欠陥検出方法及び欠陥検出装置
【課題】 パネルの輝点等を容易に且つ正確に一致させて高精度の欠陥検出を可能にする。
【解決手段】 表示面に輝点2が規則的に並んだLCDパネル1等の表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法である。LCDパネル1の表示面の画像を基準画像25として取り込んで、当該基準画像25を1ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算する第1工程と、上記基準画像25を3ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算する第2工程とを備えて構成した。上記各工程においては、上記基準画像25を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像26を、上記基準画像25からそれぞれ減算する。
【解決手段】 表示面に輝点2が規則的に並んだLCDパネル1等の表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法である。LCDパネル1の表示面の画像を基準画像25として取り込んで、当該基準画像25を1ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算する第1工程と、上記基準画像25を3ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算する第2工程とを備えて構成した。上記各工程においては、上記基準画像25を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像26を、上記基準画像25からそれぞれ減算する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネル(LCDパネルやPDP等)の表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法及び欠陥検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LCDパネルやPDP等の表示パネルにおいては、その表示面に欠陥がないか否かを検査する必要がある。この表示面の欠陥の検出方法としては、次のようなものが知られている。ここでは、LCDパネルを例に説明する。
【0003】
図2に示すように、LCDパネル1の表示面においては、輝点2が規則的に配列されている。
【0004】
この図2に示すLCDパネル1の表示面に欠陥がある場合、輝点2によってかき消されて発見しづらい場合が多い。このため、輝点2を消す処理を行ってから欠陥の有無が検査される。この輝点2を消す処理は次のようにして行われている。
【0005】
検査対象パネルと同一のパネルであって欠陥のないものを初期設定として予め登録しておく。そして、図3に示すように、検査対象パネル1の表示面の画像を取り込んで、この画像から予め登録しておいた初期設定値3を減算する。これにより、輝点2が消えて、図3,4に示すように、欠陥4のみが残る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、欠陥のないパネルを初期設定として予め登録しておく場合、この登録画像と検査対象パネル1の画像とを整合させなければならない。即ち、各輝点2の位置が一致するように、登録画像と検査対象パネル1の画像とを整合させなければならない。
【0007】
しかし、検査対象パネル1の画像は、取り込みの際に、僅かにずれたり傾いたりする場合がある。そして、取り込んだ検査対象パネル1の画像がずれたり傾いたりしていると、登録画像との間で各輝点2の位置が一致せずに輝点2が残ってしまい、欠陥と輝点2との区別がつかず、欠陥の検出が難しくなる。このため、検査画像の輝点2と登録画像の輝点2とを正確に一致させる必要があるが、各輝点2を一致させるのに時間がかかり、作業性が悪いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、各輝点を容易に且つ正確に一致させて高精度の欠陥検出を可能にする欠陥検出方法及び欠陥検出装置を提供するものである。このために、第1の本発明は、表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を少数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1工程と、上記基準画像を多数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第2工程とを備えて構成したものである。
【0009】
上記各工程においては、上記基準画像を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像を、上記基準画像からそれぞれ減算することが望ましい。
【0010】
上記第1工程において、まず上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を例えば1ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算して、欠陥の有無を検出する。次いで、第2工程で、上記基準画像を例えば3ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算して、欠陥の有無を検出する。さらに、1ピッチ又は3ピッチシフトさせる方向を、一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向とし、その両方向へ同じピッチ数だけそれぞれシフトさせることで、縁部の検出漏れを防止する。
【0011】
また、欠陥検出装置においても、基本的な機能は上記欠陥検出方法と同様である。
【0012】
第2の本発明は、表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第1工程と、上記基準画像を他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第2工程と、上記第1工程及び第2工程でそれぞれ差分をとって得た画像を合成する第3工程とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、第1工程で、上記基準画像を一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとった画像と、第2工程で、上記基準画像を他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとった画像とを、第3工程で合成するため、欠陥の輝度値を高くして、ノイズの輝度値を低く抑えることができる。
【0014】
上記第1工程ではX軸方向へ、第2工程ではY軸方向へ1又は数ピッチ分だけそれぞれシフトさせることが望ましい。X軸方向とY軸方向以外に、斜め方向にシフトさせてもよい。
【0015】
また、第3の発明の欠陥検出装置においても、基本的な機能は上記第2の発明の欠陥検出方法と同様である。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を基にして例えば1ピッチ分だけシフトさせた画像を形成することで、基準画像とシフトさせた画像との輝点等の特徴部分を容易に一致させることができる。さらに、少数ピッチのシフトと多数ピッチのシフトの二通りにシフトさせた画像と基準画像との差分をとるため、大小の欠陥を見落とすことなく検出することができる。この結果、各輝点を容易に且つ正確に一致させて、高精度の欠陥検出が可能になる。
【0017】
また、第2の発明では、上記第1工程で差分をとった画像と、第2工程で差分をとった画像とを第3工程で合成して、欠陥の輝度値を高く、ノイズの輝度値を低くすることができるため、高精度の欠陥検出が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る欠陥検出方法及び欠陥検出装置について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
[第1実施形態]
[欠陥検出装置]
まず、本発明の欠陥検出方法に用いる欠陥検出装置を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
