説明

泡塗布装置及び画像形成装置

【課題】泡の加熱効率の悪化を抑制する。
【解決手段】処理液タンク20Aに収容された処理液34を泡32にして塗布ローラ20Cへ供給する泡供給手段20Bと、塗布ローラ20Cが用紙12に塗布した泡32以外の余剰泡32Aを回収する回収手段70と、回収された余剰泡32Aを貯留する第2貯留室72と、第2貯留室72を加熱して貯留された余剰泡32Aを処理液に戻す加熱装置74と、第2貯留室72内に洗浄液を供給して貯留する洗浄液供給路75と、液状に戻された処理液及び洗浄液を処理液タンク20Aへ流入させる還元流路76と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡塗布装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置が知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク液滴を、搬送される記録媒体に対して吐出して、画像形成を行なうものである。
【0003】
このような液体吐出方式の画像形成装置においては、色材を含むインクを液滴化して画像形成を行うために、液滴で形成されるドットがひげ状に乱れるフェザリング、異なる色のインク液滴が隣接して記録媒体に打たれた場合に、各色が相互に混ざり合って色境界が不鮮明になるカラーブリード等の不具合が生じることがあり、更に印字後の紙上の液滴が乾くまでに時間がかかるという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、インクと反応して滲み防止を促す処理液(ゲルを含む)を泡にして塗布部材を介して記録媒体に塗布する構成が開示されている。また、この文献には、記録媒体に塗布されずに残った泡を、回収経路で回収し、当該回収経路内で泡を加熱して処理液に戻した後、処理液を貯留した処理液収容部又は廃棄用槽に流入させる構成も開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、塗布部材を清掃する清掃部材に洗浄液を供給して当該清掃部材に残った泡を洗浄する構成が開示されている。また、この文献には、洗浄した泡を回収皿にて貯留し、当該回収皿を加熱して貯留した泡を処理液に戻し、その処理液を、回収経路を介して回収する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−64252号公報
【特許文献2】特開2009−233658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成では、泡の加熱を繰り返すことにより、泡の処理液成分が回収経路内の加熱面に析出固化して固着し、次第に泡の加熱効率が悪化してしまう。
【0008】
また、特許文献2の構成では、洗浄液は清掃部材を洗浄した後回収皿に供給されるか否かは不明であり、その洗浄液で回収皿の加熱面をすることはできない。また、仮に洗浄液が回収皿に供給されたとしても、直接供給されず清掃部材を介して供給されるため、回収皿に供給される量は少なくなり、その洗浄液で回収皿の加熱面を十分に洗浄することはできない。さらに、回収皿は泡を貯留することができても、回収皿の底面付近の側壁に回収経路が接続されているので(文献2の図5参照)、回収皿に清掃部材を介して供給された洗浄液は、即座に回収経路へ流出するため、回収皿の加熱面を十分に洗浄できず、次第に泡の加熱効率が悪化してしまう。
【0009】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、泡の加熱効率の悪化を抑制する泡塗布装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様に係る泡塗布装置は、処理液収容部に収容された処理液を泡にして塗布部材へ供給する泡供給手段と、前記塗布部材が記録媒体に塗布した泡以外の泡を回収する回収手段と、前記回収手段で回収された泡を貯留する貯留部と、前記貯留部を加熱して貯留された前記泡を処理液に戻す加熱手段と、前記貯留部内に洗浄液を供給して貯留する洗浄液供給手段と、前記貯留部で液状に戻された処理液及び前記洗浄液を排出する流路と、を有する。
なお、前記「処理液」には、液体のものだけでなく、ゲル状のものも含まれる。
【0011】
この構成によれば、回収手段により回収された余剰な泡は貯留部に貯留された後、加熱手段により貯留部を介して加熱されて液状の処理液に戻される。しかし、この加熱手段の加熱処理を繰り返すと、処理液成分が貯留部内の加熱面に析出固化して固着する場合がある。
このような場合、洗浄液供給手段が貯留部内に洗浄液を供給して貯留し、固着した処理液成分をこの貯留した洗浄液に溶解させた後、当該洗浄液を、流路を介して排出させることで、貯留部内の加熱面を洗浄することができる。
また、洗浄液供給手段は、直接、貯留部内に洗浄液を供給するので、供給する洗浄液の量が低減することを抑制でき、貯留部内の加熱面を十分に洗浄することができる。
また、洗浄液供給手段は、貯留部内に洗浄液を貯留するので、単に貯留部内に洗浄液を流す場合に比べて、固着した処理液成分を洗浄液に溶解させる時間が長くなり、貯留部内の加熱面を十分に洗浄することができる。
このように、加熱面を十分に洗浄することができれば、加熱手段による泡の加熱効率が悪化することを抑制できる。
また、洗浄液供給手段は、洗浄液を貯留部内に貯留するので、貯留部内の加熱面以外も洗浄することができる。例えば、電源オフ時に貯留部の壁面に付着し残った泡が自然乾燥や加熱手段による余熱等で、泡の水分が蒸発して処理液成分が貯留部内の壁面に析出固化して固着する場合があるが、このような場合でも、その壁面が洗浄液に浸かり、壁面に固着した処理液成分を洗浄液に溶解させることができる。
【0012】
本発明の第2態様に係る泡塗布装置は、第1態様において、前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液として前記処理液収容部の前記処理液を供給する。
【0013】
この構成によれば、洗浄液を別途用意する必要がない。また、洗浄液が処理液であるので、貯留部内で処理液成分を溶解した洗浄液を、流路を介して処理液収容部へ流入させた後、再利用することができる。
【0014】
本発明の第3態様に係る泡塗布装置では、第1態様又は第2態様において、前記加熱手段は、前記洗浄液供給手段が前記貯留部内に前記洗浄液を貯留した際に、前記貯留部を加熱する。
なお、「貯留した際」とは、洗浄液の貯留が完了した後の場合だけでなく、貯留の途中である場合も含む。
【0015】
この構成によれば、貯留部内に貯留された洗浄液が加熱されて溶解度が上がり、また加熱面に固着した処理液成分が洗浄液に溶解する溶解速度も上がるので、より多くの処理液成分を、貯留した洗浄液に溶解させることができる。
【0016】
本発明の第4態様に係る泡塗布装置では、第1態様〜第3態様の何れか1つの態様において、前記貯留部は、前記回収手段から送られる泡が導入される導入口と前記貯留部で液状に戻された処理液を前記流路へ流出する流出口を備えた箱体であり、前記流出口を開閉する第1開閉部材を有する。
【0017】
この構成によれば、洗浄液を貯留する際に第1開閉部材を用いて流出口を閉じることで、流出口から洗浄液を流出させることなく、確実に洗浄液を貯留部内に貯留することができる。また、洗浄後は、第1開閉部材を用いて流出口を開けることで、流出口から洗浄液を流路へ流出させることができる。
【0018】
本発明の第5態様に係る泡塗布装置は、第4態様において、前記導入口を開閉する第2開閉部材を有する。
【0019】
この構成によれば、洗浄液を貯留する際に第2開閉部材を用いて導入口を閉じることで、導入口から洗浄液を流出させることなく、より確実に洗浄液を貯留部内に貯留することができる。
【0020】
本発明の第6態様に係る泡塗布装置では、第4態様又は第5態様において、前記加熱手段は、前記箱体の底面を加熱する面状ヒータである。
【0021】
この構成によれば、箱体の他の面に比べて底面に泡が多く貯留されるので、面状ヒータがその底面を加熱することで、効率良く泡を処理液に戻すことができる。また、底面に固着した処理液成分についても同様である。
