説明

機器制御装置

【課題】複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる機器制御装置を提供する。
【解決手段】注視方向検出部2は、グループ内の各人が注視している方向を検出する。方向関係特定部3は、各人が注視している向きと照明機器が存在する方向との関係を特定する。グループ希望方向推定部4は、グループ内の全員について特定した関係に基づいて、グループ全体として照明機器が存在する方向への移動の希望を推定する。制御部5は、グループ希望方向推定部4による推定結果に基づいて、照明機器10_1〜10_Nを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御装置に関し、特に、複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の機器を制御するための機器制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ(センサ)等から、人物の進行方向、注視方向(目線)を抽出し、抽出結果に基づき、機器制御(照明等)を行なうシステムが開示されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2010−123373号公報)には、人物の目線方向によって、照明を制御するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2010−145867号公報)には、人物(視覚障害者)の進行方向を推定し、アシストを行なうシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−123373号公報
【特許文献2】特開2010−145867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されているシステムでは、1人の人物の進行方向、注視方向に基づいて、照明機器などを制御するものである。
【0007】
これらの文献では、複数人で構成されるグループが施設内を見学するような場合に、グループが移動する方向を予測して、予測した方向にある照明機器を到着に先立ってオンしたり、明るくしたりするような制御を行なうことは開示されてない。
【0008】
それゆえに、本発明の目的は、複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる機器制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の機器制御装置は、複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の機器を制御するための機器制御装置であって、グループ内の各人が注視している方向を検出する検出部と、各人が注視している方向と機器が存在する方向との関係を特定する特定部と、グループ内の全員について特定した関係に基づいて、グループ全体として機器が存在する方向への移動の希望を推定する推定部と、推定の結果に基づいて、機器を制御する制御部とを備える。
【0010】
好ましくは、現地点から見て、1つの方向に少なくとも1つの機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向の機器が存在する方向への成分を特定し、推定部は、成分の合計が所定値以上のときに、グループ全体として機器が存在する方向に移動を希望していると推定し、制御部は、1つの方向に存在する少なくとも1つの機器をオンにする。
【0011】
好ましくは、現地点から見て、1つの方向に少なくとも1つの機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向と機器が存在する方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、推定部は、注視している方向が機器が存在する方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、総数が所定値以上のときに、グループ全体として機器が存在する方向に移動を希望していると推定し、制御部は、1つの方向に存在する少なくとも1つの機器をオンにする。
【0012】
好ましくは、現地点から見て、1つの方向に1個以上の機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向の機器が存在する方向への成分を特定し、推定部は、成分の合計値に基づいて、グループ全体として機器が存在する方向に移動を希望している度合いを推定する。制御部は、1つの方向に複数個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、1つの方向に存在する複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、1つの方向に存在する複数個の機器のパフォーマンスを調整し、制御部は、1つの方向に1個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、1個の機器のパフォーマンスを調整する。
【0013】
好ましくは、現地点から見て、1つの方向に1個以上の機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向と機器が存在する方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、推定部は、注視している方向が機器が存在する方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、総数に基づいて、グループ全体として機器が存在する方向に移動を希望している度合いを推定する。制御部は、1つの方向に複数個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、1つの方向に存在する複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、1つの方向に存在する複数個の機器のパフォーマンスを調整し、制御部は、1つの方向に1個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、1個の機器のパフォーマンスを調整する。
【0014】
好ましくは、現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向の機器が存在する各方向への成分を特定し、推定部は、複数の方向のうちの各方向について、成分の合計を算出し、成分の合計が所定値以上の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、制御部は、移動を希望する方向に存在する少なくとも1つの機器をオンにする。
【0015】
好ましくは、現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向と機器が存在する各方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、推定部は、複数の方向のうちの各方向について、注視している方向と各方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、総数が所定値以上の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、制御部は、移動を希望している方向に存在する少なくとも1つの機器をオンにする。
【0016】
