説明

比重選別機、及び土木・建築の廃材から骨材を再生する方法

【課題】 再生粗骨材の収量に優れた、土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置を提供する。
【解決手段】 土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱装置とを備える。廃材がコンクリート主体である場合には篩装置の有効目開きは25mmから35mmのものを利用する。廃材がアスファルト主体である場合には篩装置の有効目開きは25mmから30mmのものを利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場や土木作業現場等で生じるコンクリートやアスファルトの廃材から、高品質の砂利・砕石等の骨材を分離して再生可能とした、土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、道路工事や建築工事はいたる所で日常的に行われており、それに伴って日々夥しい量のコンクリートやアスファルトの廃材が発生する。この土木・建築の廃材は、資源の有効利用の観点から、何らかの活用をすることが望ましい。
【0003】
そこで、土木・建築の廃材の用途として、土木・建築の廃材を破砕して砂利や砕石を取り出し、これをコンクリートやアスファルト廃材を骨材として活用する方策が研究された。これまでに提案された土木・建築の廃材から砂利や砕石を取り出す方策は、廃材を砂利や砕石の大きさまで破砕し、この破砕物をそのまま粗骨材として使用するものであった。具体的には従来技術では、ジョークラッシャー等の破砕装置によって、土木・建築の廃材を破砕し、これを有効目開きが20mmの篩装置にかけ、篩下の廃材をさらに有効目開きが5mmの篩装置にかけ篩上の廃材を粗骨材として利用していた。従来技術では、廃材を破砕装置にかける工程は、いわゆるワンパスである。また従来技術では、ジョークラッシャー等の破砕装置は、20mmの篩を通るまで破砕することを目的としている。すなわち従来技術では、コンクリート廃材等の殆どすべてが、20mmの篩を通る様に、徹底的に破砕される。従って従来技術においては、破砕物の粒子径は、20mm以下のものが多い。また従来技術では、破砕物の粒子径のばらつきが大きい。さらに上記した骨材の再生方法は、いずれも廃材から粗骨材を取り出すものであり、細骨材を再生する方策については、なんら提案されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の様に廃材をただ単に砂利や砕石の大きさまで破砕して得た粗骨材は、砂利・砕石に多量のモルタル等が付着している。加えて従来技術の骨材は、塊状のモルタル等も多く混在している。そのため従来技術の再生粗骨材は、吸水性が高く、骨材としての品質が劣悪である。そこで本発明者らは、再生骨材の品質を向上させるべく研究を重ねた。そして廃材を破砕した後、磨鉱して砂利・砕石等に付着したモルタル等を離脱させ、さらに比重選別機によって砂利・砕石と、塊状モルタル等を分離することにより、品質の優れた再生粗骨材を製造することに成功した。しかしながら、再生された粗骨材の収量について検討したところ、再生された粗骨材は、コンクリート廃材の中に含まれているであろう量に比べて、相当に少ないものであった。すなわち従来技術の方法および装置は、再生粗骨材の収量が少ないと言う欠点があった。
【0005】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、再生粗骨材の収量に優れた、土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置の提供を課題とする。また加えて本発明は、土木・建築の廃材から細骨材を再生する方策の提案を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして上記した目的を達成するための請求項1記載の発明は、コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは25mmから35mmであり、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。ここで骨材成分とは、砂利や砕石等の粗骨材および、砂等の細骨材の双方を指すものである。
【0007】
また同様の目的を達成するための請求項2記載の発明は、コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きく、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0008】
これらの発明は、いずれも破砕装置で、原石よりも少し大きい程度まで破砕し、この粒子径が原石よりも少し大きい程度まで破砕したものをできるだけ多量に作る点に特徴がある。すなわち、従来技術の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置では、前記した様に、廃材を有効目開きが20mmの篩を通過するまで、言い換えれば原石の大きさまで破砕する。
【0009】
しかしながら、コンクリートの廃材では、原石の表面部分にあるモルタルは、強力に原石と結合しており、破砕工程によっては離脱させにくい。そのため従来技術の様に原石の大きさまで破砕しようとすると、原石自身が割れてしまう。そのため従来技術は、再生粗骨材の収量が低いものであった。請求項1記載の発明は、破砕工程によって破砕したものを有効目開きが25mmから35mmの篩装置にかけ、篩上の廃材は再度破砕工程によって破砕し、原石よりも少し大きい程度の破砕物をできるだけ多量に作る。
【0010】
すなわち本発明では、破砕作業と篩作業を何度も繰り返し、破砕物の大きさを原石よりも少し大きい程度に可能な限りそろえる。篩の有効目開きは、コンクリートの廃材から粗骨材を再生する場合に適する篩の有効目開きは、一般的に請求項1記載の様な25mmから35mmが適する。しかしながら、廃材の履歴が明らかであり、当該廃材に、特殊な粒子径の粗骨材が含まれていることが明らかである場合は、請求項2に記載した様に、廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きい有効目開きの篩を使用することが望ましい。
【0011】
またアスファルトの廃材から再生骨材を製造するのに好適な請求項3記載の発明は、アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルトを離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは25mmから30mmであり、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。骨材成分と分離されるアスファルト成分は、炭化水素の部分を指す。
【0012】
また同様の目的を達成するための請求項4記載の発明は、アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルト成分を離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から50%大きく、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0013】
さらにこれらの発明を改良した請求項5記載の発明は、破砕装置は、固定板と移動板とが隙間を開けて対峙し、移動板が固定板に対して遠近方向に移動し、固定板と移動板との間で被破砕物を挟み潰すジョークラッシャーであり、前記固定板と移動板の少なくとも一方には、突起が設けられており、該突起によりアスファルトを主とする土木・建築の廃材を突くことを特徴とする請求項3又は4記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0014】
上記した請求項3,4,5記載の発明では、前記した請求項1,2記載の発明よりも有効目開きの小さな篩が採用されている。この理由は次の通りである。すなわち請求項3,4,5の発明は、アスファルトを主とする土木・建築の廃材を対象とするものであり、アスファルトは前記したモルタルに比べて原石との付着力が弱い。そのためモルタルの場合に比べて、より原石に近い大きさまで破砕しても、原石自身の破壊は少ない。従ってアスファルトを主とする土木・建築の廃材から骨材を製造する場合には、コンクリート廃材を活用する場合よりも小さい目開きの篩が望ましい。
【0015】
またアスファルトは、粘着性を持つので、破砕工程で使用するジョークラッシャーは、固定板と移動板の少なくとも一方に、突起が設けられたものを使用し、この突起をもってアスファルトを突き崩すことが効果的である。
【0016】
さらに上記した発明の全てに共通する請求項6記載の改良発明は、離脱装置は、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒および/又は球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0017】
本発明の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置では、離脱装置に、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を採用して砂利・砕石分に付着したモルタル等を剥離するとともに、砂・モルタル等を選別する。従って、上記した装置によれば、モルタル等の剥離をより的確にすることができる。
【0018】
さらにもう一つの請求項7記載の改良発明は、離脱装置から排出される骨材成分とモルタル又はアスファルト等との混合物を骨材成分とその他とに分離する分離装置を有し、該分離装置は、水が満たされた水槽を有し、該水槽内の水に衝撃的な上向きの水流を発生させて骨材成分とモルタル又はアスファルトを比重差によって選別する比重選別機であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0019】
