説明

油圧回路用脈動吸収装置及び内燃機関の動弁装置

【課題】可撓性膜部材の耐久性を高めた油圧回路用脈動吸収装置及び内燃機関の動弁装置を提供する。
【解決手段】油圧回路用脈動吸収装置は、油圧回路の油路に接続する油室と、気体を含むエア室と、前記エア室と前記油室とを分離する板状の可撓性膜部材と、前記エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材と、を含んでいる。また、内燃機関の排気弁又は吸気弁を駆動可能な弁駆動ピストンと、前記弁駆動ピストンが往復運動する弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路と、を含み、前記油圧回路用脈動吸収装置により、前記弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路の脈動を吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧回路の脈動を吸収するための油圧回路用脈動吸収装置及び内燃機関の吸気弁、排気弁を駆動するための内燃機関の動弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ポンプ作用室の燃料流出孔と脈圧式燃料ポンプの燃料吐出口との間に形成される燃料吐出室と該燃料吐出室に発生する脈動圧を緩和するためのエアチャンバとを隔成する可撓性膜部材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−014075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の脈圧式燃料ポンプの可撓性膜部材は、油圧回路へ適用しようとすると、脈動吸収の機構を小型とすることができるが油圧の変動に可撓性膜部材が耐えきれないおそれがある。このため、従来の油圧回路では、脈動吸収のためプラダ型やピストン型といったアキュームレータを取り付けていたが小型とすることが難しい。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、可撓性膜部材の耐久性を高めた油圧回路用脈動吸収装置及び内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために本発明の油圧回路用脈動吸収装置は、油圧回路の油路に接続する油室と、気体を含むエア室と、前記エア室と前記油室とを分離する板状の可撓性膜部材と、前記エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材と、を含むことを特徴とする。
【0007】
これにより、油室に伝達される油圧の変動に可撓性膜部材が耐えきれないおそれを低減できる。このため可撓性膜部材の耐久性を高めた油圧回路用脈動吸収装置は、平板な可撓性膜部材使用可能となり、小型とすることができる。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記可撓性膜変形抑制部材が内部に空隙がある材料であることが好ましい。これにより、内部に空隙がある材料は気体を含み、気体は圧力の変化に応じて体積を変化させることができる。このため、脈動が吸収される。また、可撓性膜変形抑制部材が、板状の可撓性膜部材の過度の変形を抑制することができる。内部に空隙がある材料は発泡樹脂であるとより好ましい。
【0009】
本発明の望ましい態様として前記可撓性膜変形抑制部材は、蛇腹状弾性部材と、前記蛇腹状弾性部材の変形を抑制する係止部材を有することが好ましい。これにより、前記蛇腹状弾性部材が気体を含み、気体は圧力の変化に応じて体積を変化させることができる。このため、脈動が吸収される。また、可撓性膜変形抑制部材が、板状の可撓性膜部材の過度の変形を抑制することができる。
【0010】
本発明の望ましい態様として前記油室は、前記油圧回路の複数の油路に接続されることが好ましい。これにより、油圧回路用脈動吸収装置が複数の油路で共用され、油圧システム全体が小型となる。
【0011】
上述の目的を達成するために本発明の内燃機関の動弁装置は、内燃機関の排気弁又は吸気弁を駆動可能な弁駆動ピストンと、前記弁駆動ピストンが往復運動する弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路と、を含み、前記油圧回路用脈動吸収装置により、前記弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路の脈動を吸収することを特徴とする。
【0012】
これにより油路の脈動が吸収され、弁駆動ピストンの動作に不要な振動が加わるおそれが低減される。その結果、可撓性膜部材の耐久性を高めた油圧回路用脈動吸収装置を有する内燃機関の動弁装置となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可撓性膜部材の耐久性を高めた油圧回路用脈動吸収装置及び内燃機関の動弁装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施形態1に係る内燃機関の動弁装置の構成図である。
