水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料
【目的】 本発明は、水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる水浸透防止処理した植毛鋼鈑製建築材料にすること。
【構成】 適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部2xが形成され、他の幅方向の全体に植毛部2が植設されていること。その長手方向の少なくとも一端に該植毛部2が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなること。前記幅方向は両側を非植毛部2xとし、又は前記植毛部2を熱圧着若しくは塗装するものとすること。前記幅方向の両側は嵌合部C1 又は馳締部C2 に相当する部位としてなること。
【構成】 適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部2xが形成され、他の幅方向の全体に植毛部2が植設されていること。その長手方向の少なくとも一端に該植毛部2が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなること。前記幅方向は両側を非植毛部2xとし、又は前記植毛部2を熱圧着若しくは塗装するものとすること。前記幅方向の両側は嵌合部C1 又は馳締部C2 に相当する部位としてなること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料に関する。
【背景技術】
【0002】
結露防止のための金属製屋根板,壁等は、一般に、その裏面に断熱材を貼着していた。このような断熱材付き屋根は、強い振動が常時発生するような場所において、強い振動を長期間受けていると、貼ってあった断熱材が剥離する可能性がある。例えば、新幹線のホームの屋根,壁であって、断熱材付き屋根,壁が設置されている駅が新幹線の通過駅である場合には、そのホームの屋根,壁には、新幹線が通過する際に大きな風圧がかかり、大きな振動が発生する。このような振動を長期間受けていると、前記断熱材付き屋根,壁の断熱材が剥離する懸念があるため、従来の断熱材貼り金属製屋根,壁板の使用は好ましくない。このように、屋根材や壁材等の建築材料に長期間に亘る強い振動等がかかることで断熱材が徐々に剥離してくることが心配される場合は、従来の断熱材貼り建築(屋根,壁等)材の使用は好ましくない。
【0003】
ところで、片面全面にナイロン66又はナイロン6等の短繊維が植毛された植毛鋼板が開発、市販されている。この植毛鋼板に対して、過激な振動を常時与えたとしても、構造的にも鋼鈑と植毛とが分離することはなかった。ここで、ナイロン66又はナイロン6等の短繊維等は吸湿性が高い為、ナイロン66又はナイロン6党の短繊維等からなる「植毛鋼板」(片面植毛)は植毛が結露水をキャッチし、植毛間に僅かな結露水滴を補足,貯溜するため、結露水の滴下や流れ落ちが生じ難く、結露防止用断熱材と同様の効果を果たすことから、断熱材貼りの代用として使用できることが判明した。
【0004】
故に、前述する用途、すなわち、結露水の滴下や流れ落ち防止ができ、且つ断熱材の剥離によるトラブルを防止するには、植毛鋼板を建築材料に使用するのが好適である。しかしながら、前記植毛鋼板をそのまま建築材料に使用し施工すると、片面(屋根材の場合、裏面)全面に植毛されているため、軒先側及び嵌合部又は馳締部等において、表面端部から裏面(植毛側)に廻り込んだ僅かな雨水等が植毛部分に毛細管現象によって浸透し、拡がって、その部分が変色し、外観上、極めて見苦しい。浸透が甚だしい場合には、上記変色部から雨水の落下に及ぶ等の不都合があった。また、特許文献1に記載された植毛鋼飯であっても、片面全面に植毛されているため、前述と同様な欠点があった。
【特許文献1】特開2002ー52353
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、植毛鋼飯を建築材料に使用しつつ、端部付近を水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防いだ植毛鋼板製建築材料を開発することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、植毛鋼板製建築材料で、最初に雨水と接触する植毛部(裏面側)の毛細管現象を消失させればよいことを発見した。そこで、植毛鋼板の段階で、左記鋼鈑幅方向端部(建築材料に成型すると、嵌合部や馳締部となる)及び長手方向端部(建築材料の長さに該当する位置で、軒先等となる位置)に毛細管現象防止処理を施し、しかる後、建築材料に成型すれば解決できる。具体的には、請求項1の発明を、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項2の発明を、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項3の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項4の発明を、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項5の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。
【0007】
さらに、請求項6の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項7の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。
【0008】
また、請求項8の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が塗装されて塗装部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項9の発明は、前述した構成において、前記幅方向は一側のみ非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、該部分が重ね方式の建築材料の重ね部側としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項10の発明は、前述した構成において、前記幅方向は両側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、嵌合部又は馳締部に相当する部位としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項11の発明は、前述の構成において、前記熱圧着部が溝状に形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項12の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側の前記植毛部が、且つ長手方向の少なくとも一端の該植毛部がそれぞれ機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項13の発明は、前述の構成において、前記幅方向の少なくとも一側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端の前記植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明においては、特に、軒先箇所を水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる利点がある。