説明

樹脂粒子凝集体およびその用途

【課題】種々の適用分野で求められている高機能性や、様々な使用目的に適した新規な形状を有する樹脂粒子を得ることを課題とする。
【解決手段】二つの曲面、または一つの曲面と一つの平面とで形成され、両面の間に境界線を有する樹脂粒子が複数個凝集してなり、1〜500μmの最大径を有することを特徴とする樹脂粒子凝集体により、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、接着剤分野、医療分野、低収縮化剤・紙・歯科材料・樹脂改質剤等の一般工業分野での使用に適した、新規な構造および形状を有する樹脂粒子凝集体およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックの力学的性質を向上させたり、現像剤の荷電性を変化させたりしないで、そのクリーニング特性を向上させたり、塗料の艶消し性、隠蔽性を向上させたり、化粧品の滑り性を向上させたりするなど、多様な目的で様々な樹脂粒子が使用されている。
このような樹脂粒子は、粉砕法や乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等によって製造されるため、通常、不定形または球状の樹脂粒子しか得られず、さらなる機能化が求められる用途には不向きであった。
【0003】
例えば、特開平2−14222号では、乳化重合法による窪みを有する偏平状樹脂粒子が開示されている。しかしながら、この樹脂粒子は乳化重合法により製造されるため、1μm以上の大きさの偏平粒子を得ることは困難である。
また、特開平3−234734号では懸濁重合法による中空非球状樹脂粒子が開示されており、特開平5−317688号では懸濁重合法による椀状樹脂粒子およびその製造方法が開示されている。
【0004】
これら方法で得られる樹脂粒子では、球状粒子に比べて形状にそれほど顕著な特徴がみられないこと、特定の樹脂組成のものしか得られないことなどから、求められる様々な機能を果たすには十分でなかった。
一方、特開昭63−117040号および特開平7−157672号では、板状粒子、円板状粒子およびそれらの製造法が開示されている。これらの樹脂粒子は、新規な形状ではあるものの、板状であるために、例えばタルク、マイカ等の従来の板状無機化合物と比べて、顕著な特徴が見られない。また、特殊な製造方法で製造されるため、工業的規模で生産し、使用することは困難であった。
したがって、各適用分野で求められている高機能性や、様々な使用目的に適した新規な形状を有する樹脂粒子の開発が望まれていた。
【0005】
一方、従来から、各種の液晶表示装置には液晶の裏面より光を照射するバックライトが使用されており、特に薄型化や小型化が要望されているノート型パソコン等ではサイドライト型の面光源装置を用い、光拡散フィルム等によって均一に光を拡散して伝播させる方式が採用されている。該光拡散フィルムは、一般的には透明フィルムを基材とし、この表面に無機または有機の粒子をバインダーと混合して塗布することにより製造されている。また、光拡散パネルは、ガラスやプラスチックなどの透明パネルの表面に前記と同様な手法で該粒子を塗布する方法や、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂と該粒子とを混合して成形する方法により製造されている。
【0006】
ところが、従来の光拡散フィルムやパネルでは、光の出射面に対する角度の違いによる輝度分布に難点があり、光を均一に拡散伝播させると共に、光の透過率をも高めるための改良が望まれている。しかしながら、現在のところ、充分な輝度分布と光透過率は達成されていない。
【0007】
また、これらの改良検討は、真球状の有機粒子を用いてバインダーと混合して塗布する際の、粒子とバインダーの比率(特開平5−35124号、特開平8−16732号)、塗布面の形状(特開平8−118830号、8−121878号)、塗布面での粒子の埋設状態(特開平9−229202号)など塗布方法に関するものが殆どであり、粒子自体を改良する方法は採られていない。
【0008】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、高い透過率と充分な光拡散性を光拡散フィルムに付与することのできる光拡散剤、該光拡散剤を含む樹脂組成物および該樹脂組成物を塗布してなる塗布物を提供することを目的とする。
【0009】
また、マット化剤として広く用いられている無機材料は真比重が有機材料に比べて大きいため、マット化剤としての性能を単位重量当たりで比較すると、有機材料の方が優れている。また、無機材料は塗料やフィルムなど基材との親和性も低いという欠点を有している。
一方、有機材料の微粒子集合体は、真比重が無機材料に比べて小さく、塗料やフィルムなどの基材との親和性も高いという利点を有しているものの、空隙率が高く嵩比重の小さい集合体を作ることが困難であった。また、有機材料の微粒子集合体は無機材料に比べて耐熱性、耐溶剤性や強度が劣るという問題もあった。これらの問題点を解決できる方法として、架橋重合体微粒子を集合体とする方法が考えられるが、これまで有効な方法は見出されていなかった。
【0010】
例えば、特開平2−70741号に記載されているように、不飽和カルボン酸を含む重合体を中和膨潤させて種粒子として用い、それと異なる組成の重合体を第2段階として乳化重合することにより集合体を得る方法などが知られている。ところが、真比重が小さく基材との親和性も高いという有機材料の特長を生かした、満足できる有機微粒子集合体からなるマット化剤は、従来知られていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような期待に応えるべくなされたものであり、高機能性や様々な使用目的に適した新規な形状を有する樹脂粒子、およびその用途を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記のような課題を解決すべく鋭意研究した結果、重合性単官能ビニルモノマー100重量部および重合性多官能ビニルモノマー3〜100重量部に、これら両ビニルモノマーと共重合性を有さず、25℃における粘度が500〜100000cStである疎水性の液状化合物を、両ビニルモノマーの合計100重量部に対して8〜50重量部混合溶解し、水系懸濁重合した後、重合生成物から疎水性の液状化合物を除去することによって、新規な構造および形状を有する樹脂粒子凝集体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0013】
