治療剤の標的化送達のためのシステム
本発明は、組織、細胞、および細胞内区画への治療剤含有粒子の標的化送達のための薬物送達システムを提供する。本発明は、粒子と、1または複数の標的化部分と、送達される1または複数の治療剤とを含む標的粒子、および本発明の標的粒子を含む薬学的組成物を提供する。本発明は、本発明の標的粒子およびその薬学的組成物を設計、製造、および使用する方法を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子;
標的化部分(targeting moiety);および
治療剤;
を含む標的粒子(targeted particle)であって、
該粒子がポリマーマトリクスを含み、
該ポリマーマトリクスがポリエステルを含み、かつ
該標的化部分が前立腺癌細胞を標的化する、
標的粒子。
【請求項2】
粒子がナノ粒子である、請求項1記載の標的粒子。
【請求項3】
粒子がマイクロ粒子である、請求項1記載の標的粒子。
【請求項4】
粒子が中実粒子である、請求項1〜3のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項5】
粒子が中空粒子である、請求項1〜3のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項6】
ポリエステルが、PLGA、PLA、PGA、ポリカプロラクトン、およびポリ酸無水物からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項7】
ポリエステルがPLGAである、請求項1〜6のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項8】
ポリマーマトリクスが2またはそれ以上のポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項9】
少なくとも1つのポリマーが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフメレート(polypropylfumerate)、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8記載の標的粒子。
【請求項10】
少なくとも1つのポリマーが、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、およびポリシアノアクリレートからなる群より選択される、請求項8記載の標的粒子。
【請求項11】
少なくとも1つのポリマーがポリアルキレングリコールである、請求項8記載の標的粒子。
【請求項12】
少なくとも1つのポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項8記載の標的粒子。
【請求項13】
ポリマーマトリクスが2またはそれ以上のポリマーのコポリマーを含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項14】
コポリマーがPLGAおよびPEGのコポリマーである、請求項13記載の標的粒子。
【請求項15】
粒子が直径1000 nm未満である、請求項1〜14のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項16】
粒子が直径500 nm未満である、請求項1〜15のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項17】
粒子が直径400 nm未満である、請求項1〜16のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項18】
粒子が直径300 nm未満である、請求項1〜17のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項19】
粒子が直径200 nm未満である、請求項1〜18のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項20】
粒子が直径100 nm未満である、請求項1〜19のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項21】
粒子が直径50 nm未満である、請求項1〜20のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項22】
標的粒子がタンパク質、脂質、または糖質を含む、請求項1〜21のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項23】
標的化部分がタンパク質である、請求項1〜22のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項24】
タンパク質標的化部分が前立腺癌細胞へ特異的に結合し得る、請求項23記載の標的粒子。
【請求項25】
タンパク質標的化部分が、抗体、受容体、サイトカイン、ペプチドホルモン、アビマー(avimer)、アフィボディー(affibody)からなる群より選択される、請求項23記載の標的粒子。
【請求項26】
タンパク質標的化部分が、前立腺特異的膜抗原(PSMA)へ特異的に結合する抗体である、請求項23記載の標的粒子。
【請求項27】
標的化部分が小分子である、請求項1〜22のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項28】
小分子標的化部分が、前立腺癌細胞へ特異的に結合し得る、請求項27記載の標的粒子。
【請求項29】
小分子標的化部分が、前立腺特異的膜抗原(PSMA)へ特異的に結合する抗体である、請求項27記載の標的粒子。
【請求項30】
小分子標的化部分が、葉酸、前立腺特異的膜抗原(PSMA)ペプチダーゼ阻害剤 チオールおよびインドールチオール誘導体、ヒドロキサメート誘導体、PBDAベースの阻害剤、尿素ベースの阻害剤、アンドロゲン受容体標的化剤、ならびにポリアミンからなる群より選択される、請求項27記載の標的粒子。
【請求項31】
標的化部分が核酸である、請求項1〜22のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項32】