また、植毛鋼板建築材料としての成型を迅速にできる。請求項2の発明では、熱圧着設備等は不要で、容易に実施でき、請求項1と同等の効果を奏する。請求項3の発明では、機械的除去であり、請求項1と同等の効果がある。また、請求項4の発明では、植毛鋼板建築材料として使用することで、水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる利点がある。また、甚だしい場合には、屋内等に雨水落下にも及ぶことも回避できる。また、植毛鋼板建築材料としての成形を迅速にできる。請求項5の発明では、熱圧着設備等は不要で、容易に実施でき、請求項4と同等の効果を奏する。請求項6の発明では、全周が熱圧着部であり、現場での設備費はかかるが、請求項4と同等の効果がある。また、請求項7の発明では、熱圧着と塗装の組み合わせであるが、請求項4と同等の効果を奏する。また、請求項8では、熱圧着設備は不要で実施容易であり、請求項4と同等の効果を奏する。また、請求項9の発明では、重ね方式の屋根板に好適である。また、請求項10の発明では、嵌合又は馳締め方式の屋根板壁材に好適である。さらに、請求項11の発明においては、請求項4と同様な効果を奏する。また、請求項12及び13の発明も、請求項11と同様な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明すると、図1乃至図12は本発明の第1及び第2実施形態である。適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料M0 (亜鉛鉄板等を素材とする植毛鋼板使用)において、鋼鈑1の幅方向に少なくとも一側に、非植毛部2xが形成され、他の幅方向の全体に植毛部2が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が熱圧着されて熱圧着部3として形成されている。前記植毛部2は、ナイロン6又はナイロン66なる材質で、約20ミクロン前後径で長さ約0.5〜約1mm内外の極細植毛としての短繊維の、植毛付着量約2万乃至約3万(本/m2 )が前記鋼鈑1の一面に植設されている。そして、この極細植毛間の僅かな隙間を通して雨水が毛細管現象を起し、浸透することが判った。そして、この毛細管現象を部分的に消失させるには、この部分に植毛しない、又は、この部分の植毛を熱圧着する、又は塗装する、又は機械的に除去することが極めて有効であることが判明した。そして、熱圧着は、植毛材の軟化点以上で行うことが重要である。この第1実施形態では、特に、鋼鈑1の幅方向に少なくとも一側に、極細植毛が植設されない部位として非植毛部2xが形成されているものである。なお、幅方向の全体に植毛部2が植設されている状態では、長手方向の全体にも植毛部2が植設されているのが一般である。
【0011】
屋根材成形前段階における植毛鋼板の幅方向の少なくとも一側に、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。この具体例として、嵌合方式の嵌合用屋根板Aを成形する場合には、図1(B)、図3(B)及び図5に示すように、植毛鋼板の幅方向の両側に、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。少なくとも、嵌合用屋根板Aの端部の釣針状部A1 箇所となる部位を非植毛部2xとするものである(図5参照)。前記釣針状部A1 箇所を嵌合部と称する。また、馳締め方式の馳締め用屋根板Cを成形する場合には、図6(B)、図7(B)及び図8(B)に示すように、植毛鋼板の幅方向の両側に、上馳部C1 、下馳部C2 として、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。少なくとも、馳締め用屋根板Cの上馳部C1 箇所及び下馳部C2 箇所をそれぞれ非植毛部2x、2xとするものである。この場合、図8(B)に示すように、少なくとも、上馳部C1 及び下馳部C2 の屈曲部周辺は非植毛部2xとする。前記上馳部C1 と下馳部C2 とを総称して馳締部という。
【0012】
さらに、図10(B)及び図11に示すように、重ね方式の重合用屋根板Dの重ね部側に、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。少なくとも、重合用屋根板Dの重ね部側箇所は、図10(B)及び図11に示すように、非植毛部2xとするものである。何れにしても、植毛鋼板の幅方向の少なくとも一側に、非植毛部2xを形成したことにより、嵌合部、馳締部、重ね方式の重合面を非雨水浸透部として雨水の毛管現象を防止するためである。このように雨水等が植毛部2側へ廻り込み毛管現象によって浸入するのを防止するには、非植毛部2xを設けるのが好適である。
【0013】
また、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として例えば軒先部)に前記植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として約5〜100mm、好ましくは、10〜60mm形成されている。また、建築材料M0 の長手方向の他端(後部端として棟部又は後部軒先部)に前記植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として約5〜100、好ましくは、10〜60mm形成されることもある。また、その先端部と後部端との熱圧着部3を図示しない装置によって通常は別々に行うが、同時に形成することもある。また、図4(B)又は(D)において、成形途中の図は最終製品となる過程のイメージ図であり、実際とは異なるものである。
【0014】
特に、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)を熱圧着部3として形成するのは、図12に示すように、軒先面戸5、6又は7を固定させたときに、該軒先面戸との重合面を非雨水浸透部とすることで雨水の毛管現象を防止するためである。前記軒先面戸5は嵌合方式の嵌合用屋根板Aとキャップ材Bとに嵌める面戸であり、前記軒先面戸6は馳締め方式の馳締め用屋根板Cに嵌める面戸であり、前記軒先面戸7は重ね方式の重合用屋根板Dに嵌める面戸である。但し、軒先面戸5、6又は7を使用しないことも多く、本願のように、軒先部分を所定の幅で熱圧着しておけば、この部分からの毛細管現象はなく、変色の発生はない。