欠陥検出装置は、図5に示すように主に、パネル載置台11と、ラインセンサーカメラ12と、照明装置13と、制御装置14とから構成されている。
【0021】
パネル載置台11は、検査対象のパネル15を載置して欠陥の検出を行う台である。このパネル載置台11は、パネル15をXY軸方向に移動させるXY移動機構16(図6参照)が組み込まれる。このXY移動機構16により、ラインセンサーカメラ12の基準位置とパネル15の基準位置とが整合するように位置調整される。XY移動機構16は、パネル載置台11を支持してX軸方向へ移動させるX軸移動機構部(図示せず)と、このX軸移動機構部をY軸方向へ移動させるY軸移動機構部(図示せず)とを備えた一般的な構成を有している。
【0022】
ラインセンサーカメラ12は、パネル15の表示面の画像を基準画像として取り込むための読み取り装置である。ラインセンサーカメラ12は、センサーを例えばX軸方向にパネル15をカバーできる長さに配設して構成されている。ラインセンサーカメラ12は、往復移動機構17(図6参照)に取り付けられて、Y軸方向に往復移動できるように構成されている。これにより、ラインセンサーカメラ12は、Y軸方向にパネル15の全長に亘って往復移動して、スキャナーと同様の方式で、パネル15の全体の画像を一度に取り込めるようになっている。このラインセンサーカメラ12で取り込んだ画像情報は制御部19内のメモリに格納される。
【0023】
照明装置13は、パネル15の表示面を証明するための装置である。この照明装置13は、ラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む際に、パネル15の表示面を証明する。
【0024】
制御装置14は、ラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む際に、各装置を制御すると共に、取り込んだ画像を処理するための装置である。この制御装置14は、図6に示すように主に、制御部19と、表示部20と、入力部21とから構成されている。
【0025】
表示部20は、ラインセンサーカメラ12で取り込んだパネル15の全体の画像を表示するための装置である。
【0026】
入力部21は、操作等の際に必要な入力を行うキーボード等である。
【0027】
制御部19は、入力部21からの操作に応じて、各装置を制御すると共に、取り込んだ画像を処理して、表示部20に表示させるための装置である。この制御部19は、メモリ、遅延手段、差分取得手段、2値化手段等(いずれも図示せず)が組み込まれて構成されている。さらに、制御部19には、ラインセンサーカメラ12でパネル15の表示面の画像を基準画像25(図1参照)として取り込んで、当該基準画像25を上記遅延手段で少数ピッチ分(例えば1ピッチ)だけシフトさせた画像26(図1参照)を上記差分取得手段で上記基準画像25から差分を取得する第1処理と、上記基準画像25を上記遅延手段で多数ピッチ分(例えば3ピッチ)だけシフトさせた画像26を上記差分取得手段で上記基準画像25から減算する第2処理の各機能が格納されている。なお、遅延手段は、上記基準画像25を例えば1ピッチや3ピッチだけシフトさせた画像26を形成するための手段である。差分取得手段は、当該遅延手段でシフトされた画像26と上記基準画像25との差分をとるための手段である。差分取得手段では、単純に上記画像26を上記基準画像25から減算する場合と、画像25、26に重み付けをして減算する場合がある。例えば、一方の画面を1.1倍して減算する等の、両者の比率を変えて減算する場合がある。
【0028】
制御部19には、具体的には図11のフローチャートに示す処理機能が格納されている。この制御部19の具体的な処理機能については後述する。
【0029】
[欠陥検出方法]
次に、上記構成の欠陥検出装置を用いた欠陥検出方法について図11のフローチャートを中心に説明する。
【0030】
制御部19の制御により、まずラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む(ステップ1)。即ち、照明装置13で、パネル15の表示面が証明された状態で、往復移動機構17によってラインセンサーカメラ12がパネル15の全長に亘って移動しながらパネル15の全体の画像を取り込む。
【0031】
次いで、この画像を基準画像25としてメモリに格納する(ステップ2)。
【0032】
次いで、4つの処理をそれぞれ行う。第1の処理では、基準画像25を基にして図7に示すようにY軸方向へ+1ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ3)、図8に示すように基準画像25から減算する(ステップ4)。次いで、減算した値を2値化してマイナスの値を除去して表示部20に表示させる(ステップ5)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して区別する(ステップ6)。
【0033】
第2の処理では、基準画像25を基にしてY軸方向へ−1ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ7)、図9に示すように未演算領域をカバーして縁部の検出漏れを防止する。次いで、基準画像25から減算し(ステップ8)、減算した値を2値化して表示部20に表示させる(ステップ9)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して他と区別する(ステップ10)。
【0034】
第3の処理では、基準画像25を基にしてY軸方向へ+3ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ11)、基準画像25から減算する(ステップ12)。これにより、図10に示すように、1ピッチ分だけシフトさせた画像26を基準画像25から減算するとき、欠陥として認識されない部分が出てしまうような場合でも、3ピッチ分だけシフトさせると、欠陥として認識されない部分を解消できる。
【0035】
次いで、減算した値を2値化して表示部20に表示させる(ステップ13)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して他と区別する(ステップ14)。
【0036】
第4の処理では、基準画像25を基にしてY軸方向へ−3ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ15)、基準画像25から減算する(ステップ16)。次いで、減算した値を2値化して表示部20に表示させる(ステップ17)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して他と区別する(ステップ18)。
【0037】
以上のように、パネル15の表示面の画像を基準画像25として取り込んで、この基準画像25を1ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算するようにしたため、基準画像25と1ピッチ分だけシフトさせた画像26との間で位置を調整して整合させる必要がなくなり、各輝点2を容易に且つ正確に一致させて高精度の欠陥検出が可能になる。
【0038】
また、パネル15の表示面の画像を基準画像25として取り込んで、この基準画像25を3ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算するようにしたため、1ピッチのシフトでは重なってしまうような大きな欠陥を高い精度で検出することが可能になる。
【0039】
上記各工程で、基準画像25をY軸方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像26を形成して、基準画像25からそれぞれ減算するようにしたので、パネル15の縁部まで確実に検査することができる。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においても、上記第1実施形態の欠陥検出装置を用いて説明する。上記欠陥検出装置の制御部19に、後述する処理機能が格納されている。
【0041】
以下に、本実施形態の欠陥検出方法について図12のフローチャートを中心に説明する。
【0042】
制御部19の制御により、まずラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む(ステップ21)。即ち、照明装置13で、パネル15の表示面が証明された状態で、往復移動機構17によってラインセンサーカメラ12がパネル15の全長に亘って移動しながらパネル15の全体の画像を取り込む。
