説明

歩行型作業機

【課題】 機体後進状態でのデッドマン形式によるクラッチ入り作動を簡単な操作で、かつ、その構造を簡単な構成によって実現した歩行型作業機を提供する。
【解決手段】
歩行作業者用の操縦ハンドル2に設けるクラッチレバー40を、デッドポイント線DLを挟んでクラッチ入り位置と切り位置とに揺動切り換え可能に構成し、作業クラッチ3からクラッチレバー40への連係機構中に、クラッチ切り側へ付勢されている作業クラッチ3の付勢力の力線FLの向きをデッドポイント線DLに対して変更する付勢方向変更機構7を備えて、変速レバー50の後進側への操作に伴って作業クラッチ3を切り側へ付勢するようにデッドポイント線に対する付勢力の力線FLの向きを設定変更するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の機体後方側に歩行作業者用の操縦ハンドルを備えるとともに、作業クラッチを入り切り操作するためのクラッチレバーと、走行方向を前進側と後進側とに切り換え操作する変速レバーを備えた歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した歩行型作業機では、従来より下記[1]および[2]に示す構造を備えたものが知られている。
[1] 走行機体の前進ではクラッチの入りを可能し、後進ではクラッチが入り操作されないように牽制するもの(特許文献1参照)
[2] 走行機体の後進でもクラッチ操作入りを可能にし、かつ、その後進でのクラッチ入り状態は、操縦者がクラッチレバーを握り操作している間だけクラッチ入り状態を維持し、手が離れるとただちにクラッチ切りとなるようにした、所謂デッドマン形式で用いことが可能であるように構成したもの(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−328961号公報(段落〔0009〕、図1、図2、図3)
【特許文献2】特開2004−116352号公報(段落〔0022〕、〔0023〕、図3、図4、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記[1]に記載のように、前進ではクラッチの入りを可能し、後進ではクラッチが入り操作されないように牽制する構造のものでは、万一、作業機から操縦者の手が離れた場合にでも、作業機が後進して後方の操縦者側に駆動されることを回避できる利点はあるものの、機体を後進させながらの作業を全く行うことができない、という不具合がある。
これに比べて、上記[2]に記載のように、後進でのクラッチ入りをデッドマン形式で行うことが可能であるように構成したものでは、操縦者がクラッチレバーを握り操作している間だけは後進作業を可能にするものであるから、操縦者の手が離れた場合の機体停止は確実に行えるものでありながら、必要に応じて機体を後進させながらの作業を行うこともできる利点がある。
【0005】
しかしながら、上記[2]に記載の従来構造のものでは、後進でのクラッチ入りをデッドマン形式で行うための構造として、前後進切換えレバーの後進側への操作に伴って揺動操作される前後進連動プレートを用いて、クラッチレバーのクラッチ入り側への操作を機械的な接当により強制的に行うように構成しているため、次のような問題点がある。
すなわち、クラッチレバーで揺動操作されるクラッチレバー基部プレートのクラッチ入り側への動きを牽制するための手段として、前後進切レバーの操作に伴って揺動操作される前後進連動プレートを用いている。この前後進連動プレートは、それを牽制位置、つまり、クラッチレバーが通常のクラッチ入り位置であるところの、デッドポイントを越えた入り側位置よりも、クラッチ切り側寄りの、デッドポイントは越えていないがクラッチは入り状態である位置に移動させるには、一旦、クラッチレバーを切り操作してクラッチレバー基部プレートやレバー連動プレートを切り側に退避させ、その退避して空けられた空間に、前後進切換レバーを後進側へ操作することによって前記前後進連動プレートを移行させて牽制位置に位置させている。そして、その後に、再びクラッチレバーを入り位置側へ操作することにより、クラッチレバーが通常のクラッチ入り位置であるところのデッドポイントを越えた入り側位置には至らない箇所で、デッドポイントは越えていないがクラッチは入り状態である位置を得るようにしている。
