説明

歯ブラシの整列方法及び歯ブラシ整列装置

【課題】歯ブラシのハンドルの傷つきを低減するとともに、歯ブラシの品種の切替等が容易で、汎用性に優れ、且つ整列精度の高い歯ブラシの整列方法及び整列装置を提供する。
【解決手段】複数本の歯ブラシからなる歯ブラシ群を略平行に整列し、該歯ブラシ群の、各歯ブラシの首部の位置に櫛歯部材2を突き通し、該櫛歯部材2の各櫛歯2bの間に歯ブラシを小分けにし、次いで、櫛歯部材2の櫛歯2b間の列毎に歯ブラシを取り出し、次いで、歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1ガイドバー41と、該第1のガイドバー41とは反対の側から歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、第1のガイドバー41と平行に配された第2のガイドバー42とからなる整列部4によって歯ブラシを保持し、整列部4は、第1、第2のガイドバー41、41の内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシを整列する方法に関し、歯ブラシの製造工程において、歯ブラシの刷毛部の向きを指定の方向に揃えるための歯ブラシの整列方法及び歯ブラシ整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の歯ブラシの整列する方法としては、本出願人が提案した特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載の整列方法は、ホッパー下流側の出口部に歯ブラシのハンドル部形状と相似な形状をした間隙部を形成し、ホッパー内に投入した多数本の歯ブラシを揺動板によって撹拌しながら前記間隙部に供給することにより、間隙部の形状と一致する向きになった歯ブラシを1本ずつ通過させて下流側へ送り出すようにしたものである
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の整列方法の場合、間隙部の形状は歯ブラシのハンドル部形状と相似形にする必要があった。そのため、歯ブラシ製造に際しては、製造する歯ブラシのハンドル部に応じた形状の間隙部材を多数用意しておき、製造する歯ブラシが変わる度に装置の間隙部材を取り替えねばならず、汎用性の点で問題があった。また、間隙部材の取り替えにも多大の時間と労力を要し、しかもその間は製造ラインを止めなければならず、製造効率の点からも改良の余地があった。また、特許文献1に記載の整列方法では、歯ブラシをホッパー内で揺動板によって攪拌しながら間隙部に供給することから、歯ブラシのハンドル部に多くの傷が生じる虞があった。
【0004】
また、本出願人は、特許文献2に記載したような、歯ブラシのハンドル部形状に影響を受けることなしに歯ブラシの向きを自動的に一定の方向に揃えることができる歯ブラシの整列方法を提案している。この特許文献2に記載の整列方法によれば、特許文献1記載の整列方法において生じるハンドルの傷付きや、汎用性及び製造効率の改善のため、
(1)小分け工程(仕切板の突出によって歯ブラシを小分けする)、
(2)ならし工程(ならし板の上下振動によって歯ブラシを1本ずつ分離)、
(3)姿勢矯正工程(第1のガイドバーと、傾斜面を有する第2のガイドバーとの間に歯ブラシの首部を挟み、水平状態から垂直状態に吊り下げて移動する際に、自動的に刷毛部が第1のガイドバーの方を向く)、
の各工程を備え、歯ブラシの形状に影響を受けること無く、歯ブラシの向きを自動的に一定方向に揃えることができるようになっている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の整列方法では、工程、装置が複雑となるため、より簡素化され、且つ精度の高い整列方法が望まれていた。
【特許文献1】特開昭54−126362号公報
【特許文献2】特開2005−170408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、歯ブラシのハンドルの傷つきを低減するとともに、歯ブラシの品種の切替等が容易で、汎用性に優れ、且つ整列精度の高い歯ブラシの整列方法及び整列装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する整列方法であって、複数本の前記歯ブラシからなる歯ブラシ群を略平行に整列し、櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材を用いて、前記歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に前記櫛歯部材を突き通し、該櫛歯部材の各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けすることを特徴とする歯ブラシの整列方法を提供する。
また、本発明は、植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する整列方法であって、歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1のガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーとからなる整列部によって歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持し、前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動することによって、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くようにしたことを特徴とする歯ブラシの整列方法を提供する。