【0022】
本発明の第7態様に係る泡塗布装置は、第5態様において、電源オフされたときに、前記第1開閉部材及び第2開閉部材で前記流出口及び前記導入口を閉じて前記貯留部内に前記洗浄液を貯留し、電源オンされたときに、前記第1開閉部材及び第2開閉部材で前記流出口及び前記導入口を開けて前記貯留部内に貯留された前記洗浄液を前記流出口から流出させる。
【0023】
この構成によれば、電源オフの間は、貯留部内に洗浄液が貯留された状態が維持されるので、固着した処理液成分を洗浄液に溶解させる時間を長く確保でき、加熱面を含めた貯留部内を十分に洗浄することができる。
【0024】
本発明の第8態様に係る泡塗布装置では、第6態様において、前記箱体には、前記底面の汚れを検出する光学式センサが設けられており、前記洗浄液供給手段は、前記光学式センサの検出値が所定値となると、前記箱体内へ前記洗浄液を供給する。
【0025】
この構成によれば、洗浄液供給手段は、光学式センサの検出値が所定値となるとき、すなわち箱体の底面に汚れがあるときに洗浄液を供給するので、効率良く洗浄することができる。
【0026】
本発明の第9態様に係る泡塗布装置では、第1態様〜第8態様の何れか1つの態様において、前記流路は、前記処理液収容部に接続されている。
【0027】
この構成によれば、流路から処理液収容部に流入した液状に戻された処理液を、泡供給手段が供給する処理液として、再利用することができる。
【0028】
本発明の第10態様に係る泡塗布装置では、第1態様〜第9態様の何れか1つの態様において、前記回収手段は、前記塗布部材に残った泡を除去する清掃手段、前記泡供給手段に設けられた排出口から排出される泡の量を制御する排出制御手段と、又は前記泡供給手段が前記塗布部材へ供給する泡の膜厚を規制する膜厚規制手段のうち、何れか2つ以上含み、前記回収手段で回収される泡は、前記清掃手段で除去される泡、前記排出制御手段により排出される泡、又は前記膜厚規制手段で規制される泡のうち、何れか2種以上である。
【0029】
この構成によれば、塗布部材が記録媒体に塗布した泡以外の泡のうち、より多くの泡を回収できる。
【0030】
本発明の第11態様に係る泡塗布装置は、第9態様において、前記処理液収容部の処理液濃度を検出する濃度検出センサと、前記濃度検出センサの検出値に基づき、前記処理液収容部へ希釈液を送液して前記処理液濃度を調整する濃度調整手段と、を有する。
【0031】
第9態様によれば、処理液収容部には流路から液状に戻された処理液が流入することになるが、この処理液は、処理液収容部に元から貯留されていた処理液に比べ、泡を加熱する際に、泡(処理液)の水分の一部が蒸発するので、処理液濃度が高い。したがって、処理液収容部に液状に戻された処理液が流入すると、処理液収容部内の処理液濃度が高くなる。
このような場合でも、本構成では、濃度調整手段が濃度検出センサの検出値に基づき、処理液収容部内の処理液濃度が高くなったと判断すると、処理液収容部へ希釈液を送液して処理液濃度を調整することができ、処理液濃度を一定に保つことができる。
【0032】
本発明の第12態様に係る泡塗布装置は、第11態様において、前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液として前記希釈液を供給する。
なお、洗浄液供給手段は、洗浄液として希釈液と処理液収容部に収容された処理液とを交互に供給してもよい。
【0033】
この構成によれば、洗浄液供給手段が洗浄液として希釈液を供給するので、貯留部内に固着した処理液成分は希釈液に溶解され、その希釈液は流路から処理液収容部内に流入することになる。したがって、固着した処理液成分が処理液に溶解される場合に比べて、処理液収容部内の処理液濃度が高くなることを抑制できる。
【0034】
本発明の第13態様に係る泡塗布装置は、第1態様〜第12態様において、前記回収手段と前記貯留部を接続する回収流路を有し、前記回収手段は、前記塗布部材に残った泡を除去する清掃手段、又は前記泡供給手段が前記塗布部材へ供給する泡の膜厚を規制する膜厚規制手段を含み、前記清掃手段又は前記膜厚規制手段には、前記清掃手段又は前記膜厚規制手段で回収した泡を攪拌して前記回収流路へ搬送する攪拌搬送手段が設けられている。
【0035】
この構成によれば、回収流路へ泡が搬送される前に、泡を攪拌してその一部を液体に戻すことができるので、その液体とともに泡を回収流路から貯留部へ容易に搬送することができる。
【0036】
本発明の第14態様に係る画像形成装置は、第1態様〜第13態様の何れか1つの態様の泡塗布装置と、前記泡塗布装置で前記記録媒体に前記泡を塗布する前又は後に画像を形成する画像形成手段と、を有する。
【0037】
この構成によれば、例えば画像形成手段が液滴により記録媒体に画像を形成する場合、泡塗布装置が記記録媒体に液滴と反応する泡を塗布することにより、フェザリングやブリーディング等の滲みを抑制することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、泡の加熱効率の悪化を抑制する泡塗布装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置の全体構成を示す概略図である。
【図3】回収手段である膜厚規制手段と清掃手段の詳細構成図である。
【図4】膜厚規制手段と清掃手段が余剰泡を回収している様子を示す図である。
【図5】図2に図示した第2貯留室の構成を示す概略図である。
【図6】泡塗布装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図7】(A)は、システム制御部の処理直前の第2貯留室の様子を示す図であり、(B)は、システム制御部の処理途中の第2貯留室の様子を示す図である。
【図8】光学式センサの検出値が所定値となったときに行うシステム制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る泡塗布装置の全体構成を示す概略図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置の変形例を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る泡塗布装置の変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第1実施形態)
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置及び画像形成装置について具体的に説明する。なお、図中、同一又は対応する機能を有する部材(構成要素)には同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0041】
−画像形成装置の構成−
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【0042】
この画像形成装置10は、記録媒体である用紙12に液滴を吐出して画像を形成する画像形成手段としての記録ヘッドユニット14と、用紙12を搬送する搬送ベルト16と、用紙12を収容する給紙トレイ18と、記録ヘッドユニット14よりも用紙搬送方向上流側で用紙12に泡状液体(以下、泡という)を塗布する本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置20と、を備えている。
【0043】
記録ヘッドユニット14は、液滴を吐出する複数のノズルを用紙幅相当分の長さに配列したノズル列を有するライン型液体吐出ヘッドで構成され、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド14Y、14M、14C、14Kを備えている。
【0044】
搬送ベルト16は、無端状ベルトであり、搬送ローラ22とテンションローラ24との間に掛け渡されて周回するように構成している。この搬送ベルト16に対する用紙12の保持は、例えば静電吸着、空気の吸引による吸着などを行う構成とすることやその他の公知の搬送手段を用いることができる。
【0045】
