説明

治療用移植片

【課題】術後の痛みの軽減を含む、メッシュに対する改良を提供する。
【解決手段】組織を処置するためのシステムであって、第一の治療剤を含むフィルム10と、第二の治療剤を含むメッシュ20とを備える、外科用移植片2を備え、ここで、該フィルム10は、該第一の治療剤を該組織へと放出するように構成され;そして該メッシュ20は、該第二の治療剤を該組織へと放出するように構成される、システムが提供される。一実施形態では、上記フィルム10は、該フィルムが分解または溶解することによって上記第一の治療剤を放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/316,898号(出願日:2010年3月24日)の利益およびこの出願に対する優先権を主張する、米国特許出願第13/051,261号(出願日:2011年3月18日)の分割出願である、米国特許出願第13/051,333号(出願日:2011年3月18日)の分割出願であり、これらの出願の全開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本願は、例えば、ヘルニアの修復において使用するための、少なくとも1種の治療剤を含む、生体適合性の複合材料から成る軟部組織修復のための外科用移植片と、このような外科用移植片を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
ヘルニアは、基本的に、通常は器官、組織または構造が収容されている体腔壁を通して、それらの一部の突出が生じる欠陥である。
【0004】
メッシュは、腹壁の内部または外部から皮下的(例えば、皮膚の下)に当てられ得、そして、処置される具体的な欠陥またはヘルニアの性質および重篤度に依存して、このメッシュは吸収性または非吸収性のいずれかであり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
腹腔鏡処置および開放性処置(open procedure)の両方が、メッシュを用いたヘルニアの処置に好まれている。いかなる外科手術を行う場合も、患者に対する外傷を可能な限り小さくして、患者にとっての術後の痛みを軽減するようにヘルニアを処置することが望ましい。このように、術後の痛みの軽減を含む、メッシュに対する改良が望ましいままである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、第一の治療剤を放出するためのフィルムと、第二の治療剤を放出するためのメッシュとを備える外科用移植片に関する。フィルムは、メッシュの少なくとも一部を覆う。特定の実施形態において、メッシュが、少なくとも部分的にフィルム内に包埋されているか、あるいは、フィルムが、メッシュの第一の表面に隣接して配置され得る。第一の治療剤は、第一の速度で放出され、そして、第二の治療剤は、第二の速度で放出される。
【0007】
いくつかの実施形態において、フィルムは水溶性ポリマーを含む。フィルムはまた迅速に分解し得、ここで、フィルムは移植後約24時間未満で、そして、特定の実施形態においては、移植後約1時間未満で分解する。
【0008】
フィルムを構成し得る材料としては、ポリエステル類、多糖類、タンパク質、ペプチド、親水性ビニル類、ポリアミド類、ポリアミン類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリ(酸無水物)類、ポリアミドエステル類、コポリ(エーテル−エステル)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)類、ポリイミドカーボネート類、ポリ(イミノカーボネート)類、ポリオルトエステル類、ポリオキサエステル類、ポリホスファゼン類、ポリ(フマル酸プロピレン)類、ポリウレタン類、ポリマー薬物およびこれらの組み合わせが挙げられる。フィルムはまた、グリセロールまたはカルボキシメチルセルロースを含み得る。
【0009】
メッシュを構成し得る材料としては、ポリオレフィン類、ポリエステル類、タンパク質、多糖類およびこれらの組み合わせが挙げられる。メッシュはさらにコーティングを含み得、これは必要に応じて、第二の治療剤を含む。あるいは、メッシュは、少なくとも1種の分解性フィラメントを有し得、この分解性フィラメントは、必要に応じて、第二の治療剤を含む。
【0010】
第一の治療剤は、移植後約24時間未満から、特定の実施形態においては、移植後約1時間未満からインサイチュで放出され得る。第二の治療剤は、移植後約24時間より後から、特定の実施形態においては、約24時間〜約14日で、インサイチュで放出され得る。第一の治療剤は、第二の治療剤と同じであっても異なっていてもよい。
【0011】
第一または第二の治療剤としては、抗炎症剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、脈管形成因子、鎮痙剤、増殖因子、成長因子、遺伝子ベースの治療剤、タンパク質、ペプチド、核酸、ポリマー薬物およびこれらに組み合わせが挙げられ得る。代替的な実施形態において、第一または第二の治療剤は、ブピバカイン塩酸塩、ブピバカインまたはカプサイシンを含み得る。
【0012】
組織を処置する方法が開示され、この方法は、組織内に外科用移植片を移植する工程を包含し、この外科用移植片は、第一の治療剤を含むフィルムと、第二の治療剤を含むメッシュとを備え;このフィルムは、第一の治療剤を組織へと放出し;そして、メッシュは、第二の治療剤を組織へと放出する。
【0013】
外科用移植片を作製する方法もまた開示され、この方法は、フィルム内に第一の治療剤を提供する工程;メッシュ内に第二の治療剤を提供する工程;および、フィルムをメッシュに張り付ける工程を包含する。ポリマー溶液中に第一の治療剤を提供する工程;メッシュ内に第二の治療剤を提供する工程;ポリマー溶液をメッシュに塗布する工程を包含する代替的な作製方法が提供される。
【0014】
本発明は、例えば以下を提供する。
【0015】
(項目1A) 組織を処置するためのシステムであって、該システムは、以下:
第一の治療剤を含むフィルムと、第二の治療剤を含むメッシュとを備える、外科用移植片
を備え、
ここで、該フィルムは、該第一の治療剤を該組織へと放出するように構成され;そして
該メッシュは、該第二の治療剤を該組織へと放出するように構成される、
システム。
【0016】
(項目2A) 前記フィルムは、該フィルムが分解または溶解することによって前記第一の治療剤を放出する、上記項目に記載のシステム。
【0017】
(項目3A) 前記メッシュの表面の一部がコーティングを含み、該コーティングが、前記第二の治療剤を含む、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
【0018】
(項目4A) 前記第一の治療剤が、前記第二の治療剤と異なる、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
【0019】
(項目5A) 前記第一の治療剤および前記第二の治療剤の少なくとも一方が、ブピバカイン塩酸塩、ブピバカインおよびカプサイシンからなる群より選択される、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
【0020】
(項目6A) 前記メッシュは、前記フィルムが分解または溶解した後に、前記第二の治療剤を放出するように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のシステム。
【0021】
(項目1B) 組織を処置する方法であって、該方法は、該組織内に外科用移植片を移植する工程を包含し、
該外科用移植片は、第一の治療剤を含むフィルムと、第二の治療剤を含むメッシュとを備え;
該フィルムは、該第一の治療剤を該組織へと放出し;そして
該メッシュは、該第二の治療剤を該組織へと放出する、
方法。
【0022】
(項目2B) 前記フィルムは、該フィルムが分解または溶解することによって前記第一の治療剤を放出する、上記項目に記載の方法。
【0023】
(項目3B) 前記メッシュの表面の一部がコーティングを含み、該コーティングが、前記第二の治療剤を含む、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0024】
(項目4B) 前記第一の治療剤が、前記第二の治療剤と異なる、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0025】
(項目5B) 前記第一の治療剤および前記第二の治療剤の少なくとも一方が、ブピバカイン塩酸塩、ブピバカインおよびカプサイシンからなる群より選択される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0026】
(項目6B) 前記メッシュは、前記フィルムが分解または溶解した後に、前記第二の治療剤を放出する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0027】
(摘要)
本開示の外科手術用移植片は、第一の治療剤を含むフィルム、および第二の治療剤を含むメッシュを備える。この外科手術用移植片は、メッシュと直接接触したフィルムを備える。この第一の治療剤は、第一の速度で放出され得、そしてこの第二の治療剤は、第二の速度で放出され得る。
【発明の効果】
【0028】
本発明によって、術後の痛みの軽減を含む、メッシュに対する改良が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、そして、上に提供される開示の一般的な説明、および以下に提供される実施形態の詳細な説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図1】図1は、本開示に従う移植片の一実施形態を示す。
【図2A】図2Aは図1の移植片の断面図を示す。
【図2B】図2Bは、図2Aの移植片の断面の略図を示す。
【図3】図3は、本開示に従う移植片の別の実施形態の平面図を示す。
【図4A】図4Aは、図3の移植片の断面図を示す。
