説明

沈殿重合による重合体製造方法

【課題】
【解決手段】本発明は、a)アンチソルベント、b)単量体、およびc)触媒を共に混合して前記b)単量体が重合されると同時に、前記b)単量体の重合により形成される重合体が固相として沈殿するステップを含む沈殿重合(precipitation polymerization)による重合体製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合反応中に重合体が固相として沈殿し、時間が経つにつれて粒子大きさが成長することにより、重合体を固体粒子状として直接得ることができる沈殿重合(precipitation polymerization)による重合体製造方法に関する。
【0002】
本出願は2006年12月5日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2006−122527号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
情報電子産業分野においてはケイ素酸化物やケイ素窒化物のような無機物が主に用いられてきたが、小さくて効率の高い素子に対する必要性が増大することによって高機能性新素材に対する必要性が増大している。
【0004】
このような高機能特性要件を満たせる素材として、誘電定数と吸湿性が低く、金属付着性、強度、熱安定性および透明度に優れ、高いガラス転移温度(Tg>250℃)を有する重合体に対する関心が高まっている。
【0005】
このような重合体は、半導体やTFT−LCDの絶縁膜、偏光板保護フィルム、マルチチップ・モジュール(multichip modules)、集積回路(IC)、印刷回路基板(printed circuit board)、電子素材の封止剤やフラットパネル・ディスプレイ(flat panel display)などの電子材料として用いることができる。
【0006】
重合体のうちの環状オレフィン系重合体は、ノルボルネンのような環状単量体からなる重合体であり、既存のオレフィン系重合体に比べ、透明性、耐熱性、耐薬品性に優れており、複屈折率と水分吸収率が非常に低いため、CD、DVD、POF(Plastic Optical Fiber)のような光学素材、キャパシタフィルム、低誘電体のような情報電子素材、低吸水性注射器、ブリスター・パッケージング(Blister Packaging)などのような医療用素材として多様に応用することができる。
【0007】
このような波及効果により、環状オレフィン系重合体を商業的に応用できる方法に関する研究が学系および産業系で持続的に行われてきた。
【0008】
一次的には活性の高い触媒を製造する方法に関する内容が主をなしており、工程側面で経済性に優れた重合および後処理工程に関する研究は相対的に微弱である。
【0009】
今までは環状オレフィン系重合体を製造するのに溶液重合(solution polymerization)方法を利用した。溶液重合は、一般的にトルエンなどのような溶媒に触媒と単量体を混合して一定温度で反応が行われるようにするため、反応が行われる間に単量体と重合体は全て溶媒に溶けている状態が維持され、単一液相として存在する。
【0010】
転換率が増加するに伴って溶液内の重合体の濃度が益々上昇するようになり、それに伴って溶液の粘度が上昇する。
【0011】
反応中の相分離や相変換は起こらず、単一液相として重合反応が終了するため、重合が完了すれば、重合により得られた重合体は溶媒に完全に溶けている状態となる。そこで、重合反応が完了した後、溶媒に溶けている重合体を回収するために、アルコール(メタノール、エタノールなど)やヘキサン、シクロヘキサンなどのアンチソルベント(antisolvent)を用いた滴加方法を利用する。
【0012】
アンチソルベントとは、高分子溶液の溶媒と混合され得、分離しようとする環状オレフィン系高分子の溶解度が低い物質を意味する。
【0013】
滴加方法には、アンチソルベントを重合溶液に徐々に滴加する方法(正滴加)とアンチソルベントに重合溶液を徐々に滴加する方法(逆滴加)などがある。
【0014】
環状オレフィン系重合方法の場合には2つ方法の両方とも利用することができ、重合体および重合溶液の特性、生成される粒子特性などを考慮して2つ方法のうちから一つを選択する。
【0015】
この時、どのアンチソルベントを用いるかということも滴加沈殿に重要な問題となる。
【0016】
一般的に用いられるアンチソルベントは、メタノールとエタノールのうちから選択された1種以上のアルコール系溶媒またはノルマルヘキサン、シクロヘキサン、およびヘプタンのうちから選択された1種以上の非極性溶媒またはアセトン系溶媒などである。
【0017】
ところで、滴加沈殿の場合、重合溶液に溶けている重合体を粒子状として沈殿させて得るために、純粋重合体に対し5倍〜20倍に達する多量のアンチソルベントを用いなければならないという短所がある。
【0018】
これは、商業的規模の工程を行うにあたり、多量のアンチソルベントを一回使用後廃棄処分できないために回収しなければならず、用いられたアンチソルベントを回収および精製するためには多段の蒸留塔を利用して分別蒸留を行わなければならないため、多くの設備投資費用と稼動費用が発生する。
【0019】
また、滴加方法によって重合体を沈殿させた後、溶媒と重合体の分離、重合体の洗浄などの後処理が完了すれば、製品包装などのために重合体は粒子状やペレット状で得るのが有利であるが、環状オレフィン系重合体の場合は、200〜300℃の一般的な押出温度で溶解せず、温度をさらに上げる場合に液相として存在せずに直ちに劣化して炭化する。
【0020】
したがって、押出機を利用して重合体をペレット状で得ることは、環状オレフィン系重合体の熱的特性上、不可能であるという短所がある。
【0021】