このように前記[2]に記載の従来構造のものでは、機体後進時にデッドマン形式でクラッチ入り状態とするために、クラッチ入り状態で作業していた作業装置のクラッチを一旦切り操作してから、機体を後進操作し、その後にクラッチを再び入り操作するという、煩雑な手数を要する不便さがある。
【0006】
本発明の目的は、機体後進状態でのデッドマン形式によるクラッチ入り作動を簡単な操作で可能にするにあたって、その構造を簡単な構成によって実現した歩行型作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために本発明で講じた技術手段は、請求項1に記載のように、走行機体から後方に延びる歩行作業者用の操縦ハンドルに、作業クラッチを入り切り操作するためのクラッチレバーを装備してあるとともに、前記走行機体には、走行方向を前進側と後進側とに切り換え操作する変速レバーを備えた歩行型作業機において、
前記クラッチレバーを、デッドポイント線を挟む両側に振り分け配置されたクラッチ入り位置と切り位置とに、クラッチレバーの揺動支点周りでの揺動操作で切り換え可能に構成し、
前記作業クラッチをクラッチ切り側へ付勢して設けるとともに、その作業クラッチからクラッチレバーへの連係機構中に、作業クラッチのクラッチ切り側への付勢力の力線の向きを前記デッドポイント線に対して変更する付勢方向変更機構を備え、
この付勢方向変更機構は、クラッチ入り位置に操作されているクラッチレバーに対する揺動付勢方向が変速レバーの後進側への操作に伴ってクラッチ切り側へ変更されるように、かつ、クラッチ切り位置に操作されているクラッチレバーに対する揺動付勢方向が変速レバーの前進側への操作によってもクラッチ切り側へ付勢される状態を維持するように、デッドポイント線に対する前記力線の方向を設定変更する機構によって構成してあることを特徴とする。
【0008】
〔作用及び効果〕
上記のように、解決手段1にかかる本発明の歩行型作業機では、作業クラッチからクラッチレバーに至る連係機構中に、クラッチ切り側へ付勢されている作業クラッチの付勢力の力線の向きを、クラッチレバーの入り位置と切り位置との中間に存在させた前記デッドポイント線に対して変更する付勢方向変更機構を備えて、走行方向が後進側へ切り換えられるに伴ってデッドポイント線に対する前記力線の向きが変更される。したがって、クラッチレバーを通常のクラッチ入り位置に位置させたままの状態でも、走行方向が後進側へ切換操作されると、そのクラッチレバーが切り側へ揺動付勢された、所謂、デッドマン形式で用いられる状態のクラッチレバーを構成することが可能となり、操作の簡素化、構造の簡素化を図り得る利点がある。。
【0009】
〔解決手段2〕
本発明の歩行型作業機における第2の解決手段では、請求項2の記載のように、付勢方向変更機構は、作業クラッチからクラッチレバーへの連係機構中に介在させた弦月杆と、その弦月杆のクラッチレバーに連結された側とは反対側でワイヤーに連結された部位を強制的に移動させる操作体と、変速レバーの後進変速操作に伴って前記操作体を操作する連係部材とを備えて構成されている点に特徴がある。
【0010】
〔作用及び効果〕
上記のように構成された解決手段2にかかる本発明の歩行型作業機では、前記解決手段1にかかる発明と同等な作用効果の他に、次の作用効果をも奏する。
すなわち、作業クラッチからクラッチレバーへの連係機構中に介在させた弦月杆と、その弦月杆のクラッチレバーに連結された側とは反対側でワイヤーに連結された部位を強制的に移動させる操作体とを用いて前述のデッドポイント線に対する前記力線の方向を変更するように構成しているので、構造的に簡単で、コンパクトに構成できる。
また、これに加えて、操作体の操作も弦月杆のワイヤー連結端側を揺動操作するだけのものであるから、その操作力も小さなもので済み、軽快な操作が可能である。したがって、その操作構造も大きな作用力に抗するだけの強度部材を要さず、小型で低強度の安価なもので構成することが可能となる利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
〔歩行型作業機の全体構成〕
図1は、本発明に係る歩行型作業機の一例である歩行型耕耘機を示し、走行機体1の機体後方側に向けて歩行作業者用の操縦ハンドル2を延出してある。
