説明

洗浄料

【課題】皮膚および毛髪の洗浄において、起泡力が高く、泡質が良好で、タオルドライ後のしっとり感に優れるとともに、すすぎやすく、べたつきのない使用性を有する洗浄料を提供する。
【解決手段】(a)特定のヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩(例えば、ラウリルグリコール酢酸塩など)と、(b)抱水率が100%以上の油性成分〔例えば、植物油脂肪酸フィトステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)など〕を含有し、所望によりさらに(c)カチオン性ポリマーを含有する洗浄料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄料に関する。さらに詳しくは、皮膚および毛髪の洗浄において、起泡力が高く、泡質が良好で、タオルドライ後のしっとり感に優れるとともに、すすぎやすく、べたつきのない使用性を有する洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚および頭髪用洗浄料では、泡立ちの量が多く、泡質が優れていることが好まれる。
【0003】
泡立ちの量を多くする方法としては、起泡性の高い界面活性剤を用いることが重要である。起泡性の高い界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アミノ酸系界面活性剤や、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩(例えば、特許文献1参照)などが挙げられる。しかしこれら起泡性の高い界面活性剤は、泡立ちは良いものの、泡質、洗い流し後のしっとり感に関しては十分ではなかった。
【0004】
一方、洗い流し後のしっとり感を向上させる方法として、洗浄料中に保湿剤や油性成分を配合が提案されている。保湿剤を配合するとわずかにしっとり感が向上するが、保湿剤は水に溶ける性質を有するため、洗い流し時において、水で流されてしまい、高配合してもその効果は限られている。油性成分としては、オリゴマー型フィトステロールエステルの配合が提案されている(例えば、特許文献2〜4、非特許文献1〜2参照)が、脂肪酸石鹸やアミノ酸系界面活性剤を含む系にこの油分を配合しても泡立ち、泡質は十分でなく、満足のいく使用性が得られなかった。
【0005】
洗浄料においてはまた、洗い流し〜タオルドライ後にしっとりした感触が得られることも望まれるが、洗浄性の高い界面活性剤を含有した洗浄料で皮膚や頭髪を洗うと、界面活性剤が汚れ成分をとるのと同時に皮脂成分を奪い取ってしまい、洗い流し〜タオルドライ後にしっとりした感触が得られにくいという問題がある。
【0006】
加えて洗浄料では、すすぎやすく、べたつかないといった使用性も望まれる。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−280798号公報
【特許文献2】特開2001−199937号公報
【特許文献3】特開2003−226609号公報
【特許文献4】特開2004−256515号公報
【非特許文献1】発明協会公開技報公技番号2004−503593号
【非特許文献2】発明協会公開技報公技番号2004−503594号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、皮膚および毛髪の洗浄において、起泡力が高く、泡質が良好で、タオルドライ後のしっとり感に優れるとともに、すすぎやすく、べたつきのない使用性を有する洗浄料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために本発明は、(a)下記式(I)で示されるヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩と、(b)抱水率が100%以上の油性成分を含有する洗浄料を提供する。
【0010】

【0011】
〔式(I)中、R1は飽和または不飽和の平均炭素原子数8〜20のアルキル基を表し;M+は1価の無機または有機カチオンを表す。〕
【0012】
また本発明は、(b)成分が、植物油脂肪酸フィトステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、およびダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)の中から選ばれる1種または2種以上である、上記洗浄料を提供する。
【0013】
また本発明は、(a)成分を0.1〜70質量%、(b)成分を0.05〜7質量%含有する、上記洗浄料を提供する。
【0014】
また本発明は、さらに(c)カチオン化ポリマーを含有する、上記洗浄料を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、起泡力が高く、泡質が良好で、タオルドライ後のしっとり感に優れるとともに、すすぎやすく、べたつきのない使用性を有する洗浄料が提供される。本発明の洗浄料は皮膚洗浄、頭髪洗浄等に好適に適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳述する。
【0017】
本発明の(a)成分は、下記式(I)で示されるヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩である。
【0018】