好ましくは、現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向の機器が存在する各方向への成分を特定し、推定部は、複数の方向のうちの各方向について、成分の合計を算出し、成分の合計が最大値の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、制御部は、移動を希望している方向に存在する少なくとも1つの機器をオンにする。
【0017】
好ましくは、現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向と機器が存在する各方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、推定部は、複数の方向のうちの各方向について、注視している方向と各方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、総数が最大の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、制御部は、移動を希望している方向に存在する少なくとも1つの機器をオンにする。
【0018】
好ましくは、 現地点から見て、複数の方向の各々に1個以上の機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向の機器が存在する各方向への成分を特定し、推定部は、複数の方向のうちの各方向について、成分の合計を算出し、成分の合計に基づいて、各方向への移動を希望している度合いを推定する。制御部は、各方向に複数個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、各方向に存在する複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、各方向に存在する複数個の機器のパフォーマンスを調整し、制御部は、各方向に1個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、1個の機器のパフォーマンスを調整する。
【0019】
好ましくは、現地点から見て、複数の方向の各々に1個以上の機器が存在する場合に、特定部は、各人が注視している方向と機器が存在する各方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、推定部は、複数の方向のうちの各方向について、注視している方向と各方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、総数に基づいて、各方向への移動を希望している度合いを推定する。制御部は、各方向に複数個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、各方向に存在する複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、各方向に存在する複数個の機器のパフォーマンスを調整し、制御部は、各方向に1個の機器が存在する場合に、度合いに基づいて、1個の機器のパフォーマンスを調整する。
【0020】
好ましくは、検出部は、各人の顔の方向を各人が注視している方向として検出する。
好ましくは、検出部は、各人の視線の方向を各人が注視している方向として検出する。
【0021】
好ましくは、機器は、照明機器、空調機器、昇降機、入退室装置のうちの少なくとも1つである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の機器制御装置によれば、複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態の機器制御装置の構成を表わす図である。
【図2】本発明の実施形態の機器制御装置の動作手順を表わすフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の動作例を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態の動作例を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態の動作手順を表わすフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の変形例1の動作手順を表わすフローチャートである。
【図7】第1の実施形態の変形例2の動作例を説明するための図である。
【図8】第1の実施形態の変形例2の動作手順を表わすフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の変形例3の動作手順を表わすフローチャートである。
【図10】第2の実施形態の動作例を説明するための図である。
【図11】第2の実施形態の動作例を説明するための図である。
【図12】第2の実施形態の動作手順を表わすフローチャートである。
【図13】第2の実施形態の変形例1の動作手順を表わすフローチャートである。
【図14】第2の実施形態の変形例2の動作手順を表わすフローチャートである。
【図15】第2の実施形態の変形例3の動作手順を表わすフローチャートである。
【図16】第2の実施形態の変形例4の動作例を説明するための図である。
【図17】第2の実施形態の変形例4の動作手順を表わすフローチャートである。
【図18】第2の実施形態の変形例5の動作手順を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(構成)
図1は、本発明の実施形態の機器制御装置の構成を表わす図である。
【0025】
図1を参照して、この機器制御装置1は、複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の照明機器を制御する機器制御装置であって、注視方向検出部2と、方向関係特定部3と、グループ希望方向推定部4と、制御部5とを備える。
【0026】
注視方向検出部2は、グループ内の各人が注視している方向を検出する。より具体的には、注視方向検出部2は、カメラから得られた画像から各人の視線の方向を各人が注視している方向として検出する。視線方向の検出については、たとえば「特許第3272906号」に記載されている技術を利用することができる。この方法では、カメラ、顔の部分の画像から目の部分を含む画像を切り出し、切り出された目の部分を含む顔の画像から肌色部分を除去し、肌色抜きの目の部分を含む画像から目の部分の画像における黒目の位置情報を表す特徴量を抽出し、特徴量と標準パターンとの比較を行ない、比較の結果に基づいて視線方向を出力する。視線方向は、0〜359度の360方向(1度刻み)で検出するものとするが、東西南北の8方向、または東西南北16方向のどれに近いかを検出するものとしてもよい。
【0027】
方向関係特定部3は、各人が注視している向きと照明機器が存在する方向との関係を特定する。
【0028】
グループ希望方向推定部4は、グループ内の全員について特定した関係に基づいて、グループ全体として照明機器が存在する方向への移動の希望を推定する。
【0029】
制御部5は、グループ希望方向推定部4による推定結果に基づいて、照明機器10_1〜10_Nを制御する。
【0030】
(動作)
図2は、本発明の実施形態の機器制御装置の動作手順を表わすフローチャートである。
【0031】
図2を参照して、まず、注視方向検出部2は、グループ内の各人が注視している方向を検出する(ステップS1101)。
【0032】
次に、方向関係特定部3は、各人が注視している向きと照明機器が存在する方向との関係を特定する(ステップS1102)。
【0033】
次に、グループ希望方向推定部4は、グループ内の全員について特定した関係に基づいて、グループ全体として照明機器が存在する方向への移動の希望を推定する(ステップS1103)。
【0034】
