機器操作装置、プログラムおよび記録媒体並びに画像形成装置
【課題】 視覚を使用せずに機器の各種操作を容易に且つ確実に行うことができる機器操作装置を提供する。
【解決手段】 この機器操作装置は、機器の操作項目の設定項目を階層構造の階層メニューとして配置し、その階層上の所望の設定項目へ移動キーによって移動し、確定キーでその設定項目を選択することによって、この機器を操作し、その操作指示とその結果とを状況に応じて音アイコン、動作音および音声の音の属性を異ならせて通知するようにして、視覚を使用せずに機器を容易に且つ確実に操作できるようにした。
【解決手段】 この機器操作装置は、機器の操作項目の設定項目を階層構造の階層メニューとして配置し、その階層上の所望の設定項目へ移動キーによって移動し、確定キーでその設定項目を選択することによって、この機器を操作し、その操作指示とその結果とを状況に応じて音アイコン、動作音および音声の音の属性を異ならせて通知するようにして、視覚を使用せずに機器を容易に且つ確実に操作できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機器操作装置、プログラムおよび記録媒体並びに画像形成装置に関し、詳細には、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置やそれらのOA機器が提供する機能を1台に統合した複合機における種々の操作において、視覚を用いないで操作が行える機器操作装置、その機器操作装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体並びに画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置やそれらのOA機器が提供する機能を1台に統合した複合機(以下、MFP(Multi-FunctionPeripherals)という)等の装置は、デジタル技術の導入などによって取り扱う機能が飛躍的に多様となりテンキーや機能キーだけでは操作ができなくなったために、ディスプレイ上にタッチパネルを設け、画面には操作手順を示す文字や入力場所を示す絵等が表示され、利用者が絵に対応して予め設定された入力エリアに触れることによって入力を行うタッチパネル入力方法が広く普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】身体障害を持った者の社会進出を促進する意味からも、身体障害を持った者が晴眼者と同じように働けるオフィス環境を整備することが望ましく、特に、米国では、リハビリテーション法508条が2001年6月21日から施行され、米国連邦政府はIT機器調達において障害者が利用できる機器を購入する義務があり、州政府、関連施設、民間企業にも追従の動きが出てきている。
【0004】上述したようなMFPでは、その操作が益々複雑化する傾向にあり、ディスプレイパネルやタッチパネル等にインストラクションを表示しなければ正しく使いこなすのが困難となってきている。特に視覚障害を有する者にとっては、この傾向は決定的なバリアを生む結果となる。
【0005】例えば、視覚障害者がMFPを操作する場合、ハードキーによる操作であれば、キーの配置を覚えることで、触覚に頼る操作もある程度可能であるが、触覚によって知覚できない液晶タッチパネル上の仮想ボタンを操作することはまったく不可能である。この操作では、操作手順とタッチエリアの位置を予め覚えておかなければならないが、操作手順やタッチエリアの位置が変わってしまった場合、利用者が覚えていた操作手順、タッチエリアの位置が無効になってしまう。このため、視覚障害を有する者にとってMFPを事実上使用不可能にしている。
【0006】これを解決するために、上述のようなMFPに、視覚障害者である情報を記録したIDカードやイヤホンを挿入することにより、視覚障害ありと判定されたとき、音声合成装置により音声ガイドを行ったり、点字出力装置を用いて点字ガイドを行ったりする装置がある。
【0007】例えば、金融機関で用いられる現金自動支払機や現金自動預出金機などの自動取引装置に適用した場合、視覚障害者である情報を記録したIDカードやイヤホンをその自動取引装置へ挿入することにより、視覚障害ありと判定されたとき、点字付きのキーと、任意の点字を出力する点字出力装置と、ハンドセットから音声ガイダンスを出力する機能を備え、操作誘導をハンドセットからの音声ガイダンスにより行い、取引種別の選択や金額の入力を点字付きのキーで行い、入力の結果を点字装置により出力することで、視覚障害者であっても自身の操作で取引を行えるようにしている。
【0008】しかしながら、晴眼者の利用者数に対して、これらの対応を必要とする障害者の利用者数が非常に少なく、その少ない利用者のためにすべての装置に障害者への対応を実施するにはコストがかかりすぎてしまう。また、点字出力装置やハンドセットなどの装置が整っていない自動取引装置や点字出力装置やハンドセットの位置や使用方法が違う自動取引装置が同時に存在すると利用者は混乱を来してしまうことになる。
【0009】また、特開平10−117263号公報の「複合装置」は、オフフック状態で操作者により音声ガイドモードに切り替えられた場合、音声出力される音声ガイドをスピーカからハンドセットへ切り替えて、音声ガイドは外部には漏れることがなくなり、複合装置の回りにいる人に迷惑をかけることなく、複合装置を利用することが可能になる。
【0010】このような音声ガイドによる設定方法では、操作者がはじめての場合には分かりやすいが、その装置に習熟した後でも操作時間の短縮は見込めないという欠点がある。また、用意された操作手順以外の操作を自由に行うことができず、晴眼者と同等な機能にアクセスすることは想定されていない。このことは視覚障害者の社会参加を阻むもととなっている。
【0011】また、特開2000−322178号公報の「画像形成システム」では、IDカードを所持する視覚障害者が画像形成装置に画像形成命令を出力する画像形成指示装置の近傍に来ると、そのIDカードからIDコードを読み取り、個人情報ファイルを参照して、そのIDコードを持つ人が視覚障害を持つと判断された場合、音声合成装置を利用して画像形成指示装置での操作案内を音声で案内するようにし、視覚障害者であっても各種の操作を容易にできるようにしている。
【0012】このような画像形成システムでは、視覚障害がある人は個人情報ファイルへ登録されるが、弱視者や老眼の人のように操作パネルの表示内容を見づらい人、または、背の低い人や車椅子に乗った人のように操作パネルを見上げる形となり表示内容を見られない人は対象外となり、依然として利用しにくいことに変りはない。
【0013】本発明は、上述した実情を考慮してなされたものであって、装置の製作コストを抑えるとともに、視覚を使用せずに各種の操作を容易に且つ確実に行うことができる機器操作装置、その機器操作装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体並びに画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、装置を操作できる人が操作できない人を手助けしやすい装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するために、本発明の請求項1の機器操作装置は、利用者が機器を操作する際、当該利用者の操作指示とその結果を音と音声によって通知するようにして、視覚を使用せずに機器を操作できるようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の機器操作装置において、前記機器の動作が進行中および/または終了したときに、その動作結果を音と音声によって利用者へ通知するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項3は、請求項1または2に記載の機器操作装置において、前記機器の操作項目に対する設定項目を階層構造の階層メニューとして配置し、その階層上の所望の設定項目へ移動し、その設定項目を選択することによってこの機器を操作するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項4は、請求項3に記載の機器操作装置において、前記設定項目は機能番号を有することを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項5は、請求項3または4に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、方向移動キーによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を移動し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。また、本発明の請求項6は、請求項3、4または5に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、音声認識によって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。また、本発明の請求項7は、請求項4、5または6に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、前記機能番号を音声認識によって指定することにより階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。また、本発明の請求項8は、請求項4、5、6または7に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、テンキーによって前記機能番号を指定することによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項9は、請求項3乃至8のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記設定項目の種類に応じた音アイコンであることを特徴とする。また、本発明の請求項10は、請求項3乃至9のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記階層上の移動場所によって異なる動作音またはBGMを出力することを特徴とする。また、本発明の請求項11は、請求項9または10に記載の機器操作装置において、前記音アイコン、前記動作音または前記BGMを出力するとき、音の属性を異なるようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項12は、請求項3乃至11のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作によって移動した前記階層上の設定項目の設定項目名および設定値を音声で読み上げることを特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項13は、請求項12に記載の機器操作装置において、前記設定項目名または前記機能番号を読み上げる際に、音の属性の変化を読み上げ音声に付加することを特徴とする。また、本発明の請求項14は、請求項13に記載の機器操作装置において、現在、設定が無効である設定項目を、選択あるいは設定可能である設定項目よりも低い音声で読み上げることを特徴とする。また、本発明の請求項15は、請求項13または14に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定されている設定項目を、選択あるいは設定されていない設定項目よりも高い音声で読み上げることを特徴とする。また、本発明の請求項16は、請求項13、14または15に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定することによって新たな選択あるいは設定項目を追加提示するように設定された項目に残響音を付加した音声で読み上げることを特徴とする。
【0018】また、本発明の請求項17は、請求項3乃至16のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記設定項目を入力するまでBGMを出力することを特徴とする。また、本発明の請求項18は、請求項3乃至17のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記各設定項目に対して確認操作を行ったときに、その設定項目の設定内容を音声により通知するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項19は、請求項3乃至18のいずれか1に記載の機器操作装置において、一括確認操作を行ったときに、既定値を変更した前記設定項目へ順次移動して、その設定内容の変化を音声で通知するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項20は、請求項3乃至19のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その設定項目ごとに既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする。また、本発明の請求項21は、請求項3乃至19に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その階層以下にある設定項目をすべて既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする。また、本発明の請求項22は、請求項2乃至21のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚表示装置を備え、前記設定項目の選択が確定されたときに、その確定した設定項目の内容を音声で通知するとともに、このとき確定した内容をこの視覚表示装置にも表示するようにしたことを特徴とする機器操作装置。また、本発明の請求項23は、請求項3乃至22のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚入力装置を備え、前記視覚表示装置に表示された設定状況に対してこの視覚入力装置から入力された場合にも音および音声によって前記利用者へ通知することを特徴とする。
【0019】また、本発明の請求項24のプログラムは、コンピュータを、請求項1乃至23のいずれか1つに記載の機器操作装置として機能させるためのプログラムである。また、本発明の請求項25の記録媒体は、請求項24に記載の機器操作プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。また、本発明の請求項26の画像形成装置は、請求項1乃至23のいずれか1に記載の機器操作装置を用いて、視覚を使用せずに画像形成装置を操作することを特徴とする。
【0020】したがって、装置の作製コストを抑えるとともに、視覚を使用せずに各種の操作を容易に且つ確実に行うことができる。また、操作のできる人が操作のできない人を手助けしやすい装置を提供できる。
【0021】また、階層メニュー中のどの位置の項目にいるのか、また、その位置の項目がどのような状態にあるのかを音声の属性を変えることによって、直感的かつ短時間で利用者に提示して操作の理解性と効率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態の説明では、本発明の機器操作装置をMFP(デジタル複合機:Multi-Function Peripherals)へ組み込んだものとして説明する。しかし、本発明の機器操作装置の組み込み対象は、MFPに限ったものではなく、多様化した機能を有する装置であれば組み込むことで同様の効果が期待できる。
【0023】A.本発明の機器操作装置を組み込んだMFP図1は、本発明の機器操作装置を組み込んだMFPのブロック図である。図1において、MFP100は、ホストとMFPを接続するためのホスト接続装置101、FAX回線に接続するためのFAX回線用接続装置102、LAN等のネットワークへ接続するためのネットワーク接続装置103、MFPの各種設定操作を行うための操作部104、原稿台から画像をスキャンし画像データを作成するスキャナ装置105、作像装置や給排紙装置を備えたプリンタエンジン106、MFP全体の制御、プリンタ言語処理、ファクシミリ制御、スキャナ制御、利用者認識処理、音出力制御、画像データ編集処理およびMFP操作に対する制御等を行う制御コントローラ107、ファクシミリ受信した画像データ、交信記録や各機能で使用した画像データを保存する記憶装置108、利用者の操作結果に応じて音および音声を出力するスピーカ、ヘッドフォン等の音出力装置109とからなる。
【0024】このようなMFP100において、プリンタ機能を利用する場合には、ホスト接続装置101を介してホストから送信された印刷データ、または、ネットワーク接続装置103を介して接続されたコンピュータから送信された印刷データが制御コントローラ107の受信バッファに一時蓄えられ、制御コントローラ107でプリンタ言語処理に従い画像データに展開され、プリンタエンジン106に送られて印刷が実行される。このMFP100のコピー機能を利用する場合には、制御コントローラ107の指示にしたがって、スキャナ装置105から読み取られた画像データをプリンタエンジン106に送って印刷が実行される。
【0025】また、利用者がこのMFP100を自由に取り扱える人である場合には、操作部104の操作パネルに表示された絵情報に従ってコピーの指示を与え、スキャナ装置105で読み取られた画像データを一旦記憶装置108へ格納しておき、制御コントローラ107の画像データ編集処理により、画像データの編集、複数画像の重ね合わせ等を実行したあと、その画像データをプリンタエンジン106によって印刷したり、FAX回線用接続装置102によってFAX送信したりすることができる。利用者がこのMFP100を自由に扱えない人である場合には、テンキー等の利用者に識別可能な入力装置とその操作状況を音として出力する音出力装置109とによってコピー指示を与えて、コピー機能を操作する。
【0026】また、MFP100のスキャナ装置105で読み取られた画像データ、FAX回線用接続装置102を介して得たファクシミリ画像データやネットワーク接続装置103を介して得た画像データをホスト接続装置101やネットワーク接続装置103を介してコンピュータへ送信し、そのコンピュータのアプリケーションで受信した画像データを再加工するようにも使うことができる。さらに、このMFP100は、ネットワーク接続装置103を介してインターネットに接続した画像データサーバから画像データを取り寄せて、プリンタエンジン106によって印刷することもできる。
【0027】B.操作部と操作パネル図2は、本発明の機器操作装置が搭載されたMFP100における操作部104の正面図である。操作部104の中央には、液晶表示部(LCD)201およびタッチパネルが設けられている。この液晶表示部201には、MFP100に組み込まれている機能(FAX、コピー、プリンタ等)に対する設定項目の表示が行われ、利用者はこの表示された設定項目に値を設定することによってMFP100の操作を行う。機能の切り替えは、機能キー206によって行われる。この液晶表示部201の右側には各機能で共通に使用する各種テンキー202、クリア/ストップキー203、スタートキー204等の各種キーが配置されている。また、この液晶表示部201の左側には、機能を切り替える機能キー206が設けられている。
【0028】C.MFPによる操作概要本MFP100の利用者は、次の2種類に分類される。
(1)本MFPを自由に操作できない人これに分類される人は、視覚障害者、肢体不自由者、弱視者、老眼・近眼の人(以下、視覚障害者等と呼ぶ)のように操作部104の液晶表示部201の画面やタッチパネル201を見て操作できない人である。または、健常者であっても、音声や音での操作を選択した人もこの分類に含まれる。この分類に属する人が本MFP100を操作するときは、音声および音によって操作のガイダンスが行われるが、MFPのこの処理形態を「非視覚モード」と呼ぶことにする。
(2)本MFPを自由に操作できる人これに分類される人は、上記の(1)に含まれない人であって、晴眼者の健常者である。この分類に属する人が本MFP100を操作するときは、操作部104の液晶表示部201およびタッチパネル201によって操作が行われるが、MFPのこの処理形態を「視覚モード」と呼ぶことにする。
【0029】以下、本MFP100の操作概要を「原稿を複写するときの操作」を用いて説明するが、本MFP100の利用者は、上述したいずれの利用者であっても、MFPの電源やテンキーがどの辺にあるかは分かっており、また、MFPの基本的な機能や操作方法を一通り勉強済みであることを前提とする。
【0030】まず、MFP100の電源を入れた状態では、「視覚モード」で動作するように設定されているので、健常者の利用者では、そのまま操作部104の画面表示とタッチパネルとによって各種の指示を与え、MFP100を操作することができる。一旦、「非視覚モード」が設定されるとタッチパネルからの指示はロックされているが、「モード」の切り替え指示を行うことによって、随時切り替えることができる。このモード切り替えキーは、特定のキー、例えば、テンキーの「*キー」を一定時間(3秒)以上押し続けることによって切り替えられる。