このように、従来の溶液重合方法を利用した環状オレフィン系重合方法は、重合収率、得られる重合体の分子量、触媒使用量の側面で実用的に求められるレベルを全て満たせるにしても、重合体を粒子状で回収するのに多くの費用がかかるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、前述した溶液重合(solution polymerization)方法とは異なり、a)アンチソルベント、b)単量体、およびc)触媒を共に混合することにより、重合反応中に重合体が固相の粒子として沈殿し、反応が進行するに伴って粒子が益々成長して適切な粒度を有するようにする沈殿重合(precipitation polymerization)による重合体製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、a)アンチソルベント、b)単量体、およびc)触媒を共に混合して前記b)単量体が重合されると同時に、前記b)単量体の重合により形成される重合体が固相として沈殿するステップを含む沈殿重合(precipitation polymerization)による重合体製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の重合体製造方法によれば、反応後、適切なレベルの重合収率と重量平均分子量(Mw)を有する重合体を固体粒子状として直接得ることができ、従来の溶液重合時、重合反応後に溶液から重合体を回収するために求められる後処理工程が必要ないため、従来の溶液重合に比べて工程が非常に単純化するので、商業生産時における設備投資費用や稼動費用を画期的に減らすことができる。
【0025】
また、用いられるアンチソルベントの使用量を画期的に減少させることができるため、商業生産時における投資費用と稼動費用を節減できるだけでなく、化学物質による環境負荷を最小化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、a)アンチソルベント、b)単量体、およびc)触媒を共に混合して前記b)単量体が重合されると同時に、前記b)単量体の重合により形成される重合体が固相として沈殿するステップを含む沈殿重合(precipitation polymerization)による重合体製造方法を提供する。
【0027】
本発明に係る製造方法では、a)アンチソルベント、b)単量体、およびc)触媒を一度に混合させることにより、前記c)触媒下で前記b)単量体の重合反応が進行されると同時に、これによって形成された重合体はアンチソルベントによって固相として沈殿する。このように固相として重合体が沈殿し始まると、前記a)、b)、およびc)の混合物は固相と液相が混合された低粘度のスラリー(slurry)状として存在し、この時、スラリー内のアンチソルベントに対する重合体の重量比率が、アンチソルベント:重合体=0.1〜10であり得る。
【0028】
本発明に係る製造方法により製造された前記重合体のかさ密度(bulk density)は0.2〜0.5g/mlであり得る。
【0029】
前記a)アンチソルベントは、炭素数5〜20の線状構造、分枝構造、および環状構造のうちから選択されたいずれか一つの構造を有することが好ましく、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、およびヘプタンのうちから選択されたいずれか一つであることがより好ましい。
【0030】
前記b)単量体の重量に対し、前記a)アンチソルベントの添加比率が10〜90%であることが好ましい。
【0031】
前記c)触媒として、下記化学式1で示される10族金属含有前触媒および下記化学式2で示されるホスホニウムを含有する塩化合物を含む助触媒からなる触媒混合物を用いることができる。
【0032】
【化1】

【0033】
前記化学式1において、
Xは各々S、OおよびNのうちから選択されたヘテロ原子であり;
1は−CH=CHR20、−OR20、−SR20、−N(R202、−N=NR20、−P(R202、−C(O)R20、−C(R20)=NR20、−C(O)OR20、−OC(O)OR20、−OC(O)R20、−C(R20)=CHC(O)R20または−R21C(O)R20、−R21C(O)OR20または−R21OC(O)R20であり;前記R20は水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数1〜5のアルキル、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数1〜5のハロアルキル、置換もしくは非置換の炭素数5〜10のシクロアルキル、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数2〜5のアルケニル、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数2〜5のハロアルケニル、または置換もしくは非置換の炭素数7〜24のアラルキルであり、R20が2以上存在する場合にこれらは互いに同じであるか異なり;前記R21は炭素数1〜20のヒドロカルビレン(hydrocarbylene)であり;
2は置換もしくは非置換の炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル、置換もしくは非置換の炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル、置換もしくは非置換の炭素数5〜12のシクロアルキル、置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)、または置換もしくは非置換の炭素数3〜20のアルキニル(alkynyl)であり;
Mは10族金属であり;
pは0〜2であり;
[化学式2]
[(R3)−P(R4a(R4'b[Z(R5dc][Ani]
前記化学式2において、
