説明

残存型枠とその連結方法並びに製造方法

【課題】 土木、建築の分野に於ける擁壁等は地形、設置場所、用途等により様々な状況が発生する。例えば重機が入れない場所、折曲がり等複雑な擁壁に対処出来る軽量で埋殺の残存型枠の形状と組積時に安全で迅速且つ経済的な連結が出来る連結方法が課題であった。更に上記条件を満足する残存型枠は複雑で製造が困難とされていたがこの残存型枠の製造方法をも提供する。
【解決手段】 適宜の表面形状を有する等薄厚の残存型枠11aの上下横枠体21a、22aと左右端に縦枠体23a、24aとその中間に中間枠体25aを設け、隣接する残存型枠同士を安全に、確実に連結する為に上下横枠体の係止部と枠体連結具51a、52aにより上下左右に隣接する残存型枠を連結し、基盤より立設した受圧控材61aに連絡控材62aのフックを係止して63aで長さを調整すること特徴とする残存型枠とその連結方法並びに製造方法を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路、宅地、公園等の擁壁、及びこれらに類する構造物、又は河川、水路等の構造物の他に地上、並びに地下の土木構造物等の残存又は残置するコンクリート用型枠、或いは捨てコンクリート型枠の残存型枠に使用され、又建築物の外壁、内壁、基礎構造物等とその建物周り、塀等の新設及び補修用のコンクリート用としての残存型枠又はコンクリートを打設しない、単なる化粧板としての土木、建築用の残存型枠とその連結方法並びに製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の型枠は取り付け、取り外しを行なう取付型枠と取り付けたらそのまま放置する捨て型枠、又は残存型枠がある。前者は発泡スチロ−ル等の樹脂を用いた取付型枠で取り外しの手間が余分に掛り、残材の処分と残材のカスがその周辺に散乱するので環境上問題になっている。
後者の残存型枠はそれなりに評価されているが該型枠が重いので重機を用いたり、更に直線部のみしか組積が出来ないために、折れ曲がり、曲線部においてはその部分を現場打ちにする等の対応をしており、更に熟練工の不足でこれらの現場に対応できないでいる。又隣接する残存型枠の連結と組み立ては組み立て材と溶接して組積されているので作業性が悪く、少量の雨でも危険であるので作業が出来ない状態である。従って現在これらの現場に対応できる残存型枠と連結方法が要求されている。又作業性による軽量化と隣接する該型枠との連結性を考慮した残存型枠の製造方法に於いて、薄型の側面板と枠体とこれに付設された逆勾配付き係止部等を有する残存型枠は製造が困難であった。
しかし景観法の成立で構造物壁面の美観の為に、経済的で、作業効率の高い製品と工法が要求されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記土木、建築の分野における構造物は地形、設置場所、用途等により様々な状況が発生する。直線で単純な構造物の現場は勿論のことで、複雑な現場にも使用可能で、例えば設置場所は重機が入れない新設又は補修場所で、曲線の擁壁であり、又は折れ曲がりのある壁面が直立であったり、傾斜したりした複雑な構造物もあり、この様な現場はコンクリートを充填した場合該型枠の枠体に空気が溜まりコンクリートが回りにくい傾向がある。
この様に様々な現場の状況にも対応でき、コンクリート型枠として使用した場合には取り外さない埋め殺し或いは残置して人手のいらない工法で、経済的で、美観的にも満足のいくもので更に景観法にも対応できる工法である。
【0004】
上記条件を満足するためには軽量で、コンクリート圧、外圧、土圧等に耐えられる型枠構造を有し、更に折れ曲がり等にも対応できる矩形,L型等の形状をなした該型枠を単独で、又は組み合わせて使用できる型枠形状をなすことで、更に横方向に隣接する該型枠同士の連結は勿論のことで、作業性を高めるために上方向にも複数段、容易に、安全に、確実に組積でき、更にコンクリート圧の外力に対しても対応できる型枠形状とその連結具並びに連結方法を有することである。
又前記条件を満足するために該型枠の製造型枠は適宜選定された建築材料を単独で、又は組み合わせて使用して製造する際、簡単で、容易に、経済的に、安全で且つ強度のある残存型枠の製造機械を可能とする製造方法とする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成する為に、残存型枠は側面板と枠体より構成され、該枠体及係止凹凸材の何れか又は双方は隣接する残存型枠と連結可能な連結手段を有する連結具と係止可能な係止部を有し、更に横方向に隣接する残存型枠と当接可能な凹凸の段部と壁面の曲線、折線に対応する曲折対応端裏縦目地を左右の縦枠体に有していることを特徴とする残存型枠としている。
次に上記側面板の表面は化粧用の凹凸を有ており、該側面板の板厚を成して該表面凹凸とほぼ対応した凹凸が、枠体の枠面を除く側面板の裏面に有していることを特徴とする残存型枠である。
【0006】
又隣接する残存型枠と当接するための凸段部が左縦枠体と右縦枠体の何れか又は双方より残存型枠の表面側端部付近より所定の長さと直線、折れ線、曲線等の適宜の当接面と形状を有して横方向に張り出し、これを受け入れる凹段部も直線、折れ線、曲線等の当接面を有し、該凸段部の一部又は全部の当接面と当接可能の形状を有して成ることを特徴としている。
次に上横枠体と下横枠体の係止部の何れか又は双方に適宜の形状の係止空気抜孔を設けたことを特徴とする残存型枠である。
或いは左縦枠体と右縦枠体の何れか又は双方に縦枠体空気抜孔又は連通孔を設けたことを特徴としている。
【0007】
又は残存型枠を構成する側面板と枠体の何れか、又は双方が同質又は異質の建築材料より成る事を特徴とする残存型枠でもある。
そして側面板及び/又は枠体がコンクリート又はこれらに類する材料より形成されたことを特徴としている。
次に各々適宜の枠背高を有する前記材料から成る中間枠体とそれ以下の枠背高を有する中間小梁枠体が必要に応じて設けられ、該枠体は縦方向に、横方向に、斜め方向に、或いは曲線又は折曲がりを成した該枠体の何れか又は双方を1又は2以上有して枠組みされ、必要に応じて設けられる隣接する残存型枠と係止可能な係止手段を有する枠体が前記側面板に接合手段によって、一体的に、固定状に、半固定状に固着して成ることを特徴としている。
【0008】
又は前記枠体の枠体表面及び/又は係止材の係止面が傾斜を成したり、又は滑り止めの凹凸の何れか又は双方を有する事を特徴とする。
更に前記残存型枠の形状が矩形、L型、曲型、折れ型、凸型及び十字型並びにこれらの形状を組合せた複合形状を有する事を特徴とする残存型枠でもある。
次に前記項目の何れかに記載の残存型枠を現場にて組積する際、該残存型枠に設けられた枠体及び係止凹凸材の係止部を介して、隣接する該残存型枠の係止部と連結具の連結手段によって連結した事を特徴とする残存型枠の連結方法である。
又は枠体より胴込コンクリート側に張出した張出連結板には、隣接する該張出連結板と連結する連結孔のボルト丸孔又はボルト長孔の何れかを有し、又他方端は枠体を押圧する押圧連結板を有して成り、該張出連結板の連結孔にボルト等を挿通して螺着するとその押圧力が縦連結板、横連結板及び係止連結板の何れか又は2以上を介して押圧連結板に伝達される時、該連結板と係止凹凸部との間に変位吸収余裕高を設けた枠体連結具を使用した事を特徴としている該型枠の連結方法である。
【0009】
或いはL型をなす縦枠体連結具の一辺は胴込コンクリート側に張出した張出連結板を有し、該連結板は隣接する連結板と連結する連結孔のボルト丸孔又はボルト長孔の何れかを有し、L型の他方辺の端部付近に残存型枠の枠体及び/又は係止凹凸材の係止部と連結する為の連結孔のボルト丸孔又はボルト長孔の何れかを有し、必要に応じて縦連結板に連通孔及び/又はリブ等を有してなる縦枠体連結具を使用した事を特徴とする残存型枠の連結方法である。
又裏込砕石の崩壊と連絡控材のアンカー用として、裏込砕石に所定の高さと長さ及び幅を有する土留受圧控材を設置し、該土留受圧控材に連結した連絡控材の他方端は隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とに連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする残存型枠の連結方法である。
【0010】
そして胴込コンクリート内に、後面フレーム型受圧控材、前面フレーム型受圧控材及び前後フレーム型受圧控材の何れかのフレーム型受圧控材を形成し、裏込砕石の崩壊を防ぎ更にコンクリート型枠としての役割を成す控板体を該フレーム型受圧控材の一方側に接合手段にて接合するか又は単純に設置し、他方側の控横梁に隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とを直接又は連絡控材を介して連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする残存型枠の連結方法でもある。
次に胴込コンクリート内に、前後L型フレーム受圧控材、前L型フレーム受圧控材及び後L型フレーム受圧控材の何れかから成るL型フレーム受圧控材を形成し、裏込砕石の崩壊を防ぎ、更にコンクリート型枠としての役割を成す控板体を該L型フレーム受圧控材の一方側に接合手段にて接合するか又は単純に設置し、他方側の控横梁に隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とを直接又は連絡控材を介して連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする残存型枠の連結方法である。
【0011】
又胴込コンクリート内に、板体L型受圧控材及び板体箱型受圧控材の何れかから成る板体型受圧控材を形成し、裏込砕石の崩壊を防ぎ、更にコンクリート型枠としての役割をなす控板体を該板体型受圧控材の一方側に接合手段にて接合するか又は単純に設置し、他方側の控横梁に隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とを直接又は連絡控材を介して連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする残存型枠の連結方法でもある。
そして隣接する残存型枠同士を連結した連結具に直接又は型枠吊連結具に型枠吊材の一方端を接合手段にて接合して、吊材連結金具を介して格子状又は一方向に骨組みされた吊材柱と吊材横梁の何れか又は双方に、残存型枠を貫通した該型枠吊材の他方端のフック又は取付金具により強固に連結されている。この様に骨組みされた吊材柱と吊材横梁の何れか又は双方に吊材控表側材及び/又は吊材控胴込材を架設して格子状に又は一方向に配された吊材を形成して裏込砕石と控板体を設置し胴込コンクリートを打設して組積する事を特徴とする残存型枠の連結方法である。
【0012】
次に少なくとも柱、梁からなり、必要に応じて地梁、中間梁、動力受梁の何れか又は2以上を有する架台に裏面側型枠を作動させるための動力が取り付けられ、該動力を作動させる為の配管及び連動駆動装置が動力源又は運転操作機器等連動を備えた操作盤と連絡しており、該機器が架台の内側及び外側の何れかに設置され、更に残存型枠製品の下方に地面及び/又は地梁或いは、必要に応じて設ける土台より立設した台座の所定の位置に化粧型枠のコンクリート充填材用の側板が周囲に配設され、該側板が回転自在に動く様に蝶番が適宜設けてある。更に台座の頂面に持ち上げ自在の化粧型枠が戴置されたことを特徴とする残存型枠の製造方法である。
【0013】
又裏面側型枠には所定の位置に設けた動力の動力軸及び/又は裏面押圧軸の先端が押圧可能に接合され、台座に設置された側板と化粧型枠はコンクリート充填可能状態に設定された該型枠にコンクリートを側面板量又は(側面板+枠体)量程打設して敷き均した後、先の操作盤の操作により動力が連動駆動して動力を動かすと動力軸は下方向に作動してコンクリートを加圧(押圧及び/又は振動)によって側面板又は残存型枠の何れかを製造したことを特徴とする残存型枠の製造方法である。
及び打設された枠体用コンクリート又は先の(側面板+枠体)の残存型枠のコンクリートを押さえる為の枠体押具が先の動力に又は2番目の動力に、裏面押圧軸及び/又は動力受台を介して取り付いており、操作盤の操作により該動力又は2番目の動力を作動させて該枠体押具に依って枠体又は残存型枠を製造した事を特徴とする残存型枠の製造方法でもある。
【0014】
或いは枠体の係止部を形成する為に係止凹凸形成装置を利用した事を特徴とする残存型枠の製造方法。
次に残存型枠製品より上方の架台に第1の動力が連動駆動により操作盤に連絡しており、該第一動力は架台に接合手段にて接合され、該第一動力の第一動力軸の先端は化粧型枠に接合されるか、或いは第一動力受台に接合されて化粧型枠に連結している。
必要に応じて枠体押具と化粧型枠を取り替え可能なアリ溝等の取替装置が付いている。
他方残存型枠製品より下方には地面又は土台に設置された第二動力と台座が立設しており、第二動力に収納された第二動力軸の先端は第二動力受台及び/又は固定軸を介して裏面側型枠に連結されるか又は該裏面側型枠と第二動力軸は直接連結した裏面側型枠駆動装置を形成するか又は該型枠駆動装置を固定状にした台座の何れかの型枠形状をなしている。台座の蝶番を介して取り付いた側板と裏面固定型枠が設置され裏面側型枠駆動装置とは相互に独立した状態を形成した事を特徴とする残存型枠の製造方法でもある。
【0015】
又コンクリート打設状態に設置された裏面側型枠と側板に枠体のコンクリートを打設して枠体押圧の作動により加圧後、該枠体押圧体を元に戻し化粧型枠に取り換えた後、側面板のコンクリートを敷き均した後、該化粧型枠を下方向に作動させコンクリートを加圧するか又は直接(枠体+側面板)のコンクリートを化粧型枠にて加圧し、そして脱型して残存型枠を製造した事を特徴とする残存型枠の製造方法である。
そして化粧型枠、裏面側型枠又は側板の何れか又は2以上のコンクリートとの接触面又は該型枠の裏面の何れか又は双方に熱線ヒーター等により型枠を加熱してコンクリートの硬化を早めた事を特徴とする残存型枠の製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の残存型枠は側面板と横枠体、端縦枠体の枠体から構成され、必要に応じて縦、横、斜等の中間枠体を追加構成出来る。この枠体の構成組み合わせよりコンクリート外力に対して応力負担が選択出来るので側面板の厚みと枠体の断面形状が少なくてすみ軽量化と経済性に寄与できる。又擁壁の曲線又は折線に対応する為に、曲折対応端裏縦目地を設け併用して、胴込コンクリートの漏れを防ぐ為に凹凸段部を設けている。更に必要に応じてコンクリートの周りと空気の溜まりを防ぐ為に空気抜孔を縦枠体又は横枠体に設けて残存型枠の機能を完全なものとしている。更に枠体と係止凹凸材に係止手段を設けることが出来るので隣接する残存型枠を容易に連結でき、一体的な残存型枠の連結が出来るのでコンクリート圧に対し充分抵抗できる残存型枠体が構成されるので発明の効果は充分ある。
【0017】
残存型枠同士の連結方法に関しては隣接する残存型枠同士を連結する枠体連結具又は縦枠体連結具を利用して組積する連結方法を選択採用できるので壁面の折れ曲がり又は曲線等に対応でき、又は土留受圧控材によって裏込砕石の崩壊と重力を利用して連絡控材を介して該枠体連結具と連結したり、或いは胴込コンクリート内に設けるフレーム型受圧控材又はL型フレーム受圧控材を介して控板体で裏込砕石を受け、更に前面の控横梁で先の枠体連結具と連結してコンクリート圧に抗したり、或いは吊工法により地形状況に対処した経済的で施工性に優れた連結工法を選定できるので発明の効果は充分ある。
【0018】
残存型枠の製造方法の関しては残存型枠製品の裏面を形成する裏面側型枠を上にして押圧する第一動力と軸を受ける架台を反力として押圧加圧して残存型枠の裏面の側面板と枠体を成形して、該製品の化粧面側に化粧型枠を設置してこれを第二動力軸と動力で受けて化粧面を加圧形成する製造方法であり、又はその逆の化粧型枠を上方に、裏面側型枠を下方に設置する残存型枠の製造方法で該型枠の形状と化粧面の状態により製造方法を選定出来、経済的で、美観に優れた残存型枠が製造できるので発明の効果は充分のある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の残存型枠とその連結方法並びに製造方法の実施形態を図面に基ずいて以下に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の残存型枠の裏面斜視図で、該残存型枠B、Baは矩形をなす側面板1,1aの裏面上端部に上横枠体2,21a、下端部に下横枠体2,22aと、横方向左端部に左縦枠体23,23a、右端部に右縦枠体24,24aとその中間右よりに中間縦枠体2,25aが前記側面板1aと上下横枠体側面相互に固定状に一体的に固着されている。