また、本発明は、植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する整列方法であって、複数本の前記歯ブラシからなる歯ブラシ群を略平行に整列し、櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材を用いて、前記歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に前記櫛歯部材を突き通し、該櫛歯部材の各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けし、次いで、前記櫛歯部材の各櫛歯間の列毎に歯ブラシを取り出し、次いで、前記歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1のガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーとからなる整列部によって歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持し、
前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動することによって、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くようにしたことを特徴とする歯ブラシの整列方法を提供する。
本発明の歯ブラシの整列方法は、前記整列部を、前記第2のガイドバーと平行にして、前記第1のガイドバーと反対の側に、前記第1のガイドバーと第2のガイドバーとの間に吊り下げられた前記歯ブラシの植毛部に当接して歯ブラシの向きを変更する補助板を備えた構成としても良い。
本発明の歯ブラシの整列方法は、前記整列部を、前記第1、第2のガイドバーの内、長手方向に往復運動するガイドバーの表面に凹凸部が形成されてなる構成としても良い。
【0008】
本発明は、植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する歯ブラシ整列装置であって、複数本の前記歯ブラシが略平行に整列された歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に突き通すことによって各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けにする、櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材を備えたことを特徴とする歯ブラシ整列装置を提供する。
また、本発明は、植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する歯ブラシ整列装置であって、前記歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1のガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーとを備え、前記歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持する整列部を具備し、該整列部は、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くように、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方を、該ガイドバーの長手方向に往復運動させる駆動手段を備えたことを特徴とする歯ブラシ整列装置を提供する。
また、本発明は、植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する歯ブラシ整列装置であって、複数本の前記歯ブラシが略平行に整列された歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に突き通すことによって各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けにする、櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材と、小分けにされた歯ブラシを各櫛歯間の列毎に前記櫛歯部材から取り出す取り出し部と、前記櫛歯部材の櫛歯毎に取り出された歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持する、前記歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1ガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーと、該第2のガイドバーと平行にして前記第1のガイドバーと反対の側に配された補助板とを備えた整列部を具備し、該整列部は、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くように、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方を、該ガイドバーの長手方向に往復運動させる駆動手段を備えたことを特徴とする歯ブラシ整列装置を提供する。
本発明の歯ブラシ整列装置は、前記整列部を、前記第2のガイドバーと平行にして、前記第1のガイドバーと反対の側に、前記第1のガイドバーと第2のガイドバーとの間に吊り下げられた前記歯ブラシの植毛部に当接して歯ブラシの向きを変更する補助板を備えた構成としても良い。