【0031】一方、「非視覚モード」でMFPを動作させたい人は、上記のモード切り替えキーを押下し、ヘッドフォンとマイクを備えたヘッドセットをMFP100へ接続して、「視覚モード」から「非視覚モード」へ切り替えることによって、「非視覚モードに入りました」と音声で通知される。また、ヘッドセットとMFP100との接続は、無線通信やBluetoothを使って交信するようにしてもよい。
【0032】次に、本MFP100の操作部104の機能キー206「Copy」(図2参照)を押すことによって、ヘッドフォンから「コピーの操作ができるようになりました」と音声で利用者へ知らせる。また、本MFP100は、FAXやコピー等の機能ごとに、あらかじめ操作可能なすべての操作項目を機能別に分類し、その分類をさらに細分化していくというように多階層を持った単一のメニューを作成しておく。例えば、「Copy」機能は、図3および図4(この機能分類は一部分を示したに過ぎない)に示すような階層に分類される。
【0033】利用者は、操作部104に設置された方向移動キーあるいはこの方向移動キーの代用可能なキー(以下、まとめて方向移動キーという)を用いて、この階層メニューの階層をたどって所望の操作項目に移動し、これを選択または値を設定するという操作を繰り返して所望の設定を完了した後に、スタートキー204を押下することによって、原稿の複写が作成される。
【0034】利用者が階層メニューを操作していく過程で、選択対象となった機能の説明や現在までに設定された設定項目の内容を利用者へ音声、音やBGM(Back Ground Music)によってフィードバックするので、操作部104の液晶表示部201の画面を見たり、タッチパネル201から入力しなくても、本MFP100を操作することができる。ここで音声、音やBGMは、属性(音の高下、音の速度、声の種類(男性、女性、機械的音声等)、音質、調子、音色、音場感等)を用いて、設定項目の種類や設定状況および階層の深さや場所等に応じて変化させて出力する。
【0035】また、「非視覚モード」における方向移動キーによる選択過程を操作部104の液晶表示部201の表示画面へほぼ対応付けて表示させる。ここで、ヘッドフォンをつけたまま「視覚モード」へ移行して、操作部104のタッチパネル201から入力指示を行ったとき、その操作結果をヘッドフォンへフィードバックし、もう一度「非視覚モード」のもとの位置へ切り替えることができるので、健常者が視覚障害者等を介助しやすくなる。
【0036】D.本MFPにおける操作の詳細(1)階層メニューの構造本MFPで扱うFAX機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、NetFile機能等の機能ごとに、操作可能なすべての操作項目を機能別に分類し、その分類をさらに細分化していくというように多階層の木構造を持った単一のメニューを作成し、メニューデータベース(DB)へ記憶しておく。
【0037】例えば、「変倍」、「両面」のように、より詳細な設定項目がある場合には、「変倍」や「両面」を1つの階層名とし、それらの階層の下にさらに「等倍」、「拡大」、「縮小」等選択すべき階層名を配置し、その階層名が「115%」、「93%」といった最終的な設定項目になるまで細分化する。
【0038】この階層メニュー上の設定項目の種類として、次にあげたようなものがある。
・同階層中にひとつだけ選択できる選択項目例えば、「拡大」の階層の下の「115%」か「122%」等・機能のON/OFFをトグルことができるトグル項目例えば、「フィニッシャー」の階層の下のソートするか否か等・数値を設定できる数値項目例えば、コピーする部数等の場合には、その設定項目を選択後テンキーで数値を入力・何らかの動作を始動する動作項目例えば、FAX機能で登録されている宛先リストの作成等
【0039】例えば、コピー機能の場合、先ず、図3および図4のように、第一階層の階層名を(部数、原稿、用紙、変倍、両面・集約・分割、フィニッシャー等)とし、それぞれ第二階層、第三階層等に細分化しておく。また、図3および図4のように、各階層の階層名および設定項目にはそれぞれ数字が対応しており、この数字を指定することによって、各階層をたどらなくても直接その設定項目を選択することができる。以下、この数字のことを「機能番号」という。
【0040】図5を用いて、原稿の画像が薄いためにコピー結果が濃くなるように操作するときの例を説明する。操作開始のときは、現在の階層名「部数」が利用者に音声にて知らされるので、右方向移動キーにより階層名「原稿」へ進む。このとき音声で「原稿」の位置にいることが知らされる。次に、この「原稿」の細分類である「濃度」を選択するために、下方移動キーを用いて、階層メニューを1つ下の階層へ降りる。このとき音声で「種類」の位置にいることが知らされる。
【0041】さらに、「原稿」の細分類の1つである階層名「濃度」へ進むために、右方向移動キーを押す。このとき音声で「濃度」の位置にいることが知らされる。同様に、この「濃度」の細分類である「濃く」を選択するために、下方移動キーを用いて、階層メニューを1つ下の階層へ降りる。このとき音声で「自動」の位置にいることが知らされる。さらに、「濃度」の細分類の1つである階層名「濃く」へ進むために右方向移動キー押す。このとき音声で「濃度」の位置にいることが知らされる。これにより、利用者の要求する「原稿を濃くコピーする」設定が達成できた。
【0042】(2)階層メニューの操作次に、上述したような階層メニューの操作方法について説明する。上述した階層メニュー上に配置された階層名や設定項目を移動・選択操作するには、方向移動キーあるいはそれに代用可能なキーを用いるが、以下の説明ではテンキー202を代用して用いることにする。図6は、キーごとに割り当てられた機能を示している。
【0043】即ち、階層の上下方向への移動をテンキー中の垂直方向に配置されたキーの押下によって行い、同階層の隣接項目をテンキー中の水平方向に配置されたキーにより行う。図6では、「上方移動(「2」)」キーを押下することによって階層を上にたどり、「下方移動(「8」)」キーを押下することによって階層を下にたどる。また、「左方移動(「4」)」キーを押下することによって同階層を左にたどり、「右方移動(「6」)」キーを押下することによって同階層を右にたどる。尚、上記した方向移動キーを逆に割り当てるようにしてもかまわない。
【0044】利用者が階層メニューの下層へ移動するように指示したときに、下層の設定項目が複数ある場合、下に列挙したうちのいずれか予め定めた方法によって、次の設定項目へ移動する。
【0045】・下層の最初の項目に移動する。どれが既定値というわけでもない場合、例えば、原稿の種類を選択するときに使用する。
・下層の既に選択されている項目に移動する。例えば、その下層の設定項目に、既に設定がなされた項目があれば、その項目以降の設定の続きかまたはその項目の内容を修正するために、その既に設定がなされた項目へ移動する。
・下層の既定値を持つ項目に移動する。例えば、濃度設定の場合には、「薄い、普通、濃い」の選択項目があるが、一般に、既定値として「普通」を設定しているので、その既定値「普通」の設定項目へ移動する。
【0046】また、利用者が水平方向の移動キーを操作して、同階層を移動する時には、その階層の端へ達した場合には、その階層の反対の端へ移動し、循環的な移動を行う。常に一定方向へ移動することによって、利用者の選択したい項目を見つけることができる。この場合、利用者は、この階層の項目数がどの程度の数なのかを把握することができず、メニュー上で迷子になってしまう可能性が高い。または、この循環移動を行わず、端にきたときそれ以上は移動しないようにしてもよい。この場合には、所望の項目を行き過ぎてしまった場合、反対方向に移動キーを押さなくてはならないが、その階層にある項目がどの程度の数であるかを把握することはできる。
【0047】さらに、図6では、利用者が設定の途中でどの階層にいるか分からなくなった場合や、最初から選択し直したい場合には、例えば、「トップへ戻る(「1」)」キーを押下することによって、どの階層からでもトップの階層(図3の例では、第一階層の「部数」)へ戻れる。この場合、それまでに選択または設定された設定項目は、本MFP100に記憶しておき、移動キーや確認キーによって、それまでに設定・選択された項目へ移動することができる。
【0048】また、図6において、「直接ジャンプ(「0」)」キーを押下することによって、利用者が設定したい階層や項目へ直接移動することができる。例えば、「直接ジャンプ」キーを押下し、さらにテンキーから機能番号を入力することで、その機能番号に対応した階層名または項目へ移動することができる。例えば、「直接ジャンプ」キーの押下に続いて、「435」をテンキーによって数値入力すると、本MFP100は、「変倍」→「縮小」→「71%」の順で項目が選択されたものと判断する(図3、図4参照)。
【0049】また、上記のような「直接ジャンプ」キーによって直接設定したい項目の機能番号を入力するのではなく、「音声認識(「3」)」キーを押下して、利用者が「機能番号」、「階層名」や「設定項目名」を発声し、それを本MFP100が認識し、その認識された項目へ直接移動することもできる。
【0050】また、図6において、「部分クリア(「7」)」キーを押すことによって、階層メニュー上で現在いる階層から下層にある設定項目のうち、既定値を変更した設定項目の値を既定値へ戻すことができる。設定値へ戻す際、設定項目ごとに問い合わせて、戻してよいものだけを既定値へ戻すようにしてもよいし、または、既定値を変更した設定項目すべてについて戻してよいかを問い合わせるようにしてもよい。例えば、現在、階層メニューの「フィニッシャー」階層にいる場合は、その階層以下の「ソート/スタック」、「ステープル」、「パンチ」の設定項目で既定値を変更した場合には、その設定値をクリアして既定値へ戻すようにする。
【0051】また、図6において、「現在位置の説明(「9」)」キーを押下することにより、現在、階層メニュー上のどの階層名または設定項目にいるのかを音声によりフィードバックする。フィードバック情報としては、例えば、階層名または設定項目名、機能番号および設定された値(部数)等がある。例えば、用紙をA4横に設定確定した後、「現在位置の説明」キーを押下すると、「用紙はA4横に設定されています」と音声でフィードバックされる。
【0052】また、図2において、「設定確認」キー205を押下することにより、利用者が既定値から変更した設定項目へ順次移動することができ、また、その設定値を変更することもできる。
【0053】さらに、図6において、上述した各キーによって階層メニューを操作し、所望の設定項目の設定(選択または数値入力の終了)が終了したとき、その設定項目を確定するために「確定(「#」)」キーを押下する。これにより本MFP100は、確定された設定項目の内容を操作部104の液晶表示部201の画面へ表示する。
【0054】また、図6において、「モード切り替え(「*」)」キーを押下すると、現在のモードを切り替える。現在のモードが「非視覚モード」であれば、「視覚モード」へ切り替える。但し、ヘッドセットが接続されたままであれば、音声や音等はそのヘッドセットのヘッドフォンへ出力される。従って、完全に「視覚モード」へ戻すためには、ヘッドセットも接続を切り離す必要がある。現在のモードが「視覚モード」であれば、上述のヘッドセットをMFP100へ接続することにより「非視覚モード」へ切り替えることができる。
【0055】また、本MFP100に非接触型のICカードを認識できるようにして、上述の操作によって設定された内容をそのICカードに操作名を付けて記憶させておくことにより、次回からそのICカードから操作名を指定して操作内容を読み取ることにより、同じ操作を一々設定しなおさなくてもよいように構成することができる。
【0056】(3)操作結果の動作音、音アイコンおよびBGMによる利用者へのフィードバック上述したようにテンキーを用いて階層メニュー上に配置された階層名および設定項目を移動・選択操作を行う際に、次に示すような動作の結果の確認を動作音、音アイコンおよびBGM(background music)で利用者のヘッドフォンへ出力することによって通知する。ここで音アイコンは、対象物の性質を示す静的な情報であって、階層名や設定項目のタイプを弁別する目的で音色の異なる動きのない音(短い単音)のことを言う。
【0057】また、動作音は、同一音色の異なる音(和音やごく短い旋律)を用いて動作結果のイメージをわかせ、動作と音楽理論上の音の意味付けを対応させる。例えば、階層上の上昇や下降にはそれぞれ上昇音形、下降音形を、行き止まり(移動の失敗)には不安感を感じさせる増4度の不協和音を、選択・確定には解決を意味するドミナントモーションを使う。
【0058】例えば、階層の上下への移動を通知する動作音をそれぞれ用意し、利用者の上下の階層へ移動する際にその動作音を出力することによって、階層を上下したことを知らせる。この動作音は、上記の音アイコンとは異なるものとする。また、このときのBGMも、例えば、上層階層ではゆっくりした調子のBGMとし、下層に行くにしたがって早い調子のBGMとするようにすれば今どの辺の階層にいるのかを認識できる。このとき、移動先の下層に設定項目があるか否かを動作音で出力することによって、移動できないことを利用者へ知らせることができる。また、移動先の下層にいくつの設定項目を持つかを動作音で利用者へ知らせることができる。
【0059】また、同階層の循環的移動が設定されていない場合には、水平方向へ移動を指示したとき、それ以上移動する項目がないときには、「行き止まり」の動作音で利用者へ知らせる。さらに、階層の上下方向の「行き止まり」に対しても動作音で利用者へ知らせる。また、トップへ移動、水平方向へ移動、直接移動や音声認識等のキーを押下したときに、その選択動作を確認する動作音を出力することによって、利用者は確実に操作が受け付けられていることを認識できる。
【0060】また、コピーの部数を入力するような数値入力の場合にも、その数値入力が終了するまでBGMを流すことによって、数値入力を行っていることを確認できる。
【0061】また、MFPの動作中の状態、例えば、「用紙切れ」、「トナー不足」、「紙詰まり」、「フロントカバーが開いています」等を音声によって利用者へ通知する。このような状態がすぐ解消できないような場合には、その音声が途切れてしまえばその状態はつかめなくなる。例えば、コピー動作を行っている間、本装置から利用者が離れていたときに「紙詰まりになった」場合には、この音声だけでは利用者にはわからない。しかし、音声の後にBGMを流しておけば、このような状態でも利用者に認識できる。
【0062】また、利用者が40部のコピーを指定したときに、今どのくらいのコピーが終了しているかを認識できるように、BGMを流しておき、利用者はそのBGMのどの辺を聞いたかによって、どのくらいまでコピーが進んだかを知ることができる。
【0063】このように利用者へ動作イメージをわかせるような動作音やBGM、階層名や設定項目のタイプを示す音アイコンで通知することにより、利用者が今どのような状態にあるかを認識でき、確実に入力したか、または、操作が完了したかどうかの不安を低減することができる。
【0064】(4)操作結果の音声による利用者へのフィードバック上述したようにテンキーを用いて階層メニュー上に配置された階層名や設定項目を移動・選択操作を行う際に、音声によってもヘッドフォンから出力することにより、利用者へ動作結果の確認を行うことにより、その入力および操作結果が確実になされたかを利用者が認識することができ、不安を低減することができる。このときの音声は、状況に応じて音声の属性(音の高さ、声種、音質、調子、音色、話速、音場感)を変化させてフィードバックすることにより、利用者が置かれた状況を直感的に把握させることができる。
【0065】まず、移動操作によって階層メニューをたどって、階層名や設定項目へ達したときに、その階層名や設定項目を所定の内容の音声フィードバックを行う。例えば、「拡大」や「114%」等の設定項目へ移動したときには、その項目名を読み上げる。これにより、利用者がどの設定項目に移動したかを認識できる。
【0066】この項目名を読み上げる際、既に選択されている項目をまだ選択されていない項目よりも高い声で読み上げる。これによって利用者に対して活性度の高いイメージを与え、その項目が現在選択されていることを、言語表現によるよりも素早く直感的に伝えることができる。
【0067】例えば、図3および図4の階層メニューにおいて、「変倍」の下階層の「等倍」や「拡大」はそれらのうちのどれかひとつが選択されるべきものであるが、現在どれが選択されているかを利用者が知ることができれば「等倍」が選ばれているのにさらに「等倍」を選択するという無駄が省ける。また、例えば「原稿サイズ混載」等のような選択によってON/OFFを切り替える項目では、現在選択されているか(即ちONであるか)、選択されていないか(即ちOFFであるか)を知らなければ自分の所望の状態にセットすることができない。
【0068】また、項目名を読み上げる際、無効な項目は有効な項目よりも低い音声によって読み上げる。これによって利用者に対して活性度の低いイメージを与え、その項目が現在無効であることを、言語表現によるよりも素早く直感的に伝えることができる。ある項目を選択したことにより他の項目に影響を与え、その結果として他の項目を選択できないという状況になることがある。
【0069】例えば、「用紙」に「自動」や「トレイ1」等が選ばれている時、「手差し用紙の紙種類」を選択することは有効ではない。このとき、選択できないのにその項目へ移動や選択ができるようにしておくと、利用者に選択できるという誤解を与えて混乱を招きかねない。しかし、その項目を一時的に階層メニューから削除したり、移動させないようにすると、階層メニューの構造が動的に変化することになり、聴覚的にのみメニュー構造を把握している利用者には何故メニュー構造が変ったかが分かりにくく混乱を招くことになる。
【0070】以上のような読み上げの際、音声の音高の上下は通常の高さと識別可能な変化量が必要であって、かつ発声内容を明瞭に聞き取れる範囲に抑える必要がある。例えば、通常の自然発話における音域と音声合成で明瞭性を確保できる音域を考慮し、半オクターブ程度の変化量を与えるようにする。
【0071】また、項目名を読み上げる際、下の階層の項目をもつ項目名には残響を付加して出力する。これによって利用者に対して余韻のあるイメージを与え、その項目の後にさらに細分類された項目群があることを、言語表現によるよりも素早く直感的に伝えることができる。例えば、階層メニュー上の項目には、「等倍」のようにそれ以下の階層を持たないものと、「拡大」のようにさらに下の階層の細分類項目を持つものがある。この違いを実際に下の階層へ移動せずにわかることは、利用者による階層メニューの移動作業を見通しよくすることになる。
【0072】この残響付加は、例えば、合成音声の出力を遅延器および減衰器に通した後、その合成音声に加算することで実現できる。この場合、制御パラメータは遅延器の遅延時間と減衰器の減衰量となるが、通常の音声との識別性を向上すること、および音声の明瞭性を確保することを考慮し実験的に決定する。
【0073】また、「部分クリア(「7」)」キーが押されたときには、階層メニュー上の現在位置から下層にある設定項目に対してなされた設定変更を読み上げて既定値へ戻してよいかを音声で問い合わせる。このとき、いちいち設定された設定値を既定値へ戻すかどうかを問い合わせるのではなく、すべての下層にある設定項目について既定値へ戻してよいかを問い合わせ、OKであれば一度に既定値へ戻すようにしてもよい。
【0074】現在、階層メニュー上のどの設定項目にいるのかを、「現在位置の説明(「9」)」キーを押下することにより、その設定項目に対する設定項目名や設定値等の情報提供を所定の内容の音声によりフィードバックする。例えば、「用紙」を「A4横」に設定確定した後、「現在位置の説明」キーを押下すると、「用紙はA4横に設定されています」と音声フィードバックされる。
【0075】設定項目の選択が終了し、「確定(「#」)」キーにて確定操作が行われたときに、その確定された内容を所定の内容の音声によりフィードバックを行う。例えば、「拡大」で「200%」を選択・確定したときは、「変倍は拡大200%に設定されました」という内容の音声によるフィードバックがある。
【0076】また、設定確認キーが押下されたとき、現在の階層メニュー上の設定項目(中間階層を含めて)より下にあり、利用者が既定値から設定を変更した設定項目をまとめて音声で読み上げる。このとき、一度にすべての設定項目を音声フィードバックするのではなく、1つの設定項目につき音声フィードバックし、その設定項目に誤りがあれば修正し、移動キーを操作させて次の変更されている設定項目に移動し、最後は確定キーを押下して最終確定とするようにしてもよい。また、今までに既定値から変更した設定項目をすべて知りたいときには、一旦「トップへ戻る(「1」)」キーで階層メニューのトップへ移動してから、この設定確認キーを押すことにより一括して確認することができる。
【0077】各設定項目に設定が完了し、スタートキーを押下することによって、MFPの動作が終了したときに、その成否を知らせる所定の内容の音声フィードバックを行う。例えば、「122%の変倍でコピーが終了しました」、「紙詰まりでコピーができませんでした」等の結果を音声にてフィードバックする。