該側面板1,1a,の表面11a,の面は現場の事情により平板であったり、凹凸を有したり、又これに適宜の化粧が施されることもある。又該側面板1の裏面12aは所定の板厚を有した平面であったり、表面11aの凹凸に対応した所定の厚みの凹凸を有したり、又は表面が凹凸の化粧面であっても裏面仕上げは平面であることも有り現場の状況により種種選定される。このことに対応して側面板の裏面と該枠体との接触面13,13aはこれに対応した線形有することは云うまでもない。
【0021】
又左縦枠体23aに沿って側面板から張り出した凸段部31aが右縦枠体24aの上端部に沿った凹段部32aに嵌着可能な適宜の形状をなして突出しており、上横枠体21aの上端部に沿って横方向端目地段部33aが形成され、これと対応して下横枠体22aに段部のない直線又は曲、折線等の横方向端日地接触面35aが形成されている。前記縦枠体23a、24a、25aには必要に応じて、適宜の位置と数の係止材43aが埋設され、必要に応じて補強と被り増しのために適宜の形状の係止材ふかし44aを設けている。
【0022】
前記側面板及び枠体の材料はコンクリート及びこれらに類するものが好まれるが、本発明の材料はこれらに限定するもので無く他の建築材料で構造的に安全で、経済的で、美観的で、施工性に優れたもので、構造物の目的に合った材料が建築材料の中から選定され採用される。該建築材料としては鉄、非鉄金属、樹脂、木材、竹、ガラス、レンガ、陶器、石、ゴム、紙等を直接使用したり、又は織布、不職布したりして使用することも可能で、或いはこれらを前記建築材料に混ぜて使用することも出来る。
尚側面板又は枠体の躯体の中に必要に応じて該躯体の強度を高めるために、前記建築材料より選定された、鉄、鉄筋、金網、ガラス、炭素、樹脂纎維等の補強材を入れることもある。
例えば自然石又は木材等を設置可能に加工した側面板に、ガラス纎維混入のコンクリートからなる、まだ未硬化の、又は硬化した枠体に前記側面板を圧着または接着した残存型枠を使用することも可能である。
【0023】
次に前記残存型枠を複数段組積する連結方法を開示する。図2は図1の残存型枠を複数段組積した背面斜視図で、図3は図4の残存型枠を複数段組積したA3−A3横断面図で、図4は図3の組積背面図を示す。図2〜図4までは符号と図面が関連しているので対照しながら合わせて説明する。図2〜図4を施工順序に従って説明する。
初めに下段地表面Z1を掘削して所定位置に基礎砕石F3、必要に応じて均しコンクリートF2、基礎底版F1を設置して、該底版F1の所定位置に埋設し立設したアンカーボルトVA1を連結具52Aのボルト孔VA3に所定の数だけ挿通してナットVA2にて締結設置する。これと前後して不透水材D2を設置する。
【0024】
次に立設した連結具52Aの他方のボルト孔VA3を介して、最下段の残存型枠B1aの右縦枠体24aと隣接する残存型枠の左縦枠体23aの所定の位置に埋設された係止材43a(インサート等)にボルトV1,V1(必要に応じてナットV2)にて螺着すると隣接する複数の該残存型枠B1aは所定の勾配と間隔をなして立設する。つづいて前記残存型枠B1aと隣接する残存型枠の上側の係止材(インサート)43a同士に別の連結具52aのボルト孔V3,V3にボルトV1,V1を挿通して該連結具を螺着締結すると複数の該残存型枠B1a同士は上下、左右端が強固に連結されるので不動の状態で立設して最下段1列目設置は完了する。
【0025】
次の工事は2段目の残存型枠B2aを1段目の残存型枠B1aに所定の勾配と間隔をなして戴置する。この場合現場の状況により2段目の係止材43aが1段目の連結具52a上にくるとは限らない。現場の状況によって必ず発生する曲線、又は折れ曲がりに自由に対応する為に本発明は仁意の個所でも残存型枠同士を連結できる係止手段4,4aと連結具5を発明した。即ち係止凸部41aと係止凹部42a等を有する係止手段並びに係止部4,4aと連結手段、連結具5、51a,52a等によって解決出来る。該係止部4aに対応した連結具5,51aのボルト孔に前記残存型枠B1aの上側の連結具52aのボルト孔を介して、ボルトV1、ナットV2で螺着することによって、上段及び下段の残存型枠は仁意の個所で強固に連結される。
【0026】
2段目の残存型枠B2aと隣接する残存型枠の左右縦枠体同士と1段目B1aの上横枠体21aとの連結は前記同様の連結具51aと52aによって連結する。又該残存型枠B1a、B2aの連結が不足するときは上下横枠体21a、22aの係止部41a,41aに前記連結具51a,51aを嵌着してボルトV1、V2によって螺着するとよい。前記残存型枠の背面にコンクリートを打設する場合は該型枠がコンクリート圧によって前に転倒しないように控材6、62a,63aの一方端を前記連結具のボルトV1に連結して、他端を控材61aに連結すると前記圧力に抗することが出来る。
前後して裏込砕石D1と胴込コンクリートCを打設する。前記同様の方法で適宜繰り返し工事を行ない組積完了し最後に天端仕上げを行ない完了する
【0027】
図5は図1の残存型枠を更に詳細に説明する為の断面図で、図5(a)は図1のA1−A1断面図で、図5(b)は図1のA2−A2断面図である。
前記図1と説明が重複しないところだけ説明する。本発明の残存型枠の1例として図5に示す様に、該型枠は矩形状で長辺側の横方向長さL1と短辺側の縦方向幅L2をなし、上下該型枠と連結可能な適宜の形状をなす枠体、例えば矩形状の上横枠体21aと下横枠体22aに係止凸部41a,41a,と係止凹部42a,42aとを有して連結手段、連結具5を介して隣接する残存型枠との連結可能な適宜の形状をなし、該枠体21aの上端部には横方向端目地段部33aと枠体22aの直線状の横方向端目地接続面35aとを当接して該枠体同士の横方向枠体当接面30aを形成しているが共に該段部33a、33aであってもよい。
【0028】
他方横方向の連結と接合は左、右縦枠体23a,24aに適宜の位置と数だけ係止材(インサート等)43aを埋設し連結具を介して上下,左右の該型枠と連結する。更に該枠体23aの端部には適宜の張り出し長L3の形状を有する凸段部31aとこれを受け入れる凹段部32aが右縦枠体24aの頭部付近にあり、該段部同士を連結したとき縦方向端目地34aが形成される。左右縦枠体23a,24aの下方に曲線または折れ線の壁面に対応できるように隣接残存型枠1‘、1’の該枠体23a‘,24a’と当接時に下端が開く適宜の形状(この場合は三角)の曲折対応裏端縦目地37aを形成している。中間縦枠体25a上に中間目地段部36aが形成されているがこれに限定するものでなく縦、又は横方向に中間目地段部36が1又は2以上側面板表面11aの適宜の位置に形成されていてもよい、側面板1,1aは表面、裏面共に平滑でも、又適宜の模様の凹凸の有る表面11aに対し,裏面12aは平滑であっても或いはその逆であっても良い。前記同様の表面凹凸11aに対応して板厚t1が一定の厚みをなした裏面凹凸12aでもよい。
前記説明した横,縦,中間枠体の目的と機能については側面板1aの板厚が薄いと外圧に抵抗できないので枠体を設けて側面板と固定又は半固定にして剛性と断面係数を増して外圧に抗する様にした。さらに枠体に隣接する残存型枠と仁意に位置で連結可能とするために凹凸係止部41a,42aを設け連結具を介して連結できる様にした。
【0029】
図6は前記連結具5の一つである枠体連結具51aについて更に詳細に説明する。
図6(a)は横枠体と枠体連結具との嵌着断面斜視図で、図6(b)は上下横枠体と枠体連結具との連結状態を示す断面図。符号は前記図1〜図5と一致し各部位の機能と作用も同様である。
図に於いて、枠体連結具51aは適宜の位置と数を有するボルト孔V3又は長孔V4を設けた適宜の形状の連結板511aと縦連結板512a、横連結板513a、係止連結板514a、押圧連結板515aとより構成され、前記横枠体21aと係止凹部42aと係止凸部41aを囲むように嵌着され必要に応じて余裕幅DL3を設けたり又はこれにクサビV5等が打ち込まれたりしている。
次に前記施工と連結方法にて説明した様に、該残存型枠B1aの上横枠体21aに上段の該型枠B2aの下横枠体22aを所定の位置に戴置して、前記下段で使用した同じ型の枠体連結具51aを反転して下横枠体22aに上記の様に嵌着して、該連結板511a,511a同志のボルト孔V3、V4にボルトV1を挿通してナットV2にて螺着するとナットV2の締付圧が押圧連結板515aに伝達され上下横枠体の係止凹部42a、42a同士は強固に連結され外圧に抗することが出来る。
【実施例2】
【0030】
本発明の特徴である仁意の壁面の曲、折れ線にも対応できる残存型枠Bb、1の形状と連結具5の発明の思想を前記図にて開示したが、更に詳しく他の実施例を取り上げて説明する。
図7は厳しい現場の状況にも組積可能な別の枠体連結具51bの使用例で、図7(a)は上下残存型枠に段差が生じた場合の枠体連結具同士の連結状況を示す連結状態断面図で、図7(b)は別の枠体連結具の斜視図で、図7(c)は別の枠体連結具を連結する場合の連結状態断面図で、図7(d)は別の長孔の締結変形爪の説明用断面図を示す。
図に於いて、前記した様に、壁面の勾配と曲線又は折れ曲がりにより出隅,入隅が発生するがこれにより上下の横枠体間に大小の出,入の段差DL0が生じる。図示の場合は出段差+DL0で、この逆の場合(図示なし)は入段差−DL0が生じる。
【0031】
別の枠体連結具51bと上下横枠体21b,22bとの取り付け方法は前記と同じであるが駄々異なる第1点は上下枠体連結具51b1、51b2に出段差+DL0が生じるので前記ボルト孔V3の様な丸孔ではこの様な出隅、入隅の状況には対応出来ない。従って連結板511bの中央付近に出段差+DL0に対応出来る長さのボルト長孔V4を設けると解決する。この事は入段差−DL0も同様にボルト長孔V4によって解決する。
前記した様に、上下連結板511b、511bの該長孔V4にボルトV1挿通し、ナットV2にて螺着すると前記同様に該横枠体同士は強固に連結される。又上下横枠体21b、22bの係止凹部42b、42b同士の押圧力を更に強くする場合は、次に説明する方法にて押圧連結板515b、515bに強い押圧力を掛けることが出来る。
【0032】
この工法の第一方法は水平DLHに設置された連結具51b1の押圧連結板515b1に必要押圧力に対応する締付高DL4を設け、これを得るために締付高DL6と適宜の形状の締付突起516bを連結板511b1の両端付近に設ける。
第二の方法は締付突起516bを設けないで、これと同等の機能を発揮するように連結具51b2の該突起位置と締付高DL7とからなる傾斜を有する連結板511b2に替えることも可能である。
上記連結具の使用方法は該連結具51b1同士、51b2同士或いは51b1と51b2を各々合わせて使用する事も可能で、前記同様に連結具51b1と51b2は各々5枚の連結板(511b1〜515b1)、又は(511b2〜515b2)を有している。
図7(c)を同図(a)に使用したとして説明すると、前記同様に上横枠体21bに連結具51b1を嵌着し、次に上段の下横枠体22bに連結具51b2を嵌着して、ボルト孔V3又はV4にボルトV1を挿通してナットV2で螺着すると締付突起516bの位置を支点として螺着力のナットV2による梃子の作用で押圧連結板515b1、515b2に強力な押圧力が作用し該枠体21b、22b同士はナットV2の押圧力を受けて外力に抗する事が出来る。このナットV2の作用に依って締付高DL4〜DL7は撓み変位が発生するが該螺着力に支障が生じ無い様に、必要に応じて係止凸部41bと各連結板512b1〜514b1、512b2〜514b2に変位吸収として余裕高DL1、DL2,DL3とDL4〜DL7を設ける事も可能である。
【0033】
前記した様に連結具51bを残存型枠Bbに取り付け組積した後裏込コンクリート打設した際,控え材63bのボルト孔と連結具のボルト孔とにボルトV1を挿通してナットV2で螺着した後、控材63bに作用するコンクリート圧がより強いとナットV2の締結力にも係わらず連結板511b、511b相互がずれる恐れが有る。この場合は該連結板511bの表面又は裏面のいずれか又は双方に滑り防止の凹凸のストッパー5111b又は控え材63bの接触面に同様のストッパー5112を適宜選定して使用する事も可能である。さらにボルトV1と長孔V4の摩擦力を増すために該長孔V4に凹凸V42設けてもよい。或いは図7(d)に示す長孔V4より変形可能な適宜の長さの締結変形爪517bを立設すると良い。この場合該長孔V4にボルトV1を挿通してナットV2を螺着すると、前記締結変形爪517bの爪の長さがナットV2の螺着に合わせて変形して爪が該ボルトV1のネジ山に躯込み該連結板とボルトV1は強力なコンクリート圧にも抗する事ができる。
更に摩擦力を増すために上下横枠体の接触面の何れか又は双方に適宜の形状の係止凹凸45bを設ける事も可能である。
【0034】
前記した様に本発明の特徴は直線は勿論の事、仁意の勾配と曲線又は折れ線の壁面にも組積出来る目的の残存型枠を開発する事であったが、その目的は前記枠体連結具51により達成された。しかし該型枠の形状と現場の状況により達成されない場合は次に開示する縦枠体連結具52により解決出来る。図8はその該連結具とこれらに関する製品機能を説明する説明図で、図8(a)は縦枠体連結具とこれら周辺部位との取付断面斜視図で、図8(b)は別の縦枠体連結具の取付断面図で図8(c)は図8(b)の縦枠体連結具の横断面図を示す。
【0035】
図に於いて、下段残存型枠B1c、1cの上横枠体21cと上段残存型枠B2c、1cの下横枠体22cは当接されて入段差−DL0をなして組積され、残存型枠B2cの右縦枠体24cと横方向に隣接する残存型枠B2c‘の左縦枠体23cは縦枠体当接面L6cで当接して端縦目地余裕幅371cを有する曲折線対応端縦目地37cを形成している。この技術によって曲折線に対応できる。更に該上下横枠体の当接面より取付高5221cの位置に該型枠製造時に係止材43cが埋設されたり、又は事後にこれを取付ける係止材孔431cが各々設けてある。この部分の補強と該型枠材料の周りを良くするために必要に応じて適宜の形状の係止材ふかし44cを設けている。そして張出長L3cを有する凸段部31cが凹段部32cに当接して縦方向端目地34cを形成していることは前記の通りである。
【0036】
次に本発明の特徴は該型枠を組積して裏側に胴込コンクリートを打設すると、下段残存型枠B1cの上横枠体21cの係止凹部42cに係止凸部41cの影響で空気が溜まりコンクリートの周りが悪くなることがある。この様な場合は係止凸部に1又は2ケ所以上の幅461cと高さ462cの適宜の形状の係止空気抜孔46cを設けたり、係止凸部にハンチ4111cを前後何れか又は双方に有するハンチ付の係止凸部を設けることも可能である。
【0037】
次に本発明の特徴である縦枠体連結具52cについて説明する。
該残存型枠の組積工法によっては該型枠B1cに戴置した前記型枠B2cを一時自立させる必要がある。前記連結具51で可能であるが更に強力に自立させる為に取付高5221cを有する連結具52、52cを利用するとよい。
前記した凹凸V42を必要に応じて付設したボルト長孔V4と適宜の数と位置に設けた補強リブ526c1と幅527cを有する張出連結板521cと、その端部より立設した竪連結板522cに取付高5221cの位置に水平方向にボルト長孔V4Cが設けてあり、該連結板の長孔V4cに前記した左右縦枠体23cと24cに設置された各係止材43c、43cにボルトV1を螺着するとボルトの螺着圧により該左右縦枠体同士と該連結板は強固に連結される。更に曲折れ線に対応できる所定の余裕幅371cを確保した曲折対応端裏縦目地37cを形成する事が出来る。該縦連結板522cには必要に応じて適宜の形状の縦連結板孔523cと取付補強リブ524cと前記控材62を取付ける控材取付孔525cと補強リブ526c2を各々必要に応じて設けている。そして上下残存型枠B2cとB1cの連結は下段の残存型枠の上横枠体21cに嵌着された連結具51cの張出連結板511cのボルト長孔V4と、前述した張出連結板521cのボルト長孔V4とに入段差−DL0を考慮した位置にボルトV1を挿通してナットV2にて螺着すると上段の左右縦枠体と下段の残存型枠の上横枠体を介して上下残存型枠B2cとB1cは曲折対応の余裕幅371cを確保して更に強固に連結されている。尚この連結手段は下段の残存型枠B1cの左右縦枠体又は中間縦枠体、或いは中間横枠体の係止材と上段の該型枠B2cの下横枠体の係止凸部との連結も同様の方法で行なうことが出来ことは云うまでも無い。
【0038】
次に図8(b)、(c)に於いて、前記した様に壁面に出隅、入隅のない直線状またはそれに近い壁面であれば上下横枠体の背面線がほぼ揃うので前述の様な連結具51c、52cの組み合わせでなく両者を一体化した経済的で、単純で、取り扱いが簡単な縦横枠体連結具53dを提供できる。