【0043】
次いで、この画像を基準画像(図1の25に対応)としてメモリに格納する(ステップ22)。
【0044】
次いで、基準画像(25)を基にしてX軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(図1中の26に対応)を形成し(ステップ23)、この画像を基準画像(25)から減算する(ステップ24)。この減算も、上記第1実施形態と同様に、いずれかに重み付けして差分をとる場合もある。検査対象物の性質に応じて適宜重み付けをする。シフトさせる方向はX軸方向の+方向でも−方向でもよい。
【0045】
次いで、基準画像(25)を基にしてY軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を形成し(ステップ25)、この画像を基準画像(25)から減算する(ステップ26)。シフトさせる方向はY軸方向の+方向でも−方向でもよい。
【0046】
次いで、ステップ24、26でそれぞれ減算して得た画像を合成する(ステップ27)。この画像の合成では、2つの画像を単純加算する場合以外に、諸条件に応じて、いずれかの画像に上記同様の重み付けをして加算する場合もある。本実施形態では、2つの画像を単純加算している。
【0047】
次いで、加算した値を2値化してマイナスの値を除去して表示部20に表示させる(ステップ28)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して区別する(ステップ29)。画像処理によってコンピュータで欠陥を検出してもよい。
【0048】
以上の処理の原理を図13に基づいて説明する。
【0049】
基準画像(25)を基にしてX軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値を図13(A)に示す。この輝度値をしきい値20で2値化した結果を図14に示す。この図14から分かるように、比較的ノイズが少ないが、それでもやはり欠陥かノイズかの区別が付きにくい。
【0050】
基準画像(25)を基にしてY軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値を図13(B)に示す。この輝度値をしきい値20で2値化した結果を図15に示す。この図15から分かるように、ノイズが多くて、欠陥かノイズかの区別が付きにくい。
【0051】
基準画像(25)を基にしてX軸方向とY軸方向へそれぞれ1ピッチ分ずつシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値をしきい値20で2値化した結果を図16に示す。この図16から分かるように、ノイズが非常に多くて、欠陥かノイズかの区別が付きにくい。
【0052】
基準画像(25)を基にしてX軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値(図13(A))と、Y軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値(図13(B))とを加算した輝度値を図13(C)に示す。この輝度値をしきい値40で2値化した結果を図17に示す。
【0053】
図13(C)のように、X軸方向の輝度値図13(A)とY軸方向の輝度値図13(B)とを加算すると、輝度値が大きくなる。このとき、ノイズも加算されるが、X軸方向にシフトさせたノイズと、Y軸方向にシフトさせたノイズとでは、重複することが少ない。このため全体的に、欠陥は重複して輝度値が高くなり、ノイズは重複が少なくて輝度値が低くなる。このため、例えばしきい値を40に上げると、ノイズが落ちて、欠陥が残る。この結果、図17に示すように、ノイズが少なく、欠陥を明確に区別できる画像になる。
【0054】
以上のように、パネル15の表示面の画像を基準画像(25)として取り込んで、この基準画像(25)を1ピッチ分だけX軸方向にシフトさせた画像(26)を上記基準画像(25)から減算した画像と、基準画像(25)を1ピッチ分だけY軸方向にシフトさせた画像(26)を上記基準画像(25)から減算した画像とを加算して高いしきい値で2値化するため、ノイズが少なく、欠陥を明確に区別できる画像を提供することができる。この結果、上記第1実施形態の効果に加えて、高精度の欠陥検出が可能になる。
【0055】
[変形例]
上記第1実施形態では、基準画像25をY軸方向にシフトさせて欠陥検出を行うようにしたが、基準画像25をX軸方向にシフトさせて欠陥検出を行うようにしてもよい。
【0056】
さらに、直交する2方向(XY軸方向)に対してそれぞれ行うようにしてもよい。即ち、X軸方向に1ピッチシフトさせて減算した後、Y軸方向に1ピッチシフトさせて減算するようにしてもよい。この場合、X軸方向に長く延びた欠陥をY軸方向にスライドさせることで、又はY軸方向に長く延びた欠陥をX軸方向にスライドさせることで容易に検出することができるようになる。この場合において、パネル15の縁部をカバーする必要があるときは、直交する2方向(XY軸方向)に対してそれぞれプラス方向とマイナス方向にスライドさせて欠陥検出を行う。さらに、各方向に対して1ピッチと3ピッチずつシフトさせるようにしてもよい。また、シフトさせる方向は、互いに直交する方向に限らず、斜め方向でもよい。直交方向や斜め方向等の異なる方向にシフトさせれば、欠陥を検出しやすくなる。
【0057】
また、上記第1実施形態では、1ピッチと3ピッチだけシフトさせて欠陥検出を行うようにしたが、2ピッチ又は4ピッチ以上シフトさせて欠陥検出を行う工程を1又は2以上追加してもよい。諸条件に応じて、ピッチ数及び追加工程数を適宜設定する。
【0058】
上記第2実施形態では、上記第1工程で上記基準画像をX軸方向に1ピッチ分だけシフトさせ、上記第2工程で上記基準画像をY軸方向に1ピッチ分だけシフトさせるようにしたが、数ピッチ分シフトさせるようにしてもよい。また、必要に応じて、X軸方向とY軸方向とで異なるピッチ分だけシフトさせるようにしてもよい。状況に応じて最適なピッチ数を選択する。
【0059】
上記第2実施形態では、X軸方向とY軸方向にシフトさせたが、斜め方向に(例えばX軸方向1ピッチとY軸方向に1ピッチ)シフトさせてもよい。このとき、上記第2工程では上記基準画像を上記斜め方向と異なる方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせるようにしてもよい。この場合も、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態に係る欠陥検出方法を示す模式図である。
【図2】LCDパネルを示す正面図である。
【図3】従来の欠陥検出方法を示す模式図である。
【図4】輝点が消えて欠陥のみが残る状態を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る欠陥検出装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る制御装置を示す機能ブロック図である。
【図7】基準画像を1ピッチシフトさせる態様を示す正面図である。
【図8】基準画像を1ピッチシフトさせて減算するときの欠陥の状態を示す模式図である。
【図9】基準画像を1ピッチシフトさせたときの未演算領域を示す模式図である。
【図10】基準画像を3ピッチシフトさせて減算するときの欠陥の状態を示す模式図である。
【図11】制御部に格納された処理機能を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る制御部に格納された処理機能を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る制御部での処理結果を示すグラフである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る制御部でX軸方向にシフトさせたときの処理結果を示す取り込み画像である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る制御部でY軸方向にシフトさせたときの処理結果を示す取り込み画像である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る制御部でXY軸方向にシフトさせたときの処理結果を示す取り込み画像である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る制御部でX軸方向とY軸方向のシフト減算値を加算して処理した結果を示す取り込み画像である。