かくして、本発明によれば、重合性単官能ビニルモノマー100重量部および重合性多官能ビニルモノマー3〜100重量部に、これら両ビニルモノマーと共重合性を有さず、25℃における粘度が500〜100000cStである疎水性の液状化合物を、両ビニルモノマーの合計100重量部に対して8〜50重量部混合溶解し、水系懸濁重合した後、重合生成物から疎水性の液状化合物を除去して得られることを特徴とする、二つの曲面、または一つの曲面と一つの平面とで形成され、両者の間に境界線を有する樹脂粒子(以下、「一次粒子」という)が複数個凝集してなり、1〜500μmの最大径を有する樹脂粒子凝集体が提供される。
また、本発明によれば、上記の樹脂粒子凝集体を含む光拡散剤およびマット化剤としての用途が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の樹脂粒子凝集体は、優れた光散乱性、集光性等の光学特性、および滑り性等の摩擦特性、付着性あるいは固着性を併せ有しており、銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロール剤・接着剤分野、抗原抗体反応検査用一次粒子等の医療分野、滑り剤・体質顔料等の化粧品分野、低収縮化剤・紙・歯科材料・樹脂改質剤等の一般工業分野の用途に好適に使用される。
本発明の樹脂粒子凝集体は、特に、光拡散剤およぴマット化剤として、また化粧料等の外用剤の触感改良剤として優れた特性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の樹脂粒子凝集体は、二つの曲面、または一つの曲面と一つの平面とで形成され、両者の間に境界線を有する一次粒子が複数個凝集してなる樹脂粒子の凝集体である。
樹脂粒子凝集体を構成する個々の一次粒子は、境界線を挟んで少なくとも一方の面が曲面であるから、通常の円板状粒子や偏平状粒子、板状粒子には見られない特性、例えば光散乱性、集光性等の光学特性や滑り性のような摩擦特性を有している。また、境界線を挟んだ他方の面が平面あるいは曲率半径がより大きい曲面であるから、通常の球状粒子にはない特性、例えば球状粒子より優れた付着性あるいは固着性をも有している。
【0016】
さらに、比表面積が大きいため、表面反応性や機能性物質等の担持能力が増大している。その上、真球状でないため、従来の球状粒子、中空粒子および多孔質粒子ならびに球状粒子の集合体では期待できなかった独特の光学特性を有するばかりでなく、表面改質等による化学特性の向上や流動性等の物理特性の向上も期待できる。
したがって、本発明の樹脂粒子凝集体は、優れた光散乱性、集光性等の光学特性、および滑り性等の摩擦特性、付着性あるいは固着性を併せ有する。
樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子は、該一次粒子を形成する二つの面の間を横方向とすると、この境界線を上方から見た平面図は円形または略円形となる。
そして、この境界線を挟んで両側に位置する二つの面の形状によって、一次粒子の形状は次の三つのタイプに大別される。
【0017】
すなわち、境界線を横方向として、一次粒子を側面から見たとき、一つの凸状の曲面が境界線を挟んで上方に現れ、もう一つの凸状の曲面が境界線を挟んで、下方に現れるタイプ(以下、「タイプA」という:図1参照)、一つの平面が境界線と一致し、一つの凸状の曲面が境界線の上方または下方に現れるタイプ(以下、「タイプB」という:図2参照)、および一つの凸状の曲面と一つの凹状の曲面が、ともに境界線を挟んで同一方向、例えば、下方に現れるタイプ(以下、「タイプC」という:図3参照)の三つに大別される。
これらの一次粒子は、境界線を横方向としたときの側面図における横方向の粒子径が通常1〜100μmである。
【0018】
本発明でいう一次粒子を構成する樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素系プラスチック、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ジエン系プラスチック、ポリウレタン系プラスチック、芳香族ポリアミド、ポリフェニレン、ポリキシリレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、シリコン樹脂等の熱可塑性樹脂、天然ゴム系プラスチック、セルロース系プラスチック、タンパク質系プラスチック等の天然系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂あるいはそれらの共重合体が好ましい。
【0019】
本発明の樹脂粒子凝集体は、上記のような一次粒子が複数個疑集したものであり、例えば、略球状、扁平状、略立方体状または略三角錐状の形状を有し、1〜500μmの最大径を有するものである。なお、ここでいう「略球状」、「略立方体状」および「略三角錐状」とは、それぞれ球状、立方体状および三角錐状のものならびにそれらに近似の形状を意味する。また、「最大径」とは、樹脂粒子凝集体の投影図または顕微鏡写真像における径の最大長さをいい、例えば、略球状または偏平状であるときはその長径を、略立方体状または略三角錐状であるときはその最大長さを意味する。
樹脂粒子凝集体の形状が、略球状であれば、球状粒子のもつ優れた滑り性を有しつつ、各方向に対して独特の光学特性を有するものとなり、略立方体状であれば、立方体状粒子のもつ付着性を有しつつ、規則的な方向に対して独特の光学持性を有するものとなり、偏平状であれば、偏平状粒子のもつ優れた付着性を有しつつ、特定の方向に独特の光学特性を有するものとなる。
【0020】
すなわち、本発明の樹脂粒子凝集体は、一次粒子のもつ特性とそれらの一次粒子の凝集体がもつ特性とを併せて有する。