該連結具53dの連結板531dは係止凸部41dを股がって張り出して、ボルト螺着可能な位置にボルト孔V3又は長孔V4が穿設されており、該孔にボルトV1を螺着して一方の連結具53dを連結する。該連結具の他方端は前記図同様に左右縦枠体23d、24d又は、中間縦枠体25dの所定の位置に埋設された係止材43dに、該連結具の他方端付近に穿設されたボルト孔V3又は長孔V4の何れかにボルトV1を挿入して螺着すると該連結具は簡単に早くそして確実に締結できる。尚前記連結具51の横連結板513,513a、を531dに替えて係止連結板514,押圧連結板515を省略してボルトV1をボルト孔V3、又は長孔V4に螺着することも可能である。この方法は前記図1〜図7にも適用できる。
縦連結板532dは前記連結板522cと機能及び使用等同じで該連結板を使用することも可能であるが、別の工法として開示すると、縦連結板532dは必要に応じて縦連結板孔533dを縦方向に有した山形の取手リブ534dに取付孔535dを必要に応じて設け、更に縦リブ536dを前記同様に設ける事も可能である。この様に本発明のリブ等は色々な形状を提供できる。尚取付リブ534d等は52cにも採用可能である。
【0039】
前記図8で開示した縦枠体同士と縦枠体と横枠体との連結は縦枠体の定位置に埋設された係止材43を介して連結したが、本発明はこれに限定するもので無く、縦枠体の適宜の位置で縦枠体同士又は横枠体とを連結出来る工法を開示する。
この事を可能とする別の残存型枠の形状部位と連結具を図9に示す。図9(a)は別の左右縦枠体を連結具で連結した状態の連結断面斜視図で、図9(b)は図9(a)の横断面図を示す。図に於いて、左右縦枠体23e、24eの端部に、前記横枠体の係止凸部41と同様の機能を有する係止凸部41e2、41e2が設けて有り、さらに横枠体21eの係止凸部41e1、41e1は前述と同様の係止凸部41が設置されている。
【0040】
左右縦枠体の曲折対応端裏縦目地37eは所定の端縦目地余裕幅371eをなして、必要に応じて目地余裕幅確保のためにクサビV51が嵌入されて仮止め立設している。
連結具は3種類あり、第一の縦枠体連結具54eは前記同様にL型をなし、連結板521eに適宜の方向(斜め、水平、垂直等)の長孔V4e1を有し、その端部より立設した縦連結板522eの適宜の位置(縦枠体安定位置)に前述同様の長孔V4e2が穿設されている。第2の連結板55eはコ型をなし連結板551eとほぼ直折れした連結板553eと折れ曲がって係止連結板554eと更に押圧連結板555eを有しており、第3の連結具56eは前述同様に連結板561e、563e、係止連結板564eと押圧連結板565eから成っている。
【0041】
連結具の取付け手順は該連結具54eのボルト孔V3e2又はV4e2にボルトV1を挿入して、前記要領で連結具55e,56eを重ね合わせて相互のボルト孔V3e2、V4e2のいずれかに該ボルトV1を挿入してナットV2にて螺着すると左右の縦枠体は強固に連結される。そして前記要領にて既に上横枠体21eと係止凸部41e1に嵌着された連結具51を前記連結板521eの長孔V4e1にボルトV1、ナットV2にて螺着すると上下の該型枠は強固に連結される。従って縦枠体に係止凸部41e2,41e2を使用すると仁意の高さの位置で連結具55e、56eを締結出来るので便利である。
【0042】
図9(b)は図9(a)の縦枠体と係止凸部41e2、41e2に前記連結具51aが51eとして、該連結具51aに図8(b)のボルトV1を採用した連結具57eを使用している。この様に縦枠体に係止凸部を設けた場合でも連結具51の型を使用することも可能で、必要に応じて縦枠体連結具54eを設けたり、連結板513e2の先端付近に設けたボルト孔V3又は長孔V4の何れかに係止凸部41e2に係止するためのボルトV1を螺着する事も可能で、この場合の押圧連結板515e2は座金の役割を成している。又は必要に応じてクサビV52及び/又はV53を設けてもよい。
更に凹段部32eと凸段部31eの接面321e,311eは直線で説明したが本発明の接面は各各異なった適宜の曲、折れ線であっても良い。例えば凹段部の接面が直線321eで途中で折れ線322eであり、凸段部の接面は直線311eの組み合わせでも又その逆であっても良い。更に両接面が曲線、折れ線312e,322eの組み合わせで、更に直線311eと321eの組み合わせであっても良い。
又図8(a)にて説明した係止空気抜孔46cと同様で少し変形の該空気抜孔46e1、46e2を縦枠体23e、24eの何れか又は双方に1又は2以上設けると該縦目地37eと段部が連通して枠体の形状に依っては空気とコンクートが段部接面311e、322e等に周り段部の補強に成る。
【0043】
前記した様に本発明の残存型枠形状の大きさによっては組積して胴込めコンクリートを打設した際、横枠体同士の当接部の下段側42f部分に空気溜まりが出来て、コンクリートの回りが悪くなる事がある。この事を解決する為の対処方法の一例を図10に示す。
図10(a)は別の残存型枠1fの上横枠体の断面斜視図で、図10(b)は図10(a)の上横枠体に図1〜図8に記載した隣接する下横枠体22fが戴置当接された状態の断面図を示し、図10(c)は別の残存型枠の組積断面図で、図10(d)は別の残存型枠の上下横枠体同士の連結部位の断面図を示す。
図に於いて、該残存型枠B1fの上横枠体21fに前記の係止凸部41fと必要に応じて設ける係止凹部空気抜孔47f及び/又は前記の係止空気抜孔46fの他に、その表面に適宜の形状の横方向端目地段部33fと横方向当接段部38f、この段部間に発生する係止凹部通気路48fと先の空気抜孔47f、と46fとが連通した状態を成している。
【0044】
図10(b)に於いて、上記横枠体21fに下横枠体22fを戴置すると、該横枠体22fは前記段部33fと38fの安定当接幅範囲に、即ちL1f内のL2fとL3fに当接しているので安定しており、同時に該通気路48fの空間が確保でき、コンクリート打設によって発生する下段の空気は空気抜孔47f、48fを通って空気抜孔47f0より排気される。更に必要に応じて設けた係止空気抜孔46fより排気される。
【0045】
前記した空気抜きの他に次に開示する方法もある。
この方法の1例を図10(c)にて説明する。前記した残存型枠は側面板1と上下横枠体21,22とがほぼ90度を成していた。これは横枠体の梁高が低いと問題無いが梁高が高く成ると空気が溜まり易くなる。この解決方法の1つは横枠体の梁高に応じて角度(KAKU)を90度以上すると係止凸部41f1がコンクリートの打設面より上に来るので空気が溜まらない。このことに依って係止凸部41f1及び連結具等も変形した形状をとることもある。
【0046】
又別の方法として図10(d)に示す様に側面板1f2と上下横枠体21f2と、22f2との角度は略90度にし、これに対応して横方向枠体当接面30f2も同様の角度と成る。
しかし側面板1f2と上下横枠体21f2,22f2の係止凹部42f2,42f2は空気の溜まらない角度(KAKU)90度以上と係止連結部514f2を90度又は90度以上にすると空気は溜まらない。これに対応して係止凸部41f2と連結具5,51f252f2等も変化する。
【実施例3】
【0047】
前記までは側面板と枠体と係止部は同一材料であったが本発明はこれに限定するものでなく係止部4は異なる材料であってもよい。これらの形状と連結方法を図11〜図14にその1例として開示する。
図11(a)は本発明の別の残存型枠の背面斜視図で,図11(b)、(c)は同図(a)の4−A4断面図とA5−A5断面図を示す。
【0048】
図に於いて、前記図と形状と機能と技術的思想は同じであるが、只異なる点は少し小型の上下横枠体21g、22gより背面側に矩形又は適宜の形状をなす係止凹部空気抜孔47gが有り、これを挟んで前記建築材料から適宜選定してなるL型の係止凹凸材45gの上、下係止凹凸材451g、452gが左、右縦枠体23g、24gと中間縦枠体25gの上下端部に埋込、付着、接着材、溶接、ボルト、アンカー等の単独又は併用の接合手段によって固着されている。又前記凸段部31g1が左縦枠体23gの中央上半分に張出し、残り半分は前記凹段部32g1が形成されている。これを受け入れる該段部は右縦枠体の上部半分に凹段部32g2が,又下半分に凸段部31g2が形成されている。前記同様に係止材43gが該枠体の裏端面に43g1と必要に応じて該枠体の腹部に43g2が前記同様に所定の位置に埋込まれている。
更に側面板1gの表面11gの凹凸と対応して裏面12gも板厚t1を成して凹凸を形成しているが前記同様に平滑等であってもよい。
【0049】
上記図11で開示した残存型枠B1gと隣接する残存型枠B2gとの各々の連結方法を図12〜図14にて説明する。
図12は該連結方法の一例で、図12(a)は各縦枠体と隣接する残存型枠の係止凹凸材との連結状態を示す断面図で、図12(b)は他の位置での連結状態を示す断面図。
同図(a)に於いて、上横枠体21gと所定の幅を有して上係止凹部空気抜47g1を有してL型の係止凹凸部(材)441g1が前記接合手段にて設置されており、隣接する該型枠B2gの下横枠体22gと該空気抜47g2と該凹凸材442g1が入段差−DL0をなして戴置されている。この様な戴置状態の該型枠同士の連結方法は前記開示した方法と基本的に異なる所はなく同様な方法で連結される。
【0050】
即ち、フック付のL型の係止凹凸連結具58gのL型の一辺の矩形の連結板581g1は前記同様のボルト孔V3又はボルト長孔V4を所定の方向と位置に有し、他辺の縦連結板582g1の先端に、係止凹凸材441g1の先端に嵌着可能なフック状の係止連結板584を兼ねた押圧連結板585g1が形成され該係止凹凸材441g1の一辺の先端付近に嵌着されており、上段B2gの該縦枠体23g等の係止材43g1は先述の縦枠体連結具52g1の縦連結板522g1のボルト孔V3又はボルト長孔V4の何れかにボルトV1によって螺着されている。
更に他辺の連結板521g1の該孔V3又はV4の何れかにボルトV1を介して先の連結板581g1と強固に締結している。
【0051】
同図(b)に於いて、L型の上、下係止凹凸連絡連結具59g1と59g1の横連結板592g1と592g1の一方端は上下横枠体21gと22gの表面211g1と211g1に必要に応じて設けた凹凸に所定の長さに当接され、他方のL型辺の連結板591g1と591g1は該板441g1と442g1に当接係止されて、前記該孔V3又はV4のいずれかに挿通されたボルトV1とナットV2によって、上下連結具59g1と59g1は強固に連結される。従って前記の様に連結具52g又は59gのいずれか又は双方を適宜採用する該連結手段に依って仁意の位置で連結出来るので出隅,入隅又は直線の残存型枠にも対応できる。尚枠体表面211gの凹凸は前記した係止手段の係止部41,42,45等であってもよい。
【0052】
図13(a)は別の縦枠体連結具の使用断面図で、図13(b)は別の枠体連結具の使用断面図を示す。図13は図12と発明の内容については同じで、只異なる点は係止凹凸材441g2と442g2が逆向きになっていることだけで、この様な場合であっても本発明は連結具52,59を一部改良する事によって採用する事ができる。
該係止凹凸材441g2と442g2のL型の一辺又は全部が縦枠体23g〜25gに前記した様に埋込まれたり,当接されたり適宜の方法で接合されている。
前記と異なる点は縦枠体連結具の一辺5211g2と枠体連結具の一辺5811g2が該凹凸材442g2と441g2の一辺に当接可能に変形している事である。
同図(b)に於いても前図(b)と同様で、追加する点はL型の一辺442g2の先端に該連結板592g2が連結しやすい様に舌板5911g2を設けることも可能で、この技術は本発明の全部に使用する事もできる。
【0053】
図14は前記図12、13と図面的には異なるが技術的思想は同じで,本発明の係止材とこれに対応した連結手段を選定する事に依って、いかなる現場状況であっても組積対応可能である。
図14(a)は別の枠体連結具と連結方法の断面図で、図14(b)は別の枠体連結具と連結方法の断面図である。
同図(a)に於いて、下段残存型枠Bh1の上横枠体21hの所定の位置に係止材43hが埋設されており、これに折曲り丸棒の係止凹凸材45h1の端部を螺着するか又は直接埋設し、そして該材の他方端は横方向に突出しており、これに上段の係止凹凸材45h2が戴置している。下横枠体22hの所定の位置に埋設された係止材43hに丸棒の係止凹凸連絡連結具59hの一方端は螺着され又は直接埋設され、他方端は先の係止凹凸材45h2のボルト孔V3に挿通されナットV21,V22によって螺着されている。該材45h1と45h2との連結は当接部に溶接等又は前記連結手段にて連結する。尚該係止凹凸連絡連結具59hは丸棒に限定するもので無く板又は型材でもよく直接端部を横枠体に埋設したり、その他端は係止凹凸材45h2に溶接等する事も可能である。
尚該型枠Bh1、Bh2に横方向端目地段部33h1,33h2が各々設けてある。
【0054】
同図(b)に於いて、前図14(a)と異なり上下横枠体21i,22iは出段差をなしている。係止凹凸材45はL型に限定するもので無く丸型、矩型等適宜の形状も可能でその一例を係止凹凸材45i2に示す。該材の抑えの係止凹凸連絡連結具59i2の該連絡板592i2は先端付近に、該材45i2に2枚の嵌着可能な形状の係止凹凸連絡連結板593i2を有して連結板591i2に溶接等で固着ている。そして他方の該連結具59i1の先端は該材45i1の一辺の先端に係止可能な係止凹凸連絡連結板592i1と必要に応じて嵌着可能な係止凹凸連絡連結板593i1を設けている。
更に上下横枠体21iと22iの相互の連結は前記同様に該係止凹凸連絡連結板59i1と59i2を各該材45i1と45i2に嵌着してボルトV1、ナットV2で締結する。
【0055】
先の図11〜図14に示した係止凹凸材が該型枠の上下端にあったが、本発明はこれに限定するもので無く、該型枠の中間にも設置することも可能でこの技術を図15〜16に開示する。
図15(a)は本発明の別の残存型枠の組積背面斜視図で図15(b)は図15(a)のA6−A6の連結部位の断面図で、図15(c)は図15(b)の正面図で、図16(a)は図15(b)の別の連結部位の断面図で、図16(b)は別の残存型枠の背面斜視図で、図16(c)は図16(b)の図15(b)と同様の上下横枠体の連結部位の断面図。
【0056】
図15に於いて、図11で開示した残存型枠は係止凹凸材が上下横枠体と略同位置に設置されていたが、本発明の係止凹凸材は残存型枠の中間の適宜の位置に前記同様に適宜の形状と材料の係止凹凸材を設置することも可能で係止材43jに連結したり、又は直接埋込んだりする。 本例では上下端部付近の係止材ふかし44j11〜44j13の係止材43j13〜43j15の何れか又は全部にL型鋼材のボルト孔V3に螺着して、縦枠体連結具52j1のボルト孔V3、V4を連結する為の係止材43j11,43j12は残してある。尚該係止ふかしの係止材は枠体に設ける事も可能である。
尚係止凹凸材45j10の控除材に示すように全長で無く必要な部分であっても良い。
【0057】
図15(b)、(c)に於いて、図15(a)のA6−A6の位置での上下残存型枠の連結は上段の係止凹凸材45j2と下段の残存型枠の係止材43j、43j12、43j11に連結具52j2,52j1を前記要領にて連結する。
詳しくは、下段の係止材43j12、43j11に該連結具52j1の長孔V4を介してボルトV1V1にて締結して、上段の残存型枠B2を戴置して該連結具52j2を係止凹凸材45j2の上方より差込み可能長さDLj2より差込み、フック5231j2が該凹凸材の先端に嵌着されて、他端の連結板521j2と521j1の長孔V4にボルトV1を挿入してナットV2にて螺着する事は前記より想定出来る。
【0058】
尚該連結具52j2の上端に張出板581j2を設け、単独の連結板523j2,5231j2、582j2を設けてボルトV1、V2にて締結出来ると連結板521J1,521J2の無い52j1と52j2の一体の連結具を提供可能である。又この工法を使用するときであっても係止凹、凸部41,42と連結具51、52と併用する事も可能である。
又更にこの連結工法を使用する場合、DLj2を短くしたり、更に連結具51,52等を連結する係止凸部41、係止凹部42を省略したりする事も可能である。
【0059】
図16は図15(b)の応用例で、前図と異なる点を説明すると、係止凹凸材45kは前記図と逆になっているがこの場合であっても本発明の係止凹凸連結具58kを使用すると解決する。該連結具は図13(a)と類似しており、フック581kと折曲部582kとボルト孔V3,V4を有している。他方縦枠体連結具52kの連結板522kは反対方向に折れ曲がり、先の連結具58kとボルトV1、ナットV2にて螺着している。
更に該連結具の連結板521kの下端のボルト孔V3等と係止材43kをボルトV1にて螺着している。
【0060】
