説明

油性原料の増粘剤またはゲル化剤、それを含有してなるゲル状組成物および化粧料もしくは外用剤の製造方法

【課題】様々な油剤系に対する相溶性に優れたオイル増粘剤またはゲル化剤であり、また、形態を有する化粧料を製造するためのベースとなり、多様な油剤を液体と固体の中間領域の粘弾性を有すゲル形態に保持させたゲル状組成物、該増粘剤またはゲル化剤を含有してなる化粧料等を提供する。
【解決手段】下記構造式(1)で表される、ポリグリセリン構造を有する親水性基(Q)を有する高重合オルガノポリシロキサンを含有してなる油性原料の増粘剤またはゲル化剤及びそれらを含有してなる外用剤、化粧料。さらに、該オルガノポリシロキサンを含有してなるゲル状組成物およびこれを用いた化粧料等の製造方法。構造式(1):


{式中、R11は一価炭化水素基または水素原子、Lは鎖状のオルガノシロキサン基であり、200≦n1≦1000,0≦n2≦20,0≦n3≦50となる数である。ただし、n2=0のとき、Rの少なくとも一方はQである。}


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記構造式(1)で表される、ポリグリセリン構造を有する親水性基(Q)を有するオルガノポリシロキサンを含有してなる油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
構造式(1):
【化1】

{式中、R11は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の一価炭化水素基または水素原子である。
Lは下記構造式(2−1)または(2−2)で表される鎖状のオルガノシロキサン基である。
【化2】

(式中、R11は前記同様の記であり、tは2〜10の範囲の数であり、rは1〜100の範囲の数である。)
【化3】

(式中、R11は前記同様の記であり、rは1〜100の範囲の数である。)
Qは二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、かつ下記構造式(3―1)〜(3−3)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を含有してなる、ポリグリセリン構造を有する親水性基である。
【化4】

(式中、Wは水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基。)
【化5】

(式中、Wは前記同様の基)
【化6】


RはLまたはQから選択される基である。n1,n2およびn3は、200≦n1≦ 1000,0≦n2≦20,0≦n3≦50となる範囲の数であり、qは0〜3の範囲の整数である。ただし、n2=0のとき、qは1〜3の範囲の整数であり、Rの少なくとも一方はQである。}
【請求項2】
前記の構造式(1)において、Qが各々独立に、二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、上記構造式(3―1)〜(3−3)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位が直鎖状に連結してなるポリグリセリン構造を有する親水性基、または二価以上の連結基を介してケイ素原子に結合し、かつ上記構造式(3―1)〜(3−3)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を2以上含有してなり、かつ下記構造式(3−5)〜(3−7)で表される基から選択される分岐単位を有するポリグリセリン構造を有する親水性基である、請求項1に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【化7】

【化8】

【化9】

【請求項3】
前記の親水性基Qが、下記構造式(4−1),(4−2),(4−3)または(4−4)で示されるポリグリセリン構造を有する親水性基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【化10】

{(式中、Rは(p+1)価の有機基であり、pは1以上3以下の数である。Xは各々独立に、下記一般式(3−1−1)〜(3−3−1)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位であり、mは3〜5の範囲の数である。
【化11】

【化12】

【化13】

は下記構造式(3−4−1)で表される親水性単位であり、qは0〜50の範囲の数である。XおよびXの結合の形式は、各々独立にブロック状またはランダム状である。
−C2r−O− (3−4−1)
(式中、rは1〜6の範囲の数である。)
は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アシル基およびグリシジル基からなる群から選択される基である。)}
【請求項4】
前記の親水性基Qが、各々独立に、下記構造式(4−1−1)で表されるポリグリセリンから誘導されてなる親水性基であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【化14】

(式中、R3'は2価の有機基であり、Xは各々独立に、上記一般式(3−1−1)〜(3−3−1)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位であり、mは3〜5の範囲の数である。Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アシル基およびグリシジル基からなる群から選択される基である。)
【請求項5】
前記の親水性基Qが、テトラグリセリンから誘導されてなる親水性基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【請求項6】
下記構造式(1−1)で表されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
構造式(1−1):
【化15】