【図4B】図4Bは、図3の移植片の断面の略図を示す。
【図5】図5は、本開示の移植片を製造するための型の一実施形態の斜視図を示す。
【図6】図6は、図5の型の一部の断面図を示す。
【図7】図7は、本開示に従う移植片についての切開による損傷が引き起こした過敏性を示す。
【図8】図8は、インビボでの本開示に従う移植片からのブピバカイン塩酸塩の放出を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施形態の詳細な説明)
本開示は、治療用の複合材料から成る外科用移植片と、このような外科用移植片を作製および使用するための方法に関する。より具体的には、移植片は、少なくとも一つの層を含むフィルムを備える。この移植片はさらにメッシュを備え、このメッシュは、少なくとも部分的に、フィルムと接し得るか、または、フィルム内に包埋され得る。ある実施形態においては、メッシュは、第一の治療剤を放出するための第一の放出機構を備え、そして、フィルムは、第二の治療剤を放出するための第二の放出機構を備える。特定の実施形態において、治療剤の少なくとも一方は、局所麻酔薬を含む。
【0031】
本開示によれば、本明細書において開示される移植片は、フィルムと組み合わされたメッシュを備え、その各々が任意の適切な生体適合性材料を含む。適切な材料は、欠陥の修復の間に(損傷を受けた組織部位上の)筋膜壁を支えるために十分な引張り強さを有し、長期間にわたりヒトの身体内に保持される際に異物応答を回避するために十分に不活性であり、そして、身体内で所望の位置に挿入および配置するために、適度に容易な取り扱い特性を有するべきである。
【0032】
本明細書において開示されるメッシュは一般に、フィラメントと、大きな空間と、孔とを備える。メッシュのフィラメントは、少なくとも2本のストランドによって形成され得、大きな空間がフィラメント間に形成されて、外科用移植片に必要な強度を提供し得、そして、フィラメントは、ストランド自体の中に孔が形成されるように配置される(すなわち、織られるか、または、編まれる)。あるいは、フィラメントは、(少なくとも2本のストランドとは対照的に)孔を生じるループを形成するように配置されたモノフィラメント繊維によって形成され得る。
【0033】
本開示において使用するための適切なメッシュとしては、例えば、PARIETEXTMComposite Mesh(Covidienとして事業経営中のTyco Healthcare Group LPから市販されている)のようなコラーゲン複合メッシュが挙げられる。PARIETEXTMComposite Meshは、再吸収可能なコラーゲンフィルムが片側に接着された3次元ポリエステル織物である。別の適切なメッシュとしては、Parietex ProgripTM自己固着(self−fixating)メッシュ(これもまたCovidienから市販されている)が挙げられる。Parietex ProgripTMは、ポリ乳酸(PLA)マイクログリップを備えるポリエステルメッシュである。他の適切なメッシュとしては、以下の品名の下で販売されるものが挙げられる:PARIETENE(登録商標)、PERMACOLTM、PARIETEXTM、SURGIPROTM(全て、Covidienから市販されている);PROLENETM(Ethicon,Inc.から市販されている);MARLEX(登録商標)、DULEX(登録商標)、3D MAX(登録商標)メッシュ、PERFIX(登録商標)プラグ、VENTRALEX(登録商標)およびKUGEL(登録商標)パッチ(全て、C.R.Bard,Inc.から市販されている);PROLITETM、PROLITE ULTRATM(全て、Atrium Medicalから市販されている);COMPOSIX(登録商標)、SEPRAMESH(登録商標)およびVISILEX(登録商標)(全て、Davol,Inc.から市販されている);ならびにDUALMESH(登録商標)、MYCROMESH(登録商標)およびINFINIT(登録商標)メッシュ(全て、W.L.Goreから市販されている)。さらに、本開示の範囲および状況内に含まれるメッシュは、同種グラフト、自己グラフトおよび異種グラフトのような生物学的材料を含み得る。
【0034】
本開示の一実施形態によれば、Parietex Pro−gripTM自己固着メッシュが用いられ得る。Pro−gripTMメッシュは、メリヤス生地を備え、このメリヤス生地は、メリヤス生地の一方の面にスパイク付き(spiked)/棘付きの毛羽を形成するモノフィラメントのシートを備え、この毛羽は、上記シートに対して垂直に突出している。毛羽は、各々が実質的に直線構成の本体を有し、そして、この本体の自由端には、この本体の幅よりも広い幅の頭部を有する。棘付きの毛羽は、(同じ人工器官に属するか、または属さない)別の人工器官生地に、または、直接生体組織に留められ得る、フックとして機能する。特定の実施形態において、生地またはメッシュは、メッシュの各表面上にある棘付きの毛羽を含み得る。
【0035】
メッシュの構成要素は、繊維性の構造を形成するのに適した任意の方法を用いて形成され得、この方法としては、編むこと、織ること、ボビンレース(knipling)、タッチング、不織技術、湿式紡糸、エレクトロスピニング(electro−spinning)、ゲル紡糸(gel−spinning)、押出成形、共押出成形などが挙げられるがこれらに限定されない。メッシュを作製するための適切な技術は、当業者の知識の範囲内である。
【0036】
本開示による移植片はさらに、少なくとも1つのフィルムを備え、このフィルムは、特定の実施形態において、迅速に分解する。一例では、迅速に分解する(生分解性)フィルムは、メッシュの少なくとも一部を覆う。後に記載されるように、フィルムが、少なくともメッシュの第一および/または第二の表面に隣接して配置され得るか、または、メッシュが、少なくとも部分的にフィルム内に包埋され得る。同様に、フィルムは、少なくとも部分的に、メッシュの三次元構成体の中に貫通し得る。あるいは、フィルムは、メッシュの第一の表面および第二の表面の両方に存在し得る。
【0037】
さらに、フィルムは少なくとも一つの層を含み得、そして、いくつかの例においては、フィルムは、多層積層(multilaminar)構成体を有し得る。
【0038】
本明細書中に開示される移植片は、例えば、合成材料、天然材料(例えば、生体材料)およびこれらの組み合わせを含み得る。適切なポリマーとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンが挙げられる)およびポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびこれらのブレンドが挙げられる));ポリエチレングリコール;ポリエチレンオキシド;超高分子量ポリエチレン;ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー;ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンとのコポリマー;フッ素化ポリオレフィン(例えば、ポリフルオロエチレン、ポリフルオロプロピレン、フルオロPEG、およびポリテトラフルオロエチレン);ポリアミド(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、およびポリカプロラクタム);ポリアミン;ポリイミン;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート);ポリエーテル;ポリブタエステル;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,4−ブタンジオール;ポリウレタン;アクリルポリマー;メタクリル類;ハロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル);ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル);ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン);ポリクロロフルオロエチレン;ポリアクリロニトリル;ポリアリールエーテルケトン;ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン);ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル);ビニルモノマー同士のコポリマーおよびビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー);アクリロニトリル−スチレンコポリマー;ABS樹脂;エチレン−酢酸ビニルコポリマー;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリホスファジン;ポリイミド;エポキシ樹脂;アラミド;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;スパンデックス;シリコーン;ならびにこれらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられる。さらに、非生分解性のポリマーおよびモノマーが、繊維(例えばコア−シース構成を有する繊維)のコアを作り出すために互いに組み合わせられ得る。特定の実施形態においては、少なくともメッシュはPETを含み得る。
【0039】
本開示に従って利用され得る他の合成ポリマーとしては、ビニルポリマーのアニオン性、カチオン性および中性のモノマーおよびポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸、スチレンスルホン酸、ポリヒドロキシエチルメチルアクリレート(pHEMA)およびリン脂質ビニル類(phospholipid vinyl));アクリルポリマー(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレートおよびポリアクリルアミド);ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシドおよびポリプロピレングリコール、ならびにこれらのホモポリマーおよびコポリマー;ホスホリルコリン官能性アクリレートおよびメタクリレート;これらのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