図16(b)に於いて、先の係止凹凸材の位置の上段にL型の係止凹凸材45l1と下方にアリ溝を有する係止凹凸材45l2が直接左縦枠体23lと右縦枠体24lに図11の様に固着されている。この場合は中間縦枠体が無い。該凹凸材45l2の適宜の位置にアリ溝嵌着具481lを挿通する為のアリ溝挿通孔451lが設けてある。
図16(c)は図16(b)を組積して連結した連結部位の断面図で、この場合も係止凹凸材41,42の無い上下横枠体21l、22lの残存型枠を使用しているが前記同様に該凹凸材があっても良い。
下段の係止凹凸材45l1に係止凹凸連結具58l1のフック581l1が嵌着され他端は該連結具52lの連結板522lのボルト孔V4等のボルト、ナットV1、V2にて螺着されている。
上段の係止凹凸材45l2のアリ溝451lに嵌着可能なアリ頭581l2を嵌入孔451l2より挿入するか又は公知のアリ頭を使用して該連結具58l2のボルト孔V4等と先の連結具52lの連結板523lのボルト孔V4等とボルト、ナツとV1,V2にて螺着する。尚該凹凸連結具58l1の一辺よりL型の板体582l1を設けてボルトV11にて該凹凸材の先端に嵌着押圧される連結具(図後述)を必要に応じて設けることも可能である。
【実施例4】
【0061】
本発明の残存型枠の要素は直線に於いては勿論のこと、曲線、折線によって生じる出隅、入隅にも対応でき、該型枠の背面に胴込コンクリートを打設した場合でもコンクリートが該型枠の表面に漏れ出さないことが重要な要素である。前記した凹,凸段部又は曲折線対応端裏縦目地37で充分安全であるが、現場の状況によって対応できない場合は図17に示す各段部にて対応可能である。
図17(a)は本発明の別の凹凸段部と曲折対応端裏縦目地の上面断面図で,同図(b)は別の凹凸段部と曲折対応端裏縦目地の上面断面図で、同図(c)は別の凹凸段部と曲折対応端裏縦目地の上面断面図で、同図(d)は別の上下横枠体の当接状況を示す横断面図。
【0062】
図17(a)が前記と異なる点は図8,図9が左右いずれかの縦枠体の上端部より張り出した適宜の形状の凸段部31c又は31eの一段部だけであったが、本発明の段部は複数の凸段部を有している事である。即ち右縦枠体24mの上端付近より突出又は張り出した凸段部31m2の上面に凹段部32mを形成し、この上表面321mに前記同様の凸段部31m1を戴置して322mで当接して縦方向端日地34mをなし、曲折対応端裏縦目地37mと余裕幅371mを形成している。この状態は直線の場合で、出隅,入隅の場合は凸段部31m2の一部に当接面321m又は322mの一部が接したり、開いたりしているが必ず一点は常に接触しているのでコンクリートが漏れる事がない。そして又係止材43m1,43m1のボルトV1,V2と連結板52等によって余裕幅371mが強固に確保されているのでコンクリート圧によって該余裕幅が変形する事はない。この事は前記図8,図9に於いても同様である。図17(a)の特徴は張出長L3が少なく,余裕幅371mを大きく取れる。
尚左右縦枠体の所定の位置と数だけ係止材43m1、43m1を設けている。更に必要に応じて該枠体の腹部に挿通孔43m2,43m2を設置して該左右縦枠体相互をボルトナット等で連結して余裕幅371mを確保したり,又控材6のアンカー孔等として使用出来ることは前記同様である。尚前記した様に当接面322mの途中で折まがることもある。
【0063】
図17(b)は左右縦枠体23n、24nに係止凹凸部42nと41nを設け、更に左縦枠体23nの上端付近に縦枠体凹部323nを設けて凸段部31n2の先端当接部322nを嵌着しており、更に当接面321nが傾斜している。この工法はコンクリートの漏れを完全に防ぐだけでなく張出長L3を長く取れるので大きな出隅,入隅にも対応できる。この図では係止凹凸部42n、41nを有しているので連結具51を使用して前記同様に余裕幅371nを確保しているが、前図同様に係止材43m1、43m2のボルト孔を設けて係止材43、ボルトV1,ナットV2等の使用による余裕幅371n確保することも可能である。尚当接面321nは前記同様に直線、傾斜、折れ曲がり、曲線、湾曲及びこれらを使用した複合材であっても良い。
【0064】
図17(c)は前図とは図的にはかなり異なっているが技術的思想は変わる事が無い。右縦枠体24oの係止凹部42oは傾斜して,凸段部31o2、31o1の当接面32o1は湾曲しており、該枠体24oの下端には矩形上の張出突起411o1が連続して又は一部張り出して隣接する左縦枠体23oの係止突起411o2と係止突起先端412oにて当接している。これは直線、入隅の場合はこのままで良く,これに依って余裕幅371oが安定して確保されている。出隅の時にはこの突起が邪魔になるので係止突起はつり線412oよりはつり取ると余裕幅371oは開いたり,閉じたりして出隅の大きさに対応できる。
横方向の連結は連結具51を係止凹部42o、42oに当接して前記同様にて締結する。又この場合であっても係止材43m,ボルトV1等を前記同様に使用できる事は云までもない。
【0065】
図17(d)は上下横枠体の形状の多様性を開示したもので、上横枠体21pの係止凹部42は凹凸を有する係止部又はストッパー511pに替わり、係止凸部41は傾斜面の係止凸部411pに代用されている。又上下横枠体の当接面はコンクリート圧に抗する様に凹凸を有するストッパー5111を設けることも可能で、下横枠体22pの係止凹部42pは左右の傾斜421pを有する事もある。更に図6(b)等で説明した端横目時34a、横端目地接続面35aに限定するもので無く、図17(d)の34p1,34p2の同形の目地であってもよい。この場合も枠体連結具51又は縦枠連結具52を使用できる。
【実施例5】
【0066】
本発明の残存型枠は前記した型枠形状に限定するもので無く、地形、地質、環境等の現場の状況によって残存型枠の大きさ、形状及び構造等異なって来る。本発明の残存型枠は如何なる状況にも対応できる基本的な技術的思想を具備しているので、現場の状況に応じて型枠形状を変化させて対処できる。その一例を図18に開示する。
図18(a)は別の残存型枠の背面斜視図で、同図(b)は別の残存型枠の背面図を示し、同図(c)は別の残存型枠の正面図で、同図(d)は別の残存型枠の上面図を示し、同図(e)は別の残存型枠の上面図で、同図(f)は別の残存型枠の斜視図を示す。
【0067】
図18(a)に於いて、残存型枠Bqの様に形状が大きくなると、前記した様な中間縦枠体を使用しないで上下横枠体21,22と左右縦枠体23,24と側面板1のみの残存型枠であったり、これに中間縦枠体を1又は2以上設けたり、或いは前記中間縦枠体をやめ中間横枠体26を1又は2以上のみ設けるだけではコンクリート圧に抗する事が出来ない。この場合は上下横枠体21q、22q、左右縦枠体23q,24q、中間縦枠体25q1,25q2等を1又は2以上と段部31q、32qに中間横枠体26q1〜26q3を1又は2以上を1段又は2段以上適宜選定した残存型枠Bqにするとかなりのコンクリート圧に抗する事ができる。
【0068】
図18(b)に於いて、上下横枠体21r、22rと左右縦枠体23r、24rとの中間に、中間横枠体26r1、26r2と菱型の中間傾斜枠体27r1〜27r4が各枠体に当接している。更に左縦枠体23rの上方半分に前記同様の凸段部31r1と、その下半分に凹段部32r2を設置しており、これに対応当接する凹、凸段部が右縦枠体24rの上下半分づつに凹段部32r1と凸段部31r2を設けている。この様に本発明の残存型枠Brは現場の状況により木目細かいデザインをも提供できる。
【0069】
図18(c)に於いて、前記残存型枠は矩形であったが本発明はこれに限定するもので無く十字型の残存型枠Bsも可能である。即ち矩形状の該型枠1s1を中央に配し、その中央付近上下に小型の該型枠1s2、1s3を固設して十字型を形成している。
更に該型枠の大きさと目的等、必要に応じて中間縦枠体25s1、25s2及び/又は中間横枠体26s1、26s2を前記同様に適宜選定して採用する事も可能である。
又上下横枠体21s1〜21s3、22s1〜22s3並びにこれに付帯した前記同様の係止部、凹凸段部31s1,32s1等適宜選定して採用できる事は云うまでもない。
【0070】
図18(d)に於いて、本発明の出隅、入隅に対処する為には、前記図18(a)、(b)、(c)等の平板状の残存型枠だけでは対処出来ないので、上面より見て適宜の位置で折曲がったL型1t1,1t2を有する立体的な残存型枠Btが必要である。該折曲がりは円形又は適宜の角度であっても良い。更に凹凸段部32t1,31t1と係止部と更に中間縦、横枠体を必要に応じて設置できることは前記同様である。
【0071】
図18(e)に於いて、前述の図18(d)が折曲がりの残存型枠であったが、本発明はこの他に曲線の残存型枠Buも可能である。
図18(f)は矩形状の上下横枠体21v、22vと左右縦枠体23v、24vから成る枠体フレームに該枠体と同質又は異質の前記建築材料より選定された硬化性材料(コンクリート等)又は既製品(コンクリ−ト2次製品又は木材等)を一体的に又は別体で、流動化材を流し込んで硬化させたり、或いは2次製品をボルト、接着材等の接合手段で固定状に、又は半固定状等に取り付つける事も可能である。例えば枠体フレームは既製の樹脂を加工して作り、側面板1vは丸太木材で該フレームと木材は接着材で仕上げた残存型枠Bvも提供できる。
この様に本発明の残存型枠は現場の状況に依って色々な形状と模様を提供出来る。
本発明の技術的思想は図に説明した技術のみに限定するもので無く図1〜図18までに開示した各技術が種種選定されて採用されることは勿論のことである。
例えば図18(e)、(f)に於いて中間の縦、横枠体等を設けたり、同図(a)〜(d)及び図1〜図17までを適宜選定して採用したりできる。
【実施例6】
【0072】
本発明の名称である残存型枠とその連結方法及び製造方法の内、その連結方法は隣接する残存型枠の上下、左右枠体同士を連結しながら組積又は施工するので連結方法の範疇に入ると考えた。従って図19〜図36までを組積による連結方法として説明する。
【0073】
図19は本発明の残存型枠を組積してコンクリートもたれ擁壁工事による施工完成断面図の1例である。
前記した各種残存型枠と連結具を現場の状況の合わせて適宜採用して、これから説明する各種組積工法即ち連結方法を選定して図19の様に工事を完了させることが出来る。
前記図にて説明した様に下段地表面Z1を掘削した掘削面Z2に基礎Fを設置して、1段目又は2段目以上の残存型枠の段数を適宜選定して、連結具5で連結して控材6と裏込材Dと胴込コンクリートCとの工事の順序を適宜選定して組積完了後、天端コンクリートC1打設して完了する。
【実施例7】
【0074】
本発明の残存型枠の組積は既に開示された組積方法にて施工は可能である。
現在開示されている残存型枠の用途はダム及び砂防堰堤の化粧型枠として開発されたもので比較的胴込コンクリートの厚みある構造物に適している。
本発明の残存型枠は上記ダム、砂防堰堤に使用する事も可能であるが、現在ある間知石積、もたれ擁壁、及び直擁壁等に使用することも目指している。
現在開示され組積方法即ち連結方法に近い工法を図20に示す。図20は本発明の連結方法による残存型枠の説明組積断面図。
図20に於いて、前記同様に基礎Fの施工事に固定状に埋設されたアンカーVA1と適宜の長さの連結具受圧控材61A0が立設している。
【0075】
連結具52AAを介して基礎Fと残存型枠の係止材43A0をボルトVA1、V1とナットVA2、V2に依って締結することは前記同様である。引き續1段の上部と2段目の下部は連結具52A0,51A0を介してボルト、ナットV1、V2に依って締結される。
この要領で2,3段目と3,4段目の残存型枠は連結具51と52を適宜組み合わせて使用することも前記同様である。
残存型枠を2段目、3段目以上組積するとこの該型枠のみでは自立できないので、該連結具5と連結受圧控材61とを連結控材62にて連結してトラス骨組構造にしてコンクリリート及び裏込砕石荷重に抗する様にする。
【0076】
連絡控材62A0の一方端を連結具5A0に、他方端を連結具受圧控材61にボルト、ナット及び溶接等の接着手段にて連結する。必要に応じて、左斜連絡控材622A0と右斜連絡控材623A0を1段目、2段目、3段目ごとと種種選定して採用する。
控え幅LAの大きいダム等に左右斜連絡控材を設けると先の荷重に対する抵抗力は増すが、控え幅LAが少ないもたれ擁壁等に使用するとその効果は少ない。従って1〜2段目程度の残存型枠を組積した状態でコンクリートC又は裏込砕石D1何れかを先に打設するようになると作業性能がおちるし、控え幅LAの少ない場所で斜め、水平の連絡控材62Aを架設すると作業性能が悪く事故等の原因になる。組積完了後天端コンクリートを打設して完了する。
【実施例8】
【0077】
図21〜図24は図20を改良したものである。
図21〜図22は本発明の連結方法を説明する組積断面図で、図23〜図24は別の土留受圧控材の各種斜視図を示す。
図21(a)は別の土留受圧控材を1段組積した説明組積断面図で、同図(b)は同図(a)に残存型枠を設置する状態の説明断面図で図22(a)は図21(b)に段数を増した説明断面図で、同図(b)は全段組積した状態の説明断面図。
図21(a)に於いて、前記同様な方法にて基礎底版F1にアンカーVA1、VA2を介して立設した基礎連結具52AAと不透水材D2を適宜の位置と形状を成して形成しており、該不透水材の上面に、前記建築材料から適宜選定されてなる変形L型の土留受圧控材611A1が戴置されている。
【0078】
該材611A1の折れ角度KAKU61は90度又は90度以下或いは90度以上でも良く、擁壁の勾配、或いは胴込コンクリートCの背面勾配又は掘削面Z2勾配等に依って決定され、縦壁高さ611L1は残存型枠の高さと現場の状況により適宜決定され、例えば上段の611A2の高さと同じでも擁壁と残存型枠高さとの調整高さでも良い。底版幅611L2は該材の裏込砕石圧力による安定幅であり該材の組積段数にても決定される。
施工方法は胴込コンクリートの背面勾配KAKU61と縦壁高さ611L1と水平を成す底版幅611L2を有する受圧控材611A1を不透水層の上面に戴置して、該材611A1の安定を増す為に必要に応じて公知の控アンカー材631A1を必要な数だけ打ち込み、縦壁611L1の所定の位置に連絡控材62Aの他端を取付ける為のアイボルト等の控アンカー材632A1が所定の数だけ設置されている。
その後、裏込砕石D1を該縦壁大端まで詰めて該控材611A2を戴置するために該砕石上面を均す。
【0079】
図21(b)に於いて、前図(a)の該控材611A1の上に該控材611A2と裏込砕石D1を前記要領にて設置する。その後先に設置した基礎のアンカーの縦枠体連結具52AAを前記要領にて残存型枠B1Aを設置後、該型枠の上部に設置された縦枠体連結具52A1のアイボルト等V1に連絡控材621A1の一方端を接合手段にて取り付け、他方端は先の縦壁に適宜の方法で連結した控アンカー材632A1に接合手段にて設置する。
【0080】
図22(a)に於いて、図21(b)の該控材611A2の上に前記要領にて該材611A3と裏込砕石D1を設置した後、該型枠B1Aの縦枠体連結具52A1に枠体連結具51A2を前記要領にて締結した後、該型枠の上部に該連結具52A2を設置して2段目のアイボルト等V1と該控材632A2に連絡控材621A2を接合手段にて設置する。
胴込コンクリートCは残存型枠と連結具受圧控材と連結控材との設置が終わる1段目、2段目或いは3段目等に擁壁と該型枠の大きさに応じて適宜の段数ごとにコンクリート投入される。
【0081】
図22(b)に於いて、最後の該控材611A4と残りの残存型枠B3A、とB4Aとを連絡控材に依って設置後、胴込コンクリートCが投入され、天端コンクリートに依って仕上げる事は前記同様である。この場合に於いても縦枠体連結具52Aのみでなく前記同様に枠体連結具51A4等適宜選定して使用される。
尚前記した様に該連結具51A,52A等は同位置の上段に来るとは限らないので、この様な場合は水平連絡控材621A水平斜めに、或いは左右斜連絡控材622A、623Aを左右縦方向斜めに、対向する控アンカー材63Aに限定せず、これと1段目〜N段目から適宜選定して最も近い又は取付け安い控アンカー材63Aに連結する事も可能である。
【0082】
図23〜図24は図21〜図22に使用した土留受圧控材611の各種タイプの形状と控アンカー材の取付方法を説明した説明斜視図である。
図23(a)は本発明の土留受圧控材の斜視図で、図23(b)は別の土留受圧控材の斜視図で、図23(c)は別の土留受圧控材の背面斜視図で、図23(d)は別の土留受圧控材の背面斜視図を示す。
図23(a)に於いて、前記したL型の土留擁壁タイプの土留受圧控材611A、611で前記建築材料より選定され、縦壁6111Aと底版6112Aには適宜の形状の排水孔610を1又は2以上設け、該縦壁の縦壁高611L1と底版の底版幅611L2と壁長611L3は施工性と安定性を考慮した所定の寸法に設け、又必要に応じて係止突起61041Aとバットレス6113A及び/又は引張材6115Aを1〜2以上有している。