前記走行機体1は、エンジン搭載フレーム11とミッションケース12とを一体化して構成した車体枠部10にエンジン13を搭載し、ミッションケース12の下部から車体横向きに延出された駆動軸14に、正逆に回転方向を切り換え可能なロータリ耕耘装置15を装着して構成してある。この走行機体1の後方側には、前記車体枠部10の後部に設けたヒッチ16を介して抵抗棒17を装着してある。
【0012】
〔伝動系の構造〕
前記エンジン搭載フレーム11に支持されたエンジン13の出力軸13aから取り出された駆動力は、ベルトテンションクラッチで構成された作業クラッチ3を介してミッションケース12の入力軸12aに伝達される。ミッションケース12では、前記入力軸12aの駆動力をミッションケース12内に装備されているギヤトランスミッション(図示せず)を介して、減速して前記駆動軸14に伝達するように構成されている。
前記ミッションケース12内には、前述の作業クラッチ3とは別の、前記駆動軸14を左右各別に駆動する操向クラッチ(図外)も内装されており、操縦ハンドル2に設けた左右の操向レバー18の操作により前記操向クラッチを操作し、左右の駆動軸14を左右各別に駆動して走行機体1の操向操作を行うことができるようになっている。
【0013】
前記作業クラッチ3は、前記エンジン13の出力軸13aに設けられた出力プーリ13bとミッションケース12の入力軸12aに設けられた入力プーリ12bとにわたって掛張された伝動ベルト30を備え、その伝動ベルト30に対して図1または図2に示すように圧接するクラッチ入り状態と、図3に示すように伝動ベルト30への圧接を解除されたクラッチ切り状態とに、姿勢変更操作されるテンションプーリ31を備えて構成されている。
前記テンションプーリ31は、車体枠部10側の揺動支点32に対して一端側を揺動自在に枢支された揺動アーム31aと、その揺動アーム31aの揺動自在な他端側に枢支されたテンション輪31bとを備えている。そして、このテンションプーリ31は、前記揺動アーム31aに連結されたつる巻きバネ33を介して前記伝動ベルト30から離れる側へ揺動付勢されているとともに、後述するクラッチ操作機構4に備えたクラッチレバー40により人為的に入り状態と切り状態とに姿勢切り換え自在に構成されている。
【0014】
〔変速操作機構〕
図2乃至図4は、後述するクラッチ操作機構4と、駆動軸14を正方向回転と逆方向回転とに切り換えて駆動するようにミッションケース12内に備えられているギヤトランスミッションを操作するための周知の変速操作機構5との関係を示している。
変速操作機構5は、変速レバー50が図2及び図3に示される前進位置から、図4に示される後進位置に変速操作されると、ミッションケース12内の横軸心x周りで揺動操作される変速操作体51が図2及び図3に示す前進姿勢位置から図4に示す後進姿勢位置に姿勢変化して、ミッションケース12内のギヤトランスミッションを後進側へ切り換えて、駆動軸14から後進駆動力を出力するように構成されている。
そして、前記変速操作体51の遊端側には、後述する付勢方向変更機構7の連係部材としての変速側レリーズワイヤ71が連結されており、変速操作体51の揺動操作に伴なう連結点の変位量だけ変速側レリーズワイヤ71が押し引き操作されるように構成されている。
【0015】
前記変速操作体51は、前記横軸心x周りの揺動操作で前後進変速用シフター(図外)を前進側と後進側とに切換操作するように構成してあり、さらに、前記横軸心xとは直交する縦軸心y周りにも揺動操作自在に構成されていて、変速レバー50の左右方向の揺動操作に基づいて前記縦軸心y周りに揺動することにより、高低変速用シフター(図外)を操作して、前進速度を高低2段に変速操作可能に構成されている。
【0016】
〔クラッチ操作機構〕
図2乃至図6に示すように、クラッチ操作機構4は、操縦ハンドル2の左側のハンドル部分に設けたクラッチレバー40と、そのクラッチレバー40の揺動操作を作業クラッチ3に伝える連係機構6と、前記変速レバー50による後進側への変速操作に伴う作用をクラッチレバー40に伝える付勢方向変更機構7とで構成されている。
【0017】
前記作業クラッチ3を入り切り操作するためのクラッチレバー40は、操縦ハンドル2のハンドル杆20に取り付けたブラケット21に対して、横軸心p0周りで揺動自在に枢支されている。つまり、前記ブラケット21に横向きに立設した横軸22に外嵌させたボス部41a、及び、クラッチレバー40の握り杆42を固定するための取り付け部41bを備えた揺動板41を備え、その揺動端側に、作業クラッチ3に対する連係機構6の弦月杆60を連結してある。このクラッチレバー40は、ハンドル杆20に取り付けたガイドカバー23に形成されているガイド孔23aに案内されて揺動自在に構成されている。