次に、制御部5は、グループ希望方向推定部4による推定結果に基づいて、照明機器10_1〜10_Nを制御する(ステップS1104)。
【0035】
(動作例)
図3および図4は、第1の実施形態の動作例を説明するための図である。図5は、第1の実施形態の動作手順を表わすフローチャートである。
【0036】
図3に示すように、説明員と見学者グループは、現在A地点に存在し、A地点からB地点への方向、すなわちA地点からB地点への経路および/またはB地点に1個以上の照明機器LBが設けられているものとする。
【0037】
図5を参照して、まず、A地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS101)。
【0038】
次に、方向関係特定部3は、図4に示すように、人物x、y、zの視線方向とA地点からB地点への方向とのなす角度θx、θy、θzを算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のA地点からB地点への方向に対する成分であるcosθx、cosθy、cosθzを算出する(ステップS102)。
【0039】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R=cosθx+cosθy+cosθzを算出する(ステップS103)。
【0040】
グループ希望方向推定部4は、評価値Rが閾値TH1以上の場合に(ステップS104でYES)、グループ全体としてB地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオンにする(ステップS105)。
【0041】
グループ希望方向推定部4は、評価値Rが閾値TH1未満の場合に(ステップS104でNO)、グループ全体としてB地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオフにする(ステップS106)。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値Rを用いることによって、グループが移動する可能性のある経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【0043】
[第1の実施形態の変形例1]
図6は、第1の実施形態の変形例1の動作手順を表わすフローチャートである。
【0044】
図6を参照して、まず、グループ希望方向推定部4は、評価値CT1を初期値0に設定する(ステップS200)。
【0045】
次に、A地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS201)。
【0046】
次に、方向関係特定部3は、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点への方向との差θx、θy、θzを算出する(ステップS202)。
【0047】
グループ希望方向推定部4は、θxの絶対値が閾値TH2未満のときには(ステップS203でYES)、評価値CTを1だけ増加させる(ステップS204)。
【0048】
次に、グループ希望方向推定部4は、θyの絶対値が閾値TH2未満のときには(ステップS205でYES)、評価値CTを1だけ増加させる(ステップS206)。
【0049】
次に、グループ希望方向推定部4は、θzの絶対値が閾値TH2未満のときには(ステップS207でYES)、評価値CTを1だけ増加させる(ステップS208)。
【0050】
グループ希望方向推定部4は、評価値CTが閾値TH3以上の場合に(ステップS209でYES)、グループ全体としてB地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、B地点へ方向に存在する照明機器LBをオンにする(ステップS210)。
【0051】
グループ希望方向推定部4は、評価値Rが閾値TH3未満の場合に(ステップS209でNO)、グループ全体としてB地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオフにする(ステップS211)。
【0052】
以上のように、本変形例によれば、評価値CTを用いることによって、グループが移動する可能性のある経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【0053】
[第1の実施形態の変形例2]
図7は、第1の実施形態の変形例2の動作例を説明するための図である。
【0054】
図7に示すように、説明員と見学者グループは、現在A地点に存在し、A地点からB地点への方向に1個以上の調光可能な照明機器LBが設けられているものとする。照明機器は、明るさを2段階で調整できる。
【0055】
図8は、第1の実施形態の変形例2の動作手順を表わすフローチャートである。
図8を参照して、まず、A地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS101)。
【0056】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とA地点からB地点への方向とのなす角度θx、θy、θzを算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のA地点からB地点への方向に対する成分であるcosθx、cosθy、cosθzを算出する(ステップS102)。
【0057】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R=cosθx+cosθy+cosθzを算出する(ステップS103)。
【0058】
グループ希望方向推定部4は、評価値Rが閾値TH4以上の場合に(ステップS304でYES)、グループ全体としてB地点への移動を強く希望していると推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオンにし、明るさが強となるように制御する(ステップS305)。
【0059】
グループ希望方向推定部4は、評価値Rが閾値TH5以上、かつ閾値TH4未満の場合に(ステップS306でYES)、グループ全体としてB地点への移動を高くはないが、ある程度希望していると推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオンにし、明るさが弱となるように制御する(ステップS307)。
【0060】
グループ希望方向推定部4は、評価値Rが閾値TH5未満の場合に(ステップS306でNO)、グループ全体としてB地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオフにする(ステップS308)。
【0061】
以上のように、本変形例によれば、評価値Rの大きさに応じて、グループが移動する可能性のある経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って適切な量に制御することができる。
【0062】
[第1の実施形態の変形例3]
図9は、第1の実施形態の変形例3の動作手順を表わすフローチャートである。
【0063】
図9を参照して、まず、まず、グループ希望方向推定部4は、評価値CT1を初期値0に設定する(ステップS200)。
【0064】
次に、A地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS201)。
【0065】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点への方向との差θx、θy、θzを算出する(ステップS202)。
【0066】
グループ希望方向推定部4は、θxの絶対値が閾値TH2未満のときには(ステップS203でYES)、評価値CTを1だけ増加させる(ステップS204)。
