説明

水性媒質を処理するための処理添加剤及び方法

懸濁物を含有する水性媒質を清澄化する方法が提供される。この方法は、懸濁物を含有する水性媒質中に、懸濁物を凝結・凝集させる処理添加剤を分散させた後、処理した水性媒質から懸濁物を分離する。処理添加剤は、溶液重合で調製され、約0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤を有する架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーを含む。処理添加剤組成物及び処理添加剤の作成方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性媒質を処理するための方法と処理添加剤、より詳細には、水性媒質を清澄化する方法及び処理添加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
河川、湖又は地下水源からの水のような原水は通常懸濁物を含有している。家庭用及び産業用途での使用に適した水を提供するには、こうした懸濁物を除去しなければならない。懸濁物は沈降によって容易に除去できる大きな固体を含んでいることもあれば、沈降で容易に除去されない他の懸濁物(多くの場合コロイド状である)を含んでいることもある。これらの懸濁物は通例、凝結(coagulation)、凝集(floculation)及び沈殿(sedimentation)の段階を含む清澄化によって除去される。天然の懸濁粒子は殆どが負に荷電しており、通例、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(GE Betz社から入手可能なKlaraid(登録商標)PC1192P又はPearl River Polymers社のPRP 4420)のような水溶性有機カチオン性ポリマーを用いて除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5510439号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水性媒質から懸濁物を除去するための改良清澄化方法を提供することができれば望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、懸濁物を含有する水性媒質を清澄化する方法は、懸濁物を含有する水性媒質に処理添加剤を分散させて懸濁物を凝結・凝集させた後、処理した水性媒質から懸濁物を分離することを含んでおり、処理添加剤は約0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤を有する溶液重合で製造された架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーからなる。
【0006】
別の実施形態では、水溶性処理添加剤組成物は、
(a)ジアリルジアルキルアンモニウムハライドと、
(b)架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤と、
(c)開始剤と、
(d)任意成分としてのキレート剤と
の溶液重合反応生成物からなる。
【0007】
別の実施形態では、架橋ポリマーを含む水溶性処理添加剤の製造方法は、水性溶液中でジアリルジアルキルアンモニウムハライド、架橋剤及び開始剤並びに任意成分としてのキレート剤からなるブレンドを重合させることを含んでおり、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%以上0.1モル%未満の量で存在する。
【発明の効果】
【0008】
様々な実施形態では、水溶性処理添加剤を調製するための改良法、水性媒質中の懸濁物を凝結・凝集させるための改良法、及び水性媒質を清澄化するための改良法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
単数形で記載したものであっても、文脈から別途明らかでない限り、複数の場合も包含する。同じ特性について述べた範囲はすべてその上下限を含み、独立に結合可能である。引用した文献の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0010】
数量に用いられる「約」という修飾語は、記載の数値を含み、文脈毎に決まる意味をもつ(例えば、特定の数量の測定に付随する誤差範囲を含む)。
【0011】
「任意」又は「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起こらなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを包含する。
【0012】
一実施形態では、架橋ポリマーを含む水溶性処理添加剤の製造方法は、水溶液中で、ジアリルジアルキルアンモニウムハライド、架橋剤及び開始剤並びに任意成分としてのキレート剤からなるブレンドを重合させることを含んでおり、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%以上0.1モル%未満存在する。
【0013】
一実施形態では、ジアリルジアルキルアンモニウムハライドはC1〜C10アルキル基を有する。
【0014】
別の実施形態では、アルキル基はメチル、エチル、プロピル又はブチルである。一実施形態では、ハライドはクロリド(塩化物)、ブロミド(臭化物)又はヨージド(ヨウ化物)である。
【0015】
架橋剤は適切な架橋剤であれば任意のものでよい。一実施形態では、架橋剤はトリアリルアンモニウムクロリド(A3ACl)又はテトラアリルアンモニウムクロリド(A4ACl)である。
【0016】
開始剤は過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、酸素及び亜硫酸ナトリウム若しくはメタ重亜硫酸ナトリウム、2,2−アゾビス(2−メチル−2−アミジノプロパン)二塩酸塩、過硫酸アンモニウム又は過酸第一鉄アンモニウム六水和物である。
【0017】
ジアリルジアルキルアンモニウムハライド、架橋剤及び開始剤を水溶液中でブレンドする。一実施形態では、水溶液は水である。別の実施形態では、水溶液は脱イオン水である。一実施形態では、ブレンドは、その反応に適した温度で重合させればよい。一実施形態では、ブレンドは約25℃〜約150℃の温度で重合させる。一実施形態では、重合反応時間はブレンドの重合に適した時間であればよい。別の実施形態では、重合反応時間は約1〜約5時間である。
【0018】
架橋剤は、架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%以上0.1モル%未満有する架橋ポリマーの調製に適した量で添加すればよい。別の実施形態では、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%〜約0.09モル%の量で存在する。別の実施形態では、架橋剤は、架橋ポリマーを基準にして約0.0025〜約0.08モル%の量で存在する。別の実施形態では、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.005〜約0.05モル%の量で存在する。一実施形態では、架橋剤はモル基準でジアリルジアルキルアンモニウムハライドに対して約25〜約100ppmで存在する。
【0019】
一実施形態では、開始剤の量はジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして約2重量%〜約3重量%である。
【0020】
反応の促進又は架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドの収率の向上のため、慣用の添加剤を反応に添加してもよい。一実施形態では、キレート剤を添加して、重合を阻害しかねない反応混合物中の金属を錯化してもよい。一実施形態では、キレート剤はジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩である。
【0021】
一実施形態では、キレート剤はジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして約0.05〜約10重量%の量で添加し得る。別の実施形態では、キレート剤はジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして約0.1〜約5重量%の量で添加し得る。
【0022】
処理添加剤は水溶性架橋ポリマーである。一実施形態では、処理添加剤は構造I又は構造IIを有する。
【0023】
【化1】

