説明

機能強化補助食品

【課題】活性酸素を有効に除去して特に肌の健全性維持に優れた効果を発揮できる安価な機能強化補助食品を提供する。
【解決手段】ビタミンC25〜35W%を少なくとも含む抗酸化物質と、牡蠣肉エキス1〜3W%を少なくとも含む抗酸化増強物質とを含有して機能強化補助食品とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内活性酸素を効果的に除去して特に肌の健全性維持に有効な機能強化補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体内活性酸素が人体の健康に及ぼす悪影響が問題になってきており、体内活性酸素を効果的に除去するための研究がなされている。
【0003】
活性酸素は、空気を呼吸するだけで体内に発生し、これに激しい運動、喫煙、アルコール、ストレス、脂肪の取り過ぎ、排気ガス、紫外線等の要因が重なると更に多量の活性酸素が作り出される。
【0004】
体内活性酸素の本来の働きは、体内に侵入する細菌やカビ、有毒物質等から私たちの身体を守る生体防御であるが、近年では、オゾン層破壊、大気汚染等の地域環境の悪化により、体内活性酸素量は必要以上に増加していると言われている。体内活性酸素は適量ならば身体にとって有用であるが、過剰になると自分自身を傷つけてしまうという二面性を有している。
【0005】
人体は、活性酸素を除去する能力を持っている。即ち、生体内には過剰な活性酸素を無毒化する酵素(スーパーオキシドジスムターゼ:SOD)が存在しており、このSODは活性酸素除去物質(スカベンジャー)とも呼ばれている。
【0006】
SODは、図1に示すように20歳台をピークに加齢とともに減少していくことが知られている。更に、SODの能力は、過労、ストレス、偏食等種々の原因によって著しく低下し、そのために生体自身では活性酸素を消去できないことが生じる。その結果、活性酸素により細胞が破壊されて「酸化障害」が発現し、老化や成人病等の原因になることが解明されつつある。即ち、無毒化されない活性酸素は、身体を酸化させることによって様々な疾病を引き起こす。つまり身体が活性酸素によって錆付いてしまうのである。
【0007】
そして、体内の活性酸素は細胞やDNAを傷つけて、老化促進(皮膚のシミ、シワ、乾燥等)、肌荒れ、アレルギー、アトピー性皮膚炎、炎症(ニキビの発生・悪化)、糖尿病、動脈硬化(赤ら顔・毛細血管拡張症)、心疾患、白内障、癌等、多くの原因となることが知られている。
【0008】
特に、加齢に伴う肌の変化の約90%以上は太陽光線によるものと言われており、紫外線によって生じた活性酸素は、皮膚の炎症を起こしたり、ハリを保つ蛋白質を損傷したり、シミの原因となるメラニン色素の産生を促したり、またメラニン色素の黒化を促進したりと、肌に重大な悪影響を及ぼす。
【0009】
従って、健康的な肌を保つためには、活性酸素をできるだけ生成させない環境維持が必要であるが、日常生活でこのような生活環境を維持することは不可能であり、従って、SODを補う機能強化補助食品を摂取することによって、体内に生成した活性酸素を有効に除去することが必要となる。
【0010】
生命維持に不可欠な酸素に対して上手に付き合うための方法として、スカベンジャー活性理論、その名もXYZ理論が注目されている。
【0011】
XYZ理論とは、活性酸素Xと、該活性酸素Xを消去するための抗酸化物質Yと、該抗酸化物質Yの作用を増強する触媒としての作用を持つ抗酸化増強物質Zの関係を表わしたものであり、抗酸化物質Yと共に抗酸化増強物質Zを摂取することによって、抗酸化物質Yを単独で摂取した場合よりも有効に活性酸素Xを消去できるというものである。
【0012】
上記した活性酸素による健康への悪影響の問題を解決するための従来の方法としては、例えば特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
【0013】
ここで、特許文献1では、古来眼疾患の治療薬とされてきた動物胆に、人体内において高い活性酸素除去作用を持つビタミン、カロチノイドを配合したものを基本組成とする。動物胆は、鯉胆、マムシ胆、および羊胆とすることができ、抗酸化剤は、ビタミンC、ビタミンE、アスタキサンチン、リコピン等から、適宜に選択され、また、ロドプシンの再合成を活性化する作用を持つブルーベリー濃縮末を配合することが望ましく、この健康補助食品により、眼疾患改善を図る。
【0014】
また、特許文献2では、緑茶カテキンを主成分とし、副成分として、少量のガルシニア葉粉末、ブドウ種子粉末、ビタミンB12、ビタミンE、納豆菌培養エキスおよび賦形剤よりなる錠剤とし、この機能強化補助食品により、体内の活性酸素を効果的に除去して、すみやかな疲労回復を図る。
【特許文献1】特開2002−17295号公報