【0067】
次に、グループ希望方向推定部4は、θyの絶対値が閾値TH2未満のときには(ステップS205でYES)、評価値CTを1だけ増加させる(ステップS206)。
【0068】
次に、グループ希望方向推定部4は、θzの絶対値が閾値TH2未満のときには(ステップS207でYES)、評価値CTを1だけ増加させる(ステップS208)。
【0069】
グループ希望方向推定部4は、評価値CTが閾値TH6以上の場合に(ステップS409でYES)、グループ全体としてB地点への移動を強く希望していると推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオンにし、明るさが強となるように制御する(ステップS410)。
【0070】
グループ希望方向推定部4は、評価値CTが閾値TH6以上、かつ閾値TH7未満の場合に(ステップS411でYES)、グループ全体としてB地点への移動を高くはないが、ある程度希望していると推定する。制御部5は、B地点への方向存在する照明機器LBをオンにし、明るさが弱となるように制御する(ステップS412)。
【0071】
グループ希望方向推定部4は、評価値CTが閾値TH7未満の場合に(ステップS411でNO)、グループ全体としてB地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、B地点への方向に存在する照明機器LBをオフにする(ステップS413)。
【0072】
以上のように、本変形例によれば、評価値CTの大きさに応じて、グループが移動する可能性のある経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って適切な量に制御することができる。
【0073】
[第2の実施形態]
(動作例)
図10および図11は、第2の実施形態の動作例を説明するための図である。
【0074】
図12は、第2の実施形態の動作手順を表わすフローチャートである。
図10に示すように、説明員と見学者グループは、A地点から移動後現在B地点に存在し、B地点からC地点への方向、すなわちB地点からC地点への経路および/またはB地点に1個以上の照明機器LB1が設けられており、B地点からD地点への方向、すなわちB地点からD地点への経路および/またはD地点に1個以上の照明機器LB2が設けられている。
【0075】
図12を参照して、まず、B地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS501)。
【0076】
次に、方向関係特定部3は、図11に示すように、人物x、y、zの視線方向とB地点からC地点への方向とのなす角度θx1、θy1、θz1を算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のB地点からC地点への方向に対する成分であるcosθx1、cosθy1、cosθz1を算出する(ステップS502)。
【0077】
次に、方向関係特定部3は、図11に示すように、人物x、y、zの視線方向とB地点からD地点への方向とのなす角度θx2、θy2、θz2を算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のB地点からD地点への方向に対する成分であるcosθx2、cosθy2、cosθz2を算出する(ステップS503)。
【0078】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R1=cosθx1+cosθy1+cosθz1を算出する(ステップS504)。
【0079】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R2=cosθx2+cosθy2+cosθz2を算出する(ステップS505)。
【0080】
グループ希望方向推定部4は、評価値R1が閾値TH8以上の場合に(ステップS506でYES)、グループ全体としてC地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオンにする(ステップS507)。
【0081】
グループ希望方向推定部4は、評価値R1が閾値TH8未満の場合に(ステップS506でNO)、グループ全体としてC地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオフにする(ステップS508)。
【0082】
グループ希望方向推定部4は、評価値R2が閾値TH8以上の場合に(ステップS509でYES)、グループ全体としてD地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオンにする(ステップS510)。
【0083】
グループ希望方向推定部4は、評価値R2が閾値TH8未満の場合に(ステップS509でNO)、グループ全体としてD地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオフにする(ステップS511)。
【0084】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値R1およびR2に基づいて、グループが移動する可能性のある2つの経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【0085】
[第2の実施形態の変形例1]
図13は、第2の実施形態の変形例1の動作手順を表わすフローチャートである。
【0086】
図13を参照して、まず、グループ希望方向推定部4は、評価値CT1およびCT2を初期値0に設定する(ステップS601)。
【0087】
次に、B地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS602)。
【0088】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点からC地点への方向との差θx1、θy1、θz1を算出する(ステップS603)。
【0089】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点からD地点への方向との差θx2、θy2、θz2を算出する(ステップS604)。
【0090】
グループ希望方向推定部4は、θx1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS605でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS606)。
【0091】
次に、グループ希望方向推定部4は、θy1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS607でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS607)。
【0092】
次に、グループ希望方向推定部4は、θz1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS609でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS610)。
【0093】
グループ希望方向推定部4は、θx2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS611でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS612)。
【0094】