【0015】
ここで、屋根材の軒先側に相当する部位、つまり、植毛鋼板の長さ方向端部(先端部又は後端部)に非植毛部2xを植毛鋼板の製造過程で形成させることは非常に難しい。つまり、コイル状の鋼鈑1の長手方向に沿って植毛部2を設ける場合に、その長手方向に直交する特定の箇所(施工場所によって異なる建築材長さに該当する箇所)に複数の非植毛部2xを形成することは製造上極めて困難(高コスト)である。このため、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)は前記植毛部2を加工して熱圧着部3として形成するものである。
【0016】
鋼鈑1の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)を熱圧着部3として形成する熱圧着法(実施例)は、必要な幅を有する加熱金型で圧着した。圧着には、加熱ロールの使用も有効であった。本熱圧着は、圧着温度が重要で、植毛材の軟化点以上で圧着することが重要であった。そして、圧着時間は圧着温度が高いと短く、低いと長めの時間を必要とした。1秒以内から数分とまちまちである。ちなみに、植毛ナイロン66の軟化点は230〜235℃、融点は250〜260℃である。又、ナイロン6の軟化点は180℃、融点は215〜220℃である。前記熱圧着部3は、熱圧着により植毛間の間隙は殆どなくなるか、又は消滅するのである。その結果、これら熱圧着部3は、図2(C)に示すように、凹んで溝状に形成されるのである。
【0017】
また、本発明の第2実施形態は、亜鉛鉄板等を素材とする植毛鋼板を成型した,長手方向に長尺な建築材料M0 において、鋼鈑1の幅方向に少なくとも一側に、非植毛部2xが形成され、長手方向の少なくとも一端に前記植毛部2が塗装されて塗装部4として形成されてなる水浸透防止処理した植毛鋼板屋根材である。つまり、前述した第1実施形態における非植毛部2xは同一であり、第1実施形態における熱圧着部3を塗装部4に変換した構成である。このため、植毛部2及び非植毛部2xの説明は省略する。また、塗装部4については、前述した熱圧着部3の幅等と同一であり、この説明も省略する。
【0018】
特に、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)を塗装部4として形成するのは、図12に示すように、軒先面戸5、6又は7を固定させたときに、該軒先面戸5、6又は7との重合面を非雨水浸透部として雨水の毛細管現象を防止するためである。但し、上記軒先面戸5、6又は7を使用しないこともあり、この場合は軒先から廻りこむ雨水の毛細管現象を防止する。塗装部4として形成した場合にも、熱圧着部3と同様な効果を奏し、熱圧着部3の成形は迅速にできる。実施例として、塗料;神東塗料製のマイルドシリコン(商標名)を塗装法としてローラー塗布して常温乾燥させた。なお、付着量(乾燥時)は約20〜50g/m2(片面)程度である。
【0019】
また、本発明の第3実施形態は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料M0 において、鋼鈑1の幅方向の全体に植毛部2が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として形成されてなるものである。この実施形態では、建築材料M0 の周囲の多くが熱圧着部3として形成されており、その具体的な実施例及び寸法等は前述した第1実施形態のそれぞれの嵌合方式の嵌合用屋根板A、馳締め方式の馳締め用屋根板C、重ね方式の重合用屋根板Dと同一である。また、水浸透防止の作用も同一である。
【0020】
さらに、本発明の第4実施形態は、前記第3実施形態において、鋼鈑1の長手方向の少なくとも一端の熱圧着部3を塗装部4として形成したものであり、他の構成は第3実施形態と同一であり、その説明を省略する。本発明の第5実施形態は、前記第3実施形態において、幅方向に少なくとも一側の熱圧着部3と、長手方向の少なくとも一端の熱圧着部3とを、全て塗装部4、4として形成したものである。つまり、この実施形態では、建築材料M0 の周囲の多くが塗装部4として形成されており、その具体的な実施例及び寸法等は前述した第1実施形態のそれぞれの嵌合方式の嵌合用屋根板A、馳締め方式の馳締め用屋根板C、重ね方式の重合用屋根板Dと同一である。また、水浸透防止の作用も同一であり、説明を省略する。特に、塗装部4にて形成した場合は、熱圧着部3のように加熱による設備を不要にできる利点がある。
【0021】
また、前記非植毛部2x及び塗装部4は一面全体が帯状になって形成されているが、熱圧着部3の場合は、狭いロール幅の熱圧着部3が2つ、3つと平行して形成されることがある。つまり、細い帯状熱圧着部3と細い帯状植毛部2とが交互に形成されることもある。このように成形されても、水浸透防止の作用効果は同等である。
【0022】
また、本発明の第5実施形態は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料M0 において、鋼鈑1の幅方向の全体に植毛部2が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部2が研摩、研削により機械的に除去され、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が研摩、研削により機械的に除去されてなるものである。この第5実施形態は、前述の熱圧着や塗装に替わる方法として、毛細管現象をなくしたい部分の植毛部を機械的な研摩、研削により除去するものである。除去部分の植毛除去率であるが、50%以上、好ましくは、80%以上除去すれば良く、必ずしも100%除去である必要はない。つまり、50%以上、好ましくは、80%以上除去すれば、毛細管現象が著しく小さくなるのである。機械的な摩擦や研削時に植毛が発熱し、これによる植毛間の融着もプラスに作用しているものと判断される。
【0023】
機械的除去法としては、回転式砥石による方法、回転式研摩布紙による方法及びパフ研摩法等が有効である。この中で、パフ研摩法の場合、♯150〜♯320のエメリーを研摩材とするパフ研摩を30秒〜2分行えば、50%以上の除去率で植毛が除去され、その部分の毛細管現象はなくなった。また、前記幅方向の一側のみを非植毛部2xとし、又は前記植毛部2を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が研摩、研削により機械的に除去されてなる実施形態もある。さらに、前記幅方向の両側を非植毛部2xとし、又は前記植毛部2を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が研摩、研削により機械的に除去されてなる実施形態とすることもある。
【実施例】
【0024】
植毛鋼板板厚:0.6mmの場合
<植毛鋼板端部の熱圧着条件>