【図2】図2は、弁駆動装置の概要図である。
【図3】図3は、制御装置の構成図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る油圧回路の一例を示す説明図である。
【図5】図5は、実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置を示す概要図である。
【図6】図6は、実施形態1に係る可撓性膜部材を示す概要図である。
【図7】図7は、実施形態1に係る可撓性膜変形抑制部材を示す概要図である。
【図8】図8は、実施形態2に係る油圧回路用脈動吸収装置を示す概要図である。
【図9】図9は、実施形態3に係る可撓性膜変形抑制部材を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1について、図面を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る内燃機関の動弁装置の構成図である。図2は、弁駆動装置の概要図である。図3は、制御装置の構成図である。実施形態1に係る内燃機関の動弁装置100は、後述する油圧回路を有し、油圧により弁駆動装置10が動作することで、シリンダブロック3内での燃焼用ピストン2の上下動に伴い、エンジンバルブとしての排気弁4a及び吸気弁4bを駆動する装置である。後述するように、実施形態1では、方向切換制御弁機構と弁駆動シリンダの弁駆動シリンダ上室とを接続している油路に油圧回路用脈動吸収装置を接続し、脈動吸収していることを特徴としている。
【0017】
図1に示すように、動弁装置100は、内燃機関1(エンジン)に設置される弁駆動装置10と、内燃機関1の状態を計測する計測装置20、21と、弁駆動装置10に油圧を供給する油圧ユニット30と、弁駆動装置10を制御する制御装置80と、信号ラインI1、I2、I3、I4、I5と、油圧ラインO1及びO2と、を有している。なお、ダイナモ200は、電力変換装置である。ダイナモ200は、必須の構成要素ではなく付加要素であり、例えば試験装置として使用する場合に用いる。
【0018】
図2に示すように、弁駆動装置10は、弁駆動シリンダ11と、弁駆動シリンダ11内に移動可能に収納された弁駆動ピストン12と、弁駆動ピストン12を駆動するためのサーボ弁13と、弁駆動ピストン12の位置を計測する弁駆動ピストン変位計15とを有している。図1に示すように内燃機関1は、シリンダブロック3と、クランクケース9と、燃焼用ピストン2と、クランクシャフト7と、コネクティングロッド8とを有している。燃焼用ピストン2とクランクシャフト7とがコネクティングロッド8で連結されている。このような構造により、燃焼用ピストンの往復運動がクランクシャフト7で回転運動に変換される。
【0019】
また、図1及び図2に示すように内燃機関1は、排気弁4a及び吸気弁4bと、弁ロッド5と、バルブスプリング6とを有している。排気弁4a、吸気弁4bは、各々、弁ロッド5の下端に固定されており、弁ロッド5に設けられたバルブスプリング6により閉弁方向に力が付勢されている。弁駆動装置10は、内燃機関1上に搭載され、弁駆動ピストン12が弁ロッド5と接続されている。又は、弁駆動装置10は、弁閉止時にわずかな隙間をあけ配置される。これにより、弁駆動ピストン12を駆動すると、弁ロッド5に応じて排気弁4a及び吸気弁4bが駆動される。なお、弁駆動ピストン12が弁ロッド5と接続される場合には、バルブスプリング6は不要となる。
【0020】
図2に示す弁駆動シリンダ11内に移動可能に収納された弁駆動ピストン12は、油圧アクチュエータであって、弁駆動ピストン12は弁駆動シリンダ11に油圧が供給されると伸びて排気弁4a又は吸気弁4bを開動作させる。また弁駆動ピストン12は弁駆動シリンダ11から油圧が排出されると縮んで排気弁4a又は吸気弁4bを閉動作させる。サーボ弁13は、弁駆動シリンダ11の外部側面11Aに取り付けられている。サーボ弁13は、後述する油圧ユニット30と油圧の供給ラインである油圧ラインO1及び戻りラインである油圧ラインO2で接続されている。サーボ弁13は、制御装置80からの信号ラインI2の指示に基づいて弁駆動シリンダ11への油圧の供給又は弁駆動シリンダ11から油圧の排出を制御する。例えば、サーボ弁13は、後述するスプール、油路、ノズルフラッパ機構等により構成されている。弁駆動ピストン変位計15は、弁駆動シリンダ11での弁駆動ピストン12の位置を計測し、計測した位置データを制御装置80へ出力する。
【0021】
図1に示す計測装置20は、内燃機関1の回転数を計測するエンコーダである。また、計測装置21は、内燃機関1のクランク角度を計測するクランク角センサである。計測装置20、21で計測された内燃機関1の回転数情報及びクランク角度情報は、制御装置80へ出力される。ここで、回転数というときには、各クランク角度での単位時間当たりの角度変化である回転速度をいうものとする。
【0022】