本発明の歯ブラシ整列装置は、前記整列部を、前記第1、第2のガイドバーの内、長手方向に往復運動するガイドバーの表面に凹凸部が形成されてなる構成としても良い。
【0009】
本発明では、歯ブラシの品種間の寸法差が少ない首部を保持することにより、歯ブラシを小分けして整列させる方法であるため、歯ブラシの品種が変わっても、設備の調整をほとんど必要とせずに、容易に歯ブラシを高精度で整列することができる。
また、歯ブラシを撹拌することなく整列させることができるため、歯ブラシのハンドル部への傷つきを低減させる効果がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の歯ブラシの整列方法によれば、複数本の歯ブラシからなる歯ブラシ群を略平行に整列し、該歯ブラシ群の、各歯ブラシの首部の位置に櫛歯部材を突き通し、該櫛歯部材の各櫛歯の間に歯ブラシを小分けする方法としている。
これにより、歯ブラシのハンドル部等に傷を付けることなく、複数本の歯ブラシを小分けにすることができる。
また、本発明の歯ブラシの整列方法によれば、歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1ガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと平行に配された第2のガイドバーとからなる整列部によって歯ブラシを保持し、前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動することによって、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くようにする方法としている。
これにより、歯ブラシのハンドルへの傷つきを大幅に低減できるとともに、多数の品種からなる歯ブラシを、設備の切替を行うこと無く、あるいは最小限の切替によって、所定の方向に向けて高精度で整列させることができる。
従って、歯ブラシの製造品質を向上させることができるとともに、整列工程を含む製造コストを低減することができる。
【0011】
従来の歯ブラシの整列方法では、固定・移動プレート間に歯ブラシ相似形の隙間を作り、歯ブラシを撹拌して隙間に一致した形状のハンドルを有する歯ブラシのみを順次整列するという機構が用いられていた為、整列時に歯ブラシのハンドルが傷つきやすいという問題があった(特許文献1参照)。本発明では、歯ブラシの品種間の寸法差が少ない首部のみを保持して整列することにより、歯ブラシ群を撹拌すること無く、歯ブラシのハンドルへの傷つきを大幅に低減することが可能となる。
また、従来の歯ブラシの整列方法では、上述のように固定・移動プレートからなる歯ブラシ相似形の隙間部品を作製していたため、個々の歯ブラシ特有の設備となってしまい、歯ブラシのハンドルが変わった時の設備の汎用性に乏しいという欠点があった(特許文献1参照)。本発明では、歯ブラシの品種間の寸法差が少ない首部のみを保持して整列する方法とすることにより、歯ブラシのハンドルの許容範囲が広く、汎用性に優れた歯ブラシの整列方法が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る歯ブラシの整列方法及び製造装置の実施の形態について、図1乃至図10を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の歯ブラシの整列方法の全体工程を説明する図であり、本方法を実施するための歯ブラシ整列装置(以下、整列装置と略称することがある)の一例を示す図である。
この整列装置1は、ホッパー5上に略平行に整列された複数本の歯ブラシ10からなる歯ブラシ群10Aを小分けにする櫛歯部材(櫛歯状の案内ガイド)2と、該櫛歯部材2で小分けにされた歯ブラシ10を取り出して搬送する取り出しガイド(取り出し部)3と、該取り出しガイド3によって取り出されて搬送された歯ブラシ10の向きを揃える整列部4とから概略構成されている。
【0013】
本実施形態の歯ブラシの整列方法の第1の例は、複数本の歯ブラシ10からなる歯ブラシ群10Aをホッパー5に略平行に整列し、該歯ブラシ群10Aの、各歯ブラシ10の首部12の位置に櫛歯状の櫛歯部材2を突き通し、該櫛歯部材2の各櫛歯2bの間に歯ブラシ10を1本又は複数本に小分けにする方法としている(図2乃至5参照)。
また、本実施形態の歯ブラシの整列方法の第2の例は、図10に示すように、吊り下げられた歯ブラシ10の、首部12のハンドル部13寄り位置に配された第1のガイドバー41と、該第1のガイドバー41とは反対の側から、吊り下げ状態の歯ブラシ10の首部12のヘッド11寄り位置に配された第2のガイドバー42とを具備する整列部4によって歯ブラシ10を保持し、整列部4は、第1、第2のガイドバー41、42の内の少なくとも一方が、該ガイドバー41、42の長手方向に往復運動するとともに、第2のガイドバー42と略平行にして第1のガイドバー41と反対の側に配された補助板43によって、歯ブラシ10の刷毛部11aを、第1のガイドバー41の方を向くようにする方法としている(図10及び図11参照)。
また、本実施形態の歯ブラシの整列方法の第3の方法は、上述のように櫛歯部材2によって歯ブラシ10を小分けにし、次いで、櫛歯部材2の櫛歯2b毎に歯ブラシ10を取り出し、次いで、上述の整列部4によって歯ブラシ10を保持し、第1、第2のガイドバー41、42の内の少なくとも一方が、該ガイドバー41、42の長手方向に往復運動することによって、歯ブラシ10の刷毛部11aが第1のガイドバー41の方を向くようにする方法としている(図6乃至9参照)。
【0014】
<整列装置>
以下に、本実施形態の歯ブラシの整列方法で用いる整列装置1について詳しく説明する。