式中、mは約10〜約100であり、nは約1000〜約1000000である。
【0024】
別の実施形態では、処理添加剤は架橋ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)である。
【0025】
一実施形態では、架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドは約5000〜約800000amuの範囲の重量平均分子量を有する。別の実施形態では、重量平均分子量は約100000〜約500000amuである。固有粘度は約500〜約2500センチポアズである。
【0026】
一実施形態では、懸濁物を含有する水性媒質を清澄化する方法は、懸濁物を含有する水性媒質中に、懸濁物を凝結・凝集させるための処理添加剤を分散させた後、処理した水性媒質から懸濁物を分離することを含んでおり、処理添加剤は約0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤を有する溶液重合で製造された架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーを含む。
【0027】
処理される水性媒質は懸濁物を有する種類の水性媒質である。一実施形態では、水性媒質は水である。別の実施形態では、水性媒質は廃水又は河川、湖若しくは地下水源からの原水である。廃水としては、精油所、石油化学産業、化学産業、製鉄業、圧延産業、自動車産業、繊維産業、並びに食肉及び食品加工産業からの一次及び油性廃水流を挙げることができる。
【0028】
懸濁物は水性媒質中に懸濁又は分散している有機又は無機固形物であり、残渣、脂肪質及びタンパク質のような有機物、油、グリース、油性廃棄物、析出金属、懸濁クレイ、泥又はシルト(silt)である。これらの懸濁物は大きな固形物その他の懸濁粒状物を含有していることがあり、コロイド状であることもある。
【0029】
処理添加剤は水性媒質中で懸濁物を凝結・凝集させるカチオン性で水溶性架橋ポリマーである。天然の懸濁粒子は大部分が負に荷電している。凝結は懸濁物上の電荷を中和する過程である。一旦中和されると、粒子はもはや互いに反発することがなく、集合することができる。凝集は中和又は凝結物を合体させてより大きい凝結塊又はフロックを形成する過程である。その後、この凝結塊は、水性媒質を清澄化し精製するために水性媒質から分離される。
【0030】
一実施形態では、処理添加剤は架橋ポリジアリルジアルキルアンモニウムハライドである。そのアルキル基はC1〜C10アルキル基である。別の実施形態では、アルキル基はメチル、エチル、プロピル又はブチルである。一実施形態では、ハライドはクロリド、ブロミド又はヨージドである。別の実施形態では、処理添加剤は架橋ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)である。
【0031】
ジアリルジアルキルアンモニウムハライドは任意の適切な架橋剤で架橋し得る。一実施形態では、ジアリルジアルキルアンモニウムクロリドはトリアリルアンモニウムクロリド(A3ACl)又はテトラアリルアンモニウムクロリド(A4ACl)で架橋される。
【0032】
一実施形態では、処理添加剤は構造I又は構造IIを有する。
【0033】
【化2−1】