a、bおよびcはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c=3であり;
Zは酸素、硫黄、ケイ素、または窒素であり;
dは、Zが酸素または黄色である場合に1であり、Zが窒素である場合に2であり、Zがケイ素である場合に3であり;
3は水素またはアルキルまたはアリールであり;
4、R4'およびR5は、各々独立に、水素;置換もしくは非置換の炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;置換もしくは非置換の炭素数2〜20の線状もしくは分枝状のアルケニル;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ;置換もしくは非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル;置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール;置換もしくは非置換の炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl);置換もしくは非置換の炭素数3〜20のアルキニル(alkynyl);置換もしくは非置換のトリ(炭素数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル)シリル;置換もしくは非置換のトリ(炭素数1〜10の線状もしくは分枝状アルコキシ)シリル;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル)シリル;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール)シリル;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリールオキシ)シリル;置換もしくは非置換のトリ(炭素数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル)シロキシ;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル)シロキシ;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール)シロキシであり;R4、R4'およびR5のうちから選択された置換基が2以上存在する場合は互いに同じであるか異なり、
[Ani]は前記化学式1の金属Mに弱く配位できる陰イオンである。
【0034】
前記陰イオンの具体的な例としては、ボレート、アルミネート、[SbF6]−、[PF6]−、[AsF6]−、ペルフルオロアセテート(perfluoroacetate;[CF3CO2]−)、ペルフルオロプロピオネート(perfluoropropionate;[C25CO2]−)、ペルフルオロブチレート(perfluorobutyrate;[CF3CF2CF2CO2]−)、パークロレート(perchlorate;[ClO4]−)、パラ−トルエンスルホネート(p−toluenesulfonate;[p−CH364SO3]−)、[SO3CF3]−、ボラタベンゼン、およびハロゲンで置換もしくは非置換されたカルボランからなる群から選択されたものであってもよい。
【0035】
本明細書に用いられた用語「置換もしくは非置換」は、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリル、シロキシなどで置換されるか置換されないことを意味する。
【0036】
また、本明細書に用いられた用語「アルケニル」はビニル、アリルを含む。
【0037】
ここで、前記化学式2のボレートまたはアルミネートは、より具体的には、下記化学式2aまたは化学式2bで示される陰イオンであってもよい。
【0038】
[化学式2a]
[M’(R64
[化学式2b]
[M’(OR64
前記化学式2aおよび2bにおいて、M’はホウ素またはアルミニウムであり;R6は、各々独立に、ハロゲン;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;炭素数3〜20の炭化水素で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリール;炭素数3〜20の線状もしくは分枝状トリアルキルシロキシまたは炭素数18〜48の線状もしくは分枝状トリアリールシロキシで置換された炭素数6〜40のアリール;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)である。
【0039】
前記b)単量体は特に沸点が150℃以上である環状オレフィン系単量体であってもよい。しかし、前記b)単量体が環状オレフィン系単量体に限定されるものではなく、多様な種類の単量体を本発明に適用することができる。
【0040】
環状オレフィン系単量体としては極性官能基を含むノルボルネン系単量体またはその誘導体を用いることができる。環状ノルボルネン系単量体またはノルボルネン誘導体は少なくとも一つのノルボルネン(ビシクロ[2,2,1]hept−2−ene)単位を含む単量体を意味する。前記ノルボルネン系単量体は下記化学式3で示される化合物であることが好ましい:
【0041】
【化2】

【0042】
前記化学式3において、
mは0〜4の整数であり、
7、R7’、R7’’およびR7’’’は互いに同じであるか異なり、各々独立に、水素;ハロゲン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜20の線状もしくは分枝状アルキニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリール;ならびにハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)からなる群から選択された非極性官能基、または