本発明の樹脂粒子凝集体は、重合性単官能ビニルモノマー100重量部および重合性多官能ビニルモノマー3〜100重量部に、これら両ビニルモノマーと共重合性を有さず、25℃における粘度が500〜100000cStである疎水性の液状化合物を、両ビニルモノマーの合計100重量部に対して8〜50重両部混合溶解し、水系懸濁重合した後、重合生成物から疎水性の液状化合物を除去することにより得られる。
上記の方法によれば、広範な樹脂種について、新規な形状を有する一次粒子の凝集体を安価で容易に製造することができる。
【0021】
以下、本発明の樹脂粒子凝集体の製造方法について詳細に説明する。
本発明で用いられる懸濁重合可能な重合性単官能ビニルモノマーは、後記の疎水性の液状化合物を均一に溶解し、重合中に液状化合物と反応性、例えば、重合反応性あるいは架橋反応性を有さないものであれば、何ら制限されない。そのような重合性単官能ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレンおよびそれらの誘導体、エチレン、プロピレン、ブチレン,イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン,臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられ、場合によってはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等も使用できる。また、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、ビニルナフタレン塩等も重合性単官能ビニルモノマーとして挙げられる。
【0022】
これらの中でも、スチレンおよびその誘導体、(メタ)アクリル酸エステルおよびその誘導体、ビニルエステル類が特に好ましい。
これらの重合性単官能ビニルモノマーは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
上記の方法で用いられる重合性多官能ビニルモノマーとしては、1分子中に重合性ビニル基を2つ以上有する架橋性モノマーであれば特に限定されないが、モノマー中にアリル基を有しないもの、および脂肪族ジビニル化合物に属さないものが望ましい。そのような重合性多官能ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびそれらの誘導体のような芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
重合性多官能ビニルモノマーの使用割合は、重合性単官能ビニルモノマー100重量部に対して3〜100重量部であり、好ましくは5〜50重量部である。
【0024】
上記の製造方法で用いられる疎水性の液状化合物は、25℃における粘度が500〜100000cSt、好ましくは1000〜50000cStであって、重合性単官能ビニルモノマーおよび重合性多官能ビニルモノマーと共重合性を有しない、あるいは両ビニルモノマー中に存在する官能基と懸濁重合中に架橋反応せず、かつ媒体である水と反応したり、水によって変質したりしないものが好ましい。そのような疎水性の液状化合物としては、オルガノポリシロキサン類が挙げられる。
【0025】
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、各種変性ポリシロキサン等のポリシロキサン類が挙げられ、これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンがより好ましい。
疎水性の液状化合物の使用割合は、両ビニルモノマーの合計量100重量部に対して8〜50重量部であり、好ましくは10〜40重量部である。
【0026】
上記の方法では、目的とする樹脂粒子凝集体が得られやすいという点から、重合開始剤を用いるのが好ましい。重合開始剤としては、通常懸濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系開始剤を使用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル-2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。これらの中でも、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が、目的とする樹脂粒子凝集体が得られやすいという点で好ましい。
【0027】
これらの重合開始剤の使用割合は、両ビニルモノマーの合計量100重量部に対して、0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。
上記の方法では、水系懸濁重合の際に、懸濁粒子の安定化を図るために、両ビニルモノマーの合計量100重量部に対して、通常、100〜1000重量部程度の水を分散媒体として用いるとともに、水相に分散安定剤を添加することが好ましい。
【0028】
分散安定剤としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等の難水溶性無機化合物等が挙げられる。これらの中でも、目的とする樹脂粒子凝集体が安定して得られるという点で、第三リン酸カルシウムや複分解生成法によるピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウムおよびコロイダルシリカが特に好ましい。
【0029】
また、上記の方法では、上記の分散安定剤に加えて、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を併用することもできる。
【0030】
アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0031】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0032】
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウニム塩等が挙げられる。
また、両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0033】