<実施例1>植毛材の軟化点以上で圧着の場合
・植毛材;ナイロン6及びナイロン66の短繊維
・成型前植毛鋼板;幅方向両端部を非植毛部とし、長手端部を下記条件で熱圧着
・240℃×加熱時間2秒以内で熱圧着(ナイロン6の場合、205℃×時間2秒以内) ・熱圧着;240℃(又は205℃)に加熱した上下の金型に植毛鋼板を挟み込むようにして、所定時間(2秒以内)加熱した。但し、上下金型は上下に移動して挟み込む方式とし、植毛面は上面とした。
<実施例2>植毛材の融点以上で熱圧着の場合
・植毛材;ナイロン66短繊維
・成型前植毛鋼板(2種類);幅方向両端部非植毛とし、長手端部を280℃×時間1 秒以内の条件で熱圧着
又は片面全面に植毛したものを、幅及び長手方向端部を280℃×時間1秒以内の条 件で熱圧着
・熱圧着;実施例1.上に同じ。但し、金型温度は280℃、圧着時間は1秒以内であ った。
<実施例3>
・植毛材:ナイロン66短繊維
・成型前植毛鋼板;幅方向両端部を非植毛とし、長手端部を塗装
・塗装法;マイルドシリコンを塗装→乾燥[乾燥時塗膜約30g/m2(片面)]
<比較例1>:ナイロン66の軟化点以下で熱圧着
・植毛材;ナイロン66短繊維
・成型前植毛鋼板;幅方向両端部を非植毛とし、長手端部を熱圧着
・150℃×加熱時間2秒
・熱圧着:実施例1に同じ。但し、金型温度は150℃、圧着2秒であった。
<水浸透試験>
上記熱圧着処理した植毛鋼板製屋根材のカットサンプルを、熱圧着部3又は塗装部を下側にして約5mm深さの常温水に浸漬。30時間後の熱圧着部3又は塗装部を越えて水浸透した長さを測定した。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A)は本発明の成型前裏面図、(B)は(A)の材料にて成型された嵌合方式の嵌合用屋根板の斜視図である。
【図2】(A)は図1(A)のX1 ーX1 矢視端面図、(B)は図1(A)のX2 ーX2 矢視端面図、(C)は図1(A)のX3 ーX3 矢視端面図、(D)は(C)の別の実施態様の端面図である。
【図3】(A)は本発明の成型前板材の端面図、(B)は(A)の材料にて成型された嵌合方式の嵌合用屋根板の断面図である。
【図4】(A)は本発明の成型前板材の裏面側から見た一部斜視図、(B)は裏面側から見た成型途中の一部概略斜視図、(C)は裏面側から見た成型された嵌合用屋根板の一部斜視図、(D)は表面側から見た成型途中の一部概略斜視図、(E)は表面側から見た成型された嵌合用屋根板の一部斜視図である。
【図5】(A)は嵌合用屋根板とキャップ材による嵌合屋根の一部断面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図6】(A)は本発明の成型前裏面図、(B)は(A)の材料にて成型された馳締め方式の馳締め用屋根板の斜視図、(C)は(A)のX4 ーX4 矢視端面図、(D)は(A)のX5 ーX5 矢視端面図、(E)は(A)のX6 ーX6 矢視端面図、(F)は(E)の別の実施態様の端面図である。
【図7】(A)は本発明の成型前板材の裏面側から見た一部斜視図、(B)は裏面側から見た成型された馳締め用屋根板の一部斜視図である。
【図8】(A)は本発明の成型前板材の端面図、(B)は(A)の材料にて成型された馳締め用屋根板の断面図である。
【図9】(A)は馳締め用屋根板の下馳部箇所の断面図、(B)は馳締め用屋根板の上馳部箇所の断面図、(C)は馳締め用屋根板による馳締め屋根の一部断面図、(D)は要部拡大断面図である。
【図10】(A)は本発明の成型前裏面図、(B)は(A)の材料にて成型された重ね方式の重合用屋根板の斜視図、(C)は(A)のX7 ーX7 矢視端面図、(D)は(A)のX8 ーX8 矢視端面図、(E)は(D)の別の実施態様の端面図である。
【図11】(A)は重ね方式の重合屋根の一部断面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図12】(A)は嵌合屋根の軒先箇所の一部斜視図、(B)は馳締め屋根の軒先箇所の一部斜視図、(C)は重合屋根の軒先箇所の一部斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1…鋼鈑、2…植毛部、2x…非植毛部、3…熱圧着部、4…塗装部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料に関する。
【背景技術】
【0002】
結露防止のための金属製屋根板,壁等は、一般に、その裏面に断熱材を貼着していた。このような断熱材付き屋根は、強い振動が常時発生するような場所において、強い振動を長期間受けていると、貼ってあった断熱材が剥離する可能性がある。例えば、新幹線のホームの屋根,壁であって、断熱材付き屋根,壁が設置されている駅が新幹線の通過駅である場合には、そのホームの屋根,壁には、新幹線が通過する際に大きな風圧がかかり、大きな振動が発生する。このような振動を長期間受けていると、前記断熱材付き屋根,壁の断熱材が剥離する懸念があるため、従来の断熱材貼り金属製屋根,壁板の使用は好ましくない。このように、屋根材や壁材等の建築材料に長期間に亘る強い振動等がかかることで断熱材が徐々に剥離してくることが心配される場合は、従来の断熱材貼り建築(屋根,壁等)材の使用は好ましくない。
【0003】
ところで、片面全面にナイロン66又はナイロン6等の短繊維が植毛された植毛鋼板が開発、市販されている。この植毛鋼板に対して、過激な振動を常時与えたとしても、構造的にも鋼鈑と植毛とが分離することはなかった。ここで、ナイロン66又はナイロン6等の短繊維等は吸湿性が高い為、ナイロン66又はナイロン6党の短繊維等からなる「植毛鋼板」(片面植毛)は植毛が結露水をキャッチし、植毛間に僅かな結露水滴を補足,貯溜するため、結露水の滴下や流れ落ちが生じ難く、結露防止用断熱材と同様の効果を果たすことから、断熱材貼りの代用として使用できることが判明した。
【0004】
故に、前述する用途、すなわち、結露水の滴下や流れ落ち防止ができ、且つ断熱材の剥離によるトラブルを防止するには、植毛鋼板を建築材料に使用するのが好適である。しかしながら、前記植毛鋼板をそのまま建築材料に使用し施工すると、片面(屋根材の場合、裏面)全面に植毛されているため、軒先側及び嵌合部又は馳締部等において、表面端部から裏面(植毛側)に廻り込んだ僅かな雨水等が植毛部分に毛細管現象によって浸透し、拡がって、その部分が変色し、外観上、極めて見苦しい。浸透が甚だしい場合には、上記変色部から雨水の落下に及ぶ等の不都合があった。また、特許文献1に記載された植毛鋼飯であっても、片面全面に植毛されているため、前述と同様な欠点があった。
【特許文献1】特開2002ー52353