さらに、生分解性の合成または天然材料が用いられ得る。本明細書中で使用される場合、用語「生分解性」は、生体吸収性材料と生体再吸収性材料との両方を包含する。生分解性とは、その物質が身体条件下で分解するかまたは構造的一体性を失うか(例えば、酵素分解、加水分解)あるいは身体内の生理学的条件下で(例えば、物理的もしくは化学的に)分解(例えば、溶解)し、その結果、その分解生成物が身体により排出可能または吸収可能になることを意味する。
【0041】
本開示の移植片を構成し得る適切な生体吸収性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル;ポリアミド;ポリアミン;ポリアルキレンオキサレート;ポリ(酸無水物);ポリアミドエステル;コポリ(エーテル−エステル);ポリ(カーボネート)(チロシン由来のカーボネートが挙げられる);ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、およびポリ(ヒドロキシブチレート));ポリイミドカーボネート;ポリ(イミノカーボネート)(例えば、ポリ(ビスフェノールA−イミノカーボネート)など);ポリオルトエステル;ポリオキサエステル(アミン基を含むものが挙げられる);ポリホスファゼン;ポリ(フマル酸プロピレン);ポリウレタン;ポリマー薬物(例えば、ポリジフルニソール、ポリアスピリン、およびタンパク質治療剤);生物学的に修飾された(例えば、タンパク質、ペプチド)生体吸収性ポリマー;およびこれらのコポリマー、ブロックコポリマー、ホモポリマー、ブレンド、ならびに組み合わせからなる群より選択されるポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
より具体的には、本発明の目的のための脂肪族ポリエステルとしては、ラクチド(乳酸、D−ラクチド、L−ラクチドおよびメソラクチドが挙げられる);グリコリド(グリコール酸が挙げられる);ε−カプロラクトン;p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン);トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体;δ−バレロラクトン;β−ブチロラクトン;γ−ブチロラクトン;ε−デカラクトン;ヒドロキシブチレート;ヒドロキシバレレート;1,4−ジオキセパン−2−オン(その二量体である1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,14−ジオンが挙げられる);1,5−ジオキセパン−2−オン;6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン;2,5−ジケトモルホリン;ピバロラクトン;α,α−ジエチルプロピオラクトン;エチレンカーボネート;エチレンオキサレート;3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン;6,8−ジオキサビシクロオクタン(dioxabicycloctane)−7−オンのホモポリマーおよびコポリマー;ならびにこれらのポリマーブレンドおよびコポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、メッシュは脂肪族ポリエステルを含み得る。
【0043】
他の適切な生分解性ポリマーとしては、ポリ(アミノ酸)(コラーゲン(I、IIおよびIII)、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、絹、およびアルブミンなどのタンパク質が挙げられる);ラミニンおよびフィブロネクチンの配列(RGD)を含むペプチド;多糖類(例えば、ヒアルロン酸(HA)、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、およびセルロース);グリコサミノグリカン;ガット;ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。コラーゲンは、本明細書中で使用される場合、天然コラーゲン(例えば、動物由来のコラーゲン、ゼラチン化コラーゲン)、または合成コラーゲン(例えば、ヒト組換えコラーゲンもしくは細菌組換えコラーゲン)を包含する。
【0044】
さらに、合成により修飾された天然ポリマー(例えば、セルロース誘導体および多糖類誘導体(アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、およびキトサンが挙げられる))が利用され得る。適切なセルロース誘導体の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、三酢酸セルロース、および硫酸セルロースナトリウム塩が挙げられる。これらは本明細書中でまとめて、ある実施形態において、「セルロース」と称され得る。
【0045】
特定の実施形態では、フィルムは、CMCのような多糖類を含み得、その一方でメッシュの部分はポリエステルまたはポリプロピレンを含む。
【0046】
さらに、外科用移植片は、乳化剤、可溶化剤、湿潤剤、風味調節剤(taste modifying agent)、可塑剤、活性因子、水溶性不活性充填剤、保存料、緩衝剤、着色料および安定化剤のうちの任意のもの、または全てを含み得る。調合物への可塑剤の追加は、柔軟性を改善し得る。可塑剤または可塑剤の混合物は、ポリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、スクロース、コーンシロップ、フルクトース、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、1,2−プロピレングリコール、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート、または天然ゴムであり得る。
【0047】
ここで、図1を参照すると、本開示に従う、メッシュ20を取り囲むかまたは被包するフィルム10を備える移植片2の一実施形態が示される。示されるように、フィルム10は、メッシュ20の第一の表面(20a)および第二の表面(20b)に存在する。より具体的には、フィルム10は、薄層状のフィルムまたはシートとして提供され得る水溶性ポリマーを含む。フィルム10は、表面の織り方に目の細かい粗いがあってもよい。さらに、図2Aに示されるように、少なくとも2枚のフィルム(10aおよび10b)が、メッシュ20と接していてもよい。さらに、移植片2にはメッシュ20の1より多い層もまた存在し得ることが想定される。
【0048】
フィルムは、単一の薄層状の層を含み得るか、または逆に、フィルムは、いくつかの層を含み、多層積層フィルムを生じ得る。多層積層フィルムは、同じであるかまたは異なる材料を含み得る。多層積層フィルムはまた、異なるポリマー鎖の配向を含み得、すなわち、これらは、(必要に応じて互いに対して種々の配向で)組み合わされるとより頑丈な移植片を生じる、異方性の特性を有し得る。さらに、本明細書中に開示されるフィルムは、連続であっても不連続であってもよい。
【0049】
フィルム10は、メッシュ20と隣接して配置され、そして、図2Aおよび2Bに示されるように、フィルム10a、10bは、メッシュ20の第一の表面(20a)および第二の表面(20b)に存在し、その内部にメッシュ20を被包する。メッシュ20は、モノフィラメントメッシュ20として示される;しかしながら、マルチフィラメントメッシュを含む移植片は、本開示の範囲内である。モノフィラメントメッシュ20は、少なくとも2つのフィラメントの交差によって形成され得る空間および/または孔を含む。フィルム10はまた、メッシュ20内またはメッシュ20間の孔または空間内に貫通して、メッシュ20とインターロックし得する。
【0050】
本開示に従う移植片の別の実施形態が、図3、4Aおよび4Bに示される。移植片100は、メッシュ120と直接接した、迅速に分解するフィルム110を備える。メッシュ120は、モノフィラメント糸122(断面図で示される、図4)を含む。迅速に分解するフィルム110は、メッシュの第一の側面120aと直接接する。モノフィラメントメッシュ120は、空間および/または孔を備え得、これらの空間および/または孔は、ある実施形態では、フィルム110によって貫通され得る。他の実施形態では、フィルム110の一層は、メッシュ120と直接接して、その第一の表面120aの少なくとも一部を覆い得る。いくつかの実施形態では、フィルム110は、メッシュのメリヤス生地または織物120の孔を貫通し得る。
【0051】
一般に、フィルムは少なくともメッシュの一部を覆う。フィルムは、少なくともメッシュの第一の表面に隣接して配置され得、そして、特定の実施形態では、フィルムは、少なくとも部分的にメッシュの第一の表面内に貫通する。なお代替的な実施形態においては、フィルムは、少なくとも部分的に、または、完全に、メッシュ構成体(2次元または3次元)内に包埋され、メッシュの孔および/または間隙内に貫通し得る。上記の例は非限定的なものであり、フィルムおよびメッシュの組み合わせを含む他の構成体が想定されることが理解されるべきである。
【0052】
本明細書において上で考察されるように、フィルムは、多層積層または多層(multilayer)の構成体を含み得る。多層積層構成体は、異なる放出速度および速度論を提供し得る。第一の治療剤は、多層積層フィルムの少なくとも一つの層の内部に配置され得る。一実施形態では、多層積層フィルムは、その上に少なくとも一つのバリア層が配置されたフィルムを含む。バリア層は、生物活性因子を含んでいても含んでいなくてもよい。さらに、多層積層構成体は、周囲の環境への薬物の送達/放出を最適にするために、異なるポリマーおよび多様なポリマーの異なる結晶構造を利用し得る。