本発明の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置は、骨材成分とモルタルやアスファルトとの比重差を利用して骨材成分とモルタル等とを分離するものである。すなわち本発明の装置では、骨材成分とモルタル等との混合物は、水中に浸され、さらにこの混合物は、下から上に向かう水流にさらされる。そのため混合物は水流によって流動し易い状態に置かれ、モルタル等を多く含んで軽い部材はより上に移動し、モルタル等の含有量が少なくて骨材として利用できる部材は、相対的に下に潜る。そのためモルタル等と骨材成分とは、上下の層に分離される。従ってこの内、下側に潜った骨材だけを取り出せば、再生利用可能な骨材が得られる。
【0020】
上記の発明の改良発明は、分離装置たる比重選別機の水槽は、上部の固定水槽と上下に振動する下部水槽とによって構成され、両者は可撓性部材を介して一体の水槽として接続され、固定水槽には、底部には孔が設けられたバスケットが取り付けられ、バスケット内には金属球が配され、下部水槽を上下に振動させることにより、水槽内に下から上に向かう水流を発生させ、バスケットの孔からバスケットに水が導入され、バスケットに下から上に向かう水流が発生されることを特徴とする請求項7記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0021】
本発明では、下部水槽を振動させることにより、可撓性部材を介して下部水槽の底が上下する。そのため上部水槽には、下から上に向かう激しい水流が発生する。また本発明では、骨材成分とアスファルトとの混合物は水槽あるいは水槽内に設けられたバスケット内に入れられる。そして水槽あるいはバスケットの底には孔が設けられていて、この孔から水が導入される。従って水流は、孔から噴出し、骨材成分とアスファルトの間を吹き抜け、混合物に高い流動性を与える。またバスケットには金属球が配され、この金属球が弁の働きをするので、孔から骨材成分等がこぼれ落ちることが無い。
【0022】
またさらに上記した発明を具体化した請求項5記載の発明は、分離工程に使用する水槽は、骨材成分とアスファルトとの混合物が入れられる上部水槽と上下に振動する下部水槽を有し、両者は可撓性部材を介して接続され、下部水槽を上下に振動させることにより、上部水槽に下から上に向かう水流を発生させることを特徴とする請求項3又は4に記載のアスファルト廃材から骨材を再生する方法である。
【0023】
また他の観点からの改良を加えた請求項9記載の発明は、分離装置は、水が満たされた水槽と、選別物取り出し装置と、オーバーフロー部を有し、前記水槽内に被選別物を配置し、水槽内の水に水流を発生させて被選別物を比重差によって上下に層分けし、下層の選別物は選別物取り出し装置によって取り出し、上層の選別物はオーバーフロー部にオーバーフローさせる比重選別機であり、オーバーフロー部には仕切りが設けられ、オーバーフロー部は当該仕切りによってオーバーフローの方向に対して遠近の部位に仕切られ、オーバーフロー部の仕切りの内、オーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内にモルタルをオーバーフローさせ、当該モルタルは、離脱装置に再度投入可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置である。
【0024】
請求項9記載の発明では、オーバーフロー部を有し、さらにこのオーバーフロー部が遠近の部位に仕切られている。本発明においては、土木・建築の廃材の破砕物の内、砂利・砕石は下層に集積し、選別物取り出し装置によって取り出される。一方軽い成分である塊状モルタルと、アスファルト、及び木片等の挟雑物は、オーバーフロー部に排出される。ここでオーバーフロー部に排出される上記した三者の内では、塊状モルタルは重く、他の二者は塊状モルタルに比べて著しく軽い。そのためオーバーフローの際にアスファルト及び木片等は、より遠くへ運ばれ、塊状モルタルは比較的近い位置に運ばれる。従ってオーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内に塊状モルタルが集まる。本発明は、この様にして塊状モルタルを集め、この塊状モルタルを再度離脱装置に投入する。その結果、塊状モルタルは再度離脱工程に付され、砂状となり、再生細骨材が生産される。
【0025】
また上記した目的を達成するための方法の発明は、コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を有効目開き25mmから35mmの篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0026】
上記した目的を達成するための他の方法の発明はコンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を、有効目開きが廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きい篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0027】
さらにもう一つの方法の発明は、アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルト成分を離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を有効目開き25mmから30mmの篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0028】
また、同様の目的を達成する発明は、アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルト成分を離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を、有効目開きが廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から50%大きい篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0029】
方法の発明に共通する改良発明は、離脱工程を経た骨材成分とモルタル又はアスファルトとの混合物を骨材成分とその他とに分離する分離工程を有し、該分離工程は、前記混合物を水中に浸し、該水に少なくとも下から上に向かう水流を発生させ、骨材成分とその他を上下の層に分離して行うことを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0030】
上記した発明に採用することが望ましい装置の発明は、水が満たされた水槽と、選別物取り出し装置と、オーバーフロー部を有し、前記水槽内に被選別物を配置し、水槽内の水に水流を発生させて被選別物を比重差によって上下に層分けし、下層の選別物は選別物取り出し装置によって取り出し、上層の選別物はオーバーフロー部にオーバーフローさせる比重選別機において、オーバーフロー部には仕切りが設けられ、オーバーフロー部は当該仕切りによってオーバーフローの方向に対して遠近の部位に仕切られていることを特徴とする比重選別機である。
【0031】
上記した発明を改良した発明は、多数の穴を穿設した眼鉄板によって底部を形成したバスケット部材を備え、該バスケット部材は水槽内に着脱可能に吊り下げられ、眼鉄板上には球体が配されていることを特徴とする請求項15記載の比重選別機である。
【0032】
また上記した比重選別機を活用した発明は、土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕された土木・建築の廃材を回転させることにより磨鉱して、廃材中の砂利砕石に付着したモルタル又はアスファルト成分を概ね剥離する磨鉱工程と、前記砂利砕石分と前記モルタル又はアスファルトの混合物から、砂利砕石、砂等を分離する分離工程とを有する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法であって、分離工程において、請求項15又は16に記載の比重選別機を使用してなることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0033】
また上記した発明に改良を加えた発明は、磨鉱工程において、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項17記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0034】
さらに異なる改良を加えた発明は、磨鉱工程において、中空体状の本体内部に回転方向の異なる磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項18に記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0035】
土木・建築の廃材から骨材を再生する方法では、磨鉱機は、中空体状の本体内部に回転方向の異なる磨鉱処理部材を備え、この磨鉱機を使用して砂利砕石分に付着したモルタル等を剥離するとともに、砂・モルタル等を選別する。従って、上記した方法によれば、相互に逆回転する中空体状の本体と磨鉱処理部材の回転羽根間へ供給するので、内側に偏心して回転する磨鉱処理部材による研磨圧縮力が増大し磨鉱性能が一段と向上し、かつ、骨材間の衝接が主として行われるので、骨材自体の粉砕を少なくし得る。
【0036】
さらに異なる改良を加えた発明は、オーバーフロー部の仕切りの内、オーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内にモルタルをオーバーフローさせ、当該モルタルに対して再度磨鉱工程を行うことを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法方法である。
【0037】
また上記の目的を達成するもう一つの発明は、アスファルトを主体とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕された土木・建築の廃材を回転させることにより磨鉱して、廃材中の砂利砕石に付着したアスファルト成分を概ね剥離する磨鉱工程と、前記砂利砕石分と前記モルタル又はアスファルトの混合物から、砂利砕石、砂等を分離する分離工程とを有する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程においては、固定板と移動板とが隙間を開けて対峙し、移動板が固定板に対して遠近方向に移動し、固定板と移動板との間で被破砕物を挟み潰すジョークラッシャーが使用され、該ジョークラッシャーの、前記固定板と移動板の少なくとも一方には、突起が設けられており、該突起によりアスファルトを主とする土木・建築の廃材を突くことを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【発明の効果】