−R8OR9、−OR9、−OC(O)OR9、−R8OC(O)OR9、−C(O)R9、−R8C(O)OR9、−C(O)OR9、−R8C(O)R9、−OC(O)R9、−R8OC(O)R9、−(R8O)k−OR9(kは1〜10の整数)、−(OR8k−OR9(kは1〜10の整数)、−C(O)−O−C(O)R9、−R8C(O)−O−C(O)R9、−SR9、−R8SR9、−SSR9、−R8SSR9、−S(=O)R9、−R8S(=O)R9、−R8C(=S)R9、−R8C(=S)SR9、−R8SO29、−SO29、−R8OSO29、−R8SO39、−SO39、−R8OSO39、−R8N=C=S、−N=C=S、−NCO、−R8−NCO、−CN、−R8CN、−NNC(=S)R9、−R8NNC(=S)R9、−NO2、−R8NO2
【0043】
【化3】

【0044】
【化4】

【0045】
【化5】

【0046】
【化6】

【0047】
からなる群から選択された極性官能基であり;
前記極性官能基において、R8およびR11は互いに同じであるか異なり、各々独立に、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜20の線状もしくは分枝状アルキニレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリーレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシレン;またはハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルボニルオキシレンであり;R8またはR11が2以上存在する場合にこれらは互いに同じであるか異なり;
9、R12、R13およびR14は互いに同じであるか異なり、各々独立に、水素;ハロゲン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜20の線状もしくは分枝状アルキニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリール;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ;またはハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルボニルオキシであり;R12が2以上存在する場合にこれらは互いに同じであるか異なり、
7、R7’、R7’’およびR7’’’が極性官能基、水素、またはハロゲンでなければ、互いに連結されて炭素数1〜10のアルキリデン基を形成するか、またはR7、R7’、R7’’およびR7’’’のうちのいずれか一つに連結されて炭素数4〜12の飽和もしくは不飽和環、または炭素数6〜17の芳香族環を形成することができる。
【0048】
前記環状オレフィン系単量体を前記a)アンチソルベントおよび前記触媒混合物と共に反応器に投入し、50〜150℃の温度で反応させて環状オレフィン系重合体を製造することができる。
【0049】
前記環状オレフィン系単量体、前記a)アンチソルベント、および前記触媒混合物を共に混合して製造した前記環状オレフィン系重合体は重量平均分子量(Mw)が50,000〜500,000であり得る。
【0050】
以下では、本発明の一実施状態として、環状オレフィン系重合体の製造方法についてより具体的に説明する。但し、本発明がそれに限定されるものではない。
【0051】
本発明の一実施状態として、環状オレフィン系重合体の製造方法は、重合反応が進行されることによって重合体が粒子状として沈殿し、沈殿した粒子が互いに凝集して成長することにより、溶液重合時、重合反応後に溶液から重合体を回収するために求められる後処理工程が必要なく、直接固体粒子状の重合体を得ることができる方法である。
【0052】
環状オレフィン系重合体の製造方法は、i)前記化学式1で示される10族金属含有前触媒および前記化学式2で示されるホスホニウムを含有する塩化合物を含む助触媒からなる触媒混合物を準備するステップ;およびii)反応器に前記触媒混合物、アンチソルベント、環状オレフィン系単量体を共に投入し、前記触媒混合物の存在下で、50〜150℃の温度で環状オレフィン系単量体とアンチソルベントを含む単量体溶液を付加重合させるステップを含み、これにより、環状オレフィン系重合体を反応後に固体粒子状として得ることができる。
【0053】
前記触媒混合物は、前記化学式1で示される10族金属含有前触媒と前記化学式2で示されるホスホニウムを含有する塩化合物を含む助触媒からなることを特徴とし、50〜150℃の重合温度で熱分解されないながらも高活性を示す。
【0054】
前記助触媒として用いられるホスホニウムを含有する化合物は電子的安定化能力を有し、遷移金属化合物を熱的、化学的に活性化させる役割をする。前記10族の遷移金属を含有する前触媒に対する助触媒の比率は前触媒1モルに対して0.5〜10モルであり、前記助触媒のモル数が0.5モル未満である場合には前触媒の活性化効果が微弱であり、10モルを超過する場合には過量のホスホニウムが金属に配位して立体的にノルボルネン単量体の配位を防ぎ、電子的に陽イオン形態の触媒活性種が過度に安定化してノルボルネン単量体の二重結合との相互作用が弱くなり、その結果、重合収率と重量平均分子量(Mw)が全て減少する問題点があるために好ましくない。
【0055】
前記触媒混合物は溶媒を用いることなく固相として直接投入することもできるが、溶媒上にこれらを混合して活性化した触媒溶液を製造した後に投入することができ、前記前触媒と助触媒を別途の溶液に溶解させて重合時に投入することもできる。前記触媒混合物を溶媒に溶解させる場合に用いられる溶媒としてはジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、クロロベンゼンまたはその混合物などが挙げられる。
【0056】