【0053】
本開示のフィルムは、迅速に分解し得るか、または、迅速に吸収され得る。迅速に分解するフィルムは、少なくとも部分的に、移植後約24時間未満から分解する。迅速に分解するフィルムは、移植後約24時間未満から完全に分解し得る。特定の実施形態では、迅速に分解するフィルムは、移植後約1時間未満から分解する。フィルムの迅速な分解は、患者への第一の治療剤のより速い送達を可能にし得る。一つの非限定的な例において、ブピバカイン塩酸塩は、(標準的な混合技術を用いて溶液中で)CMCフィルムと組み合わされる。一旦移植されると、CMCフィルムは、インサイチュで1時間未満で加水分解し、1時間未満で、患者に対してブピバカイン塩酸塩の所定の正味重量(payload)を送達し得る。
【0054】
外科用移植片は、組織部位に送達もしくは運搬され、そして、特定の期間にわたり放出される治療剤を含む。より具体的には、第一の治療剤は、フィルム構成要素によって移植片/組織部位へと送達または運搬される。フィルムは、第一の治療剤を身体内に運ぶための送達ビヒクルとして機能する。第一の治療剤は、種々の方法を利用してフィルム上またはフィルム内に収容され得、例えば、第一の治療剤は、マイクロ/ナノスフェア、リポソーム、カーボンナノチューブ、マイクロ/ナノ粒子、薬物マクロマー(drug macromer)、ポリマー薬物、プロドラッグ、他のナノ構造物などの内部に、そして、種々の塩形態を用いて収容され、フィルム内に組み込まれ得る。第一の治療剤はまた、粒子の懸濁液またはエマルジョンの形態でフィルム内に含浸され得る。
【0055】
第二の治療剤は、メッシュ構成要素によって移植片/組織部位へと送達または運搬される。メッシュは、第二の治療剤を運ぶための送達ビヒクルとして機能する。第二の治療剤は、メッシュ上またはメッシュ内に収容され得る。例えば、メッシュは、第二の治療剤を含むコーティングを含み得る。別の非限定的な例において、第二の治療剤は、メッシュの少なくとも一つのフィラメントを含むポリマー樹脂内に構成(compound)され得る。別の例では、治療剤は、メッシュの間隙の周囲またはその内部に配置され得る。なお代替的な例においては、メッシュの少なくとも一つのフィラメントはポリマー薬物を含み得、フィラメントが分解すると、このポリマー薬物は加水分解され、そして、モノマーまたはポリマーのいずれかの形態で周囲の組織内に放出される。代替的な実施形態では、第二の治療剤は、マイクロスフェアまたはマイクロ粒子の内部に収容され得る。第一の治療剤と同様に、第二の治療剤もまた、粒子の懸濁液またはエマルジョンの形態でコーティングの内部に含浸され得る。
【0056】
本開示の治療剤は、種々の溶出速度または放出速度(用量/単位時間)で、周囲組織に放出される。より具体的には、第一の治療剤は、第一の速度で放出され得、そして第二の治療剤は、第二の速度で放出され得る。他の実施形態において、第一の治療剤および第二の治療剤は、同じ速度で放出され得る。同様に、第一の治療剤および第二の治療剤は、同じ放出速度を有し得るが、第一の治療剤は、第二の治療剤と比較して、より短いかまたはより長い時間/日数/週数(より長い持続またはより短い持続)にわたって放出され得る。例えば、37℃において、第一の治療剤(例えば、ブピバカイン塩酸塩)は、合計10時間にわたって7.5mg/時間の放出速度を有し得(75mg放出)、一方で、第二の治療剤(例えば、ブピバカイン(遊離塩基))は、合計72時間にわたって7.5mg/時間の放出速度を有し得る(540mg放出)。
【0057】
第一の治療剤は、移植後約24時間未満から、特定の実施形態において、移植後約1時間未満から、インサイチュで放出され得る。第二の治療剤は、移植後約24時間より後から、特定の実施形態において、移植後約3日(72時間)〜約14日で、インサイチュで放出され得る。特定の実施形態において、第二の治療剤は、移植後約24時間未満でインサイチュで放出を開始し得、そして移植後約14日間にわたって放出を続け得る。
【0058】
より具体的には、第一の治療剤および第二の治療剤がブピバカイン塩酸塩を含む場合、この第一の治療剤は、合計24時間未満の期間にわたって7.5ミリグラム/時間〜10ミリグラム/時間の送達を有し得、一方で、この第二の治療剤は、合計24時間より長期間にわたって7.5ミリグラム/時間の送達を有し得る。
【0059】
特定の実施形態において、少なくともこの第一の治療剤は、ブピバカイン塩酸塩を含む。他の実施形態において、少なくともこの第二の治療剤は、ブピバカイン(遊離塩基)を含む。
【0060】
特定の実施形態において、少なくともこの第一の治療剤は、カプサイシンを含む。他の実施形態において、少なくともこの第二の治療剤は、カプサイシンを含む。
【0061】
他の実施形態において、これらの治療剤は、異なる放出速度を有する。用語「速度」とは、本明細書中で使用される場合、治療剤の正味重量(payload)/単位時間に関連すると理解されるべきである。例えば、第二の放出速度は、第一の放出速度と比較して、より遅くあり得る。移植の際に、第一の治療剤と第二の治療剤との両方が、周囲組織内に溶出し始め得る。第一の治療剤は、移植の際に即座に組織内に放出され(ボーラス放出)、一方で、第二の治療剤は、より遅い速度で送達され、この送達は、その後の日数/週数にわたる徐放または制御放出による送達であり得る。
【0062】
逆に、他の実施形態において、第一の治療剤は、第二の治療剤と比較して、より遅い放出速度を有し得る。
【0063】
上記のように、特定の実施形態において、第一の治療剤および第二の治療剤は、数分間から数週間にわたる期間にわたって放出される。例えば、第一の治療剤は、外科手術中の局所疼痛軽減を提供することを補助するために、局所麻酔薬を含み得、この第一の治療剤は、6時間未満の持続を有する。第二の治療剤は、治癒または炎症に関連する、より長期間の疼痛を軽減するために、鎮痛薬を含み得る。この第二の治療剤は、約数時間(または外科手術の直後)から、手術後数週間の持続を有し得る。特定の実施形態において、この第二の治療剤は、外科手術後約24時間〜約7日間の持続を有し得る。
【0064】
1つの実施形態において、このフィルムが、フィルム成分の急速な加水分解または分解に起因して、急速に分解するフィルムを備える場合、この第一の治療剤は、このメッシュの表面または内部に配置された第二の剤と比較して、より速い放出速度(例えば、ボーラス放出)を有し得る。特定の実施形態において、このフィルム成分は、第二の治療剤が周囲環境内に溶出する前に、少なくとも部分的に分解し得る。換言すれば、この第一の治療剤は、この第二の治療剤を遮蔽し得るか、保護し得るか、またはこの第二の治療剤の放出に対する障壁を他の様式で提供し得る。第一の治療剤の放出は、環境変化(例えば、pHおよびイオン性)を誘発し得、この環境変化が、第二の治療剤の放出の前兆になることもまた想定される。なお代替の実施形態において、第二の治療剤は、フィルムを通って拡散し得、周囲環境内に放出され得る。
【0065】
本開示の治療剤の濃度および用量は、薬物選択または患者の状態に依存して変動し得る。例えば、ある患者は、他の患者と比較して、より多いかまたはより少ない、特定の治療剤を必要とし得る。異なる治療剤の投薬割合は、その効力が類似であるままで変動し得る。例えば、より低濃度の第一の治療剤が、第一の治療効果のために必要とされ得、一方で、より高濃度の第二の治療剤が、第二の治療効果のために必要とされ得る。
【0066】
第一の治療剤および第二の治療剤は、周囲環境内へのボーラス放出または持続送達/放出を有し得、その放出速度論は、0次、一次、二次、三次、n次、およびこれらの組み合わせに対応し得る。さらに、放出は、拡散、分配、または溶解度を制御されたものであり得る。
【0067】
一般に、治療剤は、移植片の製造中または形成中に、例えば、自由な溶液、懸濁液、リポソーム送達、マイクロスフェアなどによって、または移植片もしくはその選択された領域を、例えばポリマーコーティング、乾燥コーティング、凍結乾燥、メッシュもしくは移植片の表面に直接塗布することによりコーティングすること;イオン結合、共有結合もしくは親和性結合させて、移植片の成分を官能基化することによって、この移植片に組み込まれ得る。従って、少なくとも1つの治療剤が、移植片の構成要素(すなわち、メッシュおよび/またはフィルム)と合わせられて、移植中の治療剤の放出、およびいくつかの実施形態においては、移植片の分解による治療剤の放出を提供し得る。いくつかの実施形態において、この移植片がインサイチュで分解または加水分解すると、治療剤が放出される。他の実施形態において、治療剤は、生物活性剤の迅速な放出のために、フィルム成分(またはその選択された領域)に含まれ得る。
【0068】
第一の治療剤についての送達機構は、フィルムであり、特定の実施形態においては、迅速に分解するフィルムである。このフィルムは、水溶性ポリマーを含み得、この水溶性フィルムは、移植の際に溶解し始めて、第一の治療剤を放出する。上記と同様に、用語「分解」は、身体内の生理学的条件下で物質が(物理的または化学的に)分解し、そしてその分解生成物が、身体によって排出可能または吸収可能である、分解、酵素分解、加水分解または溶解を包含することが理解されるべきである。
【0069】
第一の治療剤は、エマルジョン、懸濁液または他の不均質混合物の形態で、ポリマーフィルムに処方され得るか;あるいはフィルムの形成前、形成中または形成後に、均質な溶液として混合され得る。本開示のフィルムを作製する際に使用するための溶媒としては、極性溶媒、非極性溶媒、緩衝液などが挙げられる。フィルムは、フィルムキャスティングなどの方法を使用して溶液から作製され得る。このことは、後に記載される。
【0070】
第二の治療剤は、メッシュを介して周囲組織に送達される。この第二の治療剤は、メッシュ上のコーティングの形態であり得るか、メッシュの間隙または細孔内に捕捉され得るか、樹脂に配合され得るか、あるいは他の様式で組み込まれ得る。第二の治療剤はまた、懸濁液またはエマルジョン、微粒子、繊維などを構成し得、これらは、製織または編成されたメッシュに合わせられ得るか、または他の様式で組み込まれ得る。例えば、第二の治療剤の制御された放出は、メッシュの少なくとも1つのフィラメントの分解に対応し得る。コーティング材料は、本明細書中に列挙されたものに限定されないポリマーを含有し得る。