【0034】
【化2−2】

式中、mは約10〜約100であり、nは約1000〜約1000000である。
【0035】
架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドは、架橋剤及び開始剤の存在下でジアリルジアルキルアンモニウムハライドの水溶液重合により調製することができる。開始剤は過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、酸素と亜硫酸ナトリウム若しくはメタ重亜硫酸ナトリウム、2,2−アゾビス(2−メチル−2−アミジノプロパン)二塩酸塩、過硫酸アンモニウム又は過硫酸第一鉄アンモニウム六水和物である。一実施形態では、この反応の温度は約25℃〜約150℃である。別の実施形態では、反応時間は約1〜約5時間である。
【0036】
慣用の添加剤を反応に添加して、反応を促進し、又は架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドの収率を高めることができる。一実施形態では、キレート剤を添加して、反応の際に重合を阻害しかねない金属を錯化してもよい。一実施形態では、キレート剤はジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩である。
【0037】
一実施形態では、キレート剤はジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして約0.05〜約10重量%の量で添加することができる。別の実施形態では、キレート剤はジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして約0.1〜約5重量%の量で添加することができる。
【0038】
架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%以上0.1モル%未満存在する。別の実施形態では、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%〜約0.09モル%の量で存在する。別の実施形態では、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.0025〜約0.08モル%の量で存在する。別の実施形態では、架橋剤は架橋ポリマーを基準にして約0.005〜約0.05モル%の量で存在する。
【0039】
一実施形態では、開始剤の量はジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして約2重量%〜約3重量%である。
【0040】
架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドは約5000〜約800000amuの範囲の重量平均分子量を有する。別の実施形態では、重量平均分子量は約100000〜約500000amuである。固有粘度は約500〜約2500センチポアズである。
【0041】
処理添加剤は、任意の慣用の方法で水性媒質中に分散させる。一実施形態では、処理添加剤を水性媒質に加え、溶解するまで混合する。別の実施形態では、処理添加剤を水性媒質と共に激しく撹拌する。一実施形態では、処理添加剤を約10秒〜約5分水性媒質と混合する。
【0042】
処理添加剤は水性媒質を清澄化するのに充分な量で添加される。一実施形態では、処理添加剤は水性媒質の重量を基準にして約1重量ppm〜約10重量ppmの量で添加される。
【0043】
凝結物は、処理した水性媒質から任意の慣用の方法で分離される。一実施形態では、凝結物は水性媒質から沈殿する。別の実施形態では、凝結物は濾過によって水性媒質から分離される。
【0044】
別の実施形態では、処理添加剤組成物は、
(a)ジアリルジアルキルアンモニウムハライドと、
(b)架橋ポリマーを基準にして約0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤と、
(c)開始剤と、
(d)任意成分としてのキレート剤と
の溶液重合反応生成物からなる。
【0045】
ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマー、架橋剤、キレート剤及び開始剤については上に記載した。
【実施例】
【0046】
当業者がより容易に本発明を実施することができるように、例示のために、非限定的な実施例を以下に挙げる。
【0047】
実施例1
機械式オーバーヘッド攪拌機、熱電対、還流凝縮器、窒素スパージ管、隔膜付きの添加口及び加熱マントルを備えた300mlの四つ首反応フラスコに、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(100g、65%水溶液)、テトラアリルアンモニウムクロリド(A4ACl)(50ppm、モル基準)、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩(0.1g、40%水溶液)及び脱イオン水(150g)を入れた。得られた溶液を次に窒素スパージ下で混合しながら80℃に加熱した。次に、5mlの開始剤溶液(20mlの脱イオン水に溶解した3gの過硫酸アンモニウム)を反応器に入れ、そのバッチを80℃に1時間保持した。その後、第2の開始剤溶液の5ml試料を反応器に加え、そのバッチを80℃に1時間保持した。次に、残りの開始剤溶液を反応器に加え、そのバッチを80℃で1時間保持した。この保持の後、バッチを脱イオン水で18wt%活性分に調節し、室温に冷却して、体積粘性率が865cpsの透明な粘性の水溶液を得た。
【0048】
実施例2
実施例2は、モル基準で25ppmのA4AClを使用した以外は実施例1に従って調製した。
【0049】
実施例3
実施例3は、モル基準で100ppmのA4AClを使用した以外は実施例1に従って調製した。
【0050】
実施例1〜3及び比較例(CE−A−1、CE−A−2、CE−B、CE−C及びCE−D)の物理的特性を表1にまとめて示す。
【0051】
【表1】