【0015】
櫛歯部材2は、図2に示すように、櫛歯状に形成されたガイド部材である。
櫛歯部材2は、複数本の櫛歯2bの一端がガイドベース2aに固定されてなり、図示例では横長の櫛歯状部材となっている。
櫛歯部材2は、櫛歯2bを、該各櫛歯2b間の内幅が、保持する歯ブラシ10のヘッド11の外寸よりも小さく、且つ、首部12の外寸よりも大きくなるように配している。
櫛歯部材2は、待機状態では、図2に示す例のように、櫛歯の歯長方向で略水平状態となっている。また、櫛歯部材2は、図示略の駆動部等によって水平方向に回動することによって水平方向に方向転回する構成としても良く、また、上下方向にスライド移動する構成としても良い。
【0016】
図6乃至図8に示すように、櫛歯部材2のガイドベース2aの略下方には、スライド棒21bの一端側に押出板21aが取り付けられてなる押出部21が配されている。この押出部21は、スライド棒21bの他端側がスライド駆動手段21cに取り付けられており、スライド棒21b及び押出板21aが櫛歯部材21の歯長方向に往復動するようになっている(図6、7参照)。
図6に示す例では、押出板21aが櫛歯部材2のガイドベース2aの略下方に待機した状態となっているが、図7に示す例のように、櫛歯部材2に保持された各歯ブラシ10を押し出す際には、押出板21aが、後述の取り出しガイド3の略下方位置まで移動するようになっている。
【0017】
櫛歯部材2によって歯ブラシ10を小分けにする際は、ホッパー5に整列された歯ブラシ10からなる歯ブラシ群10Aの各歯ブラシ10の首部12の位置に、各首部12間に挿入するようにして櫛歯2bを突き通し(図3及び図4参照)、各櫛歯2bの間に歯ブラシ10を小分けにして保持する(図4及び図5参照)。この際、各歯ブラシ10は、各櫛歯2bの間に吊り下げられた状態で支持される。ここでは、各櫛歯2bの間隔が首部12よりも太く、ヘッド11よりも狭いので、櫛歯2b、2b間に歯ブラシ10を吊り下げて垂直に支持することができる。
櫛歯部材2に吊り下げられて垂直に保持した歯ブラシ10は、前記押出部21によって各櫛歯2b間から押し出すことにより、後述の取り出しガイド3に送り込んで保持する(図7参照)。
【0018】
ホッパー5は、歯ブラシ10を略平行に整列することにより、整列装置1に歯ブラシ10を供給するものである。この例のホッパー5は、上面開放型のボックス形状とされている。
ホッパー5は、図2の例に示すような待機位置で歯ブラシ10を整列して供給され、図4に示すように、図示略の駆動手段によって櫛歯部材2の上方へ移動する(矢印J方向)。図6に示すように、ホッパー5は、整列された歯ブラシ10が、上述したように櫛歯部材2に小分けにされて保持された後、図示略の駆動手段によって待機位置に戻る(矢印K方向)。
【0019】
取り出しガイド3は、複数本の櫛歯3bの一端がガイドベース3aに固定されてなる櫛歯状のガイド部材であり、櫛歯3bの歯長方向が水平となるように配されている。
図5に示す例では、取り出しガイド3は、待機状態においては、櫛歯部材2と後述の整列部4との間に配されているが、取り出しガイド3の待機位置は任意である。
図6に示すように、取り出しガイド3は、図示略の駆動手段により、櫛歯部材2と歯長方向で対峙する位置に移動するようになっており、図示例では、櫛歯の歯幅方向で水平移動する(矢印V方向)。
【0020】
図7に示すように、取り出しガイド3は、櫛歯部材2の各櫛歯2b間に保持された各歯ブラシ10が押出部21によって押し出されて移動することにより、各櫛歯3b間に保持する。各櫛歯3b間に歯ブラシ10が保持される形態は、櫛歯部材2による歯ブラシ10の保持形態と同様であり、省略する。
図8に示すように、取り出しガイド3は、各櫛歯3b間に複数本の歯ブラシ10を保持した状態で、図示略の駆動手段により、後述の整列部4の方向へ移動して歯ブラシ10を搬送する。(矢印S方向)。
取り出しガイド3で搬送された歯ブラシ10は、駆動部32で駆動される押出レバー31により、各櫛歯3b間の列毎に順次、整列部4の方向へ押し出されるようになっている(図9参照)。
なお、本実施形態では、櫛歯部材2と取り出しガイド3がほぼ同一幅で構成され、歯ブラシ10の搬送を行うようになっているが、これには限定されず、例えば、櫛歯部材2を取り出しガイド3よりも幅広に構成して櫛歯部材2に大量の歯ブラシ10を保持し、取り出しガイド3によって歯ブラシ10を順次搬送する構成としても良い。
【0021】
整列部4は、図10に示すように、第1のガイドバー41と第2のガイドバー42とを備え、この第1、第2のガイドバー41、42は、前記取り出しガイド3によって小分けに運ばれて供給される歯ブラシ10を保持するとともに、該歯ブラシ10の向きを所定の方向(本実施形態では第1のガイドバー41の方向)にするものであり、図9乃至図11に示す例では丸棒状に形成されている。
また、整列部4は、吊り下げ状態の歯ブラシ10の首部12のハンドル部13寄りの位置に配された第1のガイドバー41と、該第1のガイドバー41とは反対の側から歯ブラシ10の首部12のヘッド11寄りに配された第2のガイドバー42とが、ほぼ平行で段違いとなるように備えられている。また、図示例では、第2のガイドバー42と平行にして、前記第1のガイドバー41とは反対側に、板状の補助ガイド43が配されている。
また、本実施形態では、第2のガイドバー42及び補助ガイド43が、図示略の駆動手段によってそれらの長手方向に往復運動するようになっている(図10、11の矢印F方向)。
【0022】
図10及び図11に示す例では、上述のように、第1、第2のガイドバー41、42が丸棒状に形成されているとともに、平行に配された補助ガイド43は、歯ブラシ10が供給される一方の端部43a側が外側(第2のガイドバー42と反対側)に湾曲して形成されている。