【0071】
本明細書に記載されるように、これらの治療剤は両方とも、薬物送達の局在した方法であるが、治療剤はまた、周囲の組織および器官(例えば、周囲の脈管系)に分布し得、そして全身に等しく分散し得ることが、理解されるべきである。
【0072】
本開示において使用される適切な第一の治療剤および第二の治療剤としては、鎮痛薬、麻酔薬、抗炎症剤(ステロイド性および非ステロイド性)、鎮痙剤、増殖因子、成長因子、遺伝子ベースの治療剤、ならびにこれらの組み合わせが挙げられ得る。第一の治療剤は、第二の治療剤と同じであっても異なっていてもよい。これらの治療剤は、同じクラスの剤であり得る。すなわち、第一の治療剤と第二の治療剤との両方が、鎮痛薬を含有し得る。
【0073】
さらに詳細には、麻薬性鎮痛治療剤などの鎮痛薬は以下に挙げられるが、これらに限定されない:アルフェンタニル、アリルプロジン(allylprodine)、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、コデインメチルブロミド、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート(dihydrocodeinone enol acetate)、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン塩酸塩、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフェン、ナルセイン(narceine)、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェオペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、ルミフェンタニル(rumifentanil)、サフェンタニル、チリジン、およびこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0074】
本発明の移植片と組み合わせられ得る例示的な非麻薬性鎮痛薬は以下に挙げられるが、これらに限定されない:アセクロフェナク、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチル酸(アスピリン)、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アロキシプリン、ビスアセチルサリチル酸アルミニウム、アミノクロルテノキサジン、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、サリチル酸アンモニウム、アムトルメチングアシル(amtolmetin guacil)、アンチピリン、サリチル酸アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、ベノリレート(benorylate)、ベノキサプロフェン、ベンズピペリノン、ベンジダミン、ベルモプロフェン、ブロフェナク(brofenac)、p−ブロモアセトアニリド、5−ブロモサリチル酸酢酸エステル、ブセチン、ブフェキサマック、ブマジゾン、ブタセチン、アセチルサリチル酸カルシウム、カプサイシン、カルバマゼピン、カルビフェン、カルサラム、セレコキシブ、クロラルアンチピリン(chloralantipyrine)、クロルテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シラマドール、クロメタシン、クロプロパミド、クロテタミド(crotethamide)、デキソキサドロール、ジクロフェナク、ジフェナミゾール、ジフルニサル、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム、ジピロセチル、ジピロン、エモルファゾン、エンフェナム酸、エピリゾール、エテルサラート、エテンザミド、エトキサゼン、エトドラク、フェルビナク、フェノプロフェン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、フルオレゾン(fluoresone)、フルピルチン、フルプロカゾン、フルルビプロフェン、フォスフォサル、ガバペンチン、ゲンチシン酸、グラフェニン、イブフェナック、イブプロフェン、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラク、イソラドール、イソニキシン、ケトプロフェン、ケトロラク、p−ラクトフェネチド(p−lactophenetide)、レフェタミン、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、アセチルサリチル酸マグネシウム、メトトリメプラジン、メトホリン(metofoline)、ミロプロフェン、モラゾン、サリチル酸モルホリン、ナプロキセン、ネオパム、ニフェナゾン、5’ニトロ−2’ プロポキシアセトアニリド、パルサルミド(parsalmide)、ペリソキサール、フェナセチン、フェナゾピリジン塩酸塩、フェノコール(phenocoll)、フェノピラゾン(phenopyrazone)、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、ピペブゾン、ピペリロン、プレガバリン(pregabalin)、プロジリジン、プロパセタモール(propacetamol)、プロピフェナゾン、プロキサゾール、サリチル酸キニーネ、ラミフェナゾン、メチル硫酸リマゾリウム(rimazolium metilsulfate)、サラセタニド(salacetamide)、サリシン、サリチルアミド、サリチルアミドo−酢酸(salicylamide o−acetic acid)、サリチル硫酸(salicylsulfuric acid)、サルサラート(salsalte)、サルベリン、シメトリド、サリチル酸ナトリウム、スルファミピリン、スプロフェン、タルニフルマート、テノキシカム、テロフェナマート、テトラドリン(tetradrine)、チノリジン、トルフェナム酸、トルプロニン(tolpronine)、トラマドール、TRPA1調節因子、TRPM8調節因子、TRPV1調節因子、ビミノール、キセブシン、ゾメピラク、およびこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0075】
例示的な局所麻酔治療剤は以下に挙げられるが、これらに限定されない。アムブカイン、アモラノン、アミロカイン塩酸塩、ベノキシネート、ベンゾカイン、ベトキシカイン(betoxycaine)、ビフェナミン、ブピバカイン、ブタカイン、ブタベン、ブタニリカイン、ブテタミン、ブトキシカイン(butoxycaine)、カルチカイン(carticaine)、クロロプロカイン塩酸塩、コカエチレン(cocaethylene)、コカイン、シクロメチカイン、ジブカイン塩酸塩、ジメチソキン(dimethisoquin)、ジメトカイン、ジペラドン塩酸塩(diperadon hydrochloride)、ジクロニン、エコグニジン(ecgonidine)、エクゴニン、エチルクロリド、β−ユーカイン、ユープロシン、フェナルコミン、フォモカイン(fomocaine)、ヘキシルカイン塩酸塩、ヒドロキシテトラカイン、p−アミノ安息香酸イソブチル、メシル酸ロイシノカイン、レボブピバカイン(levobupivacaine)、レボキサドロール、リドカイン、メピバカイン、メプリルカイン、メタブトキシカイン、メチルクロリド、ミルテカイン、ネパイン、オクタカイン、オルトカイン、オキセサゼイン(oxethazaine)、パレトキシカイン(parethoxycaine)、フェナカイン塩酸塩、フェノール、ピペロカイン、ピリドカイン(piridocaine)、ポリドカノール、プラモキシン、プリロカイン、プロカイン、プロパノカイン、プロパラカイン、プロピトカイン、プロポキシカイン塩酸塩、プソイドコカイン(pseudococaine)、ピロカイン、ロピバカイン、サリチルアルコール、テトラカイン塩酸塩、トリカイン、トリメカイン、ゾラミン、およびこれらの薬学的に許容可能な塩。
【0076】
本開示に従って用いられ得る他の治療剤は、以下に挙げられる:薬物、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ムテイン、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、血液凝固因子(blood clotting factor)、造血因子、インターロイキン(1〜18)、インターフェロン(β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN)、エリトロポイエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF)、インスリン、抗腫瘍薬および腫瘍抑制薬、血液タンパク質、フィブリン、トロンビン、フィブリノーゲン、合成トロンビン、合成フィブリン、合成フィブリノーゲン、ゴナドトロピン(例えば、FSH、LH、CG、など)、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン、黄体化ホルモン放出因子)、ワクチン(例えば、腫瘍性抗原、細菌性抗原およびウィルス性抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子(blood coagulation factor);成長因子、増殖因子(例えば、神経発育因子、インスリン様成長因子);骨形成タンパク質(bone morphogenic proteins)、TGF−B、タンパク質阻害剤、タンパク質アンタゴニスト、およびタンパク質アゴニスト;核酸、例えばアンチセンス分子、DNA、RNA、RNAi、sRNA;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;細胞(幹細胞、成人細胞、胎児性細胞、または誘導細胞を含む)、ウィルス、およびリボザイム。