【0038】
以上詳細に説明したように、本発明は、土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置であり、本発明は、再生骨材の収量を増加させることができる効果がある。特に請求項9,19の発明によると、再生細骨材の増産に寄与することができる効果がある。
【0039】
また本発明は、骨材成分とモルタル等とを容易に分離することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下さらに、本発明の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置の実施形態を説明する。図1乃至図5を利用して第一実施形態を説明する。第一実施形態は、コンクリートの廃材を主とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置として好適な例を示すものである。図1は、本発明の第一の実施形態を示す工程図である。本実施形態の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法は、大きく分けて破砕工程、磨鉱工程、分離工程より構成される。また装置については、各工程に応じてジョークラッシャー3およびインパクト破砕機91の両者によって構成される破砕装置と、磨鉱機51によって構成される離脱装置と、比重選別機6およびスパイラル分級機7によって構成される分離装置からなる。本実施形態においては、破砕工程は、コンクリートの廃材を一定の大きさに割ることに主眼がある。すなわち、一定のコンクリート廃材から一定の大きさの破砕物をなるべく多量に得ることを主目的としている。
【0041】
順次説明すると、破砕工程では、建設現場等で発生したコンクリート塊BがショベルD等によりコンクリートホッパー1内に投入される。該コンクリートホッパー1内に投入されたコンクリート塊Bは、往復動するレシプロフィダー2内により移動されて、振動篩70に通される。そして振動篩70によって、例えば直径100mm程度以上のものと、直径100mm程度以下のものとに選別し、直径100mm程度以上のものだけがジョークラッシャー3に投入される。このジョークラッシャー3は、固定板31と、可動板33とを有する。そして両者は対峙して配されており、可動板33は回転体32が回転することにより固定板31に向かって遠近方向に往復移動するものである。そしてジョークラッシャー3によって破砕されたコンクリート塊Bは、前記した振動篩70を通過したコンクリート塊Bと共に、篩装置4にかけられる。
【0042】
篩装置4は、本実施形態において特徴的な装置である。本実施形態は、コンクリートの廃材を主とする土木・建築の廃材から骨材を再生するものであるから、篩装置4の有効目開きは、25mmから35mmであることが必要である。本実施形態においては、篩装置4は、30mmの有効目開きを採用することとする。なお、コンクリートの廃材が例えばダムコンクリートであることが判明した場合のように、内部に大径の骨材が含まれていることが明らかである場合には、篩装置の有効目開きは廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きく設定することが望ましい。
【0043】
そして篩装置4では、直径30mm程度以上のものと、直径30mm程度以下のものとに選別される。篩装置4を通過した30mm程度以下のもの、すなわち篩下の破砕物は後記する磨鉱機51に送られる。一方篩装置4によってふるい分けられた30mm程度以上のもの、すなわち篩上の破砕物は、インパクト破砕機91に投入され、再度破砕される。そして、インパクト破砕機91によって再破砕された破砕物は、前述したジョークラッシャー3によって破砕されたコンクリート塊Bと共に、再度篩装置4にかけられる。もちろん再度篩装置4にかけても、なお30mm程度以上のものは、さらにもう一度インパクト破砕機91に投入され、破砕がくりかえされる。すなわちコンクリート塊Bは、破砕しては、篩にかけ、破砕しては篩にかける作業を繰り返し、直径が30mm程度のものができるだけ多量に得られるように工夫がされている。そして結果的に全てのコンクリート塊Bが30mm程度以下に破砕され、磨鉱機51に送られる。磨鉱機51に送られるコンクリート塊Bは、直径が30mm程度のものが多数を占める。また原石の割れは少ない。
【0044】
次の磨鉱工程は、ロッドミル状の磨鉱機51を利用して行う。図2は、上記磨鉱機51を示したものであり、中空体状の本体511の一方の側に砂利砕石分を投入する投入口513を設け、他方の側に排出口514を設けて、内部には若干のロッド棒512を備えている。さらに、該排出口514には、該排出口514の径を変化させるように移動可能な自在調整板515が設けられ、該自在調整板515を所定位置で固定して、排出する砂利砕石の直径を選択可能にしている。また、該排出口514の外側には、金網状の篩516でなるトロンメル式分級機517を設けている。なお、本実施形態では、ロッド棒を使用しているが、これを鉄製等の球状体でもよく、また、上記ロッド棒や球状体等の磨鉱処理部材を使用せずに、砂利砕石分同士を磨鉱させるようにしてもよい。
【0045】
磨鉱工程では、上記破砕工程で選別された砂利砕石分を水と共に磨鉱機51に投入して、回転する中空体状の本体511と、内部に設けた若干のロッド棒512間で磨鉱し、該砂利砕石分よりモルタルを剥離する。そして磨鉱機51から砂利砕石分と砂・モルタル、塊状モルタルおよびアスファルト・木片等の夾雑物の混合物として排出する。ここで磨鉱機51から排出された砂利砕石分は、砂利砕石に幾分のモルタルが付着しているものの、モルタルの付着量は磨鉱機51投入前に比べて格段に少ない。そして磨鉱機51から排出された砂利砕石分等の混合物は、その排出時に金網状の篩516でなるトロンメル式分級機517(図2参照)により、粒子の細かい砂・モルタルが選別される。
【0046】
次に、分離工程においては、まず、磨鉱機51より排出された砂利砕石分と塊状モルタル他の混合物は、比重選別機6に投入される。この比重選別機6は、上部の固定水槽62と、下部の可動水槽64をゴム等の可撓性を有するジョイントで結合したものであり、網状でなる眼鉄板61が中間に設けられている。そしてこの比重選別機6により、砂利砕石分とモルタルの混合物は、砂利砕石Jと塊状モルタル混合物Mとアスファルト・木片等の夾雑物Aと、水Wとに分離される。
【0047】
分離工程に使用する比重選別機6、およびその作用を詳細に説明すると次の通りである。図3は、前記比重選別機6の正面図である。また図4は、比重選別機6の断面図である。さらに図5は、比重選別機6の分解斜視図である。比重選別機6は、上部の固定水槽62と、下部の可動水槽64を有し、両者が可撓性部材を介して接続され、さらに固定水槽62の中に、バスケット75がつり下げられたものである。
【0048】
すなわち固定水槽62は、底の無い枠状の部材である。下部可動水槽64は、上部が開放された有底の部材であり、フレーム76に対してバネ78(図3参照)を介して浮動状に支持されている。そして固定水槽62の下部と下部可動水槽64の上部とは、ゴム等の可撓性をもったジョイント部材80によって、水漏れが無いように接続され、固定水槽62の下部と下部可動水槽64とが一体となって一つの水槽を構成している。そして両者が一体となった水槽中には、注水管82が配されており、常時水が注入されている。
【0049】
また下部可動水槽64の最下部には、クランク83が取り付けられ、該クランク83は、高速回転するメインモータ68と低速回転するサブモータ69とにより作動する駆動部63により回転される。従って下部水槽63は、メインモータ68とサブモータ69の回転によって、上下方向に振動する。また固定水槽62の端部には、選別物取り出し装置として機能するロータリーフィーダ85が取り付けられている。さらに固定水槽の上部であって、下流側の位置には、オーバーフロー部35が設けられている。オーバーフロー部35は、とゆ状の部材であり、長手方向に仕切り36があって、この仕切り36によって二つの部位に仕切られている。すなわちオーバーフロー部35は、あたかも2条の溝が形成されたような形状をしている。オーバーフロー部35は、固定水槽を横断して配置されている。従って上記したオーバーフロー部35の二つの部位は、水の流れ方向に対して遠近の位置にある。
【0050】
バスケット75は、一端から他端に掛けて傾斜が設けられており、底部には、前記した眼鉄板61が設けられている。ここで眼鉄板61は、図4の様に丸孔86が多数設けられた鋼板である。バスケット75の傾斜下流側は、側面が開放されている。バスケット75は、上部に桟87が設けられている。そしてバスケット75は該桟87を固定水槽62の上端に当接させ、固定水槽62中につり下げられている。バスケット75の中には、親指大の鋼球88が敷きつめられ、前記した眼鉄板61の孔86を塞いでいる。この鋼球88は、弁体の働きをする。
【0051】
比重選別機6では、メインモータ68とサブモータ69が回転され、クランク83を介して下部可動水槽64が振動すると、水槽は、底面が昇降することとなるため、水槽中には、衝撃的な上下方向の水流が発生する。そして、バスケット75内では水流は、下から上に向かう一方方向の流れであり、かつ衝撃的、間欠的な流れが発生する。
【0052】
すなわち下部可動水槽64が、上方に移動して水槽内の水に下から上に向かう衝撃的な水流が発生した時、固定水槽からバスケット75内に孔86を介して水が流れ込む。このとき、鋼球87は、バスケット75内にあり、且つ自由に移動可能であるから、水流に押されて移動し、眼鉄板61の孔を開放する。また水流は、孔から噴出し、骨材成分と塊状モルタルの間を吹き抜け、混合物に高い流動性を与える。
【0053】
