説明

洗浄方法、洗浄装置及び乾燥装置

【課題】装置を小型化でき、被洗浄物を容易に乾燥することができるようにする。
【解決手段】洗浄籠内に被洗浄物を収容した状態で洗浄する方法において、洗浄時、洗浄液供給手段を用いて処理槽に洗浄液を供給して洗浄籠内に収容した前記被洗浄物を洗浄し、洗浄後、前記洗浄液供給手段を用いて前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、すすぎ時、すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽にすすぎ液を供給し、すすぎ終了後、前記すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収し、乾燥時、ノズルを有する乾燥手段を用いて前記ノズルを前記処理槽の前記洗浄籠内に進入させて熱風を前記被洗浄物に吹き付けるとともに、排出手段を用いて乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出し、乾燥後、前記乾燥手段を用いて前記ノズルを前記洗浄籠及び前記処理槽から退出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄方法、洗浄装置及び乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属品などの被洗浄物を水系洗浄液で洗浄するには、洗浄槽、すすぎ槽、及び乾燥槽を一列に配置して構成された多槽式の洗浄装置が使われる。この洗浄装置を用いて、洗浄籠に入れた被洗浄物を各槽に沿って移動させていきながら、洗浄液の入った洗浄槽で洗浄し、すすぎ液の入ったすすぎ槽ですすぎ、熱風を吹き込んだ乾燥槽で水切り・乾燥していた(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3184672号公報
【特許文献2】特公平7−103470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の洗浄装置は、洗浄槽、すすぎ槽、及び乾燥槽を一列に配置した多槽式で構成しているので、装置が大型するという問題があった。
また、洗浄液として炭化水素系の洗浄液を、すすぎ液として水を使うのが一般的であるが、炭化水素系洗浄液や水は潜熱が高く、特に水は潜熱が高い。このため、乾燥槽に熱風を吹き込んだ程度では被洗浄物が乾き難いという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、装置を小型化でき、被洗浄物を容易に乾燥することが可能な洗浄装置、洗浄方法、および乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、洗浄籠内に被洗浄物を収容した状態で洗浄する方法において、洗浄時、洗浄液供給手段を用いて処理槽に洗浄液を供給して洗浄籠内に収容した前記被洗浄物を洗浄し、洗浄後、回収手段を用いて前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、すすぎ時、すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽にすすぎ液を供給し、すすぎ終了後、前記回収手段を用いて前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収し、乾燥時、ノズルを有する乾燥手段を用いて前記ノズルを前記処理槽の前記洗浄籠内に進入させて熱風を前記被洗浄物に吹き付けるとともに、排出手段を用いて乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出し、乾燥後、前記乾燥手段を用いて前記ノズルを前記洗浄籠及び前記処理槽から退出させる洗浄方法が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、洗浄籠に収容される被洗浄物を処理する気密性を確保した処理槽と、前記処理槽に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記処理槽にすすぎ液を供給するすすぎ液供給手段と、前記処理槽内の洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、前記処理装置内のすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収する回収手段と、前記処理槽の液体を排出する排出手段と、前記処理槽に設けられたノズル用挿入孔と、前記ノズル用挿入孔から挿入されて前記処理槽内を進退するノズルを有し、該ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と、前記ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段と、制御手段とを備えた洗浄装置であって、前記制御手段は、洗浄時、前記処理槽に洗浄液を供給するよう前記洗浄液供給手段を制御し、洗浄後、前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収するよう前記回収手段を制御し、すすぎ時、前記処理槽にすすぎ液を供給す
るよう前記すすぎ液供給手段を制御し、すすぎ終了後、前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収するよう前記回収手段を制御し、乾燥時、前記ノズルを前記処理槽の洗浄籠内に進入させて前記熱気体を前記被洗浄物に吹き付けるよう前記乾燥手段を制御するとともに、乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出するよう前記排出手段を制御し、乾燥後、前記ノズルを洗浄籠及び前記処理槽内から退出させるよう前記乾燥手段を制御するものである洗浄装置が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、洗浄籠内に収容した被洗浄物を乾燥させる乾燥槽と、前記乾燥槽に設けられたノズル用挿入孔と、前記ノズル用挿入孔に挿入されて前記乾燥槽内を進退するノズルを有し、該ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と、前記ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段とを備えた乾燥装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置の小型化を実現でき、被洗浄物を容易に乾燥できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態による洗浄装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による乾燥手段の詳細平面図であり、(a)はノズル進出時、(b)はノズル退避時の図である。
