歯車成形方法及び装置
【課題】従来からなされていた後加工を不要とし、スプライン歯の所望の両側歯面の歯形形状を単一の鍛造成形工程によって形成することにある。
【解決手段】ホルダ116の開口部内に平面視して放射状に分割配設され、被成形体のボス部の外周面に欠歯を成形する第1セグメントダイ118と前記外周面にスプライン歯を成形する第2セグメントダイ120とを備え、前記第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の外径部には、それぞれ、鉛直面(V)に対して所定角度傾斜する第1傾斜面156及び第2傾斜面158が形成され、前記第1セグメントダイ118の第1傾斜面156の傾斜角度(θ1)は、前記第2セグメントダイ120の第2傾斜面158の傾斜角度(θ2)よりも小さく設定される(θ1<θ2)。
【解決手段】ホルダ116の開口部内に平面視して放射状に分割配設され、被成形体のボス部の外周面に欠歯を成形する第1セグメントダイ118と前記外周面にスプライン歯を成形する第2セグメントダイ120とを備え、前記第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の外径部には、それぞれ、鉛直面(V)に対して所定角度傾斜する第1傾斜面156及び第2傾斜面158が形成され、前記第1セグメントダイ118の第1傾斜面156の傾斜角度(θ1)は、前記第2セグメントダイ120の第2傾斜面158の傾斜角度(θ2)よりも小さく設定される(θ1<θ2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車成形方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、自動車のマニュアルトランスミッション用ギヤが知られており、このマニュアルトランスミッション用ギヤのボス部には、ギヤの抜け止めのために逆テーパ状のスプライン歯が形成されている。
【0003】
この種のギヤに関し、例えば、特許文献1には、歯車素材のボスに対してスプラインの歯溝を歯車軸線と平行に形成した後、前記歯車素材の周囲に前記歯溝に対向するように放射状に配置されると共に、先端が逆テーパ状のスプライン歯に対応した形状に形成された複数のダイを前記歯溝内に径方向内方へ押し込み、さらに、前記複数のダイをスプライン歯のスプリングバックを利用して後退させることにより、スプライン付きギヤを製造することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、歯車部材のボス部の外周に形成したチャンファー付きスプライン歯を鍛造成形して逆テーパ状のチャンファー付きスプライン歯に成形する歯車部材の鍛造成形装置であって、前記ボス部の外周に逆テーパ状のスプライン歯を成形するための複数のセグメントダイを設けることが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−1101号公報
【特許文献2】特開2000−140983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2に開示された技術的思想は、複数の同一形状からなる逆テーパ状のスプライン歯が前記ボス部の外周面に沿って略等角度離間して均一に形成された歯車部材を製造するためのものであり、例えば、逆テーパ状の複数のスプライン歯において特定のスプライン歯が切り欠かれた部分周面からなる欠歯を有する歯車部材に対して適用することが困難である。
【0007】
すなわち、欠歯を形成するための単数又は複数の第1セグメントダイと、スプライン歯を形成するための複数の第2セグメントダイとからなる異なる種類のセグメントダイが必要となると共に、一方の片側の歯面形状がストレートで他方の片側の歯面形状がバックテーパ(逆テーパ)からなるスプライン歯の歯形形状を形成するために前記スプライン歯の両側歯面を略同時に成形する必要がある。
【0008】
このため、欠歯を形成する第1セグメントダイとスプライン歯を形成する第2セグメントダイとを作動させ成形素材の外周面を第1セグメントダイ及び第2セグメントダイのそれぞれの歯部が前記成形素材の半径内方向に向かって略同時に平行移動して押圧し前記スプライン歯の両側歯面を形成する必要がある。
【0009】
この場合、スプライン歯の一方の片側歯面を形成し且つ欠歯を形成する第1セグメントダイが、スプライン歯の他方の片側歯面を形成する第2セグメントダイに対して遅延して平行移動し成形素材の外周面を押圧するために、一方の片側歯面がストレートからなり他方の片側歯面がバックテーパ(逆テーパ)からなる所望の歯形形状を有するスプライン歯を形成することが困難であった。従って、従来では、鍛造成形された成形品のスプライン歯の片側歯面を機械加工によって所望の形状に形成していた。
【0010】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、従来からなされていた後加工としての機械加工を不要とし、スプライン歯の所望の両側歯面の歯形形状を単一の鍛造成形工程によって形成することが可能な歯車成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は、歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車の成形装置であって、
下型に設けられた環状のホルダと、
前記ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設され、型開きしたときに被成形体が載置される受座が形成されると共に、前記ホルダの半径方向に沿って変位自在に設けられた複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイと、
付勢手段を介して前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイをフローティング自在に支持するダイ支持体と、
昇降自在な上型に設けられ、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを下方側に向かって加圧する押圧部材と、
前記押圧部材の内壁面に沿って変位自在に設けられ、被成形体の上部に係合する凹部が形成された上型本体部と、
を備え、
前記第1セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対して欠歯を形成する歯部が膨出形成され、前記第2セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対してスプライン歯を形成するための歯部が膨出形成され、
前記歯部と反対側の前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの外径部には、それぞれ、鉛直面に対して所定角度傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面が形成され、前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、先ず、ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設され型開きの状態にある複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの受座に対して被成形体を載置した後、上型を降下させ上型本体部によって被成形体を保持すると共に、前記上型本体部に外嵌された押圧部材によって前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを下方側に向かって加圧する。
【0013】
複数分割された第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの全てが略同時に加圧されることにより、前記第1セグメントダイの外径部に形成された第1傾斜面及び前記第2セグメントダイの外径部に形成された第2傾斜面がホルダの内壁に沿って摺動することにより前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが半径内方向に水平移動する。