給紙トレイ18に収容された用紙12は、ピックアップローラ26で1枚ずつ分離給紙されて搬送ローラ対28及び不図示の搬送ローラ対によって搬送路30を介して搬送ベルト16上に送り込まれて保持される。
【0046】
そして、搬送ベルト16で搬送される被塗布部材としての用紙12は、泡塗布装置20により泡が塗布され、泡が速乾した後、記録ヘッドユニット14から各色の液滴が吐出されて画像が形成され、その後不図示の排紙トレイに排出される。
【0047】
−塗布装置の構成−
次に、本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置20の構成について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置20の全体構成を示す概略図である。
【0048】
泡塗布装置20は、泡状態にすることが可能な液体又はゲル若しくは液体及びゲル(以下、これらを「処理液34」と称する)を貯留した処理液タンク20Aと、処理液タンク20Aに貯留された処理液34を泡32にして塗布ローラ20Cへ供給する泡供給手段20Bと、この泡供給手段20Bから泡32が供給され、泡32を周面に担持して用紙12に塗布する塗布部材としての塗布ローラ20Cと、塗布ローラ20Cが用紙12に塗布した泡32以外の泡(以下、この泡を余剰泡32Aと称す)を回収して処理液に戻した後、その処理液を処理液タンク20Aに還元する泡還元手段20Dと、を備えている。
【0049】
処理液タンク20Aに貯留された処理液34は、用紙12の表面に塗布することで用紙12の表面を改質する改質材である。例えば、処理液34は、予め用紙12にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙12に浸透させると共に色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)をあげることを可能にする定着剤である。
【0050】
この処理液34は、組成的には、例えば界面活性剤(アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれか、若しくはこれらを2種類以上混合させたもの)に対して、水分の浸透を促進するセルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース等)とタルク微粉体の様な基剤を加えた溶液等を挙げることができる。更に微粒子を含有することもできる。
処理液34の組成の具体例としては、例えば、「カチオン性部材+両性界面活性剤+脂肪酸+水+プロピレングリコール」が挙げられる。
【0051】
このような処理液34を泡32にして供給する泡供給手段20Bは、処理液34の送液方向上流側から順に、処理液供給路36と、泡生成部38と、泡供給路40と、泡供給部42と、を備えている。
【0052】
処理液供給路36は、処理液タンク20Aと泡生成部38とを接続しており、処理液タンク20Aから泡生成部38へ処理液34が供給(送液)される流路である。この処理液供給路36の途中には、処理液タンク20Aから処理液供給路36を介して処理液34を圧送するポンプ44が設けられている。また、このポンプ44よりも処理液34の送液方向下流側の処理液供給路36には、当該処理液供給路36を開閉する電磁弁46が設けられている。
【0053】
泡生成部38は、ポンプ44で処理液供給路36を介して供給された処理液34から小径の塗布に適した状態の泡32を生成する。
具体的には、泡生成部38は、図示しないが、ポンプ44で処理液タンク20Aから供給される処理液34を収容する容器と、この容器内に配置された円筒状の多孔部材と、この多孔部材内部に気体を供給する気体供給手段とを備え、多孔部材に気体を供給することで処理液34から泡32を生成する。なお、気体を供給して泡32を生成しているときには、泡32が自身の堆積力で泡供給路40内を移動して(搬送されて)泡供給部42に供給され、気体の供給を停止することで、泡32が堆積しなくなって搬送されなくなる。
【0054】
泡生成部38により生成される泡32は、前述したように、液体又はゲルがその中に空気などの気体を含んで丸くなったものであり、気体を包む液体の表面張力により形作られ、ある時間立体的形状を保持できるものであって、かさ密度0.05g/cm以下であり、泡径の分布範囲が10μm〜1mm、平均泡径が100μm以下であることが好ましく、また、泡32は単体では丸く形成されるが、複数結合すると表面張力により個々の泡32の形状は多面体形状をとるものである。
【0055】
このような泡32を、用紙12の表面に塗布することによって、空気を大量に含むことで微量液塗布が可能となって、塗布の均一性が図れ、速乾性が向上し、滲み、裏写り、濃度ムラ等のない良質な画像を出力することができる。
【0056】
つまり、処理液34を泡状態にして塗布することで、液体やミスト状の処理液と比べて、次のような利点がある。
(1)泡32は空気を大量に含む為、微量液塗布が可能である。
(2)泡32は固体に近いため、塗布してから削りとる等で塗布膜厚を容易に調整することができ、又、塗布ローラ20Cから用紙12への塗布時に塗布ローラ20Cからの剥離性が良いため、均一塗布が可能である。
(3)泡32は用紙12の繊維に水分が浸透しにくいため、用紙12にシワやカールが発生しにくい。
【0057】
また、泡塗布の長所は、処理液34の種類に依存せず、同様な効果が得られる。なお、処理液34は紙粉を抑える効果を持つことが好ましく、また、用紙12の地肌色を変える効果があっても良い。
【0058】
このような泡32が移動する泡供給路40は、泡生成部38と泡供給路40とを接続している経路である。
【0059】
泡供給部42は、泡供給路40を介して泡32が供給されて導入口48から導入され、泡32を用紙12の幅方向に延展した後塗布ローラ20Cに供給するものである。
【0060】
具体的には、泡供給部42は、前述したように泡生成部38から泡供給路40を介して泡32が供給される導入口48と、導入口48から供給された泡32を貯留(堆積)する第1貯留室50と、第1貯留室50から泡32を排出して塗布ローラ20Cに供給する供給口52と、供給口52での泡32の流体抵抗を可変することにより塗布ローラ20Cに対して供給する泡32の量(塗布ローラ20Cによる塗布量)を調整可能で、かつ、塗布ローラ20Cへの泡32の供給領域(塗布ローラ20Cによる塗布領域)を開閉量で規制する塗布量/塗布領域調整手段54と、塗布ローラ20Cに供給されなかった余剰泡32Aを排出する排出口56と、排出口56の流体抵抗を調整することで排出口56から排出される余剰泡32Aの量を制御する調整バルブ58と、を備えている。
【0061】
この泡供給部42においては、泡生成部38から導入口48を介して第1貯留室50内に泡32が送り込まれ、供給口52から塗布ローラ20C側へと押し出される。調整バルブ58を閉じておき、供給によって圧力をかけることにより、泡32は第1貯留室50内で用紙幅方向に延展される。このとき、調整バルブ58は第1貯留室50内に泡32が行渡る圧力に設定されている。
【0062】
そして、所定のタイミングで調整バルブ58を開くことで、塗布ローラ20Cに対する供給量より多い泡32を第1貯留室50内に導入(供給)しながら、余分な泡32を排出口56から排出することで、所定の用紙幅方向に不足なく塗布されることになる。なお、調整バルブ58により流体抵抗を調節して塗布ローラ20Cに優先的に泡32が供給されるよう制御している。
【0063】
排出口56から排出されずに塗布ローラ20Cに供給された泡32は、塗布ローラ20Cの周面に担持されることになるが、この周面の周囲には、当該周面に担持された泡32の膜厚(塗布膜厚)を規制する膜厚規制手段60と、塗布後に塗布ローラ20C周面に残っている余剰泡32Aを除去する清掃手段62と、が設けられている。
【0064】
次に、泡塗布装置20の泡還元手段20Dについて説明する。
泡還元手段20Dは、塗布ローラ20Cが用紙12に塗布した泡32以外の余剰泡32Aを回収する回収手段70と、この回収手段70で回収された余剰泡32Aを貯留する第2貯留室72と、この第2貯留室72を加熱して貯留された余剰泡32Aを処理液(これを還元処理液という)に戻す加熱装置74と、第2貯留室72内に洗浄液を供給して貯留する洗浄液供給路75と、第2貯留室72で液状に戻された還元処理液を処理液タンク20Aへ流入させる還元流路76と、を備えている。