核酸標的化部分がアプタマーである、請求項31記載の標的粒子。
【請求項33】
アプタマーが、1または複数の修飾されたヌクレオチドを含み、かつ、エンドヌクレアーゼ分解、エキソヌクレアーゼ分解、またはエンドヌクレアーゼ分解およびエキソヌクレアーゼ分解の両方に対して実質的に耐性である、請求項32記載の標的粒子。
【請求項34】
アプタマーが1または複数のL-エナンチオマーヌクレオシドを含む、請求項32または33記載の標的粒子。
【請求項35】
アプタマーの3’末端、5’末端、または3’末端および5’末端の両方における1または複数の内在(internal)ヌクレオチドが反転され、3’-3’または5’-5’ヌクレオチド結合が得られる、請求項32〜34のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項36】
アプタマーが前立腺癌細胞へ特異的に結合し得る、請求項32〜35のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項37】
アプタマーが前立腺特異的膜抗原(PSMA)へ特異的に結合する、請求項32〜36のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項38】
アプタマーが、配列番号:1のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分を含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項39】
アプタマーが、配列番号:1のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分に相同である、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項40】
アプタマーが、配列番号:2のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分を含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項41】
アプタマーが、配列番号:2のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分に相同である、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項42】
アプタマーが、配列番号:3のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分を含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項43】
アプタマーが、配列番号:3のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分に相同である、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項44】
標的への標的化部分の特異的結合により、前立腺癌細胞への治療剤の送達がもたらされる、請求項1〜43のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項45】
標的が、タンパク質、核酸、糖質、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項44記載の標的粒子。
【請求項46】
標的がタンパク質を含む、請求項44記載の標的粒子。
【請求項47】
標的が、細胞表面受容体、インテグリン、膜貫通タンパク質、イオンチャネル、膜輸送体タンパク質、細胞内タンパク質、可溶性タンパク質、小分子、腫瘍マーカー、それらの特徴的部分、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項45記載の標的粒子。
【請求項48】
標的が腫瘍マーカーである、請求項44記載の標的粒子。
【請求項49】
標的が前立腺癌特異的マーカーである、請求項44記載の標的粒子。
【請求項50】
標的が、前立腺特異的抗原、ヒト腺性カリクレイン2、前立腺酸性フォスファターゼ、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、アンドロゲン受容体、インスリン様成長因子、インスリン様成長因子結合タンパク質、膜貫通タンパク質24P4C12、前立腺幹細胞抗原、カルベオリン(calveolin)、PHOR-1、C型レクチン膜貫通抗原、103P2D6がコードするタンパク質、前立腺特異的レダクターゼポリペプチド、およびIL-11受容体-αからなる群より選択される、請求項48または49記載の標的粒子。
【請求項51】
標的がPSMAである、請求項48または49記載の標的粒子。
【請求項52】
標的が内皮癌特異的マーカーである、請求項44〜51のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項53】
標的が核酸を含む、請求項44記載の標的粒子。
【請求項54】
標的が、糖タンパク質、糖類、およびグリコカリックスからなる群より選択される糖質である、請求項44記載の標的粒子。
【請求項55】
標的への標的化部分の特異的結合が、標的化部分の三次元的特徴に依存する、請求項44〜54のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項56】
標的への標的化部分の特異的結合が、標的の三次元的特徴に依存する、請求項44〜54のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項57】
治療剤が、小分子、タンパク質、核酸、糖質、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜56のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項58】
治療剤が抗癌剤である、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項59】