前記触媒混合物は前記前触媒と助触媒とからなる金属触媒錯化合物であってもよく、前記触媒混合物の使用量は前記前触媒成分を基準に前記単量体溶液中の総単量体モル量に対して1/2,500〜1/200,000の範囲内であり得る。すなわち、従来の触媒システムより遥かに少ない量の触媒を用いても極性官能基を有するノルボルネン系単量体を高収率で重合することができる。前記使用量はより好ましくは1/5,000〜1/20,000である。
【0057】
前記環状オレフィン系単量体は環状オレフィン系重合体を製造する時に用いられるものとして極性官能基を含むノルボルネン系単量体を用いることができるが、それに限定されない。
【0058】
前記アンチソルベントとしては、重合体が溶けないノルマルヘキサン、シクロヘキサン、およびヘプタンなどを用いることができる。アンチソルベントに対して単量体の体積比率は0.1〜0.9であって、調整可能である。アンチソルベントに対して単量体の比率が低いほど、反応中の粒子形成に優れ、粒子間の凝集現象は弱いが、収率と重量平均分子量(Mw)が減少する傾向を示す。逆に、アンチソルベントに対して単量体の比率が高いほど、収率と重量平均分子量(Mw)は増加するが、反応初期の粒子形成が難しく、反応後半部になって粒子沈殿がなされて粒子間の凝集現象が強まる。アンチソルベントに対して単量体の比率が1になると、溶媒を全く使わない塊状(bulk)重合状態となる。塊状重合においては重合体が単量体に完全に溶けるために沈殿現象が起こらない。
【0059】
本発明に係る環状オレフィン系重合体製造方法により環状オレフィン系重合体を製造すれば、反応が進行される間に重合体が粒子状として沈殿し、沈殿粒子は反応が進行されるにつれて成長するようになる。反応が完了すれば、収率は10%〜80%程度に達し、製造される重合体の重量平均分子量(Mw)は60,000〜290,000程度になる固体粒子状の重合体を得ることができる。
【0060】
本発明に係る製造方法により製造される環状オレフィン系重合体の一例としてノルボルネン系重合体は、透明で、金属に対する付着性に優れ、絶縁性電子材料などとして用いることができるほど誘電定数が低く、熱安定性および強度に優れた環状オレフィン系重合体である。また、この重合体は、カップリング剤を用いることがなくても電子素材の基質(substrate)に付着され得るし、銅、銀、または金のような金属基質(substrate)によく付着され得るし、偏光板の保護フィルムおよびLCDパネルの補償フィルムとして用いることができるほど光学的特性に優れ、集積回路、回路印刷基板またはマルチチップ・モジュール(multichip modules)のような電子素材に用いられ得る。
【0061】
本発明に係る製造方法により製造された環状オレフィン系重合体は、CD、DVD、POF(PLASTIC OPTICAL FIBER)のような光学素材;キャパシタフィルム、低誘電体のような情報電子素材;および低吸水性注射器、ブリスター・パッケージング(Blister Packaging)などの医療用素材として用いることができる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。
【0063】
下記の実施例において、空気や水に敏感な化合物を取り扱う全作業は標準シュレンク技術(standard Schlenk technique)またはドライボックス技術を利用して実施した。重合体の重量平均分子量(Mw)と分子量分布(Mw/Mn)はGPC(gel permeation chromatography)を利用して測定し、この時、ポリスチレン(polystyrene)サンプルを標準にした。トルエンはカリウム/ベンゾフェノンで蒸留して精製し、ジクロロメタンとクロロベンゼンはCaH2で蒸留精製して用いた。ノルマルヘキサンの場合は工業用ヘキサンと精製ヘキサンを用い、シクロヘキサンの場合は工業用を精製することなく用いた。ヘプタンの場合は無水99%のものをアルドリッチ(Aldrich)から購入して用いた。
【0064】
[実施例1]
ノルマルヘキサンをアンチソルベントとして用いた5−ノルボルネン−2−アリルアセテートの重合
5−ノルボルネン−2−アリルアセテート(AANB、100ml、556.0mml)とノルマルヘキサン400mlを1000ml高圧ガラス反応器に投入した。Pd(OAc)2(OAc=acetate、14mg、61.7μmol)と[HP(Cy)3][B(C654](88.8mg、92.6μmol)を250mlシュレンクフラスコに投入し、ジクロロメタン5mlを入れて溶解させた。作られた触媒溶液を、シリンジによって前記単量体とアンチソルベントが入っている反応器に投入し、90℃で18時間反応させた。この時、インペラのRPM[revolution per minute]は200であった。反応が完了した後、白色の粒子状として重合体沈殿物が得られた。この沈殿物を過量のノルマルヘキサンで洗浄し、アスピレーション(aspiration)方法で重合体を回収した後、真空オーブンにて80℃で24時間乾燥し、5−ノルボルネン−2−アリルアセテートの重合体19.05g(投入された単量体総量基準19重量%)を得た。重量平均分子量(Mw)は138,854であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.99であった。
【0065】
[実施例2]
シクロヘキサンをアンチソルベントとして用いた5−ノルボルネン−2−アリルアセテートの重合