【符号の説明】
【0061】
11:パネル載置台、12:ラインセンサーカメラ、13:照明装置、14:制御装置、15:パネル、16:XY移動機構、17:往復移動機構、19:制御部、20:表示部、21:入力部、25:基準画像、26:シフトさせた画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネル(LCDパネルやPDP等)の表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法及び欠陥検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LCDパネルやPDP等の表示パネルにおいては、その表示面に欠陥がないか否かを検査する必要がある。この表示面の欠陥の検出方法としては、次のようなものが知られている。ここでは、LCDパネルを例に説明する。
【0003】
図2に示すように、LCDパネル1の表示面においては、輝点2が規則的に配列されている。
【0004】
この図2に示すLCDパネル1の表示面に欠陥がある場合、輝点2によってかき消されて発見しづらい場合が多い。このため、輝点2を消す処理を行ってから欠陥の有無が検査される。この輝点2を消す処理は次のようにして行われている。
【0005】
検査対象パネルと同一のパネルであって欠陥のないものを初期設定として予め登録しておく。そして、図3に示すように、検査対象パネル1の表示面の画像を取り込んで、この画像から予め登録しておいた初期設定値3を減算する。これにより、輝点2が消えて、図3,4に示すように、欠陥4のみが残る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、欠陥のないパネルを初期設定として予め登録しておく場合、この登録画像と検査対象パネル1の画像とを整合させなければならない。即ち、各輝点2の位置が一致するように、登録画像と検査対象パネル1の画像とを整合させなければならない。
【0007】
しかし、検査対象パネル1の画像は、取り込みの際に、僅かにずれたり傾いたりする場合がある。そして、取り込んだ検査対象パネル1の画像がずれたり傾いたりしていると、登録画像との間で各輝点2の位置が一致せずに輝点2が残ってしまい、欠陥と輝点2との区別がつかず、欠陥の検出が難しくなる。このため、検査画像の輝点2と登録画像の輝点2とを正確に一致させる必要があるが、各輝点2を一致させるのに時間がかかり、作業性が悪いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、各輝点を容易に且つ正確に一致させて高精度の欠陥検出を可能にする欠陥検出方法及び欠陥検出装置を提供するものである。このために、第1の本発明は、表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を少数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1工程と、上記基準画像を多数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第2工程とを備えて構成したものである。
【0009】
上記各工程においては、上記基準画像を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像を、上記基準画像からそれぞれ減算することが望ましい。
【0010】
上記第1工程において、まず上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を例えば1ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算して、欠陥の有無を検出する。次いで、第2工程で、上記基準画像を例えば3ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算して、欠陥の有無を検出する。さらに、1ピッチ又は3ピッチシフトさせる方向を、一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向とし、その両方向へ同じピッチ数だけそれぞれシフトさせることで、縁部の検出漏れを防止する。
【0011】
また、欠陥検出装置においても、基本的な機能は上記欠陥検出方法と同様である。
【0012】
第2の本発明は、表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第1工程と、上記基準画像を他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第2工程と、上記第1工程及び第2工程でそれぞれ差分をとって得た画像を合成する第3工程とを備えて構成されたことを特徴とする。
【0013】
上記構成により、第1工程で、上記基準画像を一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとった画像と、第2工程で、上記基準画像を他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとった画像とを、第3工程で合成するため、欠陥の輝度値を高くして、ノイズの輝度値を低く抑えることができる。
【0014】
上記第1工程ではX軸方向へ、第2工程ではY軸方向へ1又は数ピッチ分だけそれぞれシフトさせることが望ましい。X軸方向とY軸方向以外に、斜め方向にシフトさせてもよい。
【0015】
また、第3の発明の欠陥検出装置においても、基本的な機能は上記第2の発明の欠陥検出方法と同様である。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を基にして例えば1ピッチ分だけシフトさせた画像を形成することで、基準画像とシフトさせた画像との輝点等の特徴部分を容易に一致させることができる。さらに、少数ピッチのシフトと多数ピッチのシフトの二通りにシフトさせた画像と基準画像との差分をとるため、大小の欠陥を見落とすことなく検出することができる。この結果、各輝点を容易に且つ正確に一致させて、高精度の欠陥検出が可能になる。
【0017】
また、第2の発明では、上記第1工程で差分をとった画像と、第2工程で差分をとった画像とを第3工程で合成して、欠陥の輝度値を高く、ノイズの輝度値を低くすることができるため、高精度の欠陥検出が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る欠陥検出方法及び欠陥検出装置について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
[第1実施形態]
[欠陥検出装置]
まず、本発明の欠陥検出方法に用いる欠陥検出装置を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
欠陥検出装置は、図5に示すように主に、パネル載置台11と、ラインセンサーカメラ12と、照明装置13と、制御装置14とから構成されている。
【0021】
パネル載置台11は、検査対象のパネル15を載置して欠陥の検出を行う台である。このパネル載置台11は、パネル15をXY軸方向に移動させるXY移動機構16(図6参照)が組み込まれる。このXY移動機構16により、ラインセンサーカメラ12の基準位置とパネル15の基準位置とが整合するように位置調整される。XY移動機構16は、パネル載置台11を支持してX軸方向へ移動させるX軸移動機構部(図示せず)と、このX軸移動機構部をY軸方向へ移動させるY軸移動機構部(図示せず)とを備えた一般的な構成を有している。
【0022】
ラインセンサーカメラ12は、パネル15の表示面の画像を基準画像として取り込むための読み取り装置である。ラインセンサーカメラ12は、センサーを例えばX軸方向にパネル15をカバーできる長さに配設して構成されている。ラインセンサーカメラ12は、往復移動機構17(図6参照)に取り付けられて、Y軸方向に往復移動できるように構成されている。これにより、ラインセンサーカメラ12は、Y軸方向にパネル15の全長に亘って往復移動して、スキャナーと同様の方式で、パネル15の全体の画像を一度に取り込めるようになっている。このラインセンサーカメラ12で取り込んだ画像情報は制御部19内のメモリに格納される。