【0078】また、操作中や動作中にMFPの状態を上述した設定項目の操作時の音声とは異なる話者の音声によって、動作音の後に続けて、例えば、「用紙がなくなりました」、「トナーが残り少なくなりました」、「紙詰まりが発生しました」、「フロントカバーが開いています」等と利用者へ通知する。
【0079】上述した音声フィードバックによる音声の属性(音の高さ、声種、音質、調子、音色、話速、音場感)を変化させるつまみを用意することによって、利用者に聞き取りやすい音声出力とすることができる。また、音声フィードバックの終了を待たずに、次のキー操作がなされた場合には話速を自動的に早くすることによって、利用者のイライラ感をへらすことができる。
【0080】このような階層メニュー構成および音アイコン、動作音、BGMや音声による案内を行うことによって、利用者がMFPをはじめて扱うときに5分程度の練習でほぼその操作に慣れるようになる。
【0081】上述した利用者による操作結果をMFP100の液晶表示部201の画面にほぼ同期して表示させ、さらに、その表示に基づきタッチパネル201からも入力できるようにして、健常者が視覚障害者を介助することも、また弱視者や老眼の人が画面をみて操作することもできる。例えば、利用者が途中で操作が分からなくなったときに、健常者の介助によりタッチパネルで設定項目を選択することができ、その設定が音アイコン、動作音や音声でヘッドフォンへ出力されるので、視覚障害者等の利用者も何を設定したのかを知ることができる。
【0082】(5)操作の例次に、上述したMFPを使って「部数を2部」に設定し、動作完了するまでの操作例を説明する。先ず、階層メニューを操作して「部数」のところへ移動すると、ヘッドフォンから「(ピロン)部数」という音アイコンに続いて音声で設定項目名「部数」を読み上げる。このとき「部数」の下の階層がないため、残響音は付加されない。ここで利用者が「確定(「#」)」キーを押下すると、ヘッドフォンから「(キャラン)テンキーで部数を入力して確定キーを押してください」という音アイコンに続いて部数の入力音声案内がなされ、部数の数値入力の間BGMが流れる。利用者はテンキーを使って、「2」を押すと、ヘッドフォンから入力した数字を読み、利用者が「確定(「#」)キーを押すと、ヘッドフォンから「(キャラン)部数は2部に設定されました」の音声が聞こえてくる。ここで「(ピロン)」「(キャラン)」の音は、動作音を示している。この後、利用者はスタートキーを押すと、ヘッドフォンからコピーをしている間、BGMが流れ、終了すると「コピーが2部終了しました」と音声案内がある。
【0083】E.MFPにおける機能構成図7は、本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの機能構成図である。図7のMFPは、利用者から指示により実行制御を行う制御部300とこの制御部300からの指示で音声認識や音声合成の処理を行う支援部400とから構成される。
【0084】この制御部300は、機能制御部310、操作制御部320、操作入力部330、視覚入力部340、視覚表示部350、メニュー制御部360、メニューデータベース(DB)365、音声入力部370、音出力部380、機能実行部390とから構成される。
【0085】機能制御部310は、視覚モードまたは非視覚モードのいずれを使用するかを決定し、利用者がコピー機能やファクシミリ機能等のいずれの機能を使うかを指示させ、それに対する操作のための初期設定と全体の制御を行う。また、機能制御部310は、通常は視覚モードであり、モード切り替えキーを押下して、利用者がヘッドフォンとマイクを備えたヘッドセットを挿入した場合、非視覚モードの制御を行う。
【0086】操作制御部320は、利用者からの各種の入力操作やその処理結果を表示する等の操作に対する制御を行う。操作入力部330は、数字等をテンキーから入力する。また、操作入力部330は、非視覚モードの時には、階層メニューの階層構造を移動させる方向移動キー、設定項目の選択・確定等を行う各種キーや数字を入力するテンキー等から各種の操作指示を入力する。非視覚モードの場合、その入力されたテンキーの種別によって、次のような入力機能番号の情報と入力したテンキーの種別をメニュー制御部360へ引き渡す。
【0087】(1)方向移動キーの場合現在の階層メニュー位置の階層名または設定項目に対応する機能番号に対して次のような操作を行うことによって入力機能番号を設定する。これは機能番号の構成が階層を1つ下がるごとに10倍となっており、同階層では1増加させるようになっているためである。
・上方移動(「2」)キー入力機能番号=現在の機能番号/10・下方移動(「8」)キー入力機能番号=現在の機能番号×10+1・左方移動(「4」)キー入力機能番号=現在の機能番号−1・右方移動(「6」)キー入力機能番号=現在の機能番号+1
【0088】例えば、初期状態(現在の機能番号=1)から、右方移動キーを押下すると、入力機能番号=1+1=2である。ここで、下方移動キーを押下すると、入力機能番号=2×10+1=21である。次に、ここで上方移動キー、下方移動キー、右方移動キーのいずれかのキーを押下した場合には、入力機能番号はそれぞれ2、211、22となる。
【0089】(2)直接ジャンプの場合「直接ジャンプ(「0」)」キーを入力して、数値入力可能な状態にし、利用者が設定項目に対応した機能番号をテンキーから入力し、最後に「確定(#)」キーを押下する。これによって、今テンキーから入力した数値を入力機能番号に設定する。例えば、「文字・写真」に移動したい場合には,「2→1→2→#」と押下すると、入力機能番号=212と設定される。
【0090】(3)音声認識の場合「音声認識(「3」)」キーを入力すると、音声入力部370を起動する。して、マイクロフォン等から項目名を表すことばまたは機能番号を発声する。音声入力部370では、音声認識部410を使って発声された音声を認識させ、認識結果を機能番号へ変換して操作入力部330へ戻す。これによって、入力された機能番号を入力機能番号に設定する。例えば、「もじしゃしん」と発声したときは、正しく認識されれば、入力機能番号=212と設定される。
【0091】また、操作入力部330は、利用者が階層メニューの下層へ移動を指示したときに、下層の設定項目が複数ある場合、下に列挙したうちのいずれか予め定めた方法で次の設定項目へ移動するようにしてもよい。
・下層の最初の項目に移動する。
・下層の現在選択されている項目に移動する。
・下層の既定項目に移動する。
また、操作入力部330は、利用者が水平方向の移動キーを操作して、同階層の設定項目を移動させるときには、その端の設定項目の次は反対の端の設定項目に移動したり、または、この循環移動を行わず、端にきたときそれ以上移動する項目がないので、それ以上は移動しないようにしてもよい。
【0092】視覚入力部340は、画面上に設置されたタッチパネルを用いて、一般には視覚モードでは画面に表示された各種の設定項目を選択するための入力を行う。非視覚モードから一時的に視覚モードへ切り替えて、設定項目を選択することができる。視覚表示部350は、視覚モードでは、各種の機能を画面に表示する。非視覚モードでは、利用者が階層メニューから選択し、確定した設定項目を画面へ表示する。
【0093】メニュー制御部360は、階層メニューを保持するメニューデータベース(DB)365を管理している。操作入力部330から渡された入力キーの種別がメニュー上の移動を伴う場合には、入力機能番号がメニューDB365に存在するかどうかを検索し、存在すれば現在の機能番号を入力機能番号に置き換え、この置き換えられた機能番号に対応した設定項目が示す位置に移動し、その処理が行われる。また、移動を伴わないときには、そのキーに対する処理を行う。
【0094】例えば、初期状態(機能番号=1)で上方移動キーを押下すると、入力機能番号=1/10=0となるので、メニューDB365には登録されていない。この場合には、移動は起こらない。同様に、右方移動キーを押下すると入力機能番号=1+1=2となり、メニューDB365に登録されているので、該当する項目(「原稿」)に移動する。また、機能番号=21のとき左方移動キーを押下すると、入力機能番号=21−1=20であり、該当する機能番号がメニューDB365に登録されていないので移動は起こらない。直接ジャンプや音声認識によって、機能番号が入力された場合にも、メニューDB365にその入力機能番号が存在しなければ(例えば、「2→1→6→#」)、移動は起こらない。
【0095】音声入力部370は、操作入力部330から起動され、利用者が発声した設定項目名や機能番号を入力し、音声認識部410を介して入力された音声を音声認識する。図8のような設定項目名と機能番号の対応表をメモリへ記憶させておき、音声認識して設定項目名が入力された場合には、この対応表を検索して設定項目名を機能番号へ変換する。音声入力部370は、この認識された機能番号を操作入力部330へ引き渡す。これにより、利用者が階層メニューの所望する設定項目へ直接移動することができる。
【0096】音出力部380は、非視覚モードにおいて、メニュー制御部360や操作制御部320の指示で、テンキーによる各種の操作および機能実行の成否を表す動作音、音声ガイダンス、BGM等を出力する。音声ガイダンスは、音声合成部420によって生成された音声を出力する。機能実行部390は、操作制御部320から渡される各種の設定項目に対する設定値を機能(例えば、コピー機能やファクシミリ機能等)に応じて定められたMFP100のメモリへ記憶させる。また、操作制御部320からの指示でMFP100のメモリに記憶された設定値によって、機能を実行させる。
【0097】また、この支援部400は、音声認識部410、音声合成部420、音高変更部430、残響付加部440とから構成される。音声認識部410は、音声入力部370によって呼び出され、現在利用者が操作している機能(コピー機能やファクシミリ機能)に対する音声認識用辞書(例えば、コピー用の辞書)を用いて、利用者が発声した音声(階層メニューの設定項目名、機能番号、操作指令等)を音声認識した結果を音声入力部370へ戻す。
【0098】音声合成部420は、音出力部380から呼び出され、利用者へ音声フィードバックするときに、音声合成用辞書を用いて、テキストから合成した音声をメニュー制御部360からの指示によって音高変更部430や残響付加部440で変形された音声を音出力部380へ戻す。ここで音出力部380によって音声フィードバックするときに、音声合成部420でテキストから音声合成するのではなく、録音された音声を使うようにしてもよい。
【0099】音高変更部430は、音声合成部420から送られる音声に対して、メニュー制御部360に指示された設定項目が無効であれば音高を低くする、すなわち基本周波数を高くした音声で出力し、その設定項目が選択されていれば音高を高くする、すなわち基本周波数を低くした音声で出力する。音高の上下は、通常の高さと識別可能な変化量が必要であって、かつ発声内容を明瞭に聞き取れる範囲に抑える必要があるので、通常の自然発話における音域と音声合成で明瞭性を確保できる音域を考慮し、半オクターブ程度の変化量を与える。
【0100】残響付加部440は、音声合成部420または音高変更部430からの音声に対してメニュー制御部360から指示された設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加する。残響付加は、例えば、音声を遅延器および減衰器に通した後に、入力に加算することで実現できる。この場合制御パラメータは遅延器の遅延時間と減衰器の減衰量となるが、通常の音声との識別性を向上することと音声の明瞭性を確保することを考慮し実験的に決定する。
【0101】なお、上述の構成では、音場感制御を音声属性のうち音高制御と残響付加によって行っているが、設定項目を読み上げる際は、話速、声種、音質などを変化させることで音場感を与えるように構成してもよい。話速制御は、録音合成では波形の伸縮、規則合成では音韻継続時間長の伸縮によって実現できる。また、声種の変更は、録音合成では録音元話者の変更、規則合成では素片波形の変更によって実現できる。また、音質の制御は、音声合成部の出力後にフィルターを挿入し、このカットオフ周波数を制御することによって実現できる。
【0102】F.MFPの動作このように構成された本MFPにおける動作を、コピー機能の操作を例にして説明する。図9は、コピー機能の操作に対する動作を示すフローチャートである。まず、モード切り替えキーが押下された場合(ステップS1のYES)、現在の設定モードを切り替え(ステップS2)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。「視覚モード」から「非視覚モード」へ切り替える場合、モード切り替えキーを押下し、ヘッドフォンとマイクを備えたヘッドセットをMFPへ接続しなければならない。また、「非視覚モード」へ切り替わるとタッチパネルからの入力はロックされ、ヘッドフォンから「非視覚モードに入りました」という音声の通知がなされる。一方、現在の設定モードが「非視覚モード」であれば、「視覚モード」へ切り替える。ヘッドセットが接続されたままであれば、この「視覚モード」は、一時的なものであって、タッチパネルから操作された入力はヘッドフォンへ出力される。ヘッドセットをMFPから切り離して、はじめて「視覚モード」へ切り替わる。
【0103】現在のモードが「視覚モード」の場合(ステップS3のYES)、タッチパネル201を使って視覚入力部340によりMFPの操作を行い(ステップS4)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。
【0104】現在のモードが「非視覚モード」の場合は以下の処理を行う。機能キー(FAX、コピー、プリンタ、スキャナ、ネットファイル等)206が押下された場合(ステップS5のYES)、その押された機能に対応した階層メニューをメニューDB365から取り出して初期設定し(ステップS6)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。ここでは、機能キー「Copy」(図2参照)を選択したものとすると、ヘッドフォンから「コピーの操作ができるようになりました」と音声で利用者へ知らせる。
【0105】次に、方向移動キー(上下左右)が押下された場合(ステップS7のYES)、階層の上下移動や同階層の隣接項目への移動し(ステップS8)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作入力部330は、この入力されたキーの種別と入力された機能番号とをメニュー制御部360へ渡すことにより、階層メニューのどこにいるかを管理する。
【0106】移動するときには、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出して、動作音とBGMを流し、さらに設定項目名も音声出力し、利用者へ確実に操作されていることを通知する。このときの音声は、項目名を音声合成部420によって合成した音声であり、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして読み上げる。さらに、その設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加して読み上げる。
【0107】また、メニュー制御部360は、階層メニューの端にきて、それ以上は移動できない場合には、音出力部380を呼び出して、「行き止まり」の動作音を出力し、利用者へ知らせる。階層メニュー上で上下方向に行き止まりになったときにも、「行き止まり」の動作音を出力し、利用者へ知らせる。
【0108】また、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出して、動作音、音アイコン、移動キーによって移動した先の設定項目名を音声で出力させ、この項目に対応するBGMも出力させる。このときの音声は、項目名を音声合成部420によって合成した音声であり、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして読み上げる。さらに、その設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加して読み上げる。
【0109】次に、「トップへ戻る(「1」)」キーを押下した場合(ステップS9のYES)、最上位階層の1番目のメニューにある設定項目に移動し(ステップS10)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、最上位階層の1番目のメニューにある設定項目になるように現在位置を管理する。この移動に際して、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出し、音アイコンとその移動先の設定項目名の音声を出力し、正しく動作したことを利用者へ通知する。このときの音声は、項目名を音声合成部420によって合成した音声であり、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして読み上げる。さらに、その設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加して読み上げる。
【0110】次に、「直接ジャンプ(「0」)」キーを押下した場合(ステップS11のYES)、続いて入力される機能番号に対応した設定項目に移動し(ステップS12)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作入力部330は、「直接ジャンプ(「0」)」キーが押下されると、音出力部380を呼び出し、動作音と「機能番号を入力してください」という音声とBGMとを出力する。このBGMが流れている間に、利用者はテンキーから数字を入力する。その入力された数字は音出力部380を介して読み上げられる。最後に、利用者が確定キー(「#」)を押下すると、操作入力部330は、BGMを流すのを中止させ、メニュー制御部360によって、動作音と今入力した機能番号の設定項目の名前を音声で出力し、その設定項目を現在位置として管理する。
【0111】この指定した機能番号に対応する項目が階層名であるときには、階層名を音声合成部420によって合成した音声であり、この階層名が下層に設定項目を持てば残響を付加する。また、指定した機能番号が設定項目であれば、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして、設定項目を読み上げる。例えば、キー「0」の押下に続いて、「435」をテンキーによって入力すると高音で「変倍は縮小71%に設定されました」という音声フィードバックがなされる。メニュー制御部360は、機能番号が最下層の設定項目を指定した場合には、その設定項目に対応する値をメニューDB上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0112】次に、「音声認識(「3」)」キーを押下した場合(ステップS13のYES)、続いて入力される音声を音声認識しその認識結果に対応した設定項目に移動し(ステップS14)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作入力部330は、「音声認識(「3」)」キーが押下されると、音出力部380を呼び出し、動作音とともに「設定項目名または機能番号を発声してください」と音声出力する。続いて、操作入力部330は、音声入力部370を呼び出し、利用者が発声した「設定項目名」や「機能番号」を音声認識部410で認識した認識結果をメニュー制御部360へ渡して、発声した設定項目を現在位置として管理する。このとき、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出し、音アイコンと入力した設定項目名とを音声出力し、利用者に音声入力が正しく認識されたことを通知する。
【0113】この指定した項目名や機能番号が階層名であるときには、階層名を音声合成部420によって合成した音声であり、この階層名が下層に設定項目を持てば残響を付加する。また、指定した機能番号が設定項目であれば、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして設定項目を読み上げる。メニュー制御部360は、音声で指定された項目名または機能番号が最下層の設定項目を指定した場合には、その設定項目に対応する値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0114】次に、部分クリアキー(「7」)を押下した場合(ステップS15のYES)、階層メニュー上の現在位置以下の階層にある設定項目の設定値を既定値へ戻し(ステップS16)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、部分クリアキー(「7」)が押下された場合、音出力部380を呼び出し、動作音とその指令内容(「階層メニュー上の現在位置とそれ以下の階層にある設定項目をクリアします」というメッセージ)を音声で利用者へ通知する。
【0115】続いて、メニュー制御部360は、階層メニュー上の現在位置以下の階層にある設定項目を探し、その設定項目が既定値から変更されている場合、その設定項目の設定値を読み上げて既定値へ戻すかどうかを利用者へ問い合わせる。利用者が変更してもよいと指示(例えば、確定キーによる)した場合、その設定項目の設定値を既定値へ戻す。この後、音アイコンと動作完了の音声メッセージを出力して、利用者へ部分クリアが完了したことを通知する。または、上記のように一つ一つ問い合わせることはせず、一括して既定値から変更された設定値を既定値へ戻してよいかを音声にて問い合わせるようにしてもよい。