5−ノルボルネン−2−アリルアセテート(AANB、70mL、389.2mml)とシクロヘキサン430mlを1000ml高圧ガラス反応器に投入した。Pd(OAc)2(OAc=acetate、9.66mg、42.6μmol)と[HP(Cy)3][B(C654](62.2mg、64.9μmol)を250mlシュレンクフラスコに投入し、ジクロロメタン5mlを入れて溶解させた。作られた触媒溶液をシリンジによって前記単量体とアンチソルベントが入っている反応器に投入し、90℃で18時間反応させた。この時、インペラのRPMは200であった。反応が完了した後、白色の粒子状として重合体沈殿物が得られた。重合体の洗浄と乾燥方法は実施例1と同様である。乾燥後、5−ノルボルネン−2−アリルアセテートの重合体10.0g(投入された単量体総量基準14.3重量%)を得た。重量平均分子量(Mw)は114,533であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.80であった。
【0066】
[実施例3〜実施例7]
ヘプタンをアンチソルベントとして用いた5−ノルボルネン−2−アリルアセテートの重合
ヘプタンをアンチソルベントとして用い、アンチソルベントに対して単量体の比率を13%、20%、33%、53%、および67%に変化させながら、5−ノルボルネン−2−アリルアセテート(AANB)を重合した。5個の250mlシュレンクフラスコに、各々、アンチソルベント(ml):単量体(ml)を130:20、120:30、100:50、70:80、および50:100で投入した。触媒としてPd(OAc)2(70.3mg、313.2μmol)と[HP(Cy)3][B(C654](451.5mg、471.1μmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした後、シリンジによって各フラスコに1mlずつ投入した。90℃でマグネチックスターラを利用して18時間攪拌しながら反応させた。重合体の回収過程は実施例1と同じ方法で実施して5−ノルボルネン−2−アリルアセテートの重合体を製造し、その結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
[実施例8]
5−ノルボルネン−2−アリルアセテートとブチルノルボルネンの共重合
モノマーとして5−ノルボルネン−2−アリルアセテート(NB−CH2−O−C(O)−CH3)(5ml、30.9mmol)とブチルノルボルネン(1.3ml、7.7mmol)を、触媒としてPd(OAc)2(0.17mg、0.77μmol)と[(Cy)3PH][B(C654](1.48mg、1.55μmol)を用い、実施例1と同一のアンチソルベント、同一の重合条件、および方法で重合した。その結果、重合体4.35g(69.2重量%)が得られ、重量平均分子量(Mw)は303,550であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.16であった。
【0069】
[実施例9]
ノルボルネンカルボン酸メチルエステルとブチルノルボルネンの共重合
モノマーとしてノルボルネンカルボン酸メチルエステル(14.64g、96.22mml)とブチルノルボルネン(6.14g、41.24mmol)を、触媒としてパラジウム(II)アセチルアセトネート(Palladium(II) acetylacetonate)(4.19mg)と[(Cy)3PH][B(C654](27.1mg)を用い、実施例1と同一のアンチソルベント、同一の重合条件、および方法で重合した。その結果、重合体12.08g(58.1重量%)が得られ、重量平均分子量(Mw)は116,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.97であった。
【0070】
このように沈殿重合を用いた本発明に係る重合体製造方法により、重合収率10%以上、重量平均分子量(Mw)60,000以上の重合体を固体粒子状として得ることができる。
【0071】
また、本発明の製造方法によれば、重合溶液を製造完了した後、製造完了した重合溶液に別途にアンチソルベントを添加して重合体を沈殿させる沈殿工程および多段階のフィルタリング工程のような後処理工程を行う必要がないため、溶液重合方法に比べて工程が簡素化し、設備投資費用および稼動費用を画期的に減らすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アンチソルベント、b)単量体、およびc)触媒を共に混合して前記b)単量体が重合されると同時に、前記b)単量体の重合により形成される重合体が固相として沈殿するステップを含む沈殿重合(precipitation polymerization)による重合体製造方法。
【請求項2】
前記a)アンチソルベントは、炭素数5〜20の線状構造、分枝構造、および環状構造のうちから選択されたいずれか一つの構造を有する炭化水素化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項3】
前記a)アンチソルベントは、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、およびヘプタンのうちから選択されたいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項4】
前記b)単量体重量に対して前記a)アンチソルベントの添加比率が10〜90%であることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項5】
前記c)触媒として、下記化学式1で示される10族金属含有前触媒および下記化学式2で示されるホスホニウムを含む塩化合物を含む助触媒を有する触媒混合物を用いることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法:
【化7】

前記化学式1において、
Xは各々S、OおよびNのうちから選択されたヘテロ原子であり;