【0014】
前記水平移動する第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの歯部によって被成形体の外周面が押圧されて、前記被成形体の外周面に欠歯及びスプライン歯がそれぞれ成形された後、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイがそれぞれ被成形体から離間する半径外方向に変位して被成形体が取り出される。
【0015】
この場合、本発明では、前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定され、欠歯を形成する第1セグメントダイの水平移動量がスプライン歯を形成する第2セグメントダイの水平移動量よりも小さく設定されている。
【0016】
この結果、本発明では、第2セグメントダイに対する第1セグメントダイの遅延動作を防止することができ、前記第1セグメントダイの歯部及び第2セグメントダイの歯部が被成形体の外周面を略同時に押圧して、欠歯及びスプライン歯が略同時に成形される。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、第2セグメントダイに対する第1セグメントダイの遅延動作を防止して、前記第1セグメントダイの歯部及び第2セグメントダイの歯部が被成形体の外周面を略同時に押圧して、欠歯及びスプライン歯を略同時に成形することができる。
【0018】
この結果、本発明では、従来からなされていた後加工としての機械加工を不要とし、スプライン歯の所望の両側歯面の歯形形状を単一の鍛造成形工程によって形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る歯車成形方法について、これを実施する歯車成形装置との関連において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0020】
先ず、製品であるミッションギアの成形工程について概略説明する。
【0021】
図10Aに示される円柱体からなるビレット12に対して据え込み成形を施すことにより中間部の外周面14が半径外方向に膨出した第1次成形体16を形成し(図10B参照)、続いて、前記第1次成形体16の軸線方向に沿った一端部及び他端部にそれぞれ凹部18a、18bを形成する荒加工を施して第2次成形体20を形成する(図10C参照)。前記第2次成形体20を形成した後、前記第2次成形体20に対して据え込み成形を施すことにより、ボス部22の外周面に予備スプライン歯24が形成されると共に、中間部に半径外方向に向かって突出する環状凸部26を有する第3次成形体28を形成する(図10D参照)。
【0022】
さらに、前記第3次成形体28の孔部に対してピアス成形を施して貫通孔29を有する第4次成形体30を形成し(図10E参照)、続いて、前記第4次成形体30に対してサイジング成形を施して図示しない第5次成形体を形成した後、前記第5次成形体のボス部22の外周面に形成された予備スプライン歯24に対して、一方の片側歯面32がストレートからなり他方の片側歯面34がバックテーパ(逆テーパ)に成形された複数のスプライン歯36と欠歯37とを有する第6次成形体38が形成される(図10F及び図11参照)。この第6次成形体38の環状凸部40の外周面に対してヘリカルギヤ歯が形成されることにより、最終的に製品であるミッションギヤが得られる。
【0023】
図1〜図4において、参照符号100は、本発明の実施の形態に係る歯車成形方法を実施する歯車成形装置として機能し、前記第5次成形体に対してバックテーパ等を形成して第6次成形体38を鍛造成形する鍛造成形装置からなる。
【0024】
この鍛造成形装置100は、下型102と、図示しないクランクプレス機械のラムに取り付けられて昇降自在に設けられた上型104とから構成される。
【0025】
前記下型102は、略直方体状のブロック体からなりその内部に上下方向に沿って貫通する空間部が形成されたダイベース106と、前記ダイベース106の上面に複数のボルト108を介して固定されたプレート状の支持ダイ110と、周方向に沿って配置された複数のボルト112によって前記支持ダイ110の上面に固定され、その中心部に下方側に向かって徐々に縮径する内壁面114が形成された環状のホルダ116と、前記ホルダ116の上面に固定され後述する第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上限位置を規制する環状のカバー部材122とを含む。
【0026】
さらに、前記下型102は、前記ダイベース106の空間部内に上下方向に沿って積層され前記支持ダイ110によって保持されたダイプレート124及びダイブロック126と、前記ダイブロック126の中心部に支柱128を介して固定され後述する第1セグメントダイ118の内径部150及び第2セグメントダイ120の内径部152とそれぞれ係合する第1案内溝132が形成された略円盤状のセグメントガイド134と、前記セグメントガイド134の下部側に配置されて該セグメントガイド134を支持する第1支持部材136a及び第2支持部材136bと、前記セグメントガイド134の外周側を囲繞する環状体からなり、前記ダイブロック126に形成された環状凹部138に沿って変位自在に設けられたダイ支持リング体(ダイ支持体)140とを有する。
【0027】
さらにまた、前記下型102は、前記ダイブロック126の環状凹部138に連続し該ダイブロック126の周方向に沿って等角度離間して形成された複数(図4中では6個配置されている)の円形状孔部142と、前記複数の円形状孔部142内にそれぞれ収装されたコイルスプリングからなりそのばね力の作用下に前記ダイ支持リング体140をフローティング自在に支持する複数のばね部材144と、前記ダイ支持リング体140上に支持されると共に、前記ホルダ116の円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設された複数の第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120とを有する。
【0028】
前記第1セグメントダイ118は、図5及び図6A〜Cに示されるように、厚肉に形成された略L字状体からなり、周方向に沿って90度の離間角度を持って4個配設され(図4参照)、上端内径部に欠歯を形成するための歯部146が所定長だけ半径内方向に突出して形成される。一方、第2セグメントダイ120は、図7に示されるように、薄肉に形成された略L字状体からなり、隣接する前記第1セグメントダイ118の間にそれぞれ4つずつ、合計16個配設され被成形体のボス部の外周面に対してスプライン歯を成形するための歯部148が所定長だけ半径内方向に突出して形成される。
【0029】
また、第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120には、それぞれ、前記歯部146、148から下方側に向かって連続する傾斜面からなり、セグメントガイド134の第1案内溝132と係合する内径部150、152が形成される。
【0030】
さらに、前記第1セグメントダイ118には、前記歯部146と反対側で後述するガイドプレート160と接触する第1傾斜面156が設けられ、前記第1傾斜面156は鉛直面(V)に対して約7度傾斜するように設定されている。前記第2セグメントダイ120には、前記歯部148と反対側で後述するホルダ116の第2案内溝と接触する第2傾斜面158が設けられ、前記第2傾斜面158は鉛直面(V)に対して約10度傾斜するように設定されている。
【0031】
このように第1セグメントダイ118の外径部に形成された第1傾斜面156の傾斜角度(θ1)と第2セグメントダイ120の外径部に形成された第2傾斜面158の傾斜角度(θ2)がそれぞれ異なるように設定されることにより(θ1<θ2)、前記第1セグメントダイ118の歯部146及び第2セグメントダイ120の歯部148が被成形体のボス部の外周面を略同時に押圧して、欠歯及びスプライン歯が略同時に成形される。