制御装置80は、弁駆動装置10を制御する装置である。図1に示すように、制御装置80は、信号ラインI1を介して油圧ユニット30を起動又は停止する制御を行う。また、制御装置80は、信号ラインI2を介してサーボ弁13を制御できる。また、制御装置80は、信号ラインI3、I4、I5を介して弁駆動ピストン変位計15及び計測装置20、21に接続されている。次に、図3を用いて、制御装置80を説明する。
【0023】
図3に示す制御装置80は、入力処理回路81と、入力ポート82と、処理部90と、記憶部94と、出力ポート83と、出力処理回路84と、を有する。処理部90は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)91と、RAM(Random Access Memory)92と、ROM(Read Only Memory)93とを含んでいる。制御装置80には、表示装置85と、入力装置86とが付随していてもよい。制御装置80には、表示装置85と、入力装置86とが必要に応じて接続可能である。また制御装置80は表示装置85と、入力装置86とがなくても動作可能である。
【0024】
処理部90と、記憶部94と、入力ポート82及び出力ポート83とは、バス87、バス88、バス89を介して接続される。バス87、バス88及びバス89により、処理部90のCPU91は、記憶部94と、入力ポート82及び出力ポート83と相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。
【0025】
入力ポート82には、入力処理回路81が接続されている。入力処理回路81には、例えば、計測データisが接続されている。そして、計測データisは、入力処理回路81に備えられるノイズフィルタやA/Dコンバータ等により、処理部90が利用できる信号に変換されてから、入力ポート82を介して処理部90へ送られる。これにより、処理部90は、必要な情報を取得することができる。計測データisは、例えば弁駆動ピストン変位計15、計測装置20、21から信号ラインI3、I4、I5を介して取得した変位データ、クランク角度データ、回転数データである。
【0026】
出力ポート83には、出力処理回路84が接続されている。出力処理回路84には、表示装置85や、外部出力用の端子が接続されている。出力処理回路84は、表示装置制御回路、弁駆動装置等の制御信号回路、信号増幅回路等を備えている。出力処理回路84は、処理部90が算出したサーボ弁13への信号データを表示装置85に表示させる表示信号として出力したり、サーボ弁13へ伝達する指示信号idとして出力したりする。表示装置85は、例えば液晶表示パネルやCRT(Cathode Ray Tube)等を用いることができる。指示信号idは、サーボ弁13へ信号ラインI2を介して伝達される。
【0027】
記憶部94は、動弁装置100の動作手順を含むコンピュータプログラム等が記憶されている。ここで、記憶部94は、RAMのような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブあるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0028】
上記コンピュータプログラムは、処理部90へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、動弁装置100の動作手順を実行するものであってもよい。また、この制御装置80は、コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、動弁装置100の動作手順を実行するものであってもよい。
【0029】
また、動弁装置100の動作手順は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション、あるいは制御用コンピュータ等のコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。また、このプログラムは、ハードディスク等の記録装置、フレキシブルディスク(FD)、ROM、CD−ROM、MO、DVD、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0030】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線網を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0031】
以上説明した制御装置80は、計測装置20、21から、クランク角度及び回転数データを取得する。本実施形態では、制御装置80は、本来所望のクランク角度毎にリフト量が与えられた目標リフト波形が記憶部94又はRAM92に記憶されているものとする。例えば、4ストロークエンジンでは燃焼用ピストンが2往復する間に、吸気・圧縮・膨張・排気の4行程を行うことで1サイクルを完結する。制御装置80は、この1サイクル分の目標リフト波形を生成し、目標リフト波形と同一のドライブ波形で弁駆動ピストンを駆動できるようサーボ弁に制御コマンドを制御信号として送付する。
【0032】