そして次に下部可動水槽が、下方向に移動したとき、水槽内では、下方向の水流が発生するが、バスケット75内に限っては、水流は発生は小さい。すなわち下部可動水槽64が下方向に移動すると、水槽の底が下に降下することとなるが、バスケット75内では、下向きの水流によって鋼球88が移動し、眼鉄板61の孔86を閉鎖する。すなわち鋼球88が弁となってバスケット75から水槽側に水が流れることを阻止する。
【0054】
従って下部可動水槽64が振動することにより、バスケット75内では、衝撃的な脈流が発生する。バスケット75内に脈流が発生することに伴う、水槽の水の不足分は、注水管82によって補われる。なお本実施形態では、固定水槽62にバスケット75がつり下げられたものを採用したが、この構成は必須ではなく、固定水槽中に直接砂利砕石分とモルタルの混合物を投入する構成とすることも可能である。この構成を採用する場合には、固定水槽に固定的な眼鉄板を取付け、あたかも固定水槽の下部に直接孔が設けられた構成となる。
【0055】
全体の工程説明に戻ると、磨鉱機51より排出された砂利砕石分と塊状モルタルの混合物は、比重選別機6のバスケット75内に投入される。そして前記した様に下部可動水槽64は上下に振動し、バスケット75内では、下から上に向かう衝撃的な脈流が発生しており、混合物は、この脈流中にさらされる。そのため混合物は、振動を受けつつ、浮遊状態と沈降を繰り返す。そして塊状モルタル(図4においては三角で表示)と夾雑物は(図4においては四角で表示)は、砂利砕石分(図4においては丸で表示)に比べて水流発生時の浮遊力が大きく、かつ水流停止時の沈降量が少ない。そのため塊状モルタルと夾雑物は、徐々に上方向に移動し、反対に砂利砕石分は、徐々に下に潜る。そのため塊状モルタルおよび夾雑物と砂利砕石分は、上下2層に分離される。実際上は、完全な砂利砕石や、完全な塊状モルタルは少なく、多くはその両者が様々な割合でくっつき合ったものであるため、モルタルの付着量が多い砂利砕石は、上に移動し、モルタルの付着量が少ない砂利砕石が下に潜ることとなる。
【0056】
またバスケットの底面には傾斜が設けられているので、混合物は、この傾斜に沿って移動して行く。そのため混合物が、バスケットの傾斜側端部、すなわち開放面に至るときには、下層に砂利砕石分があり、上層には塊状モルタル等がある状態となっている。
【0057】
そして固定水槽62の端部に設けられてたロータリーフィーダ85によって、バスケット75の底部にある砂利砕石分だけが、取り出される。この砂利砕石分には、幾分のモルタル付着が認められるものの、粗骨材としての使用に十分耐える。従っては、ロータリーフィーダ85によって取り出された砂利砕石分は、最終製品たる再生粗骨材として利用される。
【0058】
一方上層に集まった塊状モルタルとアスファルト等の夾雑物は、固定水槽62からオーバフローし、オーバーフロー部35に回収される。ここでモルタルとアスファルト等の夾雑物では、比重が大きく相違する。そのためオーバーフローする際にアスファルト等の夾雑物は、より遠くへ運ばれ、オーバフロー部の遠い位置の仕切りに収容される。一方塊状モルタルについては、オーバフロー部35の近い位置の仕切りに収容される。塊状モルタルと夾雑物は、水と共にオーバフロー部35を流れ、所定の位置にストックされる。
【0059】
そして塊状モルタルについては、再度磨鉱機51に投入される。磨鉱機51への再投入は、磨鉱前のコンクリート塊に混ぜて同時に行ってもよいが、より望ましくは、磨鉱前のコンクリー塊とは別々に投入する。また磨鉱前のコンクリート塊を磨鉱する磨鉱機とは別途の磨鉱機を配備し、この磨鉱きモルタルを再投入することも推奨される。また塊状モルタルを磨鉱機51に投入するのは、塊状モルタルから細骨材を製造するためであるから、磨鉱機51に入れるロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材は、少し多めに入れることが望ましい。固定水槽62からオーバフローしたアスファルト等の夾雑物は、廃棄される。また先の工程で、トロンメル式分級機517によって選別された粒子の細かい砂・モルタルは、スパイラル分級機7に投入されて、スパイラル状羽根の回転を利用して、砂とモルタルとに分離される。この砂についても幾分のモルタル付着が認められるものの、細骨材としての使用に十分耐える。従って砂は、最終製品たる再生細骨材として利用される。
【0060】
上記した第一実施形態によれば、磨鉱機51により砂利砕石から確実にモルタルが除去されるので、砂Nや砂利砕石J等の製品は高品質となる。また、上記分離工程において、比重選別機やスパイラル分級機を使用することから、製品の分離をより的確に行うことができる。
【0061】
なお、上記第一実施形態の方法によって再生された粗骨材のデータを、日本工業規格JISA5005−1993[以下「日本工業規格」とのみいう。]のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表1に示す。この表1に示すデータで明らかな様に、本発明方法において廃材からなる再生粗骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0062】
【表1】

【0063】
また上記第一実施形態に基づく実験例による再生細骨材のデータを、日本工業規格のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表2に示す。この表2に示すデータで明らかな様に、本発明方法において廃材からなる再生細骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0064】
【表2】

【0065】
また本実施形態の様に篩装置4に有効目開き30mmのものを採用することにより、従来技術の様な20mmの有効目開きを採用したものに比べて約20%再生粗忽材の収量が増加した。実験的に篩装置4の網目を有効目開きが40mmのものに変更したところ、再生粗忽材の収量は増加するものの、再生粗忽材に多くのモルタルが残り、品質が明らかに低下した。
【0066】
以上の実施形態では、比較的簡単な構造の磨鉱機を採用したが、他の構造の磨鉱機も勿論採用可能である。以下に、他の構造の磨鉱機を紹介する。図6および図7は、変形例の磨鉱機51a、52aを示したものであり、中空体状の本体511aの一方の側に砂利砕石分を投入する投入口513a、他方の側に排出口514aを設けて、内側の長さ方向に多数の板状の突起部518aを備えている。さらに、該本体511aの内部には、該本体511aと異なる方向に回転する円筒状の磨鉱処理部材512aを設け、該磨鉱処理部材512aの外側の長さ方向にも多数の板状の突起部519aを備えている。また、該排出口514aには、該排出口514aの径を変化させるように移動可能な自在調整板515aが設けられ、該自在調整板515aを所定位置で固定して、排出する砂利砕石の直径を選択可能にしている。さらに、該排出口514aの外側には、金網状の篩516aでなるトロンメル式分級機517aを設けている。
【0067】
なお、図示するように、前記第一実施形態と同様、上記本体511aは、投入口513a側を大径、排出口514a側を小径のテーパ状としたので、排出口514a側へより移送しやすく、かつ、砂利砕石分を適度に滞留させて、均等の磨鉱を可能とし得る。さらに、上記本体511aの外周に設けた一対の外輪体520aは、クッション性を備えた駆動輪521aで駆動する構成となっていて、該外輪体520aの側部に当接して、上記本体511aの軸方向を支持して回転可能に図示しないタイヤでなる車輪が配設されている。
【0068】
以上の実施例は、いずれもコンクリートを主とした土木・建築廃材から骨材を製造するものであるが、本発明は、アスファルトを主とした土木・建築廃材から骨材を製造する場合にも応用可能である。アスファルトを主とした土木・建築廃材から骨材を製造する場合に本発明を利用するにあたって注意する点は、次の通りである。すなわち前記した装置の内、ジョークラッシャー3は、図8の様に固定板あるいは移動板に爪又は角状の突起90を設けたものであることが望ましい。この理由は、アスファルトが粘性をもっているため、突起90によってこれを突き崩す様に破砕することが効果的だからである。尚、突起90の形状は、例えば図8の様な略三角形状のものが挙げられ、可動板の波形形状の先端部分であって、可動板の下端近くの位置に設けることが推奨される。
【0069】
また篩装置4の有効目開きは、コンクリート廃材の場合に比べて幾分小さいことが望ましく、具体的には、篩装置の有効目開きは25mmから30mmであることが必要である。本発明者の実験によると、篩装置の有効目開きが25mm未満のものを採用した場合には、アスファルトを主とする土木・建築廃材においても、原石が割れ、収量が大幅に低下した。また試みに篩装置4の網目を有効目開きが30mmを越えるもの(具体的には35mmで実験)に変更したところ、再生粗忽材の収量は増加するものの、再生粗忽材に多くのアスファルトが残り、品質が明らかに低下した。
【0070】
なお、上記した方法によってアスファルトを主とした土木・建築廃材から製造した粗骨材のデータを、日本工業規格のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表3に示す。この表3に示すデータで明らかな様に、本発明方法において廃材からなる再生粗骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0071】
【表3】

【0072】
また上記第一実施形態に基づく実験例による再生細骨材のデータを、日本工業規格のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表4に示す。この表4に示すデータで明らかな様に、本発明方法において廃材からなる再生細骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0073】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態を示す全体の工程図である。
【図2】本発明の実施形態に使用する磨鉱機の要部を示す側断面図である。
【図3】本発明の実施形態に使用する比重選別機の正面図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態に使用する比重選別機の断面図であり、(b)は、比重選別機のオーバフロー部の拡大断面図である。