【0032】
さらにまた、複数の第1セグメントダイ118とホルダ116との間には、前記第1セグメントダイ118の第1傾斜面156と摺接するガイド面159を有するガイドプレート160がそれぞれ設けられ、前記ガイドプレート160は、ボルト162によってホルダ116の内壁面114に対し交換可能に固定される。
【0033】
ホルダ116の内壁には、第2セグメントダイ120の外径側に形成された第2傾斜面158が摺接することにより、前記第2セグメントダイ120を径方向に沿って案内する複数の第2案内溝163が形成されている。この第2案内溝163は、第2セグメントダイ120の配置に対応して周方向に沿って所定角度離間して配置され、被成形体を鍛造成形する際、前述したセグメントガイド134の第1案内溝132との共働作用下に前記第2セグメントダイ120の周方向への振れを防止して該第2セグメントダイ120の歯部148をホルダ116の中心に向かって精度良く変位させる機能を有する。
【0034】
例えば、仮に、スプライン歯の両側の歯面形状が共にバックテーパ(逆テーパ)である場合には、両側の歯面形状が対称となるため、各セグメントダイに対してそれぞれ対称な力が負荷されるのに対し、一方の片側の歯面形状がストレートで他方の片側の歯面形状のみがバックテーパ(逆テーパ)からなるスプライン歯の歯形形状を形成する場合には、両側の歯面形状が非対称となるため、ストレート側のセグメントダイとバックテーパ側のセグメントダイとの間で非対称の力(ストレート側に対してバックテーパ側のセグメントダイへ負荷される力が大きい)が負荷されてセグメント倒れが発生するおそれがある。しかしながら、本実施の形態では、セグメントガイド134の第1案内溝132と第2セグメントダイ120を径方向に沿って案内する複数の第2案内溝163との共働作用下に、第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の周方向への振れを防止して前記セグメント倒れの発生を好適に防止することができる。
【0035】
上型104は、図示しないラムの駆動作用下に鉛直上下方向に沿って昇降自在に設けられた昇降部材164と、前記昇降部材164に固定されて該昇降部材164と一体的に変位すると共に、前記第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上面に当接し該第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120をそれぞれ下方側に向かって加圧する押圧部材166と、中心部に被成形体の上部に係合する凹部168が形成さればね部材170のばね力によって前記押圧部材166の内壁面の上下方向に沿って変位自在に設けられた上型本体部172とを備える。
【0036】
前記上型本体部172には、円筒状に形成された押圧部材166の内壁面に係合する摺動部174が形成され、前記押圧部材166が第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上面に当接して下方側に向かって押圧する際、前記上型本体部172の先端部に形成された凹部168が被成形体に係合し、前記係合状態を保持しながら該上型本体部172がばね部材170のばね力に打ち勝って上方に変位する。
【0037】
本実施の形態に係る歯車成形装置として機能する鍛造成形装置100は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について以下詳細に説明する。
【0038】
先ず、図10A〜Eに示されるような成形工程を経て成形された第5次成形体を被成形体とし、前記被成形体を型開き状態にある第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上端部に形成された受座に載置する。そこで、図示しない昇降手段を付勢して昇降部材164と一体的に上型本体部172及び押圧部材166を下降させ、前記押圧部材166の先端部により複数の第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120からなる全てのセグメントダイを略同時に下方側に向かって押圧する。
【0039】
環状の押圧部材166によって複数の第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120からなる全セグメントダイが同時に下方側に向かって押圧されることにより、各第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120は、ガイドプレート160のガイド面159及びホルダ116の第2案内溝163によって外径面がガイドされると共に、セグメントガイド134の第1案内溝132によって内径面がガイドされた状態で径方向内側(ホルダ116の中心)に向かってそれぞれ変位する。
【0040】
従って、被成形体のボス部の外周に形成されたチャンファー付きのスプライン歯に対し、第1セグメントダイ118の歯部146によって欠歯37が鍛造成形されると共に、第2セグメントダイ120の歯部148によってバックテーパのスプライン歯36が鍛造成形される(図11参照)。
【0041】
続いて、図示しないアクチュエータの駆動作用下に図示しないノックアウトピンを上昇させることにより、第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120が第1案内溝132及び第2案内溝163に沿って中心部から離間する方向に向かって変位し、上昇した第6次成形体38を図示しない把持手段によって把持することにより、次工程に移送される。
【0042】
この場合、本実施の形態では、ガイドプレート160のガイド面159に沿って摺動する第1セグメントダイ118の第1傾斜面156が鉛直面(V)に対して約7度傾斜するように設定されていると共に、ホルダ116の第2案内溝163に沿って摺動する第2セグメントダイ120の第2傾斜面158が鉛直面(V)に対して約10度傾斜するように設定され、欠歯37を成形する第1セグメントダイ118の第1傾斜角度(θ1)が第2セグメントダイ120の第2傾斜角度(θ2)よりも小さくなるように設定されている(θ1<θ2)。
【0043】
従って、本実施の形態では、第1セグメントダイ118の外径部に形成された第1傾斜面156と第2セグメントダイ120の外径部に形成された第2傾斜面158との傾斜角度(θ1、θ2)がそれぞれ異なるように設定されることにより、第1セグメントダイ118と第2セグメントダイ120との半径内方向への水平移動量が相違するように設定されている。なお、前記押圧部材166の加圧による前記第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の鉛直下方向への変位量は同一である。
【0044】
この結果、本実施の形態では、第1セグメントダイ118の半径内方向への水平移動量が第2セグメントダイ120の半径内方向への水平移動量よりも小さく設定されていることにより、第2セグメントダイ120に対する第1セグメントダイ118の遅延動作を防止することができ、前記第1セグメントダイ118の歯部146及び第2セグメントダイ120の歯部148が被成形体のボス部の外周面を略同時に押圧して、欠歯37及びスプライン歯36を略同時に成形することができる。
【0045】
このように、本実施の形態では、一方の片側歯面32の形状がストレートで他方の片側歯面34の形状がバックテーパ(逆テーパ)からなるスプライン歯36の歯形形状を形成するために前記スプライン歯36の両側歯面32、34を略同時に成形する必要があり、第2セグメントダイ120に対する第1セグメントダイ118の遅延動作を防止することができ、前記第1セグメントダイ118の歯部146及び第2セグメントダイ120の歯部148が第5次成形体32のボス部22の外周面を略同時に押圧して、欠歯37及びスプライン歯36を略同時に成形することができる。