次に、本実施形態に係る油圧回路について説明する。図4は、実施形態1に係る油圧回路の一例を示す説明図である。図4に示す油圧回路10Aは、図2に示す弁駆動装置10の弁駆動シリンダ11と、弁駆動シリンダ11内に移動可能に収納された弁駆動ピストン12と、弁駆動ピストン12を駆動するためのサーボ弁13との油圧回路を示している。
【0033】
油圧回路10Aは、弁駆動シリンダ11と、弁駆動ピストン12と、スプール17を有する方向切換制御弁機構18と、ノズルフラッパ機構60と、油路41、42、43、44、45、46、47、48、49と、絞り68、69と、油圧回路用脈動吸収装置110とを含んでいる。また、スプール17の変位は、スプール変位計19により計測される。スプール変位計19は、信号ラインI6を通じて、上述した制御装置80へ接続されている。また、必要に応じ、配管71、72、73、74、75、76、77が設けられている。なお、油路41、42、44、45、47、48、49、配管77は、油ポート51、52、53、54、55、56、57、58に接続されている。油圧回路用脈動吸収装置110が実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置である。油圧回路10Aは、後述する実施形態2において説明するように、油圧回路用脈動吸収装置130と油ポート51、油路140を通じて接続されていてもよい。
【0034】
方向切換制御弁機構18は、3方向に切換可能な3方切換制御弁である。方向切換制御弁機構18は、スプール17が移動することで、弁駆動シリンダ11へ通じる油路46へ接続する油路45、48を切り換えることができる。これにより、油路46に供給する作動油圧力の供給対象を切り換えることができる。
【0035】
ノズルフラッパ機構60は、ノズルの流路面積を絞ることにより圧力を変化させる機構である。図4に示すようにノズルフラッパ機構60が油路41中に介在する。油路41はノズルフラッパ機構60から油路42、43との管路接続43a側となる油路41Aと、ノズルフラッパ機構60から油ポート51側となる油路41Bとを含んでいる。
【0036】
上述した制御装置80は制御信号コマンドを送信し、制御信号コマンドに応じてノズルフラッパ駆動機構60が動作する。ノズルフラッパ機構60の動作に沿って、フラッパがノズルの流路面積を絞り又は開口することで油路41Aの圧力を変化させることができる。
【0037】
図4に示す油路42は、油ポート52を介して油圧ユニット30と接続され、パイロット圧力が加えられている。絞り68はオリフィスであり、パイロット圧力を調整する圧力絞りである。
【0038】
油路43は、管路接続43aで、油路41A及び油路42に接続されている。油路43は、方向切換制御弁機構18のスプール17を押圧する押圧部でもある。油路44は、油ポート53を介して油圧ユニット30と接続され、パイロット圧力が加えられている。
【0039】
油路45は、油ポート54を介して油圧ユニット30と接続され、弁駆動ピストン12の第1の作動油圧力が加えられている。方向切換制御弁機構18により、油路45及び油路46の接続がスプール17の位置によって切り換えられる。
【0040】
油路46は、方向切換制御弁機構18と弁駆動シリンダ11の弁駆動シリンダ上室11aとを接続している。油路49は、方向切換制御弁機構18と弁駆動シリンダ11の弁駆動シリンダ上室11aとを接続する間の管路接続46aで油路46と接続されている。油路49には、油圧回路用脈動吸収装置110が設けられており、油路46で生じる脈動を吸収している。また、油路49は、油ポート58を介して油圧回路用脈動吸収装置130と接続している。ここで、弁駆動シリンダ上室11aは、弁駆動シリンダ11内の空間であって、図2に示す弁ロッド5の逆側となる弁駆動ピストン12と弁駆動シリンダ11とで囲まれる空間である。弁駆動シリンダ上室11aには、配管71が接続されており、配管71が必要に応じ空気を抜く作用をしている。
【0041】
また、弁駆動シリンダ下室11bは、図2に示す弁ロッド5側となる弁駆動ピストン12と弁駆動シリンダ11とで囲まれる空間である。油路47は、油ポート57を介して油圧ユニット30と接続され、弁駆動ピストン12の第2の作動油圧力が加えられている。油路47には、絞り69が設けられている。絞り69はオリフィスであり、第2の作動油圧力を調整する圧力絞りである。絞り69により、第2の作動油圧力は上述した第1の作動油圧力よりも小さくなるように設定されていることが好ましい。油路47は、管路接続47aを有しており、配管72が接続されている。配管72は、必要に応じ空気を抜く作用をしている。
【0042】
油路48は、方向切換制御弁機構18からの戻り管路であり、油ポート55を介して油タンクと接続している。
【0043】
配管73、74、75、76、77は、ドレン配管であり、水分が油ポート56を介して排出される。油ポート51、52、53、54、55、56、57、58は、サーボ弁13に開口した油又は水分を運ぶ開口部である。
【0044】