【図5】本発明の実施形態に使用する比重選別機の分解斜視図である
【図6】本発明の第二の実施形態に使用する磨鉱機の要部を示す側断面図である。
【図7】図6のA−A線上の端面図である。
【図8】アスファルト廃材用のジョークラッシャーの要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
51 磨鉱機
512 ロッド棒(磨鉱処理部材)
75 バスケット
6 比重選別機
7 スパイラル分級機
M 塊状モルタル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比重選別機と、建築現場や土木作業現場等で生じるコンクリートやアスファルトの廃材から、高品質の砂利・砕石等の骨材を分離して再生可能とした、土木・建築の廃材から骨材を再生する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、道路工事や建築工事はいたる所で日常的に行われており、それに伴って日々夥しい量のコンクリートやアスファルトの廃材が発生する。この土木・建築の廃材は、資源の有効利用の観点から、何らかの活用をすることが望ましい。
【0003】
そこで、土木・建築の廃材の用途として、土木・建築の廃材を破砕して砂利や砕石を取り出し、これをコンクリートやアスファルト廃材を骨材として活用する方策が研究された。これまでに提案された土木・建築の廃材から砂利や砕石を取り出す方策は、廃材を砂利や砕石の大きさまで破砕し、この破砕物をそのまま粗骨材として使用するものであった。具体的には従来技術では、ジョークラッシャー等の破砕装置によって、土木・建築の廃材を破砕し、これを有効目開きが20mmの篩装置にかけ、篩下の廃材をさらに有効目開きが5mmの篩装置にかけ篩上の廃材を粗骨材として利用していた。従来技術では、廃材を破砕装置にかける工程は、いわゆるワンパスである。また従来技術では、ジョークラッシャー等の破砕装置は、20mmの篩を通るまで破砕することを目的としている。すなわち従来技術では、コンクリート廃材等の殆どすべてが、20mmの篩を通る様に、徹底的に破砕される。従って従来技術においては、破砕物の粒子径は、20mm以下のものが多い。また従来技術では、破砕物の粒子径のばらつきが大きい。さらに上記した骨材の再生方法は、いずれも廃材から粗骨材を取り出すものであり、細骨材を再生する方策については、なんら提案されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の様に廃材をただ単に砂利や砕石の大きさまで破砕して得た粗骨材は、砂利・砕石に多量のモルタル等が付着している。加えて従来技術の骨材は、塊状のモルタル等も多く混在している。そのため従来技術の再生粗骨材は、吸水性が高く、骨材としての品質が劣悪である。そこで本発明者らは、再生骨材の品質を向上させるべく研究を重ねた。そして廃材を破砕した後、磨鉱して砂利・砕石等に付着したモルタル等を離脱させ、さらに比重選別機によって砂利・砕石と、塊状モルタル等を分離することにより、品質の優れた再生粗骨材を製造することに成功した。しかしながら、再生された粗骨材の収量について検討したところ、再生された粗骨材は、コンクリート廃材の中に含まれているであろう量に比べて、相当に少ないものであった。すなわち従来技術の方法は、再生粗骨材の収量が少ないと言う欠点があった。
【0005】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、再生粗骨材の収量に優れた、土木・建築の廃材から骨材を再生する方法の提供を課題とする。また加えて本発明は、前記方法を実施する際に使用される比重選別機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するための請求項1記載の発明は、水が満たされた水槽と、選別物取り出し装置と、オーバーフロー部を有し、前記水槽内に被選別物を配置し、水槽内の水に水流を発生させて被選別物を比重差によって上下に層分けし、下層の選別物は選別物取り出し装置によって取り出し、上層の選別物はオーバーフロー部にオーバーフローさせる比重選別機において、オーバーフロー部には仕切りが設けられ、オーバーフロー部は当該仕切りによってオーバーフローの方向に対して遠近の部位に仕切られていることを特徴とする比重選別機である。
【0007】
また同様の目的を達成するための請求項2記載の発明は、多数の穴を穿設した眼鉄板によって底部を形成したバスケット部材を備え、該バスケット部材は水槽内に着脱可能に吊り下げられ、眼鉄板上には球体が配されていることを特徴とする請求項1記載の比重選別機である。
【0008】
また上記した比重選別機を活用した発明は、土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕された土木・建築の廃材を回転させることにより磨鉱して、廃材中の砂利砕石に付着したモルタル又はアスファルト成分を概ね剥離する磨鉱工程と、前記砂利砕石分と前記モルタル又はアスファルトの混合物から、砂利砕石、砂等を分離する分離工程とを有する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法であって、分離工程において、請求項又はに記載の比重選別機を使用してなることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0009】
また上記した発明に改良を加えた発明は、磨鉱工程において、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0010】
さらに異なる改良を加えた発明は、磨鉱工程において、中空体状の本体内部に回転方向の異なる磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項に記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【0011】
土木・建築の廃材から骨材を再生する方法では、磨鉱機は、中空体状の本体内部に回転方向の異なる磨鉱処理部材を備え、この磨鉱機を使用して砂利砕石分に付着したモルタル等を剥離するとともに、砂・モルタル等を選別する。従って、上記した方法によれば、相互に逆回転する中空体状の本体と磨鉱処理部材の回転羽根間へ供給するので、内側に偏心して回転する磨鉱処理部材による研磨圧縮力が増大し磨鉱性能が一段と向上し、かつ、骨材間の衝接が主として行われるので、骨材自体の粉砕を少なくし得る。
【0012】
さらに異なる改良を加えた発明は、オーバーフロー部の仕切りの内、オーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内にモルタルをオーバーフローさせ、当該モルタルに対して再度磨鉱工程を行うことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法である。
【発明の効果】
【0013】
以上詳細に説明したように、本発明は、比重選別機と、この比重選別機を使用する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法であり、本発明は、再生骨材の収量を増加させることができる効果がある。特に請求項の発明によると、再生細骨材の増産に寄与することができる効果がある。
【0014】
また本発明は、骨材成分とモルタル等とを容易に分離することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下さらに、本発明の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置の実施形態を説明する。図1乃至図5を利用して第一実施形態を説明する。第一実施形態は、コンクリートの廃材を主とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法およびその装置として好適な例を示すものである。図1は、本発明の第一の実施形態を示す工程図である。本実施形態の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法は、大きく分けて破砕工程、磨鉱工程、分離工程より構成される。また装置については、各工程に応じてジョークラッシャー3およびインパクト破砕機91の両者によって構成される破砕装置と、磨鉱機51によって構成される離脱装置と、比重選別機6およびスパイラル分級機7によって構成される分離装置からなる。本実施形態においては、破砕工程は、コンクリートの廃材を一定の大きさに割ることに主眼がある。すなわち、一定のコンクリート廃材から一定の大きさの破砕物をなるべく多量に得ることを主目的としている。
【0016】
順次説明すると、破砕工程では、建設現場等で発生したコンクリート塊BがショベルD等によりコンクリートホッパー1内に投入される。該コンクリートホッパー1内に投入されたコンクリート塊Bは、往復動するレシプロフィダー2内により移動されて、振動篩70に通される。そして振動篩70によって、例えば直径100mm程度以上のものと、直径100mm程度以下のものとに選別し、直径100mm程度以上のものだけがジョークラッシャー3に投入される。このジョークラッシャー3は、固定板31と、可動板33とを有する。そして両者は対峙して配されており、可動板33は回転体32が回転することにより固定板31に向かって遠近方向に往復移動するものである。そしてジョークラッシャー3によって破砕されたコンクリート塊Bは、前記した振動篩70を通過したコンクリート塊Bと共に、篩装置4にかけられる。
【0017】
篩装置4は、本実施形態において特徴的な装置である。本実施形態は、コンクリートの廃材を主とする土木・建築の廃材から骨材を再生するものであるから、篩装置4の有効目開きは、25mmから35mmであることが必要である。本実施形態においては、篩装置4は、30mmの有効目開きを採用することとする。なお、コンクリートの廃材が例えばダムコンクリートであることが判明した場合のように、内部に大径の骨材が含まれていることが明らかである場合には、篩装置の有効目開きは廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きく設定することが望ましい。
【0018】