次に、グループ希望方向推定部4は、θy2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS613でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS614)。
【0095】
次に、グループ希望方向推定部4は、θz2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS615でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS616)。
【0096】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT1が閾値TH10以上の場合に(ステップS617でYES)、グループ全体としてC地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、C地点へ方向に存在する照明機器LB1をオンにする(ステップS618)。
【0097】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT1が閾値TH10未満の場合に(ステップS617でNO)、グループ全体としてC地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオフにする(ステップS619)。
【0098】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT2が閾値TH10以上の場合に(ステップS620でYES)、グループ全体としてD地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、D地点へ方向に存在する照明機器LB2をオンにする(ステップS621)。
【0099】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT2が閾値TH10未満の場合に(ステップS620でNO)、グループ全体としてD地点への移動を希望していないと推定する。制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオフにする(ステップS622)。
【0100】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値CT1およCT2に基づいて、グループが移動する可能性のある2つの経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【0101】
[第2の実施形態の変形例2]
図14は、第2の実施形態の変形例2の動作手順を表わすフローチャートである。
【0102】
図14を参照して、まず、B地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS501)。
【0103】
次に、方向関係特定部3は、図11に示すように、人物x、y、zの視線方向とB地点からC地点への方向とのなす角度θx1、θy1、θz1を算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のB地点からC地点への方向に対する成分であるcosθx1、cosθy1、cosθz1を算出する(ステップS502)。
【0104】
次に、方向関係特定部3は、図11に示すように、人物x、y、zの視線方向とB地点からD地点への方向とのなす角度θx2、θy2、θz2を算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のB地点からD地点への方向に対する成分であるcosθx2、cosθy2、cosθz2を算出する(ステップS503)。
【0105】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R1=cosθx1+cosθy1+cosθz1を算出する(ステップS504)。
【0106】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R2=cosθx2+cosθy2+cosθz2を算出する(ステップS505)。
【0107】
グループ希望方向推定部4は、評価値R1が評価値R2よりも大きいときには(ステップS706でYES)、グループ全体としてC地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオンにし、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオフにする(ステップS707)。
【0108】
グループ希望方向推定部4は、評価値R2が評価値R1よりも大きいときには(ステップS708でYES)、グループ全体としてD地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオンにし、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオフにする(ステップS709)。
【0109】
グループ希望方向推定部4は、評価値R2と評価値R1とが等しいときには(ステップS708でNO)、グループ全体としての希望する移動方向は不明であると判断する推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオンにし、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオンにする(ステップS710)。
【0110】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値R1およR2に基づいて、グループが移動する可能性のある2つの経路のうちの1つの経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【0111】
[第2の実施形態の変形例3]
図15は、第2の実施形態の変形例3の動作手順を表わすフローチャートである。
【0112】
図15を参照して、まず、グループ希望方向推定部4は、評価値CT1およびCT2を初期値0に設定する(ステップS601)。
【0113】
次に、B地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS602)。
【0114】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点からC地点への方向との差θx1、θy1、θz1を算出する(ステップS603)。
【0115】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点からD地点への方向との差θx2、θy2、θz2を算出する(ステップS604)。
【0116】
グループ希望方向推定部4は、θx1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS605でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS606)。
【0117】
次に、グループ希望方向推定部4は、θy1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS607でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS607)。
【0118】
次に、グループ希望方向推定部4は、θz1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS609でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS610)。
【0119】