更に該縦壁と底版の角度KAKU61は前記した様に擁壁、胴込コンクリート等の勾配と裏込砕石の安定性を考慮して90度でも、90度以下でも、或いは90度以上でもよい。
【0083】
図23(b)に於いて、同図(a)と異なる点は裏込砕石D1と該控材611Bとの滑動防止と一体性とを確保するために上下裏縦壁61131B、61132Bの何れか又は双方とを適宜の高さに設けた該裏縦壁と縦壁6111Bと底版6112Bとのコ型からなる土留受圧控材611Bで、更に必要に応じて逆L型の係止段部61042Bを設けた点である。 更に該控材611Bを数段組積した場合安定と安全性の為に右斜連結控材623Bを1段又は2段以上に1又は2以上設ける事もある。
【0084】
図23(c)は同図(a)の変形応用図で該控材611Cを軽量化する為に縦壁6111Cと底版6112Cの何れか又は双方に大きな孔610を設け裏込砕石が漏れる時は網等6110Cを設けた土留受圧控材611Cとする事もある。又縦壁の頂部付近に設けた切込み61043Cに引張材6116Cを先端フック61162Cと底版フック61161Cにして係止すると安全性の高い該控材を提供でき、更に係止突起を係止段部61042Cとしている。
図23(d)は同図(b)の変形応用図で、中高の裏縦壁61131D、裏側壁61141Dと縦壁6111Dとで変形箱型をなし、該縦壁と底版6112Dには適宜の形状の水抜孔610を設けたり、KAKU61に依っては底版6115Dを設け無かったり、バットレス6116Dとか、縦壁と同高の裏縦壁61132D、裏側壁61142Dを必要に応じて設けている土留受圧控材611Dを提供出来る。
上記の様に本発明の土留受圧控材は色々の形状があるがその他に上面T型、π型等の適宜の形状の土留受圧控材を現場状況に合わせて採用可能である。
図24(a)は図23(a)、(b)の該控材の壁長611L3を短くした該控材6111Eと6112Eから成る該控材6110Eを2個設け、該控材の所定の間隔を保つ為に上下の連結材6117Eを留金具632Eにて該控材に接合手段にて連結して、裏込砕石D1が漏れない網目の金網6118E等を適宜の長さにしてL型、コ型にして控材6110Eと連結材6117Eに巻き付け接合手段にて取り付けた土留受圧控材611Eを提供出来る。
図24(b)は同図(a)と材料構成は同じで、即ち丸型、矩形,L型等の型材からなるL型又はコ型等何れかの該控材6111Fに連結材6117Fとの交点を接合手段にて取り付け、先の金網等6118Fをこれに取り付け接合手段にて取り付ける土留受圧控材611Fをも提供出来る。尚同図(a)、(b)の壁の寸法611L1、611L2、611L3は前記同様である。尚該控材6110Fと連結材6117Fは1又は2以上で、その位置は適宜の位置でよく、例えば両端に設置してもよい。
【0085】
図24(c)は別の土留受圧控材の斜視図で、図24(d)は別の土留受圧控材の斜視図を示す。
同図(c)に於いて、残存型枠に作用する大きな胴込コンクリート圧に抵抗する為には裏込砕石D1の全体重量で抵抗した方が効果的である。
この為には掘削面Z2の法面に沿って前記建築材料より選定された強度のある材料と、さらに必要に応じて設けた排水孔610又は挿通孔のある該受圧控材6151Gを設置し、
該排水孔610等に先の控アンカー材632を取り付けた後、該受圧控材の前面に裏込砕石D1を金網等で包んだ前記同様の形状(611L1〜611L3)の公知の蛇籠にした該受圧控材6111Gを1又は2以上組積する。必要に応じて安定と連絡控材62と連結する為に適宜の形状の控アンカー材631を打設等する。
この様にすると残存型枠に作用する胴込コンクリート圧は連絡控材62から控アンカー材632に伝達されて先の該受圧控材6151Gと6111Gの全体により抵抗する。
【0086】
図24(d)は別の土留受圧控材の斜視図を示す。
図に於いて、同図(c)と異なる点は該受圧控材6151Gが板体に対し、該控材6153Hが型材で必要に応じて控アンカー材6321を取付ける為の取付孔6152Hを設けたり又はフックにして取付ける。これらの控アンカー材6321が必要な数だけ設置され、その周辺に設計厚の裏込砕石D1が設置されるが、これを高く積むと崩れるので、この押さえとして先の蛇籠に替わる板状の土留受圧控材6151Hを必要勾配に設置してこれを押さえる為に、1又は2以上の左、右斜連絡控材623又は622の何れか又は双方を使用すると安定した該受圧控材611Hを提供出来る。尚該受圧控材6151G、6153Hは板体又は型材に限定するもので無く強度のある布状の該受圧控材61であってもよい例えば図24(c)の該控材6151Gを織布にするか、又はこれを折り曲げて1又は2以上の該控材6111Gの下に敷き、これに適宜の形状の控アンカー材63を設け利用する事も可能である。
【0087】
図25は図20〜図24に使用した連結具と土留受圧控材に取り付けられた控アンカー材とを連絡控材に連結する連結部位の取付説明詳細図の1例で、図25(a)は連絡控材の取付側面断面詳細図で、図25(b)は別の連絡控材の取付上面断面図を示し、図25(c)は別の控アンカー材の留金具の斜視図を示す。
図25(a)に於いて、前記同様に当接された上下横枠体21、22に枠体連結具51、51が設置され、該連結具の連結板511、511のボルト孔V3又はV4にボルトV1を挿通して連絡控材62、621の一方の取付け板の羽子板6223の挿通孔V3、V4のいずれかに挿通してナットV2にて締結する。
【0088】
該連絡控材の連絡体6211は丸又はL型等の型材をなし、必要に応じて中央付近に公知のタンバックル6222を設けて長さの調整をしている。該連絡体の他方端フック型6224をなし、控アンカー材632のアイボルト6321のメガネ中空部に挿通されている。
アイボルト6321は前記の該受圧控材の縦壁6111A〜H等の排水孔又は挿通孔610に総通してワッシャ6323、ナット6322で締結する。
図25(b)が前記同図(a)と異なる点はタンバックル6222による長さの調整をしないで連絡体の他端6224を長くしてナット6322,6322で調整している点である。尚本例では水平連絡控材621を開示したが、この工法は左右斜連絡控材にも使用可能で、この様な場合は挿通孔610少し大きくして変形ワッシャを使用したり、羽子板6223の付け根の連絡体6211を傾斜に合わせて曲げたり、或いは公知のピン接合具をしたりして解決する事も可能である。
図25(c)は図24(a)に使用した留金具632Eの詳細斜視図で該金具は控アンカーを兼ねることもある。受台6322Eは上方に連結体6117Eを受け入れる開口を有し、その中央付近にあるネジ付ボルト6321Eを挿通孔610に挿通してナットV2で螺着する。その反対側にアイボルト632を取付けると前記控アンカー材63の役割をなし、該アンカー材63はアイボルト63221のメガネ中空部に連絡控材6211等を挿通してもよい
【実施例9】
【0089】
現場の状況により残存型枠の段数を増し施工速度を早やめるために裏込砕石を高く、安全に積む必要がある。この組積方法を図26,図27に開示する。
図26(a)は本発明のフレ−ム型受圧控材の控柱と控横梁とその取付部材の取付説明斜視図で、同図(b)は図26(a)のA7−A7断面図で、同図(c)は図26(a)のA8−A8側面図を示す。
図に於いて、本発明のフレ−ム型受圧控材612、61221は前記建築材料より選定された凸型の控柱6121で適宜の高さの位置に控横梁6122を嵌着する為の控嵌着溝6123が1又は2以上設けてあり、必要に応じて適宜の形状の補強ふかし6124を設け、更に控押具6126の控ボルト6127を挿通する為の控柱挿通孔6125が貫通して設置されている。
【0090】
取付手順は継ぎ目のある左右の控横梁は端同士を当接して該溝6123の中央に設置又は1本の場合はそのまま設置して控押具6126を控嵌着溝6123に嵌着して、上下の控挿通孔6125、6125に控ボルト6127、6127を挿入してナットV2,V2にて止めると該控横梁と控柱は強固に固定される。
控押具6126の側面には嵌着度を増す為に必要に応じて控押圧爪61261が当接面に設けてある。更に控柱同士をつなぐ場合は、立設した該控柱の当接面6128Jに当接すべく該控柱を戴置して該柱縦半分の辺に沿ったコ字型の控柱継材6128を2枚合わせて、その控継材当接面61281同士を当接してボルトV1,V1を該孔V3に挿通してナットV2で締結する。前記同様に押圧力を強くするために控押圧爪61282を必要に応じて設けている。
【0091】
図27は前記図26の控柱を使用してフレ−ム型受圧控材工法とした施工説明図で、図27(a)は本発明の後面フレ−ム型受圧控材工法の部位の組積斜視断面図で、図27(b)は同図(a)のA9−A9断面図を示す。
図に於いて、組積手順を説明すると前記同様に基礎底版F1の所定の位置に立設したアンカーボルトVA1に基礎の縦枠体連結具52Aを設置してナットVA2にて螺着し、該連結具に該控柱を当接して先の控柱挿通孔6125にボルトV1、6127を挿通してナットV2にて螺着して該控柱を立設する。次に該控柱の背面に板状の該フレ−ム型受圧控材である控板体615を設置して該板体と該柱は必要に応じて接合手段にて接合する。
【0092】
これと前後して控嵌着溝に控横梁61221Aと控押具6126Aにて嵌着する。そして控押具に必要により1又は2以上の控アンカー材632を設置する。
その後前記同様に残存型枠B1Aに基礎の連結具51A、52Aを選択して締結して、2段目の残存型枠を連結具により連結して適宜連絡控材62の621〜623を選定して先の要領で残存型枠と裏込砕石とフレーム型受圧控材の控柱6121Aと控板体615と連絡控材62Aと胴込コンクリートCの順序を現場の状況に応じて選択して組積進め組積を完了する。この様に控柱と控横梁によりフレーム骨組構造になるのでコンクリート圧と裏込砕石との外力に対しても強力に抵抗できる。
【0093】
本発明の控柱と控横梁のフレーム構造の使用は裏込砕石側の後面フレ−ム型受圧控材に限定するもので無く残存型枠側にも使用できる。この1例を図28のB符号に示す。
図28は本発明のフレーム型受圧控材工法の前面フレーム型受圧控材工法の骨組構造斜視図である。
前記した工法と同様に控柱6121Bと控横梁6122Bによるフレーム構造体を前面に設置して、残存型枠B1B,B2B、・・と該横枠体とを適宜の連結具の方法で連結して立設して、先の要領にて控板体6151と裏込砕石D1を設置して控板体押材の柱押材6152B及び/又は板押材6152と連絡控材62とを種種選定して組積する。
【0094】
先に連結控材工法の後面フレーム構造と前面フレーム構造を説明したが本発明はこれらに限定するもので無く両面の前後フレーム型受圧控材工法も可能である。(図28のC符号)。この場合は図27の控柱6121Aと控横梁6122Aによるフレーム構造と図28の控柱6121Bと控横梁6122Bによるフレーム構造を連絡控材62で連結した工法である。即ち図28の柱押材6152Bを控柱6121Cに置き換え、更に控横梁材6122Cを前記要領で取付け同様の連絡控材を図の様に取付けているフレーム構造である
【0095】
先の図27,28で使用した控横梁6122A,6122B,6122Cと連絡控材62との形状は公知の鋼材等を使用しても良く、該鋼材の接合は公知の金具又は結束番線或いは溶接等の接合手段で可能であるが、本例に於いてはこれよりも作業効率と安全性に優れた型取付具2型722を図29に開示する。
該取付具722を使用すると残存型枠の連結具51,52等と連絡控材62とフレ−ム型受圧控材の控横梁とが仁意の点で連結可能であるので便利で経済的で更に安全である。
図29(a)は上下横枠体と枠体連結具と連絡控材と控横梁と型取付具の各部材との連結状態を説明する断面図で、図29(b)は図29(a)の上面図を示し、図29(c)は同図(a)の各部材と縦枠体連結具との連結状態説明断面図で、図29(d)は本発明の型取付具2型の斜視図を示す。
【0096】
上下横枠体と連結具51Dと連絡控材62Dの使用説明は先の図25にて説明したので省略し異なる点のみ図29(a)〜(d)を纏めて説明する。
先のL型の控横梁6122Dの一辺の先端61221Dに該型取付具722の鉤状の係止フック7223が嵌着され、他方の辺61222Dに該取付具の支板7222が当接して挿通孔7224に連絡控材62Dの他端が挿通されナットV2にて螺着している。
この様な該取付具722を使用するとナットV2の偏螺着圧に対し安定して連絡控材の力を該取付具に伝達出来る。
【0097】
本発明は図26〜図29にて説明したフレーム型受圧控材に限定するもので無く、以下に開示する適宜の形状と前記建築材料より選定された型材をL型フレームに加工して型取付具にて相互を連結する工法も本発明は含まれる。この工法の1例を図30〜図33に示す。30は本発明のL型フレーム受圧控材の工法の説明図で、図30(a)は前後L型フレーム受圧控材の説明斜視図で、図30(b)は本発明の型取付具の詳細斜視図で、図30(c)は同図(b)のA10−A10断面図を示す。
【0098】
図30において、本発明の1例の縦構造材61311と、横構造材61312は断面丸型で所定の位置でL型に折れ曲がり前L型フレーム6131をなし、更に縦構造材613110と横構造材613120は同寸法又は異なる寸法の後L型フレーム61310をなしてその中央付近の当接位置でタンバックル620にて幅の調整をしているが溶接等の接合手段にて接合してもよく、更に前後一体の門型の前後L型フレームであってもよい。
次に各部材等の構造と使用説明する。
初めに、前記同様基礎底版F1の適宜の位置に1又は2以上設計に従い埋設され立設したアンカーボルトVA1の頭部に基礎型取付具71の挿通孔を挿通してナットVA2にて螺着する。
【0099】
他方、型取付具1型721は前記建築材料より選定された適宜の断面形状から選定したL型の横梁6130に嵌着可能で所定の強度を有する形状をしており、該具721は横梁6130の先端に嵌着可能なフック72111を有する二股の横板7211と反対方向に張出板7214が背壁7212の上下端部より張り出し、更に所定の位置に縦構造材61311を嵌入可能な挿通孔7215上下2枚の張出板7214に設けて有る。更に背板7212の上下端部より該横板と底版7213とが折れ曲がってコ字型をなし該底版の所定の位置にボルト7216のボルト孔を有している。
【0100】
次に連結方法は前記縦構造材61311の他端を型取付具1型の挿通孔7215,7215に挿通して所定の位置で前記接合手段にて止める。該他端を先の基礎型取付具の嵌着筒710に嵌入して適宜の方法で固着して前L型フレームが出来る。この要領で後L型フレームを作る。これと前後してタンバックル620を取付けて複数の前後L型フレームを形成する。L形状の該横梁6130の先端に型取付具1型のフック72111を嵌着し、そして他辺の底版7213を該横梁の他端に嵌着してボルト7216にて螺着するとL型の先端に食い込みながら接触して螺着されるのでフック72111との作用で該取付具721と横梁6130は強固に接合される。また縦構造材6311と該取付具の張出板7214を省略して直接背壁7212に溶接等の接合手段を行なってもよい。同様の方法で2段目、3段目と型取付具2型と連絡控材6211、6212を行ない組積する。又必要な段ごとに控板体615を取付ける。
【00101】
次に本発明の残存型枠を組積する連結方法を説明する。
図31は前図30を使用して残存型枠を連結する連結断面図である。
前記説明した様に基礎Fに連結具51A1と基礎型取付具71,71を設置後に型取付具1型が取付いた前と後のL型フレーム61311A1,61312A1を立設して、その当接個所に添接材付溶接61311Jを行なって門型のフレームを形成する。その後横梁6130A1、6130A1を取付けて先の該1型721A1、721A1と接合手段にて締結する。次に2段目の該L型フレームの取付けは残存型枠の安定位置に先の横梁6130A1の適宜の位置に721A2を複数箇所設置して、前と後のL型フレーム61311A2,61312A2を前記要領で立設する。この要領で3段目以降組積する。
これと前後して残存型枠B1、B2を設置して連結具51、52等と連絡控材62を適宜選定して組積する。これと併せて控板体615等をも選定して裏込材D1,D2の施工を行なう。
【00102】
図32、図33は図30、図31の応用で、前又は後L型フレームの説明図で、図32は後L型フレームの断面斜視図で、先の図30と技術的には同じで、只異なる点はL型フレーム6131を後方に使用して控板体615を直接又は連絡控材6214を介して連結したり、或いは図24の型控板体6151G、6153と連結している。更にこれらの連絡控材62とを取付けるコ型の型取付具3型723を新たに利用すると便利である。