実施例4
実施例1〜3の水清澄化効力を確かめるために、2つの実験室で調製した河川水を試験基質として用いて評価を行った。どちらの基質も脱イオン水、試薬級化学品、天然のクレイ及びフミン酸を含有していた。
【0052】
合成Lower Neches Valley Authority(LNVA)河川水という第1の基質を、典型的な媒質濁度河川の組成を近似するために調製した。これは以下の組成を有する。
濁度=99.5〜100ntu
合計懸濁固体=300mg/L
真の色=185〜186Pt−Co色単位
pH=6.75〜6.78
Ca=20mg/L(CaCO3として)
Mg=10mg/L(CaCO3として)
合成Mississippi河川水という第2の基質を、高い濁度、高い硬度の河川の組成を近似するために調製した。これは以下の組成を有する。
濁度=198〜220ntu
合計懸濁固体=457mg/L
真の色=152〜157Pt−Co色単位
pH=7.47〜7.52
Ca=100mg/L(CaCO3として)
Mg=51mg/L(CaCO3として)
これらの評価に使用した方法は、典型的なフルスケール水処理浄化器の作動を擬似して設計された標準ジャー試験法であった。以下に記載する手順を用いて処理した後水中に残る残留濁度及び残留する真の色を測定することによって、各ポリマーの相対的水清澄化効力を決定した。濁度は、水中に懸濁している固体汚染物質の量の指標として測定した。真の色は、水中の天然の腐植汚染物質の量の指標として測定した。
【0053】
全ての試験は、高さ1”×幅2”の櫂を備えたPhipps and Bird 6−Paddle Stirrerを用いて行った。手順を以下に記載する。
1)200mlの試験基質を250mlのガラスビーカーに入れる。
2)基質を100rpmで混合しながらポリマー溶液を試験基質に加える。
3)100rpmで2分混合する。
4)35rpmで5分混合する。
5)混合を止め、櫂を除去し、5分放置して固体を沈殿させる。
6)上清水の試料を分析のために採取する。
7)Hach Model 2100AN Turbidimeterを用いて上清試料の濁度を測定する。
8)Hach DR/2000 Spectrophotometerを用いて上清試料の真の色を測定する。
【0054】
実施例1〜3及び比較例A〜Dの水清澄化試験の結果を下記表2及び3に掲げる。
【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

実施例1及び3は、比較例より、濁度を除去する上でずっと有効であり、真の色の値がより低かった。実施例2は比較例より良好な濁度除去を示していたが、より高い濃度の架橋剤を有する実施例1及び3ほどには有効でなかった。
【0057】
例示の目的で典型的な実施形態について記載してきたが、以上の記載は本発明の範囲を非限定的な。従って、本発明の思想と範囲から逸脱することなく様々な修正、適合及び変更が当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋ポリマーを含む水溶性処理添加剤の製造方法であって、当該方法が、水溶液中でジアリルジアルキルアンモニウムハライドと架橋剤と開始剤と任意にはキレート剤からなるブレンドを重合させることを含んでおり、上記架橋剤が架橋ポリマーを基準にして0.001モル%以上0.1モル%未満の量で存在する、方法。
【請求項2】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーがC1〜C10アルキル基を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記アルキル基がメチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムハライドがクロリド、ブロミド及びヨージドからなる群から選択されるハライドを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーがポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記架橋剤がトリアリルアンモニウムクロリド又はテトラアリルアンモニウムクロリドである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記開始剤が、過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、酸素と亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、2,2−アゾビス(2−メチル−2−アミジノプロパン)二塩酸塩、過硫酸アンモニウム及び過酸第一鉄アンモニウム六水和物からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記水溶液が水である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ブレンドを25℃〜150℃の温度で重合させる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記処理添加剤が次式の構造I又は構造IIを有する、請求項1記載の方法。
【化1】