【0046】
これに対して、仮に、欠歯37を成形する第1セグメントダイ118の第1傾斜面156とスプライン歯36を成形する第2セグメントダイ120の第2傾斜面158とをそれぞれ同一の傾斜角度に設定した場合(θ1=θ2)、第1セグメントダイ118と第2セグメントダイ120との半径内方向への水平移動量が同一となり、スプライン歯36の一方の片側歯面32を形成し且つ欠歯37を形成する第1セグメントダイ118が、スプライン歯36の他方の片側歯面34を形成する第2セグメントダイ120に対して遅延して作動し、被成形体のボス部の外周面をタイムラグを有して押圧するために、一方の片側歯面32がストレートからなり他方の片側歯面34がバックテーパ(逆テーパ)からなる所望の歯形形状を有するスプライン歯36を形成することができない。
【0047】
なお、欠歯37を形成する第1セグメントダイ118が、スプライン歯36の他方の片側歯面34を形成する第2セグメントダイ120に対して遅延動作する理由としては、図12に示されるように、軸線と直交する第1セグメントダイ118のセグメント幅が第2セグメントダイ120のセグメント幅と比較して大きく設定されており、欠歯部分に隣接する図12中の向かってスプライン歯36の左側部分とスプライン歯36の右側部分との間で第1セグメントダイ118の歯部146と第2セグメントダイ120の歯部148とによる加圧力がそれぞれ異なり(第2セグメントダイ120の加圧力が第1セグメントダイ118の加圧力よりも大きい)、セグメント幅が大きい第1セグメントダイ118が第2セグメントダイ120に対して遅延して作動するからである。
【0048】
換言すると、図12において、歯車の中心を通る第1セグメントダイ118の軸線と、前記軸線と直交する線の交点と、スプライン歯36の右側部分に係合する第1セグメントダイ118の歯部146とを結ぶ第1の直角三角形を想定し、一方、歯車の中心を通る第2セグメントダイ120の軸線と、前記軸線と直交する線の交点と、スプライン歯36の左側部分に係合する第2セグメントダイ120の歯部148とを結ぶ第2の直角三角形を想定する。この場合、第1の直角三角形の斜辺S1の長さは、第2の直角三角形の斜辺S2の長さよりも大きく設定され(S1>S2)、第1セグメントダイ118の歯部146と第2セグメントダイ120の歯部148とによる加圧力がそれぞれ異なるため、セグメント幅が大きい第1セグメントダイ118が第2セグメントダイ120に対して遅延して作動するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る歯車成形装置として機能する鍛造成形装置の縦断面構造図である。
【図2】図1に示す状態から上型が下降して第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが加圧され、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが半径内方向に向かってそれぞれ水平移動した状態を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す鍛造成形装置を構成する下型の斜視図である。
【図4】図3に示す下型からカバー部材を取り除いた下型の平面図である。
【図5】図1に示す鍛造成形装置を構成する第1セグメントダイの斜視図である。
【図6】図6Aは、前記第1セグメントダイの平面図、図6Bは、前記第1セグメントダイの側面図、図6Cは、前記第1セグメントダイの正面図である。
【図7】図1に示す鍛造成形装置を構成する第2セグメントダイの斜視図である。
【図8】図8Aは、前記第2セグメントダイの平面図、図8Bは、前記第2セグメントダイの側面図、図8Cは、前記第2セグメントダイの正面図である。
【図9】図1に示す鍛造成形装置を構成するホルダに設けられた第2案内溝を示す一部切欠斜視図である。
【図10】図10A〜10Fは、それぞれ、ミッションギアの成形工程を示す説明図である。
【図11】図1に示す鍛造成形装置によって鍛造成形された成形体であって、前記成形体のボス部の外周面に欠歯とスプライン歯とが形成された状態を示す斜視図である。
【図12】欠歯を形成する第1セグメントダイが、スプライン歯の他方の片側歯面を形成する第2セグメントダイに対して遅延動作するための説明に供される図である。
【符号の説明】
【0050】
22…ボス部 32、34…歯面
36…スプライン歯 37…欠歯
38…成形体 40…環状凸部
100…鍛造成形装置 102…下型
104…上型 116…ホルダ
118…第1セグメントダイ 120…第2セグメントダイ
132…第1案内溝 134…セグメントガイド
140…ダイ支持リング体 144、170…ばね部材
146、148…歯部 150、152…内径部
156…第1傾斜面 158…第2傾斜面
159…ガイド面 160…ガイドプレート
163…第2案内溝 166…押圧部材
168…凹部 172…上型本体部
174…摺動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車成形方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、自動車のマニュアルトランスミッション用ギヤが知られており、このマニュアルトランスミッション用ギヤのボス部には、ギヤの抜け止めのために逆テーパ状のスプライン歯が形成されている。
【0003】
この種のギヤに関し、例えば、特許文献1には、歯車素材のボスに対してスプラインの歯溝を歯車軸線と平行に形成した後、前記歯車素材の周囲に前記歯溝に対向するように放射状に配置されると共に、先端が逆テーパ状のスプライン歯に対応した形状に形成された複数のダイを前記歯溝内に径方向内方へ押し込み、さらに、前記複数のダイをスプライン歯のスプリングバックを利用して後退させることにより、スプライン付きギヤを製造することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、歯車部材のボス部の外周に形成したチャンファー付きスプライン歯を鍛造成形して逆テーパ状のチャンファー付きスプライン歯に成形する歯車部材の鍛造成形装置であって、前記ボス部の外周に逆テーパ状のスプライン歯を成形するための複数のセグメントダイを設けることが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−1101号公報
【特許文献2】特開2000−140983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献2に開示された技術的思想は、複数の同一形状からなる逆テーパ状のスプライン歯が前記ボス部の外周面に沿って略等角度離間して均一に形成された歯車部材を製造するためのものであり、例えば、逆テーパ状の複数のスプライン歯において特定のスプライン歯が切り欠かれた部分周面からなる欠歯を有する歯車部材に対して適用することが困難である。
【0007】
すなわち、欠歯を形成するための単数又は複数の第1セグメントダイと、スプライン歯を形成するための複数の第2セグメントダイとからなる異なる種類のセグメントダイが必要となると共に、一方の片側の歯面形状がストレートで他方の片側の歯面形状がバックテーパ(逆テーパ)からなるスプライン歯の歯形形状を形成するために前記スプライン歯の両側歯面を略同時に成形する必要がある。
【0008】
このため、欠歯を形成する第1セグメントダイとスプライン歯を形成する第2セグメントダイとを作動させ成形素材の外周面を第1セグメントダイ及び第2セグメントダイのそれぞれの歯部が前記成形素材の半径内方向に向かって略同時に平行移動して押圧し前記スプライン歯の両側歯面を形成する必要がある。
【0009】
この場合、スプライン歯の一方の片側歯面を形成し且つ欠歯を形成する第1セグメントダイが、スプライン歯の他方の片側歯面を形成する第2セグメントダイに対して遅延して平行移動し成形素材の外周面を押圧するために、一方の片側歯面がストレートからなり他方の片側歯面がバックテーパ(逆テーパ)からなる所望の歯形形状を有するスプライン歯を形成することが困難であった。従って、従来では、鍛造成形された成形品のスプライン歯の片側歯面を機械加工によって所望の形状に形成していた。
