説明

水中油型乳化化粧料

【課題】みずみずしい使用感で、肌のハリ感と保湿効果に優れ、しかも経時安定性にも優れた水中油型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】成分(a)リン脂質、成分(b)非イオン性界面活性剤、成分(c)高級アルコール、成分(d)油、成分(e)多価アルコール、成分(f)水を含有し、成分(d)の含有量が1〜30質量%であり、成分(d)中に固形油及び/又はペースト油を40質量%以上含有し、且つ、成分(a)及び成分(b)の総含有量と成分(d)の含有量比が、質量比で2:1〜1:10であり、更に乳化滴の粒径が1μm以下であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン脂質、非イオン性界面活性剤、高級アルコール、油、多価アルコール及び水を含有する水中油型乳化化粧料において、油として固形油及び/又はペースト油を特定量含有し、乳化滴の粒径が1μm以下であることを特徴とする水中油型乳化化粧料に関するものであり、更に詳しくは、みずみずしい使用感で、肌のハリ感と保湿効果に優れ、しかも経時安定性にも優れた水中油型乳化化粧料に関するものである
【背景技術】
【0002】
人の肌は、加齢に伴い、部分的に弾力が失われて、いわゆる肌のたるみ等が現れてくる。このような症状が現れてきた人を対象に、肌に水分を補い、肌のたるみを引き上げる化粧料が多数発売されている。このような化粧料は、固形油やペースト油を多量に配合する(例えば、特許文献1参照)方法等が用いられていた。また、水中油型乳化化粧料において、乳化剤としてリン脂質とショ糖脂肪酸エステルを併用する方法、イオン性界面活性剤と特定の脂肪族アルコール等を併用する方法等により、乳化滴の粒径を微細にし、みずみずしい使用感を高める方法が開示されている。(例えば、特許文献2及び3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−62382号公報(第1頁−第9頁)
【特許文献2】特開平8−143420号公報(第1頁−第6頁)
【特許文献3】特開2001−157835号公報(第1頁−第7頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、固形油やペースト油を多量に配合する方法では、乳化滴の凝集や合一、結晶析出等を生じ、経時安定性の確保が困難であった。また、乳化剤としてリン脂質とショ糖脂肪酸エステルを併用する方法や、イオン性界面活性剤と特定の脂肪族アルコール等を併用する方法では、微細な乳化滴を保ったままで、固形油やペースト油を多量に乳化することは困難であった。
【0005】
このため、みずみずしい使用感で、肌のハリ感と保湿効果に優れ、しかも経時安定性にも優れた水中油型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、リン脂質、非イオン性界面活性剤、高級アルコール、油、多価アルコール及び水を含有する水中油型乳化化粧料において、油として固形油及び/又はペースト油を特定量含有し、乳化滴の粒径が1μm以下となる水中油型乳化化粧料が、前記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(f);
(a)リン脂質
(b)非イオン性界面活性剤
(c)高級アルコール
(d)油
(e)多価アルコール
(f)水
を含有し、成分(d)の含有量が1〜30質量%であり、成分(d)中に固形油及び/又はペースト油を40質量%以上含有し、且つ、成分(a)及び成分(b)の総含有量と成分(d)の含有量比が、質量比で2:1〜1:10であり、更に乳化滴の粒径が1μm以下であることを特徴とする水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0008】
また、前記成分(d)の含有量が3〜25質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0009】
そして、成分(b)がポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル及びポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする前記水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【0010】
更に、化粧料が、目元専用化粧料であることを特徴とする前記の何れかの水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水中油型乳化化粧料は、みずみずしい使用感で、肌のハリ感と保湿効果に優れ、しかも経時安定性にも優れた水中油型乳化化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に用いられる成分(a)リン脂質は、本発明の水中油型乳化化粧料において、乳化剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられるリン脂質であれば何れのものも用いることができる。具体的には、大豆由来リン脂質、大豆由来水素添加リン脂質、大豆由来リゾリン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来リン脂質、卵黄由来水素添加リン脂質、卵黄由来リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0013】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(a)の含有量は、0.1〜10質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。成分(a)の含有量がこの範囲であると、より乳化力と経時安定性に優れる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0014】