【0023】
照明装置13は、パネル15の表示面を証明するための装置である。この照明装置13は、ラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む際に、パネル15の表示面を証明する。
【0024】
制御装置14は、ラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む際に、各装置を制御すると共に、取り込んだ画像を処理するための装置である。この制御装置14は、図6に示すように主に、制御部19と、表示部20と、入力部21とから構成されている。
【0025】
表示部20は、ラインセンサーカメラ12で取り込んだパネル15の全体の画像を表示するための装置である。
【0026】
入力部21は、操作等の際に必要な入力を行うキーボード等である。
【0027】
制御部19は、入力部21からの操作に応じて、各装置を制御すると共に、取り込んだ画像を処理して、表示部20に表示させるための装置である。この制御部19は、メモリ、遅延手段、差分取得手段、2値化手段等(いずれも図示せず)が組み込まれて構成されている。さらに、制御部19には、ラインセンサーカメラ12でパネル15の表示面の画像を基準画像25(図1参照)として取り込んで、当該基準画像25を上記遅延手段で少数ピッチ分(例えば1ピッチ)だけシフトさせた画像26(図1参照)を上記差分取得手段で上記基準画像25から差分を取得する第1処理と、上記基準画像25を上記遅延手段で多数ピッチ分(例えば3ピッチ)だけシフトさせた画像26を上記差分取得手段で上記基準画像25から減算する第2処理の各機能が格納されている。なお、遅延手段は、上記基準画像25を例えば1ピッチや3ピッチだけシフトさせた画像26を形成するための手段である。差分取得手段は、当該遅延手段でシフトされた画像26と上記基準画像25との差分をとるための手段である。差分取得手段では、単純に上記画像26を上記基準画像25から減算する場合と、画像25、26に重み付けをして減算する場合がある。例えば、一方の画面を1.1倍して減算する等の、両者の比率を変えて減算する場合がある。
【0028】
制御部19には、具体的には図11のフローチャートに示す処理機能が格納されている。この制御部19の具体的な処理機能については後述する。
【0029】
[欠陥検出方法]
次に、上記構成の欠陥検出装置を用いた欠陥検出方法について図11のフローチャートを中心に説明する。
【0030】
制御部19の制御により、まずラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む(ステップ1)。即ち、照明装置13で、パネル15の表示面が証明された状態で、往復移動機構17によってラインセンサーカメラ12がパネル15の全長に亘って移動しながらパネル15の全体の画像を取り込む。
【0031】
次いで、この画像を基準画像25としてメモリに格納する(ステップ2)。
【0032】
次いで、4つの処理をそれぞれ行う。第1の処理では、基準画像25を基にして図7に示すようにY軸方向へ+1ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ3)、図8に示すように基準画像25から減算する(ステップ4)。次いで、減算した値を2値化してマイナスの値を除去して表示部20に表示させる(ステップ5)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して区別する(ステップ6)。
【0033】
第2の処理では、基準画像25を基にしてY軸方向へ−1ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ7)、図9に示すように未演算領域をカバーして縁部の検出漏れを防止する。次いで、基準画像25から減算し(ステップ8)、減算した値を2値化して表示部20に表示させる(ステップ9)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して他と区別する(ステップ10)。
【0034】
第3の処理では、基準画像25を基にしてY軸方向へ+3ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ11)、基準画像25から減算する(ステップ12)。これにより、図10に示すように、1ピッチ分だけシフトさせた画像26を基準画像25から減算するとき、欠陥として認識されない部分が出てしまうような場合でも、3ピッチ分だけシフトさせると、欠陥として認識されない部分を解消できる。
【0035】
次いで、減算した値を2値化して表示部20に表示させる(ステップ13)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して他と区別する(ステップ14)。
【0036】
第4の処理では、基準画像25を基にしてY軸方向へ−3ピッチ分だけシフトさせた画像26を形成し(ステップ15)、基準画像25から減算する(ステップ16)。次いで、減算した値を2値化して表示部20に表示させる(ステップ17)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して他と区別する(ステップ18)。
【0037】
以上のように、パネル15の表示面の画像を基準画像25として取り込んで、この基準画像25を1ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算するようにしたため、基準画像25と1ピッチ分だけシフトさせた画像26との間で位置を調整して整合させる必要がなくなり、各輝点2を容易に且つ正確に一致させて高精度の欠陥検出が可能になる。
【0038】
また、パネル15の表示面の画像を基準画像25として取り込んで、この基準画像25を3ピッチ分だけシフトさせた画像26を上記基準画像25から減算するようにしたため、1ピッチのシフトでは重なってしまうような大きな欠陥を高い精度で検出することが可能になる。
【0039】
上記各工程で、基準画像25をY軸方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像26を形成して、基準画像25からそれぞれ減算するようにしたので、パネル15の縁部まで確実に検査することができる。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においても、上記第1実施形態の欠陥検出装置を用いて説明する。上記欠陥検出装置の制御部19に、後述する処理機能が格納されている。
【0041】
以下に、本実施形態の欠陥検出方法について図12のフローチャートを中心に説明する。
【0042】
制御部19の制御により、まずラインセンサーカメラ12でパネル15の全体の画像を取り込む(ステップ21)。即ち、照明装置13で、パネル15の表示面が証明された状態で、往復移動機構17によってラインセンサーカメラ12がパネル15の全長に亘って移動しながらパネル15の全体の画像を取り込む。
【0043】
次いで、この画像を基準画像(図1の25に対応)としてメモリに格納する(ステップ22)。
【0044】
次いで、基準画像(25)を基にしてX軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(図1中の26に対応)を形成し(ステップ23)、この画像を基準画像(25)から減算する(ステップ24)。この減算も、上記第1実施形態と同様に、いずれかに重み付けして差分をとる場合もある。検査対象物の性質に応じて適宜重み付けをする。シフトさせる方向はX軸方向の+方向でも−方向でもよい。
【0045】
次いで、基準画像(25)を基にしてY軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を形成し(ステップ25)、この画像を基準画像(25)から減算する(ステップ26)。シフトさせる方向はY軸方向の+方向でも−方向でもよい。
【0046】
次いで、ステップ24、26でそれぞれ減算して得た画像を合成する(ステップ27)。この画像の合成では、2つの画像を単純加算する場合以外に、諸条件に応じて、いずれかの画像に上記同様の重み付けをして加算する場合もある。本実施形態では、2つの画像を単純加算している。
【0047】