【0018】
前記連係機構6は、前記クラッチレバー40に連結された弦月杆60と、その弦月杆60の他側に連結されるクラッチ側レリーズワイヤ61とで構成されている。
前記弦月杆60のクラッチレバー40との連結点p1、及びクラッチ側レリーズワイヤ61との連結点p2は、図3に示すクラッチ切りの状態では、アウターワイヤ固定部24に固定された箇所のクラッチ側レリーズワイヤ61とクラッチレバー40の枢支点である横軸心p0とを結ぶ線分であるデッドポイント線DLから下方に離れた位置にある。つまり、作業クラッチ3の揺動アーム31aを切り側へ付勢するつる巻きバネ33の付勢力により、クラッチレバー40を切り姿勢側へ付勢する引っ張り作用を与える力線FLは、前記連結点p1と連結点p2とを結ぶ線分上にあって、クラッチレバー40を切り姿勢側へ付勢するように構成されている。
そして、前記付勢力に抗してクラッチレバー40を入り側へ人為的に操作すると、前記連結点p1,p2、及びその連結点p1,p2上の力線FLは、前記デッドポイント線DLを越えて前記切り側における位置とは反対側に位置する状態となるので、前記付勢力による引っ張り作用がクラッチレバー40を入り側端部に押しつけるように働き、そのクラッチレバー40の入り姿勢を安定的に維持することになる。
【0019】
前記付勢方向変更機構7は、操作体70と、変速側レリーズワイヤ71と、戻しバネ72とで構成されている。
図2乃至図4に示すように、前記クラッチレバー40を枢支した横軸22に操作体70の板状部70aが回動自在に枢支されており、その板状部70aの遊端側の表裏両側に突出する状態で軸体70bが固定されている。この軸体70bの前記クラッチレバー40の揺動板41に対向する側に突出した軸部分にローラ70cが回動自在に装着され、反対側に突出した軸部分を連結点p3として、前記変速操作体51に一端側を連結した変速側レリーズワイヤ71の他端と、ハンドル杆20側に一端側を固定した戻しバネ72の他端とがそれぞれ連結されている。
前記戻しバネ72の前記連結点p3とは反対側の端部はハンドル杆20の固定部に設けた連結点p4に連結されており、クラッチレバー40を入り側へ揺動付勢するように付勢方向を設定した引っ張りバネで構成されている。そして、その付勢力は作業クラッチ3のつる巻きバネ33による逆方向の付勢力よりも弱く設定されている。
【0020】
また、前記軸体70bに遊嵌されたローラ70cは、図5及び図6に示すように左右方向位置が弦月杆60の存在位置と重複する状態で弦月杆60の上側に設けられている。したがって、図2及び図3に示すように、変速レバー50が前進位置に操作されている状態で、クラッチレバー40がクラッチ入り位置にある状態から、前記変速レバー50を後進位置に操作すると、図4に示すように、操作体70が弦月杆60のワイヤー連結側を下方側に押し下げる。
その結果、弦月杆60のクラッチ側レリーズワイヤ61との連結点p2は、下方側へ移動して、その連結点p2と前記弦月杆60のクラッチレバー40との連結点p1とを結ぶ線分に相当する力線FLの方向が、 図4に図示されているように、デッドポイント線DLに対して大きく斜めに姿勢変化して、弦月杆60のクラッチ側レリーズワイヤ61との連結点p2が姿勢変化後のデッドポイント線DLに対して、相対的に下方側に移動したことになる。
このため、弦月杆60のクラッチ側レリーズワイヤ61との連結点p2に作用するクラッチ側レリーズワイヤ61を介しての作業クラッチ3側の引っ張り作用により、弦月杆60のクラッチレバー40との連結点p1には、クラッチレバー40を切り位置側へ戻し操作する力が作用することになる。したがって、この状態では、後進しながらの作業状態を継続するには、クラッチレバー40を人為的に入り位置に保持した状態を維持しながら行う必要があり、所謂「デッドマン形式」のクラッチ操作形態が現出された状態となる。
【0021】
図1乃至図5に示す符号45は、指操作式クラッチレバーであり、ハンドル杆20の固定部に設けた横向き軸25に遊嵌する筒部45aを備えて、前記横向き軸25の横軸心p5周りで揺動自在に構成されており、かつ、ハンドル杆20の後端側の握り部20aに近い後端側端部に押し操作部45bを備え、他端側に長円状の抜き穴45cを備えて、この抜き穴45cに前記クラッチレバー40の揺動板41から突出させたローラ付き突起43を挿嵌させている。
