説明

水素感知器の製造方法

【課題】金属−半導体トランジスタ式の水素感知器及び、半導体プロセスと無電気メッキ技術を結合することにより、水素感知器を製造する方法を提供する。
【解決手段】半導体ベースを形成するステップと、該半導体ベースに半導体緩衝層が設けられるステップと、該半導体緩衝層に半導体主動層が設けられるステップと、該半導体主動層に半導体ショットキー接触層が設けられるステップと、該半導体ショットキー接触層に半導体ハット層が設けられるステップと、該半導体ハット層にオーム金属接触電極層が設けられるステップと、該半導体ショットキー接触層に無電気メッキ技術でゲート電極とするショットキー金属接触電極層が設けられるステップとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に金属−半導体トランジスタ式の水素感知器及び、半導体プロセスと無電気メッキ技術を結合することにより、該水素感知器を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般には、水素の感知では、感知器の表面におけるフィルム材料と水素の間に発生する吸着、脱着又は他の化学反応で起こした物理や化学の変化により、環境中の水素濃度を推算することである。
市販の水素感知器は、つぎの5種類に分けられている。
(1)は、金属酸化物半導体型の水素感知器であり、(2)は、触媒燃焼型の水素感知器であり、(3)は、電気化学型の水素感知器であり、(4)は、表面音波型の水素感知器であり、(5)は、電界効果型の水素感知器である。
一般のトランジスタ式の水素感知器は、電界効果型の水素感知器であり、このような感知器について、ゲート電極金属層と半導体の間における金−半ショットキー界面の品質は、該感知器の電気特性や感知効果に大きい影響がある。
即ち、該感知器の性能は、金属層のメッキ技術との関係がある。
現在のトランジスタのメッキ法について、主には熱蒸着法、電子ガン及びスパッタリング法などの物理真空メッキ技術である。
又、前記の技術はよく使用されているため、特に特許文献には記載されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの技術は高エネルギーのメッキ法であるが、金属が半導体の表面に積むことに伴って発生した熱は、半導体の表面に対して熱破壊を起こし易い。特に表面電荷と欠陥によりファミーレベルピンニング現象(surface state of Fermi-level pinning)を発生すると共に、感知器の電気特性を悪化するので、該感知器の水素感知功能を降下してしまうという問題がある。
【0004】
そこで、発明されたのが本願発明であって、金属−半導体トランジスタ式の水素感知器及び、半導体プロセスと無電気メッキ技術を結合することにより、該水素感知器を製造する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の請求項1の発明は、(1)半導体ベースを形成するステップと、(2)該半導体ベースに半導体緩衝層が設けられるステップと、(3)該半導体緩衝層に半導体主動層が設けられるステップと、(4)該半導体主動層に半導体ショットキー接触層が設けられるステップと、(5)該半導体ショットキー接触層に半導体ハット層が設けられるステップと、(6)該半導体ハット層にオーム金属接触電極層が設けられるステップと、(7)該半導体ショットキー接触層に無電気メッキ技術でゲート電極とするショットキー金属接触電極層が設けられるステップとを有することを特徴とする水素感知器の製造方法、を提供する。
【0006】
本願の請求項2の発明は、前記ステップ(7)は、ウェットエッチングステップと、リソグラフィステップと、フォトマスクステップと、無電気メッキステップと、剥離ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0007】
本願の請求項3の発明は、前記ステップ(7)は、ウェットエッチングステップと、リソグラフィステップと、フォトマスクステップと、増感ステップと、活化ステップと、無電気メッキステップと、剥離ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0008】
本願の請求項4の発明は、前記無電気メッキステップの操作温度は、20〜70℃であり、メッキ時間は1〜120分であることを特徴とする請求項2又は3に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0009】
本願の請求項5の発明は、前記無電気メッキステップに用いられる無電気メッキ液は、透析金属前駆塩類と、還元剤と、錯化剤と、酸鹸値緩衝剤と、安定剤とを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0010】