これらの分散安定剤や界面活性剤は、得られる一次粒子の粒子径および樹脂粒子凝集体の大きさ、ならびに重合時の分散安定性などを考慮して、それらの種類や組み合わせ、使用量などが適宜選択される。一例を挙げれば、両重合性ビニルモノマーに対する分散剤の添加量は0.5〜15重量%程度であり、界面活性剤の添加量は水に対して0.001〜0.1重量%程度である。
【0034】
上記の製造方法では、上記のような分散媒体に、まず両ビニルモノマーを加えて分散させる。両ビニルモノマーの分散は、プロペラ翼等の撹拌力による方法や、ローターとステー夕ーから構成されたホモミキサーの高剪断力による方法、超音波分散機等を用る方法などによって行うことができる。
【0035】
樹脂粒子凝集体の最大径は、両ビニルモノマーと水との混合条件や、分散安定剤等の添加量および撹拌条件、分散条件などにより調整可能である。上記の方法によれば、最大径1〜500μm程度の樹脂粒子凝集体が得られ、この最大径は用途に応じて適宜調整される。
【0036】
なお、樹脂粒子凝集体の最大径を揃えるには、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等の液滴同士の衝突や、器壁への衝突力を利用した高圧型分散機を用いる方法、MPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通して、両ビニルモノマーを分散媒中に圧入する方法等を用いればよい。
【0037】
上記の方法では、上記のようにして、両ビニルモノマーが球状の液滴として分散された分散媒体を加熱することにより重合反応が行われる。重合反応の温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜80℃である。重合反応の時間は、一般的に0.1〜10時間程度である。
重合反応中は、モノマー滴の浮上や、重合後の樹脂粒子凝集体の沈降が防止される程度に緩く撹拌を行うのが好ましい。
【0038】
重合反応終了後、所望により、分散安定剤を塩酸等により溶解し、樹脂粒子凝集体を吸引ろ過、遠心分離、遠心ろ過等の操作により分散媒から分離することができる。
得られた樹脂粒子凝集体の含水ケーキを水洗し、乾燥した後、疎水性の液状化合物を除去することにより、目的とする樹脂粒子凝集体を得ることができる。
疎水性の液状化合物の除去は、例えば、液状化合物は溶解するが、樹脂粒子自体は溶解しない溶剤で、重合生成物を洗浄することにより行われる。
【0039】
このような溶剤としては、用いられた疎水性の液状化合物の種類や、凝集体を構成する一次粒子の種類にもよるが、通常、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の低級炭化水素類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。これらの溶剤による洗浄は、繰り返し行ってもよい。
【0040】
個々の一次粒子および樹脂粒子凝集体の形状は、重合性単官能ビニルモノマー、重合性多官能ビニルモノマー、疎水性の液状化合物の種類や使用割合、重合速度および一次粒子の粒子径等により制御することが可能であるが、一般に、一次粒子に形状は重合性多官能ビニルモノマーの使用割合によって大きく左右され、樹脂粒子凝集体の形状は疎水性の液状化合物の使用割合によって大きく左右される。
【0041】
例えば、重合性単官能ビニルモノマーとしてのメタクリル酸エステル100重量部に対して、重合性多官能ビニルモノマーを3〜7重量部使用したときにはタイプAの一次粒子が実質的に得られやすく、重合性多官能ビニルモノマーを8〜20重量部使用したときにはタイプBまたはタイプCの一次粒子が実質的に得られやすい。
【0042】
また、重合性ビニルモノマー100重量部に対し、液状化合物を8〜15重量部使用した場合には、略球状、略立方体状の樹脂粒子凝集体が得られやすく、17〜50重量部使用した場合には、扁平状または略三角錐状の樹脂粒子凝集体が実質的に得られやすい。
【0043】
本発明の樹脂粒子凝集体は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、塗料、接着剤、コーティング用樹脂などに配合して、光拡散剤、艶消し剤、マット化剤等の各種フィラーとして使用することができる。なお、本発明の樹脂粒子凝集体に加えて、従来公知のシリカなどのフィラーを併用してもよい。
【0044】
本発明の樹脂粒子凝集体を光拡散剤として使用すると、一次粒子1個当たりの光拡散性能が優れていると共に、重量が小さいので、従来の光拡散剤に比べて、少量の配合で高い効果を得ることができる。その結果、優れた輝度分布と共に、高い光透過率を達成することができる。
【0045】
本発明の樹脂粒子凝集体を光拡散剤として用いる場合、その平均粒子径は2〜50μmの範囲であり、好ましくは5〜20μmの範囲である。平均粒子径が2μmより小さいと光拡散性能が充分でなく、50μmより大きいと光透過率が低くなり、好ましくない。
【0046】
本発明の樹脂粒子凝集体の光拡散剤として使用方法は、特に限定されないが、一般的には、フィルムやパネルなどの透明性基材の表面に、光拡散剤をコーティングする方法、あるいは光拡散剤をエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などの成形用硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合して、種々の用途に応じた形状に成形する方法が採用される。
【0047】
上記の透明性基材として用いられる透明性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなどを例示することができ、特にポリエチレンテレフタレートが安価であり、透明性も高いので好適に用いられる。
また、透明性基材として用いられる透明性パネルとしては、ガラス製パネル、ポリエステル樹脂パネル、ポリカーボネート樹脂パネル、ポリメチルメタクリレート樹脂パネルなどが好適に用いられる。なお、本発明の光拡散剤が用いられる成形体は、フィルムやパネルなど平面構造のものに限定されず、LEDや蛍光などの発光装置のように立体構造を有する成形体であってもよい。
【0048】