次に、実施形態1に係る動弁装置の動作を説明する。動弁装置100の制御装置80は、制御信号のコマンドをサーボ弁13へ送信する。図1及び図2に示すように、制御装置80からの制御信号コマンドは、信号ラインI2を介し、サーボ弁13へ伝達される。サーボ弁13では、ノズルフラッパ機構60が制御信号のコマンドに応じ動作する。
【0045】
ノズルフラッパ駆動機構60が駆動され、ノズルの流路面積を絞ることにより油路41Aの圧力を変化させると、油路42にパイロット圧力が減圧されることなく、油路43へ印加される。油路43へは圧力PPBが印加されることになる。上述したように、油路44にもパイロット圧力が印加されている。ここで、油路44に加わる圧力を圧力PPAとする。
【0046】
本実施形態では、圧力PPAは、ノズルフラッパ機構60が駆動され、ノズルの流路面積を最も絞る状態での圧力PPBの略半分となるように、絞り68が設定されていることが好ましい。これにより、圧力PPAは、ノズルフラッパ機構60が駆動され、ノズルの流路面積を所定以上絞ると、圧力PPAよりも圧力PPBが大きくなり、スプール17が移動する。スプール17が移動すると、スプール変位計19がスプールの変位を読み取り、スプール変位計19は信号ラインI6を通じて、スプールの変位情報を制御装置80へ送出する。
【0047】
スプール17の移動に伴い、方向切換制御弁機構18が油路45と油路46を接続する。これにより、弁駆動シリンダ上室11aが第1の作動油圧力となり、弁駆動シリンダ下室11bの第2の作動油圧力よりも大きくなることから弁駆動ピストン12が、図2に示す弁ロッドの方向へ移動することになる。弁駆動ピストン12の変位は、図2に示す弁駆動ピストン変位計15で計測され、弁駆動ピストン変位計15は信号ラインI3を通じて、ピストンの変位情報を制御装置80へ送出する。
【0048】
逆にノズルフラッパ駆動機構60が駆動され、ノズルの流路面積の絞りを開放することにより油路41Aの圧力を変化させると、油路42のパイロット圧力が減圧される。このため油路43へ印加される圧力も減圧される。その結果、油路43へ印加されるPPBが油路44に加わる圧力PPAよりも小さくなる。
【0049】
すなわち、圧力PPAは、ノズルフラッパ駆動機構60が駆動され、ノズルの流路面積の絞りが所定以上開放されると、圧力PPBよりも圧力PPAが大きくなり、スプール17が移動する。スプール17が移動すると、スプール変位計19がスプールの変位を読み取り、スプール変位計19は信号ラインI6を通じて、スプールの変位情報を制御装置80へ送出する。
【0050】
スプール17の移動に伴い、方向切換制御弁機構18が油路45と油路46との接続を、油路48と油路46との接続に切り替わらせる。これにより、弁駆動シリンダ上室11aが戻り管路の圧力となり、弁駆動シリンダ下室11bの第2の作動油圧力よりも小さくなることから弁駆動ピストン12が、図2に示す弁ロッドの逆方向、へ移動することになる。弁駆動ピストン12の変位は、図2に示す弁駆動ピストン変位計15で計測され、弁駆動ピストン変位計15は信号ラインI3を通じて、ピストンの変位情報を制御装置80へ送出する。
【0051】
以上説明したように、実施形態1の内燃機関の動弁装置は、制御信号で動作して、ノズルの流路面積を絞ることにより圧力を変化させるノズルフラッパ機構と、前記ノズルフラッパ機構の動作に応じて、作動油圧力の供給対象を切り換える方向切換制御弁と、前記方向切換制御弁により切り換えられた作動油圧力の供給対象に応じて弁駆動シリンダ内で往復運動して、内燃機関の排気弁と吸気弁との少なくとも一方を駆動可能な弁駆動ピストンと、を含み、前記ノズルフラッパ機構のノズルの流路面積を絞ることにより圧力を変化させると、前記圧力の変化に従って前記方向切換制御弁により切り換えられた作動油圧力の供給対象が変化し、前記作動油圧力の供給対象に応じて前記弁駆動ピストンが前記弁駆動シリンダから突き出る。逆に、前記ノズルフラッパ機構のノズルの流路面積の絞りを開放することにより圧力を変化させると、前記方向切換制御弁により作動油圧力の供給対象が変化し、前記作動油圧力の供給対象に応じて前記弁駆動ピストンが前記弁駆動シリンダへ格納される方向(縮む方向)へ移動する。
【0052】
これにより、方向切換制御弁機構18と弁駆動シリンダ11の弁駆動シリンダ上室11aとを接続している油路46に油圧の流れが生じる。油路46に不要な脈動が生じている場合、弁駆動ピストンの動作に不要な振動が加わることになり望ましくない。また、弁駆動ピストンを早く切り換えるためには、脈動を早く吸収してしまう必要もある。このため、図4に示すように、実施形態1の油圧回路10Aでは、方向切換制御弁機構18と弁駆動シリンダ11の弁駆動シリンダ上室11aとを接続している油路46に油圧回路用脈動吸収装置110を接続し、脈動吸収している。サーボ弁13内及び弁駆動シリンダ11内に油圧回路用脈動吸収装置110を設けることにより、油路46から油圧回路用脈動吸収装置110迄の距離が短くなり早く脈動を吸収することができる。
【0053】