本願の請求項6の発明は、前記透析金属前駆塩類は、メッキしようとする金属のハロゲニド、ニトロ塩類、アセテート又はアンモニウム塩類を含み、その濃度は、1〜10mMであることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0011】
本願の請求項7の発明は、前記無電気メッキ液における還元剤は、ジアザン、フォルモール又は還元性効果を有する糖質を含み、その濃度は、50〜500mMであることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0012】
本願の請求項8の発明は、前記錯化剤は、ニトロ塩類、アンモニウム塩類、硫酸塩類、シアネート、アセテート、ギ酸塩類、炭酸塩類、リン酸塩類、ホウ酸塩類、ハロゲニド塩類、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン又はNa2EDTAを含み、その濃度は、4〜50mMであることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0013】
本願の請求項9の発明は、前記無電気メッキ液の酸鹸値は、pH8〜pH12であり、該酸鹸値緩衝剤は、水酸化アンモニア、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを含むことを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【0014】
本願の請求項10の発明は、前記安定剤は、チオ尿素又はチオジグリコール酸であることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法、を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の水素感知器の製造方法は、簡単で、低コストで、省エネで量産可能の製造方法であるので、産業の利用性が極めて高いという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る水素感知器の構造を示す斜視図である。
【図2a】本発明に係る水素感知器が無水素の環境で電荷とエネルギーとの対応関係図である。
【図2b】本発明に係わる水素感知器が無水素の環境で電子の流動状態を示す参考図である。
【図2c】本発明に係わる水素感知器が水素の環境で電荷とエネルギーとの対応関係図である。
【図2d】本発明に係わる水素感知器が水素の環境で電子の流動状態を示す参考図である。
【図3】本発明に係る水素感知器が温度303Kでの水素感知条件図である。
【図4】本発明に係る水素感知器が温度503Kでの水素感知条件図である。
【図5】本発明に係る水素感知器が異なる温度での水素濃度と臨界電圧との対応関係図である。
【図6】本発明に係る水素感知器が温度303Kで水素濃度と飽和敏感度との対応関係図である。
【図7】本発明に係る水素感知器が温度503Kで時間とドレイン電極の電流との対応関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る水素感知器の構造を示す斜視図であり、図2(a)は、本発明に係る水素感知器が無水素の環境で電荷とエネルギーとの対応関係図であり、図2(b)は、本発明に係わる水素感知器が無水素の環境で電子の流動状態を示す参考図であり、図2(c)は、本発明に係わる水素感知器が水素の環境で電荷とエネルギーとの対応関係図であり、図2(d)は、本発明に係わる水素感知器が水素の環境で電子の流動状態を示す参考図であり、図3は、本発明に係る水素感知器が温度303Kでの水素感知条件図であり、図4は、本発明に係る水素感知器が温度503Kでの水素感知条件図であり、図5は、本発明に係る水素感知器が異なる温度での水素濃度と臨界電圧との対応関係図であり、図6は、本発明に係る水素感知器が温度303Kで水素濃度と飽和敏感度との対応関係図であり、図7は、本発明に係る水素感知器が温度503Kで時間とドレイン電極の電流との対応関係図である。
【0019】
図1に示すように、本発明に係わる水素感知器(100)は、金属−半導体型の水素感知器であると共に、半導体ベース(101)、半導体緩衝層(102)、半導体主動層(103)、半導体ショットキー接触層(104)、半導体ハット層(105)、オーム金属接触電極層(106)及びショットキー金属接触電極層(107)を備える。
該半導体ベース(101)は、水素感知器(100)の底部に位置され、その材質は半絶縁型のヒ化ガリウム(GaAs)でありる。
該半導体緩衝層(102)は、該該半導体ベース(101)の上に設けられ、その厚度は8000Åであり、材質は、ドーピング(doping)しないヒ化ガリウムである。