式中、mは10〜100であり、nは1000〜1000000である。
【請求項11】
前記キレート剤が、ジアリルジアルキルアンモニウムハライドの重量を基準にして0.05〜10重量%の量で添加される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記処理添加剤が架橋ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
懸濁物を含有する水性媒質を清澄化する方法であって、当該方法が、懸濁物を含有する水性媒質中に、懸濁物を凝結・凝集させるための処理添加剤を分散させた後、処理した水性媒質から懸濁物を分離することを含んでおり、上記処理添加剤が溶液重合で調製された架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーを含んでいて、0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤を有する、方法。
【請求項14】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーがポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記水性媒質が水である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記水が廃水、又は河川、湖若しくは地下水源からの原水である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記懸濁物が有機又は無機固形物である、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記懸濁物が脂肪質及びタンパク質、油、グリース、油性廃棄物、析出金属、懸濁クレイ、泥又はシルトを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記アルキル基がC1〜C10アルキル基である、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記アルキル基がメチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記ハライドがクロリド、ブロミド及びヨージドからなる群から選択される、請求項13記載の方法。
【請求項22】
前記処理添加剤が次式の構造I又は構造IIを有する、請求項13記載の方法。
【化2−1】

【化2−2】

式中、mは10〜100であり、nは1000〜1000000である。
【請求項23】
前記架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドが5000〜800000amuの範囲の重量平均分子量を有する、請求項13記載の方法。
【請求項24】
前記架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドが500〜2500センチポアズの固有粘度を有する、請求項13記載の方法。
【請求項25】
前記処理添加剤を水性媒質中に溶解させる、請求項13記載の方法。
【請求項26】
前記処理添加剤を水性媒質と共に10秒〜5分間撹拌する、請求項13記載の方法。
【請求項27】
前記処理添加剤が、水性媒質の重量を基準にして1重量ppm〜10重量ppmの量で添加される、請求項13記載の方法。
【請求項28】
凝結物を、沈降又は濾過によって水性媒質から分離する、請求項13記載の方法。
【請求項29】
前記架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドが0.001モル%〜0.09モル%の架橋剤を有する、請求項13記載の方法。
【請求項30】
(a)ジアリルジアルキルアンモニウムハライドと、
(b)架橋ポリマーを基準にして0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤と、
(c)開始剤と、
(d)任意成分としてのキレート剤と
の溶液重合反応生成物からなる処理添加剤組成物。
【請求項31】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーがポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項30記載の組成物。
【請求項32】
前記アルキル基がC1〜C10アルキル基である、請求項30記載の組成物。
【請求項33】
前記アルキル基がメチル、エチル、プロピル及びブチルからなる群から選択される、請求項32記載の組成物。
【請求項34】
前記ハライドがクロリド、ブロミド及びヨージドからなる群から選択される、請求項30記載の組成物。
【請求項35】
前記架橋剤が0.001モル%〜0.09モル%の量で存在する、請求項30記載の組成物。
【請求項36】
懸濁物を含有する水性媒質を清澄化するための処理添加剤の使用であって、当該方法が、懸濁物を含有する水性媒質に、懸濁物を凝結・凝集させるための処理添加剤を分散させた後、処理した水性媒質から懸濁物を分離することを含んでおり、上記処理添加剤が溶液重合で調製された架橋ジアリルジアルキルアンモニウムハライドポリマーを含んでいて、0.001モル%以上0.1モル%未満の架橋剤を有する、方法。
【請求項37】
前記処理添加剤が次式の構造I又は構造IIを有する、請求項36記載の使用。
【化3】

式中、mは10〜100であり、nは1000〜1000000である。
【請求項38】
前記処理添加剤が、水性媒質の重量を基準にして1重量ppm〜10重量ppmの量で添加される、請求項36記載の使用。

【公表番号】特表2011−527378(P2011−527378A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517649(P2011−517649)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/050230
【国際公開番号】WO2010/006247
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】