【0065】
回収手段70は、上述した調整バルブ58と、膜厚規制手段60と、清掃手段62と、を含む。すなわち、調整バルブ58は、排出口56から排出される余剰泡32Aの量を制御することで、排出口56から余剰泡32Aを回収する。また、膜厚規制手段60は、泡32の膜厚(塗布膜厚)を規制して、規制した泡32を膜厚規制手段60に残存させることで、余剰泡32Aを回収する。また、清掃手段62は、塗布後に塗布ローラ20C周面に残っている余剰泡32Aを除去して、除去した泡32を清掃手段62に残存させることで、当該余剰泡32Aを回収する
【0066】
回収手段70である調整バルブ58は、第1貯留室50の排出口56と第2貯留室72の第1導入口78とを接続した第1回収流路80に設けられている。この第1回収流路80には、余剰泡32Aを第2貯留室72へ圧送する排出ポンプ82が設けられている。
なお、排出ポンプ82は余剰泡を圧縮することで消泡する作用(液状に戻す作用)も有している。
【0067】
回収手段70である膜厚規制手段60と第2貯留室72の間には、膜厚規制手段60と第2貯留室72の第2導入口84とを接続する第2回収流路86が設けられている。同様に、回収手段70である清掃手段62と第2貯留室72の間には、清掃手段62と第2貯留室72の第3導入口88とを接続する第3回収流路90が設けられている。
【0068】
図3は、回収手段70である膜厚規制手段60と清掃手段62の詳細構成図である。 図4は、膜厚規制手段60と清掃手段62が余剰泡32Aを回収している様子を示す図である。
【0069】
膜厚規制手段60は、塗布ローラ20Cの周面に担持された泡32の膜厚を規制する規制部100と、規制部100が泡32の膜厚を規制した際に、規制して残った余剰泡32Aを第1回収口102から回収する第1回収室104と、第1回収室104に回収された余剰泡32Aを第2回収流路86へ攪拌搬送する第1スクリューシャフト106と、を備えている。
【0070】
同様に、清掃手段62は、塗布後に塗布ローラ20C周面に残っている余剰泡32Aを除去する清掃部108と、清掃部108が余剰泡32Aを除去した際に、除去した余剰泡32Aを第2回収口110から回収する第2回収室112と、第2回収室112に回収された余剰泡32Aを第3回収流路90へ攪拌搬送する第2スクリューシャフト114と、を備えている。
【0071】
以上のような第1回収流路80、第2回収流路86又は第3回収流路90に導入された余剰泡32Aは、排出ポンプ82又は自身の堆積力によりこれらの流路を移動して第2貯留室72へ排出される。
【0072】
図5は、図2に図示した第2貯留室72の構成を示す概略図である。
【0073】
第2貯留室72は、箱体200に囲まれて構成され、室内が四角状とされ、箱体200は、側壁202と、底壁204と、上壁206と、を備えている。
【0074】
箱体200の側壁202には、第1回収流路80に接続された第1導入口78と、第2回収流路86に接続された第2導入口84と、第3回収流路90に接続された第3導入口88と、が設けられており、これら導入口78,84,88から上述の余剰泡32Aが第2貯留室72内に排出(供給)される。
【0075】
また、この側壁202には、上下に移動することで導入口78,84,88を同時に開閉するシール壁208が設けられている。
【0076】
箱体200の底壁204は、熱伝導率と耐腐食性の優れたアルミニウムで形成され、内側の底面204Aと外側の底面204Bとを有している。内側の底面204Aには、第2貯留室72内に供給された余剰泡32Aが貯留される。一方外側の底面204Bには、当該底面204Bを加熱して、内側の底面204Aに貯留された余剰泡32Aを加熱し還元処理液34Aに戻す加熱装置74としての面状ヒータが設けられている。
【0077】
また、この底壁204には、面状ヒータにより戻された還元処理液34Aを第2貯留室72内から排出する排出口210が設けられている。この排出口210には、還元流路76が接続されており、排出口210から排出された還元処理液34Aは還元流路76に流入し、還元流路76を自重により流れて、処理液34を貯留した処理液タンク20Aへ還元される(戻される)。排出口210付近の還元流路76には、還元流路76を開閉することで排出口210を開閉する電磁弁212が設けられている。
【0078】
箱体200の上壁206には、内側の底面204Aの汚れを検出する光学式センサ214が設けられている。
【0079】
また、この上壁206には、洗浄液供給路75から洗浄液215が供給される供給口216が設けられている。また、供給口216に接続された洗浄液供給路75は、ポンプ44と電磁弁46の間の処理液供給路36に接続されている(図1参照)。したがって、洗浄液供給路75は、洗浄液215として処理液タンク20A内の処理液34を供給することになる。また、処理液供給路36の途中には、処理液供給路36を開閉する電磁弁218が設けられている。
【0080】
−制御部の説明−
次に、上記泡塗布装置20の制御系の構成について説明する。図6は、泡塗布装置20の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0081】
泡塗布装置20は、通信インターフェース300と、システム制御部302と、搬送ローラ用制御部304と、塗布ローラ制御部306と、バルブ制御部308と、ポンプ制御部310と、電磁弁制御部312と、スクリューシャフト制御部314と、加熱装置制御部316と、シール壁制御部318と、が備えられている。また、図6では図示を省略するが、各部の動作パラメータや設定値、得られた情報等が記憶される記憶部(メモリ)を備えている。
【0082】
通信インターフェース300は、ホストコンピュータ316から送られてくる制御データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース300の通信方式や形態は限定されるものではなく、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。
【0083】
システム制御部302は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って泡塗布装置20の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システム制御部302は、通信インターフェース300、搬送ローラ用制御部304等の各部を制御し、ホストコンピュータ316との間の通信制御、記憶部の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
【0084】
搬送ローラ用制御部304は、ローラ駆動部320を介して図1に図示した搬送ローラ22及びテンションローラ24の回転動作や媒体の動作を制御する。例えば、ジョブ(塗布動作)間の待機モードにおいて不図示の用紙検出センサにより処理対象の用紙12が検出されると、搬送ローラ22及びテンションローラ24の回転動作が塗布処理モードの動作に切り換えられる。
【0085】
塗布ローラ制御部306は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、図1に図示した塗布ローラ20Cを駆動するローラ駆動部322を制御する。例えば、搬送ベルト16に処理対象の用紙12が供給されると、塗布ローラ20Cを搬送ベルト16に押圧させ、塗布ローラ20Cを所定の回転数で所定の回転方向に回転させる。また、塗布ローラ制御部306は、塗布ローラ20Cの離間や、塗布ローラ20Cの回転速度を制御する。
【0086】
バルブ制御部308は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、調整バルブ58等の開閉を制御する。
【0087】
ポンプ制御部310は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、ポンプ44,82等のオンオフ、回転速度、回転方向(正逆転制御可能なもの)を制御する。