本発明に用いられる成分(b)非イオン性界面活性剤は、本発明の水中油型乳化化粧料において、乳化剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられる非イオン性界面活性剤であれば何れものも用いることができる。具体的には、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも、成分(b)として、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル及びポリオキシエチレンフィトスタノールエーテルから選ばれる一種又は二種以上を選択すると、より微細な乳化滴を得易く、経時安定性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。また、これら非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン鎖は、乳化滴を細かくする観点より、5〜60モルのものが望ましい。
【0015】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(b)の含有量は、0.1〜10%が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。成分(b)の含有量がこの範囲であると、より乳化性が良好であり、より経時安定性に優れる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0016】
本発明に用いられる成分(c)高級アルコールは、本発明の水中油型乳化化粧料において、乳化助剤として機能するものであり、通常の化粧料に用いられる高級アルコールであれば何れのものも用いることができる。具体的には、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも、成分(c)として、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロールの何れかを選択すると、より微細な乳化滴を得易く、よりみずみずしく、経時安定性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0017】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(c)の含有量は、0.01〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。成分(c)の含有量がこの範囲であると、より乳化性が良好であり、より経時安定性に優れる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0018】
本発明に用いられる成分(d)油は、通常の化粧料に用いられる油であれば、固形、ペースト、液体の何れのものも用いることができる。具体的には、液体油とし、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ヒマシ油、液状ラノリン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。また、ペースト油としては、カカオ脂、シアバター、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン)エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデマナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。更に、固形油としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセライド、トリベヘン酸グリセリル、ステアリル変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0019】
本発明において、成分(d)中には、前記固形油及び/又はペースト油を40%以上含有することが必須であり、より好ましくは50%以上含有することが好ましい。成分(d)中における、前記固形油及び/又はペースト油の含有量が40%未満であると、肌に十分なハリ感を与えることができない。
【0020】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(d)の含有量は、1〜30%であることが必須であり、3〜25%が好ましい。成分(d)の含有量が1%未満であると、肌に十分なハリ感を与えることができず、保湿効果も良好ではない。また、成分(d)の含有量が30%を超えると、塗布時にべたつきを生じ、みずみずしい使用感を得ることができない。
【0021】
本発明の水中油型乳化化粧料においては、成分(a)及び成分(b)の総含有量と成分(d)の含有量比が、質量比で2:1〜1:10であることが必須であり、1:1〜1:10が好ましい。成分(a)及び成分(b)の総含有量が、成分(d)の含有量の2倍を超えると、塗布時にべたつきを生じ使用性が悪くなる。また、成分(a)及び成分(b)の総含有量が、成分(d)の含有量の0.1倍未満であると、微細な乳化滴が得られず、経時安定性も悪くなる。
【0022】
本発明に用いられる成分(e)多価アルコールは、通常の化粧料に用いられる多価アルコールであれば何れのものも用いることができる。具体的には、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これらの中でも、成分(e)として、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンの何れかを選択すると、より微細な乳化滴を得易く、経時安定性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(e)の含有量は、1〜40%が好ましく、2〜30%がより好ましい。成分(e)の含有量がこの範囲であると、みずみずしい使用感で、より保湿効果に優れる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0024】
本発明に用いられる成分(f)水は、水中油型乳化化粧料の外相を形成する成分である。本発明の水中油型乳化化粧料における成分(f)の含有量は、50〜95%が好ましい。成分(f)の含有量がこの範囲であると、よりみずみずしい使用感に優れる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0025】