図5は、実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置を示す概要図である。図5に示す油圧回路用脈動吸収装置110は、エア室(気体室)111と、給気路112と、油室113と、可撓性膜部材115と、可撓性膜変形抑制部材120とを含んでいる。油圧回路用脈動吸収装置110は、図2に示す弁駆動シリンダ11とサーボ弁13との境界である外部側面11A付近に配置されている。
【0054】
図5に示すエア室(気体室)111は、弁駆動シリンダ11内に形成された空間である。例えば、この空間は円筒形の空間である。エア室(気体室)111には、例えば空気、窒素等の気体を含ませることができる。給気路112は、エア室(気体室)111へ気体を給気する給気孔である。油室113は、サーボ弁13内に形成された空間である。油路49と接続し、油が充填されている。油室113は、例えば円筒形の空間である。エア室(気体室)111は、サーボ弁13内に形成された空間としてもよく、油室113は、駆動シリンダ11内に形成された空間としてもよい。
【0055】
可撓性膜部材115は、エア室(気体室)111と油室113とを分離するセパレータであり、板状の可撓性膜116を有する。可撓性膜部材115の周縁では、可撓性膜エア室側面116Aに弁駆動シリンダ11が当接し、可撓性膜油室側面116Bにサーボ弁13が当接して固定されている。例えば、可撓性膜116は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)等の耐油性の高いエラストマーで形成されていることが好ましい。図5に示すように、可撓性膜部材115は、弁駆動シリンダ11とサーボ弁13とにより挟まれて固定されている。弁駆動シリンダ11とサーボ弁13との境界に可撓性膜部材115を設け、可撓性膜部材115を介してエア室(気体室)111と油室113とを配置したので、省スペースとすることができ、動弁装置を小型にできる。
【0056】
図6は、実施形態1に係る可撓性膜部材を示す概要図である。可撓性膜部材115は、エア室(気体室)111及び油室113を油密とするため、エア室(気体室)111及び油室113の形状に合わせて大きさが決められている。例えば、図6に示すように、エア室(気体室)111及び油室113が円筒形状であるので、エア室(気体室)111及び油室113との大きい方の直径よりも大きな円盤状の形状としている。
【0057】
図5及び図6に示すように、可撓性膜部材115は、可撓性膜116の強度を補強するため、中空円盤状の補強リング117を内在していることが好ましい。補強リング117は、例えばステンレス鋼等の防錆効果のある金属材料で形成されており、可撓性膜116の材料で覆われていることが好ましい。
【0058】
図7は、実施形態1に係る可撓性膜変形抑制部材を示す概要図である。可撓性膜変形抑制部材120は、内部に空隙がある材料、例えばポリウレタン等の発泡樹脂で形成されている。図7に示すように、可撓性膜変形抑制部材120は、エア室111の内在する空間と相似形状となっていることが好ましい。例えば、可撓性膜変形抑制部材120は、円筒形状である。可撓性膜変形抑制部材120は、可撓性膜部材115の可撓性膜エア室側面116Aと接する可撓性膜側面120Aと、エア室後壁111Aと接するエア室後壁面120Bとの距離が可撓性膜部材115の変形する前の状態で、可撓性膜エア室側面116Aとエア室後壁111Aとの距離よりも大きい。このため、可撓性膜変形抑制部材120が可撓性膜部材115へ押圧力を加えている。なお、可撓性膜変形抑制部材120は、不定形であって内部に空隙がある材料、例えばポリウレタン等の発泡樹脂を充填して形成してもよい。
【0059】
上述のように、実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置は、油圧回路の油路に接続する油室と、気体を含むエア室と、前記エア室と前記油室とを分離する板状の可撓性膜部材と、前記エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材と、を含んでいる。
【0060】
ここで、油室に伝達される油圧の変動は、まず可撓性膜部材の変形を引き起こし、エア室の気体を圧縮する。気体は圧力の変化に応じて体積を変化させることができるが可撓性膜部材の変形には許容範囲がある。実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置は、板状の可撓性膜部材を用いてエア室と油室とを分離するため、小型な油圧回路用脈動吸収装置となっている。一方、板状の可撓性膜部材は、変形の許容範囲が狭い。そこで、実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置は、エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材により、板状の可撓性膜部材の過度の変形を抑制している。これにより、油室に伝達される油圧の変動に可撓性膜部材が耐えきれないおそれを低減できる。
【0061】