【0088】
電磁弁制御部312は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、電磁弁46,212,218等の開閉を制御する。
【0089】
スクリューシャフト制御部314は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、図3に図示した第1スクリューシャフト106及び第2スクリューシャフト114等を駆動するローラ駆動部322を制御する。
【0090】
加熱装置制御部316は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、加熱装置74をオンオフ制御する。また、加熱装置74の加熱温度の調整も行う。
【0091】
シール壁制御部318は、システム制御部302から送られた制御信号に基づいて、図5に図示したシール壁208を上下に移動するシール壁駆動部324を制御する。
【0092】
また、システム制御部302には、光学式センサ214が結合されており、当該光学式センサ214から図5に図示した箱体200の内側の底面204Aの汚れを数値として受信する。
さらに、システム制御部302は、泡塗布装置20のその他の各構成の制御も行う。
【0093】
−作用−
次に、本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置20(及び画像形成装置10)の作用について説明する。
【0094】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置20は、用紙12が搬送ベルト16に搬送されると、泡供給手段20Bにより処理液タンク20Aに貯留された処理液34を泡32にして塗布ローラ20Cへ供給する。この泡供給手段20Bから泡32が供給された塗布ローラ20Cは、泡32を周面に担持して用紙12に塗布する。
そして、塗布ローラ20Cが用紙12に塗布した泡32以外の余剰泡32Aは、泡還元手段20Dにより回収されて還元処理液34Aに戻された後、その還元処理液34Aを処理液タンク20Aに還元される。
なお、この塗布及び還元の際、電磁弁制御部312により電磁弁218は閉じられ、電磁弁46,212は開けられている。
【0095】
泡還元手段20Dについてより具体的に説明すると、第1貯留室50内の余剰泡32Aは、泡還元手段20Dの回収手段70としての調整バルブ58により排出口56を介して回収される。そして、回収された余剰泡32Aは、排出ポンプ82により排出口56から第1回収流路80を介して第2貯留室72へ供給される。
また、図4に示すように、回収手段70としての膜厚規制手段60の規制部100により泡32の膜厚を規制して残った余剰泡32Aは、第1回収口102を介して第1回収室104に回収される。そして、回収された余剰泡32Aは、第1スクリューシャフト106により第2回収流路86へ攪拌搬送され、第2回収流路86を介して第2貯留室72へ供給される。
また、回収手段70としての清掃手段62の清掃部108により、泡32の用紙12への塗布後に塗布ローラ20C周面に残っている余剰泡32Aを除去した余剰泡32Aは、
第2回収口110を介して第2回収室112に回収される。そして、回収された余剰泡32Aは、第2スクリューシャフト114により第3回収流路90へ攪拌搬送され、第3回収流路90を介して第2貯留室72へ供給される。
【0096】
次に、第2貯留室72へ供給された余剰泡32Aは、図5に示すように、箱体200の内側の底面204Aに貯留される。そして、この内側の底面204Aは、常時又は余剰泡32Aが貯留した時に加熱装置74により加熱されており、貯留した余剰泡32Aが底面204Aに接触することで加熱され、還元処理液34Aに戻される。
具体的には、余剰泡32Aを加熱することで泡の膜が乾燥し膜厚が薄くなるとともに泡の内部が熱膨張し、泡の内圧が高まるため、泡が大きくなり、更に泡の膜厚が薄くなり、その作用で消泡することができる。余剰泡32Aが消えた若しくは少なくなった還元処理液34Aは、第2貯留室72から排出口210及び還元流路76を自重により流れて、処理液タンク20Aに戻される。そして、処理液タンク20Aに戻された還元処理液34Aは、泡供給手段20Bにより再利用される。
【0097】
ここで、第2貯留室72で加熱装置74の加熱処理を繰り返すと、図7(A)に示すように、泡32の水分が蒸発して泡32の処理液成分32Bが第2貯留室72内の加熱面(内側の底面204A)に析出固化して固着する場合がある。このような場合、加熱装置74による余剰泡32Aの加熱効率が悪化する虞がある。
【0098】
そこで、本発明の第1実施形態に係る泡塗布装置20によれば、システム制御部302が光学式センサ214の検出値が所定値となったとき、以下の洗浄処理を行う。
なお、「所定値」とは、具体的には、箱体200の加熱面204Aが汚れたときの検出値であり、例えば、処理液成分32Bにより加熱面204Aが全て覆われたときの検出値、好ましくは処理液成分32Bにより加熱面204Aの50%が覆われたときの検出値、より好ましくは処理液成分32Bにより加熱面204Aの30%が覆われたときの検出値、さらにより好ましくは処理液成分32Bにより加熱面204Aの10%が覆われたときの検出値である。
【0099】
図8は、光学式センサ214の検出値が所定値となったときに行うシステム制御部302の処理の流れを示すフローチャートである。以下、括弧内は図中のステップ識別符号である。また、図7(A)は、システム制御部302の処理直前の第2貯留室72の様子を示す図であり、図7(B)は、システム制御部302の処理途中の第2貯留室72の様子を示す図である。
【0100】
(S1000)シール壁駆動部318を介して、図7(B)に示すように、側壁202に設けられたシール壁208を上方向から下方向に移動する。
【0101】
(S1002)電磁弁制御部312を介して、電磁弁46(図1参照)及び電磁弁212を閉じ、電磁弁218を開ける。
【0102】
(S1004)ポンプ制御部310を介して、ポンプ44を駆動し、洗浄液215としての処理液34を、図7(B)に示すように、処理液タンク20Aから洗浄液供給路75を介して第2貯留室72内に、直接供給して、貯留する。この供給は、第2貯留室72内で洗浄液215の水位が所定の水位になるまで続ける。
なお、上記「所定の水位」とは、加熱面204Aに固着した処理液成分32Bが浸かったときの水位、又は、第2貯留室72内の30%が洗浄液215で貯留されたときの水位、好ましくは、第2貯留室72内の50%が洗浄液215で貯留されたときの水位、より好ましくは、第2貯留室72内の80%が洗浄液215で貯留されたときの水位、さらにより好ましくは、第2貯留室72内の100%が洗浄液215で貯留されたときの水位である。
【0103】
(S1006)加熱装置制御部316を介して、加熱装置74をオンして、第2貯留室72の底面204Aを所定の温度で加熱することにより、当該底面204A(加熱面)に固着した処理液成分32Bを加熱して第2貯留室72内に貯留されている洗浄液215に溶解させる。
なお、上記「所定の温度」は、処理液成分32Bの溶解速度を高めるという理由から高い温度が好ましく、100℃以上とすることもできる。ただし、貯留されている洗浄液215が蒸発することを抑制するという観点から、洗浄液215の沸点以下とすることが好ましく、例えば常温の25℃超100℃未満の範囲内の温度であり、好ましくは処理液成分の分解、変化という理由から25℃以上80℃以下の温度である。
また、加熱装置74による加熱の時間は、光学式センサ214の検出値が当該処理を開始したときの検出値よりも低くなる時間であれば、10秒、1分、10分や1時間等任意に設定することができ、例えば、加熱面204Aに固着した処理液成分32Bが加熱前の量を100%として、その25%が溶解する時間、好ましくはその50%が溶解する時間、その100%が溶解する時間である。
【0104】
(S1008)加熱装置制御部316を介して、加熱装置74をオフした後、電磁弁制御部312を介して、電磁弁218を閉じ、電磁弁46(図1参照)及び電磁弁212を開ける。