次いで、加算した値を2値化してマイナスの値を除去して表示部20に表示させる(ステップ28)。次いで、作業者が表示部20を見ながら欠陥を検出したり、画像処理で欠陥を検出したりして、欠陥を検出したパネル15にはマークを付ける等の処理を施して区別する(ステップ29)。画像処理によってコンピュータで欠陥を検出してもよい。
【0048】
以上の処理の原理を図13に基づいて説明する。
【0049】
基準画像(25)を基にしてX軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値を図13(A)に示す。この輝度値をしきい値20で2値化した結果を図14に示す。この図14から分かるように、比較的ノイズが少ないが、それでもやはり欠陥かノイズかの区別が付きにくい。
【0050】
基準画像(25)を基にしてY軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値を図13(B)に示す。この輝度値をしきい値20で2値化した結果を図15に示す。この図15から分かるように、ノイズが多くて、欠陥かノイズかの区別が付きにくい。
【0051】
基準画像(25)を基にしてX軸方向とY軸方向へそれぞれ1ピッチ分ずつシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値をしきい値20で2値化した結果を図16に示す。この図16から分かるように、ノイズが非常に多くて、欠陥かノイズかの区別が付きにくい。
【0052】
基準画像(25)を基にしてX軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値(図13(A))と、Y軸方向へ1ピッチ分だけシフトさせた画像(26)を基準画像(25)から減算したときの輝度値(図13(B))とを加算した輝度値を図13(C)に示す。この輝度値をしきい値40で2値化した結果を図17に示す。
【0053】
図13(C)のように、X軸方向の輝度値図13(A)とY軸方向の輝度値図13(B)とを加算すると、輝度値が大きくなる。このとき、ノイズも加算されるが、X軸方向にシフトさせたノイズと、Y軸方向にシフトさせたノイズとでは、重複することが少ない。このため全体的に、欠陥は重複して輝度値が高くなり、ノイズは重複が少なくて輝度値が低くなる。このため、例えばしきい値を40に上げると、ノイズが落ちて、欠陥が残る。この結果、図17に示すように、ノイズが少なく、欠陥を明確に区別できる画像になる。
【0054】
以上のように、パネル15の表示面の画像を基準画像(25)として取り込んで、この基準画像(25)を1ピッチ分だけX軸方向にシフトさせた画像(26)を上記基準画像(25)から減算した画像と、基準画像(25)を1ピッチ分だけY軸方向にシフトさせた画像(26)を上記基準画像(25)から減算した画像とを加算して高いしきい値で2値化するため、ノイズが少なく、欠陥を明確に区別できる画像を提供することができる。この結果、上記第1実施形態の効果に加えて、高精度の欠陥検出が可能になる。
【0055】
[変形例]
上記第1実施形態では、基準画像25をY軸方向にシフトさせて欠陥検出を行うようにしたが、基準画像25をX軸方向にシフトさせて欠陥検出を行うようにしてもよい。
【0056】
さらに、直交する2方向(XY軸方向)に対してそれぞれ行うようにしてもよい。即ち、X軸方向に1ピッチシフトさせて減算した後、Y軸方向に1ピッチシフトさせて減算するようにしてもよい。この場合、X軸方向に長く延びた欠陥をY軸方向にスライドさせることで、又はY軸方向に長く延びた欠陥をX軸方向にスライドさせることで容易に検出することができるようになる。この場合において、パネル15の縁部をカバーする必要があるときは、直交する2方向(XY軸方向)に対してそれぞれプラス方向とマイナス方向にスライドさせて欠陥検出を行う。さらに、各方向に対して1ピッチと3ピッチずつシフトさせるようにしてもよい。また、シフトさせる方向は、互いに直交する方向に限らず、斜め方向でもよい。直交方向や斜め方向等の異なる方向にシフトさせれば、欠陥を検出しやすくなる。
【0057】
また、上記第1実施形態では、1ピッチと3ピッチだけシフトさせて欠陥検出を行うようにしたが、2ピッチ又は4ピッチ以上シフトさせて欠陥検出を行う工程を1又は2以上追加してもよい。諸条件に応じて、ピッチ数及び追加工程数を適宜設定する。
【0058】
上記第2実施形態では、上記第1工程で上記基準画像をX軸方向に1ピッチ分だけシフトさせ、上記第2工程で上記基準画像をY軸方向に1ピッチ分だけシフトさせるようにしたが、数ピッチ分シフトさせるようにしてもよい。また、必要に応じて、X軸方向とY軸方向とで異なるピッチ分だけシフトさせるようにしてもよい。状況に応じて最適なピッチ数を選択する。
【0059】
上記第2実施形態では、X軸方向とY軸方向にシフトさせたが、斜め方向に(例えばX軸方向1ピッチとY軸方向に1ピッチ)シフトさせてもよい。このとき、上記第2工程では上記基準画像を上記斜め方向と異なる方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせるようにしてもよい。この場合も、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態に係る欠陥検出方法を示す模式図である。
【図2】LCDパネルを示す正面図である。
【図3】従来の欠陥検出方法を示す模式図である。
【図4】輝点が消えて欠陥のみが残る状態を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る欠陥検出装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る制御装置を示す機能ブロック図である。
【図7】基準画像を1ピッチシフトさせる態様を示す正面図である。
【図8】基準画像を1ピッチシフトさせて減算するときの欠陥の状態を示す模式図である。
【図9】基準画像を1ピッチシフトさせたときの未演算領域を示す模式図である。
【図10】基準画像を3ピッチシフトさせて減算するときの欠陥の状態を示す模式図である。
【図11】制御部に格納された処理機能を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る制御部に格納された処理機能を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る制御部での処理結果を示すグラフである。
【図14】本発明の第2実施形態に係る制御部でX軸方向にシフトさせたときの処理結果を示す取り込み画像である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る制御部でY軸方向にシフトさせたときの処理結果を示す取り込み画像である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る制御部でXY軸方向にシフトさせたときの処理結果を示す取り込み画像である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る制御部でX軸方向とY軸方向のシフト減算値を加算して処理した結果を示す取り込み画像である。
【符号の説明】
【0061】
11:パネル載置台、12:ラインセンサーカメラ、13:照明装置、14:制御装置、15:パネル、16:XY移動機構、17:往復移動機構、19:制御部、20:表示部、21:入力部、25:基準画像、26:シフトさせた画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を少数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1工程と、
上記基準画像を多数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第2工程とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の欠陥検出方法において、
上記各工程で、上記基準画像を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像を、上記基準画像からそれぞれ減算することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の欠陥検出方法において、
上記各画像を上記基準画像からそれぞれ減算する上記各工程での処理を、異なる2方向に対してそれぞれ行うことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の欠陥検出方法において、