治療剤が、抗体、組換え抗体、ヒト化抗体、それらの特徴的部分、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜58のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項60】
治療剤が酵素である、請求項1〜59のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項61】
治療剤が、低分子干渉RNA、スモールヘアピンRNA(small hairpin RNA)、またはマイクロRNAである、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項62】
治療剤が診断剤である、請求項1〜56のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項63】
診断剤が、蛍光性部分、放射性核種、ガス、制吐薬、および造影剤からなる群より選択される、請求項62記載の標的粒子。
【請求項64】
放射性核種が、γ放射体、陽電子放射体、X線放射体、β放射体、およびα放射体からなる群より選択される、請求項63記載の標的粒子。
【請求項65】
診断剤が、陽電子放射断層撮影法(PET)、コンピューター断層撮影法(CAT)、単一光子放射コンピューター断層撮影法、X線、蛍光透視、または磁気共鳴画像法(MRI)において使用されるイメージング剤である、請求項62記載の標的粒子。
【請求項66】
治療剤が予防剤である、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項67】
予防剤がワクチンである、請求項66記載の標的粒子。
【請求項68】
治療剤が栄養補助剤である、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項69】
栄養補助剤が、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、植物抽出物、動物抽出物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項68記載の標的粒子。
【請求項70】
標的化部分が前記粒子と結合している、請求項1〜69のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項71】
標的化部分が前記粒子と非共有結合している、請求項1〜70のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項72】
標的化部分が、前記粒子の表面と結合しているか、前記粒子内に封入されているか、前記粒子によって囲まれているか、または前記粒子にわたって分散されている、請求項71記載の標的粒子。
【請求項73】
標的化部分が、少なくとも1つの共有結合を介して前記粒子と結合している、請求項1〜70のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項74】
共有結合が脂肪族リンカーまたはヘテロ脂肪族リンカーによって媒介されている、請求項73記載の標的粒子。
【請求項75】
共有結合がポリエーテルリンカーによって媒介されている、請求項73記載の標的粒子。
【請求項76】
治療剤が前記粒子と結合している、請求項1〜75のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項77】
治療剤が前記粒子と非共有結合している、請求項1〜76のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項78】
治療剤が、前記粒子の表面と結合しているか、前記粒子内に封入されているか、前記粒子によって囲まれているか、または前記粒子にわたって分散されている、請求項77記載の標的粒子。
【請求項79】
治療剤が、少なくとも1つの共有結合を介して前記粒子と結合している、請求項1〜76のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項80】
共有結合が炭化水素リンカーによって媒介されている、請求項79記載の標的粒子。
【請求項81】
共有結合がポリエーテルリンカーによって媒介されている、請求項79記載の標的粒子。
【請求項82】
請求項1〜81のいずれか一項記載の標的粒子および薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項83】
少なくとも1つの細胞を含む被験体を提供する工程;
請求項1〜81のいずれか一項記載の標的粒子を提供する工程;および
該標的粒子を該被験体へ投与する工程
を含む、被験体へ標的粒子を投与する方法。
【請求項84】
前記標的粒子が薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
標的粒子を提供する工程が、粒子を作製することを含む、請求項83または84記載の方法。
【請求項86】
粒子を作製する工程が、粒子を製造する工程、粒子を精製する工程、および所定のサイズの粒子を単離する工程を含む、請求項83〜85のいずれか一項記載の方法。
【請求項87】
粒子が、ナノ析出、スプレードライ、シングルエマルジョン溶媒蒸発(single emulsion solvent evaporation)、ダブルエマルジョン溶媒蒸発(double emulsion solvent evaporation)、溶媒抽出、相分離、ミリング(milling)、マイクロファブリケーション、ナノファブリケーション、犠牲層、単純コアセルベーション、複合コアセルベーション、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるプロセスによって製造される、請求項86記載の方法。
【請求項88】
粒子がナノ析出によって製造される、請求項86記載の方法。
【請求項89】
粒子が、流体チャネルを使用するフローフォーカシング(flow focusing)によって製造される、請求項86記載の方法。
【請求項90】
所定のサイズの粒子がふるいを使用して単離される、請求項86〜89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