光拡散剤のコーティングに際しては、通常、樹脂バインダーを溶剤で希釈して光拡散剤と混合する。使用される樹脂バインダーとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコーン樹脂などが挙げられ、光学的透明性を有するものが好適に用いられる。希釈用に用いられる溶剤としては、例えば、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エステル類、アルコール類、エーテル類などが挙げられる。これらの配合比率は、特に限定されないが、例えば、樹脂粒子凝集体100重量部に対し、樹脂バインダー50〜300重量部および溶剤50〜500重量部を混合して、光拡散性コーティング用組成物を得ることができる。該コーティング用組成物には、樹脂バインダーの架橋剤、帯電防止剤、光拡散剤の分散剤などを適宜配合することもできる。
【0049】
さらに、上記のコーティング用組成物をフィルム等の表面に塗布する方法は特に限定されないが、コンマダイレクト法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコート法、ディッピング法、ナイフコート法、カーテンフロー法、ラミネート法など、従来知られている方法を採用することができる。
なお、コーティング用組成物を透明性フィルム等の表面に塗布して得られる光拡散層の厚みは、5〜100μmの範囲であることが好ましい。
本発明の光拡散フィルムを、液晶表示装置のバックライトなどに適用した場合には、高い輝度と広い視野角を実現することができる。
【0050】
また、本発明の樹脂粒子凝集体を成形用硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と混合して各種用途に応じた形状に成形する場合、樹脂粒子凝集体の配合割合は、特に限定されないが、通常、樹脂粒子凝集体100重量部に対して、成形用樹脂500〜100000重量部が混合される。
【0051】
本発明の樹脂粒子凝集体を艶消し剤、マット化剤等のフィラーとして塗料に添加して用いる場合、樹脂粒子凝集体は、塗料組成物全体に対して、0.1〜15重量%配合して用いられる。
本発明の樹脂粒子凝集体は、凝集体1個当たりの重量が小さいので、従来の艶消し剤やマット化剤に比べて、より少量の配合で同等の効果が得られる。
【0052】
上記から明らかなように、本発明の樹脂粒子凝集体を含む樹脂組成物は、光拡散性コーティング用組成物、塗料組成物および樹脂成形体を含む。
【0053】
また、本発明の樹脂粒子凝集体は、化粧料、外用医薬品等の外用剤に1.0〜50重量%の範囲で添加することもできる。本発明の樹脂粒子凝集体は特異な構造を有するため、これが配合された外用剤は、従来のものに比べて使用感に優れている。
【0054】
本発明の樹脂粒子凝集体が配合される化粧料としては、例えば、石鹸、ボディシャンプー、洗顔クリ−ム、スクラブ洗顔料等の洗浄用化粧品、化粧水、クリーム、乳液、パック類、おしろい類、ファンデーション、口紅、リップクリーム、頬紅、眉目化粧品、マニキュア化粧品、洗髪用化粧品、染毛料、整髪料、芳香性化粧品、歯磨き、浴用剤、制汗剤、日焼け止め製品、サンタン製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用外用剤、髭剃り用クリーム、プレシェーブローション、ボディローション等のローション等が挙げられる。
【0055】
また、本発明の樹脂粒子凝集体が配合される外用医薬品としては、皮膚に適用するものであれば特に制限されず、具体的には、クリーム剤、軟膏剤、乳剤、ローション剤等が挙げられる。
配合量が1.0重量%より少ないと、樹脂粒子凝集体が少なすぎて効果が明確に認められず、逆に50重量%を超えると、添加量の増加に見合う顕著な効果の増進が認められないため好ましくない。
【0056】
なお、本発明の樹脂粒子凝集体は、予め油剤、シリコーン化合物、弗素化合物等の表面処理剤、あるいは有機粉体、無機粉体等で処理したものを使用することもできる。
【0057】
油剤は、通常外用剤に使用されているものであればいずれでもよく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス等の炭化水素油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸等の高級脂肪酸、トリオクタン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸イソセチル等のエステル油、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、アマニ油、綿実油、ヒマシ油、卵黄油、ヤシ油等の油脂類、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
【0058】
粒子を油剤で処理する方法は、特に限定されないが、例えば、粒子に上記のような油剤を添加してミキサー等で撹拌することにより油剤でコーティングする乾式法や、油剤をエタノール、プロパノール、酢酸エチル、ヘキサン等の適当な溶剤に加熱溶解し、それに粒子を加えて混合撹拌した後、溶媒を減圧除去または加熱除去することにより、油剤でコーティングする湿式法等を適用することができる。
【0059】
シリコーン化合物は、通常外用剤に使用されているものであればいずれでもよく、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル-シリコーン系グラフト重合体、有機シリコーン樹脂部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物等が挙げられる。
【0060】
本発明の樹脂粒子凝集体をシリコーン化合物で処理する方法も特に限定されず、上記の乾式法や湿式法を適用できる。また、必要に応じて焼き付け処理を行ってもよく、反応性を有するシリコーン化合物の場合には反応触媒等を適宜添加してもよい。
【0061】
弗素化合物は、通常、外用剤に配合されているものであればいずれでもよく、例えば、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ基を有する重合体等が挙げられる。
【0062】
弗素化合物で処理する方法も特に限定されず、前記の乾式法や湿式法を適用できる。また、必要に応じて焼き付け処理を行ってもよく、反応性を有するフッ素変性のシリコン化合物の場合には反応触媒等を適宜添加してもよい。