【0077】
実施形態において、治療剤は、以下の薬物(薬物の組み合わせおよび薬物の代替的な形態(例えば、代替的な塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態、プロドラッグおよび水和物)を含む)のうちの少なくとも1つを含有し得る:鎮痛薬/解熱薬(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィン、プロポキシフェン塩酸塩、プロポキシフェンナプシレート、メペリジン塩酸塩、ヒドロモルホン塩酸塩、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、酒石酸水素ジヒドロコデイン、ペンタゾシン、酒石酸水素ヒドロコドン、レボルファノール、ジフルニサル、サリチル酸トロラミン、ナルブフィン塩酸塩、メフェナム酸、ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール(butalbital)、クエン酸フェニルトロキサミン、クエン酸ジフェンヒドラミン、メトトリメプラジン、シンナメドリン塩酸塩(cinnamedrine hydrochloride)、およびメプロバメート);ぜん息治療薬(例えば、ケトチフェンおよびトラキサノクス);抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリン、およびシプロフロキサシン);抗うつ薬(例えば、ネオパム、オキシペルチン、ドキセピン、アモキサピン、トラゾドン、アミトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、デュロキセチン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、ドキセピン、イミプラミン、イミプラミンパモエート、イソカルボキサジド、トリミプラミン、およびプロトリプチリン);抗糖尿病薬(例えば、ビグアナイド類およびスルホニル尿素誘導体類);抗真菌薬(例えば、グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコナゾール(itraconizole)、アンホテリシンB、ナイスタチン、およびカンジシジン);抗高血圧薬(例えば、プロプラノロール(propanolol)、プロパフェノン、オキシプレノロール(oxyprenolol)、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、パルジリン塩酸塩、デセルピジン、ジアゾキシド、硫酸グアネチジン(guanethidine monosulfate)、ミノキシジル、レシンナミン、ニトロプルシドナトリウム、インドジャボク(rauwolfia serpentina)、アルセロキシロン、およびフェントラミン);抗炎症薬(例えば、(非ステロイド性)インドメタシン、ケトプロフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ケトロラク、フルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、(ステロイド性)コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコート、ヒドロコルチゾン、プレドニソロン、およびプレドニゾン);抗新生物薬(例えば、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、ゲムシタビン、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、エトポシド、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン、パクリタキセルおよびその誘導体、ドセタキセルおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ゴセレリン、ロイプロリド、タモキシフェン、インターフェロンα、レチノイン酸(ATRA)、ナイトロジェンマスタードアルキル化剤、ならびにピポスルファン);抗不安薬(例えば、ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼペート二カリウム塩、ジアゼパム、ヒドロキシジンパモエート、ヒドロキシジン塩酸塩、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノン、およびダントロレン);免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビン、およびFK506(タクロリムス));抗片頭痛薬(例えば、スマトリプタンなどのトリプタン類、エルゴタミン、プロプラノロール(propanolol)、ムチン酸イソメテプテン(isometheptene mucate)、およびジクロラルフェナゾン);鎮静薬/催眠薬(例えば、バルビツール酸類(例えば、ペントバルビタール、ペントバルビタールおよびセコバルビタール);およびベンゾジアゼピン(benzodiazapine)類(例えば、フルラゼパム塩酸塩、トリアゾラムおよびミダゾラム));抗狭心症薬(例えば、β−アドレナリン遮断薬;カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン、およびジルチアゼム);およびニトレート類(例えば、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、ペンタエリスリトールテトラニトレート(pentearythritol tetranitrate)、およびエリトリチルテトラニトレート);抗精神病薬(例えば、ハロペリドール、コハク酸ロクサピン、ロクサピン塩酸塩、チオリダジン、チオリダジン塩酸塩、チオチキセン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、パーフェナジン、クエン酸リチウム、およびプロクロルペラジン);抗躁病薬(例えば、炭酸リチウム);抗不整脈薬(例えば、ブレチリウムトシレート、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、キニジングルコネート(quinidine gluconate)、ポリガラクツロン酸キニジン、酢酸フレカイニド、トカイニド、およびリドカイン);抗関節炎薬(例えば、フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン(penicillanine)、サルサラート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナメート(meclofenamate)、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、金チオグルコース、およびトルメチンナトリウム);抗痛風薬(例えば、コルヒチン、およびアロプリノール);抗血液凝固薬(例えば、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、およびワルファリンナトリウム);血栓溶解薬(例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、およびアルテプラーゼ);抗線維素溶解薬(例えば、アミノカプロン酸);血液レオロジー剤(例えば、ペントキシフィリン);抗血小板薬(例えば、アスピリン);抗痙攣薬(例えば、バルプロ酸、ジバルプロックスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビタール(phenobarbitol)、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メフォバルビタール、メフェニトイン、フェンスクシミド、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビタールナトリウム(secobarbitol sodium)、クロラゼペート二カリウム塩、およびトリメタジオン);抗パーキンソン病薬(例えば、エトスクシミド);抗ヒスタミン薬/かゆみ止め薬(例えば、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニルアミン、シプロヘプタジン塩酸塩、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、マレイン酸d−クロルフェニラミン(dexchlorphenirarnine maleate)、メトジラジン、および);カルシウム調節に有用な薬剤(例えば、カルシトニン、および副甲状腺ホルモン);抗菌薬(例えば、硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール(chloramphenicol palirtate)、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、メトロニダゾール塩酸塩、硫酸ゲンタマイシン、リンコマイシン塩酸塩、硫酸トブラマイシン、バンコマイシン塩酸塩、硫酸ポリミキシンB、コリスチンメタナトリウム、および硫酸コリスチン);抗ウィルス薬(例えば、インターフェロンα、βまたはγ、ジドブジン、アマンタジン塩酸塩、リバビリン、およびアシクロビル);抗微生物薬(例えば、セファロスポリン類(例えば、セファゾリンナトリウム、セフラジン、セファクロル、セファピリンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフロキシム アキセチル(cefuroxime e