標的粒子が、経口、静脈内、筋内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮膚間(interdermal)、経直腸、膣内、腹腔内、局所、経皮、経粘膜、経鼻、頬側、経腸、または舌下経路によって被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
標的粒子が、経口的に、静脈内に、または非経口的に被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
標的粒子が、気管内注入、気管支注入、または吸入によって前記被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
標的粒子が、口腔スプレー、鼻腔スプレー、またはエアロゾルとして前記被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
標的粒子が前立腺へ直接投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
標的粒子が前立腺癌細胞へ直接投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項97】
標的粒子が、局所投与によって前立腺癌細胞へ直接投与される、請求項96記載の方法。
【請求項98】
標的粒子が、前立腺癌細胞を含む組織への注射によって、前立腺癌細胞へ直接投与される、請求項96記載の方法。
【請求項99】
標的粒子が、定位手術による前立腺癌細胞でのまたは前立腺癌細胞付近での標的粒子の移入によって、前記被験体へ投与される、請求項96記載の方法。
【請求項100】
標的粒子が、腫瘍の外科的切除の間の前立腺癌細胞でのまたは前立腺癌細胞付近での標的粒子の移入によって、前記被験体へ投与される、請求項96記載の方法。
【請求項101】
治療剤を提供する工程;
ポリマーを提供する工程;
標的化部分を提供する工程;
該ポリマーと該治療剤とを混合して粒子を調製する工程;および
該粒子と該標的化部分とを結合する工程
を含む、標的粒子の調製方法であって、
該ポリマーがポリエステルを含み、かつ標的化部分が前立腺癌細胞を標的化する、方法。
【請求項102】
粒子を精製する工程をさらに含む、請求項101記載の方法。
【請求項103】
所与のサイズの粒子を単離する工程をさらに含む、請求項101または102記載の方法。
【請求項104】
請求項1〜81のいずれか一項記載の標的粒子および使用説明書を含む、キット。
【請求項105】
請求項82記載の薬学的組成物および使用説明書を含む、キット。
【請求項1】
粒子;
標的化部分(targeting moiety);および
治療剤;
を含む標的粒子(targeted particle)であって、
該粒子がポリマーマトリクスを含み、
該ポリマーマトリクスがポリエステルを含み、かつ
該標的化部分が前立腺癌細胞を標的化する、
標的粒子。
【請求項2】
粒子がナノ粒子である、請求項1記載の標的粒子。
【請求項3】
粒子がマイクロ粒子である、請求項1記載の標的粒子。
【請求項4】
粒子が中実粒子である、請求項1〜3のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項5】
粒子が中空粒子である、請求項1〜3のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項6】
ポリエステルが、PLGA、PLA、PGA、ポリカプロラクトン、およびポリ酸無水物からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項7】
ポリエステルがPLGAである、請求項1〜6のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項8】
ポリマーマトリクスが2またはそれ以上のポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項9】
少なくとも1つのポリマーが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、ポリプロピルフメレート(polypropylfumerate)、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリ尿素、ポリスチレン、ポリアミン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8記載の標的粒子。
【請求項10】
少なくとも1つのポリマーが、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、およびポリシアノアクリレートからなる群より選択される、請求項8記載の標的粒子。
【請求項11】
少なくとも1つのポリマーがポリアルキレングリコールである、請求項8記載の標的粒子。
【請求項12】
少なくとも1つのポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項8記載の標的粒子。
【請求項13】
ポリマーマトリクスが2またはそれ以上のポリマーのコポリマーを含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項14】
コポリマーがPLGAおよびPEGのコポリマーである、請求項13記載の標的粒子。
【請求項15】
粒子が直径1000 nm未満である、請求項1〜14のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項16】
粒子が直径500 nm未満である、請求項1〜15のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項17】
粒子が直径400 nm未満である、請求項1〜16のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項18】
粒子が直径300 nm未満である、請求項1〜17のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項19】
粒子が直径200 nm未満である、請求項1〜18のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項20】