横枠体21,22とを連結している連結具51,52等に直接又は羽子板6223を介した連絡控材6212と先の6214をナットV2又は他の接合手段にて連結したり、該3型の挿通孔7230にL型又は直状体の構造材6132を挿通してフレーム構造を成している。
該L型構造材又は直状体の構造材6132は残存型枠の1枚の連結に限定するものでなく1.5枚或いは2枚等適宜の段数に股がった形状も可能で、この場合は外力に抗する為に該構造材の断面を丸型からL型等に変更することもある。
更に構造材6132の下端は基礎型取付具71の替わりに基礎より立設したアンカー体712に直接溶接712Jをする事もある。
【0103】
図33(a)は図32応用で、前L型フレーム受圧控材の組積した連結工法の断面図で、図31と技術的には同じで、基礎型取付具71より立設した構造材61311B1と61312B1からなるL型フレ−ム6131B1を残存型枠寄りの前方に置き横構造材61312B1の先端は胴込コンクリートの圧力に抵抗をする図24の控板体6151G、6153と同様の機能を有する小板から成る板体61541と力を伝達する型棒61542の先端のアイナット61543と接合手段により連結している。又裏込砕石D1を支持する控板体6151Bを適宜の段階で設ける。
【0104】
図33(b)は図32の連結工法と同様の断面図で後L型フレーム6131C1、6131C2と組積されその先端61313C1,61313C2等は連結具51又は52に直接又は連絡控材62を介して接合手段にて接合され、控板体6151C設置後又は前記したコンクリートを打設しながら重機等で抜く従来の抜き型枠工法を選定して適宜の段数ごとに胴込コンクリートが打設される事は前記同様である。
【実施例10】
【0105】
図26〜図33に示した控材6はフレ−ムの骨組みを成していたが本発明はこれに限定するもので無く板体による型形状であってもよい。この工法の特徴は残存型枠と控材と裏込砕石による組積構造が安定しており偏外力にも抵抗できる構造をしているので残存型枠の組積段数を増すことができる。該工法の1例を図34、図35に開示する。
図34は板体型受圧控材の板体L型受圧控材と工法の斜視図で、図34(a)は板体L型受圧控材の組立説明斜視図を示し、図34(b)は図34(a)の残存型枠の組積による連結工法斜視図を示す。
図35(a)は本発明の板体箱型受圧控材の組立による連結工法斜視図で、図35(b)は別の組立による連結工法の斜視図で、図35(c)は型取付具の斜視図で、図35(d)は図35(c)のA11−A11断面図を示す。
【00106】
図34(a)に於いて、前記建築材料より選定された材料で製作された適宜の板厚を有するL型のウエイブ6141Aと下フランジ6142Aとの各々に必要に応じて胴込コンクリートが挿通する適宜の形状の挿通孔61411Aと該控材同士を連結する板体の上下端面に連結ピンを挿し込む上下連結孔502を当接面相互に1又は2以上設けるか又は板体側面の上下端部付近に上下該控材を連結する上下側面連結孔503を1又は2以上設けている。下フランジ控材6142Aには控板体615A1を止めるボルトV1又はネジ孔V5が複数箇所所定の場所に設けてある。
他方ウエイブ控材6141Aの他端の所定の位置に上フランジ控係止材6145Aを受け入れる上フランジ嵌入孔6144Aが適宜の形状と該控材の前、後又は上下の何れか又は双方の位置に1又は2以上設けてある。
更に必要に応じて適宜の長さの上フランジ控材61431A、614321A,614322Aの何れか又は双方を設ける事も可能である。
尚必要に応じて下フランジ控材6142Aの反対方向に下フランジ控材61421Aを設ける事も可能である。
【00107】
図34(b)に於いて、前記同様に基礎底版F1の所定の位置に埋設されたアンカーボルトVA1に連結具52を螺着して、他方端は該控材615A1の適宜の位置の下端にボルトV1,V2にて螺着する。
次に上フランジ控嵌入孔6144A1に上フランジ控係止材6145A1を嵌着して、控横梁6140A1を接合手段にて接合する。又必要に応じて中間の継ぎ方は控横梁継材61401を介して接合手段にて接合するとより強度のある接合が出来きる、該控材614Aの間隔を長く開ける事ができる。この要領で該控材614Aが安定するように基礎底版との連結具52を1又は2以上適宜の位置に設置して、該控材614A1を複数個配設して控横梁を設置して、ウェイブ控材の上端の上下端面連結孔5022A1に公知の連結ピン5011A1を設置する。
【0108】
次に2段目の該控材614A2の下端面に設けた上下端面連結孔5021A2(図示なし)に先の連結ピン5011A1に嵌着するか、又は上下側面連結孔5032A1と5031A2に上下連結材5042A1と5041A2を嵌入して線材結束等の接合手段にて接合する。
前記の要領にて控横梁6140A2を該係止材6145A2に線材結束等の接合手段にて接合した後、適宜のカ所に型取付具722を適宜選定して設置後に連結控材と連結具と残存型枠とを設置する。
これと前後して控板体615A1又は615A2を1段又は2段目等ごとにするかを決め、ボルトV1又はネジV5にてネジ挿入孔V51にて締結する。その後裏込砕石を設置する。尚下フランジ控材6142Aと61421Aを延ばして隣接の該下フランジ控材に当接する幅にすると該控板体615Aは不要となる。更に控横梁6140AはL型の向きを逆にしてもよい。
【0109】
本発明の板体型受圧控材の形状は図34にて説明したL型、T型、H型等の形状に限定するもので無く、箱型の板体型受圧控材も含まれる。図35にこの技術を開示する。
図35(a)は本発明の箱型の板体型受圧控材の断面斜視図で、図35(b)は別の箱型の板体型受圧控材の断面斜視図で、図35(c)は本発明の型取付具の斜視図で、図35(d)は図35(c)のA11−A11取付断面図。
図35(a)は図34と技術的思想は変わらないので異なる点のみ説明する。
矩形状の下フランジ控材6142Bの両端より2枚のウエイブ控材6141Bが延伸しており、必要に応じて前記同様に、該挿通孔61411B、61421Bが設けてあり、上下端面連結孔502B、上下側面連結孔503等が設けてある。
上フランジ控材6143BがL型の形状に置き換わり、上フランジ控係止材6145Bであったり、直接控横梁6140Bであったりして現場の状況により選択され前記同様の取付け又はボルトV1、ネジV5等の接合手段が行なわれる。
更に控横梁6140B等にはその適宜の位置に前記同様に型取付具724B、連絡控材62が選定されて連結具51,52等に連結して上下横枠体21,22を連結したり、下フランジ控材61422Bと控板体615Bを単純に置いたり、接合手段にて接合するる事は前記同様である。
【0110】
図35(b)は前の図35(a)の形状変更で異なる点のみ説明する。
前図の上フランジ控材がL型等の型材に対し、本図(b)では板体の上フランジ控材6143B1になっており、ウエイブ控材等と一体に、又は別体であったり、更に別材料であってもよく、幅又は高さ等は適宜の寸法でもよい。
更に必要に応じて連絡控材621B1の6211B1ケ所のボルトV1、ナットV2を強固に止める為に溝61431B1を設ける事も有る。横枠体21,22を連結したり、或いは該控材6142B1,B2の組積、控板体615B1等は前記同様である。
【0111】
図35(c)、(d)に於いて、型取付具5型は図35(a)の形状変更で図30(b)、(c)と技術的思想は同じである。背板7251、横板7252、フック72521、と必要に応じて設ける底版7253と嵌入孔72531、取付孔72511、補強リブ7254、さらに余裕高7255がある。各部材の説明に関しては前記該型取付具の説明より充分判断可能である。
【実施例11】
【0112】
本工法は現場の状況により擁壁勾配がゆるいとか、胴込コンクリートの厚みが薄く連絡控材が設置しにくいとか、又は現場の状況によりこの工法が適していると判断した場合に採用する。
図36は本発明の残存型枠の組積に関する別の連結方法の吊工法の実施図で、図36(a)は別の連結断面図で、図36(b)は同図36(a)の型枠吊材の取付状況上面断面図で、図36(c)は図36(b)とは別の位置での型枠吊材の取付状況上面断面図、図36(d)は図36(c)のA12−A12断面図を示す。
【0113】
図36(a)に於いて、施工順序に従い説明する。基礎底版F1、D2とを前記要領に従い工事した前、後に、吊材柱81と吊材横梁82を残存型枠B1、B2・・の設置可能な間隔に設定して吊材連結金具84にて格子状に又は吊材柱方向或いは吊材横梁の一方向に締結する。このとき必要に応じて表側に強固で抜けない表側吊材控831及び/又は胴込コンクリート側に胴込吊材控32を適宜の間隔で地山Zに設置する。
その後前記要領にて、該型枠B1の基礎連結板連結後に左右横枠体23,24と2段目該型枠B2の下方に連結具51又は52等の何れか又は双方に、直接又は型枠吊材連結材5100に型枠吊材853の端部挿通してナットV2にて締結する。
【0114】
該吊材853は本例では該裏縦目地37の上段に連通して他方端はフック850又は他の取付金具を介して、先の該柱81又は該梁82の何れか又は双方に係着している。この要領でB2,B3と組積して適宜の段数に達したら控板体615、裏込材D1を設置したあと胴込コンクリートCを打設する。
尚必要に応じて連絡控材62、623等を設置したリ、控版体615の頭部付近に控板体吊取手6151を設けて胴込コンクリート打設と同時に吊上げる、所謂抜型枠にすることも可能であることは前記同様である。
【0115】
図36(b)は図36(a)の該型枠B3の上方部位の詳細図で左右縦枠体23、24に前記要領にて縦枠体連結具52が取付けて有り、その縦連結板522の挿通孔に型枠吊材85の他端を挿通してナットV2にて螺着している。該目地37を挿通したフック850の他方端は吊材柱81に吊材連結金具84にて吊材横梁82とに強固に固定されている。
図36(c)(d)は図36(b)と技術的には同じであるが異なる点は隣接する横枠体の係止凸、凹部41,42に連結具51,51を取付け、更に該連結具同士を型枠吊連結材5100にて連結している。L型の該連結材5100の一辺の挿通孔に前記同様に型枠吊材85の他端を挿入してナットV2に螺着して、他方端のフック850を吊材柱又は吊材横梁82に係着している。
尚型枠吊材853の残存型枠の挿通位置は適宜の位置であってもよい。さらに前記要領にて組積された擁壁完成後に吊材柱81、該梁82、控材83、連結金具及84等は撤去され、型枠吊材85は公知の型枠セパレータの様にインサート付にてはずされるか、又は切断等にて撤去される。
【実施例12】
【0116】
以上の様に図1〜図36まで残存型枠の形状とその連結方法についてその技術を開示したが本発明はこれらに限定するもので無く、該残存型枠の製造方法についても以下にその技術を開示する。本発明の残存型枠は連結方法を考慮した係止部が設けているのでより複雑になっており、更に即脱を考慮した製造方法であるの機械装置を伴っている。
以下に幾つかの製造方法を開示する。
図37は以下に説明する製造方法符号の説明模式符号図で、図37(a)は本発明の架台Q1〜Q7と動力装置R1〜R5の配置上面図で、図37(b)は図37(d)のA13−A13の断面図を示し、図37(c)は同図(d)のA12−A12断面図で、図37(d)は以下残存型枠の製造方法を説明するための上面図を示す。
従って図37と図38〜46までの図面の符号が一致している。
【0117】
図38〜図42までは本発明の製造方法の1実施例で図38は本発明の残存型枠を製造するための第1段階の機械装置図で図38(a)は該機械装置の第一段階の断面図で図38(b)は化粧型枠の製品断面図を示す。
図38於いて、本発明の機械装置を全体的に纏め、動力装置の受台としての役割を成す架台Qの柱Q1、梁Q2、上端梁Q3、地梁Q4、地端梁Q5、中間梁Q6、動力受梁Q7によって箱型のフレーム骨組として架構されている。
地梁Q4又は上台R1130上に戴置した台座Pは台座縦板P2とその上端に戴置した台座横板P1に依って形成されている。両端の台座縦板の上方に側板Oの下端付近と連結して側板を回転自在にする側板蝶番O10が取付いている。
更に台座横板の上に本発明の残存型枠の表面を決定する化粧型枠Mが取り替え自在可能に戴置している。該化粧型枠は残存型枠の原板より転写された先の建築材料より選定された化粧型M1が化粧型受台M2の受台板M21と受台リブM22に戴置している。
【0118】
残存型枠の裏面を形成する裏面押型N1、N11、N12が箱状の裏面押取付材N2の底板に固着している。
該取付材の中央付近に裏面押圧軸R5、R5が立説して、枠体押具4と動力受台R3とC型の中間梁Q6の各各2ケ所に挿通している。
更に第一動力R1の上端を固定する動力受梁Q7の両端が中間梁Q6の中央付近に連結され、又第2動力R2の上端が動力受台R3に取付いている。該第1、2、動力は別に説置されている操作盤R0の油圧、空気ジャッキ、電動モター等の動力装置を有しており、配管R01に依って連絡している。
【0119】
図39は第2段階の該製造方法の説明断面図で、図39(a)は側面板のコンクリートを敷き均す状態断面図。
図38に化粧型枠Mを台座Pに戴置して側板Oの型枠を所定の位置に設置して、側面板1のコンクリートCw1を所定の量と厚みに流し込み、型枠の化粧面の凹凸に沿っておおむね敷き均す。
図39(b)は第一動力作動状況断面図を示す。本例では油圧動力について設明する。操作盤R0の操作によりオイルが配管R01に流れ第一動力R1の第一動力軸R10が延び、裏面押取付材N2と裏面側型枠N1を所定の設計側面板厚の位置まで押し下げ、振動等を掛けると該コンクリートは少しおうめに敷き均してあるので枠体の部分に入り少し盛り上がるCw10。その後枠体のコンクリートCw2を所定の厚さに充填する。
【0120】
図40は第3段階の該製造方法の説明断面図で、図40(a)は操作盤R0の操作により第2動力R2が前記同様の作動により第2動力軸R20が延びその先端が枠体押板R41を押すと該押板に連結した凸状の枠体押片R42が枠体位置に嵌入可能に設定されており先の枠体充填材Cw2を押圧し、更に振動を駆けると水セメント比の少ないパサ、パサのコンクリートであっても所定の厚みに締め固め可能である。
第一、第二動力と動力受台R3、枠体押材R4と裏面押軸R5は相互に支障なく関連して作動するので側面板1と枠体2とのコンクリート押圧成形が設計通りに行なわれる。
図40(b)は図40(a)の短辺方向の断面図で、動力装置R(R1,R2等)は図40(a)と同じであるが、只異なる点は中間梁Q6が梁Q2に固設され、動力受梁Q7が該梁Q6に固着して、更に第一動力R1を受けている。
動力受台R3には横揺れと位置決めの為に必要に応じてフレ止めR31とスライド用レールR32が設けてある。更に横枠体の係止凹、凸部を形成する為の係止凹凸形成装置N3が設置されているがこの設明は図42にて設明する。
【0121】
図41は第4段階目の製造方法の説明断面図で、図41(a)は第4段目の脱型状況断面図(最終)で、図40にてコンクリート押圧振動により形成された後脱型時間に達つしたら、操作盤R0の操作により第一、第二の動力を適宜の順序で作動させ裏面側型枠Nを初期の段階に戻し、側板Oを外側に開き脱型して化粧型枠Mに戴置した残存型枠製品のまま化粧型受台M2の下方にホ−クリフトの爪等を入れ持ち上げて養生室にいれる。図41(b)は化粧型枠Mに戴置した残存型枠製品と共に養生室に保管された状態断面図である。
【0122】
図42は図40にて説明した横枠体の係止凹凸部を形成する係止凹凸形成装置N3の設明図で、図42(a)は本発明の係止凹凸形成装置の一部断面斜視図で、図42(b)は図42(a)の充填材の充填状況を示す断面図で、図42(c)は別の充填状況を説明する断面図で、図42(d)は別の係止凹凸形成装置の断面図を示す。
図42(a)に於いて、前記した裏面押取付材底板N22の所定の位置にフレ止N323が固設され、該フレ止323の挿通孔にネジを有する押引材N321が螺着され、その先端は係止凹凸部41,42の形状の凹凸形成具N31に裏面押取付材側板N21の挿通孔412へ挿通されて固着されている。
更に該押引材の他方端は押引可能なタンバックルN322等に螺着して左右対称に対向して凹凸形成具N31等を成して係止凹凸形成装置N3を形成している。
又凹凸形成具N31の出し入れをスム−ズにするために溝N311と嵌着する凸材N331を有した凹凸形成案内具N33を1又は2以上設ける事も可能である。
尚側板N21は適宜補強版N211、N212等を添設することも可能である。
【0123】
図42(b)は凹凸形成具N31が該側板N21の挿通孔412の嵌入して、側面板1のコンクリートが押圧振動されて、枠体充填材Cw2を充填した状態で、該枠体の形状Cw201等に対応した幅R4212等の段部付枠体押板R421が枠体押板R41にボルト等を必要により介して取り付いている。前記同様の押圧により充填材Cw21、Cw22は製品高Cw20まで押圧される。