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、植毛鋼飯を建築材料に使用しつつ、端部付近を水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防いだ植毛鋼板製建築材料を開発することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、植毛鋼板製建築材料で、最初に雨水と接触する植毛部(裏面側)の毛細管現象を消失させればよいことを発見した。そこで、植毛鋼板の段階で、左記鋼鈑幅方向端部(建築材料に成型すると、嵌合部や馳締部となる)及び長手方向端部(建築材料の長さに該当する位置で、軒先等となる位置)に毛細管現象防止処理を施し、しかる後、建築材料に成型すれば解決できる。具体的には、請求項1の発明を、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項2の発明を、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項3の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項4の発明を、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項5の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。
【0007】
さらに、請求項6の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項7の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。
【0008】
また、請求項8の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が塗装されて塗装部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項9の発明は、前述した構成において、前記幅方向は一側のみ非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、該部分が重ね方式の建築材料の重ね部側としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項10の発明は、前述した構成において、前記幅方向は両側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、嵌合部又は馳締部に相当する部位としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項11の発明は、前述の構成において、前記熱圧着部が溝状に形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項12の発明は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側の前記植毛部が、且つ長手方向の少なくとも一端の該植毛部がそれぞれ機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項13の発明は、前述の構成において、前記幅方向の少なくとも一側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端の前記植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料としたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明においては、特に、軒先箇所を水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる利点がある。また、植毛鋼板建築材料としての成型を迅速にできる。請求項2の発明では、熱圧着設備等は不要で、容易に実施でき、請求項1と同等の効果を奏する。請求項3の発明では、機械的除去であり、請求項1と同等の効果がある。また、請求項4の発明では、植毛鋼板建築材料として使用することで、水浸透防止処理して、雨水の植毛部への浸透による変色発生を防ぐことができる利点がある。また、甚だしい場合には、屋内等に雨水落下にも及ぶことも回避できる。また、植毛鋼板建築材料としての成形を迅速にできる。請求項5の発明では、熱圧着設備等は不要で、容易に実施でき、請求項4と同等の効果を奏する。請求項6の発明では、全周が熱圧着部であり、現場での設備費はかかるが、請求項4と同等の効果がある。また、請求項7の発明では、熱圧着と塗装の組み合わせであるが、請求項4と同等の効果を奏する。また、請求項8では、熱圧着設備は不要で実施容易であり、請求項4と同等の効果を奏する。また、請求項9の発明では、重ね方式の屋根板に好適である。また、請求項10の発明では、嵌合又は馳締め方式の屋根板壁材に好適である。さらに、請求項11の発明においては、請求項4と同様な効果を奏する。また、請求項12及び13の発明も、請求項11と同様な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明すると、図1乃至図12は本発明の第1及び第2実施形態である。適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料M0 (亜鉛鉄板等を素材とする植毛鋼板使用)において、鋼鈑1の幅方向に少なくとも一側に、非植毛部2xが形成され、他の幅方向の全体に植毛部2が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が熱圧着されて熱圧着部3として形成されている。前記植毛部2は、ナイロン6又はナイロン66なる材質で、約20ミクロン前後径で長さ約0.5〜約1mm内外の極細植毛としての短繊維の、植毛付着量約2万乃至約3万(本/m2 )が前記鋼鈑1の一面に植設されている。そして、この極細植毛間の僅かな隙間を通して雨水が毛細管現象を起し、浸透することが判った。そして、この毛細管現象を部分的に消失させるには、この部分に植毛しない、又は、この部分の植毛を熱圧着する、又は塗装する、又は機械的に除去することが極めて有効であることが判明した。そして、熱圧着は、植毛材の軟化点以上で行うことが重要である。この第1実施形態では、特に、鋼鈑1の幅方向に少なくとも一側に、極細植毛が植設されない部位として非植毛部2xが形成されているものである。なお、幅方向の全体に植毛部2が植設されている状態では、長手方向の全体にも植毛部2が植設されているのが一般である。
【0011】