【0019】
上記式(I)中、R1は飽和または不飽和の平均炭素原子数8〜20、好ましくは9〜15、のアルキル基を表す。特にはR1が10(=ラウリルグリコール酢酸塩)のものが好ましい。
【0020】
+は1価の無機または有機カチオン(対イオン)を表す。1価の無機カチオンとしては、例えば、Na+、K+等のアルカリ金属イオンや、NH4+等が挙げられ、1価の有機カチオンとしては、例えばH2N(OCH2CH3+、N(OCH2CH33+等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。本発明ではアルカリ金属イオンが好ましい。
【0021】
(a)成分はアニオン界面活性剤で、市販品を用いることができ、例えば「ビューライトSHAA」(三洋化成工業(株)製。ラウリルグリコール酢酸ナトリウム)等が挙げられる。ただしこの例示に限定されるものでない。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0022】
(a)成分の配合量は、本発明洗浄料中、下限値は0.1質量%以上とするのが好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、上限値は70質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは50質量%以下である。(a)成分が0.1質量%未満では泡立ちが十分でなく、一方、70質量%超では洗い流し時にすすぎにくくなる。
【0023】
本発明に用いられる(b)成分は、抱水率が100%以上、好ましくは150%以上、より好ましくは200%以上の油性成分である。(b)成分の抱水率は、下記に記す実験法により得られた値から下記数1より算出する。
【0024】
すなわち、抱水率を測定する試料(油性成分)を秤量(初期量)し、70℃に加温した後、該油性成分に、70℃に加熱した水を徐々に添加しながら攪拌を行う。油性成分表面に水が浮き出してきた時点を終点として、下記式より算出する。
【0025】
【数1】