また、これら平行に配された第1、第2のガイドバー41、42及び補助ガイド43は、取り出しガイド3によって歯ブラシ10が供給される各々の一方の端部側(図10及び図11において右側、つまり、取り出しガイド3側)の高さが、他方の端部側(図10及び図11の左側)よりも高くなるように傾斜して設けられており、歯ブラシ10が前記一方の端部側から他方の端部側の方向へ移動しやすいようになっている。
なお、本実施形態では、第1、第2のガイドバー41、42が丸棒状に形成され、補助ガイド43が板状に形成されているが、これには限定されず、整列する歯ブラシの形状等を考慮しながら適宜決定すれば良い。
【0023】
<整列方法>
以下、図2乃至11を参照しながら、本実施形態の歯ブラシの整列方法の詳細について、上述の整列装置1を用いた例で説明する。
【0024】
[歯ブラシを歯ブラシ群として整列]
図2に示すように、複数の歯ブラシ10を、ホッパー5にそれらのヘッド11先端の向き(歯ブラシ10長手方向)を揃え、略平行に整列した歯ブラシ群10Aとして並べる(図3も参照)。この際、歯ブラシ10の整列作業は、人手で行っても、あるいは搬送機等を用いて行っても良い。また、歯ブラシ10のヘッド11の刷毛面81aの向きは特に揃えず、ランダムな向きとなった状態で並べても良い。
また、図3に示すように、各歯ブラシ10は、ヘッド11及び首部12の部分がホッパー5上からはみ出た状態で並べられる。
【0025】
[櫛歯部材による歯ブラシの小分け]
次いで、以下の手順で、ホッパー5に整列した歯ブラシ10を小分けにする。
図3に示すように、櫛歯部材2をホッパー5と対峙させた状態で、該ホッパー5を図示略の駆動手段によって、櫛歯部材2近傍に移動させる。
次いで、図4に示すように、ホッパー5に整列された複数本の歯ブラシ10からなる歯ブラシ群10Aの各歯ブラシ10の首部12の位置に、櫛歯部材2の各首部12間に挿入するようにして櫛歯2bを突き通し、各櫛歯2bの間に歯ブラシ10を小分けにして保持する。
次いで、図5に示すように、ホッパー5が図示略の駆動手段によって下方に移動することにより、各櫛歯2bの間に小分けにして保持された歯ブラシ10は、首部12よりも太く形成されたヘッド11が各櫛歯2bに吊り下げられて垂直に保持された状態となる。櫛歯部材2に吊り下げられて垂直に保持された歯ブラシ10は、前記押出部21によって各櫛歯2b間から押し出され、後述の取り出しガイド3に保持される(図7参照)。
本例では、各櫛歯2b間に歯ブラシ10を数本ずつ小分けにできるように構成しているが、櫛歯2bの歯長寸法等を適宜設定することにより、小分け本数を増減させることもできる。
【0026】
そして、取り出しガイド3を、図示略の駆動手段によって櫛歯部材2と歯長方向で対峙する位置に配する(図6参照)。櫛歯部材2に保持された各歯ブラシ10は押出部21によって押し出され、小分けにされた櫛歯部材2の各櫛歯2b間の列毎に、取り出しガイド3の各櫛歯3b間に移動して保持される(図7参照)。
図8に示すように、取り出しガイド3は、各櫛歯3b間に歯ブラシ10を保持した状態で、図示略の駆動手段により、後述の整列部4の方向へ移動、搬送する。
そして、取り出しガイド3に保持された歯ブラシ10は、小分けにされた各櫛歯3b間の列毎に、押出レバー31によって整列部4へ導かれる(図9参照)。
【0027】
[整列部による歯ブラシの向きの整列]
次いで、整列部4に導かれた歯ブラシ10を、ヘッド11の刷毛部11aの向きが所定の向きとなるように、以下の手順で整列する。
図10に示すように、押出レバー31によって取り出しガイド3から導かれた歯ブラシ10は、第1のガイドバー41と第2のガイドバー42との間隙に、各々の一方の端部41a、42a側から歯ブラシ10の首部12が入り込むようにして、吊り下げられて保持される(図11参照)。この際、歯ブラシ10は、首部12のハンドル部13寄りの位置が第1のガイドバー41に支持され、首部12のヘッド11寄りの位置が第2のガイドバー42に支持され、吊り下げられて保持される。
【0028】
そして、歯ブラシ10は、第1、第2のガイドバー41、42に吊り下げられて保持された状態で、第2のガイドバー42が、図示略の駆動手段によって長手方向で往復運動(図10及び図11の矢印F方向)を繰り返すことにより、傾斜して設けられた第1、第2のガイドバー41、42の長手方向において、一方の端部側(図10及び図11において右側、つまり、取り出しガイド3側)から他方の端部側(図10及び図11の左側)へ移動してゆく。
この際、歯ブラシ10が、ヘッド11の刷毛部11aが第1のガイドバー41側を向いた状態である場合には、そのままの向きで、ヘッド11の背面11bが第2のガイドバー42に支持され、顎部11cが第1のガイドバー41上に支持された状態で、他方の端部側(図10及び図11の左側)へ移動する。
【0029】
また、歯ブラシ10の刷毛部11aが、第1のガイドバー41側以外の方向を向いている場合、つまり、刷毛部11aが第2のガイドバー42側を向いていたり、第1、第2のガイドバー41、42の長手方向等を向いた状態となっている場合には、第2のガイドバー42の往復運動によって前記一方の端部側(図10及び図11の右側)から前記他方の端部側(図10及び図11の左側)へ移動してゆく際、首部12のヘッド11寄りの位置に配された第2のガイドバー42に刷毛部11a、又はヘッド11の側部11dが当接する。これにより、歯ブラシ10は、前記他方の端部側の方向へ移動しながら、歯ブラシ10が長軸方向で回転し、刷毛部11aが第1のガイドバー41側を向く(図11の矢印S方向)。そして、歯ブラシ10は、ヘッド11の背面11bが第2のガイドバー42に支持され、顎部11c(刷毛部11aの下部)が第1のガイドバー41上に支持され、整列した状態で前記他方の端部側の方向へ移動する。