【0116】さらに、メニュー制御部360は、既定値へ戻された設定項目とその既定値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定項目の既定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0117】次に、「現在位置の説明(「9」)」キーを押下した場合(ステップS17のYES)、現在、階層メニューのどの階層名または設定項目にいるのかの情報提供し、(ステップS18)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、「現在位置の説明(「9」)」キーが押下されると、音出力部380を呼び出し、音アイコン、現在位置の階層名または設定項目名および設定値等を音声で利用者へ通知する。
【0118】現在位置が階層名であるときには、階層名を音声合成部420によって合成した音声であり、この階層名が下層に設定項目を持てば残響を付加する。また、現在位置が設定項目であれば、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして設定項目を読み上げる。
【0119】次に、「設定確認」キーを押下した場合(ステップS19のYES)、利用者が今までにどのような設定項目を選択したのかを音声で設定項目名と設定値を音声で通知し(ステップS20)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、「設定確認」キーが押下された場合、利用者が既定値から設定を変更した設定項目へ順次移動して、音出力部380を呼び出して設定項目名とその設定値を音声で読み上げ、利用者へ通知する。この際、メニュー制御部360は、移動先を現在位置として管理し、その設定項目に誤りがあれば修正できる。さらに、メニュー制御部360は、設定項目の変更が行われると、その変更された設定項目とその設定値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定項目の設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0120】次に、「確定(「#」)」キーを押下した場合(ステップS21のYES)、現在位置の設定項目の選択を確定し(ステップS22)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、確定キー(「#」)が押下されると、音出力部380を呼び出し、動作音とその確定された動作内容を音声で出力し、利用者へ通知する。さらに、メニュー制御部360は、現在位置の設定項目の確定が行われると、その確定された設定項目とその設定値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今確定された設定項目の設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0121】最後に、各設定項目に設定が完了してスタートキーが押下された場合(ステップS23のYES)、選択されていた機能(コピー機能、ファクシミリ機能等)を実行させ(ステップS24)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作制御部320は、スタートキーが押下されると、機能実行部390を呼び出し、利用者が初めに選択した機能を動作させる。例えば、指定された機能がコピー機能であれば、これまでに設定した値に応じたコピー動作が行われる。この動作が終了したとき、操作制御部320は、音出力部380を呼び出し、利用者へその成否を音声で知らせる。例えば、「122%の変倍でコピーが終了しました」、「紙詰まりでコピーができませんでした」等の結果を音声にてフィードバックする。また、操作制御部320は、利用者が「40部」のコピーを指定したようなときには、音出力部380を介して、今どのくらいのコピーが終了しているかを認識できるように、BGMを流し、利用者はそのBGMの進み具合でどの程度の処理が完了したかを知ることができる。
【0122】また、機能制御部310は、MFPの動作中に装置の状態を監視し、例えば、「用紙切れ」、「トナー不足」、「紙詰まり」、「フロントカバーが開いている」等の場合には、音出力部380を呼び出して、音アイコンの後に、例えば、「用紙がなくなりました」、「トナーが残り少なくなりました」、「紙詰まりが発生しました」、「フロントカバーが開いています」等との音声とBGMとを出力して利用者へ通知する。
【0123】G.MFPの他の機能構成上述した実施の形態では、本発明の機器操作装置(制御部300と支援部400)をMFPへ組み込んだものとして説明した。ここでは他の実施の形態として、図10のように機器操作装置のうち制御部300をMFP、ファクシミリ装置、プリンタ装置やスキャナ装置等へ組み込み、汎用のコンピュータ(以下、PCという)へ支援部400を組み込むように構成してもよい。この場合、制御部300と支援部400との通信を行うためにそれぞれ通信部500と通信部600とをケーブル、赤外線通信、無線通信または通信回線(ネットワークを含む)等で接続する。
【0124】このような構成においては、制御部300から音声認識処理を行う場合には、通信部500を介して、音声認識処理の依頼であるというキー情報と音声入力部370で入力した音声データを通信部600へ送信する。通信部600は、このキー情報から音声認識部410を呼び出して、音声認識結果に先のキー情報をつけて、通信部500へ送り返す。通信部500は、この受信データをキー情報から音声認識結果であると判断して、音声入力部370へ戻す。
【0125】また、制御部300から音声合成処理を行う場合には、通信部500を介して、音声合成処理の依頼であるというキー情報と音出力部380で音声データへ変換したいテキスト文を通信部600へ送信する。通信部600は、このキー情報から音声合成部420または必要に応じて音高変更部430や残響付加部440を呼び出して、音声合成結果に先のキー情報をつけて、通信部600へ送り返す。通信部600は、この受信データをキー情報から音声合成結果であると判断して、音出力部380へ戻す。音声データを得る場合、テキストから音声合成させるのではなく、音声データのキー情報(どのような内容の音声データを欲しいのかの区分)によって録音された音声データを選択するように構成してもよい。
【0126】このようにMFP等とPCとに機能分担させることによって、MFP等ごとに支援部400のようなデータ量の多い辞書情報と処理時間のかかる音声認識や音声合成の処理機能を持たなくてもよくなるとともに、支援部400の辞書、処理系やPC自体のメンテナンスを行いやすくできる。このような構成の場合には、1つのPCに対して、複数のMFP等が接続するようにした方がコストバランスはよくなる。
【0127】H.MFPのさらに他の機能構成さらに他の実施の形態として、図11のように機器操作装置のうち視覚モードに関する操作系および非視覚モードにおけるテンキー等の入力系をMFP、ファクシミリ装置、プリンタ装置やスキャナ装置等(以下、MFPという)へ組み込み、非視覚モードの処理を汎用のコンピュータ(以下、PCという)へ組み込むように構成してもよい。この場合、MFPとPCとの通信を行うためにケーブル、赤外線通信、無線通信または通信回線(ネットワークを含む)等で接続する。
【0128】このような構成では、MFP側で行われる入力に対して、非視覚モードが選択された場合、通信部700を介して、操作入力部330から入力された種々のテンキーによる指示をPC側の操作制御部320へ送信する。操作制御部320は、この受信した指示を処理し、MFPへの設定項目とその値があるときには、通信部700を介して、機能実行部390へMFPのメモリへ値を設定する。
【0129】このようにMFPとPCとに機能分担させることによって、MFPごとに非視覚モードの処理系を持たなくてもよくなるとともに、非視覚モードの処理系自体のメンテナンスを行いやすくできる。このような構成の場合には、1つのPCに対して、複数のMFPが接続するようにした方がコストバランスはよくなる。
【0130】さらに、図11の実施の形態の変形例として、図12のようにモードの切り替え、機能(コピー機能やファクシミリ機能等)の選択および非視覚モードを使用するときの入力からその処理系を汎用コンピュータ(以下、PCという)で行い、設定された項目に対する値の設定や選択した機能の実行は、MFP側で行うように構成してもよい。この場合、MFPとPCとの通信を行うために赤外線通信または無線通信等で接続する。
【0131】また、PCは、テンキーやスタートキーおよびマイクとヘッドフォンとを接続できるような携帯端末であって、Bluetoothのような通信によってMFPと接続可能なものであってもよい。このようにMFPとPCとに機能分担させることによって、MFP側の変更を最小限として、且つ、PCを持つ利用者ごとに非視覚モードの処理系をカスタマイズすることができる。
【0132】このような構成では、PCを持った利用者がMFPの近傍へ行き、PCから非視覚モードの選択、機能の選択およびその機能に併せた階層メニューを操作し、その操作結果の設定項目とその値および機能の実行を操作制御部320からMFP側の通信部700へ送信する。通信部700は、機能の選択に対する指示の場合、機能設定部710によりMFPの機能(コピー機能またはファクシミリ機能等)を設定して、MFP側の機能変更による初期設定を行う。また、項目への設定や機能の実行に関しては、機能実行部390で処理する。これらの設定した結果は通信部700を介してPC側の操作制御部320へ送信され、その結果を音声等で利用者へ通知される。
【0133】I.プログラムとしての実施の形態上述した実施の形態を構成する各機能をそれぞれプログラム化し、あらかじめCD−ROM等の記録媒体に書き込んでおき、このCD−ROMをCD−ROMドライブのような媒体駆動装置を搭載したコンピュータに装着して、これらのプログラムをコンピュータのメモリあるいは記憶装置に格納し、それを実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読出されたプログラム自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0134】なお、記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
【0135】また、ロードしたプログラムを実行することにより上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0136】また、上述した実施の形態の機能を実現するプログラムが、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリにロードされ、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって、上述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。
【0137】さらに、上述したプログラムをサーバコンピュータの磁気ディスク等の記憶装置に格納しておき、通信網で接続された利用者のコンピュータからダウンロード等の形式で頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、装置の作製コストを抑えるとともに、視覚を使用せずに各種の操作を容易に且つ確実に行うことができる。また、操作のできる人が操作のできない人を手助けしやすい装置を提供できる。
【0139】また、階層メニュー中のどの位置の項目にいるのか、また、その位置の項目がどのような状態にあるのかを音声の属性を変えることによって、直感的かつ短時間で利用者に提示して操作の理解性と効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPのブロック図である。
【図2】 操作部の正面図である。
【図3】 コピー機能に関する階層メニューの例を示す図である。
【図4】 図3の続きである。
【図5】 階層メニューの展開例を示す図である。
【図6】 テンキーの機能配置例を示す図である。
【図7】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの機能構成図である。
【図8】 音声認識結果と機能番号との対応表の例である。
【図9】 コピー機能の操作に対する動作を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの他の機能構成図である。
【図11】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの他の機能構成図である。
【図12】 図11の機能構成の変形例である。
【符号の説明】
100…MFP、101…ホスト接続装置、102…FAX回線用接続装置、103…ネットワーク接続装置、104…操作部、105…スキャナ装置、106…プリンタエンジン、107…制御コントローラ、108…記憶装置、109…音出力装置、201…液晶表示部(LCD)およびタッチパネル、202…テンキー、203…クリア/ストップキー、204…スタートキー、205…設定確認キー、206…機能キー、300…制御部、310…機能制御部、320…操作制御部、330…操作入力部、340…視覚入力部、350…視覚表示部、360…メニュー制御部、365…メニューデータベース(DB)、370…音声入力部、380…音出力部、390…機能実行部、400…支援部、410…音声認識部、420…音声合成部、430…音高変更部、440…残響付加部、500,600,700…通信部、710…機能設定部。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機器操作装置、プログラムおよび記録媒体並びに画像形成装置に関し、詳細には、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置やそれらのOA機器が提供する機能を1台に統合した複合機における種々の操作において、視覚を用いないで操作が行える機器操作装置、その機器操作装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体並びに画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置やそれらのOA機器が提供する機能を1台に統合した複合機(以下、MFP(Multi-FunctionPeripherals)という)等の装置は、デジタル技術の導入などによって取り扱う機能が飛躍的に多様となりテンキーや機能キーだけでは操作ができなくなったために、ディスプレイ上にタッチパネルを設け、画面には操作手順を示す文字や入力場所を示す絵等が表示され、利用者が絵に対応して予め設定された入力エリアに触れることによって入力を行うタッチパネル入力方法が広く普及している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】身体障害を持った者の社会進出を促進する意味からも、身体障害を持った者が晴眼者と同じように働けるオフィス環境を整備することが望ましく、特に、米国では、リハビリテーション法508条が2001年6月21日から施行され、米国連邦政府はIT機器調達において障害者が利用できる機器を購入する義務があり、州政府、関連施設、民間企業にも追従の動きが出てきている。
【0004】上述したようなMFPでは、その操作が益々複雑化する傾向にあり、ディスプレイパネルやタッチパネル等にインストラクションを表示しなければ正しく使いこなすのが困難となってきている。特に視覚障害を有する者にとっては、この傾向は決定的なバリアを生む結果となる。
【0005】例えば、視覚障害者がMFPを操作する場合、ハードキーによる操作であれば、キーの配置を覚えることで、触覚に頼る操作もある程度可能であるが、触覚によって知覚できない液晶タッチパネル上の仮想ボタンを操作することはまったく不可能である。この操作では、操作手順とタッチエリアの位置を予め覚えておかなければならないが、操作手順やタッチエリアの位置が変わってしまった場合、利用者が覚えていた操作手順、タッチエリアの位置が無効になってしまう。このため、視覚障害を有する者にとってMFPを事実上使用不可能にしている。
【0006】これを解決するために、上述のようなMFPに、視覚障害者である情報を記録したIDカードやイヤホンを挿入することにより、視覚障害ありと判定されたとき、音声合成装置により音声ガイドを行ったり、点字出力装置を用いて点字ガイドを行ったりする装置がある。
【0007】例えば、金融機関で用いられる現金自動支払機や現金自動預出金機などの自動取引装置に適用した場合、視覚障害者である情報を記録したIDカードやイヤホンをその自動取引装置へ挿入することにより、視覚障害ありと判定されたとき、点字付きのキーと、任意の点字を出力する点字出力装置と、ハンドセットから音声ガイダンスを出力する機能を備え、操作誘導をハンドセットからの音声ガイダンスにより行い、取引種別の選択や金額の入力を点字付きのキーで行い、入力の結果を点字装置により出力することで、視覚障害者であっても自身の操作で取引を行えるようにしている。
【0008】しかしながら、晴眼者の利用者数に対して、これらの対応を必要とする障害者の利用者数が非常に少なく、その少ない利用者のためにすべての装置に障害者への対応を実施するにはコストがかかりすぎてしまう。また、点字出力装置やハンドセットなどの装置が整っていない自動取引装置や点字出力装置やハンドセットの位置や使用方法が違う自動取引装置が同時に存在すると利用者は混乱を来してしまうことになる。
【0009】また、特開平10−117263号公報の「複合装置」は、オフフック状態で操作者により音声ガイドモードに切り替えられた場合、音声出力される音声ガイドをスピーカからハンドセットへ切り替えて、音声ガイドは外部には漏れることがなくなり、複合装置の回りにいる人に迷惑をかけることなく、複合装置を利用することが可能になる。
【0010】このような音声ガイドによる設定方法では、操作者がはじめての場合には分かりやすいが、その装置に習熟した後でも操作時間の短縮は見込めないという欠点がある。また、用意された操作手順以外の操作を自由に行うことができず、晴眼者と同等な機能にアクセスすることは想定されていない。このことは視覚障害者の社会参加を阻むもととなっている。
【0011】また、特開2000−322178号公報の「画像形成システム」では、IDカードを所持する視覚障害者が画像形成装置に画像形成命令を出力する画像形成指示装置の近傍に来ると、そのIDカードからIDコードを読み取り、個人情報ファイルを参照して、そのIDコードを持つ人が視覚障害を持つと判断された場合、音声合成装置を利用して画像形成指示装置での操作案内を音声で案内するようにし、視覚障害者であっても各種の操作を容易にできるようにしている。
【0012】このような画像形成システムでは、視覚障害がある人は個人情報ファイルへ登録されるが、弱視者や老眼の人のように操作パネルの表示内容を見づらい人、または、背の低い人や車椅子に乗った人のように操作パネルを見上げる形となり表示内容を見られない人は対象外となり、依然として利用しにくいことに変りはない。
