢酸ビニルエマルジョンを得た。得られたエマルジョンの一部を、後述する耐水性試験に供した。同じエマルジョン100部と水80部の混合物、および該エマルジョン中の固形分に対して3%の無水ケイ酸微粉末(平均粒子径2μm)を、それぞれ別々に100℃の熱風中に同時噴霧して乾燥することにより、平均粒子径60μmの樹脂粉末を得た。
【0045】
得られた樹脂粉末を用いて、以下に示す物性を評価した。結果を表2に示す。
【0046】
[耐ブロッキング性]
樹脂粉末を容器に入れ、25g/cmの荷重をかけて、20℃、65%RH下で10日間放置した際の状態を観察した。

○ ほとんどブロッキングしていない。
△ ブロッキングにより一部塊が生じている。
× ブロッキングにより全体が塊になる。
― 樹脂粉末が得られない。
【0047】
[再分散性]
樹脂粉末100部にイオン交換水80部を添加し、攪拌機により十分攪拌して得られた水性分散液を200メッシュのステンレス製金網でろ過し、ろ過残渣を105℃で5時間乾燥し、ろ過残渣の割合を測定した。

ろ過残渣(%)=(乾燥後のろ過残渣量/再分散に用いたエマルジョン粉末重量)×100
【0048】
[造膜性]
上記の再分散性の評価用の水性分散液を、50℃でガラス板上に流延し乾燥して皮膜を得た。得られた皮膜を観察し、下記の基準にしたがって評価した。

○ 均一で強靱である。
△ 均一ではあるが、もろい。
× 均一な皮膜が得られない。
― 樹脂粉末が得られない。または、水性分散液が得られない。
【0049】
[耐水性]
上記の再分散性の評価用の水性分散液(粉末化後)を、20℃でガラス板上に流延し乾燥して皮膜を得た。1枚を浸漬前の皮膜の重量測定に使用し(添字tで表す)、他の1枚を20℃の水に24時間浸漬した。浸漬前後の皮膜の重量から吸水率および溶出率を以下のようにして算出し、耐水性の指標とした。なお、重合後に得られた水性エマルジョン(粉末化前)についても、同様にして吸水率および溶出率を算出した。

溶出率(%) = [1−(W1d/W0d)]×100
吸水率(%) = [(W1w/W1d)−1]×100
ただし、
W0d = W0w×(Wtd/Wtw)

W0d:浸漬前の皮膜の絶乾重量。
W0w:浸漬前の皮膜の重量
W1d:浸漬後の皮膜の絶乾重量。
W1w:浸漬後の皮膜の重量。浸漬後の皮膜から表面水をガーゼで拭き取り、秤量。

Wtd:重量測定用の皮膜の絶乾重量。
Wtw:重量測定用の皮膜の重量。

絶乾重量: 皮膜を105℃で重量が変化しなくなるまで乾燥したときの重量。
【0050】
比較例1
PVA−1に代えて、表1に示すPVA−2を分散剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリ酢酸ビニルエマルジョンおよび樹脂粉末を得て、評価した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】

【0052】
実施例2
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備えたガラス製容器に、製造例2で得られたPVA−3 5部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全に溶解させた。得られたPVA水溶液のpHを希硫酸により4に調整し、150rpmで撹拌しながらメタクリル酸メチル10部、アクリル酸n−ブチル10部、n−ドデシルメルカプタン0.1部を添加した。次に、系を窒素置換した後、70℃まで昇温した。濃度1%の過硫酸カリウム5部を添加して重合を開始した。2時間かけてメタクリル酸メチル40部、アクリル酸n−ブチル40部、n−ドデシルメルカプタン0.4部の混合物を連続的に添加し、重合開始から3時間後に、転化率が99.6%になった時点で重合を終了し、固形分濃度52.2%の安定なメタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチル共重合体エマルジョンを得た。実施例1と同様にして樹脂粉末を得て、評価した。結果を表3に示す。
【0053】
実施例3〜4、比較例2〜3
PVA−3に代えて、表3に示す各種分散剤を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてメタクリル酸メチル−アクリル酸n−ブチル共重合体エマルジョンおよび樹脂粉末を得て、評価した。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
実施例5
窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、製造例4で得られたPVA−6の4%水溶液100部を仕込み、希硫酸でpHを4に調製し、さらにスチレン60部、t−ドデシルメルカプタン1部を仕込んだ。次に、系を窒素置換した後、ブタジエン40部を耐圧計量器より圧入して、70℃まで昇温した。濃度2%の過硫酸アンモニウム10部を添加して重合を開始した。内圧は、重合開始前には4.5Kg/cmであったが、20時間後には0.3Kg/cmに低下した。この時点での重合率は99.4%で、固形分濃度49.3%の安定なスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョンを得た。実施例1と同様にして樹脂粉末を得て、評価した。結果を表4に示す。
【0056】
実施例6、比較例4〜5
PVA−6に代えて、表4に示す各種分散剤を用いたこと以外は、実施例5と同様にしてスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョンおよび樹脂粉末を得て、評価した。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】

【0058】
実施例7
窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、製造例5で得られたPVA−8の6.25%水溶液80部を仕込み、希硫酸でpHを3.5に調整し、さらに酢酸ビニル80部を仕込んだ。次に、系を窒素置換した後、60℃まで昇温した。エチレンを45Kg/cmまで圧入し、濃度5%のロンガリット水溶液を5部添加した後、濃度0.4%の過酸化水素水溶液を連続的に添加して重合を開始した。3時間後、酢酸ビニル濃度が1.0%となった時点で重合を終了し、固形分濃度55.3%の安定なエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンを得た。実施例1と同様にして樹脂粉末を得て、評価した。結果を表5に示す。
【0059】
比較例6
PVA−8に代えて、表1に示すPVA−9を分散剤として用いたこと以外は、実施例7と同様にしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンおよび樹脂粉末を得て、評価した。結果を表5に示す。
【0060】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体単位を有する重合体(A)を分散質とし、下記一般式(I)で表される基を末端に有するビニルアルコール系重合体(B)を分散剤とする水性エマルジョンを乾燥して得られる樹脂粉末。
【化1】



(式中、Rは水素原子またはOM基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子またはアンモニウム基を表す。)
【請求項2】
重合体(A)が(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、かつ、ビニルアルコール系重合体(B)の粘度平均重合度が500〜2500である、請求項1に記載の樹脂粉末。
【請求項3】
重合体(A)がジエン系重合体であり、かつ、ビニルアルコール系重合体(B)の粘度平均重合度が100〜2000である、請求項1に記載の樹脂粉末。
【請求項4】
ビニルアルコール系重合体(B)を分散安定剤として、主として水を含む分散媒中でエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体を重合して水性エマルジョンを製造し、さらに該水性エマルジョンを噴霧乾燥する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂粉末の製造方法。

【公開番号】特開2012−57074(P2012−57074A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202604(P2010−202604)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】