【特許文献2】特開2003−24010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来より、特許文献1及び特許文献2に示されるように活性酸素を除去することにより健康増進効果を期待する機能強化補助食品が種々研究されているが、常に安定した活性酸素の除去効果を発揮でき、特に肌の健全性維持に優れた効果を発揮することができ、しかも安価に提供できる機能強化補助食品は出現していない。
【0016】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、活性酸素を有効に除去して特に肌の健全性維持に優れた効果を発揮できる安価な機能強化補助食品を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の発明は、ビタミンC25〜35W%を少なくとも含む抗酸化物質と、牡蠣肉エキス1〜3W%を少なくとも含む抗酸化増強物質とを含有することを特徴とする機能強化補助食品、に係るものである。
【0018】
請求項2の発明は、前記抗酸化物質が、アスタキサンチン5〜10W%を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能強化補助食品、に係るものである。
【0019】
請求項3の発明は、前記抗酸化物質が、パーム油抽出物、刺梨エキス、アムラパウダー、生豆・糖類発酵抽出物の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の機能強化補助食品、に係るものである。
【0020】
請求項4の発明は、前記抗酸化増強物質が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の機能強化補助食品、に係るものである。
【0021】
請求項5の発明は、前記ビタミンCの機能を維持する補助添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能強化補助食品、に係るものである。
【0022】
請求項6の発明は、前記補助添加剤がエルソルビン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項5に記載の機能強化補助食品、に係るものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の機能強化補助食品によれば、活性酸素の除去効果が高いビタミンCの添加量を略25〜35W%とした抗酸化物質と、抗酸化物質の作用を増強する触媒としての作用を持ち且つ栄養価が高い牡蠣肉エキスの添加量を略1〜3W%とした抗酸化増強物質とを含有したので、活性酸素の除去効果を著しく高められる効果がある。
【0024】
更に、抗酸化物質として、アスタキサンチンを含み、或いは更にパーム油抽出物、刺梨エキス、アムラパウダー、及び生豆・糖類発酵抽出物の少なくとも1つを含み、また、抗酸化増強物質として前記牡蠣肉エキスの他に、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6の少なくとも1つを含むことにより、前記活性酸素の除去効果を更に増強できる効果がある。
【0025】
一方、ビタミンC及び更にアスタキサンチンによる肌の健全性を保持する効果と、牡蠣肉エキス、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6による栄養成分の補給とによって肌の健全性が高められる効果がある。
【0026】
また、抗酸化物質の主要組成であるビタミンC及びアスタキサンチンと、抗酸化増強物質の主要組成である牡蠣肉エキスは、何れも入手が比較的容易であるため、機能強化補助食品を安価に製造して提供できる効果がある。
【0027】
更に、前記抗酸化物質の主要組成であるビタミンCと共に、エルソルビン酸ナトリウムを添加することによってビタミンCの酸化を防止しているので、機能強化補助食品を保管してもビタミンCが変質することなく安定した作用を継続して発揮できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明する。
【0029】
本発明者は、活性酸素を有効に除去でき、特に肌の健全性維持に優れた効果を発揮でき、且つ変質を生じることなく安定した作用が維持でき、しかも比較的容易に入手できる原材料によって安価に提供できる機能強化補助食品を得るために種々研究した結果、ビタミンC25〜35W%を少なくとも含む抗酸化物質Yと、牡蠣肉エキス1〜3W%を少なくとも含む抗酸化増強物質Zとを含有してなる機能強化補助食品を得た。
【0030】
前記抗酸化物質Yには、更にアスタキサンチン5〜10W%を含むことができる。
【0031】
また、前記抗酸化物質Yには、更にパーム油抽出物、刺梨エキス、アムラパウダー、生豆・糖類発酵抽出物の少なくとも1つを含むことができる。
【0032】