該半導体主動層(103)は、該半導体緩衝層(102)の上に設けられ、その厚度は500Åであり、材質は、ドーピング濃度の3×1017cm-3であるAl0.24Ga0.76As又はIn0.49Ga0.51Pである。
該半導体ハット層(105)は、該半導体ショットキー接触層(104)の上に設けられ、その厚度は800Åである。
該オーム金属接触電極層(106)は、該半導体ハット層(105)の上に設けられ、その材質は金−ゲルマニウム合金である。
該ショットキー金属接触電極層(107)は、該半導体ショットキー接触層(104)の上に無電気メッキ技術でパラジウムをメッキするものである。
【0020】
該半導体主動層(103)は、下から上に半導体チャネル層(1031)と、半導体隔離層(1032)と、半導体平面ドーピングのポーラ提供層(1033)とを有する。
該半導体チャネル層(1031)の厚度は、130Åであり、材質は、ドーピング(doping)しないIn0.18Ga0.82Asであると共に、L層を有する。
該半導体隔離層(1032)の厚度は、40Åであり、材質は、ドーピング(doping)しないAl0.24Ga0.76Asであると共に、M層を有する。
該半導体平面ドーピングのポーラ提供層(1033)は、シリコン平面ドーピングのポーラ提供層である。
ドーピングするイオンの濃度は、4.4×1012cm-3であると共に、N層を有する。
又、該半導体主動層(103)の構造順序は、前記の構造に限らない。即ち数の(L+M+N)!種類の排列構造を有し、該L、M又はNは、0〜5の数字であり、即ちL=1、M=2、N=2の場合、該半導体主動層(103)は、1層の半導体チャネル層(1031)と、2層の半導体隔離層(1032)と、2層のポーラ提供層(1033)とを有すること、又、該半導体主動層(103)は、(1+2+2)!=5!の排列方式を有し、即ち120種の排列方式を有することである。
【0021】
本発明に係わる水素感知器の製造方法により製造される水素感知器は、金属半導体(金属―半導体)の三端式トランジスタの特性を有する。
該製造方法は、半導体ベース(101)に、金属有機CVD法で下から上へ半導体緩衝層(102)と、半導体主動層(103)(半導体チャネル層(1031)と、半導体隔離層(1032)と、半導体平面ドーピングのポーラ提供層(1033)とを有する)と、半導体ショットキー接触層(104)と、半導体ハット層(105)とが設けられること(本発明は金属有機CVD法を用いるだけではなく、分子束結晶成長法を用いてもよい)により、半導体基材を製造し、該半導体基材がクリーンと乾燥ステップでその表面に付着する雑質を除去し、リソグラフィとフォトマスクとウェットエッチング技術で該基材の表面における部材を離間させ、リソグラフィとフォトマスクと真空蒸着と剥離技術で該半導体ハット層(105)の表面に金−ゲルマニウム合金のフィルムが設けられ、退化熱処理でオーム金属接触電極層(106)が形成される。最後に、ウェットエッチングとリソグラフィとフォトマスクと無電気メッキ技術で該半導体ショットキー接触層(104)にパラジウムを沈積することにより、ショットキー金属接触電極層(107)が形成される。
【0022】
ここで、本発明に使用される無電気メッキ技術に用いられる無電気メッキ液の実施例を以下のように説明する。
該無電気メッキ液の成分は、下表1に示す。
【0023】
表1 無電気メッキ液の成分
【0024】
【表1】

【0025】
該無電気メッキ液の組成は、塩化パラジウム(palladium chloride, PdCl2)を透析金属前駆塩類とし、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)の二ナトリウム塩(disodium ethylenediamine tetraacetic acid, Na2EDTA)と水酸化アンモニア(ammonium hydroxide, NH4OH)は、錯化剤とし、ジアザン(hydrazine, N2H4)は、還元剤とする。30℃で該基材の表面における活性位置にメッキ反応を行うことができ、該塩化パラジウム前駆塩類は、パラジウムイオンの還元を提供すると共に、該基材の表面に沈積し、その化学反応式は、下記式(1)に記載する。
【0026】
2Pd2++N24+4OH-→2Pd+N2+4H2O........................式(1)
【0027】
従来のトランジスタ式水素感知器における金属ゲート電極の幅は、1μm乃至数μmであるので、無電気メッキ技術における無電気メッキ液の組成と操作条件は大事なことになる。
又、増感及び活化ステップにより、活性不足の半導体のメッキ速度を向上することができる。
本発明の無電気メッキ液に、パラジウム前駆塩類(PdCl2)が水酸化アンモニアと反応してパラジウム−アンモニアの塩類錯体となることにより、無電気メッキ液のパラジウムイオンを安定化させる。