【0063】
有機粉体としては、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、フッ素系樹脂粒子等の樹脂粒子が挙げられる。
【0064】
無機粉体としては、酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等が挙げられる。
これら有機粉体や無機粉体は、油剤、シリコン化合物、フッ素化合物などで予め表面処理したものを使用してもよく、その表面処理方法は、前記のような公知の表面処理技術を適用できる。
【0065】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、外用剤に一般に用いられている成分を目的に応じて配合することができる。そのような成分としては、例えば、水、低級アルコール、油脂およびロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、特殊配合成分などが挙げられる。
【0066】
油脂およびロウ類としては、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ脂、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコン油、オレンジラフィー油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
【0067】
炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
【0068】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸などが挙げられる。
【0069】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
【0070】
ステロールとしてはコレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。
【0071】
脂肪酸エステルとしては、リノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸デシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、イソステアリン酸コレステリル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0072】
金属石鹸としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0073】
保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリ工チレングリコール、d,l−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。
【0074】
界面活性剤としては、高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0075】
高分子化合物としては、アラビアコム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶性セルロース等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリピニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の樹脂粒子等の合成高分子化合物が挙げられる。
【0076】
色材原料としては、酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マクネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素が挙げられる。
【0077】
また、これら高分子化合物や色材原料などの粉体原料は、予め表面処理をしたものも使用することができる。表面処理方法としては、従来公知の表面処理技術が利用でき、例えば、炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロアルキル基を有する重合体等による弗素化合物処理、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コーラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
【0078】
防腐・殺菌剤としては、メチルパラペン、エチルパラペン、プロピルパラペン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。
【0079】
紫外線吸収剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニル酸系、サルチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系等の有機系吸収剤が挙げられる。
【0080】
特殊配合成分としては、エストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等を必要に応じて適宜配合してもよい。
【実施例】
【0081】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0082】
実施例1
水200 gに対し、分散安定剤として複分解法でピロリン酸マグネシウム5gを生成させた分散媒を500 mlセパラブルフラスコに加え、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム0.04 g、亜硝酸ナトリウム0.02 gを溶解させた。
これとは別に、メチルメタクリレート85.5 g、エチレングリコールジメタクリレート4.5 g、液状化合物としてジメチルポリシロキサン(粘度1000 cSt、25℃)10 g、重合開始剤として2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル) 0.5 gを均一に混合溶解してなるモノマー組成物を上記分散媒体に加えた。