前記抗酸化増強物質Zには、更にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の少なくとも1つを含むことができる。
【0033】
また、前記ビタミンCと共に該ビタミンCの機能を維持する補助添加剤を含むことができ、この時、補助添加剤としてはエルソルビン酸ナトリウムを用いることができる。
【0034】
また、賦形剤としてはセルロースを含むことができる。
【0035】
本発明の機能強化補助食品は、必要な量を摂取し易いように例えば錠剤に整形することができるが、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤等種々の形態にして用いることができる。
【0036】
本発明の機能強化補助食品の配合組成の一例を表1に示す。本発明の機能強化補助食品は、表1の配合割合に基づいて製造することができる。
【0037】
【表1】

【0038】
I.表1中の活性酸素除去物質Yの各組成は以下の如くである。
【0039】
[ビタミンC]
ビタミンCは抗酸化力を持つ代表的なビタミンである。ヒトを含めて霊長類動物はビタミンCを体内で合成することはできないので、食事や補助食品によって常に補給する必要がある。ビタミンCはシミ、そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果がある。また、肌の弾性や保湿に関与するコラーゲンやエラスチンを作る線維芽細胞の働きを活性化する。更に、紫外線に対する肌の抵抗力を高めて日焼けを防ぎ、血色を良くし、肌に光沢を与える。ビタミンCは喫煙、ストレスによって大量に消費されてしまうため、常に摂取することが必要な不可欠で且つ重要なビタミンと言える。
【0040】
上記ビタミンCは、300mg×9粒の1日摂取目安量とした機能強化補助食品において800mg(29.6W%)の多い添加量として、ビタミンCによる抗酸化作用と肌の健全性維持効果とを同時に発揮するようにしている。上記ビタミンCの添加量は略30W%前後が有効であるが、25〜35W%の範囲で選択することができる。
【0041】
また、前記ビタミンCの酸化を抑制してビタミンC添加による十分な効果を発揮させるために、補助添加剤としてエルソルビン酸ナトリウムを添加している。エルソルビン酸ナトリウムはビタミンCの機能を維持するのに有効な量としてビタミンCの約半分の添加量である400mg(14.8W%)とすることができる。
【0042】
[アスタキサンチン]
アスタキサンチンは、サケやイクラ、タイ、エビ、カニ等の赤い色の色素成分で、カロチイドの一種である。非常に強い抗酸化力があり、ビタミンEの500倍から1000倍の抗酸化力があるという報告もある。β−カロテンと同じく、ビタミンAの前駆物質(プロビタミンA)で、身体が必要な分だけビタミンAに変換される。
【0043】
アスタキサンチンは、その強力な抗酸化力を発挿して、美肌の敵である活性酸素を強力に消去する。また、体内でビタミンA(レチノール)に変換されるので、皮膚の乾燥、シワ、シミやたるみを防ぐ。レチノールは最近、シワやシミを防ぐ物質として話題になっており、皮膚の保湿性を高め、コラーゲンを産生する。また、ターンオーバー(皮膚の代謝サイクル)の正常化に働く。レチノールが不足すると、皮膚の乾燥や角化等が起こるとされている。更に、アスタキサンチンは、脳のバリア器官である血液脳関門を通過できる数少ない物質であるという特徴がある。これによって、眼精疲労や白内障、老人性痴呆症等の予防にも効果を発揮する。血行を促進する作用もあり、冷え症にも適する。フリー体・エステル体混合物を含めた総アルカロイド量として、アスタキサンチンは、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約200mg(7.4W%)相当を添加している。これは十分にその効果を発揮できる量である。上記アスタキサンチンの添加量は略7.4W%前後が有効であるが、5〜10W%の範囲で選択することができる。
【0044】
[パーム油抽出物](トコトリエノール)
パーム油抽出物は、パームヤシのオイル抽出物であり、ビタミンEの一種であるトコトリエノールを多く含んでいる。ビタミンEはトコトリエノールとトコフェロールの2つに分類され、抗酸化作用の他に、血行を良くして、手足の冷えや肩こりの改善にも働く。ビタミンEの中でもトコトリエノールの抗酸化力はとても強力で、体内の酸化反応を防ぎ、老化防止に役立つ。細胞膜保護作用もあるので、紫外線から肌を守る。トコトリエノールを含む食品は少ないが、パーム油のトコトリエノール含有量は抜群に豊富である。パーム油抽出物は機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約150mg(5.6W%)相当を添加することができる。
【0045】
[刺梨エキス]