これにより、処理液成分32Bが溶解された洗浄液215を、還元流路76を介して処理液タンク20Aへ還元する(流入させる)。
【0105】
(S1010)シール壁駆動部318を介して、図7(A)に示すように、側壁202に設けられたシール壁208を下方向から上方向に移動する。
【0106】
以上のような処理により、第2貯留室72内の加熱面204Aを洗浄することができる。
また、洗浄液供給路75が第2貯留室72に接続されているので、第2貯留室72内に直接洗浄液215が供給されることになる。したがって、間接的に供給する場合に比べて、供給する洗浄液215の量が低減することを抑制でき、第2貯留室72内の加熱面204Aを十分に洗浄することができる。
また、システム制御部302は、電磁弁212を閉じることにより排出口210を閉じて第2貯留室72内に洗浄液215を貯留するので、単に第2貯留室72内に洗浄液215を流す場合に比べて、固着した処理液成分32Bを洗浄液215に溶解させる時間が長くなり、第2貯留室72内の加熱面204Aを十分に洗浄することができる。
【0107】
このように、加熱面204Aを十分に洗浄することができれば、加熱装置74による泡の加熱効率が悪化することを抑制できる。
【0108】
また、洗浄液215が第2貯留室72内に所定の水位まで貯留されるので、第2貯留室72内の加熱面204A以外も洗浄することができる。例えば、電源オフ時に貯留部の壁面に付着し残った余剰泡32Aが自然乾燥や加熱装置74による余熱等で、余剰泡32Aの水分が蒸発して処理液成分32Bが第2貯留室72の側壁202の内側壁面に析出固化して固着する場合があるが、このような場合でも、その内側壁面が洗浄液215に浸かり、内側壁面に固着した処理液成分32Bを洗浄液215に溶解させることができる。
【0109】
また、第2貯留室72内には、洗浄液供給路75を介して、洗浄液215として処理液タンク20Aに貯留されている処理液34が供給されるので、洗浄液215を別途用意する必要がない。また、洗浄液215が処理液34であるので、第2貯留室72内で処理液成分32Bが溶解された洗浄液215を、還元流路76を介して処理液タンク20Aを還元した後、再利用し易い。
【0110】
また、第2貯留室72内に洗浄液215が貯留された際に、加熱装置74により第2貯留室72が加熱されるので、第2貯留室72内に貯留された洗浄液215が加熱されて溶解度が上がり、また加熱面204Aに固着した処理液成分32Bが洗浄液215に溶解する溶解速度も上がるので、より多くの処理液成分32Bを、貯留した洗浄液215に溶解させることができる。
【0111】
また、洗浄液215を貯留する際に、電磁弁212を用いて排出口210を閉じることで、排出口210から洗浄液215を流出させることなく、確実に洗浄液215を第2貯留室72内に貯留することができる。さらに、この際に、シール壁208を用いて各導入口78,84,88を同時に閉じることで、各導入口78,84,88から洗浄液215を流出させることなく、より確実に洗浄液215を第2貯留室72内に貯留することができる。また、シール壁208は、各導入口78,84,88を同時に閉じることができるので、各導入口78,84,88に、これらを開閉可能な電磁弁をそれぞれ設ける場合に比べて、泡塗布装置20の構成要素を少なくすることができる。
【0112】
また、加熱装置74は、第2貯留室72内の底面204Aを加熱する面状ヒータであるので、箱体200の他の面に比べて余剰泡32Aが多く貯留される底面204Aを効率良く還元処理液34Aに戻すことができる。また、底面204Aに固着した処理液成分32Bについても同様である。
【0113】
また、システム制御部302は、光学式センサ214の検出値が所定値となると、第2貯留室72内へ洗浄液215を供給する。すなわち、第2貯留室72内の加熱面204Aに汚れがあるときに洗浄液215を供給するので、効率良く洗浄することができる。
【0114】
また、回収手段70は、塗布ローラ20Cに残った泡を除去する清掃手段62と、第1貯留室50に設けられた排出口56から排出される泡の量を制御する調整バルブ58と、泡供給部42が塗布ローラ20Cへ供給する泡32の膜厚を規制する膜厚規制手段60の3つを含み、回収手段70で回収される余剰泡32Aは、清掃手段62で除去される泡、調整バルブ58により制御されて排出される泡、及び膜厚規制手段60で規制される泡の3種類である。したがって、塗布ローラ20Cが用紙12に塗布した泡以外の余剰泡32Aのうち、より多くの泡を回収できる。
【0115】
また、回収手段70としての清掃手段62及び膜厚規制手段60には、回収した余剰泡32Aを攪拌して回収流路86,90へ搬送するスクリューシャフト106,114が設けられている。よって、回収流路86,90へ余剰泡32Aが搬送される前に、余剰泡32Aを攪拌してその一部を液体に戻すことができるので、その液体とともに余剰泡32Aを回収流路86,90から第2貯留室50へ容易に搬送することができる。また、第2貯留室50に貯留される余剰泡32Aの量も少なくなるので、加熱装置74の加熱効率も向上する。
【0116】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る泡塗布装置について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係る泡塗布装置400の全体構成を示す概略図である。
【0117】
−構成−
本発明の第2実施形態に係る泡塗布装置400は、第1実施形態の泡塗布装置20の構成において、処理液タンク20Aの処理液34の濃度を調整するために希釈液402を適宜処理液タンク20Aに流入させる構成を追加したものである。
【0118】
具体的には、泡塗布装置400は、第1実施形態の構成の他、希釈液402を貯留した希釈液タンク404と、希釈液タンク404と処理液タンク20Aとを接続する希釈液供給路406と、処理液供給路36に設けられて処理液タンク20A内の処理液34の濃度を検出する濃度検出センサ408と、を備えている。
【0119】
希釈液タンク404は、図示しないが、密閉型の構造(内部の希釈液402が消費された分だけ大気と置換される一方向弁などが組み込まれた構造)を有し、内部の希釈液402をろ過するためのろ過フィルタが具備されている。
【0120】
希釈液402は、溶媒の蒸発等によって使用範囲濃度を超えて高濃度となった処理液を希釈する液体であり、蒸留水やイオン交換水などが好適に用いられる。なお、希釈液402は、使用範囲濃度よりも希釈された低濃度の処理液を適用してもよい。
【0121】
希釈液タンク404に接続された希釈液供給路406の途中には、希釈液タンク404から希釈液供給路406を介して処理液タンク20Aに希釈液402を圧送するポンプ410が設けられている。
【0122】
処理液タンク20A内の処理液34(実際には処理液供給路36内を通過する液)の濃度を検出する濃度検出センサ408は、被検出対象の処理液34の濃度情報(検出値)に応じたセンサ信号をシステム制御部302に送る。
【0123】
−作用−
以上の構成において、システム制御部302は、濃度検出センサ408の検出値に基づき、処理液タンク20Aへ希釈液402を送液して処理液34の濃度を調整する。
濃度調整のタイミングとしては、処理液タンク20Aの処理液34の濃度(検出値)が、初期(貯留前)の処理液34の濃度よりも高くなったとき、予め定めていた基準値よりも高くなったとき等が挙げられる。
【0124】
ここで、第1実施形態によれば、処理液タンク20Aには還元流路76から液状に戻された還元処理液34Aが流入することになるが、この還元処理液34Aは、処理液タンク20Aに元から貯留されていた処理液34に比べ、余剰泡32Aを加熱する際に、泡の水分の一部が蒸発するので、処理液濃度が高い。したがって、処理液タンク20Aに液状に戻された還元処理液34Aが流入すると、処理液タンク20A内の処理液濃度が高くなる場合がある。
このような場合でも、本第2実施形態では、システム制御部302が濃度検出センサ408の検出値に基づき、処理液タンク20A内の処理液34の濃度が高くなったと判断すると、処理液タンク20A内へ希釈液402を送液して処理液34の濃度を調整することができ、処理液濃度を一定に保つことができる。