グループ希望方向推定部4は、θx2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS611でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS612)。
【0120】
次に、グループ希望方向推定部4は、θy2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS613でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS614)。
【0121】
次に、グループ希望方向推定部4は、θz2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS615でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS616)。
【0122】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT1が評価値CT2よりも大きいときには(ステップS817でYES)、グループ全体としてC地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオンにし、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオフにする(ステップS818)。
【0123】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT2が評価値CT1よりも大きいときには(ステップS819でYES)、グループ全体としてD地点への移動を希望していると推定する。制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオンにし、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオフにする(ステップS820)。
【0124】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT2と評価値CT1とが等しいときには(ステップS819でNO)、グループ全体としての希望する移動方向は不明であると判断する推定する。制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1をオンにし、D地点への方向に存在する照明機器LB2をオンにする(ステップS821)。
【0125】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値CT1およびCT2に基づいて、グループが移動する可能性のある2つの経路のうちの1つの経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って制御することができる。
【0126】
[第2の実施形態の変形例4]
図16は、第2の実施形態の変形例4の動作例を説明するための図である。
【0127】
図16に示すように、説明員と見学者グループは、A地点から移動後現在B地点に存在し、B地点からC地点への方向、すなわちB地点からC地点への経路および/またはB地点に1個以上の調光可能な照明機器LB1が設けられており、B地点からD地点への方向、すなわちB地点からD地点への経路および/またはD地点に1個以上の調光可能な照明機器LB2が設けられている。照明機器L1および照明機器L2は、0〜最大値の範囲で多数の段階数で明るさを調整できる。
【0128】
図17は、第2の実施形態の変形例4の動作手順を表わすフローチャートである。
図17を参照して、まず、B地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS501)。
【0129】
次に、方向関係特定部3は、図11に示すように、人物x、y、zの視線方向とB地点からC地点への方向とのなす角度θx1、θy1、θz1を算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のB地点からC地点への方向に対する成分であるcosθx1、cosθy1、cosθz1を算出する(ステップS502)。
【0130】
次に、方向関係特定部3は、図11に示すように、人物x、y、zの視線方向とB地点からD地点への方向とのなす角度θx2、θy2、θz2を算出する。方向関係特定部3は、人物x、y、zの注視している方向のB地点からD地点への方向に対する成分であるcosθx2、cosθy2、cosθz2を算出する(ステップS503)。
【0131】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R1=cosθx1+cosθy1+cosθz1を算出する(ステップS504)。
【0132】
次に、グループ希望方向推定部4は、評価値R2=cosθx2+cosθy2+cosθz2を算出する(ステップS505)。
【0133】
グループ希望方向推定部4は、評価値R1とR2の和に対する評価値R1の割合WR1を算出する。グループ希望方向推定部4は、グループ全体としてC地点への移動を希望している度合いをWR1であると推定する(ステップS906)。
【0134】
グループ希望方向推定部4は、評価値R1とR2の和に対する評価値R2の割合WR2を算出する。グループ希望方向推定部4は、グループ全体としてD地点への移動を希望している度合いをWR2であると推定する(ステップS907)。
【0135】
制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1の明るさを最大値×WR1または最大値×WR1に最も近い値に設定する(ステップS908)。
【0136】
制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2の明るさを最大値×WR2または最大値×WR2に最も近い値に設定する(ステップS909)。
【0137】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値R1、R2の全体に対する割合WR1,WR2に基づいて、グループが移動する可能性のある2つの経路の各経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って適切な量に制御することができる。
【0138】
[第2の実施形態の変形例5]
図18は、第2の実施形態の変形例5の動作手順を表わすフローチャートである。
【0139】
図15を参照して、まず、グループ希望方向推定部4は、評価値CT1およびCT2を初期値0に設定する(ステップS601)。
【0140】
次に、B地点において、注視方向検出部2は、人物x、y、zの視線方向が0〜359度のいずれの方向であるかを検出する(ステップS602)。
【0141】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点からC地点への方向との差角度θx1、θy1、θz1を算出する(ステップS603)。
【0142】
次に、方向関係特定部3は、人物x、y、zの視線方向とB地点からD地点への方向との差θx2、θy2、θz2を算出する(ステップS604)。
【0143】
グループ希望方向推定部4は、θx1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS605でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS606)。
【0144】
次に、グループ希望方向推定部4は、θy1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS607でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS607)。