1は−CH=CHR20、−OR20、−SR20、−N(R202、−N=NR20、−P(R202、−C(O)R20、−C(R20)=NR20、−C(O)OR20、−OC(O)OR20、−OC(O)R20、−C(R20)=CHC(O)R20または−R21C(O)R20、−R21C(O)OR20または−R21OC(O)R20であり;前記R20は水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数1〜5のアルキル、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数1〜5のハロアルキル、置換もしくは非置換の炭素数5〜10のシクロアルキル、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数2〜5のアルケニル、置換もしくは非置換の線状もしくは分枝状の炭素数2〜5のハロアルケニル、または置換もしくは非置換の炭素数7〜24のアラルキルであり、R20が2以上存在する場合にこれらは互いに同じであるか異なり;前記R21は炭素数1〜20のヒドロカルビレン(hydrocarbylene)であり;
2は置換もしくは非置換の炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル、置換もしくは非置換の炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル、置換もしくは非置換の炭素数5〜12のシクロアルキル、置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)、または置換もしくは非置換の炭素数3〜20のアルキニル(alkynyl)であり;
Mは10族金属であり;
pは0〜2であり;
[化学式2]
[(R3)−P(R4a(R4'b[Z(R5dc][Ani]
前記化学式2において、
a、bおよびcはそれぞれ0〜3の整数であって、a+b+c=3であり;
Zは酸素、硫黄、ケイ素、または窒素であり;
dは、Zが酸素または硫黄である場合に1であり、Zが窒素である場合に2であり、Zがケイ素である場合に3であり;
3は水素またはアルキルまたはアリールであり;
4、R4'およびR5は、各々独立に、水素;置換もしくは非置換の炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;置換もしくは非置換の炭素数2〜20の線状もしくは分枝状のアルケニル;置換もしくは非置換の炭素数1〜20のアルコキシ;置換もしくは非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル;置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール;置換もしくは非置換の炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl);置換もしくは非置換の炭素数3〜20のアルキニル(alkynyl);置換もしくは非置換のトリ(炭素数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル)シリル;置換もしくは非置換のトリ(炭素数1〜10の線状もしくは分枝状アルコキシ)シリル;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル)シリル;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール)シリル;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリールオキシ)シリル;置換もしくは非置換のトリ(炭素数1〜10の線状もしくは分枝状アルキル)シロキシ;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル)シロキシ;置換もしくは非置換のトリ(置換もしくは非置換の炭素数6〜40のアリール)シロキシであり;R4、R4'およびR5のうちから選択された置換基が2以上存在する場合は互いに同じであるか異なり、
[Ani]は前記化学式1の金属Mに弱く配位できる陰イオンである。
【請求項6】
前記化学式2の[Ani]は、ボレート、アルミネート、[SbF6]−、[PF6]−、[AsF6]−、ペルフルオロアセテート(perfluoroacetate;[CF3CO2]−)、ペルフルオロプロピオネート(perfluoropropionate;[C25CO2]−)、ペルフルオロブチレート(perfluorobutyrate;[CF3CF2CF2CO2]−)、パークロレート(perchlorate;[ClO4]−)、パラ−トルエンスルホネート(p−toluenesulfonate;[p−CH364SO3]−)、[SO3CF3]−、ボラタベンゼン、およびハロゲンで置換もしくは非置換されたカルボランからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項7】
前記化学式2の[Ani]は下記化学式2aまたは化学式2bで示される陰イオンであることを特徴とする、請求項5に記載の沈殿重合による重合体製造方法:
[化学式2a]
[M’(R64
[化学式2b]
[M’(OR64
前記化学式2aおよび2bにおいて、M’はホウ素またはアルミニウムであり;R6は、各々独立に、ハロゲン;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル;ハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;炭素数3〜20の炭化水素で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリール;炭素数3〜20の線状もしくは分枝状トリアルキルシロキシまたは炭素数18〜48の線状もしくは分枝状トリアリールシロキシで置換された炭素数6〜40のアリール;またはハロゲンで置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)である。
【請求項8】