粒子が直径100 nm未満である、請求項1〜19のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項21】
粒子が直径50 nm未満である、請求項1〜20のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項22】
標的粒子がタンパク質、脂質、または糖質を含む、請求項1〜21のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項23】
標的化部分がタンパク質である、請求項1〜22のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項24】
タンパク質標的化部分が前立腺癌細胞へ特異的に結合し得る、請求項23記載の標的粒子。
【請求項25】
タンパク質標的化部分が、抗体、受容体、サイトカイン、ペプチドホルモン、アビマー(avimer)、アフィボディー(affibody)からなる群より選択される、請求項23記載の標的粒子。
【請求項26】
タンパク質標的化部分が、前立腺特異的膜抗原(PSMA)へ特異的に結合する抗体である、請求項23記載の標的粒子。
【請求項27】
標的化部分が小分子である、請求項1〜22のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項28】
小分子標的化部分が、前立腺癌細胞へ特異的に結合し得る、請求項27記載の標的粒子。
【請求項29】
小分子標的化部分が、前立腺特異的膜抗原(PSMA)へ特異的に結合する抗体である、請求項27記載の標的粒子。
【請求項30】
小分子標的化部分が、葉酸、前立腺特異的膜抗原(PSMA)ペプチダーゼ阻害剤 チオールおよびインドールチオール誘導体、ヒドロキサメート誘導体、PBDAベースの阻害剤、尿素ベースの阻害剤、アンドロゲン受容体標的化剤、ならびにポリアミンからなる群より選択される、請求項27記載の標的粒子。
【請求項31】
標的化部分が核酸である、請求項1〜22のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項32】
核酸標的化部分がアプタマーである、請求項31記載の標的粒子。
【請求項33】
アプタマーが、1または複数の修飾されたヌクレオチドを含み、かつ、エンドヌクレアーゼ分解、エキソヌクレアーゼ分解、またはエンドヌクレアーゼ分解およびエキソヌクレアーゼ分解の両方に対して実質的に耐性である、請求項32記載の標的粒子。
【請求項34】
アプタマーが1または複数のL-エナンチオマーヌクレオシドを含む、請求項32または33記載の標的粒子。
【請求項35】
アプタマーの3’末端、5’末端、または3’末端および5’末端の両方における1または複数の内在(internal)ヌクレオチドが反転され、3’-3’または5’-5’ヌクレオチド結合が得られる、請求項32〜34のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項36】
アプタマーが前立腺癌細胞へ特異的に結合し得る、請求項32〜35のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項37】
アプタマーが前立腺特異的膜抗原(PSMA)へ特異的に結合する、請求項32〜36のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項38】
アプタマーが、配列番号:1のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分を含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項39】
アプタマーが、配列番号:1のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分に相同である、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項40】
アプタマーが、配列番号:2のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分を含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項41】
アプタマーが、配列番号:2のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分に相同である、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項42】
アプタマーが、配列番号:3のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分を含む、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項43】
アプタマーが、配列番号:3のヌクレオチド配列、その誘導体、またはその特徴的部分に相同である、請求項32〜37のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項44】
標的への標的化部分の特異的結合により、前立腺癌細胞への治療剤の送達がもたらされる、請求項1〜43のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項45】
標的が、タンパク質、核酸、糖質、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項44記載の標的粒子。
【請求項46】
標的がタンパク質を含む、請求項44記載の標的粒子。
【請求項47】
標的が、細胞表面受容体、インテグリン、膜貫通タンパク質、イオンチャネル、膜輸送体タンパク質、細胞内タンパク質、可溶性タンパク質、小分子、腫瘍マーカー、それらの特徴的部分、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項45記載の標的粒子。
【請求項48】
標的が腫瘍マーカーである、請求項44記載の標的粒子。
【請求項49】
標的が前立腺癌特異的マーカーである、請求項44記載の標的粒子。