{式中、R11は前記同様の基であり、t,rは前記同様の数である。
は上記構造式(4-1-1)で表されるポリグリセリンから誘導されてなる親水性基であり、
n1´,n2´およびn3´は、300≦n1´≦ 1000,1≦n2´≦20,1≦n3´≦20となる範囲の数である。RはR11またはQである。}
【請求項7】
上記構造式(1−1)において、親水基Qが、テトラグリセリンから誘導されてなる親水性基であることを特徴とする、請求項6に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【請求項8】
さらに、(B)粉体または着色剤 を含有してなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【請求項9】
さらに、(C)シリコーン系界面活性剤(成分(A)に該当するものを除く)、架橋性オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルシリコーンデンドリマーコポリマー、ポリアミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーンレジンワックス、有機系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種 を含有してなる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【請求項10】
油性原料が、(D1)固形油、ペースト状油、シリコーン油、炭化水素油、エステル油から選択される少なくとも1種の油剤である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【請求項11】
前記の成分(B)が、(B1)シリコーン樹脂粉末、シリコーンゴム粉末、有機樹脂粉末(シリコーン樹脂粉末を除く)、有機変性粘度鉱物、酸化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン、金属石鹸、無機体質顔料および無機着色顔料からなる群から選択される少なくとも1種の粉体または着色剤である、請求項8に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤。
【請求項12】
(D)油性原料 30〜80質量%と、請求項1〜11のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤 10〜70質量%と、(E)低級一価アルコール及び有機系多価アルコール性化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物 0〜20質量%および(F)水 0〜20質量%を含有してなるゲル状組成物。
【請求項13】
(G)紫外線吸収剤を更に含有する、請求項12に記載のゲル状組成物。
【請求項14】
(H)ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種の化合物を更に含有する、請求項12または請求項13に記載のゲル状組成物。
【請求項15】
(I)有機系の皮膜形成剤を更に含有する、請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
【請求項16】
(J)アミノ酸及び/又はその塩、無機塩、有機酸及び/又はその塩、水溶性高分子、からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を更に含有する、請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
【請求項17】
請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載のゲル状組成物 100質量部と(F)水 0.1〜4,000質量部とを混合する事により、化粧料を製造する方法。
【請求項18】
請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載のゲル状組成物 100質量部と(F)水 0.1〜4,000質量部とを混合する事により得られる化粧料。
【請求項19】
(D)油性原料 30〜80質量%と、請求項8または11に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤 20〜60質量%と、(F)水 0〜20質量%を含有してなるゲル状化粧料。
【請求項20】
請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載のゲル状組成物 100質量部と(F)水 0.1〜4,000質量部と(L)生理活性物質0.001〜1.0質量部とを混合する事により、外用剤を製造する方法。
【請求項21】
請求項12〜請求項16のいずれか1項に記載のゲル状組成物 100質量部と(F)水 0.1〜4,000質量部と(L)生理活性物質0.001〜1.0質量部とを混合する事により得られる外用剤。
【請求項22】
(D)油性原料 30〜80質量%と、請求項8または11に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤 20〜60質量%と、(E)低級一価アルコール及び有機系多価アルコール性化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物 0〜20質量%と(F)水 0〜20質量%と (L)生理活性物質0.001〜1.0質量部を含有してなるゲル状外用剤。
【請求項23】
(L)生理活性物質が、抗炎症剤、老化防止剤、美白剤、発毛剤、育毛剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、ビタミン類、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤および酵素からなる群から選択される1種類以上の生理活性物質である、請求項21または請求項22に記載の外用剤。
【請求項24】
請求項1〜11に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤と、(N)カチオン性界面活性剤を含有する事を特徴とする毛髪用化粧料
【請求項25】
請求項1〜11に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤と、(P)有機系皮膜形成性高分子を含有する事を特徴とする毛髪セット剤組成物
【請求項26】
製品の形態が、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状である請求項18または請求項19に記載の化粧料。
【請求項27】
製品の形態が、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状である請求項21〜23のいずれか一項に記載の外用剤。
【請求項28】
製品の形態が、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状である請求項24に記載の毛髪用化粧料。
【請求項29】
製品の形態が、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状である請求項25に記載の毛髪セット剤組成物。
【請求項30】
少なくとも、(A´)珪素結合水素原子を有し且つ重合度が200を超えるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと(K)分子鎖末端に1個のアルケニル基を有し、上記構造式(3―1)〜(3−3)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を含有してなる、ポリグリセリン構造を有する親水性化合物とを、(M)ヒドロシリル化反応触媒の存在下において付加反応させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤の製造方法。
【請求項31】
少なくとも、(A´)珪素結合水素原子を有し且つ重合度が300を超えるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、下記一般式(2')で表される分子鎖末端に1個の炭素−炭素二重結合を有する鎖状オルガノポリシロキサンと、(K1)分子鎖末端に1個のアルケニル基を有し且つ分子内に上記構造式(3−1−1)〜(3−3−1)で表される親水性単位から選択される少なくとも1種以上の親水性単位を含有してなるポリグリセリン構造を有する親水性化合物とを、(M)ヒドロシリル化反応触媒の存在下において付加反応させることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の油性原料の増粘剤またはゲル化剤の製造方法。
【化16】

(式中、R11は前記同様の記であり、sは0〜8の範囲の数であり、rは1〜100の範囲の数である。)

【公開番号】特開2011−126854(P2011−126854A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289867(P2009−289867)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】