そして篩装置4では、直径30mm程度以上のものと、直径30mm程度以下のものとに選別される。篩装置4を通過した30mm程度以下のもの、すなわち篩下の破砕物は後記する磨鉱機51に送られる。一方篩装置4によってふるい分けられた30mm程度以上のもの、すなわち篩上の破砕物は、インパクト破砕機91に投入され、再度破砕される。そして、インパクト破砕機91によって再破砕された破砕物は、前述したジョークラッシャー3によって破砕されたコンクリート塊Bと共に、再度篩装置4にかけられる。もちろん再度篩装置4にかけても、なお30mm程度以上のものは、さらにもう一度インパクト破砕機91に投入され、破砕がくりかえされる。すなわちコンクリート塊Bは、破砕しては、篩にかけ、破砕しては篩にかける作業を繰り返し、直径が30mm程度のものができるだけ多量に得られるように工夫がされている。そして結果的に全てのコンクリート塊Bが30mm程度以下に破砕され、磨鉱機51に送られる。磨鉱機51に送られるコンクリート塊Bは、直径が30mm程度のものが多数を占める。また原石の割れは少ない。
【0019】
次の磨鉱工程は、ロッドミル状の磨鉱機51を利用して行う。図2は、上記磨鉱機51を示したものであり、中空体状の本体511の一方の側に砂利砕石分を投入する投入口513を設け、他方の側に排出口514を設けて、内部には若干のロッド棒512を備えている。さらに、該排出口514には、該排出口514の径を変化させるように移動可能な自在調整板515が設けられ、該自在調整板515を所定位置で固定して、排出する砂利砕石の直径を選択可能にしている。また、該排出口514の外側には、金網状の篩516でなるトロンメル式分級機517を設けている。なお、本実施形態では、ロッド棒を使用しているが、これを鉄製等の球状体でもよく、また、上記ロッド棒や球状体等の磨鉱処理部材を使用せずに、砂利砕石分同士を磨鉱させるようにしてもよい。
【0020】
磨鉱工程では、上記破砕工程で選別された砂利砕石分を水と共に磨鉱機51に投入して、回転する中空体状の本体511と、内部に設けた若干のロッド棒512間で磨鉱し、該砂利砕石分よりモルタルを剥離する。そして磨鉱機51から砂利砕石分と砂・モルタル、塊状モルタルおよびアスファルト・木片等の夾雑物の混合物として排出する。ここで磨鉱機51から排出された砂利砕石分は、砂利砕石に幾分のモルタルが付着しているものの、モルタルの付着量は磨鉱機51投入前に比べて格段に少ない。そして磨鉱機51から排出された砂利砕石分等の混合物は、その排出時に金網状の篩516でなるトロンメル式分級機517(図2参照)により、粒子の細かい砂・モルタルが選別される。
【0021】
次に、分離工程においては、まず、磨鉱機51より排出された砂利砕石分と塊状モルタル他の混合物は、比重選別機6に投入される。この比重選別機6は、上部の固定水槽62と、下部の可動水槽64をゴム等の可撓性を有するジョイントで結合したものであり、網状でなる眼鉄板61が中間に設けられている。そしてこの比重選別機6により、砂利砕石分とモルタルの混合物は、砂利砕石Jと塊状モルタル混合物Mとアスファルト・木片等の夾雑物Aと、水Wとに分離される。
【0022】
分離工程に使用する比重選別機6、およびその作用を詳細に説明すると次の通りである。図3は、前記比重選別機6の正面図である。また図4は、比重選別機6の断面図である。さらに図5は、比重選別機6の分解斜視図である。比重選別機6は、上部の固定水槽62と、下部の可動水槽64を有し、両者が可撓性部材を介して接続され、さらに固定水槽62の中に、バスケット75がつり下げられたものである。
【0023】
すなわち固定水槽62は、底の無い枠状の部材である。下部可動水槽64は、上部が開放された有底の部材であり、フレーム76に対してバネ78(図3参照)を介して浮動状に支持されている。そして固定水槽62の下部と下部可動水槽64の上部とは、ゴム等の可撓性をもったジョイント部材80によって、水漏れが無いように接続され、固定水槽62の下部と下部可動水槽64とが一体となって一つの水槽を構成している。そして両者が一体となった水槽中には、注水管82が配されており、常時水が注入されている。
【0024】
また下部可動水槽64の最下部には、クランク83が取り付けられ、該クランク83は、高速回転するメインモータ68と低速回転するサブモータ69とにより作動する駆動部63により回転される。従って可動水槽64は、メインモータ68とサブモータ69の回転によって、上下方向に振動する。また固定水槽62の端部には、選別物取り出し装置として機能するロータリーフィーダ85が取り付けられている。さらに固定水槽62の上部であって、下流側の位置には、オーバーフロー部35が設けられている。オーバーフロー部35は、とゆ状の部材であり、長手方向に仕切り36があって、この仕切り36によって二つの部位に仕切られている。すなわちオーバーフロー部35は、あたかも2条の溝が形成されたような形状をしている。オーバーフロー部35は、固定水槽62を横断して配置されている。従って上記したオーバーフロー部35の二つの部位は、水の流れ方向に対して遠近の位置にある。
【0025】
バスケット75は、一端から他端に掛けて傾斜が設けられており、底部には、前記した眼鉄板61が設けられている。ここで眼鉄板61は、図4の様に丸孔86が多数設けられた鋼板である。バスケット75の傾斜下流側は、側面が開放されている。バスケット75は、上部に桟87が設けられている。そしてバスケット75は該桟87を固定水槽62の上端に当接させ、固定水槽62中につり下げられている。バスケット75の中には、親指大の鋼球88が敷きつめられ、前記した眼鉄板61の孔86を塞いでいる。この鋼球88は、弁体の働きをする。
【0026】
比重選別機6では、メインモータ68とサブモータ69が回転され、クランク83を介して下部可動水槽64が振動すると、水槽は、底面が昇降することとなるため、水槽中には、衝撃的な上下方向の水流が発生する。そして、バスケット75内では水流は、下から上に向かう一方方向の流れであり、かつ衝撃的、間欠的な流れが発生する。
【0027】
すなわち下部可動水槽64が、上方に移動して水槽内の水に下から上に向かう衝撃的な水流が発生した時、固定水槽62からバスケット75内に孔86を介して水が流れ込む。このとき、鋼球88は、バスケット75内にあり、且つ自由に移動可能であるから、水流に押されて移動し、眼鉄板61の孔86を開放する。また水流は、孔86から噴出し、骨材成分と塊状モルタルの間を吹き抜け、混合物に高い流動性を与える。
ここで骨材成分とは、砂利や砕石等の粗骨材および、砂等の細骨材の双方を指すものである。
【0028】
そして次に下部可動水槽64が、下方向に移動したとき、水槽内では、下方向の水流が発生するが、バスケット75内に限っては、水流発生は小さい。すなわち下部可動水槽64が下方向に移動すると、水槽の底が下に降下することとなるが、バスケット75内では、下向きの水流によって鋼球88が移動し、眼鉄板61の孔86を閉鎖する。すなわち鋼球88が弁となってバスケット75から水槽側に水が流れることを阻止する。
【0029】
従って下部可動水槽64が振動することにより、バスケット75内では、衝撃的な脈流が発生する。バスケット75内に脈流が発生することに伴う、水槽の水の不足分は、注水管82によって補われる。なお本実施形態では、固定水槽62にバスケット75がつり下げられたものを採用したが、この構成は必須ではなく、固定水槽中に直接砂利砕石分とモルタルの混合物を投入する構成とすることも可能である。この構成を採用する場合には、固定水槽に固定的な眼鉄板を取付け、あたかも固定水槽の下部に直接孔が設けられた構成となる。
【0030】
全体の工程説明に戻ると、磨鉱機51より排出された砂利砕石分と塊状モルタルの混合物は、比重選別機6のバスケット75内に投入される。そして前記した様に下部可動水槽64は上下に振動し、バスケット75内では、下から上に向かう衝撃的な脈流が発生しており、混合物は、この脈流中にさらされる。そのため混合物は、振動を受けつつ、浮遊状態と沈降を繰り返す。そして塊状モルタル(図4においては三角で表示)と夾雑物図4においては四角で表示)は、砂利砕石分(図4においては丸で表示)に比べて水流発生時の浮遊力が大きく、かつ水流停止時の沈降量が少ない。そのため塊状モルタルと夾雑物は、徐々に上方向に移動し、反対に砂利砕石分は、徐々に下に潜る。そのため塊状モルタルおよび夾雑物と砂利砕石分は、上下2層に分離される。実際上は、完全な砂利砕石や、完全な塊状モルタルは少なく、多くはその両者が様々な割合でくっつき合ったものであるため、モルタルの付着量が多い砂利砕石は、上に移動し、モルタルの付着量が少ない砂利砕石が下に潜ることとなる。
【0031】
またバスケット75の底面には傾斜が設けられているので、混合物は、この傾斜に沿って移動して行く。そのため混合物が、バスケット75の傾斜側端部、すなわち開放面に至るときには、下層に砂利砕石分があり、上層には塊状モルタル等がある状態となっている。
【0032】
そして固定水槽62の端部に設けられたロータリーフィーダ85によって、バスケット75の底部にある砂利砕石分だけが、取り出される。この砂利砕石分には、幾分のモルタル付着が認められるものの、粗骨材としての使用に十分耐える。従って、ロータリーフィーダ85によって取り出された砂利砕石分は、最終製品たる再生粗骨材として利用される。
【0033】
一方上層に集まった塊状モルタルとアスファルト等の夾雑物は、固定水槽62からオーバフローし、オーバーフロー部35に回収される。ここでモルタルとアスファルト等の夾雑物では、比重が大きく相違する。そのためオーバーフローする際にアスファルト等の夾雑物は、より遠くへ運ばれ、オーバフロー部の遠い位置の仕切りに収容される。一方塊状モルタルについては、オーバフロー部35の近い位置の仕切りに収容される。塊状モルタルと夾雑物は、水と共にオーバフロー部35を流れ、所定の位置にストックされる。
【0034】