azotil)、セフォタキシムナトリウム、セファドロキシル一水和物、セファレキシン、セファロチンナトリウム、セファレキシン塩酸塩一水和物、セファマンドールナファート、セフォキシチンナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォラニド、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セファドロキシル、セフラジンおよびセフロキシムナトリウム);ペニシリン類(例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ベンザチンペニシリンG、シクラシリン、アンピシリンナトリウム、ペニシリンGカリウム、ペニシリンVカリウム、ピペラシリンナトリウム、オキサシリンナトリウム、バカンピシリン塩酸塩、クロキサシリンナトリウム、チカルシリン二ナトリウム、アゾロシリンナトリウム、カルベニシリンインダニルナトリウム、ペニシリンGプロカイン、メチシリンナトリウムおよびナフシリンナトリウム);エリスロマイシン類(例えば、コハク酸エリスロマイシンエチル、エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ラクトビオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシンおよびコハク酸エリスロマイシンエチル);およびテトラサイクリン類(例えば、テトラサイクリン塩酸塩、ドキシサイクリンハイクラート(doxycycline hyclate)およびミノサイクリン塩酸塩、アジスロマイシン、クラリスロマイシン));抗感染症薬(例えば、GM−CSF);気管支拡張薬(例えば、交感神経作用薬(例えば、エピネフリン塩酸塩、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、メシル酸イソエタリン、イソエタリン塩酸塩、硫酸アルブテロール、アルブテロール、ビトルテロルメシレート、イソプレテレノール塩酸塩、硫酸テルブタリン、酒石酸水素エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、エピネフリンおよび酒石酸水素エピネフリン);抗コリン作用薬(例えば、臭化イプラトロピウム);キサンチン類(例えば、アミノフィリン、ジフィリン、硫酸メタプロテレノール、およびアミノフィリン);肥満細胞安定化剤(例えば、クロモリンナトリウム);吸入用コルチコステロイド(例えば、二プロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)および二プロピオン酸ベクロメタゾン一水和物);サルブタモール;臭化イプラトロピウム;ブデソニド;ケトチフェン;サルメテロール;キナフォエート;硫酸テルブタリン;トリアムシノロン;テオフィリン;ネドクロミルナトリウム;硫酸メタプロテレノール;アルブテロール;フルニソリド;プロピオン酸フルチカゾン);ステロイド化合物およびホルモン(例えば、アンドロゲン類(例えば、ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、エナント酸テストステロン、メチルテストステロン、フルオキシメステロン、およびテストステロンシピオネート);エストロゲン類(例えば、エストラジオール、エストロピペート(estropipate)、および抱合卵胞ホルモン);プロゲスチン類(例えば、酢酸メトキシプロゲステロン、および酢酸ノルエチンドロン);コルチコステロイド類(例えば、トリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、酢酸デキサメタゾン、プレドニゾン、酢酸プレドニゾロン懸濁物、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、トリアムシノロンヘキサセトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、プレ
ドニゾロン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロンテブテート、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、およびコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム;および甲状腺ホルモン(例えば、レボチロキシンナトリウム);血糖降下薬(例えば、ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミド(tolbutarnide)、およびトラザミド);高脂質血症治療薬(例えば、クロフィブレート、デキストロサイロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスタチン(pravastitin)、アトルバスタチン、ロバスタチン、およびナイアシン);タンパク質(例えば、DNase、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、およびリパーゼ);核酸(例えば、治療に有用な任意のタンパク質(例えば、本明細書に記載される任意のタンパク質が挙げられる)をコードするセンスまたはアンチセンス核酸);赤血球生成刺激に有用な薬剤(例えば、エリトロポイエチン);抗潰瘍/抗逆流剤(例えば、ファモチジン、シメチジン、およびラニチジン塩酸塩);制吐剤/鎮吐剤(例えば、メクリジン塩酸塩、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリネート、プロメタジン塩酸塩、チエチルペラジン、およびスコポラミン);プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール);勃起不全治療薬(例えば、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィル、およびアルプロスタジル);ならびに本明細書中に記載される組成物および方法において有用な他の薬物は以下が挙げられる:ミトーテン、ハロニトロソ尿素、アントラサイクリン(anthrocyclines)、エリプチシン(ellipticine)、セフトリアキソン、ケトコナゾール、セフタジジム、オキサプロジン、アルブテロール、バラシクロビル、尿性卵胞性刺激ホルモン、ファムシクロビル、フルタミド、エナラプリル、メトホルミン(mefformin)、イトラコナゾール、ブスピロン、ガバペンチン、ホシノプリル、トラマドール、アカルボース、ロラゼパム(lorazepan)、ホリトロピン、グリピジド、オメプラゾール、フルオキセチン、リシノプリル、トラマドール(tramsdol)、レボフロキサシン、ザフィルルーカスト、インターフェロン、成長ホルモン、インターロイキン、エリトロポイエチン、顆粒球刺激因子、ニザチジン、ブプロピオン、ペリンドプリル、エルブミン(erbumine)、アデノシン、アレンドロネート、アルプロスタジル、ベナゼプリル、ベタキソロール、硫酸ブレオマイシン、デキスフェンフルラミン、ジルチアゼム、フェンタニル、フレカイニド、ゲムシタビン、酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)、グラニセトロン、ラミブジン、マンガフォジピール三ナトリウム(mangafodipir trisodium)、メサラミン、フマル酸メトプロロール、メトロニダゾール、ミグリトール、モエキシプリル(moexipril)、モンテルカスト、酢酸オクトレオチド、オロパタジン、パリカルシトール(paricalcitol)、ソマトロピン、コハク酸スマトリプタン(sumatriptan succinate)、タクリン、ベラパミル、ナブメトン、トロバフロキサシン(trovafloxacin)、ドラセトロン(dolasetron)、ジドブジン、フィナステリド、トブラマイシン、イスラジピン、トルカポン(tolcapone)、エノキサパリン、フルコナゾール、ランソプラゾール、テルビナフィン、パミドロネート、ジダノシン、ジクロフェナク、シサプリド、ベンラファキシン、トログリタゾン、フルバスタチン、ロサルタン、イミグルセラーゼ、ドネペジル、オランザピン、バルサルタン、フェキソフェナジン、カルシトニン、および臭化イプラトロピウム。いくつかの実施形態において、薬物は、水溶性であり得る。いくつかの実施形態において、薬物は、水溶性でなくてもよい。
【0078】
治療剤の放出の速度は、当業者の知識の範囲内である任意の手段によって制御され得る。いくつかの例としては、フィルムの表面からの治療剤の深さ、治療剤のサイズ、治療剤の親水性/疎水性、ならびに治療剤、迅速に分解するフィルムおよび/またはメッシュ材料の間の、物理的相互作用および物理化学的相互作用の強さが挙げられるが、これらに限定されない。これらの要因のうちのいくつかを適切に制御することによって、本開示の移植片からの治療剤の制御された放出が、達成され得る。
【0079】
本開示のフィルムは、キャスティング技術を使用して調製され得る。いくつかの実施形態において、本開示の移植片は、図5および図6に図示される型のような型を使用して、形成され得る。型200は、基部210および側壁220を有する。基部210および側壁220は、ほぼ矩形の形状であるように示されているが、これらは、他の形状を有してもよい。型220は、シム230を備え、これらのシムは、基部210の上表面で、互いに対して平行に配置されている。この型はまた、製造を容易にするために、非粘着性のコーティングまたは表面(例えば、シリコーンまたはポリエステルテレフタレート)を備え得る。任意の数のシム230、および任意の所望の整列が、種々の形状の移植片を作製するために使用され得ることが留意されるべきである。このメッシュは、ポリマー溶液またはキャストフィルムと合わせられ得、そして型に入れられ得る。いくつかの実施形態において、この移植片は、一定の温度、湿度および圧力下で、規定された量の時間にわたって硬化または乾燥させられる必要があり得る。シムおよび基部の高さは、メッシュが移植片の1つの表面のより近くに配置され得るように、または移植片表面から一定の距離だけ離して配置され得るように、変動し得る。
【0080】