【0026】
抱水率が100%以上であると、泡立ち、泡質、タオルドライ後のしっとり感に優れ、100%より小さいと泡立ちが低く、泡質がクリーミーでなく、タオルドライ後のしっとり感が得られない。
【0027】
(b)成分としては、植物油脂肪酸フィトステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、およびダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)の中から選ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0028】
上記植物油脂肪酸フィトステリルを構成する植物油脂肪酸としては、マカデミアナッツ油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、椿油脂肪酸、ひまわり油脂肪酸、アーモンド油脂肪酸、ヘーゼルナッツ油脂肪酸、グレープシード油脂肪酸、アボガド油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0029】
(b)成分は市販品を用いることができ、例えば植物油脂肪酸フィトステリルとしては、「YOFCO−MAS」(日本精化(株)製。マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル)等が挙げられ、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)としては、「エルデュウPS−203」(味の素(株)製)等が挙げられ、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)としては、「PLANDOOL−G」(日本精化(株)製)等が挙げられ、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)としては、「PLANDOOL−H」(日本精化(株)製)等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0030】
(b)成分の配合量は、本発明洗浄料中、下限値は0.05質量%以上とするのが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、特には0.3質量%以上であり、上限値は7質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは5質量%以下、特には3質量%以下である。(b)成分が0.05質量%未満ではしっとり感が十分でなく、一方、7質量%超では若干べたつきを感じることがある。
【0031】
本発明の洗浄料では、さらに所望により(c)カチオン性ポリマーを配合してもよい。カチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース誘導体〔例えば、第4級窒素含有セルロースエーテル(「ポリマーJR−400」、「ポリマーJR−125」、「ポリマーJR−300M」(いずれも米国ユニオンカーバイド社製)など)〕、カチオン化グアガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガム、ジアリル四級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル四級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合体〔例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・アクリルアミド共重合体(「マーコート2200」、ナルコ(株)製)など〕、四級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポリアミン縮合物、ビニルイミダゾリウムトリクロライド・ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース・ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン・アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン・アルキルアミノアクリレート・ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド・アクリレート・アルキルアミノアルキルアクリルアミド・ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸・ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。(c)成分を配合することにより泡質をより一層向上させることができる。
【0032】
(c)成分を配合する場合、その配合量は、本発明洗浄料中に0.01〜2質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5質量%である。
【0033】
本発明の洗浄料には、本発明効果を損なわない範囲において、上記(a)成分以外の界面活性剤として、他の界面活性剤を配合することができる。このような界面活性剤としては、高級脂肪酸塩〔例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなど〕、高級アルキル硫酸エステル塩〔例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなど〕、アルキルベンゼンスルホン酸塩〔例えば、リニアドデシルベンセンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなど〕、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩〔例えば、ラウレス(=POEラウリル)硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸ナトリウムなど〕、N−アシルサルコシン酸塩〔例えば、ラウロイルサルコシンナトリウムなど〕、N−アシルアミノ酸塩〔例えば、N−ココイルグルタミン酸ナトリウム、N−ココイルアラニントリエタノールアミン、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなど〕、α−オレフィンスルホン酸塩〔例えば、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなど〕、アシルN−メチルアミノ酸塩〔例えば、ミリストイルN−メチルタウリンナトリウム、ラウロイルN−メチルアラニンナトリウムなど〕、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩〔例えば、ラウレス酢酸ナトリウムなど〕等のアニオン界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔例えば、POEラウリルエーテル(=ラウレス)、POEセチルエーテル(=セテス)、POEステアリルエーテル(=ステアレス)、POEベヘニルエーテル(=ベヘネス)、POEオクチルドデシルエーテル(=オクチルドデセス)など〕、糖エステル系〔例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ウンデシレン酸トレハロースなど〕、糖エーテル系、糖アミド系などのノニオン界面活性剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0034】
さらに、その他、洗浄料に通常用いられる水等の成分や、他の添加成分を、本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。このような任意添加成分として、例えば、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール等の保湿剤、高分子系の粘度調整剤、パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、pH調整剤、防腐剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0035】
本発明の洗浄料は、各配合成分を室温で攪拌混合する等、常法により製造することができる。室温で結晶状等固形のものを配合する場合はすべてを70℃程度に加熱し、攪拌溶解した後、冷却して製剤を得るのが好ましい。
【0036】
本発明の洗浄料は、ペースト状、ゲル状、液状、固形状、ムース状等の剤型とすることができる。
【0037】
本発明洗浄料は、皮膚または毛髪等の身体用の洗浄料として好適に用いられ、具体的には、洗顔料、ボディシャンプー、ベビーシャンプー、シャンプー等として用いられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【実施例】
【0038】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。化粧品原料は使用のしやすさから水希釈で販売されているがここで表記する配合量は全て純分である。
【0039】
実施例に先立ち、本実施例で用いた各評価の試験方法、評価基準について説明する。
【0040】
[使用テスト(泡立ち、泡質、タオルドライ後のしっとり感、すすぎやすさ、べたつきのなさ)]
各洗浄料について、専門パネル10名による洗浄を行い、起泡力、泡質のクリーミーさ、ドライ後のしっとり感、すすぎやすさ、べたつきのなさの各項目について官能評価を行った。評価は、以下に示すように各項目ごとに5段階(1〜5点)の評価点方式により行い、10名の平均点を算出し、下記判定基準により評価した。
(判定基準)
◎:非常に良好(平均点が4.5点以上)
○:良好(平均点が3.5点以上4.5未満)
△:普通(平均点が2.5点以上3.5点未満)
×:不良(平均点が2.5点未満)
【0041】
〈泡立ち〉
(評価点基準)
5点:泡立ちが良い(泡の量が多い)
4点:泡立ちがやや良い(泡の量がやや多い)
3点:普通
2点:泡立ちがやや悪い(泡の量がやや少ない)
1点:泡立ちが悪い(泡の量が少ない)
【0042】
〈泡質〉
(評価点基準)
5点:泡質が良い(クリーミーである)
4点:泡質がやや良い(ややクリーミーである)
3点:普通
2点:泡質がやや悪い(ややクリーミーでない)
1点:泡質が悪い(クリーミーでない)
【0043】
〈タオルドライ後のしっとり感〉
(評価点基準)
5点:タオルドライ後の肌や毛髪がしっとりする
4点:タオルドライ後の肌や毛髪がややしっとりする
3点:普通
2点:タオルドライ後の肌や毛髪がややしっとりしない
1点:タオルドライ後の肌や毛髪がしっとりしない
【0044】
〈すすぎやすさ〉
(評価点基準)
5点:すすぎやすい
4点:ややすすぎやすい
3点:普通
2点:ややすすぎにくい
1点:すすぎにくい
【0045】
〈べたつきのなさ〉
(評価点基準)
5点:べたつきがまったくない
4点:べたつきはほとんどない
3点:普通
2点:ややべたつく
1点:べたつく
【0046】
(実施例1〜6、実施例7〜14、比較例1〜5)
下記表1、2、3に示す組成の洗浄料を調製し、これら洗浄料を用いて上記試験法、評価基準により泡立ち、泡質、タオルドライ後のしっとりさ、すすぎやすさ、べたつきのなさについて評価した。結果をそれぞれ表1、2、3に示す。
【0047】
なお以下の実施例において、下記製品を用いた。
【0048】
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(*1): 商品名「ビューライトSHAA」(三洋化成工業(株)製));
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル(*2): 商品名「YOFCO−MAS」(日本精化工業(株)製。抱水率250%);
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)(*3): 商品名「エルデュウPS−203」(味の素(株)製。抱水率300%);