本発明の水中油型乳化化粧料における乳化滴の粒径は、1μm以下であることが必須であり、0.5μm以下がより好ましい。乳化滴の粒径が1μmを超えると、みずみずしい使用感を得ることができない。
【0026】
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記必須成分の他に、通常の化粧料に用いられる成分として、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、水性成分、水溶性高分子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粉体、香料、防腐剤、着色剤、美容成分等を本発明の効果を損なわない範囲にて含有することができる。
【0027】
本発明の水中油型乳化化粧料は、美容液、化粧水、乳液、クリーム、パック、整髪料、シェービングローション、日焼け止め料等の基礎化粧料、ファンデーション、下地料、コンシーラー、マスカラ等のメーキャップ化粧料に適用可能である。尚、本発明の効果が顕著に発揮される化粧料としては、目元用乳液、目元用クリーム、目元用美容液等の目元用化粧料である。更に、本発明の水中油型乳化化粧料の形態としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状等の何れでも良い。
【実施例】
【0028】
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜8及び比較例1〜8:目元用乳液
表1及び表2に示す組成の目元用乳液を以下に示す製造方法により調製し、「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」、「経時安定性」、「乳化滴の粒径」の其々の項目について、以下に示す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
(製造方法)
A:成分1〜8を70℃に加温し、混合する。
B:成分11の一部に成分9を溶解し、成分10を加えて混合する。
C:成分11の残部を70℃に加温する。
D:[A]に[C]を添加して、乳化する。
E:[D]を40℃まで冷却し、[C]を添加し、均一に混合する。
F:[E]を容器に充填して、目元用乳液を得た。
【0032】
〔評価方法:「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」〕
化粧品評価専門パネル20名に前記実施例及び比較例の目元用乳液を使用してもらい、「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」について、各自が以下の基準に従って5段階評価し乳液毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満: ○
1.5以上〜3.5未満: △
1.5未満 : ×
【0033】
〔評価方法:「経時安定性」〕
前記実施例及び比較例の目元用乳液を、40℃の恒温槽に6ヶ月保管し、6ヵ月後の状態を目視にて、以下の判定基準により判定した。
判定基準:
[外観の状態] :[判 定]
6ヶ月で変化無し : ◎
6ヶ月で僅かなクリーミング: ○
(使用性に問題無し)
1ヶ月でクリーミング : △
1週間でクリーミング : ×
【0034】
〔評価方法:「乳化滴の粒径」〕
前記実施例及び比較例の目元用乳液を光学顕微鏡(1000倍)で観察し、乳化滴の粒径が1μm以下であるものは○、1μmを超えるものは×と判定した。
【0035】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜8の目元用乳液は、「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」、「経時安定性」の全ての項目に優れ、しかも何れの乳液の乳化滴も1μm以下の水中油型乳化化粧料であった。一方、リン脂質、非イオン性界面活性剤、高級アルコールを其々含有しない比較例1〜3の目元用乳液は、何れも、乳化滴の粒径が1μmを超え、経時安定性が良好ではなかった。また、油中に固形油やペースト油を含有しない比較例4は、保湿効果と肌へのハリ感が良好ではなかった。そして、多価アルコールを含有しない比較例5は、乳化滴の粒径が1μmを超え、保湿効果が良好ではなかった。更に、油の含有量が30%を超える比較例6は、みずみずしい使用感と肌へのハリ感が良好ではなかった。そして更に、油中の固形油及びペースト油含有量が40%未満である比較例7及び8は、何れも、肌へのハリ感が良好ではなかった。
【0036】
実施例9:目元用化粧水
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 0.2
2.ポリオキシエチレン(30)コレスタノールエーテル 0.8
3.セトステアリルアルコール 0.5
4.スクワラン 0.5
5.デカメチルシクロペンタシロキサン 0.5
6.ミツロウ 1.5
7.グリセリン 5
8.ジプロピレングリコール 4
9.精製水 残量
10.エタノール 5
11.防腐剤 適量
12.香料 0.1
【0037】
(製造方法)
A:成分1〜8を70℃に加温し、混合する。
B:成分9を70℃に加温する。
C:[A]に[B]を添加して、乳化する。
D:[C]を40℃まで冷却し、成分10〜12を添加し、均一に混合する。
E:[D]を容器に充填して、目元用化粧水を得た。
実施例9の目元用化粧水は、「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」、「経時安定性」の全ての項目に優れ、しかも何れの乳液の乳化滴も1μm以下の水中油型乳化化粧料であった。
【0038】
実施例10:美容液
(成分) (%)
1.水素添加卵黄リン脂質 1.5
2.ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル 1
3.ベヘニルアルコール 3
4.マカデミアナッツ油 5
5.流動パラフィン 5