実施形態1に係る油圧回路用脈動吸収装置は、前記可撓性膜変形抑制部材が内部に空隙がある材料であることが好ましい。内部に空隙がある材料は気体を含み、気体は圧力の変化に応じて体積を変化させることができる。このため、脈動が吸収される。また、可撓性膜変形抑制部材が、板状の可撓性膜部材の過度の変形を抑制することができる。内部に空隙がある材料は発泡樹脂であるとより好ましい。
【0062】
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る油圧回路用脈動吸収装置を示す概要図である。本実施形態に係る動弁試験装置は、実施形態1と同じであるが、実施形態1において上述した油圧回路用脈動吸収装置130に特徴がある。次の説明においては、実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0063】
図8に示すように、油圧回路用脈動吸収装置130は、エア室(気体室)131と、給気路132と、油室133と、可撓性膜部材115と、可撓性膜変形抑制部材120とを含んでいる。油圧回路用脈動吸収装置130は、図4に示す油圧回路用脈動吸収装置110並列に油路46と接続し、油路46の脈動を吸収している。
【0064】
図8に示すエア室131は、ブロック蓋152内に形成された空間である。例えば、この空間は円筒形の空間である。エア室131には、例えば空気、窒素等の気体を含ませることができる。給気路132は、エア室131へ気体を給気する給気孔である。油室133は、ブロック153内に形成された空間である。油室133は、図4に示す油路49と油ポート58を介して接続された油路140が接続し、油が充填されている。ここで、油室133には、他の動弁装置から同様に接続された油路140a、140b、140xとエンジンバルブの筒数と同じ複数の油路が接続され油が充填されている。すなわち、油室133は、油圧回路の複数の油路140、140a、140b、140xに接続することができ、脈動吸収のための油圧回路用脈動吸収装置130を共通とすることができる。これにより、システム全体の大きさを小型化することができる。油室133は、例えば円筒形の空間である。なお、油路134は、油圧ユニット30への戻り流路へ接続されている。
【0065】
可撓性膜部材115は、上述した実施形態1と同じであるので説明を省略する。可撓性膜部材115の周縁では、可撓性膜エア室側面116Aにブロック蓋152が当接し、可撓性膜油室側面116Bにブロック153が当接して固定されている。実施形態1と同様に、可撓性膜変形抑制部材120は、円筒形状である。図7に示す可撓性膜変形抑制部材120では、可撓性膜部材115の可撓性膜エア室側面116Aと接する可撓性膜側面120Aと、エア室後壁131Aと接するエア室後壁面120Bとの距離が可撓性膜部材115の変形する前の状態で、図8に示す可撓性膜エア室側面116Aとエア室後壁131Aとの距離よりも大きい。このため、可撓性膜変形抑制部材120が可撓性膜部材115へ押圧力を加えている。なお、可撓性膜変形抑制部材120は、不定形であって内部に空隙がある材料、例えばポリウレタン等の発泡樹脂を充填して形成してもよい。
【0066】
上述のように、実施形態2に係る油圧回路用脈動吸収装置は、油圧回路の油路に接続する油室と、気体を含むエア室と、前記エア室と前記油室とを分離する板状の可撓性膜部材と、前記エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材と、を含んでおり、前記油室は、油圧回路の複数の油路に接続される。これにより、システム全体の大きさを小型化することができる。
【0067】
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る可撓性膜変形抑制部材を示す概要図である。本実施形態に係る油圧回路用脈動吸収装置は、実施形態1又は実施形態2と同じであって、実施形態1又は実施形態2において上述した可撓性膜変形抑制部材120を容積変動抑制機構へ置き換えたことに特徴がある。次の説明においては、実施形態1又は実施形態2で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0068】
図9に示す可撓性膜変形抑制部材121は、弾性部材である蛇腹状ゴム125と、蛇腹状ゴム125の変形を抑制する係止部材であるストッパー127、128と、を有する容積変動抑制機構で形成されている。可撓性膜変形抑制部材121は、蛇腹状ゴム125の位置決めのため、蛇腹状ゴム125の両端に位置決め部材122、123が、複数の取り付け部材150で固定されていることが望ましい。また、可撓性膜変形抑制部材121は、例えば図5のエア室111、又は図8のエア室131の内在する空間に収まることが好ましい。例えば、可撓性膜変形抑制部材120は、円筒形状に収まる形状である。
【0069】
蛇腹状ゴム125は、中空な略円筒形状の蛇腹状弾性部材であり、中空部分に気体を含むことができる。蛇腹状ゴム125は変形可能であり、位置決め部材122、123の距離を縮めることができる。位置決め部材122、123の距離が縮まると、位置決め部材122、123の距離を戻そうとする押圧力が働くことになる。位置決め部材122、123の距離が大きく縮まる力が加わると、ストッパー127、128の距離も縮まり、蛇腹状ゴム125の変形を抑制することができる。