【0010】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、従来からなされていた後加工としての機械加工を不要とし、スプライン歯の所望の両側歯面の歯形形状を単一の鍛造成形工程によって形成することが可能な歯車成形方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明は、歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車の成形装置であって、
下型に設けられた環状のホルダと、
前記ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設され、型開きしたときに被成形体が載置される受座が形成されると共に、前記ホルダの半径方向に沿って変位自在に設けられた複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイと、
付勢手段を介して前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイをフローティング自在に支持するダイ支持体と、
昇降自在な上型に設けられ、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを下方側に向かって加圧する押圧部材と、
前記押圧部材の内壁面に沿って変位自在に設けられ、被成形体の上部に係合する凹部が形成された上型本体部と、
を備え、
前記第1セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対して欠歯を形成する歯部が膨出形成され、前記第2セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対してスプライン歯を形成するための歯部が膨出形成され、
前記歯部と反対側の前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの外径部には、それぞれ、鉛直面に対して所定角度傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面が形成され、前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、先ず、ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設され型開きの状態にある複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの受座に対して被成形体を載置した後、上型を降下させ上型本体部によって被成形体を保持すると共に、前記上型本体部に外嵌された押圧部材によって前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを下方側に向かって加圧する。
【0013】
複数分割された第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの全てが略同時に加圧されることにより、前記第1セグメントダイの外径部に形成された第1傾斜面及び前記第2セグメントダイの外径部に形成された第2傾斜面がホルダの内壁に沿って摺動することにより前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが半径内方向に水平移動する。
【0014】
前記水平移動する第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの歯部によって被成形体の外周面が押圧されて、前記被成形体の外周面に欠歯及びスプライン歯がそれぞれ成形された後、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイがそれぞれ被成形体から離間する半径外方向に変位して被成形体が取り出される。
【0015】
この場合、本発明では、前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定され、欠歯を形成する第1セグメントダイの水平移動量がスプライン歯を形成する第2セグメントダイの水平移動量よりも小さく設定されている。
【0016】
この結果、本発明では、第2セグメントダイに対する第1セグメントダイの遅延動作を防止することができ、前記第1セグメントダイの歯部及び第2セグメントダイの歯部が被成形体の外周面を略同時に押圧して、欠歯及びスプライン歯が略同時に成形される。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、第2セグメントダイに対する第1セグメントダイの遅延動作を防止して、前記第1セグメントダイの歯部及び第2セグメントダイの歯部が被成形体の外周面を略同時に押圧して、欠歯及びスプライン歯を略同時に成形することができる。
【0018】
この結果、本発明では、従来からなされていた後加工としての機械加工を不要とし、スプライン歯の所望の両側歯面の歯形形状を単一の鍛造成形工程によって形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る歯車成形方法について、これを実施する歯車成形装置との関連において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0020】
先ず、製品であるミッションギアの成形工程について概略説明する。
【0021】
図10Aに示される円柱体からなるビレット12に対して据え込み成形を施すことにより中間部の外周面14が半径外方向に膨出した第1次成形体16を形成し(図10B参照)、続いて、前記第1次成形体16の軸線方向に沿った一端部及び他端部にそれぞれ凹部18a、18bを形成する荒加工を施して第2次成形体20を形成する(図10C参照)。前記第2次成形体20を形成した後、前記第2次成形体20に対して据え込み成形を施すことにより、ボス部22の外周面に予備スプライン歯24が形成されると共に、中間部に半径外方向に向かって突出する環状凸部26を有する第3次成形体28を形成する(図10D参照)。
【0022】
さらに、前記第3次成形体28の孔部に対してピアス成形を施して貫通孔29を有する第4次成形体30を形成し(図10E参照)、続いて、前記第4次成形体30に対してサイジング成形を施して図示しない第5次成形体を形成した後、前記第5次成形体のボス部22の外周面に形成された予備スプライン歯24に対して、一方の片側歯面32がストレートからなり他方の片側歯面34がバックテーパ(逆テーパ)に成形された複数のスプライン歯36と欠歯37とを有する第6次成形体38が形成される(図10F及び図11参照)。この第6次成形体38の環状凸部40の外周面に対してヘリカルギヤ歯が形成されることにより、最終的に製品であるミッションギヤが得られる。
【0023】
図1〜図4において、参照符号100は、本発明の実施の形態に係る歯車成形方法を実施する歯車成形装置として機能し、前記第5次成形体に対してバックテーパ等を形成して第6次成形体38を鍛造成形する鍛造成形装置からなる。
【0024】
この鍛造成形装置100は、下型102と、図示しないクランクプレス機械のラムに取り付けられて昇降自在に設けられた上型104とから構成される。
【0025】
前記下型102は、略直方体状のブロック体からなりその内部に上下方向に沿って貫通する空間部が形成されたダイベース106と、前記ダイベース106の上面に複数のボルト108を介して固定されたプレート状の支持ダイ110と、周方向に沿って配置された複数のボルト112によって前記支持ダイ110の上面に固定され、その中心部に下方側に向かって徐々に縮径する内壁面114が形成された環状のホルダ116と、前記ホルダ116の上面に固定され後述する第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上限位置を規制する環状のカバー部材122とを含む。