屋根材成形前段階における植毛鋼板の幅方向の少なくとも一側に、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。この具体例として、嵌合方式の嵌合用屋根板Aを成形する場合には、図1(B)、図3(B)及び図5に示すように、植毛鋼板の幅方向の両側に、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。少なくとも、嵌合用屋根板Aの端部の釣針状部A1 箇所となる部位を非植毛部2xとするものである(図5参照)。前記釣針状部A1 箇所を嵌合部と称する。また、馳締め方式の馳締め用屋根板Cを成形する場合には、図6(B)、図7(B)及び図8(B)に示すように、植毛鋼板の幅方向の両側に、上馳部C1 、下馳部C2 として、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。少なくとも、馳締め用屋根板Cの上馳部C1 箇所及び下馳部C2 箇所をそれぞれ非植毛部2x、2xとするものである。この場合、図8(B)に示すように、少なくとも、上馳部C1 及び下馳部C2 の屈曲部周辺は非植毛部2xとする。前記上馳部C1 と下馳部C2 とを総称して馳締部という。
【0012】
さらに、図10(B)及び図11に示すように、重ね方式の重合用屋根板Dの重ね部側に、10〜100mm、好ましくは、20〜60mmの非植毛部2xが形成されている。少なくとも、重合用屋根板Dの重ね部側箇所は、図10(B)及び図11に示すように、非植毛部2xとするものである。何れにしても、植毛鋼板の幅方向の少なくとも一側に、非植毛部2xを形成したことにより、嵌合部、馳締部、重ね方式の重合面を非雨水浸透部として雨水の毛管現象を防止するためである。このように雨水等が植毛部2側へ廻り込み毛管現象によって浸入するのを防止するには、非植毛部2xを設けるのが好適である。
【0013】
また、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として例えば軒先部)に前記植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として約5〜100mm、好ましくは、10〜60mm形成されている。また、建築材料M0 の長手方向の他端(後部端として棟部又は後部軒先部)に前記植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として約5〜100、好ましくは、10〜60mm形成されることもある。また、その先端部と後部端との熱圧着部3を図示しない装置によって通常は別々に行うが、同時に形成することもある。また、図4(B)又は(D)において、成形途中の図は最終製品となる過程のイメージ図であり、実際とは異なるものである。
【0014】
特に、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)を熱圧着部3として形成するのは、図12に示すように、軒先面戸5、6又は7を固定させたときに、該軒先面戸との重合面を非雨水浸透部とすることで雨水の毛管現象を防止するためである。前記軒先面戸5は嵌合方式の嵌合用屋根板Aとキャップ材Bとに嵌める面戸であり、前記軒先面戸6は馳締め方式の馳締め用屋根板Cに嵌める面戸であり、前記軒先面戸7は重ね方式の重合用屋根板Dに嵌める面戸である。但し、軒先面戸5、6又は7を使用しないことも多く、本願のように、軒先部分を所定の幅で熱圧着しておけば、この部分からの毛細管現象はなく、変色の発生はない。
【0015】
ここで、屋根材の軒先側に相当する部位、つまり、植毛鋼板の長さ方向端部(先端部又は後端部)に非植毛部2xを植毛鋼板の製造過程で形成させることは非常に難しい。つまり、コイル状の鋼鈑1の長手方向に沿って植毛部2を設ける場合に、その長手方向に直交する特定の箇所(施工場所によって異なる建築材長さに該当する箇所)に複数の非植毛部2xを形成することは製造上極めて困難(高コスト)である。このため、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)は前記植毛部2を加工して熱圧着部3として形成するものである。
【0016】
鋼鈑1の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)を熱圧着部3として形成する熱圧着法(実施例)は、必要な幅を有する加熱金型で圧着した。圧着には、加熱ロールの使用も有効であった。本熱圧着は、圧着温度が重要で、植毛材の軟化点以上で圧着することが重要であった。そして、圧着時間は圧着温度が高いと短く、低いと長めの時間を必要とした。1秒以内から数分とまちまちである。ちなみに、植毛ナイロン66の軟化点は230〜235℃、融点は250〜260℃である。又、ナイロン6の軟化点は180℃、融点は215〜220℃である。前記熱圧着部3は、熱圧着により植毛間の間隙は殆どなくなるか、又は消滅するのである。その結果、これら熱圧着部3は、図2(C)に示すように、凹んで溝状に形成されるのである。
【0017】
また、本発明の第2実施形態は、亜鉛鉄板等を素材とする植毛鋼板を成型した,長手方向に長尺な建築材料M0 において、鋼鈑1の幅方向に少なくとも一側に、非植毛部2xが形成され、長手方向の少なくとも一端に前記植毛部2が塗装されて塗装部4として形成されてなる水浸透防止処理した植毛鋼板屋根材である。つまり、前述した第1実施形態における非植毛部2xは同一であり、第1実施形態における熱圧着部3を塗装部4に変換した構成である。このため、植毛部2及び非植毛部2xの説明は省略する。また、塗装部4については、前述した熱圧着部3の幅等と同一であり、この説明も省略する。
【0018】
特に、建築材料M0 の長手方向の少なくとも一端(先端部として軒先部)を塗装部4として形成するのは、図12に示すように、軒先面戸5、6又は7を固定させたときに、該軒先面戸5、6又は7との重合面を非雨水浸透部として雨水の毛細管現象を防止するためである。但し、上記軒先面戸5、6又は7を使用しないこともあり、この場合は軒先から廻りこむ雨水の毛細管現象を防止する。塗装部4として形成した場合にも、熱圧着部3と同様な効果を奏し、熱圧着部3の成形は迅速にできる。実施例として、塗料;神東塗料製のマイルドシリコン(商標名)を塗装法としてローラー塗布して常温乾燥させた。なお、付着量(乾燥時)は約20〜50g/m2(片面)程度である。
【0019】
また、本発明の第3実施形態は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料M0 において、鋼鈑1の幅方向の全体に植毛部2が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が熱圧着されて熱圧着部3として形成されてなるものである。この実施形態では、建築材料M0 の周囲の多くが熱圧着部3として形成されており、その具体的な実施例及び寸法等は前述した第1実施形態のそれぞれの嵌合方式の嵌合用屋根板A、馳締め方式の馳締め用屋根板C、重ね方式の重合用屋根板Dと同一である。また、水浸透防止の作用も同一である。
【0020】
さらに、本発明の第4実施形態は、前記第3実施形態において、鋼鈑1の長手方向の少なくとも一端の熱圧着部3を塗装部4として形成したものであり、他の構成は第3実施形態と同一であり、その説明を省略する。本発明の第5実施形態は、前記第3実施形態において、幅方向に少なくとも一側の熱圧着部3と、長手方向の少なくとも一端の熱圧着部3とを、全て塗装部4、4として形成したものである。つまり、この実施形態では、建築材料M0 の周囲の多くが塗装部4として形成されており、その具体的な実施例及び寸法等は前述した第1実施形態のそれぞれの嵌合方式の嵌合用屋根板A、馳締め方式の馳締め用屋根板C、重ね方式の重合用屋根板Dと同一である。また、水浸透防止の作用も同一であり、説明を省略する。特に、塗装部4にて形成した場合は、熱圧着部3のように加熱による設備を不要にできる利点がある。