【0125】
<変形例>
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであり、例えば上述の複数の実施形態は、適宜、組み合わされて実施可能である。また、以下の変形例同士を、適宜、組み合わせてもよい。
【0126】
例えば、上記第1,2実施形態に係る泡塗布装置20,400は、用紙12にインク滴を吐出するインジェット記録方式の画像形成装置10に適用する場合を説明したが、例えば電子写真方式の画像形成装置にも適用することができる。具体的には、用紙12上のトナー等の樹脂を含有する微粒子を乱すことなく、かつ当該樹脂微粒子を付着した用紙12に泡状定着液を塗布後は素早く樹脂微粒子の媒体への定着が行われ、更に用紙12に残油感が発生しない程度の微量塗布が可能な樹脂微粒子の定着液を用いた、定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置にも適用できる。
【0127】
また、図1では、泡塗布装置20が画像形成前の用紙12に対して泡32を塗布する構成で説明しているが、記録ヘッドユニット14の用紙搬送方向下流側に泡塗布装置20を配置し、画像形成が行われた用紙12上に泡32を塗布する構成とすることもできる。
【0128】
また、図1に図示する画像形成装置10は、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置である場合を説明したが、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置を適用することもできる。
また、図1では、搬送ベルト16によって用紙12を搬送する場合を説明したが、ローラ搬送であってもよい。
【0129】
また、図2では、泡供給部42は、塗布ローラ20Cに直接泡32を供給する場合を説明したが、塗布ローラ20Cに塗布する中間部材に供給するようにしてもよい。
【0130】
また、図2に図示する各回収流路80,86,90には、紙粉などの異物をろ過する回収フィルタを設けてもよい。なお、各回収流路80,86,90内に回収フィルタを設けるのは、記録媒体への処理液付与時に、塗布ローラ20Cへのゴミ付着や、用紙12のコート層が剥れて塗布ローラ20Cに付着したり、紙粉付着、ジャム時に用紙片混入したりして、塗布障害が発生する場合があるからである。
また、各回収流路80,86,90には、余剰泡32Aを圧送するポンプを設けてもよい。
【0131】
また、図2に図示する回収手段70は、調整バルブ58と、膜厚規制手段60と、清掃手段62と、を含む場合を説明したが、これらのうち1つのみ又は2つのみ含む場合であってもよい。したがって、回収手段70に接続される各回収流路80,86,90も、これらのうち1つのみ又は2つのみであってもよい。
【0132】
また、図2に図示する膜厚規制手段60は、塗布ローラ20Cとの間の距離を制御することにより塗布膜厚を任意に調整でき、例えば、画像形成装置10の操作表示部から所定の操作を行うことで、膜厚規制手段60の規制部100が塗布ローラ20Cの周面に対して接線方向又は法線方向に図示しない駆動手段により移動して、調整できるようにしてもよい。これにより、泡の塗布膜厚を任意の値に設定することができる。
【0133】
また、図2に図示する泡塗布装置20に、補充用の処理液が貯留される処理液補充タンクと、処理液補充タンクから処理液タンク20Aへ処理液を送液するための処理液補充ポンプと、を追加することもできる。
【0134】
また、図2では、複数の回収手段70に対して1つの第2貯留室72を備える場合を説明したが、回収手段70毎に備えることもできる。
【0135】
図2では、還元流路76は、処理液34を貯留している処理液タンク20Aに接続しているが、図10に示すように、還元処理液34Aを他の塗布装置に用いるための処理液タンクや還元処理液34Aを回収廃棄する廃棄タンク等、処理液タンク20Aとは独立したタンク500に接続されるようにしてもよい。
【0136】
また、図2では、洗浄液供給路75は、処理液供給路36に接続され、洗浄液215として処理液タンク20A内の処理液34を供給する場合を説明したが、他のタンク内の処理液を供給するようにしてもよい。また、洗浄液供給路75は、洗浄液215として第2実施形態で説明した希釈液402を供給するようにしてもよい。さらに、図11に示すように、希釈液供給路406と第2貯留室72を接続する洗浄液供給路502と、この洗浄液供給路502を開閉する電磁弁504と、希釈液供給路406を開閉する電磁弁506と備え、電磁弁504,506を用いて、洗浄液215として希釈液402と処理液収容部に収容された処理液34とを交互に供給してもよい。
洗浄液215として希釈液402を供給すれば、第2貯留室72内に固着した処理液成分32Bは希釈液402に溶解され、その希釈液402は還元流路76から処理液タンク20A内に流入することになる。したがって、固着した処理液成分32Bが処理液34に溶解される場合に比べて、処理液タンク20A内の処理液濃度が高くなることを抑制できる。
【0137】
また、図3,図4に図示する第1スクリューシャフト106と第2スクリューシャフト114は、省略することもできる。逆に、各回収流路80,86,90内にも設けることもできる。
【0138】
また、図5に図示するシール壁208も、洗浄液215が各回収流路80,86,90に重力などにより流出しないことを前提として、省略することができる。また、シール壁208の代わりとして、各回収流路80,86,90にこれらを開閉する電磁弁を設けることもできる。逆に、図5に図示する電磁弁212の代わりとして、排出口210を開閉するシール壁を設けることもできる。
【0139】
また、図5に図示する第2貯留室72は、箱体200に囲まれて室内が四角状とされる場合を説明したが、室内はその他の形状とすることもできる。例えば、断面が三角状や円形状とすることができる。
【0140】
また、還元流路76が接続される排出口210は、底壁204に設けられる場合を説明したが、側壁202に設けるようにしてもよい。この場合、貯留される洗浄液215の水位が、排出口210が設けられた位置に達するまで、洗浄液215は排出口210から排出されないので、電磁弁212を設けなくても、洗浄液215を供給することができる。
同様に、余剰泡32Aが導入される導入口78,84,88も、側壁202以外の壁に設けるようにしてもよいし、洗浄液215が供給される供給口216も、上壁206以外の壁に設けるようにしてもよい。
【0141】
また、加熱装置74も箱体200の壁のうち底壁204以外の壁に設けるようにしてもよい。また、加熱装置74は、洗浄する際に、洗浄液215を貯留した後に加熱する場合を説明したが、貯留の途中で加熱をするようにしてもよい。また、加熱しなくてもよく、貯留した洗浄液だけで処理液成分32Bを溶解させてもよい。
【0142】
また、箱体200の底壁204は、熱伝導率と耐腐食性の優れたアルミニウムで形成する場合を説明したが、これに限定されず、例えば銅合金やSUS等の金属若しくは熱伝導率の高い、プラスチックで形成することもできる。また、箱体200全体をこれらの材料で形成することもできる。
箱体200の底壁204は、余剰泡32Aに触れる面積を増やすため、多数の穴(通孔)を有した形状としてもよし、ヒートシンクで見られるような多数のフィン部を有した櫛歯形状のものや、網状のフィルタとしてもよい。すなわち、第2貯留室72に供給された余剰泡32Aに多数の面で接するような形状とすることが好ましい。
【0143】
また、加熱装置74は、面状ヒータである場合を説明したが、加熱方法、伝熱方法はこの限りではなく、伝熱方法は、伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱いずれでもよく、また、発熱方式はマイクロウェーブ加熱、電磁誘導加熱、放射加熱、抵抗加熱等いずれでもよい。
【0144】