【0026】
さらに、前記下型102は、前記ダイベース106の空間部内に上下方向に沿って積層され前記支持ダイ110によって保持されたダイプレート124及びダイブロック126と、前記ダイブロック126の中心部に支柱128を介して固定され後述する第1セグメントダイ118の内径部150及び第2セグメントダイ120の内径部152とそれぞれ係合する第1案内溝132が形成された略円盤状のセグメントガイド134と、前記セグメントガイド134の下部側に配置されて該セグメントガイド134を支持する第1支持部材136a及び第2支持部材136bと、前記セグメントガイド134の外周側を囲繞する環状体からなり、前記ダイブロック126に形成された環状凹部138に沿って変位自在に設けられたダイ支持リング体(ダイ支持体)140とを有する。
【0027】
さらにまた、前記下型102は、前記ダイブロック126の環状凹部138に連続し該ダイブロック126の周方向に沿って等角度離間して形成された複数(図4中では6個配置されている)の円形状孔部142と、前記複数の円形状孔部142内にそれぞれ収装されたコイルスプリングからなりそのばね力の作用下に前記ダイ支持リング体140をフローティング自在に支持する複数のばね部材144と、前記ダイ支持リング体140上に支持されると共に、前記ホルダ116の円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設された複数の第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120とを有する。
【0028】
前記第1セグメントダイ118は、図5及び図6A〜Cに示されるように、厚肉に形成された略L字状体からなり、周方向に沿って90度の離間角度を持って4個配設され(図4参照)、上端内径部に欠歯を形成するための歯部146が所定長だけ半径内方向に突出して形成される。一方、第2セグメントダイ120は、図7に示されるように、薄肉に形成された略L字状体からなり、隣接する前記第1セグメントダイ118の間にそれぞれ4つずつ、合計16個配設され被成形体のボス部の外周面に対してスプライン歯を成形するための歯部148が所定長だけ半径内方向に突出して形成される。
【0029】
また、第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120には、それぞれ、前記歯部146、148から下方側に向かって連続する傾斜面からなり、セグメントガイド134の第1案内溝132と係合する内径部150、152が形成される。
【0030】
さらに、前記第1セグメントダイ118には、前記歯部146と反対側で後述するガイドプレート160と接触する第1傾斜面156が設けられ、前記第1傾斜面156は鉛直面(V)に対して約7度傾斜するように設定されている。前記第2セグメントダイ120には、前記歯部148と反対側で後述するホルダ116の第2案内溝と接触する第2傾斜面158が設けられ、前記第2傾斜面158は鉛直面(V)に対して約10度傾斜するように設定されている。
【0031】
このように第1セグメントダイ118の外径部に形成された第1傾斜面156の傾斜角度(θ1)と第2セグメントダイ120の外径部に形成された第2傾斜面158の傾斜角度(θ2)がそれぞれ異なるように設定されることにより(θ1<θ2)、前記第1セグメントダイ118の歯部146及び第2セグメントダイ120の歯部148が被成形体のボス部の外周面を略同時に押圧して、欠歯及びスプライン歯が略同時に成形される。
【0032】
さらにまた、複数の第1セグメントダイ118とホルダ116との間には、前記第1セグメントダイ118の第1傾斜面156と摺接するガイド面159を有するガイドプレート160がそれぞれ設けられ、前記ガイドプレート160は、ボルト162によってホルダ116の内壁面114に対し交換可能に固定される。
【0033】
ホルダ116の内壁には、第2セグメントダイ120の外径側に形成された第2傾斜面158が摺接することにより、前記第2セグメントダイ120を径方向に沿って案内する複数の第2案内溝163が形成されている。この第2案内溝163は、第2セグメントダイ120の配置に対応して周方向に沿って所定角度離間して配置され、被成形体を鍛造成形する際、前述したセグメントガイド134の第1案内溝132との共働作用下に前記第2セグメントダイ120の周方向への振れを防止して該第2セグメントダイ120の歯部148をホルダ116の中心に向かって精度良く変位させる機能を有する。
【0034】
例えば、仮に、スプライン歯の両側の歯面形状が共にバックテーパ(逆テーパ)である場合には、両側の歯面形状が対称となるため、各セグメントダイに対してそれぞれ対称な力が負荷されるのに対し、一方の片側の歯面形状がストレートで他方の片側の歯面形状のみがバックテーパ(逆テーパ)からなるスプライン歯の歯形形状を形成する場合には、両側の歯面形状が非対称となるため、ストレート側のセグメントダイとバックテーパ側のセグメントダイとの間で非対称の力(ストレート側に対してバックテーパ側のセグメントダイへ負荷される力が大きい)が負荷されてセグメント倒れが発生するおそれがある。しかしながら、本実施の形態では、セグメントガイド134の第1案内溝132と第2セグメントダイ120を径方向に沿って案内する複数の第2案内溝163との共働作用下に、第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の周方向への振れを防止して前記セグメント倒れの発生を好適に防止することができる。
【0035】
上型104は、図示しないラムの駆動作用下に鉛直上下方向に沿って昇降自在に設けられた昇降部材164と、前記昇降部材164に固定されて該昇降部材164と一体的に変位すると共に、前記第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上面に当接し該第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120をそれぞれ下方側に向かって加圧する押圧部材166と、中心部に被成形体の上部に係合する凹部168が形成さればね部材170のばね力によって前記押圧部材166の内壁面の上下方向に沿って変位自在に設けられた上型本体部172とを備える。
【0036】
前記上型本体部172には、円筒状に形成された押圧部材166の内壁面に係合する摺動部174が形成され、前記押圧部材166が第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上面に当接して下方側に向かって押圧する際、前記上型本体部172の先端部に形成された凹部168が被成形体に係合し、前記係合状態を保持しながら該上型本体部172がばね部材170のばね力に打ち勝って上方に変位する。
【0037】
本実施の形態に係る歯車成形装置として機能する鍛造成形装置100は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について以下詳細に説明する。
【0038】
先ず、図10A〜Eに示されるような成形工程を経て成形された第5次成形体を被成形体とし、前記被成形体を型開き状態にある第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の上端部に形成された受座に載置する。そこで、図示しない昇降手段を付勢して昇降部材164と一体的に上型本体部172及び押圧部材166を下降させ、前記押圧部材166の先端部により複数の第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120からなる全てのセグメントダイを略同時に下方側に向かって押圧する。
【0039】