そして、パラジウムの沈殿を防止すると共に、無電気メッキ液の酸鹸値を維持することができる。
又、該パラジウム−アンモニアの塩類錯体は、Na2EDTAと反応してパラジウムの配位錯体になることにより、無電気メッキ液におけるパラジウムの自由イオンの濃度を降下することができる。
又、本発明に用いられる無電気メッキ液には、更に安定剤とブライトナーを添加して反応の加速を図ることができる。
該安定剤は、チオ尿素(thiourea)又はチオジグリコール酸(thiodiglycolic acid)であり、該ブライトナーは、サッカリン(saccharin)である。
【0028】
図2(a)及び図2(b)に示すように、符号Aは、電流方向であり、符号Bは、ソース電極であり、符号Cは、ドレイン電極であり、符号Dは、ゲート電極であり、符号Eは、電子流方向であり、符号Fは、空乏領域であり、符号Gは、半導体基材であり、符号Hは、水素分子であり、符号Iは、水素原子であり、符号Jは、ダイポール層である。
水素を導入しない場合、本発明に係わる水素感知器におけるパラジウム金属と該半導体基材との間に電子流動で空乏領域(F)(Depletion region)が形成され、そしてショットキー障害が発生する。
【0029】
図2(c)及び図2(d)に示すように、その金属は、水素に対して特殊な触媒性と選択透過性を有するパラジウム金属である。
本発明に係わる水素感知器は、水素を導入した後、該パラジウム金属が水素分子(H)を水素原子(I)に分解することにより、該水素原子(I)をパラジウム金属とショットキー金属接触電極層との界面に拡散し、該界面が水素原子(I)を吸着すると共に、内部電場の影響でダイポール層(J)が形成され、該ダイポール層(J)の電場と空乏領域(F)との電場方向が互いに逆であり、故に該内部電場の強度を低減すると共に、該空乏領域(F)の幅を低減し、且つショットキー障害を降下することができる。
そして、ドレイン電極とソース電極の輸出電流が変わる。
環境中で水素濃度を向上すると、パラジウム金属とショットキー金属接触電極層との間における水素原子(I)の吸着量も増加し、感知器のショットキー障害を降下すると空乏領域(F)の幅低減により、電流が増加され、この増加した電流量によって環境中における水素含有量を推算することができる。
【0030】
図3に示すように、本発明に係わる水素感知器は、水素濃度4.29ppm H2/Airの条件で感知効果を出すことができ、且つ輸出電流の変化量が水素濃度の増加に従い増大されることが分かる。
故に、本発明に係わる水素感知器は、優れた感知効果を有する。
【0031】
図4に示すように、本発明に係わる水素感知器は、503Kの高温操作でも優れたトランジスタ特性を有することが分かる。
【0032】
図3及び図4に示した結果から分かるように、本発明に係わる水素感知器は、優れた感知表現と極めて低い感知下限を有し、且つ輸出電流の変化量が水素濃度に従い増加することができる。
又、303K〜503Kの操作で水素濃度が1.03% H2/Airに上昇しても、電流変化量が飽和の感知限界に達しない。
故に、本発明に係わる水素感知器は、感知範囲の広い特性を有することが分かる。
【0033】
図5に示すように、本発明に係わる水素感知器におけるパラジウムに吸着された水素量が増加すると、空乏領域の縮減を発生する。
そして、電流チャネルを完全に空乏させるためゲート電極の電圧値が大きくなり、臨界電圧値も増大する。
303Kの操作で本発明に係わる水素感知器の水素濃度が1.03% H2/Airである場合、臨界電圧の変化量が600meVになり、臨界電圧が大範囲の可変性を有するので、本発明に係わる水素感知器は、感知範囲の広い特性を有することが分かる。
【0034】
図6に示すように、飽和相対敏感度は、水素の存在で基準電流に対して飽和電流変化量の比値であり、(IH2-Iair)/Iairで表示される。
水素濃度が増加すると、本発明に係わる水素感知器の敏感度も向上する。
又、ゲート電極に印加する電圧を降下することによっても、敏感度を向上する効果が達成できる。
0Vのゲート電極の電圧で水素濃度4.29ppmと1.03% H2/Airの感知敏感度は、夫々0.78%と55.32%である。
【0035】
図7に示すように、503Kの操作で本発明に係わる水素感知器は水素に対して極めて速い反応効率を有し、ゲート電極の電圧が−0.3Vである時、反応電流と反応効率が水素濃度の増加に伴い向上し、反応時間も極めて短い。
1/eの反応電流の変化量を例として説明すれば、103%の水素濃度を感知するのに必要な時間は、僅かに1秒である。
又、繰り返して実験を行うと、類似した結果が得られる。