【請求項50】
標的が、前立腺特異的抗原、ヒト腺性カリクレイン2、前立腺酸性フォスファターゼ、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、アンドロゲン受容体、インスリン様成長因子、インスリン様成長因子結合タンパク質、膜貫通タンパク質24P4C12、前立腺幹細胞抗原、カルベオリン(calveolin)、PHOR-1、C型レクチン膜貫通抗原、103P2D6がコードするタンパク質、前立腺特異的レダクターゼポリペプチド、およびIL-11受容体-αからなる群より選択される、請求項48または49記載の標的粒子。
【請求項51】
標的がPSMAである、請求項48または49記載の標的粒子。
【請求項52】
標的が内皮癌特異的マーカーである、請求項44〜51のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項53】
標的が核酸を含む、請求項44記載の標的粒子。
【請求項54】
標的が、糖タンパク質、糖類、およびグリコカリックスからなる群より選択される糖質である、請求項44記載の標的粒子。
【請求項55】
標的への標的化部分の特異的結合が、標的化部分の三次元的特徴に依存する、請求項44〜54のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項56】
標的への標的化部分の特異的結合が、標的の三次元的特徴に依存する、請求項44〜54のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項57】
治療剤が、小分子、タンパク質、核酸、糖質、脂質、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜56のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項58】
治療剤が抗癌剤である、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項59】
治療剤が、抗体、組換え抗体、ヒト化抗体、それらの特徴的部分、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜58のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項60】
治療剤が酵素である、請求項1〜59のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項61】
治療剤が、低分子干渉RNA、スモールヘアピンRNA(small hairpin RNA)、またはマイクロRNAである、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項62】
治療剤が診断剤である、請求項1〜56のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項63】
診断剤が、蛍光性部分、放射性核種、ガス、制吐薬、および造影剤からなる群より選択される、請求項62記載の標的粒子。
【請求項64】
放射性核種が、γ放射体、陽電子放射体、X線放射体、β放射体、およびα放射体からなる群より選択される、請求項63記載の標的粒子。
【請求項65】
診断剤が、陽電子放射断層撮影法(PET)、コンピューター断層撮影法(CAT)、単一光子放射コンピューター断層撮影法、X線、蛍光透視、または磁気共鳴画像法(MRI)において使用されるイメージング剤である、請求項62記載の標的粒子。
【請求項66】
治療剤が予防剤である、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項67】
予防剤がワクチンである、請求項66記載の標的粒子。
【請求項68】
治療剤が栄養補助剤である、請求項1〜57のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項69】
栄養補助剤が、ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸、植物抽出物、動物抽出物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項68記載の標的粒子。
【請求項70】
標的化部分が前記粒子と結合している、請求項1〜69のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項71】
標的化部分が前記粒子と非共有結合している、請求項1〜70のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項72】
標的化部分が、前記粒子の表面と結合しているか、前記粒子内に封入されているか、前記粒子によって囲まれているか、または前記粒子にわたって分散されている、請求項71記載の標的粒子。
【請求項73】
標的化部分が、少なくとも1つの共有結合を介して前記粒子と結合している、請求項1〜70のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項74】
共有結合が脂肪族リンカーまたはヘテロ脂肪族リンカーによって媒介されている、請求項73記載の標的粒子。
【請求項75】
共有結合がポリエーテルリンカーによって媒介されている、請求項73記載の標的粒子。
【請求項76】
治療剤が前記粒子と結合している、請求項1〜75のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項77】
治療剤が前記粒子と非共有結合している、請求項1〜76のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項78】
治療剤が、前記粒子の表面と結合しているか、前記粒子内に封入されているか、前記粒子によって囲まれているか、または前記粒子にわたって分散されている、請求項77記載の標的粒子。
【請求項79】
治療剤が、少なくとも1つの共有結合を介して前記粒子と結合している、請求項1〜76のいずれか一項記載の標的粒子。
【請求項80】
共有結合が炭化水素リンカーによって媒介されている、請求項79記載の標的粒子。
【請求項81】