バラ科の植物の果実である刺梨には、多くのビタミンCが含まれている。その含有量はレモンの数十倍とも言われる。中国では古くから疲労回復や不老長寿の秘薬として利用されてきた。ビタミンCの他にも、多くのビタミンが含まれている。抗酸化力が強く、シミやそばかすを予防して老化を防ぐ効果がある。刺梨エキスは、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約60mg(2.2W%)相当を添加することができる。
【0046】
[アムラパウダー]
アムラは大量のビタミンCを含有している。また、多くのミネラルも含まれており、インドでは古くから強壮薬として利用されてきた。最近では、SOD様作用やコラーゲン分解酵素であるコラゲナーゼ阻害活性も報告されている。更に、ヒアルロン酸分解酵素であるヒアロニダーゼ阻害作用やアレルギー性炎症抑制作用も明らかにされている。アラムパウダーは、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約60mg(2.2W%)相当を添加することができる。
【0047】
[生豆・糠類発酵抽出物]
生豆・糠類発酵抽出物は、活性酸素消去酵素であるSODを誘導する作用がある。焙煎前の生コーヒー豆や米糠、大豆を原料として製造される。抗酸化作用のあるポリフェノールをはじめ、アミノ酸、ペプチド、ミネラル等が成分として含まれている。コーヒー豆由来のタロロゲン酸には、様々な作用が報告されており、活性酸素消去作用の他に、抗炎症作用や抗アレルギー作用等も期待できる。生豆・糠類発酵抽出物は、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約20mg(0.7W%)相当を添加することができる。
【0048】
II.表1中の抗酸化増強物質Zの各組成は以下の如くである。
【0049】
[牡蠣肉エキス]
牡蠣は、「海のミルク」と呼ばれ、美容と健康に必要な栄養素、糖質(グリコーゲン)、各種アミノ酸、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれた、栄養価の高い食品である。そしてその成分は、貧血・強性・強壮・眼精疲労・肝臓・美容・浄血・心臓・糖尿・ストレス・栄養補助・高血圧・コレステロール等に有効とされている。また、血行を促進して、各成分が体に作用しやすい環境を作る。牡蠣肉エキスは、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約60mg(2.2W%)相当を添加することができる。
【0050】
[ビタミンB1]
ビタミンB1は日本人に不足がちなビタミンである。糖をエネルギー源として利用する際に働く。神経とも関係が深く、体の機能を正常に維持するために重要な役割を果たす。ビタミンB1は、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約10mg(0.4W%)相当を添加することができる。
【0051】
[ビタミンB2]
ビタミンB2は、美容ビタミンとも言われ、皮膚や粘膜の働きを正常に保つ。脂質の代謝を促進するので、皮脂の分泌をコントロールする。更に、細胞の新陳代謝や成長・再生を促すので、皮膚の成長促進作用、粘膜の保護に働く。ビタミンB2は、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約10mg(0.4W%)相当を添加することができる。
【0052】
[ビタミンB6]
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝に関与し、皮膚や髪の毛の成分であるたんばく質合成に働く。皮膚や粘膜を健康に保つ作用を有する。ビタミンB6は、機能強化補助食品の1日摂取目安量に対して約10mg(0.4W%)相当を添加することができる。上記したビタミンB群は水溶性のビタミンで、吸収されなかった分は尿とともに排泄されてしまうため、毎日摂取する必要がある。ビタミンB群は生体内で物質の代謝に関与しており、健康を維持するためにはとても大切な栄養素である。ビタミン類は、組み合わせて摂取することで相乗効果を発揮する。
【0053】
[セルロース](賦形剤)
カルボキシメチルセルロース等は、食品に滑らかな感じを与え、粘り気を与え、分離を防止し、安定性を向上させるため、増粘剤、安定剤として作用すると共に、錠剤の機能強化補助食品を製造する際の賦形剤として効果的に用いられるものである。
【0054】
上記した機能強化補助食品によれば、その有効量を摂取することによって、体内に生成した活性酸素Xを非常に効率的に除去して体内の活性酸素量を著しく低減し、同時に、ビタミンC及び牡蠣肉エキスが有する肌を健全に保つ機能と栄養の補給とによって肌を著しく健康な状態に維持できる効果が得られた。
【0055】