【0013】本発明は、上述した実情を考慮してなされたものであって、装置の製作コストを抑えるとともに、視覚を使用せずに各種の操作を容易に且つ確実に行うことができる機器操作装置、その機器操作装置の機能を実行するためのプログラムおよびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体並びに画像形成装置を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、装置を操作できる人が操作できない人を手助けしやすい装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するために、本発明の請求項1の機器操作装置は、利用者が機器を操作する際、当該利用者の操作指示とその結果を音と音声によって通知するようにして、視覚を使用せずに機器を操作できるようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の機器操作装置において、前記機器の動作が進行中および/または終了したときに、その動作結果を音と音声によって利用者へ通知するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項3は、請求項1または2に記載の機器操作装置において、前記機器の操作項目に対する設定項目を階層構造の階層メニューとして配置し、その階層上の所望の設定項目へ移動し、その設定項目を選択することによってこの機器を操作するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項4は、請求項3に記載の機器操作装置において、前記設定項目は機能番号を有することを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項5は、請求項3または4に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、方向移動キーによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を移動し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。また、本発明の請求項6は、請求項3、4または5に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、音声認識によって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。また、本発明の請求項7は、請求項4、5または6に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、前記機能番号を音声認識によって指定することにより階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。また、本発明の請求項8は、請求項4、5、6または7に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、テンキーによって前記機能番号を指定することによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項9は、請求項3乃至8のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記設定項目の種類に応じた音アイコンであることを特徴とする。また、本発明の請求項10は、請求項3乃至9のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記階層上の移動場所によって異なる動作音またはBGMを出力することを特徴とする。また、本発明の請求項11は、請求項9または10に記載の機器操作装置において、前記音アイコン、前記動作音または前記BGMを出力するとき、音の属性を異なるようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項12は、請求項3乃至11のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作によって移動した前記階層上の設定項目の設定項目名および設定値を音声で読み上げることを特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項13は、請求項12に記載の機器操作装置において、前記設定項目名または前記機能番号を読み上げる際に、音の属性の変化を読み上げ音声に付加することを特徴とする。また、本発明の請求項14は、請求項13に記載の機器操作装置において、現在、設定が無効である設定項目を、選択あるいは設定可能である設定項目よりも低い音声で読み上げることを特徴とする。また、本発明の請求項15は、請求項13または14に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定されている設定項目を、選択あるいは設定されていない設定項目よりも高い音声で読み上げることを特徴とする。また、本発明の請求項16は、請求項13、14または15に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定することによって新たな選択あるいは設定項目を追加提示するように設定された項目に残響音を付加した音声で読み上げることを特徴とする。
【0018】また、本発明の請求項17は、請求項3乃至16のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記設定項目を入力するまでBGMを出力することを特徴とする。また、本発明の請求項18は、請求項3乃至17のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記各設定項目に対して確認操作を行ったときに、その設定項目の設定内容を音声により通知するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項19は、請求項3乃至18のいずれか1に記載の機器操作装置において、一括確認操作を行ったときに、既定値を変更した前記設定項目へ順次移動して、その設定内容の変化を音声で通知するようにしたことを特徴とする。また、本発明の請求項20は、請求項3乃至19のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その設定項目ごとに既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする。また、本発明の請求項21は、請求項3乃至19に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その階層以下にある設定項目をすべて既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする。また、本発明の請求項22は、請求項2乃至21のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚表示装置を備え、前記設定項目の選択が確定されたときに、その確定した設定項目の内容を音声で通知するとともに、このとき確定した内容をこの視覚表示装置にも表示するようにしたことを特徴とする機器操作装置。また、本発明の請求項23は、請求項3乃至22のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚入力装置を備え、前記視覚表示装置に表示された設定状況に対してこの視覚入力装置から入力された場合にも音および音声によって前記利用者へ通知することを特徴とする。
【0019】また、本発明の請求項24のプログラムは、コンピュータを、請求項1乃至23のいずれか1つに記載の機器操作装置として機能させるためのプログラムである。また、本発明の請求項25の記録媒体は、請求項24に記載の機器操作プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。また、本発明の請求項26の画像形成装置は、請求項1乃至23のいずれか1に記載の機器操作装置を用いて、視覚を使用せずに画像形成装置を操作することを特徴とする。
【0020】したがって、装置の作製コストを抑えるとともに、視覚を使用せずに各種の操作を容易に且つ確実に行うことができる。また、操作のできる人が操作のできない人を手助けしやすい装置を提供できる。
【0021】また、階層メニュー中のどの位置の項目にいるのか、また、その位置の項目がどのような状態にあるのかを音声の属性を変えることによって、直感的かつ短時間で利用者に提示して操作の理解性と効率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態の説明では、本発明の機器操作装置をMFP(デジタル複合機:Multi-Function Peripherals)へ組み込んだものとして説明する。しかし、本発明の機器操作装置の組み込み対象は、MFPに限ったものではなく、多様化した機能を有する装置であれば組み込むことで同様の効果が期待できる。
【0023】A.本発明の機器操作装置を組み込んだMFP図1は、本発明の機器操作装置を組み込んだMFPのブロック図である。図1において、MFP100は、ホストとMFPを接続するためのホスト接続装置101、FAX回線に接続するためのFAX回線用接続装置102、LAN等のネットワークへ接続するためのネットワーク接続装置103、MFPの各種設定操作を行うための操作部104、原稿台から画像をスキャンし画像データを作成するスキャナ装置105、作像装置や給排紙装置を備えたプリンタエンジン106、MFP全体の制御、プリンタ言語処理、ファクシミリ制御、スキャナ制御、利用者認識処理、音出力制御、画像データ編集処理およびMFP操作に対する制御等を行う制御コントローラ107、ファクシミリ受信した画像データ、交信記録や各機能で使用した画像データを保存する記憶装置108、利用者の操作結果に応じて音および音声を出力するスピーカ、ヘッドフォン等の音出力装置109とからなる。
【0024】このようなMFP100において、プリンタ機能を利用する場合には、ホスト接続装置101を介してホストから送信された印刷データ、または、ネットワーク接続装置103を介して接続されたコンピュータから送信された印刷データが制御コントローラ107の受信バッファに一時蓄えられ、制御コントローラ107でプリンタ言語処理に従い画像データに展開され、プリンタエンジン106に送られて印刷が実行される。このMFP100のコピー機能を利用する場合には、制御コントローラ107の指示にしたがって、スキャナ装置105から読み取られた画像データをプリンタエンジン106に送って印刷が実行される。
【0025】また、利用者がこのMFP100を自由に取り扱える人である場合には、操作部104の操作パネルに表示された絵情報に従ってコピーの指示を与え、スキャナ装置105で読み取られた画像データを一旦記憶装置108へ格納しておき、制御コントローラ107の画像データ編集処理により、画像データの編集、複数画像の重ね合わせ等を実行したあと、その画像データをプリンタエンジン106によって印刷したり、FAX回線用接続装置102によってFAX送信したりすることができる。利用者がこのMFP100を自由に扱えない人である場合には、テンキー等の利用者に識別可能な入力装置とその操作状況を音として出力する音出力装置109とによってコピー指示を与えて、コピー機能を操作する。
【0026】また、MFP100のスキャナ装置105で読み取られた画像データ、FAX回線用接続装置102を介して得たファクシミリ画像データやネットワーク接続装置103を介して得た画像データをホスト接続装置101やネットワーク接続装置103を介してコンピュータへ送信し、そのコンピュータのアプリケーションで受信した画像データを再加工するようにも使うことができる。さらに、このMFP100は、ネットワーク接続装置103を介してインターネットに接続した画像データサーバから画像データを取り寄せて、プリンタエンジン106によって印刷することもできる。
【0027】B.操作部と操作パネル図2は、本発明の機器操作装置が搭載されたMFP100における操作部104の正面図である。操作部104の中央には、液晶表示部(LCD)201およびタッチパネルが設けられている。この液晶表示部201には、MFP100に組み込まれている機能(FAX、コピー、プリンタ等)に対する設定項目の表示が行われ、利用者はこの表示された設定項目に値を設定することによってMFP100の操作を行う。機能の切り替えは、機能キー206によって行われる。この液晶表示部201の右側には各機能で共通に使用する各種テンキー202、クリア/ストップキー203、スタートキー204等の各種キーが配置されている。また、この液晶表示部201の左側には、機能を切り替える機能キー206が設けられている。
【0028】C.MFPによる操作概要本MFP100の利用者は、次の2種類に分類される。
(1)本MFPを自由に操作できない人これに分類される人は、視覚障害者、肢体不自由者、弱視者、老眼・近眼の人(以下、視覚障害者等と呼ぶ)のように操作部104の液晶表示部201の画面やタッチパネル201を見て操作できない人である。または、健常者であっても、音声や音での操作を選択した人もこの分類に含まれる。この分類に属する人が本MFP100を操作するときは、音声および音によって操作のガイダンスが行われるが、MFPのこの処理形態を「非視覚モード」と呼ぶことにする。
(2)本MFPを自由に操作できる人これに分類される人は、上記の(1)に含まれない人であって、晴眼者の健常者である。この分類に属する人が本MFP100を操作するときは、操作部104の液晶表示部201およびタッチパネル201によって操作が行われるが、MFPのこの処理形態を「視覚モード」と呼ぶことにする。
【0029】以下、本MFP100の操作概要を「原稿を複写するときの操作」を用いて説明するが、本MFP100の利用者は、上述したいずれの利用者であっても、MFPの電源やテンキーがどの辺にあるかは分かっており、また、MFPの基本的な機能や操作方法を一通り勉強済みであることを前提とする。
【0030】まず、MFP100の電源を入れた状態では、「視覚モード」で動作するように設定されているので、健常者の利用者では、そのまま操作部104の画面表示とタッチパネルとによって各種の指示を与え、MFP100を操作することができる。一旦、「非視覚モード」が設定されるとタッチパネルからの指示はロックされているが、「モード」の切り替え指示を行うことによって、随時切り替えることができる。このモード切り替えキーは、特定のキー、例えば、テンキーの「*キー」を一定時間(3秒)以上押し続けることによって切り替えられる。
【0031】一方、「非視覚モード」でMFPを動作させたい人は、上記のモード切り替えキーを押下し、ヘッドフォンとマイクを備えたヘッドセットをMFP100へ接続して、「視覚モード」から「非視覚モード」へ切り替えることによって、「非視覚モードに入りました」と音声で通知される。また、ヘッドセットとMFP100との接続は、無線通信やBluetoothを使って交信するようにしてもよい。
【0032】次に、本MFP100の操作部104の機能キー206「Copy」(図2参照)を押すことによって、ヘッドフォンから「コピーの操作ができるようになりました」と音声で利用者へ知らせる。また、本MFP100は、FAXやコピー等の機能ごとに、あらかじめ操作可能なすべての操作項目を機能別に分類し、その分類をさらに細分化していくというように多階層を持った単一のメニューを作成しておく。例えば、「Copy」機能は、図3および図4(この機能分類は一部分を示したに過ぎない)に示すような階層に分類される。
【0033】利用者は、操作部104に設置された方向移動キーあるいはこの方向移動キーの代用可能なキー(以下、まとめて方向移動キーという)を用いて、この階層メニューの階層をたどって所望の操作項目に移動し、これを選択または値を設定するという操作を繰り返して所望の設定を完了した後に、スタートキー204を押下することによって、原稿の複写が作成される。
【0034】利用者が階層メニューを操作していく過程で、選択対象となった機能の説明や現在までに設定された設定項目の内容を利用者へ音声、音やBGM(Back Ground Music)によってフィードバックするので、操作部104の液晶表示部201の画面を見たり、タッチパネル201から入力しなくても、本MFP100を操作することができる。ここで音声、音やBGMは、属性(音の高下、音の速度、声の種類(男性、女性、機械的音声等)、音質、調子、音色、音場感等)を用いて、設定項目の種類や設定状況および階層の深さや場所等に応じて変化させて出力する。
【0035】また、「非視覚モード」における方向移動キーによる選択過程を操作部104の液晶表示部201の表示画面へほぼ対応付けて表示させる。ここで、ヘッドフォンをつけたまま「視覚モード」へ移行して、操作部104のタッチパネル201から入力指示を行ったとき、その操作結果をヘッドフォンへフィードバックし、もう一度「非視覚モード」のもとの位置へ切り替えることができるので、健常者が視覚障害者等を介助しやすくなる。
【0036】D.本MFPにおける操作の詳細(1)階層メニューの構造本MFPで扱うFAX機能、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、NetFile機能等の機能ごとに、操作可能なすべての操作項目を機能別に分類し、その分類をさらに細分化していくというように多階層の木構造を持った単一のメニューを作成し、メニューデータベース(DB)へ記憶しておく。
【0037】例えば、「変倍」、「両面」のように、より詳細な設定項目がある場合には、「変倍」や「両面」を1つの階層名とし、それらの階層の下にさらに「等倍」、「拡大」、「縮小」等選択すべき階層名を配置し、その階層名が「115%」、「93%」といった最終的な設定項目になるまで細分化する。
【0038】この階層メニュー上の設定項目の種類として、次にあげたようなものがある。
・同階層中にひとつだけ選択できる選択項目例えば、「拡大」の階層の下の「115%」か「122%」等・機能のON/OFFをトグルことができるトグル項目例えば、「フィニッシャー」の階層の下のソートするか否か等・数値を設定できる数値項目例えば、コピーする部数等の場合には、その設定項目を選択後テンキーで数値を入力・何らかの動作を始動する動作項目例えば、FAX機能で登録されている宛先リストの作成等
【0039】例えば、コピー機能の場合、先ず、図3および図4のように、第一階層の階層名を(部数、原稿、用紙、変倍、両面・集約・分割、フィニッシャー等)とし、それぞれ第二階層、第三階層等に細分化しておく。また、図3および図4のように、各階層の階層名および設定項目にはそれぞれ数字が対応しており、この数字を指定することによって、各階層をたどらなくても直接その設定項目を選択することができる。以下、この数字のことを「機能番号」という。
【0040】図5を用いて、原稿の画像が薄いためにコピー結果が濃くなるように操作するときの例を説明する。操作開始のときは、現在の階層名「部数」が利用者に音声にて知らされるので、右方向移動キーにより階層名「原稿」へ進む。このとき音声で「原稿」の位置にいることが知らされる。次に、この「原稿」の細分類である「濃度」を選択するために、下方移動キーを用いて、階層メニューを1つ下の階層へ降りる。このとき音声で「種類」の位置にいることが知らされる。
【0041】さらに、「原稿」の細分類の1つである階層名「濃度」へ進むために、右方向移動キーを押す。このとき音声で「濃度」の位置にいることが知らされる。同様に、この「濃度」の細分類である「濃く」を選択するために、下方移動キーを用いて、階層メニューを1つ下の階層へ降りる。このとき音声で「自動」の位置にいることが知らされる。さらに、「濃度」の細分類の1つである階層名「濃く」へ進むために右方向移動キー押す。このとき音声で「濃度」の位置にいることが知らされる。これにより、利用者の要求する「原稿を濃くコピーする」設定が達成できた。
【0042】(2)階層メニューの操作次に、上述したような階層メニューの操作方法について説明する。上述した階層メニュー上に配置された階層名や設定項目を移動・選択操作するには、方向移動キーあるいはそれに代用可能なキーを用いるが、以下の説明ではテンキー202を代用して用いることにする。図6は、キーごとに割り当てられた機能を示している。
【0043】即ち、階層の上下方向への移動をテンキー中の垂直方向に配置されたキーの押下によって行い、同階層の隣接項目をテンキー中の水平方向に配置されたキーにより行う。図6では、「上方移動(「2」)」キーを押下することによって階層を上にたどり、「下方移動(「8」)」キーを押下することによって階層を下にたどる。また、「左方移動(「4」)」キーを押下することによって同階層を左にたどり、「右方移動(「6」)」キーを押下することによって同階層を右にたどる。尚、上記した方向移動キーを逆に割り当てるようにしてもかまわない。
【0044】利用者が階層メニューの下層へ移動するように指示したときに、下層の設定項目が複数ある場合、下に列挙したうちのいずれか予め定めた方法によって、次の設定項目へ移動する。
【0045】・下層の最初の項目に移動する。どれが既定値というわけでもない場合、例えば、原稿の種類を選択するときに使用する。
・下層の既に選択されている項目に移動する。例えば、その下層の設定項目に、既に設定がなされた項目があれば、その項目以降の設定の続きかまたはその項目の内容を修正するために、その既に設定がなされた項目へ移動する。
・下層の既定値を持つ項目に移動する。例えば、濃度設定の場合には、「薄い、普通、濃い」の選択項目があるが、一般に、既定値として「普通」を設定しているので、その既定値「普通」の設定項目へ移動する。
【0046】また、利用者が水平方向の移動キーを操作して、同階層を移動する時には、その階層の端へ達した場合には、その階層の反対の端へ移動し、循環的な移動を行う。常に一定方向へ移動することによって、利用者の選択したい項目を見つけることができる。この場合、利用者は、この階層の項目数がどの程度の数なのかを把握することができず、メニュー上で迷子になってしまう可能性が高い。または、この循環移動を行わず、端にきたときそれ以上は移動しないようにしてもよい。この場合には、所望の項目を行き過ぎてしまった場合、反対方向に移動キーを押さなくてはならないが、その階層にある項目がどの程度の数であるかを把握することはできる。
【0047】さらに、図6では、利用者が設定の途中でどの階層にいるか分からなくなった場合や、最初から選択し直したい場合には、例えば、「トップへ戻る(「1」)」キーを押下することによって、どの階層からでもトップの階層(図3の例では、第一階層の「部数」)へ戻れる。この場合、それまでに選択または設定された設定項目は、本MFP100に記憶しておき、移動キーや確認キーによって、それまでに設定・選択された項目へ移動することができる。