そして塊状モルタルについては、再度磨鉱機51に投入される。磨鉱機51への再投入は、磨鉱前のコンクリート塊に混ぜて同時に行ってもよいが、より望ましくは、磨鉱前のコンクリー塊とは別々に投入する。また磨鉱前のコンクリート塊を磨鉱する磨鉱機51とは別途の磨鉱機を配備し、この磨鉱モルタルを再投入することも推奨される。また塊状モルタルを磨鉱機51に投入するのは、塊状モルタルから細骨材を製造するためであるから、磨鉱機51に入れるロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材は、少し多めに入れることが望ましい。固定水槽62からオーバフローしたアスファルト等の夾雑物は、廃棄される。また先の工程で、トロンメル式分級機517によって選別された粒子の細かい砂・モルタルは、スパイラル分級機7に投入されて、スパイラル状羽根の回転を利用して、砂とモルタルとに分離される。この砂についても幾分のモルタル付着が認められるものの、細骨材としての使用に十分耐える。従って砂は、最終製品たる再生細骨材として利用される。
【0035】
上記した第一実施形態によれば、磨鉱機51により砂利砕石から確実にモルタルが除去されるので、砂Nや砂利砕石J等の製品は高品質となる。また、上記分離工程において、比重選別機やスパイラル分級機を使用することから、製品の分離をより的確に行うことができる。
【0036】
なお、上記第一実施形態の方法によって再生された粗骨材のデータを、日本工業規格JISA5005−1993[以下「日本工業規格」とのみいう。]のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表1に示す。この表1に示すデータで明らかな様に、本発明における再生粗骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0037】
【表1】

【0038】
また上記第一実施形態に基づく実験例による再生細骨材のデータを、日本工業規格のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表2に示す。この表2に示すデータで明らかな様に、本発明における再生細骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0039】
【表2】

【0040】
また本実施形態の様に篩装置4に有効目開き30mmのものを採用することにより、従来技術の様な20mmの有効目開きを採用したものに比べて約20%再生粗材の収量が増加した。実験的に篩装置4の網目を有効目開きが40mmのものに変更したところ、再生粗材の収量は増加するものの、再生粗材に多くのモルタルが残り、品質が明らかに低下した。
【0041】
以上の実施形態では、比較的簡単な構造の磨鉱機51を採用したが、他の構造の磨鉱機も勿論採用可能である。以下に、他の構造の磨鉱機を紹介する。図6および図7は、変形例の磨鉱機51a、52aを示したものであり、中空体状の本体511aの一方の側に砂利砕石分を投入する投入口513a、他方の側に排出口514aを設けて、内側の長さ方向に多数の板状の突起部518aを備えている。さらに、該本体511aの内部には、該本体511aと異なる方向に回転する円筒状の磨鉱処理部材512aを設け、該磨鉱処理部材512aの外側の長さ方向にも多数の板状の突起部519aを備えている。また、該排出口514aには、該排出口514aの径を変化させるように移動可能な自在調整板515aが設けられ、該自在調整板515aを所定位置で固定して、排出する砂利砕石の直径を選択可能にしている。さらに、該排出口514aの外側には、金網状の篩516aでなるトロンメル式分級機517aを設けている。
【0042】
なお、図示するように、前記第一実施形態と同様、上記本体511aは、投入口513a側を大径、排出口514a側を小径のテーパ状としたので、排出口514a側へより移送しやすく、かつ、砂利砕石分を適度に滞留させて、均等の磨鉱を可能とし得る。さらに、上記本体511aの外周に設けた一対の外輪体520aは、クッション性を備えた駆動輪521aで駆動する構成となっていて、該外輪体520aの側部に当接して、上記本体511aの軸方向を支持して回転可能に図示しないタイヤでなる車輪が配設されている。
【0043】
以上の実施例は、いずれもコンクリートを主とした土木・建築廃材から骨材を製造するものであるが、本発明は、アスファルトを主とした土木・建築廃材から骨材を製造する場合にも応用可能である。アスファルトを主とした土木・建築廃材から骨材を製造する場合に本発明を利用するにあたって注意する点は、次の通りである。すなわち前記した装置の内、ジョークラッシャー3は、図8の様に固定板あるいは移動板に爪又は角状の突起90を設けたものであることが望ましい。この理由は、アスファルトが粘性をもっているため、突起90によってこれを突き崩す様に破砕することが効果的だからである。尚、突起90の形状は、例えば図8の様な略三角形状のものが挙げられ、可動板の波形形状の先端部分であって、可動板の下端近くの位置に設けることが推奨される。
【0044】
また篩装置4の有効目開きは、コンクリート廃材の場合に比べて幾分小さいことが望ましく、具体的には、篩装置の有効目開きは25mmから30mmであることが必要である。本発明者の実験によると、篩装置の有効目開きが25mm未満のものを採用した場合には、アスファルトを主とする土木・建築廃材においても、原石が割れ、収量が大幅に低下した。また試みに篩装置4の網目を有効目開きが30mmを越えるもの(具体的には35mmで実験)に変更したところ、再生粗材の収量は増加するものの、再生粗材に多くのアスファルトが残り、品質が明らかに低下した。
【0045】
なお、上記した方法によってアスファルトを主とした土木・建築廃材から製造した粗骨材のデータを、日本工業規格のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表3に示す。この表3に示すデータで明らかな様に、本発明における再生粗骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0046】
【表3】

【0047】
また上記第一実施形態に基づく実験例による再生細骨材のデータを、日本工業規格のコンクリート用砕石の物理的性質と比較して下記の表4に示す。この表4に示すデータで明らかな様に、本発明における再生細骨材の品質は、日本工業規格に示された数値よりかなり高品質なものとなることが明瞭である。
【0048】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態を示す全体の工程図である。
【図2】本発明の実施形態に使用する磨鉱機の要部を示す側断面図である。
【図3】本発明の実施形態に使用する比重選別機の正面図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態に使用する比重選別機の断面図であり、(b)は、比重選別機のオーバフロー部の拡大断面図である。
【図5】本発明の実施形態に使用する比重選別機の分解斜視図である
【図6】本発明の第二の実施形態に使用する磨鉱機の要部を示す側断面図である。
【図7】図6のA−A線上の端面図である。
【図8】アスファルト廃材用のジョークラッシャーの要部の斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
51 磨鉱機
512 ロッド棒(磨鉱処理部材)
75 バスケット
6 比重選別機
7 スパイラル分級機
M 塊状モルタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは25mmから35mmであり、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項2】
コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きく、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項3】
アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルトを離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは25mmから30mmであり、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項4】
アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕装置と、破砕された廃材を篩う篩装置と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルト成分を離脱させる離脱装置とを備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する装置において、篩装置の有効目開きは廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から50%大きく、篩下の廃材は、離脱装置に送られて骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけられることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項5】
破砕装置は、固定板と移動板とが隙間を開けて対峙し、移動板が固定板に対して遠近方向に移動し、固定板と移動板との間で被破砕物を挟み潰すジョークラッシャーであり、前記固定板と移動板の少なくとも一方には、突起が設けられており、該突起によりアスファルトを主とする土木・建築の廃材を突くことを特徴とする請求項3又は4記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項6】
離脱装置は、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒および/又は球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項7】
離脱装置から排出される骨材成分とモルタル又はアスファルト等との混合物を骨材成分とその他とに分離する分離装置を有し、該分離装置は、水が満たされた水槽を有し、該水槽内の水に衝撃的な上向きの水流を発生させて骨材成分とモルタル又はアスファルトを比重差によって選別する比重選別機であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項8】