上記基準画像を上記各工程と異なるピッチ数だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する工程を、1又は上記ピッチ数を変えて2以上追加したことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項5】
表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像をシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1工程と、
上記基準画像を上記第1工程でのシフト方向と異なる方向にシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第2工程とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項6】
表示面に明暗等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込む読み取り装置と、
当該基準画像をシフトさせた画像を形成する遅延手段と、
当該遅延手段でシフトされた画像を上記基準画像から減算する減算手段と、
上記読み取り装置で上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を上記遅延手段で少数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記減算手段で上記基準画像から減算する第1処理及び、上記基準画像を上記遅延手段で多数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記減算手段で上記基準画像から減算する第2処理の各機能を格納した制御部とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1及び第2処理で、上記基準画像を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像を、上記基準画像からそれぞれ減算することを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1及び第2処理を、異なる2方向に対してそれぞれ行うことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれか1項に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1及び第2処理と異なるピッチ数だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する処理を、1又は上記ピッチ数を変えて2以上追加したことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項10】
表示面に明暗等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込む読み取り装置と、
当該基準画像をシフトさせた画像を形成する遅延手段と、
当該遅延手段でシフトされた画像を上記基準画像から減算する減算手段と、
上記読み取り装置で上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像をシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1処理及び、
上記基準画像を上記第1工程でのシフト方向と異なる方向にシフトさせた画像を上記減算手段で上記基準画像から減算する第2処理の各機能を格納した制御部とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項11】
表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第1工程と、
上記基準画像を他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第2工程と、
上記第1工程及び第2工程でそれぞれ差分をとって得た画像を合成する第3工程と
を備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項12】
請求項11に記載の欠陥検出方法において、
上記第1工程で上記基準画像をX軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせ、上記第2工程で上記基準画像をY軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせて、上記基準画像からそれぞれ差分をとることを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項13】
請求項11に記載の欠陥検出方法において、
上記第1工程で上記基準画像を斜め方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせ、上記第2工程で上記基準画像を上記第1工程と異なる方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせて、上記基準画像からそれぞれ差分をとることを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項14】
表示面に明暗等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込む読み取り装置と、
当該基準画像をシフトさせた画像を形成する遅延手段と、
当該遅延手段でシフトされた画像と上記基準画像との差分をとる差分取得手段と、
当該差分取得手段で差分をとった2つの画像を合成する合成手段と、
上記読み取り装置で上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を上記遅延手段で一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記差分取得手段で上記基準画像との差分をとる第1処理、上記基準画像を上記遅延手段で他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記差分取得手段で上記基準画像との差分をとる第2処理及び、上記第1工程及び第2工程でそれぞれ差分をとって得た画像を上記合成手段で合成する第3処理の各機能を格納した制御部と
を備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項15】
請求項14に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1工程で上記基準画像をX軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとり、上記第2工程で上記基準画像をY軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項16】
請求項14に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1工程で上記基準画像を斜め方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとり、上記第2工程で上記基準画像を上記第1工程と異なる方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項1】
表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を少数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1工程と、
上記基準画像を多数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第2工程とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の欠陥検出方法において、
上記各工程で、上記基準画像を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像を、上記基準画像からそれぞれ減算することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の欠陥検出方法において、