この混合物をホモミキサー(IKA社製ULTRA TURRAX T-25)にて8000 rpmで約10秒間微分散した。フラスコに撹拌翼、温度計および還流冷却器を取り付け、 50℃の水浴中に設置した後、撹拌速度200 rpmで10時間加熱を継続し、重合反応を行った。
【0083】
重合反応が終了したことを確認した後、反応液を冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して分散剤を分解した。ろ紙を用いたブフナー漏斗で一次粒子を吸引ろ過し、 1.2 Lのイオン交換水で洗浄し分散剤を除去した。
吸引ろ過後の脱水ケーキを乾燥した後、シクロヘキサンに分散させ、吸引ろ過する事を数回繰り返して、目的の樹脂粒子凝集体を得た。樹脂粒子凝集体の粒子径と形状を電子顕微鏡写真にて観察した。
得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径1〜10μmの凸面と凸面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、長径8〜50μmの略球形の樹脂粒子凝集体であった。この樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真を図4に示す。
【0084】
実施例2
メチルメタクリレートの量を81 gに、エチレングリコールジメタクリレートの量を9 gに変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得た。
得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径が3〜10μmの平面と凸面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、最大長さ6〜30μmの略立方体状の樹脂粒子凝集体であった。この樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真を図5に示す。
【0085】
実施例3
メチルメタクリレートをスチレン76 gに、エチレングリコールジメタクリレートをジビニルベンゼン4 gに、 2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を1 gに、ジメチルポリシロキサン(粘度1000 cSt、 25℃)を20 gに代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得た。
得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径3〜30μmの凸面と凸面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、長径6〜50μmの偏平状の樹脂粒子凝集体であった。この樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真を図6に示す。
【0086】
実施例4
メチルメタクリレートの量を72 gに、エチレングリコールジメタクリレートの量を8 gに、ジメチルポリシロキサン(粘度1000 cSt、 25℃)の量を20 gに代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得た。
得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径3〜6μmの凹面と凸面からなる一次粒子が複数個凝集してなる大きさが6〜30μmの略三角錐状の樹脂粒子凝集体であった。この樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真を図7に示す。
【0087】
実施例5
メチルメタクリレートの量を85.5 gに、エチレングリコールジメタクリレートをジビニルベンゼン4.5 gに、ジメチルポリシロキサン(粘度1000 cSt、 25℃)の量を10 gに代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子凝集体を得た。
得られた樹脂粒子凝集体は、粒子径が3〜6μmの凸面と凸面からなる一次粒子が複数個凝集したものであり、径が6〜30μmの球状の樹脂粒子凝集体であった。
【0088】
比較例1
疎水性の液状化合物をジメチルポリシロキサン(25℃での粘度:100 cSt)に代えた以外は、実施例1と同様にして重合を行った。樹脂粒子は得られたが、樹脂粒子の凝集体は得られなかった。また、得られた樹脂粒子は大きさが5〜90μmの球状であった。
【0089】
比較例2
メチルメタクリレートの量を95.5 gに、エチレングリコールジメタクリレートの量を4.4 gに、ジメチルポリシロキサンの量を0.1 gに変更した以外は、実施例1と同様に重合を行った。樹脂粒子は得られたが、樹脂粒子の凝集体は得られなかった。得られた樹脂粒子は粒子径が8〜50μmの球状であった。
【0090】
実施例6
バインダーとしてポリエステル樹脂分散液100 g (東洋紡製:パイロナ-ルMD 12000、樹脂固形分34重量%、水分散型ポリエステル樹脂)を用い、これに実施例1で得られた樹脂粒子凝集体10 gを混合してコ-ティング用組成物を得た。
基材フィルムとして、厚み100μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製:ルミラー# 100T56)を用い、該フィルムの片面に上記のコーティング用組成物をウエット厚100μmのアプリケーターにて塗布し、80℃で1時間熱風乾燥し、光拡散層を形成してフィルム(A)を得た。
【0091】
比較例3
実施例1で得られた樹脂粒子凝集体の代わりに、市販の真球状アクリル系微粒子(積水化成品工業(株)製「テクポリマーMBX-8」)を30 g用いた以外は、実施例6と同様の操作を繰り返して、フィルム(B)を得た。
【0092】
試験例1(光学特性の評価)
実施例6で得られたフィルム(A)と比較例3で得られたフィルム(B)の光透過率および光拡散性能を以下の手順により測定した。ヘイズメーターを用い、全光線透過率を測定した結果、フィルム(A)が89%であるのに対し、フィルム(B)は90%であり、ほぼ同等であった。