分離装置たる比重選別機の水槽は、上部の固定水槽と上下に振動する下部水槽とによって構成され、両者は可撓性部材を介して一体の水槽として接続され、固定水槽には、底部には孔が設けられたバスケットが取り付けられ、バスケット内には金属球が配され、下部水槽を上下に振動させることにより、水槽内に下から上に向かう水流を発生させ、バスケットの孔からバスケットに水が導入され、バスケットに下から上に向かう水流が発生されることを特徴とする請求項7記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項9】
分離装置は、水が満たされた水槽と、選別物取り出し装置と、オーバーフロー部を有し、前記水槽内に被選別物を配置し、水槽内の水に水流を発生させて被選別物を比重差によって上下に層分けし、下層の選別物は選別物取り出し装置によって取り出し、上層の選別物はオーバーフロー部にオーバーフローさせる比重選別機であり、オーバーフロー部には仕切りが設けられ、オーバーフロー部は当該仕切りによってオーバーフローの方向に対して遠近の部位に仕切られ、オーバーフロー部の仕切りの内、オーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内にモルタルをオーバーフローさせ、当該モルタルは、離脱装置に再度投入可能であることを特徴とする請求項7又は8に記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する装置。
【請求項10】
コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を有効目開き25mmから35mmの篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項11】
コンクリートを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からモルタルを離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を、有効目開きが廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から75%大きい篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からモルタルを離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項12】
アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルト成分を離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を有効目開き25mmから30mmの篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項13】
アスファルトを主とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕された廃材中の骨材成分からアスファルト成分を離脱させる離脱工程を備えた土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程では、破砕装置によって廃材を破砕し、当該廃材を、有効目開きが廃材中の主な粗骨材の最大径に対して25%から50%大きい篩にかけ、篩下の廃材は、離脱工程に送って骨材成分からアスファルト成分を離脱させ、篩上の廃材は、再度破砕装置にかけて破砕することを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項14】
離脱工程を経た骨材成分とモルタル又はアスファルトとの混合物を骨材成分とその他とに分離する分離工程を有し、該分離工程は、前記混合物を水中に浸し、該水に少なくとも下から上に向かう水流を発生させ、骨材成分とその他を上下の層に分離して行うことを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項15】
水が満たされた水槽と、選別物取り出し装置と、オーバーフロー部を有し、前記水槽内に被選別物を配置し、水槽内の水に水流を発生させて被選別物を比重差によって上下に層分けし、下層の選別物は選別物取り出し装置によって取り出し、上層の選別物はオーバーフロー部にオーバーフローさせる比重選別機において、オーバーフロー部には仕切りが設けられ、オーバーフロー部は当該仕切りによってオーバーフローの方向に対して遠近の部位に仕切られていることを特徴とする比重選別機。
【請求項16】
多数の穴を穿設した眼鉄板によって底部を形成したバスケット部材を備え、該バスケット部材は水槽内に着脱可能に吊り下げられ、眼鉄板上には球体が配されていることを特徴とする請求項15記載の比重選別機。
【請求項17】
土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕された土木・建築の廃材を回転させることにより磨鉱して、廃材中の砂利砕石に付着したモルタル又はアスファルト成分を概ね剥離する磨鉱工程と、前記砂利砕石分と前記モルタル又はアスファルトの混合物から、砂利砕石、砂等を分離する分離工程とを有する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法であって、分離工程において、請求項15又は16に記載の比重選別機を使用してなることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項18】
磨鉱工程において、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項17記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項19】
磨鉱工程において、中空体状の本体内部に回転方向の異なる磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項18に記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項20】
オーバーフロー部の仕切りの内、オーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内にモルタルをオーバーフローさせ、当該モルタルに対して再度磨鉱工程を行うことを特徴とする請求項17乃至19のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項21】
アスファルトを主体とする土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕された土木・建築の廃材を回転させることにより磨鉱して、廃材中の砂利砕石に付着したアスファルト成分を概ね剥離する磨鉱工程と、前記砂利砕石分と前記モルタル又はアスファルトの混合物から、砂利砕石、砂等を分離する分離工程とを有する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法において、破砕工程においては、固定板と移動板とが隙間を開けて対峙し、移動板が固定板に対して遠近方向に移動し、固定板と移動板との間で被破砕物を挟み潰すジョークラッシャーが使用され、該ジョークラッシャーの、前記固定板と移動板の少なくとも一方には、突起が設けられており、該突起によりアスファルトを主とする土木・建築の廃材を突くことを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が満たされた水槽と、選別物取り出し装置と、オーバーフロー部を有し、前記水槽内に被選別物を配置し、水槽内の水に水流を発生させて被選別物を比重差によって上下に層分けし、下層の選別物は選別物取り出し装置によって取り出し、上層の選別物はオーバーフロー部にオーバーフローさせる比重選別機において、オーバーフロー部には仕切りが設けられ、オーバーフロー部は当該仕切りによってオーバーフローの方向に対して遠近の部位に仕切られていることを特徴とする比重選別機。
【請求項2】
多数の穴を穿設した眼鉄板によって底部を形成したバスケット部材を備え、該バスケット部材は水槽内に着脱可能に吊り下げられ、眼鉄板上には球体が配されていることを特徴とする請求項1記載の比重選別機。
【請求項3】
土木・建築の廃材を破砕する破砕工程と、破砕工程によって破砕された土木・建築の廃材を回転させることにより磨鉱して、廃材中の砂利砕石に付着したモルタル又はアスファルト成分を概ね剥離する磨鉱工程と、前記砂利砕石分と前記モルタル又はアスファルトの混合物から、砂利砕石、砂等を分離する分離工程とを有する土木・建築の廃材から骨材を再生する方法であって、分離工程において、請求項1又は2に記載の比重選別機を使用してなることを特徴とする土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項4】
磨鉱工程において、中空体状の本体内部に適宜のロッド棒、球状体等の磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項3記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項5】
磨鉱工程において、中空体状の本体内部に回転方向の異なる磨鉱処理部材を備えた磨鉱機を使用してなる請求項4に記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。
【請求項6】
オーバーフロー部の仕切りの内、オーバーフローの方向に対して近い位置の仕切り内にモルタルをオーバーフローさせ、当該モルタルに対して再度磨鉱工程を行うことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の土木・建築の廃材から骨材を再生する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−35223(P2006−35223A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272932(P2005−272932)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【分割の表示】特願平8−199794の分割
【原出願日】平成8年7月9日(1996.7.9)
【出願人】(505073406)EACLE有限会社 (10)
【Fターム(参考)】