【0145】
次に、グループ希望方向推定部4は、θz1の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS609でNO)、評価値CT1を1だけ増加させる(ステップS610)。
【0146】
グループ希望方向推定部4は、θx2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS611でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS612)。
【0147】
次に、グループ希望方向推定部4は、θy2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS613でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS614)。
【0148】
次に、グループ希望方向推定部4は、θz2の絶対値が閾値TH9未満のときには(ステップS615でNO)、評価値CT2を1だけ増加させる(ステップS616)。
【0149】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT1とCT2の和に対する評価値CT1の割合WCT1を算出する。グループ希望方向推定部4は、グループ全体としてC地点への移動を希望している度合いをWCT1であると推定する(ステップS1016)。
【0150】
グループ希望方向推定部4は、評価値CT1とCT2の和に対する評価値CT2の割合WCT2を算出する。グループ希望方向推定部4は、グループ全体としてD地点への移動を希望している度合いをWCT2であると推定する(ステップS1017)。
【0151】
制御部5は、C地点への方向に存在する照明機器LB1の明るさを最大値×WCT1または最大値×WCT1に最も近い値に設定する(ステップS1018)。
【0152】
制御部5は、D地点への方向に存在する照明機器LB2の明るさを最大値×WCT2または最大値×WCT2に最も近い値に設定する(ステップS1019)。
【0153】
以上のように、本実施の形態によれば、評価値CT1、CR2の全体に対する割合WCT1,WCT2に基づいて、グループが移動する可能性のある2つの経路の各経路上に設けられた1個以上の機器を到着に先立って適切な量に制御することができる。
【0154】
(全体を通じての変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例も含む。
【0155】
(1) 注視方向検出部
本発明の実施形態では、注視方向検出部は、各人の視線の方向を各人の注視している方向として検出したが、これに限定するものではない。たとえば、各人の顔の方向を注視している方向として検出するものとしてもよい。顔の方向の検出については、たとえば特開平10−274516号公報に記載されている技術を用いることができる。この文献の方法は、カメラからのカラー人物画像を処理し、所定の範囲内にある肌色の色相を検出して顔領域を抽出し、顔領域から顔の形、及び位置を演算し、顔領域から目、鼻、口及び耳の各特徴領域を抽出し、特徴領域の特徴点に基づいて顔の方向を演算する。特徴点は、各特徴領域内の輝度レベルの比較演算をしてそれぞれの極大値を求め、極大値の位置情報を出力し、この位置情報に基づいて各極大値の位置間の重心演算をして中心位置を求めることによって得られる。
【0156】
(2) 他の種類の機器
本発明の実施形態では、制御する機器として照明機器を例にして説明したが、これに限定するものではない。制御する機器としては、照明機器、空調機器、昇降機(エレベータ、エスカレータ)、入退室装置のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0157】
(3) パフォーマンス制御と台数制御
第1の実施形態の変形例2、第2の実施形態の変形例4、第2の実施形態の変形例5では、一方向または各方向に存在する1個以上の照明機器の明るさ(つまり照明機器のパフォーマンス)を複数段階で制御したが、これに限定するものではない。一方向または各方向に複数台の照明機器が設置されている場合には、複数台の照明機器のうちのオンにする照明機器の台数を制御するものとしてもよい。
【0158】
また、第1の実施形態の変形例2、第2の実施形態の変形例4、第2の実施形態の変形例5において、制御する機器が空調機器の場合に、温度(つまり空調機器のパフォーマンス)を複数段階で制御する、あるいはオンにする空調機器の台数を制御することにしてもよい。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0160】
1 機器制御装置、2 注視方向推定部、3 方向関係特定部、4 グループ希望方向推定部、5 制御部、10_1〜10_N,LB1,LB2 照明機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数人で構成されるグループが移動する経路上に設けられた1個以上の機器を制御するための機器制御装置であって、
グループ内の各人が注視している方向を検出する検出部と、
前記各人が注視している方向と前記機器が存在する方向との関係を特定する特定部と、
グループ内の全員について前記特定した関係に基づいて、グループ全体として前記機器が存在する方向への移動の希望を推定する推定部と、
前記推定の結果に基づいて、前記機器を制御する制御部とを備えた機器制御装置。
【請求項2】
現地点から見て、1つの方向に少なくとも1つの機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向の前記機器が存在する方向への成分を特定し、
前記推定部は、前記成分の合計が所定値以上のときに、グループ全体として前記機器が存在する方向に移動を希望していると推定し、
前記制御部は、前記1つの方向に存在する前記少なくとも1つの機器をオンにする、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項3】
現地点から見て、1つの方向に少なくとも1つの機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向と前記機器が存在する方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、
前記推定部は、前記注視している方向が前記機器が存在する方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、前記総数が所定値以上のときに、グループ全体として前記機器が存在する方向に移動を希望していると推定し、
前記制御部は、前記1つの方向に存在する前記少なくとも1つの機器をオンにする、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項4】
現地点から見て、1つの方向に1個以上の機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向の前記機器が存在する方向への成分を特定し、
前記推定部は、前記成分の合計値に基づいて、グループ全体として前記機器が存在する方向に移動を希望している度合いを推定し、
前記制御部は、前記1つの方向に複数個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記1つの方向に存在する前記複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、前記1つの方向に存在する前記複数個の機器のパフォーマンスを調整し、