また、システム制御部302は、光学式センサ214の検出値が所定値となったときに、上記洗浄処理を行う場合を説明したが、洗浄処理のタイミングはこれに限られず、電源オフ時、オン時、所定の印刷回数になったとき、濃度検出センサ408の検出値が所定値になったとき等、様々なタイミング行うことができる。
例えば、システム制御部302は、画像形成装置10の電源がオフされたときに、電磁弁212及びシール壁208で排出口210及び導入口78,84,88を閉じて第2貯留室72内に洗浄液215を貯留し、画像形成装置10の電源がオンされたときに、電磁弁212及びシール壁208で排出口210及び導入口78,84,88を開けて第2貯留室72内に貯留された洗浄液215を排出口210から流出させるようにしてもよい。
この構成によれば、電源オフの間は、第2貯留室72内に洗浄液215が貯留された状態が維持されるので、固着した処理液成分32Bを洗浄液215に溶解させる時間を長く確保でき、加熱面204Aを含めた第2貯留室72内を十分に洗浄することができる。
【0145】
また、図6に図示する泡塗布装置20の制御部は、画像形成装置10の制御部とは別個独立した形で説明しているが、画像形成装置10の制御部内に組み込まれていてもよい。すなわち、泡塗布装置20自体に制御部を備えていなくてもよい。
【0146】
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラス
チック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意
味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与する
ことだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒
体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限
るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
【0147】
また、「記録媒体」は、用紙12に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものも含まれる。
【符号の説明】
【0148】
10 画像形成装置
12 用紙(記録媒体)
14 記録ヘッドユニット(画像形成手段)
20C 塗布ローラ(塗布部材)
20A 処理液タンク(処理液収容部)
20 泡塗布装置
20B 泡供給手段
32 泡
32A 余剰泡(回収する泡)
34A 還元処理液(液状に戻された処理液)
34 処理液
58 調整バルブ(排出制御手段、回収手段)
60 膜厚規制手段(回収手段)
62 清掃手段(回収手段)
70 回収手段
72 第2貯留室(貯留部)
74 加熱装置(加熱手段)
75 洗浄液供給路(洗浄液供給手段)
76 還元流路(流路)
78 導入口
80 第1回収流路(回収流路)
84 導入口
86 第2回収流路(回収流路)
88 導入口
90 第3回収流路(回収流路)
106 スクリューシャフト(攪拌搬送手段)
114 スクリューシャフト(攪拌搬送手段)
200 箱体
204A 底面
208 シール壁(第2開閉部材)
210 排出口
212 電磁弁(第1開閉部材)
214 光学式センサ
215 洗浄液
216 供給口
218 電磁弁
302 システム制御部(加熱手段、泡供給手段、回収手段、洗浄液供給手段等の一部)
400 泡塗布装置
402 希釈液
408 濃度検出センサ
410 ポンプ
502 洗浄液供給路(洗浄液供給手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液収容部に収容された処理液を泡にして塗布部材へ供給する泡供給手段と、
前記塗布部材が記録媒体に塗布した泡以外の泡を回収する回収手段と、
前記回収手段で回収された泡を貯留する貯留部と、
前記貯留部を加熱して貯留された前記泡を処理液に戻す加熱手段と、
前記貯留部内に洗浄液を供給して貯留する洗浄液供給手段と、
前記貯留部で液状に戻された処理液及び前記洗浄液を排出する流路と、
を有する泡塗布装置。
【請求項2】
前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液として前記処理液収容部の前記処理液を供給する、
請求項1に記載の泡塗布装置。
【請求項3】
前記加熱手段は、前記洗浄液供給手段が前記貯留部内に前記洗浄液を貯留した際に、前記貯留部を加熱する、
請求項1又は請求項2に記載の泡塗布装置。
【請求項4】
前記貯留部は、前記回収手段から送られる泡が導入される導入口と前記貯留部で液状に戻された処理液を前記流路へ流出する流出口を備えた箱体であり、
前記流出口を開閉する第1開閉部材を有する、
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の泡塗布装置。
【請求項5】
前記導入口を開閉する第2開閉部材を有する、
請求項4に記載の泡塗布装置。
【請求項6】
前記加熱手段は、前記箱体の底面を加熱する面状ヒータである、
請求項4又は請求項5に記載の泡塗布装置。
【請求項7】
電源オフされたときに、前記第1開閉部材及び第2開閉部材で前記流出口及び前記導入口を閉じて前記貯留部内に前記洗浄液を貯留し、電源オンされたときに、前記第1開閉部材及び第2開閉部材で前記流出口及び前記導入口を開けて前記貯留部内に貯留された前記洗浄液を前記流出口から流出させる、
請求項5に記載の泡塗布装置。
【請求項8】
前記箱体には、前記底面の汚れを検出する光学式センサが設けられており、
前記洗浄液供給手段は、前記光学式センサの検出値が所定値となると、前記箱体内へ前記洗浄液を供給する、
請求項6に記載の泡塗布装置。
【請求項9】
前記流路は、前記処理液収容部に接続されている、
請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の泡塗布装置。
【請求項10】
前記回収手段は、前記塗布部材に残った泡を除去する清掃手段、前記泡供給手段に設けられた排出口から排出される泡の量を制御する排出制御手段と、又は前記泡供給手段が前記塗布部材へ供給する泡の膜厚を規制する膜厚規制手段のうち、何れか2つ以上含み、
前記回収手段で回収される泡は、前記清掃手段で除去される泡、前記排出制御手段により排出される泡、又は前記膜厚規制手段で規制される泡のうち、何れか2種以上である。
請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の泡塗布装置。
【請求項11】
前記処理液収容部の処理液濃度を検出する濃度検出センサと、
前記濃度検出センサの検出値に基づき、前記処理液収容部へ希釈液を送液して前記処理液濃度を調整する濃度調整手段と、
を有する請求項9に記載の泡塗布装置。
【請求項12】
前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液として前記希釈液を供給する、
請求項11に記載の泡塗布装置。
【請求項13】
前記回収手段と前記貯留部を接続する回収流路を有し、
前記回収手段は、前記塗布部材に残った泡を除去する清掃手段、又は前記泡供給手段が前記塗布部材へ供給する泡の膜厚を規制する膜厚規制手段を含み、
前記清掃手段又は前記膜厚規制手段には、前記清掃手段又は前記膜厚規制手段で回収した泡を攪拌して前記回収流路へ搬送する攪拌搬送手段が設けられている、
請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の泡塗布装置。
【請求項14】
請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の泡塗布装置と、
前記泡塗布装置で前記記録媒体に前記泡を塗布する前又は後に画像を形成する画像形成手段と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−40481(P2012−40481A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182340(P2010−182340)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】