即ち、本発明の機能強化補助食品は、活性酸素Xの除去効果が高いとされるビタミンCの添加量を略25〜35W%(抗酸化物質Y全体の52〜73%)と多く含んだ抗酸化物質Yと、抗酸化物質Yの作用を増強する触媒としての作用を持ち且つ栄養価が高い牡蠣肉エキスの添加量を略1〜3W%(抗酸化増強物質Z全体の29〜88%)と多く含んだ抗酸化増強物質Zとを含有したことにより、活性酸素Xを著しく低減することができる。即ち、図2に酸化エネルギーの強さを示す如く、抗酸化物質Yを単独で摂取した場合には活性酸素Xを除去する効果が比較的低く酸化エネルギーは依然として高い値を示しているが、抗酸化物質Yと抗酸化増強物質Zを同時に摂取した場合には活性酸素Xが効率的に攻撃されて光或いは熱となって放散されることにより酸化エネルギーは著しく低下し、活性酸素Xの除去効果は著しく高められる。
【0056】
更に、抗酸化物質Yとして、アスタキサンチンを含み、或いは更にパーム油抽出物、刺梨エキス、アムラパウダー、及び生豆・糖類発酵抽出物の少なくとも1つを含み、また、抗酸化増強物質Zとして前記牡蠣肉エキスの他に、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6の少なくとも1つを含むことにより、前記活性酸素の除去効果を更に増強することができる。
【0057】
一方、ビタミンCは、シミ、そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果があり、肌の弾性や保湿に関与するコラーゲンやエラスチンを作る線維芽細胞の働きを活性化し、紫外線に対する肌の抵抗力を高めて日焼けを防ぎ、血色を良くし、肌に光沢を与える効果があるため、このビタミンCによる肌の健全性を保持する効果と、前記抗酸化増強物質Zとしての牡蠣肉エキス、ビタミンB1、ビタミンB2及びビタミンB6による栄養成分の補給とによって肌の健全性が更に高められる。
【0058】
そして、本発明の機能強化補助食品の摂取により、細胞やDNAが活性酸素によって傷つけられるのを防止して、老化促進(皮膚のシミ、シワ、乾燥等)を抑制し、肌荒れ、アレルギー、アトピー性皮膚炎、炎症(ニキビの発生・悪化)、動脈硬化(赤ら顔・毛細血管拡張症)等を改善し、紫外線によって生じる肌のトラブルの改善、予防効果を発揮することができる。
【0059】
また、抗酸化物質Yの主要組成であるビタミンC及びアスタキサンチンと、抗酸化増強物質Zの主要組成である牡蠣肉エキスは、何れも入手が比較的容易であるため、機能強化補助食品を安価に製造して提供できる。
【0060】
更に、前記抗酸化物質Yの主要組成であるビタミンCと共に、エルソルビン酸ナトリウムを添加することによってビタミンCの酸化を防止しているので、機能強化補助食品を保管してもビタミンCが変質することなく安定した作用を継続して発揮させることができる。
【0061】
なお、本発明の機能強化補助食品は、上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】年齢とSOD活性の関係を示すグラフである。
【図2】抗酸化物質Yを摂取した場合と、抗酸化物質Yと抗酸化増強物質Zを同時に摂取した場合の酸化エネルギーを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンC25〜35W%を少なくとも含む抗酸化物質と、牡蠣肉エキス1〜3W%を少なくとも含む抗酸化増強物質とを含有することを特徴とする機能強化補助食品。
【請求項2】
前記抗酸化物質が、アスタキサンチン5〜10W%を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能強化補助食品。
【請求項3】
前記抗酸化物質が、パーム油抽出物、刺梨エキス、アムラパウダー、生豆・糖類発酵抽出物の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の機能強化補助食品。
【請求項4】
前記抗酸化増強物質が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の機能強化補助食品。
【請求項5】
前記ビタミンCの機能を維持する補助添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の機能強化補助食品。
【請求項6】
前記補助添加剤がエルソルビン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項5に記載の機能強化補助食品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−37416(P2007−37416A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222755(P2005−222755)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(504421682)寿康美株式会社 (2)
【Fターム(参考)】