共有結合がポリエーテルリンカーによって媒介されている、請求項79記載の標的粒子。
【請求項82】
請求項1〜81のいずれか一項記載の標的粒子および薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項83】
少なくとも1つの細胞を含む被験体を提供する工程;
請求項1〜81のいずれか一項記載の標的粒子を提供する工程;および
該標的粒子を該被験体へ投与する工程
を含む、被験体へ標的粒子を投与する方法。
【請求項84】
前記標的粒子が薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項83記載の方法。
【請求項85】
標的粒子を提供する工程が、粒子を作製することを含む、請求項83または84記載の方法。
【請求項86】
粒子を作製する工程が、粒子を製造する工程、粒子を精製する工程、および所定のサイズの粒子を単離する工程を含む、請求項83〜85のいずれか一項記載の方法。
【請求項87】
粒子が、ナノ析出、スプレードライ、シングルエマルジョン溶媒蒸発(single emulsion solvent evaporation)、ダブルエマルジョン溶媒蒸発(double emulsion solvent evaporation)、溶媒抽出、相分離、ミリング(milling)、マイクロファブリケーション、ナノファブリケーション、犠牲層、単純コアセルベーション、複合コアセルベーション、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるプロセスによって製造される、請求項86記載の方法。
【請求項88】
粒子がナノ析出によって製造される、請求項86記載の方法。
【請求項89】
粒子が、流体チャネルを使用するフローフォーカシング(flow focusing)によって製造される、請求項86記載の方法。
【請求項90】
所定のサイズの粒子がふるいを使用して単離される、請求項86〜89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
標的粒子が、経口、静脈内、筋内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮膚間(interdermal)、経直腸、膣内、腹腔内、局所、経皮、経粘膜、経鼻、頬側、経腸、または舌下経路によって被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
標的粒子が、経口的に、静脈内に、または非経口的に被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
標的粒子が、気管内注入、気管支注入、または吸入によって前記被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
標的粒子が、口腔スプレー、鼻腔スプレー、またはエアロゾルとして前記被験体へ投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項95】
標的粒子が前立腺へ直接投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
標的粒子が前立腺癌細胞へ直接投与される、請求項83〜90のいずれか一項記載の方法。
【請求項97】
標的粒子が、局所投与によって前立腺癌細胞へ直接投与される、請求項96記載の方法。
【請求項98】
標的粒子が、前立腺癌細胞を含む組織への注射によって、前立腺癌細胞へ直接投与される、請求項96記載の方法。
【請求項99】
標的粒子が、定位手術による前立腺癌細胞でのまたは前立腺癌細胞付近での標的粒子の移入によって、前記被験体へ投与される、請求項96記載の方法。
【請求項100】
標的粒子が、腫瘍の外科的切除の間の前立腺癌細胞でのまたは前立腺癌細胞付近での標的粒子の移入によって、前記被験体へ投与される、請求項96記載の方法。
【請求項101】
治療剤を提供する工程;
ポリマーを提供する工程;
標的化部分を提供する工程;
該ポリマーと該治療剤とを混合して粒子を調製する工程;および
該粒子と該標的化部分とを結合する工程
を含む、標的粒子の調製方法であって、
該ポリマーがポリエステルを含み、かつ標的化部分が前立腺癌細胞を標的化する、方法。
【請求項102】
粒子を精製する工程をさらに含む、請求項101記載の方法。
【請求項103】
所与のサイズの粒子を単離する工程をさらに含む、請求項101または102記載の方法。
【請求項104】
請求項1〜81のいずれか一項記載の標的粒子および使用説明書を含む、キット。
【請求項105】
請求項82記載の薬学的組成物および使用説明書を含む、キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2009−534309(P2009−534309A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503032(P2009−503032)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/007927
【国際公開番号】WO2008/105773
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(508290862)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (1)
【出願人】(503146324)ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/007927
【国際公開番号】WO2008/105773
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(508290862)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (1)
【出願人】(503146324)ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
【Fターム(参考)】
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