図42(c)は枠体押板R422が矩形を成しているが本発明の枠体押板R42の形状は枠体の形状に応じて適宜選択される。又充填材の表面は傾斜Cw220であったり、水平であったり適宜枠体形状とコンクリートの水セメント比等により決定する。
【0124】
図42(d)は別の凹凸形成装置N4で同図(a)と異なる点は凹凸形成具N42を連結した板N41の端部のピンN43とこれを支える支柱N44のピンN43を介して押引材N421を先のタンバックル又はクランプ或いは油圧等の動力により凹凸形成具N42を押したり、引いたりする事は前記同様である。
【実施例13】
【0125】
図43は別の製造方法の断面図で、前記図37〜図42は側面板のコンクリート打設と枠体のコンクリート打設と2段階の打設順序であったが本発明の製造方法は側面板と枠体を同時にコンクリート打設する工法も含まれるもので該工法を以下に開示する。
図43(a)は本発明の別の製造方法の説明断面図で、架台、動力、化粧型枠、裏面側型枠、側板及び台座等は前記工法と同じであるが、只異なる点は第二動力の枠体押具R4の使用方法が異なる点である。
図39で化粧型枠M上に側面板のコンクリート量Cw1の敷厚のみであったが、本発明は側面板Cw1+枠体Cw2、即ち残存型枠Cwのコンクリート量を所定の厚みに敷き均した後、第二動力R2の枠体押具R4を枠体設計高さまで押し下げる。
【0126】
その後第一動力R1を所定の位置まで圧力を加えながら押し下げ、前記同様に台座に設置された振動機にて加振すると側面板のコンクリートは枠体コンクリート量Cw2だけ盛り上がり、枠体押具の押板R03で押さえられているのでこれより上に上がる事は無い。尚該押板R03は枠体の設計高さで、これに合わせて側板Oと裏面押取付材N2の天端は押板R03に当接する。又該押板には必要により適宜の形状の水抜孔が設けてある。脱型等は前記要領にて行なわれる。
図43(b)は別の製造方法の説明断面図で図40(b)と同様に短辺側を表している。図43(a)と異なる点は第二動力R2と枠体押具R4を省略した点である。
コンクリート打設天端Cw3は小手均し又は鋤取り等により成形される。
【実施例14】
【0127】
図44は前記と異なる駆動操作による別の駆動操作設明断面図を示す。前記図に於いては油圧により第一、第二動力を駆動させていたが、本発明はこれに限定するもので無く,他の駆動操作も可能でその一例を図44に開示する。
図43同様に架台、化粧型枠、裏面側型枠、側板、台座等は同じであるが只異なる点は動力が油圧によるもので無く、歯車の駆動装置を使用する方法も本発明は可能で、この異なる点についてのみ説明する。
別の位置にある電動装置R07にはモーター等が内臓され、必要に応じて切り替え装置R66から伝動(連動)装置の車R65に伝達されベルト、鎖等の伝達手段R64にて車R63に伝達され、軸R62と軸受R621,R621により傘歯車R61、第一動力R10によってネジ付軸R681が回転したり、しなかったりして動力受台R30を押し下げ、前記同様に動力受台30と連係している軸50を作動させて裏面側型枠Nを押し下げCw1及び/又はCw2を押圧振動により締め固める。その後必要に応じて、第二動力R20が油圧の場合は前記同様に軸R682の作用により枠体押具R40を押下げるか、又は第二駆動指令によりネジ付軸R681が回転して変換連係しているネジ駆動装置等によりネジ付又はネジなしの軸R682を介して枠体押具R40を押下げた後、枠体コンクリートCw2を加圧振動させた後前記同様に脱型養生等を行なう。この様に、本発明の動力及び駆動伝達装置により油圧、空気圧、歯車等を利用して多様な製造方法が可能である。
【実施例15】
【0128】
前記図38〜図44に於いて、化粧型枠Mが下で、裏面側型枠Nが上による製造方法であったが本発明はこれに限定するもので無く裏面側型枠Nが下で、化粧型枠Mが上の製造方法も可能で、この製造方法を以下に開示する。
図45、図46は別の製造方法の説明断面図で図45は第一段階の製造方法の説明断面図で、図46(a)は第二段階の製造方法の説明断面図で、図46(b)は第三段階の製造方法の説明断面図を示す。
【0129】
図45に於いて、本例での動力は油圧装置の利用による製造方法を説明するが本例においても前記同様に他の歯車等の駆動手段を利用出来ることは云うまでもない。
架台Q、操作盤R0、配管R01は前記同様であるが、多少異なる点は軸R501、R501が中間梁Q6に挿通し、動力受梁Q7が第一動力R111を受け、これに内臓されている軸R112の先端は動力受台R301、R302の何れか又は化粧型受台M202にボルト、溶接等により固設されている。
又動力受台一R301、動力受台二R302の所定位置2ケ所にアリ嵌合凹凸R303が設けてあり、必要に応じて化粧型受台M202の凸部R303を介して化粧型枠Mにしたり、枠体のコンクリートCw2の押圧等が必要な時は押凸板R3012付動力受台二R302を該凸部R303を介して動力受台一に取り付けることも可能である。
従ってR301,R302及びM202を各々単独で、又は併用したりすることも可能でこの採用は現場の状況により決定する。
【0130】
他方地面上の所定位置の土台R1130に操作盤R0より配管R02された第二動力R113を固設して該動力より延びた第二動力軸R114の先端に第二動力受台R304が固着され、更に該受台より1又は2以上の固定軸R305が立設して裏面押取付材N201に固着され、該板に裏面押型N101が戴置固設している。従って第二動力R113の作用で軸R114が上下するとこれと連動してR304、R305、N201、N101が動く。この動きを滑らかに動かす為に必要に応じて案内レールR3043を台座縦板P20に取り付け、これに嵌着滑り車R3042に固設した連絡版R3041の他端は第二動力受台R304に固着している。
尚枠体Cw2を支える型枠N103は枠体の数だけ台座横板P10に戴置している。
枠体Cw2の押圧製造方法の1例で図の様に下方の型枠装置をコンクリート打設状態に設置して、第一動力の軸を収納した状態で動力受台一R301にアリ凹凸R303を介して動力受台R302を設置して、枠体コンクリートCw2を充填したあと第一動力R111を作動させて枠体Cw2を加圧振動した後、第一動力R111の軸R112を収納した後、動力受台二を外して、動力受台一R301にアリ凹凸R303を介して取り付けた後、側面板のコンクリートCw1を所定の厚みに敷き均す。
【0131】
図46(a)は動力受台R301にアリ凹凸R303を介して化粧型枠M、M201、M101が取り付けられ、先のコンクリートCw1を第一動力の軸R112により押圧振動により加圧している。尚動力受台一R301は動力受台二R302を介しないで直接化粧型受台M201にボルト又は溶接等で取り付けたり、動力受台一を介せずに直接該受台M201と軸R112とを接合手段にて固着しても良い。裏面側型枠Nは図45の状態である。尚残存型枠の形状に依ってはコンクリートCw1+Cw2を同時に敷き均して加圧する事も可能である。尚残存型枠の表面に空気が溜まる場合は化粧型枠M201、M101に真空ポンプ装置付に改造して空気を吸い込むか又は空気吸い取り布等をコンクリート当接面に添付する事も可能である。
【0132】
図46(b)は図6(a)にて残存型枠Cwを完全に固まらないが脱型しても崩れない、又は直接持ち上げても支障ない程硬化した状態の何れかによる、所謂所定の強度になった後、第一動力及び第二動力の軸R112、R114を収納して側板Oを前記要領にて脱型して、完全に固まらなく残存型枠の形状が保持されているときは裏面型枠N103共にフォークリフト等にて持ち上げて養生室に運ぶか、又は製品Cwを持ち上げても支障ない程硬化した場合は直接製品を適宜の方法で持ち上げ置き場に運ぶ。このとき裏面型枠N103は残置した状態であってもよい。尚裏面側型枠Nは図45,46の様に第二動力R113、軸R114を省略した固定状の裏面側型枠(N101、N201、R305,R1130)であっても良い。
【0133】
更にコンクリートCw、Cw1、Cw2の何れか又は双方のコンクリートの硬化を早めるためにコンクリートの中に液体又は粉体状の硬化促進剤を同時に又は別体で混入したり、或いはコンクリートと接触する化粧型枠M、裏面側型枠N及び側板Oに硬化促進剤を剥離材に混入したり、又は剥離材と硬化促進剤を別々に噴霧の時に混合する様にしたり或いは剥離材噴霧の前、後に分けて噴霧する事も可能でである。
これと別に単独に、或いは併用して、図46(b)に示す様に熱線ヒーターを型枠の内側又は外側の何れか又は双方に添付してコンクリートの硬化を早める事も可能である。
即ち化粧型枠Mのコンクリート接触面の全体又は一部に熱線ヒーターSM1及び/又はコンクリートと接触しない型枠又は型枠裏面の全体又は一部に熱線ヒーターSM2を添付して電源に接続して型枠を熱ためてコンクリートの硬化を促進させる。
同様に裏面側型枠に於いても、コンクリート接触面SN1、非接触面SN2、側板に於いても接触面SO1、非接触面SO2に熱線ヒーターを添付する。
【産業上の利用可能性】
【0134】
前記した様に建設工事場所は重機が入り自由に工事が行なえる場所の他に、重機の入らない所、地形の複雑な所等様々な条件が存在する。現場としてはどのような条件でも対処出来、更に経済的で、熟練工を必要としない工事が出来る工法が要求されている。又最近景観法が成立しており、構造物の表面にも美観に配慮する必要が生じてきた。
又現在建設技能者の高齢化と微弱化により重い材料が持てなくなったり、或いは若者の3K離れで熟練工の不足等社会問題化しており、今後もこの傾向は継ずくと考えられる。
本発明の残存型枠の形状と機能は重機の入らない所、又は地形の複雑な所等対処する為に、該型枠の軽量化と曲線及び折れ線の壁面にも対応出来ろ形状を有している。更にこれらの地形的条件等においても該型枠相互の連結が可能な工法で、並びにこの様な多様な用途の該型枠の形状であっても製造可能な工法である。従って本発明の残存型枠とその連結工法並びに製造方法は社会的要求を満足しているので産業上の利用可能性は充分あると考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の残存型枠の裏面斜視図。
【図2】 図1の残存型枠を複数段組積した背面斜視図。
【図3】 図4の残存型枠を複数段組積したA3−A3横断面図。
【図4】 図3の組積背面図。
【図5】 (a) 図1のA1−A1断面図。 (b) 図1のA2−A2断面図。
【図6】 (a) 横枠体と枠体連結具との嵌着断面斜視図。 (b) 上下横枠体と枠体連結具との連結状態を示す断面図。
【図7】 (a) 上下残存型枠に段差が生じた場合の枠体連結具同士の連結状態断面図。 (b) 別の枠体連結具の斜視図。 (c) 別の枠体連結具の連結状態断面図。 (d) 別の長孔の締結変形爪の説明用断面図。
【図8】 (a) 縦枠体連結具とこれら周辺部位との取付断面斜視図。 (b) 別の縦枠体連結具の取付断面図。 (c) 図8(b)の縦枠体連結具の横断面図。
【図9】 (a) 別の左右縦枠体を連結具で連結した状態の連結断面斜視図。 (b) 図9(a)の横断面図。
【図10】 (a) 別の残存型枠の上横枠体の断面斜視図。 (b) 図10(a)の上横枠体に本発明の下横枠体が当接された断面図。 (c) 別の残存型枠の組積断面図。 (d) 別の残存型枠の上下横枠体同士の連結部位の断面図。
【図11】 (a) 別の残存型枠の背面斜視図。 (b) 同図(a)のA4−A4断面図。 (c) 同図(a)のA5−A5断面図。
【図12】 (a) 各縦枠体と隣接する残存型枠の係止凹凸材との連結状態を示す断面図。 (b) 他の位置での連結状態を示す断面図。
【図13】 (a) 別の縦枠体連結具の使用断面図。 (b) 別の枠体連結具の使用断面図。
【図14】 (a) 別の枠体連結具と連結方法の断面図。 (b) 別の枠体連結具と連結方法の断面図。
【図15】 (a) 別の残存型枠の組積背面斜視図。 (b) 同図(a)、(c)のA6−A6の連結部位の断面図。 (c) 同図(c)の正面図。
【図16】 (a) 図15(b)の別の連結部位の断面図。 (b) 別の残存型枠の背面斜視図。 (c) 同図(b)の上下横枠体の連結部位の断面図。
【図17】 (a) 別の凹凸段部と曲折対応端裏縦目地の上面断面図。 (b) 別の凹凸段部と曲折対応端裏縦目地の上面断面図。 (c) 別の凹凸段部と曲折対応端裏縦目地の上面断面図。 (d) 別の上下横枠体の当接状況を示す横断面図。
【図18】 (a) 別の残存型枠の背面斜視図。 (b) 別の残存型枠の背面図。 (c) 別の残存型枠の正面図。 (d) 別の残存型枠の上面図。 (e) 別の残存型枠の上面図。 (f) 別の残存型枠の斜視図。
【図19】 本発明の残存型枠を組積したもたれ擁壁完成断面図。
【図20】 本発明の連結方法による残存型枠の説明組積断面図。
【図21】 (a) 本発明の土留受圧控材を1段組積した説明組積断面図。 (b) 同図(a)に残存型枠を設置する状態の説明断面図。
【図22】 (a) 図21(b)に残存型枠の段数を増した説明断面図。 (b) 残存型枠を全段組積した状態の説明断面図。
【図23】 (a) 本発明の土留受圧控材の斜視図。 (b) 別の土留受圧控材の斜視図。 (c) 別の土留受圧控材の背面斜視図。 (d) 別の土留受圧控材の背面斜視図。
【図24】 (a) 別の土留受圧控材の斜視図。 (b) 別の土留受圧控材の斜視図。 (c) 別の土留受圧控材の斜視図。 (d) 別の土留受圧控材の斜視図。
【図25】 (a) 連絡控材の取付側面断面詳細図。 (b) 別の連絡控材の取付上面断面図。 (c) 別の控アンカー材の留金具の斜視図。
【図26】 (a) 本発明のフレーム型受圧控材の控柱と控横梁との取付説明斜視図。 (b) 同図(a)のA7−A7断面図。 (c) 同図(a)のA8−A8側面図。
【図27】 (a) 本発明の後面フレーム型受圧控工法の組積斜視断面図。 (b) 同図(a)のA9−A9断面図。
【図28】 本発明の前面フレーム型受圧控工法の骨組構造斜視図。
【図29】 (a) 各部材との連結状態を説明する断面図。 (b) 同図(a)の上面図。 (c) 同図(a)の各部材と縦枠体連結具との連結状態説明断面図。 (d) 型取付具2型の斜視図。
【図30】 (a) 前後L型フレーム受圧控材の説明斜視図。 (b) 型取付具の断面斜視図。 (c) 同図(b)のA10−A10断面図。
【図31】 図30を使用して残存型枠を連結する連結断面図。
【図32】 後L型フレームの断面斜視図。
【図33】 (a) 前L型フレーム受圧控材工法の組積断面図。 (b) 後L型フレーム受圧控材工法の組積断面図。
【図34】 (a) 板体L型受圧控材の組立説明斜視図。 (b) 同図(a)の残存型枠の組積による連結工法斜視図。
【図35】 (a) 板体箱型受圧控材の連結工法斜視図。 (b) 別の組立による連結工法の斜視図。 (c) 型取付具の斜視図。 (d) 同図(c)のA12−A12断面図。
【図36】 (a) 本発明の吊工法の組積説明断面図。 (b) 同図(a)の型枠吊材の取付状況の上面断面図。 (c) 同図(b)の別の位置での型枠吊材の取付状況の上面断面図。 (d) 同図(c)のA11−A11断面図。
【図37】 (a) 架台と動力装置の配置上面図。 (b) 同図(d)のA13−A13断面図。 (c) 同図(d)のA12−A12断面図。 (d) 残存型枠の上面図。
【図38】 (a) 型枠製造装置の第一段階の断面図。 (b) 化粧型枠の製品断面図。
【図39】 (a) 第二段階のコンクリート敷き均し状況断面図。 (b) 第一動力作動状況断面図。
【図40】 (a) 第三段階の第二動力作動状況断面図。 (b) 同図(a)の状態の短辺側断面図。
【図41】 (a) 第四段階の脱型状況断面図。 (b) 同図(a)で脱型した残存型枠製品の養生室保管状況断面図。
【図42】 (a) 係止凹凸形成装置の断面斜視図。 (b) 同図(a)のコンクリート充填状況断面図。 (c) 同図(a)の別のコンクリート充填状況断面図。 (d) 別の係止凹凸形成装置の断面図。
【図43】 (a) 別の型枠製造装置の断面図。 (b) 同図(a)の短辺側の別の型枠製造装置の断面図。
【図44】 別の駆動力による型枠製造装置の断面図。
【図45】 別の型枠製造装置の第一段階の残存型枠製造状況断面図。
【図46】 (a) 図45の第二段階の残存型枠製造状況断面図。 (b) 第三段階の残存型枠製造状況断面図。
【符号の説明】
1‥側面板、1a〜1wと形態図が異なるごとに異なる符合が付されている。以下同じ
11表面11a〜11w、12裏面12a〜12w等、13裏面と枠体との接触線。
2‥枠体(上横枠体、下横枠体、左縦枠体、右縦枠体、中間縦枠体、中間横枠体、中間斜 枠体、中間小梁枠体等)2a〜2w前気と同じ。