他の実施形態において、フィルムは、プレキャストされ得、そして後に、移植片を作製するために、メッシュ構成要素と合わせられ得る。これらのフィルムは、溶媒溶接法、熱かしめ、圧縮ばめ、もしくは接着剤、膠、封止剤、エポキシの使用、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない技術を使用して、メッシュに接着され得るか、または他の様式で合わせられ得る。例えば、メッシュは、モノマー溶液でコーティングされ得、次いで、メッシュに隣接して配置/圧縮され得、本発明の移植片を作製し得る。2層のフィルムが望ましい場合、類似の技術を使用して、第二のフィルム層を付着させ得る。
【0081】
インビボでの移植片の移植の際に、このフィルムは、水性環境中に可溶化して、第一の治療剤を放出する。いくつかの実施形態において、第一の治療剤は、約1日未満から、さらなる実施形態において、約1時間未満から放出される。その後のある時点で、第二の治療剤が第二の機構により放出され、好ましい実施形態において、第二の治療剤は、メッシュから放出される。第二の治療剤の放出は、約1日より後から、さらなる実施形態においては、約3日〜約14日である。
【0082】
本開示の移植片は、外科医が手術室中で取り扱うこと、およびインビボで配置することを容易にするために、充分な構造的一体性および物理的特性を有さなければならない。加工/製造制限に加えて、材料選択が、外科手術用移植片の強度および物理的特性を変更/制御するために使用され得る。
【0083】
複合メッシュの望ましい特性としては、充分な可撓性、組織への適合性および再配置可能であること、依然として挿入後に(おそらく腹腔鏡ポートを通して)広げられるために充分に堅いことが挙げられる。さらに、他の材料(例えば、ポリマーコーティングまたはポリマー繊維)が、このメッシュに組み込まれて、少なくとも挿入および移植のために、このメッシュの堅さを増加させ得る。本開示によるメッシュは、小さい切開部(例えば、約1cm〜約2cmの長さ)を通して、腹腔鏡展開デバイス、トロカール、または他のデバイスの使用によって挿入され得る。このメッシュは、体腔内への移動のために、デバイス内に嵌るように巻かれ得るかまたは折り畳まれ得る。
【0084】
より広義には、本開示は、この移植片が、この移植片により修復されるべき欠損に供され得るヒトまたは動物の身体の解剖学的表面に適合する任意の形状を有し得ることを認識する。
【0085】
別の実施形態において、本開示の外科手術用移植片は、この移植片に取り外し可能に取り付けられ得る裏打ちストリップを備え得る。この裏打ちストリップは、広範な材料(プラスチックが挙げられる)から形成され得、そして接着剤を使用して、取り外し可能に取り付けられ得る。
【0086】
この移植片への裏打ちストリップの取り外し可能な取り付けは、より硬く、かつ移植片柔軟性がより低い外科手術用移植片を提供し得、これらの外科手術用移植片は、外科医による取り扱いがより容易であり得る。この外科手術用移植片の適切な配置の後に、この裏打ちストリップは、この外科手術用移植片から取り外され得、この外科手術用移植片は、身体内に保持され得、そしてこの裏打ち材料は、外科医により取り外され得る。従って、この外科手術用移植片は、質量が減少するという利点を有しながら、依然として、外科手術での取り扱いのために必要とされる特徴を提供し得る。
【実施例】
【0087】
(実施例1)
中程度の粘度のCMC(MW=150k〜400k g/mol)と脱イオン水とを、機械撹拌器を使用して合わせることによって、2%重量/体積のストック溶液を作製する。次いで、このCMC溶液をグリセロールと5:1の比(CMC:グリセロール)で合わせ、そして撹拌棒で約240分間撹拌したままにする。次に、ブピバカイン(MW=324.89、Sigma Aldrich製)を、このCMC/グリセロール溶液に、機械撹拌棒を使用して(周囲温度で)添加する。この溶液中のブピバカインの濃度は、約0.25%wt/vol〜0.75%wt/volである。
【0088】
次に、ポリエステルメッシュのシートをブピバカイン溶液中で浸漬コーティングし、そして40℃および40%相対湿度のオーブン内で一晩乾燥させる。
【0089】
次いで、このブピバカインでコーティングしたポリエステルメッシュを、このメッシュに嵌るサイズにされた、シリコーンでコーティングされた型に入れる。上記ブピバカイン/CMC/グリセロール溶液をこのメッシュ上に注いて均一なフィルムを作製し、次いで、約45℃の温度のオーブンに一晩入れる。
【0090】
本開示によるメッシュは、小さい切開部(例えば、約1cm〜約2cmの長さ)または組織の穿孔部に、腹腔鏡展開デバイス(例えば、針またはトロカール)の使用により挿入され得る。このメッシュは、体腔内への移動のために、デバイス内に嵌るように巻かれ得るかまたは折り畳まれ得る。吸収性フィルムを利用する実施形態において、この吸収性フィルムは、この移動デバイスから出る際に、このメッシュに、巻かれたかまたは折り畳まれたメッシュが元の幾何学的形状に再度開くために充分な堅さを提供し得る。
【0091】
(実施例2)
実施例1において調製されたようなメッシュ/フィルム複合体を、インビボブピバカインHCl放出および効力について、皮下切開および背部切開での、齧歯類急性術後疼痛前臨床モデルを使用して、それぞれ評価した。手短にいえば、Sprague−Dawleyラットを麻酔し、そして2cmの切開を背部の皮膚で正中で作製し、そして小さいポケットを、ブラントジセクションにより作製した。メッシュ/フィルム、ならびに/またはフィルム単独およびメッシュ単独の試験物品を、鉗子を使用してこの切開部位に穏やかに移植し、そして切開の真下に配置した。これらの切開を縫合糸で閉鎖し、そして外科手術後、全てのラットを注意深く監視した。コントロール群は、1つの移植片コントロール群および2つの全身処置群からなる。移植片コントロール群は、薬物なしでメッシュ/フィルムを受ける。全身コントロールは、モルヒネ(3mg/kg)または生理食塩水(2ml/kg)のいずれかを、外科手術の終了時に全身に受け、そして外科手術の47時間後(48時間試験の1時間前)に再度受ける。インビボブピバカインHCl放出を、外植後の種々の時点での残留ブピバカイン(残留ブピバカインHClの質量収支)を高圧液体クロマトグラフィーを使用して評価することにより評価した。行動試験を使用して、熱刺激を切開部位にダイオードレーザーにより与えた後の熱応答潜伏期を評価した。熱刺激を切開の左側に与え、そして潜伏期(秒での時間)を、刺激された領域の皮膚の下の筋系の異なる単収縮または小刻みな動き(rippling)に対する応答として測定した。応答潜伏期の3回の読み取りを、各時点で各被験体に対して実施した。
【0092】
代表的なブピバカインHCl溶出CMC/グリセロールメッシュを組み込んだフィルムについての結果は、急性疼痛の背部切開モデルにおける、損傷により誘導された過敏症を、用量依存性様式で完全に予防する能力を実証した。ブピバカインHClのインビボ放出プロフィールは、初期の時点で、行動効力(behavioral efficacy)に相関し、薬物放出は、移植後8時間までにほぼ完了した(図7および図8)。図7は、CMC/グリセロール/ブピバカインHClフィルムについての、切開の損傷により誘導された過敏症を図示する。図8は、種々の正味重量(0.3mg/cm〜3mg/cm)のCMC/グリセロールフィルムからの、インビボブピバカインHCl放出を図示する。
【0093】
本開示の数個の実施形態が記載されたが、本開示はこれらの実施形態に限定されることは意図されない。なぜなら、本開示は、当該分野が許容すると同程度まで範囲が広いこと、および本明細書も同様に読まれることが意図されるからである。従って、上記説明は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、本開示の実施形態の例示であると解釈されるべきである。多孔性基材および移植片の強化構成要素の種々の改変およびバリエーションが、上記詳細な説明から、当業者に明らかである。このような改変およびバリエーションは、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲以内に入ることが意図される。
【符号の説明】
【0094】
2、100 移植片
10、110 フィルム
20、120 メッシュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を処置するためのシステムであって、該システムは、以下:
第一の治療剤を含むフィルムと、第二の治療剤を含むメッシュとを備える、外科用移植片
を備え、
ここで、該フィルムは、該第一の治療剤を該組織へと放出するように構成され;そして
該メッシュは、該第二の治療剤を該組織へと放出するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記フィルムは、該フィルムが分解または溶解することによって前記第一の治療剤を放出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記メッシュの表面の一部がコーティングを含み、該コーティングが、前記第二の治療剤を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第一の治療剤が、前記第二の治療剤と異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一の治療剤および前記第二の治療剤の少なくとも一方が、ブピバカイン塩酸塩、ブピバカインおよびカプサイシンからなる群より選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記メッシュは、前記フィルムが分解または溶解した後に、前記第二の治療剤を放出するように構成される、請求項2に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−200651(P2011−200651A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66759(P2011−66759)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】