したがって、指操作式クラッチレバー45の押し操作部45bを下向きに押し操作すると、切り状態にある作業クラッチ3を入り状態に切換操作することができる。したがって、この指操作式クラッチレバー45を用いれば、ハンドル杆20の握り部20aを把持したままの指操作で作業クラッチ3を入り操作状態に切換操作することができる。
【0022】
〔別実施形態〕
[1] 上記実施の形態では、駆動軸14にロータリ耕耘装置15を装着して、ロータリ耕耘装置15の駆動による走行を行うように構成された歩行型作業機を示したが、本発明は、ミッションケース12の駆動軸に走行装置を備え、その走行装置とは別に、別の動力取り出し軸からの動力で駆動されるロータリ耕耘装置15を装着して、そのロータリ耕耘装置15の駆動を断続する作業クラッチ3を断続するようにしてもよい。
また、そのように走行装置とロータリ耕耘装置などの作業装置を別々に備える歩行型作業機に適用する作業クラッチ3としては、走行系と作業装置系との両方をともに断続する主クラッチによって構成してもよい。
【0023】
[2] 本発明は、歩行型耕耘機の他、歩行型田植機や歩行型芝刈り機など、各種の作業機にも適用できる。従って、これらの各種の歩行型の作業機を総称して歩行型作業機と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】歩行型作業機の全体側面図
【図2】クラッチ操作機構部分と変速操作機構部分とを示す側面図
【図3】クラッチ操作機構部分と変速操作機構部分とを示す平面図
【図4】クラッチ操作機構部分と変速操作機構部分とを示す側面図
【図5】クラッチ操作機構部分を示す平面図
【図6】クラッチ操作機構部分の一部を示す断面図
【符号の説明】
【0025】
1 走行機体
2 操縦ハンドル
3 作業クラッチ
4 クラッチ操作機構
5 前後進変速機構
6 連係機構
7 付勢方向変更機構
40 クラッチレバー
50 変速レバー
60 弦月杆
70 操作体
71 連係部材
DL デッドポイント線
FL 力線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の機体後方側に歩行作業者用の操縦ハンドルを備えるとともに、作業クラッチを入り切り操作するためのクラッチレバーと、走行方向を前進側と後進側とに切り換え操作する変速レバーを備えた歩行型作業機であって、
前記クラッチレバーを、デッドポイント線を挟む両側に振り分け配置されたクラッチ入り位置と切り位置とに、クラッチレバーの揺動支点周りでの揺動操作で切り換え可能に構成し、
前記作業クラッチをクラッチ切り側へ付勢して設けるとともに、その作業クラッチからクラッチレバーへの連係機構中に、作業クラッチのクラッチ切り側への付勢力の力線の向きを前記デッドポイント線に対して変更する付勢方向変更機構を備え、
この付勢方向変更機構は、クラッチ入り位置に操作されているクラッチレバーに対する揺動付勢方向が変速レバーの後進側への操作に伴ってクラッチ切り側へ変更されるように、かつ、クラッチ切り位置に操作されているクラッチレバーに対する揺動付勢方向が変速レバーの前進側への操作によってもクラッチ切り側へ付勢される状態を維持するように、デッドポイント線に対する前記力線の方向を設定変更する機構によって構成してあることを特徴とする歩行型作業機。
【請求項2】
付勢方向変更機構は、作業クラッチからクラッチレバーへの連係機構中に介在させた弦月杆と、その弦月杆のクラッチレバーに連結された側とは反対側でワイヤーに連結された部位を強制的に移動させる操作体と、変速レバーの後進変速操作に伴って前記操作体を操作する連係部材とを備えて構成されている請求項1記載の歩行型作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−223784(P2009−223784A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69775(P2008−69775)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(596075314)オカネツ工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】