21上横枠体(21a〜21w)等以下同じ、22下横枠体、23左縦枠体、
24右縦枠体、25中間縦枠体、26中間横枠体、27中間傾斜枠体。
3‥段部 30横方向枠体当接面、31凸段部、311接面、312曲、折線、32凹段 部、321接面、322曲折線、33横方向端目地段部
3a〜3wも前記と同じ要領で符号が付けられている。34縦方向端目地、
35横方向端目地接続面、36中間縦目地、37曲折対応端裏縦目地。
38横方向当接段部
4‥係止手段、係止部、41係止凸部、42係止凹部、43係止材(インサート等)、
44係止材ふかし、45係止凹凸材、46係止空気抜孔、47係止凹部空気抜孔、
48係止凹部通気路、 4a〜4w以下も前記と同じ。
5‥連結手段、連結具5a〜5w以下も前記と同じ。
51枠体連結具51a〜、52縦枠体連結具、53縦横枠体連結具、
54別の縦枠体連結具、55別の枠体連結具、56別の枠体連結具、
57別の枠体連結具、58本発明の係止凹凸連結具、59係止凹凸連絡連結具、
501上下連結材,502上下連結孔、5100型枠吊連結材、
511張出連結板、5111ストッパー等、512縦連結板、513横連結板、
514係止連結板、515押圧連結板、516締付突起。
521張出連結板、522縦連結板、523縦連結板孔、524取付補強リブ、
525控材取付孔、526補強リブ
6‥控材及び控材工法、6A〜6H以下も前記と同じ
61受圧控材、611土留受圧控材、611AL型土留受圧控材、611Bコ型土留 受圧控材、611C折型土留受圧控材、611D箱型土留受圧控材、611E混合型 土留控材、611F型材網付型土留控材、611G蛇篭型土留控材、611H型アン カー土留受圧控材、610排水孔、連通孔、6104土留係止部
611L1縦壁高、611L2底板幅、611L3縦壁長
612フレーム型受圧控材、612A後面フレーム型受圧控材、612B前面フレー ム型受圧控材、612C前後フレーム型受圧控材。
613L型フレーム受圧控材、613A前後L型フレーム受圧控材、613B前L型 フレーム受圧控材、613C後L型フレーム受圧控材、6130控横梁。
614板体型受圧控材、614A板体L型受圧控材、614B板体箱型受圧控材、
6140控横梁。
615控板体。
62連絡控材、621水平連絡控材、622左斜連絡控(縦連絡控材)623右斜連 絡控材、624型連絡控材、63控アンカー材。
7‥型取付具、型取付手段 71基礎型取付具、721型取付具1型、722型取付具2 型、723型取付具3型、724型取付具4型
8‥吊材、吊工法、81吊材柱、82吊材横梁、83吊材控、831表側吊材控
832胴込吊材控、84吊材連結金具、85型枠吊材
接合手段(接着手段)‥溶接、ボルトナットによる締付、接着材、ネジ、番線結束等。
A‥各図断面矢示。
B‥残存型枠(側面板1+枠体2)、隣接する残存型枠B‘、B1,B2,B3下段か ら上段へ組積する各々の残存型枠、Ba〜Bo各図番の残存型枠。
C‥胴込コンクリート、C1天端コンクリート、Cw残存型枠のコンクリート、充填材 、Cw1側面板のコンクリート、充填材、Cw2枠体コンクリート、充填材
D‥裏込材、D1裏込砕石、D11コンクリート打設面、D2不透水材
DL‥DL0段差、+DL0出段差、−DL0入段差、DL1,DL2,DL3変位吸 収と製作誤差余裕高等、DL4,DL5,DL6,DL7締付高(変位吸収余裕高 )、DLH水平基準線。
E‥裏型枠
F‥基礎、F1基礎底版、F2均しコンクリート、F3基礎砕石。
L‥寸法。
M‥化粧型枠、M1化粧型、M2化粧型受台、M202化粧型受台。
N‥裏面側型枠、N1裏面押型、N2裏面押取付材、N3係止凹凸形成装置。
N101裏面押圧型、N201裏面押取付材、N211、N212補強板、N31 凹凸形成具、N311溝、N321押引材、N322タンバックル、N323フレ 止め、N33凹凸形成案内図具、N331凸材。
O‥側板,O1長辺側板、O2短辺側板。
P‥台座、P1台座横板、P2台座縦板
Q‥架台、Q1柱,Q2梁、Q3短辺梁,Q4地梁、Q5短辺地梁、Q6中間梁、Q7 動力受梁。
R‥動力装置、R0操作盤(駆動連動切り替等の作動を含む)、R03押板、R1第一 動力、R10第一動力軸、R2第二動力、R20第二動力軸、R3動力受台、R3 1フレ止め、R4枠体押具、R5裏面押圧軸、R6別の駆動力、R301動力受台 一、R302動力受台二、R111第一動力、R112第一動力軸、R113第二 動力、R114第二動力軸、R301動力受台一、R3012押凸板、R302動 力受台二、R303アリ溝嵌合凹凸、R304第二動力受台、R305固定軸、R 42枠体押板。
S‥熱線ヒーター、SM化粧型枠熱線ヒーター、SN裏面側型枠熱線ヒーター、SO側 板型枠熱線ヒーター、SM1コンクリートとの接触面、SN1コンクリートとの接 触面、SO1コンクリートとの接触面、SM2型枠面、SN2型枠面、SO2型枠 面(コンクリートと接触しない型枠面)。
V‥V1ボルト、V2ナット、連結孔(V3ボルト丸孔、V4ボルト長孔)、V5クサ ビ、V6ネジ。
Z‥地面、Z1下段地表面、Z2掘削面、Z3上段地表面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
残存型枠は側面板と枠体より構成され、該枠体及び係止凹凸材の何れか又は双方は隣接する残存型枠と連結可能な連結手段を有する連結具と係止可能な係止部を有し、更に横方向に隣接する残存型枠と当接可能な凹凸の段部と壁面の曲線、折線に対応する曲折対応端裏縦目地を左右の縦枠体に有していることを特徴とする残存型枠。
【請求項2】
上記側面板の表面は化粧用の凹凸を有ており、該側面板の板厚を成して該表面凹凸とほぼ対応した凹凸が、枠体の枠面を除く側面板の裏面に有していることを特徴とする請求項1に記載の残存型枠。
【請求項3】
隣接する残存型枠と当接するための凸段部が左縦枠体と右縦枠体の何れか又は双方より残存型枠の表面側端部付近より所定の長さと直線、折れ線、曲線等の適宜の当接面と形状を有して横方向に張り出し、これを受け入れる凹段部も直線、折れ線、曲線等の当接面を有し、該凸段部の一部又は全部の当接面と当接可能の形状を有して成ることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の残存型枠。
【請求項4】
上横枠体と下横枠体の係止部の何れか又は双方に適宜の形状の係止空気抜孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の残存型枠。
【請求項5】
左縦枠体と右縦枠体の何れか又は双方に縦枠体空気抜孔又は連通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の残存型枠。
【請求項6】
残存型枠を構成する側面板と枠体の何れか、又は双方が同質又は異質の建築材料より成る事を特徴とする請求項1〜5の何れか1に記載の残存型枠。
【請求項7】
側面板及び/又は枠体がコンクリート又はこれらに類する材料より形成されたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1に記載の残存型枠。
【請求項8】
各々適宜の枠背高を有する前記材料から成る中間枠体とそれ以下の枠背高を有する中間小梁枠体が必要に応じて設けられ、該枠体は縦方向に、横方向に、斜め方向に、或いは曲線又は折曲がりを成した該枠体の何れか又は双方を1又は2以上有して枠組みされ、必要に応じて設けられる隣接する残存型枠と係止可能な係止手段を有する枠体が前記側面板に接合手段によって、一体的に、固定状に、半固定状に固着して成ることを特徴とする請求項1〜7の何れか1に記載の残存型枠。
【請求項9】
前記枠体の枠体表面及び/又は係止材の係止面が傾斜を成したり、又は滑り止めの凹凸の何れか又は双方を有する事を特徴とする請求項1〜8の何れか1に記戴の残存型枠。
【請求項10】
前記残存型枠の形状が矩形、L型、曲型、折れ型、凸型及び十字型並びにこれらの形状を組合せた複合形状を有する事を特徴とする請求項1〜9の何れか1に記載の残存型枠。
【請求項11】
前記請求項1〜10の何れか1項に記載の残存型枠を現場にて組積する際、該残存型枠に設けられた枠体及び係止凹凸材の係止部を介して、隣接する該残存型枠の係止部と連結具の連結手段によって連結した事を特徴とする残存型枠の連結方法。
【請求項12】
枠体より胴込コンクリート側に張出した張出連結板には、隣接する該張出連結板と連結する連結孔のボルト丸孔又はボルト長孔の何れかを有し、又他方端は枠体を押圧する押圧連結板を有して成り、該張出連結板の連結孔にボルト等を挿通して螺着するとその押圧力が縦連結板、横連結板及び係止連結板の何れか又は2以上を介して押圧連結板に伝達される時、該連結板と係止凹凸部との間に変位吸収余裕高を設けた枠体連結具を使用した事を特徴とする請求項11に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項13】
L型をなす縦枠体連結具の一辺は胴込コンクリート側に張出した張出連結板を有し、該連結板は隣接する連結板と連結する連結孔のボルト丸孔又はボルト長孔の何れかを有し、L型の他方辺の端部付近に残存型枠の枠体及び/又は係止凹凸材の係止部と連結する為の連結孔のボルト丸孔又はボルト長孔の何れかを有し、必要に応じて縦連結板に連通孔及び/又はリブ等を有してなる縦枠体連結具を使用した事を特徴とする請求項11〜12の何れか1に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項14】
裏込砕石の崩壊と連絡控材のアンカー用として、裏込砕石に所定の高さと長さ及び幅を有する土留受圧控材を設置し、該土留受圧控材に連結した連絡控材の他方端は隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とに連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする請求項11〜13の何れかに1に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項15】
胴込コンクリート内に、後面フレーム型受圧控材、前面フレーム型受圧控材及び前後フレーム型受圧控材の何れかのフレーム型受圧控材を形成し、裏込砕石の崩壊を防ぎ更にコンクリート型枠としての役割を成す控板体を該フレーム型受圧控材の一方側に接合手段にて接合するか又は単純に設置し、他方側の控横梁に隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とを直接又は連絡控材を介して連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする請求項11〜14の何れか1に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項16】
胴込コンクリート内に、前後L型フレーム受圧控材、前L型フレーム受圧控材及び後L型フレーム受圧控材の何れかから成るL型フレーム受圧控材を形成し、裏込砕石の崩壊を防ぎ、更にコンクリート型枠としての役割を成す控板体を該L型フレーム受圧控材の一方側に接合手段にて接合するか又は単純に設置し、他方側の控横梁に隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とを直接又は連絡控材を介して連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする請求項11〜15の何れか1に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項17】
胴込コンクリート内に、板体L型受圧控材及び板体箱型受圧控材の何れかから成る板体型受圧控材を形成し、裏込砕石の崩壊を防ぎ、更にコンクリート型枠としての役割をなす控板体を該板体型受圧控材の一方側に接合手段にて接合するか又は単純に設置し、他方側の控横梁に隣接する残存型枠の係止部同士を連結した連結具とを直接又は連絡控材を介して連結して胴込コンクリートの圧力に抗することを特徴とする請求項11〜16の何れか1に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項18】
隣接する残存型枠同士を連結した連結具に直接又は型枠吊連結具に型枠吊材の一方端を接合手段にて接合して、吊材連結金具を介して格子状又は一方向に骨組みされた吊材柱と吊材横梁の何れか又は双方に、残存型枠を貫通した該型枠吊材の他方端のフック又は取付金具により強固に連結されている。この様に骨組みされた吊材柱と吊材横梁の何れか又は双方に吊材控表側材及び/又は吊材控胴込材を架設して格子状に又は一方向に配された吊材を形成して裏込砕石と控板体を設置し胴込コンクリートを打設して組積する事を特徴とする請求項11〜17の何れか1に記載の残存型枠の連結方法。
【請求項19】
少なくとも柱、梁からなり、必要に応じて地梁、中間梁、動力受梁の何れか又は2以上を有する架台に裏面側型枠を作動させるための動力が取り付けられ、該動力を作動させる為の配管及び連動駆動装置が動力源又は運転操作機器等連動を備えた操作盤と連絡しており、該機器が架台の内側及び外側の何れかに設置され、更に残存型枠製品の下方に地面及び/又は地梁或いは、必要に応じて設ける土台より立設した台座の所定の位置に化粧型枠のコンクリート充填材用の側板が周囲に配設され、該側板が回転自在に動く様に蝶番が適宜設けてある。更に台座の頂面に持ち上げ自在の化粧型枠が戴置されたことを特徴とする残存型枠の製造方法。
【請求項20】
裏面側型枠には所定の位置に設けた動力の動力軸及び/又は裏面押圧軸の先端が押圧可能に接合され、台座に設置された側板と化粧型枠はコンクリート充填可能状態に設定された該型枠にコンクリートを側面板量又は(側面板+枠体)量程打設して敷き均した後、先の操作盤の操作により動力が連動駆動して動力を動かすと動力軸は下方向に作動してコンクリートを加圧(押圧及び/又は振動)によって側面板又は残存型枠の何れかを製造したことを特徴とする請求項19に記載の残存型枠の製造方法。
【請求項21】
打設された枠体用コンクリート又は先の(側面板+枠体)の残存型枠のコンクリートを押さえる為の枠体押具が先の動力に又は2番目の動力に、裏面押圧軸及び/又は動力受台を介して取り付いており、操作盤の操作により該動力又は2番目の動力を作動させて該枠体押具に依って枠体又は残存型枠を製造した事を特徴とする請求項19〜20の何れか1に記載の残存型枠の製造方法。
【請求項22】
枠体の係止部を形成する為に係止凹凸形成装置を利用した事を特徴とする請求項19〜21の何れか1に記載の残存型枠の製造方法。
【請求項23】
残存型枠製品より上方の架台に第1の動力が連動駆動により操作盤に連絡しており、該第一動力は架台に接合手段にて接合され、該第一動力の第一動力軸の先端は化粧型枠に接合されるか、或いは第一動力受台に接合されて化粧型枠に連結している。
必要に応じて枠体押具と化粧型枠を取り替え可能なアリ溝等の取替装置が付いている。
他方残存型枠製品より下方には地面又は土台に設置された第二動力と台座が立設しており、第二動力に収納された第二動力軸の先端は第二動力受台及び/又は固定軸を介して裏面側型枠に連結されるか又は該裏面側型枠と第二動力軸は直接連結した裏面側型枠駆動装置を形成するか又は該型枠駆動装置を固定状にした台座の何れかの型枠形状をなしている。台座の蝶番を介して取り付いた側板と裏面固定型枠が設置され裏面側型枠駆動装置とは相互に独立した状態を形成した事を特徴とする請求項19〜22の何れか1に記載の残存型枠の製造方法。
【請求項24】
コンクリート打設状態に設置された裏面側型枠と側板に枠体のコンクリートを打設して枠体押圧の作動により加圧後、該枠体押圧体を元に戻し化粧型枠に取り換えた後、側面板のコンクリートを敷き均した後、該化粧型枠を下方向に作動させコンクリートを加圧するか又は直接(枠体+側面板)のコンクリートを化粧型枠にて加圧し、そして脱型して残存型枠を製造した事を特徴とする請求項19〜23の何れか1に記載の残存型枠の製造方法。
【請求項25】
化粧型枠、裏面側型枠又は側板の何れか又は2以上のコンクリートとの接触面又は該型枠の裏面の何れか又は双方に熱線ヒーター等により型枠を加熱してコンクリートの硬化を早めた事を特徴とする請求項19〜24の何れか1に記載の残存型枠の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2008−14122(P2008−14122A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213845(P2006−213845)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(391015812)
【Fターム(参考)】