【0030】
また、本実施形態の整列部4は、第2のガイドバー42と平行にして、前記第1のガイドバー41とは反対側に板状の補助ガイド43を配しているので、歯ブラシ10の刷毛部11aが第2のガイドバー42及び補助ガイド43に当接するため、刷毛部11aが第1のガイドバー41側を向くように、より確実に歯ブラシ10を整列させることができる。
【0031】
また、図示例のように、往復運動する第2のガイドバー42の表面に凹凸部42aを設けることにより、歯ブラシ10の、前記他方の端部側の方向への搬送、及び整列が、より円滑で確実に行えるようになる。
【0032】
なお、整列部4に設けられた補助ガイド43は、図示例では第1のガイドバー41及び第2のガイドバー42と平行に配され、歯ブラシ10が供給される一方の端部43a側が外側(第2のガイドバー42と反対側)に湾曲し、ガイド長手方向で往復運動するように構成されているが、これには限定されない。
例えば、補助ガイド43は、第1のガイドバー41及び第2のガイドバー42に近接したり遠ざかったりという往復運動をする構成としても良いし、この往復運動を、ガイド長手方向の往復運動と同時に行うように構成しても良い。
また、図示例の補助ガイド43は湾曲形状に形成されているが、鋭角に折れ曲がった形状としても良いし、平板状として形成しても良い。
また、図示例の補助ガイド43は、第1のガイドバー41及び第2のガイドバーに対して並行に配しているが、例えば、両ガイドバーに対して角度を持たせて配した構成としても良い。
【0033】
以上の工程により、歯ブラシ10は、刷毛部11aが同一の向きとなるように、高精度で整列される。
上述の工程によって整列された歯ブラシ10は、次工程、例えば梱包工程や検査工程等へ導かれる。
【0034】
以上、説明したように、本発明の歯ブラシの整列方法によれば、複数本の歯ブラシ10からなる歯ブラシ群10Aを略平行に整列し、該歯ブラシ群10Aの、各歯ブラシの首部の位置に櫛歯状の櫛歯部材2を突き通し、該櫛歯部材2の各櫛歯2bの間に歯ブラシ10を小分けする方法としている。
また、本実施形態の歯ブラシの整列方法は、上述のように、歯ブラシ10の首部12のハンドル部13寄り位置に配された第1のガイドバー41と、該第1のガイドバー41とは反対の側から歯ブラシ10の、首部12のヘッド11寄り位置に配された第2のガイドバー42とからなる整列部4によって歯ブラシ10を保持し、前記整列部4は、第1、第2のガイドバー41、42の内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動することによって、歯ブラシ10の刷毛部11aが第1のガイドバー41の方を向くようにする方法としている。
これにより、多数の品種からなる歯ブラシを、設備の切替を行うこと無く、あるいは最小限の切替によって、所定の方向に向けて高精度で整列させることができる。
従って、整列工程を含む製造コストを低減することができるとともに、歯ブラシの品質を向上させることができる。
【0035】
本発明の歯ブラシの製造方法、及び歯ブラシ整列装置を用いることにより、品質面では、歯ブラシのハンドルに傷つきが無いという効果が得られ、また、設備面においては、異なる歯ブラシのハンドルを整列させる場合の汎用性が極めて高く、人件費や切替冶具などのコストを抑えることが可能となる。
【実施例】
【0036】
以下に、本発明を実証するための実施例について説明する。
【0037】
[歯ブラシ]
本発明の実施例、及び比較例の評価においては、同一の市販の歯ブラシ(ビトイーンライオン:ライオン株式会社製)を用いた。
【0038】
[実施例(本発明)による整列]
図1(及び図2乃至11も参照)に示すような整列装置1を用い、ホッパー5に、ヘッド11の向きを揃えて歯ブラシ10を略平行に並べ、櫛歯部材2を歯ブラシ群10Aに突き通して小分けした歯ブラシ10を、取り出しガイド3で整列部4に移送した。
そして、整列部4において、第1のガイドバー41と第2のガイドバー42との間隙に歯ブラシ10を保持させ、第2のガイドバー42を図示略の駆動手段によって往復運動させ、順次、整列処理を行った。
なお、サンプル数は、実施例、比較例ともにn=10000とした。
【0039】
[比較例による整列]
特許文献1(本出願人:特開昭54−126362号公報)に示されている整列装置を用い、ホッパーに歯ブラシを供給した状態で揺動側板によって歯ブラシを攪拌し、規制側板と、傾斜板及び凸条との間に形成される歯ブラシ形状の間隙に、歯ブラシを通過させることによって整列処理を行った。
【0040】
[評価基準]
歯ブラシのハンドル外観について、目視判断を行い、以下の基準で評価した(○△×で表記)。
(1)○:歯ブラシのハンドルに付いた傷が基準内であり、ほとんど目立たなかった。
(2)△:歯ブラシのハンドルに付いた傷が基準内であり、わずかな傷であった。
(3)×:歯ブラシのハンドルに、かえりのある傷が確認された。
【0041】
また、歯ブラシの整列方法、整列装置の汎用性として、以下の基準で評価した(○△×)で表記)。
(1)○:複数品種の歯ブラシに対し、整列装置の調整をせずに整列処理を行うことができた。
(2)△:複数品種の歯ブラシに対し、整列装置を一部調整して整列処理を行うことができた。
(3)×:複数品種の歯ブラシに対し、整列装置の調整無しでは整列処理を行うことが不可能であり、規制側板や凸条等の部材の大幅交換を行って、整列処理を行った。
【0042】
また、メンテナンス性(コスト)について、以下の基準で評価した(○△×で表記)。