環状の押圧部材166によって複数の第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120からなる全セグメントダイが同時に下方側に向かって押圧されることにより、各第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120は、ガイドプレート160のガイド面159及びホルダ116の第2案内溝163によって外径面がガイドされると共に、セグメントガイド134の第1案内溝132によって内径面がガイドされた状態で径方向内側(ホルダ116の中心)に向かってそれぞれ変位する。
【0040】
従って、被成形体のボス部の外周に形成されたチャンファー付きのスプライン歯に対し、第1セグメントダイ118の歯部146によって欠歯37が鍛造成形されると共に、第2セグメントダイ120の歯部148によってバックテーパのスプライン歯36が鍛造成形される(図11参照)。
【0041】
続いて、図示しないアクチュエータの駆動作用下に図示しないノックアウトピンを上昇させることにより、第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120が第1案内溝132及び第2案内溝163に沿って中心部から離間する方向に向かって変位し、上昇した第6次成形体38を図示しない把持手段によって把持することにより、次工程に移送される。
【0042】
この場合、本実施の形態では、ガイドプレート160のガイド面159に沿って摺動する第1セグメントダイ118の第1傾斜面156が鉛直面(V)に対して約7度傾斜するように設定されていると共に、ホルダ116の第2案内溝163に沿って摺動する第2セグメントダイ120の第2傾斜面158が鉛直面(V)に対して約10度傾斜するように設定され、欠歯37を成形する第1セグメントダイ118の第1傾斜角度(θ1)が第2セグメントダイ120の第2傾斜角度(θ2)よりも小さくなるように設定されている(θ1<θ2)。
【0043】
従って、本実施の形態では、第1セグメントダイ118の外径部に形成された第1傾斜面156と第2セグメントダイ120の外径部に形成された第2傾斜面158との傾斜角度(θ1、θ2)がそれぞれ異なるように設定されることにより、第1セグメントダイ118と第2セグメントダイ120との半径内方向への水平移動量が相違するように設定されている。なお、前記押圧部材166の加圧による前記第1セグメントダイ118及び第2セグメントダイ120の鉛直下方向への変位量は同一である。
【0044】
この結果、本実施の形態では、第1セグメントダイ118の半径内方向への水平移動量が第2セグメントダイ120の半径内方向への水平移動量よりも小さく設定されていることにより、第2セグメントダイ120に対する第1セグメントダイ118の遅延動作を防止することができ、前記第1セグメントダイ118の歯部146及び第2セグメントダイ120の歯部148が被成形体のボス部の外周面を略同時に押圧して、欠歯37及びスプライン歯36を略同時に成形することができる。
【0045】
このように、本実施の形態では、一方の片側歯面32の形状がストレートで他方の片側歯面34の形状がバックテーパ(逆テーパ)からなるスプライン歯36の歯形形状を形成するために前記スプライン歯36の両側歯面32、34を略同時に成形する必要があり、第2セグメントダイ120に対する第1セグメントダイ118の遅延動作を防止することができ、前記第1セグメントダイ118の歯部146及び第2セグメントダイ120の歯部148が第5次成形体32のボス部22の外周面を略同時に押圧して、欠歯37及びスプライン歯36を略同時に成形することができる。
【0046】
これに対して、仮に、欠歯37を成形する第1セグメントダイ118の第1傾斜面156とスプライン歯36を成形する第2セグメントダイ120の第2傾斜面158とをそれぞれ同一の傾斜角度に設定した場合(θ1=θ2)、第1セグメントダイ118と第2セグメントダイ120との半径内方向への水平移動量が同一となり、スプライン歯36の一方の片側歯面32を形成し且つ欠歯37を形成する第1セグメントダイ118が、スプライン歯36の他方の片側歯面34を形成する第2セグメントダイ120に対して遅延して作動し、被成形体のボス部の外周面をタイムラグを有して押圧するために、一方の片側歯面32がストレートからなり他方の片側歯面34がバックテーパ(逆テーパ)からなる所望の歯形形状を有するスプライン歯36を形成することができない。
【0047】
なお、欠歯37を形成する第1セグメントダイ118が、スプライン歯36の他方の片側歯面34を形成する第2セグメントダイ120に対して遅延動作する理由としては、図12に示されるように、軸線と直交する第1セグメントダイ118のセグメント幅が第2セグメントダイ120のセグメント幅と比較して大きく設定されており、欠歯部分に隣接する図12中の向かってスプライン歯36の左側部分とスプライン歯36の右側部分との間で第1セグメントダイ118の歯部146と第2セグメントダイ120の歯部148とによる加圧力がそれぞれ異なり(第2セグメントダイ120の加圧力が第1セグメントダイ118の加圧力よりも大きい)、セグメント幅が大きい第1セグメントダイ118が第2セグメントダイ120に対して遅延して作動するからである。
【0048】
換言すると、図12において、歯車の中心を通る第1セグメントダイ118の軸線と、前記軸線と直交する線の交点と、スプライン歯36の右側部分に係合する第1セグメントダイ118の歯部146とを結ぶ第1の直角三角形を想定し、一方、歯車の中心を通る第2セグメントダイ120の軸線と、前記軸線と直交する線の交点と、スプライン歯36の左側部分に係合する第2セグメントダイ120の歯部148とを結ぶ第2の直角三角形を想定する。この場合、第1の直角三角形の斜辺S1の長さは、第2の直角三角形の斜辺S2の長さよりも大きく設定され(S1>S2)、第1セグメントダイ118の歯部146と第2セグメントダイ120の歯部148とによる加圧力がそれぞれ異なるため、セグメント幅が大きい第1セグメントダイ118が第2セグメントダイ120に対して遅延して作動するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態に係る歯車成形装置として機能する鍛造成形装置の縦断面構造図である。
【図2】図1に示す状態から上型が下降して第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが加圧され、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが半径内方向に向かってそれぞれ水平移動した状態を示す縦断面図である。
【図3】図1に示す鍛造成形装置を構成する下型の斜視図である。
【図4】図3に示す下型からカバー部材を取り除いた下型の平面図である。
【図5】図1に示す鍛造成形装置を構成する第1セグメントダイの斜視図である。
【図6】図6Aは、前記第1セグメントダイの平面図、図6Bは、前記第1セグメントダイの側面図、図6Cは、前記第1セグメントダイの正面図である。
【図7】図1に示す鍛造成形装置を構成する第2セグメントダイの斜視図である。
【図8】図8Aは、前記第2セグメントダイの平面図、図8Bは、前記第2セグメントダイの側面図、図8Cは、前記第2セグメントダイの正面図である。
【図9】図1に示す鍛造成形装置を構成するホルダに設けられた第2案内溝を示す一部切欠斜視図である。
【図10】図10A〜10Fは、それぞれ、ミッションギアの成形工程を示す説明図である。
【図11】図1に示す鍛造成形装置によって鍛造成形された成形体であって、前記成形体のボス部の外周面に欠歯とスプライン歯とが形成された状態を示す斜視図である。
【図12】欠歯を形成する第1セグメントダイが、スプライン歯の他方の片側歯面を形成する第2セグメントダイに対して遅延動作するための説明に供される図である。
【符号の説明】
【0050】
22…ボス部 32、34…歯面
36…スプライン歯 37…欠歯
38…成形体 40…環状凸部
100…鍛造成形装置 102…下型
104…上型 116…ホルダ
118…第1セグメントダイ 120…第2セグメントダイ
132…第1案内溝 134…セグメントガイド
140…ダイ支持リング体 144、170…ばね部材