前記制御部は、前記1つの方向に1個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記1個の機器のパフォーマンスを調整する、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項5】
現地点から見て、1つの方向に1個以上の機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向と前記機器が存在する方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、
前記推定部は、前記注視している方向が前記機器が存在する方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、前記総数に基づいて、グループ全体として前記機器が存在する方向に移動を希望している度合いを推定し、
前記制御部は、前記1つの方向に複数個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記1つの方向に存在する前記複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、前記1つの方向に存在する前記複数個の機器のパフォーマンスを調整し、
前記制御部は、前記1つの方向に1個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記1個の機器のパフォーマンスを調整する、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項6】
現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向の前記機器が存在する各方向への成分を特定し、
前記推定部は、複数の方向のうちの各方向について、前記成分の合計を算出し、前記成分の合計が所定値以上の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、
前記制御部は、前記移動を希望する方向に存在する前記少なくとも1つの機器をオンにする、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項7】
現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向と前記機器が存在する各方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、
前記推定部は、前記複数の方向のうちの各方向について、前記注視している方向と前記各方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、前記総数が所定値以上の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、
前記制御部は、前記移動を希望している方向に存在する前記少なくとも1つの機器をオンにする、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項8】
現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向の前記機器が存在する各方向への成分を特定し、
前記推定部は、複数の方向のうちの各方向について、前記成分の合計を算出し、前記成分の合計が最大値の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、
前記制御部は、前記移動を希望している方向に存在する前記少なくとも1つの機器をオンにする、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項9】
現地点から見て、複数の方向の各々に少なくとも1つの機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向と前記機器が存在する各方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、
前記推定部は、複数の方向のうちの各方向について、前記注視している方向と前記各方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、前記総数が最大の方向に、グループ全体として移動を希望していると推定し、
前記制御部は、前記移動を希望している方向に存在する前記少なくとも1つの機器をオンにする、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項10】
現地点から見て、複数の方向の各々に1個以上の機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向の前記機器が存在する各方向への成分を特定し、
前記推定部は、複数の方向のうちの各方向について、前記成分の合計を算出し、前記成分の合計に基づいて、各方向への移動を希望している度合いを推定し、
前記制御部は、前記各方向に複数個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記各方向に存在する前記複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、前記各方向に存在する前記複数個の機器のパフォーマンスを調整し、
前記制御部は、前記各方向に1個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記1個の機器のパフォーマンスを調整する、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項11】
現地点から見て、複数の方向の各々に1個以上の機器が存在する場合に、
前記特定部は、各人が注視している方向と前記機器が存在する各方向との差が所定範囲内であるか否かを特定し、
前記推定部は、複数の方向のうちの各方向について、前記注視している方向と前記各方向との差が所定範囲内である各人の総数を求め、前記総数に基づいて、各方向への移動を希望している度合いを推定し、
前記制御部は、前記各方向に複数個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記各方向に存在する前記複数個の機器のうちオンにする機器の台数を調整し、あるいは、前記各方向に存在する前記複数個の機器のパフォーマンスを調整し、
前記制御部は、前記各方向に1個の機器が存在する場合に、前記度合いに基づいて、前記1個の機器のパフォーマンスを調整する、請求項1記載の機器制御装置。
【請求項12】
前記検出部は、各人の顔の方向を前記各人が注視している方向として検出する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の機器制御装置。
【請求項13】
前記検出部は、各人の視線の方向を各人が注視している方向として検出する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の機器制御装置。
【請求項14】
前記機器は、照明機器、空調機器、昇降機、入退室装置のうちの少なくとも1つである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の機器制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−54992(P2013−54992A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193825(P2011−193825)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】