また、ゴニオフォトメーターを用い、光拡散層に対して垂直方向からビーム径6 mmの平行光を入射し、受光角を変えながら出射光の透過光度を測定した。透過率が鉛直方向の半分になる角度は、フィルム(A)が12度であったのに対して、フィルム(B)は5度であり、本発明の樹脂粒子凝集体からなる光拡散剤は、大きな光拡散性を示した。
【0093】
実施例7
実施例1で得られた樹脂粒子凝集体10 gをマット化剤として、市販の黒色塗料100 gに添加し、よく撹拌して分散させ、塗料組成物を得た。この塗料組成物をウエット厚75μmのアプリケ一夕一にて、ABS樹脂製プレートに塗布し、80℃で1時間乾燥し、つや消し塗膜(C)を得た。
【0094】
比較例4
実施例1で得られた樹脂粒子凝集体の代わりに、市販の真球状アクリル系微粒子(積水化成品工業(株)製「テクポリマーMBX-8」)を用いた以外は、実施例7と同様の操作を繰り返してつや消し塗膜(D)を得た。
試験例2(つや消し性能の評価)
実施例7で得られた塗膜(C)と比較例4で得られた塗膜(D)のつや消し性能を以下の手順により測定した。ゴニオフォトメーターを用い、つや消し塗膜に対して45°の角度からビーム径6 mmの平行光を入射し、受光角を変えながら反射光の強度を測定した。正反射方向の反射光の強度が半分になる角度は、塗膜(C)が29°であったのに対し、塗膜(D)は15°であり、本発明の樹脂粒子凝集体からなるマット化剤は優れたつや消し性を示した。
【0095】
実施例8(外用剤の製造)

ボディローションの作成
樹脂粒子凝集体(実施例1) 3 重量部
エタノール 50 重量部
グリチルリチン酸 0.1 重量部
香料 0.5 重量部
精製水 46.4 重量部

樹脂粒子凝集体、エタノール、グリチルリチン酸、香料、精製水をミキサーにて十分混合し、ボディーローションを得た。
【0096】
比較例5
実施例8で用いた樹脂粒子凝集体の代わりに市販のタルクを用いた以外は、実施例8と同様にして、ボディローションを得た。
試験例3(外用剤の評価)
このようにして製造した化粧料について、パネラー5名による官能試験を行った。この試験では評価項目として、塗布時の伸び、均一塗布性、粒子の脱落性、滑らかさを選び、各々の項目について、次のような基準で官能評価を行った。
○……良いと答えたパネラーが4人以上
△……良いと答えたパネラーが2〜3人
×……良いと答えたパネラーが1人以下
この官能試験の結果を表1に示す。
【0097】
【表1】

上記の表から明らかなように、本発明の外用剤は使用感に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子のうち、タイプAに分類されるものの側面図である。
【図2】本発明の樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子のうち、タイプBに分類されるものの側面図である。
【図3】本発明の樹脂粒子凝集体を形成する一次粒子のうち、タイプCに分類されるものの側面図である。
【図4】実施例1で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例2で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例3で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例4で得られた樹脂粒子凝集体の電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性単官能ビニルモノマー100重量部と、重合性多官能ビニルモノマー3〜100重量部に、これら両ビニルモノマーとは共重合性を有さず、25℃における粘度が500〜100000cStである疎水性の液状化合物を、両ビニルモノマーの合計100重量部に対して8〜50重量部混合溶解し、水系懸濁重合した後、重合生成物から疎水性の液状化合物を除去して得られることを特徴とする、二つの曲面、または一つの曲面と一つの平面とで形成され、両者の間に境界線を有する一次粒子が複数個凝集してなる、最大径が1〜500μmの樹脂粒子凝集体。
【請求項2】
一次粒子が二つの曲面で形成され、それらの曲面が凸面と凹面である請求項1に記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項3】
一次粒子が一つの凸面と一つの平面から形成される請求頃1に記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項4】
一次粒子が二つの曲面で形成され、それらの曲面が共に凸面である請求項1に記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項5】
形状が略球状である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項6】
形状が偏平状である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項7】
形状が略立方体状である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項8】
形状が略三角錐状である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体を含む樹脂組成物。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂粒子凝集体を含む外用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−225673(P2006−225673A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140797(P2006−140797)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【分割の表示】特願2002−22138(P2002−22138)の分割
【原出願日】平成14年1月30日(2002.1.30)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】