【0048】また、図6において、「直接ジャンプ(「0」)」キーを押下することによって、利用者が設定したい階層や項目へ直接移動することができる。例えば、「直接ジャンプ」キーを押下し、さらにテンキーから機能番号を入力することで、その機能番号に対応した階層名または項目へ移動することができる。例えば、「直接ジャンプ」キーの押下に続いて、「435」をテンキーによって数値入力すると、本MFP100は、「変倍」→「縮小」→「71%」の順で項目が選択されたものと判断する(図3、図4参照)。
【0049】また、上記のような「直接ジャンプ」キーによって直接設定したい項目の機能番号を入力するのではなく、「音声認識(「3」)」キーを押下して、利用者が「機能番号」、「階層名」や「設定項目名」を発声し、それを本MFP100が認識し、その認識された項目へ直接移動することもできる。
【0050】また、図6において、「部分クリア(「7」)」キーを押すことによって、階層メニュー上で現在いる階層から下層にある設定項目のうち、既定値を変更した設定項目の値を既定値へ戻すことができる。設定値へ戻す際、設定項目ごとに問い合わせて、戻してよいものだけを既定値へ戻すようにしてもよいし、または、既定値を変更した設定項目すべてについて戻してよいかを問い合わせるようにしてもよい。例えば、現在、階層メニューの「フィニッシャー」階層にいる場合は、その階層以下の「ソート/スタック」、「ステープル」、「パンチ」の設定項目で既定値を変更した場合には、その設定値をクリアして既定値へ戻すようにする。
【0051】また、図6において、「現在位置の説明(「9」)」キーを押下することにより、現在、階層メニュー上のどの階層名または設定項目にいるのかを音声によりフィードバックする。フィードバック情報としては、例えば、階層名または設定項目名、機能番号および設定された値(部数)等がある。例えば、用紙をA4横に設定確定した後、「現在位置の説明」キーを押下すると、「用紙はA4横に設定されています」と音声でフィードバックされる。
【0052】また、図2において、「設定確認」キー205を押下することにより、利用者が既定値から変更した設定項目へ順次移動することができ、また、その設定値を変更することもできる。
【0053】さらに、図6において、上述した各キーによって階層メニューを操作し、所望の設定項目の設定(選択または数値入力の終了)が終了したとき、その設定項目を確定するために「確定(「#」)」キーを押下する。これにより本MFP100は、確定された設定項目の内容を操作部104の液晶表示部201の画面へ表示する。
【0054】また、図6において、「モード切り替え(「*」)」キーを押下すると、現在のモードを切り替える。現在のモードが「非視覚モード」であれば、「視覚モード」へ切り替える。但し、ヘッドセットが接続されたままであれば、音声や音等はそのヘッドセットのヘッドフォンへ出力される。従って、完全に「視覚モード」へ戻すためには、ヘッドセットも接続を切り離す必要がある。現在のモードが「視覚モード」であれば、上述のヘッドセットをMFP100へ接続することにより「非視覚モード」へ切り替えることができる。
【0055】また、本MFP100に非接触型のICカードを認識できるようにして、上述の操作によって設定された内容をそのICカードに操作名を付けて記憶させておくことにより、次回からそのICカードから操作名を指定して操作内容を読み取ることにより、同じ操作を一々設定しなおさなくてもよいように構成することができる。
【0056】(3)操作結果の動作音、音アイコンおよびBGMによる利用者へのフィードバック上述したようにテンキーを用いて階層メニュー上に配置された階層名および設定項目を移動・選択操作を行う際に、次に示すような動作の結果の確認を動作音、音アイコンおよびBGM(background music)で利用者のヘッドフォンへ出力することによって通知する。ここで音アイコンは、対象物の性質を示す静的な情報であって、階層名や設定項目のタイプを弁別する目的で音色の異なる動きのない音(短い単音)のことを言う。
【0057】また、動作音は、同一音色の異なる音(和音やごく短い旋律)を用いて動作結果のイメージをわかせ、動作と音楽理論上の音の意味付けを対応させる。例えば、階層上の上昇や下降にはそれぞれ上昇音形、下降音形を、行き止まり(移動の失敗)には不安感を感じさせる増4度の不協和音を、選択・確定には解決を意味するドミナントモーションを使う。
【0058】例えば、階層の上下への移動を通知する動作音をそれぞれ用意し、利用者の上下の階層へ移動する際にその動作音を出力することによって、階層を上下したことを知らせる。この動作音は、上記の音アイコンとは異なるものとする。また、このときのBGMも、例えば、上層階層ではゆっくりした調子のBGMとし、下層に行くにしたがって早い調子のBGMとするようにすれば今どの辺の階層にいるのかを認識できる。このとき、移動先の下層に設定項目があるか否かを動作音で出力することによって、移動できないことを利用者へ知らせることができる。また、移動先の下層にいくつの設定項目を持つかを動作音で利用者へ知らせることができる。
【0059】また、同階層の循環的移動が設定されていない場合には、水平方向へ移動を指示したとき、それ以上移動する項目がないときには、「行き止まり」の動作音で利用者へ知らせる。さらに、階層の上下方向の「行き止まり」に対しても動作音で利用者へ知らせる。また、トップへ移動、水平方向へ移動、直接移動や音声認識等のキーを押下したときに、その選択動作を確認する動作音を出力することによって、利用者は確実に操作が受け付けられていることを認識できる。
【0060】また、コピーの部数を入力するような数値入力の場合にも、その数値入力が終了するまでBGMを流すことによって、数値入力を行っていることを確認できる。
【0061】また、MFPの動作中の状態、例えば、「用紙切れ」、「トナー不足」、「紙詰まり」、「フロントカバーが開いています」等を音声によって利用者へ通知する。このような状態がすぐ解消できないような場合には、その音声が途切れてしまえばその状態はつかめなくなる。例えば、コピー動作を行っている間、本装置から利用者が離れていたときに「紙詰まりになった」場合には、この音声だけでは利用者にはわからない。しかし、音声の後にBGMを流しておけば、このような状態でも利用者に認識できる。
【0062】また、利用者が40部のコピーを指定したときに、今どのくらいのコピーが終了しているかを認識できるように、BGMを流しておき、利用者はそのBGMのどの辺を聞いたかによって、どのくらいまでコピーが進んだかを知ることができる。
【0063】このように利用者へ動作イメージをわかせるような動作音やBGM、階層名や設定項目のタイプを示す音アイコンで通知することにより、利用者が今どのような状態にあるかを認識でき、確実に入力したか、または、操作が完了したかどうかの不安を低減することができる。
【0064】(4)操作結果の音声による利用者へのフィードバック上述したようにテンキーを用いて階層メニュー上に配置された階層名や設定項目を移動・選択操作を行う際に、音声によってもヘッドフォンから出力することにより、利用者へ動作結果の確認を行うことにより、その入力および操作結果が確実になされたかを利用者が認識することができ、不安を低減することができる。このときの音声は、状況に応じて音声の属性(音の高さ、声種、音質、調子、音色、話速、音場感)を変化させてフィードバックすることにより、利用者が置かれた状況を直感的に把握させることができる。
【0065】まず、移動操作によって階層メニューをたどって、階層名や設定項目へ達したときに、その階層名や設定項目を所定の内容の音声フィードバックを行う。例えば、「拡大」や「114%」等の設定項目へ移動したときには、その項目名を読み上げる。これにより、利用者がどの設定項目に移動したかを認識できる。
【0066】この項目名を読み上げる際、既に選択されている項目をまだ選択されていない項目よりも高い声で読み上げる。これによって利用者に対して活性度の高いイメージを与え、その項目が現在選択されていることを、言語表現によるよりも素早く直感的に伝えることができる。
【0067】例えば、図3および図4の階層メニューにおいて、「変倍」の下階層の「等倍」や「拡大」はそれらのうちのどれかひとつが選択されるべきものであるが、現在どれが選択されているかを利用者が知ることができれば「等倍」が選ばれているのにさらに「等倍」を選択するという無駄が省ける。また、例えば「原稿サイズ混載」等のような選択によってON/OFFを切り替える項目では、現在選択されているか(即ちONであるか)、選択されていないか(即ちOFFであるか)を知らなければ自分の所望の状態にセットすることができない。
【0068】また、項目名を読み上げる際、無効な項目は有効な項目よりも低い音声によって読み上げる。これによって利用者に対して活性度の低いイメージを与え、その項目が現在無効であることを、言語表現によるよりも素早く直感的に伝えることができる。ある項目を選択したことにより他の項目に影響を与え、その結果として他の項目を選択できないという状況になることがある。
【0069】例えば、「用紙」に「自動」や「トレイ1」等が選ばれている時、「手差し用紙の紙種類」を選択することは有効ではない。このとき、選択できないのにその項目へ移動や選択ができるようにしておくと、利用者に選択できるという誤解を与えて混乱を招きかねない。しかし、その項目を一時的に階層メニューから削除したり、移動させないようにすると、階層メニューの構造が動的に変化することになり、聴覚的にのみメニュー構造を把握している利用者には何故メニュー構造が変ったかが分かりにくく混乱を招くことになる。
【0070】以上のような読み上げの際、音声の音高の上下は通常の高さと識別可能な変化量が必要であって、かつ発声内容を明瞭に聞き取れる範囲に抑える必要がある。例えば、通常の自然発話における音域と音声合成で明瞭性を確保できる音域を考慮し、半オクターブ程度の変化量を与えるようにする。
【0071】また、項目名を読み上げる際、下の階層の項目をもつ項目名には残響を付加して出力する。これによって利用者に対して余韻のあるイメージを与え、その項目の後にさらに細分類された項目群があることを、言語表現によるよりも素早く直感的に伝えることができる。例えば、階層メニュー上の項目には、「等倍」のようにそれ以下の階層を持たないものと、「拡大」のようにさらに下の階層の細分類項目を持つものがある。この違いを実際に下の階層へ移動せずにわかることは、利用者による階層メニューの移動作業を見通しよくすることになる。
【0072】この残響付加は、例えば、合成音声の出力を遅延器および減衰器に通した後、その合成音声に加算することで実現できる。この場合、制御パラメータは遅延器の遅延時間と減衰器の減衰量となるが、通常の音声との識別性を向上すること、および音声の明瞭性を確保することを考慮し実験的に決定する。
【0073】また、「部分クリア(「7」)」キーが押されたときには、階層メニュー上の現在位置から下層にある設定項目に対してなされた設定変更を読み上げて既定値へ戻してよいかを音声で問い合わせる。このとき、いちいち設定された設定値を既定値へ戻すかどうかを問い合わせるのではなく、すべての下層にある設定項目について既定値へ戻してよいかを問い合わせ、OKであれば一度に既定値へ戻すようにしてもよい。
【0074】現在、階層メニュー上のどの設定項目にいるのかを、「現在位置の説明(「9」)」キーを押下することにより、その設定項目に対する設定項目名や設定値等の情報提供を所定の内容の音声によりフィードバックする。例えば、「用紙」を「A4横」に設定確定した後、「現在位置の説明」キーを押下すると、「用紙はA4横に設定されています」と音声フィードバックされる。
【0075】設定項目の選択が終了し、「確定(「#」)」キーにて確定操作が行われたときに、その確定された内容を所定の内容の音声によりフィードバックを行う。例えば、「拡大」で「200%」を選択・確定したときは、「変倍は拡大200%に設定されました」という内容の音声によるフィードバックがある。
【0076】また、設定確認キーが押下されたとき、現在の階層メニュー上の設定項目(中間階層を含めて)より下にあり、利用者が既定値から設定を変更した設定項目をまとめて音声で読み上げる。このとき、一度にすべての設定項目を音声フィードバックするのではなく、1つの設定項目につき音声フィードバックし、その設定項目に誤りがあれば修正し、移動キーを操作させて次の変更されている設定項目に移動し、最後は確定キーを押下して最終確定とするようにしてもよい。また、今までに既定値から変更した設定項目をすべて知りたいときには、一旦「トップへ戻る(「1」)」キーで階層メニューのトップへ移動してから、この設定確認キーを押すことにより一括して確認することができる。
【0077】各設定項目に設定が完了し、スタートキーを押下することによって、MFPの動作が終了したときに、その成否を知らせる所定の内容の音声フィードバックを行う。例えば、「122%の変倍でコピーが終了しました」、「紙詰まりでコピーができませんでした」等の結果を音声にてフィードバックする。
【0078】また、操作中や動作中にMFPの状態を上述した設定項目の操作時の音声とは異なる話者の音声によって、動作音の後に続けて、例えば、「用紙がなくなりました」、「トナーが残り少なくなりました」、「紙詰まりが発生しました」、「フロントカバーが開いています」等と利用者へ通知する。
【0079】上述した音声フィードバックによる音声の属性(音の高さ、声種、音質、調子、音色、話速、音場感)を変化させるつまみを用意することによって、利用者に聞き取りやすい音声出力とすることができる。また、音声フィードバックの終了を待たずに、次のキー操作がなされた場合には話速を自動的に早くすることによって、利用者のイライラ感をへらすことができる。
【0080】このような階層メニュー構成および音アイコン、動作音、BGMや音声による案内を行うことによって、利用者がMFPをはじめて扱うときに5分程度の練習でほぼその操作に慣れるようになる。
【0081】上述した利用者による操作結果をMFP100の液晶表示部201の画面にほぼ同期して表示させ、さらに、その表示に基づきタッチパネル201からも入力できるようにして、健常者が視覚障害者を介助することも、また弱視者や老眼の人が画面をみて操作することもできる。例えば、利用者が途中で操作が分からなくなったときに、健常者の介助によりタッチパネルで設定項目を選択することができ、その設定が音アイコン、動作音や音声でヘッドフォンへ出力されるので、視覚障害者等の利用者も何を設定したのかを知ることができる。
【0082】(5)操作の例次に、上述したMFPを使って「部数を2部」に設定し、動作完了するまでの操作例を説明する。先ず、階層メニューを操作して「部数」のところへ移動すると、ヘッドフォンから「(ピロン)部数」という音アイコンに続いて音声で設定項目名「部数」を読み上げる。このとき「部数」の下の階層がないため、残響音は付加されない。ここで利用者が「確定(「#」)」キーを押下すると、ヘッドフォンから「(キャラン)テンキーで部数を入力して確定キーを押してください」という音アイコンに続いて部数の入力音声案内がなされ、部数の数値入力の間BGMが流れる。利用者はテンキーを使って、「2」を押すと、ヘッドフォンから入力した数字を読み、利用者が「確定(「#」)キーを押すと、ヘッドフォンから「(キャラン)部数は2部に設定されました」の音声が聞こえてくる。ここで「(ピロン)」「(キャラン)」の音は、動作音を示している。この後、利用者はスタートキーを押すと、ヘッドフォンからコピーをしている間、BGMが流れ、終了すると「コピーが2部終了しました」と音声案内がある。
【0083】E.MFPにおける機能構成図7は、本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの機能構成図である。図7のMFPは、利用者から指示により実行制御を行う制御部300とこの制御部300からの指示で音声認識や音声合成の処理を行う支援部400とから構成される。
【0084】この制御部300は、機能制御部310、操作制御部320、操作入力部330、視覚入力部340、視覚表示部350、メニュー制御部360、メニューデータベース(DB)365、音声入力部370、音出力部380、機能実行部390とから構成される。
【0085】機能制御部310は、視覚モードまたは非視覚モードのいずれを使用するかを決定し、利用者がコピー機能やファクシミリ機能等のいずれの機能を使うかを指示させ、それに対する操作のための初期設定と全体の制御を行う。また、機能制御部310は、通常は視覚モードであり、モード切り替えキーを押下して、利用者がヘッドフォンとマイクを備えたヘッドセットを挿入した場合、非視覚モードの制御を行う。
【0086】操作制御部320は、利用者からの各種の入力操作やその処理結果を表示する等の操作に対する制御を行う。操作入力部330は、数字等をテンキーから入力する。また、操作入力部330は、非視覚モードの時には、階層メニューの階層構造を移動させる方向移動キー、設定項目の選択・確定等を行う各種キーや数字を入力するテンキー等から各種の操作指示を入力する。非視覚モードの場合、その入力されたテンキーの種別によって、次のような入力機能番号の情報と入力したテンキーの種別をメニュー制御部360へ引き渡す。
【0087】(1)方向移動キーの場合現在の階層メニュー位置の階層名または設定項目に対応する機能番号に対して次のような操作を行うことによって入力機能番号を設定する。これは機能番号の構成が階層を1つ下がるごとに10倍となっており、同階層では1増加させるようになっているためである。
・上方移動(「2」)キー入力機能番号=現在の機能番号/10・下方移動(「8」)キー入力機能番号=現在の機能番号×10+1・左方移動(「4」)キー入力機能番号=現在の機能番号−1・右方移動(「6」)キー入力機能番号=現在の機能番号+1
【0088】例えば、初期状態(現在の機能番号=1)から、右方移動キーを押下すると、入力機能番号=1+1=2である。ここで、下方移動キーを押下すると、入力機能番号=2×10+1=21である。次に、ここで上方移動キー、下方移動キー、右方移動キーのいずれかのキーを押下した場合には、入力機能番号はそれぞれ2、211、22となる。
【0089】(2)直接ジャンプの場合「直接ジャンプ(「0」)」キーを入力して、数値入力可能な状態にし、利用者が設定項目に対応した機能番号をテンキーから入力し、最後に「確定(#)」キーを押下する。これによって、今テンキーから入力した数値を入力機能番号に設定する。例えば、「文字・写真」に移動したい場合には,「2→1→2→#」と押下すると、入力機能番号=212と設定される。
【0090】(3)音声認識の場合「音声認識(「3」)」キーを入力すると、音声入力部370を起動する。して、マイクロフォン等から項目名を表すことばまたは機能番号を発声する。音声入力部370では、音声認識部410を使って発声された音声を認識させ、認識結果を機能番号へ変換して操作入力部330へ戻す。これによって、入力された機能番号を入力機能番号に設定する。例えば、「もじしゃしん」と発声したときは、正しく認識されれば、入力機能番号=212と設定される。
【0091】また、操作入力部330は、利用者が階層メニューの下層へ移動を指示したときに、下層の設定項目が複数ある場合、下に列挙したうちのいずれか予め定めた方法で次の設定項目へ移動するようにしてもよい。
・下層の最初の項目に移動する。
・下層の現在選択されている項目に移動する。
・下層の既定項目に移動する。
また、操作入力部330は、利用者が水平方向の移動キーを操作して、同階層の設定項目を移動させるときには、その端の設定項目の次は反対の端の設定項目に移動したり、または、この循環移動を行わず、端にきたときそれ以上移動する項目がないので、それ以上は移動しないようにしてもよい。
【0092】視覚入力部340は、画面上に設置されたタッチパネルを用いて、一般には視覚モードでは画面に表示された各種の設定項目を選択するための入力を行う。非視覚モードから一時的に視覚モードへ切り替えて、設定項目を選択することができる。視覚表示部350は、視覚モードでは、各種の機能を画面に表示する。非視覚モードでは、利用者が階層メニューから選択し、確定した設定項目を画面へ表示する。
【0093】メニュー制御部360は、階層メニューを保持するメニューデータベース(DB)365を管理している。操作入力部330から渡された入力キーの種別がメニュー上の移動を伴う場合には、入力機能番号がメニューDB365に存在するかどうかを検索し、存在すれば現在の機能番号を入力機能番号に置き換え、この置き換えられた機能番号に対応した設定項目が示す位置に移動し、その処理が行われる。また、移動を伴わないときには、そのキーに対する処理を行う。
【0094】例えば、初期状態(機能番号=1)で上方移動キーを押下すると、入力機能番号=1/10=0となるので、メニューDB365には登録されていない。この場合には、移動は起こらない。同様に、右方移動キーを押下すると入力機能番号=1+1=2となり、メニューDB365に登録されているので、該当する項目(「原稿」)に移動する。また、機能番号=21のとき左方移動キーを押下すると、入力機能番号=21−1=20であり、該当する機能番号がメニューDB365に登録されていないので移動は起こらない。直接ジャンプや音声認識によって、機能番号が入力された場合にも、メニューDB365にその入力機能番号が存在しなければ(例えば、「2→1→6→#」)、移動は起こらない。