6.N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ
(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル) 3
7.オレイン酸フィトステリル 8
8.グリセリン 12
9.1,3−ブチレングリコール 6
10.精製水 残量
11.キサンタンガム 0.1
12.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1
13.防腐剤 適量
14.香料 0.05
【0039】
(製造方法)
A:成分1〜9を70℃に加温し、混合する。
B:成分10の一部に成分11〜12を溶解し、混合する。
C:成分10の残部を70℃に加温する。
D:[A]に[C]を添加して、乳化する。
E:[D]を40℃まで冷却し、[C]及び成分13〜14を添加し、均一に混合する。
F:[E]を容器に充填して、美容液を得た。
実施例10の美容液は、「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」、「経時安定性」の全ての項目に優れ、しかも何れの乳液の乳化滴も1μm以下の水中油型乳化化粧料であった。
【0040】
実施例11:目元用クリーム
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 2
2.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 3
3.ステアリルアルコール 3
4.スクワラン 10
5.パラフィンワックス 5
6.キャンデリラワックス 3
7.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(注1) 5
8.グリセリン 10
9.プロピレングリコール 10
10.精製水 残量
11.ポリビニルピロリドン 1.5
12.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.3
13.トリエタノールアミン 0.1
14.防腐剤 適量
15.香料 0.1
※注1:コスモール168AR(日清オイリオ社製)
※注2:カーボポール1342(グッドリッチケミカル社製)
【0041】
(製造方法)
A:成分1〜9を70℃に加温し、混合する。
B:成分10の一部に成分11〜12を溶解し、成分13を添加し、混合する。
C:成分10の残部を70℃に加温する。
D:[A]に[C]を添加して、乳化する。
E:[D]を40℃まで冷却し、[C]及び成分14〜15を添加し、均一に混合する。
F:[E]を容器に充填して、目元用クリームを得た。
実施例11の目元用クリームは、「みずみずしい使用感」、「保湿効果」、「肌へのハリ感」、「経時安定性」の全ての項目に優れ、しかも何れの乳液の乳化滴も1μm以下の水中油型乳化化粧料であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(f);
(a)リン脂質
(b)非イオン性界面活性剤
(c)高級アルコール
(d)油(但し(b)及び(c)は除く)
(e)多価アルコール
(f)水
を含有し、成分(d)の含有量が1〜30質量%であり、成分(d)中に固形油及び/又はペースト油を40質量%以上含有し、成分(a)及び成分(b)の総含有量と成分(d)の含有量比が、質量比で2:1〜1:10であり、乳化滴の粒径が1μm以下であり、並びに
成分(a)〜(e)を混合後、成分(f)を添加して乳化してなる水中油型乳化化粧料(但し、ジェット流による微粒子処理されたものを除く)。
【請求項2】
成分(b)が、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びエチレングリコール脂肪酸エステルから選択される一種又は二種以上の非イオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
成分(c)が、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、及びフィトステロールから選択される一種又は二種以上の高級アルコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
成分(a)の含有量が0.1〜10質量%であり、成分(b)の含有量が0.1〜10質量%であり、及び成分(c)の含有量が0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項5】
成分(d)の含有量が3〜25質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項6】
乳化滴の粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項7】
目元用化粧料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項8】
次の成分(a)〜(f);
(a)リン脂質
(b)非イオン性界面活性剤
(c)高級アルコール
(d)油(但し(b)及び(c)は除く)
(e)多価アルコール
(f)水
を含有し、成分(d)の含有量が1〜30質量%であり、成分(d)中に固形油及び/又はペースト油を40質量%以上含有し、且つ、成分(a)及び成分(b)の総含有量と成分(d)の含有量比が、質量比で2:1〜1:10であり、更に乳化滴の粒径が1μm以下である水中油型乳化化粧料の製造方法であって、
成分(a)〜(e)を混合後、成分(f)を添加して乳化することを含む前記水中油型乳化化粧料の製造方法(但し、ジェット流による微粒子処理を含む方法を除く)。

【公開番号】特開2010−53150(P2010−53150A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278630(P2009−278630)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【分割の表示】特願2003−358920(P2003−358920)の分割
【原出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】