(1)○:メンテナンスや品種切替にかかるコスト(人件費、部品制作費等)が発生せず、装置調整も不要であった。
(2)△:メンテナンスや品種切替にかかるコスト(人件費、部品制作費等)が少なく、装置調整が一部必要な程度であった。
(3)×:メンテナンスや品種切替にかかるコスト(人件費、部品制作費等)が高く、装置調整が必要であった。
【0043】
評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
[評価結果]
表1に示すように、実施例(本発明)の歯ブラシの整列方法、及び整列装置を用いて歯ブラシを整列させたところ、ハンドルの外観に傷は見られず、また、複数種類の歯ブラシを、整列装置の調整無しに整列処理を行うことができた。このため、ハンドル外観、汎用性、メンテナンス性(コスト)全ての項目が○の評価となった。
【0046】
これに対し、比較例の歯ブラシの整列方法(従来の歯ブラシ整列方法)では、整列処理を行った歯ブラシのハンドルへの傷つきが見られ、ハンドル外観の評価が△であった。
また、歯ブラシの品種を変更する際には、整列装置の規制側板や凸条等を交換する必要があり、汎用性の評価が×であった。
また、歯ブラシの品種を変更する際の整列装置の調整が、上述のように多大になるため、メンテナンス性(コスト)の評価が×であった。
【0047】
上記結果により、本発明の歯ブラシの整列方法、及び歯ブラシ整列装置が、歯ブラシの品質向上、及び製造コスト削減を実現できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る歯ブラシ整列装置の一例を説明する概略図であり、整列装置全体の正面図である。
【図2】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、トレイへの歯ブラシ補給作業を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、歯ブラシを小分けにする工程を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、歯ブラシを小分けにする工程を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、歯ブラシを小分けにする工程を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、小分けにした歯ブラシの搬送処理を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、小分けにした歯ブラシの搬送処理を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、小分けにした歯ブラシの搬送処理を示す。
【図9】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、歯ブラシを同一方向に向けて整列させる処理を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、歯ブラシを同一方向に向けて整列させる処理を示す正面図である。
【図11】本発明に係る歯ブラシの整列方法の一例を説明する図であり、歯ブラシを同一方向に向けて整列させる処理を示す正面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…歯ブラシ整列装置、2…櫛歯部材、3…取り出しガイド(取り出し部)、4…整列部、5…ホッパー、10…歯ブラシ、10A…歯ブラシ群、11…ヘッド部、11a…刷毛部、12…首部、13…ハンドル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する整列方法であって、
複数本の前記歯ブラシからなる歯ブラシ群を略平行に整列し、
櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材を用いて、前記歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に前記櫛歯部材を突き通し、該櫛歯部材の各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けすることを特徴とする歯ブラシの整列方法。
【請求項2】
植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する整列方法であって、
歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1のガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーとからなる整列部によって歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持し、
前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動することによって、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くようにしたことを特徴とする歯ブラシの整列方法。
【請求項3】
植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する整列方法であって、
複数本の前記歯ブラシからなる歯ブラシ群を略平行に整列し、
櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材を用いて、前記歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に前記櫛歯部材を突き通し、該櫛歯部材の各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けし、