【0021】
また、前記非植毛部2x及び塗装部4は一面全体が帯状になって形成されているが、熱圧着部3の場合は、狭いロール幅の熱圧着部3が2つ、3つと平行して形成されることがある。つまり、細い帯状熱圧着部3と細い帯状植毛部2とが交互に形成されることもある。このように成形されても、水浸透防止の作用効果は同等である。
【0022】
また、本発明の第5実施形態は、適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料M0 において、鋼鈑1の幅方向の全体に植毛部2が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部2が研摩、研削により機械的に除去され、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が研摩、研削により機械的に除去されてなるものである。この第5実施形態は、前述の熱圧着や塗装に替わる方法として、毛細管現象をなくしたい部分の植毛部を機械的な研摩、研削により除去するものである。除去部分の植毛除去率であるが、50%以上、好ましくは、80%以上除去すれば良く、必ずしも100%除去である必要はない。つまり、50%以上、好ましくは、80%以上除去すれば、毛細管現象が著しく小さくなるのである。機械的な摩擦や研削時に植毛が発熱し、これによる植毛間の融着もプラスに作用しているものと判断される。
【0023】
機械的除去法としては、回転式砥石による方法、回転式研摩布紙による方法及びパフ研摩法等が有効である。この中で、パフ研摩法の場合、♯150〜♯320のエメリーを研摩材とするパフ研摩を30秒〜2分行えば、50%以上の除去率で植毛が除去され、その部分の毛細管現象はなくなった。また、前記幅方向の一側のみを非植毛部2xとし、又は前記植毛部2を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が研摩、研削により機械的に除去されてなる実施形態もある。さらに、前記幅方向の両側を非植毛部2xとし、又は前記植毛部2を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端にも前記植毛部2が研摩、研削により機械的に除去されてなる実施形態とすることもある。
【実施例】
【0024】
植毛鋼板板厚:0.6mmの場合
<植毛鋼板端部の熱圧着条件>
<実施例1>植毛材の軟化点以上で圧着の場合
・植毛材;ナイロン6及びナイロン66の短繊維
・成型前植毛鋼板;幅方向両端部を非植毛部とし、長手端部を下記条件で熱圧着
・240℃×加熱時間2秒以内で熱圧着(ナイロン6の場合、205℃×時間2秒以内) ・熱圧着;240℃(又は205℃)に加熱した上下の金型に植毛鋼板を挟み込むようにして、所定時間(2秒以内)加熱した。但し、上下金型は上下に移動して挟み込む方式とし、植毛面は上面とした。
<実施例2>植毛材の融点以上で熱圧着の場合
・植毛材;ナイロン66短繊維
・成型前植毛鋼板(2種類);幅方向両端部非植毛とし、長手端部を280℃×時間1 秒以内の条件で熱圧着
又は片面全面に植毛したものを、幅及び長手方向端部を280℃×時間1秒以内の条 件で熱圧着
・熱圧着;実施例1.上に同じ。但し、金型温度は280℃、圧着時間は1秒以内であ った。
<実施例3>
・植毛材:ナイロン66短繊維
・成型前植毛鋼板;幅方向両端部を非植毛とし、長手端部を塗装
・塗装法;マイルドシリコンを塗装→乾燥[乾燥時塗膜約30g/m2(片面)]
<比較例1>:ナイロン66の軟化点以下で熱圧着
・植毛材;ナイロン66短繊維
・成型前植毛鋼板;幅方向両端部を非植毛とし、長手端部を熱圧着
・150℃×加熱時間2秒
・熱圧着:実施例1に同じ。但し、金型温度は150℃、圧着2秒であった。
<水浸透試験>
上記熱圧着処理した植毛鋼板製屋根材のカットサンプルを、熱圧着部3又は塗装部を下側にして約5mm深さの常温水に浸漬。30時間後の熱圧着部3又は塗装部を越えて水浸透した長さを測定した。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A)は本発明の成型前裏面図、(B)は(A)の材料にて成型された嵌合方式の嵌合用屋根板の斜視図である。
【図2】(A)は図1(A)のX1 ーX1 矢視端面図、(B)は図1(A)のX2 ーX2 矢視端面図、(C)は図1(A)のX3 ーX3 矢視端面図、(D)は(C)の別の実施態様の端面図である。
【図3】(A)は本発明の成型前板材の端面図、(B)は(A)の材料にて成型された嵌合方式の嵌合用屋根板の断面図である。
【図4】(A)は本発明の成型前板材の裏面側から見た一部斜視図、(B)は裏面側から見た成型途中の一部概略斜視図、(C)は裏面側から見た成型された嵌合用屋根板の一部斜視図、(D)は表面側から見た成型途中の一部概略斜視図、(E)は表面側から見た成型された嵌合用屋根板の一部斜視図である。
【図5】(A)は嵌合用屋根板とキャップ材による嵌合屋根の一部断面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図6】(A)は本発明の成型前裏面図、(B)は(A)の材料にて成型された馳締め方式の馳締め用屋根板の斜視図、(C)は(A)のX4 ーX4 矢視端面図、(D)は(A)のX5 ーX5 矢視端面図、(E)は(A)のX6 ーX6 矢視端面図、(F)は(E)の別の実施態様の端面図である。
【図7】(A)は本発明の成型前板材の裏面側から見た一部斜視図、(B)は裏面側から見た成型された馳締め用屋根板の一部斜視図である。
【図8】(A)は本発明の成型前板材の端面図、(B)は(A)の材料にて成型された馳締め用屋根板の断面図である。
【図9】(A)は馳締め用屋根板の下馳部箇所の断面図、(B)は馳締め用屋根板の上馳部箇所の断面図、(C)は馳締め用屋根板による馳締め屋根の一部断面図、(D)は要部拡大断面図である。
【図10】(A)は本発明の成型前裏面図、(B)は(A)の材料にて成型された重ね方式の重合用屋根板の斜視図、(C)は(A)のX7 ーX7 矢視端面図、(D)は(A)のX8 ーX8 矢視端面図、(E)は(D)の別の実施態様の端面図である。