146、148…歯部 150、152…内径部
156…第1傾斜面 158…第2傾斜面
159…ガイド面 160…ガイドプレート
163…第2案内溝 166…押圧部材
168…凹部 172…上型本体部
174…摺動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車の成形装置であって、
下型に設けられた環状のホルダと、
前記ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設され、型開きしたときに被成形体が載置される受座が形成されると共に、前記ホルダの半径方向に沿って変位自在に設けられた複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイと、
付勢手段を介して前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイをフローティング自在に支持するダイ支持体と、
昇降自在な上型に設けられ、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを下方側に向かって加圧する押圧部材と、
前記押圧部材の内壁面に沿って変位自在に設けられ、被成形体の上部に係合する凹部が形成された上型本体部と、
を備え、
前記第1セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対して欠歯を形成する歯部が膨出形成され、前記第2セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対してスプライン歯を形成するための歯部が膨出形成され、
前記歯部と反対側の前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの外径部には、それぞれ、鉛直面に対して所定角度傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面が形成され、前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されることを特徴とする歯車成形装置。
【請求項2】
歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車の成形方法であって、
ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設された複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの受座に対して被成形体を載置する工程と、
上型に設けられた上型本体部によって被成形体を保持すると共に、前記上型本体部に外嵌された押圧部材によって前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを加圧する工程と、
前記加圧されることにより、前記第1セグメントダイの外径部に形成された第1傾斜面及び前記第2セグメントダイの外径部に形成された第2傾斜面がホルダの内壁に沿って摺動することにより前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが半径内方向に水平移動する工程と、
前記水平移動する第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの歯部によって被成形体の外周面が押圧されて、欠歯及びスプライン歯がそれぞれ成形される工程と、
前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイがそれぞれ被成形体から離間する半径外方向に変位して被成形体が取り出される工程と、
を有し、
前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定され、欠歯を形成する第1セグメントダイの水平移動量がスプライン歯を形成する第2セグメントダイの水平移動量よりも小さく設定されることを特徴とする歯車成形方法。
【請求項1】
歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車の成形装置であって、
下型に設けられた環状のホルダと、
前記ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設され、型開きしたときに被成形体が載置される受座が形成されると共に、前記ホルダの半径方向に沿って変位自在に設けられた複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイと、
付勢手段を介して前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイをフローティング自在に支持するダイ支持体と、
昇降自在な上型に設けられ、前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを下方側に向かって加圧する押圧部材と、
前記押圧部材の内壁面に沿って変位自在に設けられ、被成形体の上部に係合する凹部が形成された上型本体部と、
を備え、
前記第1セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対して欠歯を形成する歯部が膨出形成され、前記第2セグメントダイの上端内径部には、被成形体の外周面に対してスプライン歯を形成するための歯部が膨出形成され、
前記歯部と反対側の前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの外径部には、それぞれ、鉛直面に対して所定角度傾斜する第1傾斜面及び第2傾斜面が形成され、前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定されることを特徴とする歯車成形装置。
【請求項2】
歯車歯部とボス部とを有し、前記ボス部に逆テーパ状の複数のスプライン歯が形成された歯車の成形方法であって、
ホルダの円形状の開口部内に平面視して放射状に分割配設された複数の第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの受座に対して被成形体を載置する工程と、
上型に設けられた上型本体部によって被成形体を保持すると共に、前記上型本体部に外嵌された押圧部材によって前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイを加圧する工程と、
前記加圧されることにより、前記第1セグメントダイの外径部に形成された第1傾斜面及び前記第2セグメントダイの外径部に形成された第2傾斜面がホルダの内壁に沿って摺動することにより前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイが半径内方向に水平移動する工程と、
前記水平移動する第1セグメントダイ及び第2セグメントダイの歯部によって被成形体の外周面が押圧されて、欠歯及びスプライン歯がそれぞれ成形される工程と、
前記第1セグメントダイ及び第2セグメントダイがそれぞれ被成形体から離間する半径外方向に変位して被成形体が取り出される工程と、
を有し、
前記第1セグメントダイの第1傾斜面の傾斜角度は、前記第2セグメントダイの第2傾斜面の傾斜角度よりも小さく設定され、欠歯を形成する第1セグメントダイの水平移動量がスプライン歯を形成する第2セグメントダイの水平移動量よりも小さく設定されることを特徴とする歯車成形方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−194703(P2008−194703A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29549(P2007−29549)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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