【0070】
図9に示す可撓性膜変形抑制部材121は、図5又は図8に示す可撓性膜部材115の可撓性膜エア室側面116Aと接する側面123Aと、エア室後壁111A(131A)と接する側面122Aとの距離は、可撓性膜部材115が変形する前の状態で、可撓性膜エア室側面116Aとエア室後壁111A(131A)との距離よりも大きく、可撓性膜変形抑制部材120が可撓性膜部材115へ押圧力を加えていることが好ましい。
【0071】
上述のように、実施形態3に係る油圧回路用脈動吸収装置は、油圧回路の油路に接続する油室と、気体を含むエア室と、前記エア室と前記油室とを分離する板状の可撓性膜部材と、前記エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材と、を含んでおり、前記可撓性膜変形抑制部材は、蛇腹状弾性部材と、前記蛇腹状弾性部材の変形を抑制する係止部材を有する。蛇腹状弾性部材は、気体を含み、気体は圧力の変化に応じて体積を変化させることができる。このため、脈動が吸収される。また、可撓性膜変形抑制部材が、板状の可撓性膜部材の過度の変形を抑制することができる。
【0072】
上述したように、内燃機関の排気弁又は吸気弁を駆動可能な弁駆動ピストンと、前記弁駆動ピストンが往復運動する弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路と、を含み、実施形態1、2、3の油圧回路用脈動吸収装置により、前記弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路の脈動を吸収する。
【0073】
これにより、油路の脈動が吸収され、弁駆動ピストンの動作に不要な振動が加わるおそれが低減される。その結果、可撓性膜部材の耐久性を高めた油圧回路用脈動吸収装置を有する内燃機関の動弁装置となる。
【0074】
なお、上述した動弁装置及び動弁駆動方法は、内燃機関の吸気弁又は排気弁を開閉駆動する試験機にも適している。また、本実施形態の内燃機関は、シリンダブロックと、前記シリンダブロック内を上下動する燃焼用ピストンと、排気弁及び吸気弁と、前記排気弁及び前記吸気弁を各々駆動することが好ましい。これにより、清浄な排気と燃費向上とによりNOx、未燃HCの排出量の低減と二酸化炭素排出量の低減とに寄与することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 内燃機関
2 燃焼用ピストン
3 シリンダブロック
4a 排気弁
4b 吸気弁
5 弁ロッド
6 バルブスプリング
7 クランクシャフト
8 コネクティングロッド
9 クランクケース
10 弁駆動装置
11 弁駆動シリンダ
11a 弁駆動シリンダ上室
11b 弁駆動シリンダ下室
12 弁駆動ピストン
13 サーボ弁
15 弁駆動ピストン変位計
17 スプール
18 方向切換制御弁機構
19 スプール変位計
20、21 計測装置
30 油圧ユニット
41、42、43、44、45、46、47、48、49 油路
60 ノズルフラッパ機構
80 制御装置
100 動弁装置
110、130 油圧回路用脈動吸収装置
111、131 エア室
113、133 油室
115 可撓性膜部材
120、121 可撓性膜変形抑制部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧回路の油路に接続する油室と、
気体を含むエア室と、
前記エア室と前記油室とを分離する板状の可撓性膜部材と、
前記エア室内に内在し、かつ前記可撓性膜部材と接して前記可撓性膜部材の変形を抑制する可撓性膜変形抑制部材と、
を含むことを特徴とする油圧回路用脈動吸収装置。
【請求項2】
前記可撓性膜変形抑制部材が内部に空隙がある材料である請求項1に記載の油圧回路用脈動吸収装置。
【請求項3】
前記可撓性膜変形抑制部材は、蛇腹状弾性部材と、前記蛇腹状弾性部材の変形を抑制する係止部材を有する請求項1に記載の油圧回路用脈動吸収装置。
【請求項4】
前記油室は、前記油圧回路の複数の油路に接続される請求項1から3のいずれか1項に記載の油圧回路用脈動吸収装置。
【請求項5】
内燃機関の排気弁又は吸気弁を駆動可能な弁駆動ピストンと、前記弁駆動ピストンが往復運動する弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路と、を含み、
請求項1から4のいずれか1項に記載の油圧回路用脈動吸収装置により、前記弁駆動シリンダ内と接続する前記油圧回路の油路の脈動を吸収することを特徴とする内燃機関の動弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−180767(P2012−180767A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43126(P2011−43126)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】