故に、本発明に係わる水素感知器は、再現性の高い、感知の速いという特徴を有することが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係わる水素感知器は、303Kの温度で水素に対して高敏感度、感知下限の低い、感知範囲の広い、感知速度の速いという特徴を有し、又、505Kの温度でも水素感知能力を有し、且つ感知範囲も広いので、知恵型水素感知器とすることができる。本発明に係わる水素感知器の製造方法は、簡単で、低コストで、省エネで量産可能の製造方法であるので、産業の利用性が極めて高いという特徴を有する。
【符号の説明】
【0037】
100 水素感知器
101 半導体ベース
102 半導体緩衝層
103 半導体主動層
1031 半導体チャネル層
1032 半導体隔離層
1033 半導体平面ドーピングのポーラ提供層
104 半導体ショットキー接触層
105 半導体ハット層
106 オーム金属接触電極層
107 ショットキー金属接触電極層
A 電流方向
B ソース電極
C ドレイン電極
D ゲート電極
E 電子流方向
F 空乏領域
G 半導体基材
H 水素分子
I 水素原子
J ダイポール層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)半導体ベースを形成するステップと、
(2)該半導体ベースに半導体緩衝層が設けられるステップと、
(3)該半導体緩衝層に半導体主動層が設けられるステップと、
(4)該半導体主動層に半導体ショットキー接触層が設けられるステップと、
(5)該半導体ショットキー接触層に半導体ハット層が設けられるステップと、
(6)該半導体ハット層にオーム金属接触電極層が設けられるステップと、
(7)該半導体ショットキー接触層に無電気メッキ技術でゲート電極とするショットキー金属接触電極層が設けられるステップとを有することを特徴とする水素感知器の製造方法。
【請求項2】
前記ステップ(7)は、ウェットエッチングステップと、リソグラフィステップと、フォトマスクステップと、無電気メッキステップと、剥離ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ(7)は、ウェットエッチングステップと、リソグラフィステップと、フォトマスクステップと、増感ステップと、活化ステップと、無電気メッキステップと、剥離ステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項4】
前記無電気メッキステップの操作温度は、20〜70℃であり、メッキ時間は1〜120分であることを特徴とする請求項2又は3に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項5】
前記無電気メッキステップに用いられる無電気メッキ液は、透析金属前駆塩類と、還元剤と、錯化剤と、酸鹸値緩衝剤と、安定剤とを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項6】
前記透析金属前駆塩類は、メッキしようとする金属のハロゲニド、ニトロ塩類、アセテート又はアンモニウム塩類を含み、その濃度は、1〜10mMであることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項7】
前記無電気メッキ液における還元剤は、ジアザン、フォルモール又は還元性効果を有する糖質を含み、その濃度は、50〜500mMであることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項8】
前記錯化剤は、ニトロ塩類、アンモニウム塩類、硫酸塩類、シアネート、アセテート、ギ酸塩類、炭酸塩類、リン酸塩類、ホウ酸塩類、ハロゲニド塩類、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン又はNa2EDTAを含み、その濃度は、4〜50mMであることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項9】
前記無電気メッキ液の酸鹸値は、pH8〜pH12であり、該酸鹸値緩衝剤は、水酸化アンモニア、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを含むことを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法。
【請求項10】
前記安定剤は、チオ尿素又はチオジグリコール酸であることを特徴とする請求項5に記載の水素感知器の製造方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−168806(P2009−168806A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1562(P2009−1562)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(504455908)国立成功大学 (18)
【Fターム(参考)】