上記各画像を上記基準画像からそれぞれ減算する上記各工程での処理を、異なる2方向に対してそれぞれ行うことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の欠陥検出方法において、
上記基準画像を上記各工程と異なるピッチ数だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する工程を、1又は上記ピッチ数を変えて2以上追加したことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項5】
表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像をシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1工程と、
上記基準画像を上記第1工程でのシフト方向と異なる方向にシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第2工程とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項6】
表示面に明暗等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込む読み取り装置と、
当該基準画像をシフトさせた画像を形成する遅延手段と、
当該遅延手段でシフトされた画像を上記基準画像から減算する減算手段と、
上記読み取り装置で上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を上記遅延手段で少数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記減算手段で上記基準画像から減算する第1処理及び、上記基準画像を上記遅延手段で多数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記減算手段で上記基準画像から減算する第2処理の各機能を格納した制御部とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1及び第2処理で、上記基準画像を一定方向に沿ってそのプラス方向とマイナス方向に同じピッチ数だけそれぞれシフトさせた各画像を、上記基準画像からそれぞれ減算することを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1及び第2処理を、異なる2方向に対してそれぞれ行うことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれか1項に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1及び第2処理と異なるピッチ数だけシフトさせた画像を上記基準画像から減算する処理を、1又は上記ピッチ数を変えて2以上追加したことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項10】
表示面に明暗等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込む読み取り装置と、
当該基準画像をシフトさせた画像を形成する遅延手段と、
当該遅延手段でシフトされた画像を上記基準画像から減算する減算手段と、
上記読み取り装置で上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像をシフトさせた画像を上記基準画像から減算する第1処理及び、
上記基準画像を上記第1工程でのシフト方向と異なる方向にシフトさせた画像を上記減算手段で上記基準画像から減算する第2処理の各機能を格納した制御部とを備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項11】
表示面に輝点等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出方法であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第1工程と、
上記基準画像を他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとる第2工程と、
上記第1工程及び第2工程でそれぞれ差分をとって得た画像を合成する第3工程と
を備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項12】
請求項11に記載の欠陥検出方法において、
上記第1工程で上記基準画像をX軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせ、上記第2工程で上記基準画像をY軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせて、上記基準画像からそれぞれ差分をとることを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項13】
請求項11に記載の欠陥検出方法において、
上記第1工程で上記基準画像を斜め方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせ、上記第2工程で上記基準画像を上記第1工程と異なる方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせて、上記基準画像からそれぞれ差分をとることを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項14】
表示面に明暗等の映像上の特徴部分が規則的に並んだ表示パネルの当該表示面の画像を処理して欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込む読み取り装置と、
当該基準画像をシフトさせた画像を形成する遅延手段と、
当該遅延手段でシフトされた画像と上記基準画像との差分をとる差分取得手段と、
当該差分取得手段で差分をとった2つの画像を合成する合成手段と、
上記読み取り装置で上記表示パネルの表示面の画像を基準画像として取り込んで、当該基準画像を上記遅延手段で一方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記差分取得手段で上記基準画像との差分をとる第1処理、上記基準画像を上記遅延手段で他方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像を上記差分取得手段で上記基準画像との差分をとる第2処理及び、上記第1工程及び第2工程でそれぞれ差分をとって得た画像を上記合成手段で合成する第3処理の各機能を格納した制御部と
を備えて構成されたことを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項15】
請求項14に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1工程で上記基準画像をX軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとり、上記第2工程で上記基準画像をY軸方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項16】
請求項14に記載の欠陥検出装置において、
上記制御部が、上記第1工程で上記基準画像を斜め方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとり、上記第2工程で上記基準画像を上記第1工程と異なる方向に1又は数ピッチ分だけシフトさせた画像と上記基準画像との差分をとることを特徴とする欠陥検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−71861(P2007−71861A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378571(P2005−378571)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】
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