【0095】音声入力部370は、操作入力部330から起動され、利用者が発声した設定項目名や機能番号を入力し、音声認識部410を介して入力された音声を音声認識する。図8のような設定項目名と機能番号の対応表をメモリへ記憶させておき、音声認識して設定項目名が入力された場合には、この対応表を検索して設定項目名を機能番号へ変換する。音声入力部370は、この認識された機能番号を操作入力部330へ引き渡す。これにより、利用者が階層メニューの所望する設定項目へ直接移動することができる。
【0096】音出力部380は、非視覚モードにおいて、メニュー制御部360や操作制御部320の指示で、テンキーによる各種の操作および機能実行の成否を表す動作音、音声ガイダンス、BGM等を出力する。音声ガイダンスは、音声合成部420によって生成された音声を出力する。機能実行部390は、操作制御部320から渡される各種の設定項目に対する設定値を機能(例えば、コピー機能やファクシミリ機能等)に応じて定められたMFP100のメモリへ記憶させる。また、操作制御部320からの指示でMFP100のメモリに記憶された設定値によって、機能を実行させる。
【0097】また、この支援部400は、音声認識部410、音声合成部420、音高変更部430、残響付加部440とから構成される。音声認識部410は、音声入力部370によって呼び出され、現在利用者が操作している機能(コピー機能やファクシミリ機能)に対する音声認識用辞書(例えば、コピー用の辞書)を用いて、利用者が発声した音声(階層メニューの設定項目名、機能番号、操作指令等)を音声認識した結果を音声入力部370へ戻す。
【0098】音声合成部420は、音出力部380から呼び出され、利用者へ音声フィードバックするときに、音声合成用辞書を用いて、テキストから合成した音声をメニュー制御部360からの指示によって音高変更部430や残響付加部440で変形された音声を音出力部380へ戻す。ここで音出力部380によって音声フィードバックするときに、音声合成部420でテキストから音声合成するのではなく、録音された音声を使うようにしてもよい。
【0099】音高変更部430は、音声合成部420から送られる音声に対して、メニュー制御部360に指示された設定項目が無効であれば音高を低くする、すなわち基本周波数を高くした音声で出力し、その設定項目が選択されていれば音高を高くする、すなわち基本周波数を低くした音声で出力する。音高の上下は、通常の高さと識別可能な変化量が必要であって、かつ発声内容を明瞭に聞き取れる範囲に抑える必要があるので、通常の自然発話における音域と音声合成で明瞭性を確保できる音域を考慮し、半オクターブ程度の変化量を与える。
【0100】残響付加部440は、音声合成部420または音高変更部430からの音声に対してメニュー制御部360から指示された設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加する。残響付加は、例えば、音声を遅延器および減衰器に通した後に、入力に加算することで実現できる。この場合制御パラメータは遅延器の遅延時間と減衰器の減衰量となるが、通常の音声との識別性を向上することと音声の明瞭性を確保することを考慮し実験的に決定する。
【0101】なお、上述の構成では、音場感制御を音声属性のうち音高制御と残響付加によって行っているが、設定項目を読み上げる際は、話速、声種、音質などを変化させることで音場感を与えるように構成してもよい。話速制御は、録音合成では波形の伸縮、規則合成では音韻継続時間長の伸縮によって実現できる。また、声種の変更は、録音合成では録音元話者の変更、規則合成では素片波形の変更によって実現できる。また、音質の制御は、音声合成部の出力後にフィルターを挿入し、このカットオフ周波数を制御することによって実現できる。
【0102】F.MFPの動作このように構成された本MFPにおける動作を、コピー機能の操作を例にして説明する。図9は、コピー機能の操作に対する動作を示すフローチャートである。まず、モード切り替えキーが押下された場合(ステップS1のYES)、現在の設定モードを切り替え(ステップS2)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。「視覚モード」から「非視覚モード」へ切り替える場合、モード切り替えキーを押下し、ヘッドフォンとマイクを備えたヘッドセットをMFPへ接続しなければならない。また、「非視覚モード」へ切り替わるとタッチパネルからの入力はロックされ、ヘッドフォンから「非視覚モードに入りました」という音声の通知がなされる。一方、現在の設定モードが「非視覚モード」であれば、「視覚モード」へ切り替える。ヘッドセットが接続されたままであれば、この「視覚モード」は、一時的なものであって、タッチパネルから操作された入力はヘッドフォンへ出力される。ヘッドセットをMFPから切り離して、はじめて「視覚モード」へ切り替わる。
【0103】現在のモードが「視覚モード」の場合(ステップS3のYES)、タッチパネル201を使って視覚入力部340によりMFPの操作を行い(ステップS4)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。
【0104】現在のモードが「非視覚モード」の場合は以下の処理を行う。機能キー(FAX、コピー、プリンタ、スキャナ、ネットファイル等)206が押下された場合(ステップS5のYES)、その押された機能に対応した階層メニューをメニューDB365から取り出して初期設定し(ステップS6)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。ここでは、機能キー「Copy」(図2参照)を選択したものとすると、ヘッドフォンから「コピーの操作ができるようになりました」と音声で利用者へ知らせる。
【0105】次に、方向移動キー(上下左右)が押下された場合(ステップS7のYES)、階層の上下移動や同階層の隣接項目への移動し(ステップS8)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作入力部330は、この入力されたキーの種別と入力された機能番号とをメニュー制御部360へ渡すことにより、階層メニューのどこにいるかを管理する。
【0106】移動するときには、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出して、動作音とBGMを流し、さらに設定項目名も音声出力し、利用者へ確実に操作されていることを通知する。このときの音声は、項目名を音声合成部420によって合成した音声であり、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして読み上げる。さらに、その設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加して読み上げる。
【0107】また、メニュー制御部360は、階層メニューの端にきて、それ以上は移動できない場合には、音出力部380を呼び出して、「行き止まり」の動作音を出力し、利用者へ知らせる。階層メニュー上で上下方向に行き止まりになったときにも、「行き止まり」の動作音を出力し、利用者へ知らせる。
【0108】また、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出して、動作音、音アイコン、移動キーによって移動した先の設定項目名を音声で出力させ、この項目に対応するBGMも出力させる。このときの音声は、項目名を音声合成部420によって合成した音声であり、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして読み上げる。さらに、その設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加して読み上げる。
【0109】次に、「トップへ戻る(「1」)」キーを押下した場合(ステップS9のYES)、最上位階層の1番目のメニューにある設定項目に移動し(ステップS10)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、最上位階層の1番目のメニューにある設定項目になるように現在位置を管理する。この移動に際して、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出し、音アイコンとその移動先の設定項目名の音声を出力し、正しく動作したことを利用者へ通知する。このときの音声は、項目名を音声合成部420によって合成した音声であり、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして読み上げる。さらに、その設定項目が下層に設定項目を持てば残響を付加して読み上げる。
【0110】次に、「直接ジャンプ(「0」)」キーを押下した場合(ステップS11のYES)、続いて入力される機能番号に対応した設定項目に移動し(ステップS12)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作入力部330は、「直接ジャンプ(「0」)」キーが押下されると、音出力部380を呼び出し、動作音と「機能番号を入力してください」という音声とBGMとを出力する。このBGMが流れている間に、利用者はテンキーから数字を入力する。その入力された数字は音出力部380を介して読み上げられる。最後に、利用者が確定キー(「#」)を押下すると、操作入力部330は、BGMを流すのを中止させ、メニュー制御部360によって、動作音と今入力した機能番号の設定項目の名前を音声で出力し、その設定項目を現在位置として管理する。
【0111】この指定した機能番号に対応する項目が階層名であるときには、階層名を音声合成部420によって合成した音声であり、この階層名が下層に設定項目を持てば残響を付加する。また、指定した機能番号が設定項目であれば、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして、設定項目を読み上げる。例えば、キー「0」の押下に続いて、「435」をテンキーによって入力すると高音で「変倍は縮小71%に設定されました」という音声フィードバックがなされる。メニュー制御部360は、機能番号が最下層の設定項目を指定した場合には、その設定項目に対応する値をメニューDB上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0112】次に、「音声認識(「3」)」キーを押下した場合(ステップS13のYES)、続いて入力される音声を音声認識しその認識結果に対応した設定項目に移動し(ステップS14)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作入力部330は、「音声認識(「3」)」キーが押下されると、音出力部380を呼び出し、動作音とともに「設定項目名または機能番号を発声してください」と音声出力する。続いて、操作入力部330は、音声入力部370を呼び出し、利用者が発声した「設定項目名」や「機能番号」を音声認識部410で認識した認識結果をメニュー制御部360へ渡して、発声した設定項目を現在位置として管理する。このとき、メニュー制御部360は、音出力部380を呼び出し、音アイコンと入力した設定項目名とを音声出力し、利用者に音声入力が正しく認識されたことを通知する。
【0113】この指定した項目名や機能番号が階層名であるときには、階層名を音声合成部420によって合成した音声であり、この階層名が下層に設定項目を持てば残響を付加する。また、指定した機能番号が設定項目であれば、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして設定項目を読み上げる。メニュー制御部360は、音声で指定された項目名または機能番号が最下層の設定項目を指定した場合には、その設定項目に対応する値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0114】次に、部分クリアキー(「7」)を押下した場合(ステップS15のYES)、階層メニュー上の現在位置以下の階層にある設定項目の設定値を既定値へ戻し(ステップS16)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、部分クリアキー(「7」)が押下された場合、音出力部380を呼び出し、動作音とその指令内容(「階層メニュー上の現在位置とそれ以下の階層にある設定項目をクリアします」というメッセージ)を音声で利用者へ通知する。
【0115】続いて、メニュー制御部360は、階層メニュー上の現在位置以下の階層にある設定項目を探し、その設定項目が既定値から変更されている場合、その設定項目の設定値を読み上げて既定値へ戻すかどうかを利用者へ問い合わせる。利用者が変更してもよいと指示(例えば、確定キーによる)した場合、その設定項目の設定値を既定値へ戻す。この後、音アイコンと動作完了の音声メッセージを出力して、利用者へ部分クリアが完了したことを通知する。または、上記のように一つ一つ問い合わせることはせず、一括して既定値から変更された設定値を既定値へ戻してよいかを音声にて問い合わせるようにしてもよい。
【0116】さらに、メニュー制御部360は、既定値へ戻された設定項目とその既定値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定項目の既定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0117】次に、「現在位置の説明(「9」)」キーを押下した場合(ステップS17のYES)、現在、階層メニューのどの階層名または設定項目にいるのかの情報提供し、(ステップS18)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、「現在位置の説明(「9」)」キーが押下されると、音出力部380を呼び出し、音アイコン、現在位置の階層名または設定項目名および設定値等を音声で利用者へ通知する。
【0118】現在位置が階層名であるときには、階層名を音声合成部420によって合成した音声であり、この階層名が下層に設定項目を持てば残響を付加する。また、現在位置が設定項目であれば、この設定項目が無効であれば音高を低くし、その設定項目が選択されていれば音高を高くして設定項目を読み上げる。
【0119】次に、「設定確認」キーを押下した場合(ステップS19のYES)、利用者が今までにどのような設定項目を選択したのかを音声で設定項目名と設定値を音声で通知し(ステップS20)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、「設定確認」キーが押下された場合、利用者が既定値から設定を変更した設定項目へ順次移動して、音出力部380を呼び出して設定項目名とその設定値を音声で読み上げ、利用者へ通知する。この際、メニュー制御部360は、移動先を現在位置として管理し、その設定項目に誤りがあれば修正できる。さらに、メニュー制御部360は、設定項目の変更が行われると、その変更された設定項目とその設定値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今指定された設定項目の設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0120】次に、「確定(「#」)」キーを押下した場合(ステップS21のYES)、現在位置の設定項目の選択を確定し(ステップS22)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。メニュー制御部360は、確定キー(「#」)が押下されると、音出力部380を呼び出し、動作音とその確定された動作内容を音声で出力し、利用者へ通知する。さらに、メニュー制御部360は、現在位置の設定項目の確定が行われると、その確定された設定項目とその設定値をメニューDB365上の設定項目の設定値として保持し、操作制御部320は、機能実行部390を介して今確定された設定項目の設定値をMFP100のメモリの該当設定項目へ記憶させるとともに、視覚表示部350を呼び出して、この確定した内容を操作部104の画面へ表示する。
【0121】最後に、各設定項目に設定が完了してスタートキーが押下された場合(ステップS23のYES)、選択されていた機能(コピー機能、ファクシミリ機能等)を実行させ(ステップS24)、次の操作指示を処理するためにステップS1へ戻る。操作制御部320は、スタートキーが押下されると、機能実行部390を呼び出し、利用者が初めに選択した機能を動作させる。例えば、指定された機能がコピー機能であれば、これまでに設定した値に応じたコピー動作が行われる。この動作が終了したとき、操作制御部320は、音出力部380を呼び出し、利用者へその成否を音声で知らせる。例えば、「122%の変倍でコピーが終了しました」、「紙詰まりでコピーができませんでした」等の結果を音声にてフィードバックする。また、操作制御部320は、利用者が「40部」のコピーを指定したようなときには、音出力部380を介して、今どのくらいのコピーが終了しているかを認識できるように、BGMを流し、利用者はそのBGMの進み具合でどの程度の処理が完了したかを知ることができる。
【0122】また、機能制御部310は、MFPの動作中に装置の状態を監視し、例えば、「用紙切れ」、「トナー不足」、「紙詰まり」、「フロントカバーが開いている」等の場合には、音出力部380を呼び出して、音アイコンの後に、例えば、「用紙がなくなりました」、「トナーが残り少なくなりました」、「紙詰まりが発生しました」、「フロントカバーが開いています」等との音声とBGMとを出力して利用者へ通知する。
【0123】G.MFPの他の機能構成上述した実施の形態では、本発明の機器操作装置(制御部300と支援部400)をMFPへ組み込んだものとして説明した。ここでは他の実施の形態として、図10のように機器操作装置のうち制御部300をMFP、ファクシミリ装置、プリンタ装置やスキャナ装置等へ組み込み、汎用のコンピュータ(以下、PCという)へ支援部400を組み込むように構成してもよい。この場合、制御部300と支援部400との通信を行うためにそれぞれ通信部500と通信部600とをケーブル、赤外線通信、無線通信または通信回線(ネットワークを含む)等で接続する。
【0124】このような構成においては、制御部300から音声認識処理を行う場合には、通信部500を介して、音声認識処理の依頼であるというキー情報と音声入力部370で入力した音声データを通信部600へ送信する。通信部600は、このキー情報から音声認識部410を呼び出して、音声認識結果に先のキー情報をつけて、通信部500へ送り返す。通信部500は、この受信データをキー情報から音声認識結果であると判断して、音声入力部370へ戻す。
【0125】また、制御部300から音声合成処理を行う場合には、通信部500を介して、音声合成処理の依頼であるというキー情報と音出力部380で音声データへ変換したいテキスト文を通信部600へ送信する。通信部600は、このキー情報から音声合成部420または必要に応じて音高変更部430や残響付加部440を呼び出して、音声合成結果に先のキー情報をつけて、通信部600へ送り返す。通信部600は、この受信データをキー情報から音声合成結果であると判断して、音出力部380へ戻す。音声データを得る場合、テキストから音声合成させるのではなく、音声データのキー情報(どのような内容の音声データを欲しいのかの区分)によって録音された音声データを選択するように構成してもよい。
【0126】このようにMFP等とPCとに機能分担させることによって、MFP等ごとに支援部400のようなデータ量の多い辞書情報と処理時間のかかる音声認識や音声合成の処理機能を持たなくてもよくなるとともに、支援部400の辞書、処理系やPC自体のメンテナンスを行いやすくできる。このような構成の場合には、1つのPCに対して、複数のMFP等が接続するようにした方がコストバランスはよくなる。
【0127】H.MFPのさらに他の機能構成さらに他の実施の形態として、図11のように機器操作装置のうち視覚モードに関する操作系および非視覚モードにおけるテンキー等の入力系をMFP、ファクシミリ装置、プリンタ装置やスキャナ装置等(以下、MFPという)へ組み込み、非視覚モードの処理を汎用のコンピュータ(以下、PCという)へ組み込むように構成してもよい。この場合、MFPとPCとの通信を行うためにケーブル、赤外線通信、無線通信または通信回線(ネットワークを含む)等で接続する。
【0128】このような構成では、MFP側で行われる入力に対して、非視覚モードが選択された場合、通信部700を介して、操作入力部330から入力された種々のテンキーによる指示をPC側の操作制御部320へ送信する。操作制御部320は、この受信した指示を処理し、MFPへの設定項目とその値があるときには、通信部700を介して、機能実行部390へMFPのメモリへ値を設定する。
【0129】このようにMFPとPCとに機能分担させることによって、MFPごとに非視覚モードの処理系を持たなくてもよくなるとともに、非視覚モードの処理系自体のメンテナンスを行いやすくできる。このような構成の場合には、1つのPCに対して、複数のMFPが接続するようにした方がコストバランスはよくなる。
【0130】さらに、図11の実施の形態の変形例として、図12のようにモードの切り替え、機能(コピー機能やファクシミリ機能等)の選択および非視覚モードを使用するときの入力からその処理系を汎用コンピュータ(以下、PCという)で行い、設定された項目に対する値の設定や選択した機能の実行は、MFP側で行うように構成してもよい。この場合、MFPとPCとの通信を行うために赤外線通信または無線通信等で接続する。