次いで、前記櫛歯部材の各櫛歯間の列毎に歯ブラシを取り出し、
次いで、前記歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1のガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーとからなる整列部によって歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持し、
前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方が、該ガイドバーの長手方向に往復運動することによって、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くようにしたことを特徴とする歯ブラシの整列方法。
【請求項4】
前記整列部は、前記第2のガイドバーと平行にして、前記第1のガイドバーと反対の側に、前記第1のガイドバーと第2のガイドバーとの間に吊り下げられた前記歯ブラシの植毛部に当接して歯ブラシの向きを変更する補助板を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の歯ブラシの整列方法。
【請求項5】
前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内、長手方向に往復運動するガイドバーの表面に凹凸部が形成されてなることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の歯ブラシの整列方法。
【請求項6】
植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する歯ブラシ整列装置であって、
複数本の前記歯ブラシが略平行に整列された歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に突き通すことによって各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けにする、櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材を備えたことを特徴とする歯ブラシ整列装置。
【請求項7】
植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する歯ブラシ整列装置であって、
前記歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1のガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーとを備え、前記歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持する整列部を具備し、
該整列部は、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くように、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方を、該ガイドバーの長手方向に往復運動させる駆動手段を備えたことを特徴とする歯ブラシ整列装置。
【請求項8】
植毛部が形成されたヘッド部と、該ヘッド部に接続された首部と、ハンドル部とからなる歯ブラシを整列する歯ブラシ整列装置であって、
複数本の前記歯ブラシが略平行に整列された歯ブラシ群の各歯ブラシの首部の位置に突き通すことによって各櫛歯の間に歯ブラシを1本又は複数本に小分けにする、櫛歯間隔が前記首部の太さより大きく且つ前記ヘッド部の幅よりも小さな櫛歯部材と、
小分けにされた歯ブラシを各櫛歯間の列毎に前記櫛歯部材から取り出す取り出し部と、
前記櫛歯部材の櫛歯毎に取り出された歯ブラシを垂直状態に吊り下げて保持する、前記歯ブラシ首部のハンドル部寄り位置に配された第1ガイドバーと、該第1のガイドバーとは反対の側から前記歯ブラシ首部のヘッド寄り位置に、前記第1のガイドバーと段違いで平行に配された第2のガイドバーと、該第2のガイドバーと平行にして前記第1のガイドバーと反対の側に配された補助板とを備えた整列部を具備し、
該整列部は、歯ブラシの刷毛部が第1のガイドバーの方を向くように、前記第1、第2のガイドバーの内の少なくとも一方を、該ガイドバーの長手方向に往復運動させる駆動手段を備えたことを特徴とする歯ブラシ整列装置。
【請求項9】
前記整列部は、前記第2のガイドバーと平行にして、前記第1のガイドバーと反対の側に、前記第1のガイドバーと第2のガイドバーとの間に吊り下げられた前記歯ブラシの植毛部に当接して歯ブラシの向きを変更する補助板を備えていることを特徴とする請求項7または8に記載の歯ブラシ整列装置。
【請求項10】
前記整列部は、前記第1、第2のガイドバーの内、長手方向に往復運動するガイドバーの表面に凹凸部が形成されてなることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の歯ブラシ整列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−176657(P2007−176657A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378026(P2005−378026)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】