【図11】(A)は重ね方式の重合屋根の一部断面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図12】(A)は嵌合屋根の軒先箇所の一部斜視図、(B)は馳締め屋根の軒先箇所の一部斜視図、(C)は重合屋根の軒先箇所の一部斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1…鋼鈑、2…植毛部、2x…非植毛部、3…熱圧着部、4…塗装部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項2】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項3】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項4】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項5】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項6】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項7】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項8】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が塗装されて塗装部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項9】
請求項4,5,6,7又は8において、前記幅方向は一側のみ非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、該部分が重ね方式の建築材料の重ね部側としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項10】
請求項4,5,6,7又は8において、前記幅方向は両側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、嵌合部又は馳締部に相当する部位としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項11】
請求項1,4,6,7,9又は10において、前記熱圧着部が溝状に形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項12】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側の前記植毛部が、且つ長手方向の少なくとも一端の該植毛部がそれぞれ機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項13】
請求項4,5,6,7又は8において、前記幅方向の少なくとも一側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端の前記植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項1】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項2】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項3】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、長手方向の少なくとも一端に植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項4】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項5】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向に少なくとも一側に、非植毛部が形成され、他の幅方向の全体に植毛部が植設され、長手方向の少なくとも一端に該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項6】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項7】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が熱圧着されて熱圧着部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項8】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側に、該植毛部が塗装されて塗装部として形成され、更に長手方向の少なくとも一端にも該植毛部が塗装されて塗装部として形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項9】
請求項4,5,6,7又は8において、前記幅方向は一側のみ非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、該部分が重ね方式の建築材料の重ね部側としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項10】
請求項4,5,6,7又は8において、前記幅方向は両側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、嵌合部又は馳締部に相当する部位としてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項11】
請求項1,4,6,7,9又は10において、前記熱圧着部が溝状に形成されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項12】
適宜な幅で、且つ長手方向に長尺な建築材料において、幅方向の全体に植毛部が植設され、該幅方向に少なくとも一側の前記植毛部が、且つ長手方向の少なくとも一端の該植毛部がそれぞれ機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【請求項13】
請求項4,5,6,7又は8において、前記幅方向の少なくとも一側を非植毛部とし、又は前記植毛部を熱圧着若しくは塗装するものとし、更に長手方向の少なくとも一端の前記植毛部が機械的に除去されてなることを特徴とする水浸透防止処理した植毛鋼板製建築材料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−83631(P2006−83631A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270676(P2004−270676)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000175973)三晃金属工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000175973)三晃金属工業株式会社 (85)
【Fターム(参考)】
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