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)(*4): 商品名「PLANDOOL−G」(日本精化(株)製。抱水率200%);
カチオン化ポリマー(*5): ジメチルジアリルアンモニウムクロライド・アクリルアミド共重合体。商品名「マーコート2200」(ナルコ(株)製);
脂肪酸石鹸(*6): ラウリン酸カリウム、試薬(和光純薬(株)製);
アミノ酸系界面活性剤(*7): ココイルグルタミン酸カリウム 商品名:「アミソフトCK−22」(味の素(株)製)。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
表1〜2に示す結果から明らかなように、(a)成分および(b)成分を含む本発明洗浄料は、泡立ち、泡質、タオルドライ後のしっとり感、すすぎやすさ、べたつきのなさにおいて優れた効果が認められた。また(c)成分の配合により泡質のより一層の向上が認められた。
【0053】
一方、表3に示す結果から明らかなように、(a)成分、(b)成分のいずれかを欠く洗浄料ではいずれも本願発明効果を得ることができなかった。
【0054】
以下にさらに処方例(液体洗浄料)を示す。
【0055】
[実施例15 頭髪洗浄料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 2.5
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 0.3
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル
/ベヘニル/イソステアリル) 0.3
グリセリン 3
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(12E.O.) 1
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3
ポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸
トリエタノールアミン 5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2
カチオン化セルロース誘導体 0.6
(「ポリマーJR−400」;ユニオンカーバイド社製)
クエン酸 0.25
無水リン酸1水素ナトリウム 0.1
イリス根エキス 0.02
安息香酸ナトリウム 適量
エデト酸2ナトリウム 適量
水 残余
香料 適量
【0056】
[実施例16 頭髪洗浄料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 2.5
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1.0
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル
/ベヘニル/イソステアリル) 0.1
エタノール 10
グリセリン 3
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.15
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 4.5
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタイン 1.5
カチオン化セルロース誘導体 0.5
(「ポリマーJR−400」;ユニオンカーバイド社製)
クエン酸 0.1
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 0.05
キサンタンガム 0.3
精製水 残余
【0057】
[実施例17 頭髪洗浄料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 2.5
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 0.1
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル
/ベヘニル/イソステアリル) 0.1
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) 0.1
ジメチルポリシロキサン 0.5
ジプロピレングリコール 2
ジステアリン酸エチレングリコール 2
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 10
ラウロイルメチルタウリンナトリウム 0.5
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5
塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン 0.5
カチオン化セルロース誘導体 0.5
(「ポリマーJR−400」;ユニオンカーバイド社製)
クエン酸 0.2
L−グルタミン酸 0.1
レシチン 0.1
塩化ナトリウム 0.3
安息香酸ナトリウム 適量
エデト酸2ナトリウム 適量
精製水 残余
水酸化ナトリウム 適量
香料 適量
【0058】
[実施例18 洗顔料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 5
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) 1
グリセリン 6
ジプロピレングリコール 4
イソステアリン酸 2
ラウリン酸 8
ミリスチン酸 5
ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 4
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.5
ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン 3
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタイン 3
ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム 0.05
トリエタノールアミン 12.4
塩化ナトリウム 0.5
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸3ナトリウム 適量
精製水 残余
香料 適量
【0059】
[実施例19 洗顔料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 2.5
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル
/ベヘニル/イソステアリル) 0.1
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) 0.1
グリセリン 15
ソルビット液 20
ポリエチレングリコール1500 10
サラシミツロウ 1
ステアリン酸 12
ラウリン酸 3
ミリスチン酸 7
POE(25)POPグリコール(30) 2
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1.5
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 7
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 6
水酸化カリウム 4
L−セリン 0.1
オウバクエキス 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 適量
エデト酸3ナトリウム 適量
顆粒(ポリエチレン末87%、タルク10%、エチルセルロース3%) 0.5
ポリエチレン末 3
精製水 残余
香料 適量
【0060】
[実施例20 洗顔料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 2.5
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル
/ベヘニル/イソステアリル) 0.1
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) 0.1
グリセリン 0.1
エリスリトール 0.1
オレンジ油 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 8
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 5
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタイン 5
クエン酸 0.7
精製水 残余
【0061】
[実施例21 洗顔料]
(配 合 成 分) (質量%)
ラウリルグリコール酢酸ナトリウム 2.5
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル
/ベヘニル/イソステアリル) 0.1
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) 0.1
1,3−ブチレングリコール 10
ポリオキシプロピレン(9)ジグリセリルエーテル 1
ラウリン酸 5
ミリスチン酸 13
マルチトールヒドロキシアルキル(12,14)エーテル 0.1
POE(25)POPグリコール(30) 0.1
ジステアリン酸エチレングリコール 2
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 1.5
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 0.3
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 1
水酸化カリウム 5
L−セリン 0.1
エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム 適量
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.4
精製水 残余
香料 適量
【0062】
上記実施例15〜21の洗浄料は、いずれも起泡性、泡質、タオルドライ後のしっとり感、すすぎやすさ、べたつき感のなさに優れるものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記式(I)で示されるヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩と、(b)抱水率が100%以上の油性成分を含有する洗浄料。

〔式(I)中、R1は飽和または不飽和の平均炭素原子数8〜20のアルキル基を表し;M+は1価の無機または有機カチオンを表す。〕
【請求項2】
(b)成分が、植物油脂肪酸フィトステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、およびダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の洗浄料。
【請求項3】
(a)成分を0.1〜70質量%、(b)成分を0.05〜7質量%含有する、請求項1または2記載の洗浄料。
【請求項4】
さらに(c)カチオン化ポリマーを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄料。

【公開番号】特開2008−231346(P2008−231346A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76232(P2007−76232)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】