前記b)単量体として、沸点(Tb)が150℃以上である単量体を用いることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項9】
前記b)単量体は環状オレフィン系単量体であることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項10】
前記環状オレフィン系単量体が下記化学式3で示される化合物であることを特徴とする、請求項9に記載の沈殿重合による重合体製造方法:
【化8】

前記化学式3において、
mは0〜4の整数であり、
7、R7’、R7’’およびR7’’’は互いに同じであるか異なり、各々独立に、水素;ハロゲン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜20の線状もしくは分枝状アルキニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリール;ならびにハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキル(aralkyl)からなる群から選択された非極性官能基、または
−R8OR9、−OR9、−OC(O)OR9、−R8OC(O)OR9、−C(O)R9、−R8C(O)OR9、−C(O)OR9、−R8C(O)R9、−OC(O)R9、−R8OC(O)R9、−(R8O)k−OR9(kは1〜10の整数)、−(OR8k−OR9(kは1〜10の整数)、−C(O)−O−C(O)R9、−R8C(O)−O−C(O)R9、−SR9、−R8SR9、−SSR9、−R8SSR9、−S(=O)R9、−R8S(=O)R9、−R8C(=S)R9、−R8C(=S)SR9、−R8SO29、−SO29、−R8OSO29、−R8SO39、−SO39、−R8OSO39、−R8N=C=S、−N=C=S、−NCO、−R8−NCO、−CN、−R8CN、−NNC(=S)R9、−R8NNC(=S)R9、−NO2、−R8NO2

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

からなる群から選択された極性官能基であり;
前記極性官能基において、R8およびR11は互いに同じであるか異なり、各々独立に、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜20の線状もしくは分枝状アルキニレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリーレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキレン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシレン;またはハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルボニルオキシレンであり;R8またはR11が2以上存在する場合にこれらは互いに同じであるか異なり;
9、R12、R13およびR14は互いに同じであるか異なり、各々独立に、水素;ハロゲン;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数1〜20の線状もしくは分枝状アルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数2〜20の線状もしくは分枝状アルケニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜20の線状もしくは分枝状アルキニル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数3〜12のシクロアルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリール;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数7〜15のアラルキル;ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ;またはハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリルおよびシロキシのうちから選択された1以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルボニルオキシであり;R12が2以上存在する場合にこれらは互いに同じであるか異なる。
【請求項11】
前記a)アンチソルベント、前記環状オレフィン系単量体、および前記触媒混合物を反応器に共に投入し、50〜150℃の温度で反応させることを特徴とする、請求項9に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項12】
前記重合体は固相として得られる環状オレフィン系重合体であり、前記環状オレフィン系重合体は重量平均分子量(Mw)が50,000〜500,000であることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。
【請求項13】
前記重合体のかさ密度(bulk density)は0.2〜0.5g/mlであることを特徴とする、請求項1に記載の沈殿重合による重合体製造方法。

【公表番号】特表2010−511736(P2010−511736A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539194(P2009−539194)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006278
【国際公開番号】WO2008/069568
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】