【0131】また、PCは、テンキーやスタートキーおよびマイクとヘッドフォンとを接続できるような携帯端末であって、Bluetoothのような通信によってMFPと接続可能なものであってもよい。このようにMFPとPCとに機能分担させることによって、MFP側の変更を最小限として、且つ、PCを持つ利用者ごとに非視覚モードの処理系をカスタマイズすることができる。
【0132】このような構成では、PCを持った利用者がMFPの近傍へ行き、PCから非視覚モードの選択、機能の選択およびその機能に併せた階層メニューを操作し、その操作結果の設定項目とその値および機能の実行を操作制御部320からMFP側の通信部700へ送信する。通信部700は、機能の選択に対する指示の場合、機能設定部710によりMFPの機能(コピー機能またはファクシミリ機能等)を設定して、MFP側の機能変更による初期設定を行う。また、項目への設定や機能の実行に関しては、機能実行部390で処理する。これらの設定した結果は通信部700を介してPC側の操作制御部320へ送信され、その結果を音声等で利用者へ通知される。
【0133】I.プログラムとしての実施の形態上述した実施の形態を構成する各機能をそれぞれプログラム化し、あらかじめCD−ROM等の記録媒体に書き込んでおき、このCD−ROMをCD−ROMドライブのような媒体駆動装置を搭載したコンピュータに装着して、これらのプログラムをコンピュータのメモリあるいは記憶装置に格納し、それを実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読出されたプログラム自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0134】なお、記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
【0135】また、ロードしたプログラムを実行することにより上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0136】また、上述した実施の形態の機能を実現するプログラムが、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリにロードされ、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって、上述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。
【0137】さらに、上述したプログラムをサーバコンピュータの磁気ディスク等の記憶装置に格納しておき、通信網で接続された利用者のコンピュータからダウンロード等の形式で頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、装置の作製コストを抑えるとともに、視覚を使用せずに各種の操作を容易に且つ確実に行うことができる。また、操作のできる人が操作のできない人を手助けしやすい装置を提供できる。
【0139】また、階層メニュー中のどの位置の項目にいるのか、また、その位置の項目がどのような状態にあるのかを音声の属性を変えることによって、直感的かつ短時間で利用者に提示して操作の理解性と効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPのブロック図である。
【図2】 操作部の正面図である。
【図3】 コピー機能に関する階層メニューの例を示す図である。
【図4】 図3の続きである。
【図5】 階層メニューの展開例を示す図である。
【図6】 テンキーの機能配置例を示す図である。
【図7】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの機能構成図である。
【図8】 音声認識結果と機能番号との対応表の例である。
【図9】 コピー機能の操作に対する動作を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの他の機能構成図である。
【図11】 本発明の機器操作装置を組み込んだMFPの他の機能構成図である。
【図12】 図11の機能構成の変形例である。
【符号の説明】
100…MFP、101…ホスト接続装置、102…FAX回線用接続装置、103…ネットワーク接続装置、104…操作部、105…スキャナ装置、106…プリンタエンジン、107…制御コントローラ、108…記憶装置、109…音出力装置、201…液晶表示部(LCD)およびタッチパネル、202…テンキー、203…クリア/ストップキー、204…スタートキー、205…設定確認キー、206…機能キー、300…制御部、310…機能制御部、320…操作制御部、330…操作入力部、340…視覚入力部、350…視覚表示部、360…メニュー制御部、365…メニューデータベース(DB)、370…音声入力部、380…音出力部、390…機能実行部、400…支援部、410…音声認識部、420…音声合成部、430…音高変更部、440…残響付加部、500,600,700…通信部、710…機能設定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 利用者が機器を操作する際、当該利用者の操作指示とその結果を音と音声によって通知するようにして、視覚を使用せずに機器を操作できるようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項2】 請求項1に記載の機器操作装置において、前記機器の動作が進行中および/または終了したときに、その動作結果を音と音声によって利用者へ通知するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項3】 請求項1または2に記載の機器操作装置において、前記機器の操作項目に対する設定項目を階層構造の階層メニューとして配置し、その階層上の所望の設定項目へ移動し、その設定項目を選択することによってこの機器を操作するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項4】 請求項3に記載の機器操作装置において、前記設定項目は機能番号を有することを特徴とする機器操作装置。
【請求項5】 請求項3または4に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、方向移動キーによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を移動し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項6】 請求項3、4または5に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、音声認識によって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項7】 請求項4、5または6に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、前記機能番号を音声認識によって指定することにより階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項8】 請求項4、5、6または7に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、テンキーによって前記機能番号を指定することによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項9】 請求項3乃至8のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記設定項目の種類に応じた音アイコンであることを特徴とする機器操作装置。
【請求項10】 請求項3乃至9のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記階層上の移動場所によって異なる動作音またはBGMを出力することを特徴とする機器操作装置。
【請求項11】 請求項9または10に記載の機器操作装置において、前記音アイコン、前記動作音または前記BGMを出力するとき、音の属性を異なるようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項12】 請求項3乃至11のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作によって移動した前記階層上の設定項目の設定項目名および設定値を音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項13】 請求項12に記載の機器操作装置において、前記設定項目名を読み上げる際に、音の属性の変化を読み上げ音声に付加することを特徴とする機器操作装置。
【請求項14】 請求項13に記載の機器操作装置において、現在、設定が無効である設定項目を、選択あるいは設定可能である設定項目よりも低い音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項15】 請求項13または14に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定されている設定項目を、選択あるいは設定されていない設定項目よりも高い音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項16】 請求項13、14または15に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定することによって新たな選択あるいは設定項目を追加提示するように設定された項目に残響音を付加した音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項17】 請求項3乃至16のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記設定項目を入力するまでBGMを出力することを特徴とする機器操作装置。
【請求項18】 請求項3乃至17のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記各設定項目に対して確認操作を行ったときに、その設定項目の設定内容を音声により通知するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項19】 請求項3乃至18のいずれか1に記載の機器操作装置において、一括確認操作を行ったときに、既定値を変更した前記設定項目へ順次移動して、その設定内容の変化を音声で通知するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項20】 請求項3乃至19のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その設定項目ごとに既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする機器操作装置。
【請求項21】 請求項3乃至19に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その階層以下にある設定項目をすべて既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする機器操作装置。
【請求項22】 請求項3乃至21のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚表示装置を備え、前記設定項目の選択が確定されたときに、その確定した設定項目の内容を音声で通知するとともに、このとき確定した内容をこの視覚表示装置にも表示するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項23】 請求項3乃至22のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚入力装置を備え、前記視覚表示装置に表示された設定状況に対してこの視覚入力装置から入力された場合にも音および音声によって前記利用者へ通知することを特徴とする機器操作装置。
【請求項24】 コンピュータを、請求項1乃至23のいずれか1つに記載の機器操作装置として機能させるためのプログラム。
【請求項25】請求項24に記載の機器操作プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項26】 請求項1乃至23のいずれか1に記載の機器操作装置を用いて、視覚を使用せずに画像形成装置を操作することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】 利用者が機器を操作する際、当該利用者の操作指示とその結果を音と音声によって通知するようにして、視覚を使用せずに機器を操作できるようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項2】 請求項1に記載の機器操作装置において、前記機器の動作が進行中および/または終了したときに、その動作結果を音と音声によって利用者へ通知するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項3】 請求項1または2に記載の機器操作装置において、前記機器の操作項目に対する設定項目を階層構造の階層メニューとして配置し、その階層上の所望の設定項目へ移動し、その設定項目を選択することによってこの機器を操作するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項4】 請求項3に記載の機器操作装置において、前記設定項目は機能番号を有することを特徴とする機器操作装置。
【請求項5】 請求項3または4に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、方向移動キーによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を移動し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項6】 請求項3、4または5に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、音声認識によって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項7】 請求項4、5または6に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、前記機能番号を音声認識によって指定することにより階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項8】 請求項4、5、6または7に記載の機器操作装置において、前記機器の操作は、テンキーによって前記機能番号を指定することによって階層メニュー上の階層構造の設定項目を指定し、確定キーによってその設定項目の選択を確定することを特徴とする機器操作装置。
【請求項9】 請求項3乃至8のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記設定項目の種類に応じた音アイコンであることを特徴とする機器操作装置。
【請求項10】 請求項3乃至9のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作結果として出力される音は、前記階層上の移動場所によって異なる動作音またはBGMを出力することを特徴とする機器操作装置。
【請求項11】 請求項9または10に記載の機器操作装置において、前記音アイコン、前記動作音または前記BGMを出力するとき、音の属性を異なるようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項12】 請求項3乃至11のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記操作によって移動した前記階層上の設定項目の設定項目名および設定値を音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項13】 請求項12に記載の機器操作装置において、前記設定項目名を読み上げる際に、音の属性の変化を読み上げ音声に付加することを特徴とする機器操作装置。
【請求項14】 請求項13に記載の機器操作装置において、現在、設定が無効である設定項目を、選択あるいは設定可能である設定項目よりも低い音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項15】 請求項13または14に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定されている設定項目を、選択あるいは設定されていない設定項目よりも高い音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項16】 請求項13、14または15に記載の機器操作装置において、現在、選択あるいは設定することによって新たな選択あるいは設定項目を追加提示するように設定された項目に残響音を付加した音声で読み上げることを特徴とする機器操作装置。
【請求項17】 請求項3乃至16のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記設定項目を入力するまでBGMを出力することを特徴とする機器操作装置。
【請求項18】 請求項3乃至17のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記各設定項目に対して確認操作を行ったときに、その設定項目の設定内容を音声により通知するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項19】 請求項3乃至18のいずれか1に記載の機器操作装置において、一括確認操作を行ったときに、既定値を変更した前記設定項目へ順次移動して、その設定内容の変化を音声で通知するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項20】 請求項3乃至19のいずれか1に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その設定項目ごとに既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする機器操作装置。
【請求項21】 請求項3乃至19に記載の機器操作装置において、前記階層メニュー上の現在操作中の位置以下にある階層の設定項目の設定値を既定値へ戻す操作を行った場合、その階層以下にある設定項目をすべて既定値へ戻してよいかを音声により問い合わせることを特徴とする機器操作装置。
【請求項22】 請求項3乃至21のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚表示装置を備え、前記設定項目の選択が確定されたときに、その確定した設定項目の内容を音声で通知するとともに、このとき確定した内容をこの視覚表示装置にも表示するようにしたことを特徴とする機器操作装置。
【請求項23】 請求項3乃至22のいずれか1に記載の機器操作装置において、視覚入力装置を備え、前記視覚表示装置に表示された設定状況に対してこの視覚入力装置から入力された場合にも音および音声によって前記利用者へ通知することを特徴とする機器操作装置。
【請求項24】 コンピュータを、請求項1乃至23のいずれか1つに記載の機器操作装置として機能させるためのプログラム。
【請求項25】請求項24に記載の機器操作プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項26】 請求項1乃至23のいずれか1に記載の機器操作装置を用いて、視覚を使用せずに画像形成装置を操作することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図3】
【図5】
【図7】
【図10】
【図9】
【図11】
【図12】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図3】
【図5】
【図7】
【図10】
【図9】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2003−323081(P2003−323081A)
【公開日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−129027(P2002−129027)
【出願日】平成14年4月30日(2002.4.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年4月30日(2002.4.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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