【図3】本発明の一実施の形態による洗浄工程を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による洗浄液回収工程を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態による処理槽すすぎ工程を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるすすぎ工程を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるすすぎ液回収工程を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による乾燥工程を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態による洗浄液貯槽及びすすぎ液貯槽を増設した洗浄装置の概略縦断面図である。
【図10】本発明の一実施の形態による洗浄籠の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の例示的な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
既に述べた通り、水系洗浄装置では、洗浄槽、すすぎ槽、乾燥槽を一列に配置した多槽式として、これらの槽に沿って被洗浄物を移動していくように構成すると、洗浄装置が大型化する。また、潜熱が大きい液体を洗浄液やすすぎ液に使うため、洗浄籠の外部から熱気体を被洗浄物に供給しても、被洗浄物が乾きにくい。本発明の実施の形態によれば、洗浄、すすぎ、乾燥工程を一つの処理槽で共用する単槽式とし、特に乾燥工程では、ノズルを処理槽の洗浄籠内に挿入して内部から熱風を被洗浄物に吹き付ける。このように、洗浄、すすぎ、乾燥工程順に並べられた複数の槽に沿って被洗浄物を移動するのではなく、洗浄、すすぎ、乾燥工程を一つの処理槽で共用し、工程が変わる毎に処理槽の処理液を移動するようにしたことで、小型化が可能となる。また、乾燥時に熱気体を処理槽の洗浄籠内に直接供給することで被洗浄物を乾きやすくすることが可能となる。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態の洗浄装置100を示す概略断面図である。
洗浄装置100は、処理槽110と、洗浄液供給手段120と、すすぎ液供給手段130と、液回収手段140、乾燥手段150と、封止手段160と、制御部170とを主に備える。
【0014】
[処理槽]
処理槽110は、気密性を確保したチャンバで構成されている。この処理槽110には
、洗浄液、すすぎ液、熱風が選択的に供給されて、1つの槽すなわち単槽で、被洗浄物の洗浄、すすぎ、乾燥が行えるようになっている。これら洗浄、すすぎ、乾燥などを、単にまとめて処理という。
【0015】
処理槽110には、超音波振動子111が設けられて、洗浄またはすすぎ工程時に処理槽110内の洗浄液またはすすぎ液に振動を与えるようになっている。
【0016】
また、処理槽110にノズル挿入孔115が設けられて、乾燥工程時に、このノズル用挿入孔115から熱気体(熱風)を供給するためのノズル151を進退させるようになっている。また、処理槽110の上部に排気絞り弁113を設けた排気管112が接続され、ノズル151から熱風が噴出されるときに処理槽110内を排気して処理槽110内の圧力が所定値を超えないようになっている。
【0017】
処理槽110で処理される被洗浄物としては、金属加工品、プレス加工品、ダイキャスト、樹脂成型品、各種パネル、型抜き品などが挙げられる。これらの被洗浄物は洗浄籠180に収容されて処理されるようになっている。
【0018】
洗浄籠180は、被洗浄物を収容する網状または格子状のかごから構成されており、種々の形状がある。洗浄籠180を回転させたい場合、丸形バスケットは有用である。ここでは、回転カゴと呼ばれる回転専用丸型バスケットが用いられる。
【0019】
図10に示すように、この回転専用丸型バスケット180aは、両端に円形の鍔181を有し、鍔間の中央に網状または格子状の二重筒182、183を有する。鍔181及び筒182、183は中央部が軸心方向に刳りぬかれ、この刳りぬかれた中央部にノズル151が挿通できるようになっている。これにより洗浄籠180は、二重筒182、183の間の空間に収容された被洗浄物を回転させながら、洗浄、すすぎ、乾燥まで行える。
【0020】
ここで、図1に戻る。処理槽110に、洗浄籠180を回転させる回転駆動手段としてのモータ114が設けられて、洗浄籠180を回転するようになっている。その回転機構としては、例えば、処理槽110の下方に水平方向に対向して一対のローラ116が配置されている。一方のローラ116はモータ114により回転駆動される駆動ローラで、他方のローラ116は駆動ローラからの回転力をギヤ手段などにより伝達されて回転する従動ローラである。洗浄籠180は、一対のローラ116上に跨がって水平に支持される。モータ114により一方の駆動ローラ116を回転させ、ギヤ機構により他方の従動ローラ116を回転することで、洗浄籠180が軸心を中心にチャンバ内で転動するようになっている。
【0021】
[洗浄液供給手段]
洗浄液供給手段120は洗浄液貯槽121を有する。洗浄液貯槽121は、その内部に貯めた洗浄液を処理槽110に供給するための洗浄液貯槽でもあり、処理槽110に供給した洗浄液を処理槽110から回収するための洗浄液回収槽でもある。洗浄液貯槽121は、その液位が処理槽110の液位よりも低い位置にあるように設けられており、処理槽110から排出される液体を重力で回収するようになっている。また、洗浄液貯槽121は洗浄液供給配管122を介して処理槽110に接続される。洗浄液供給配管122には洗浄液用絞り弁123、洗浄液用ポンプ124、フィルタ125が設けられ、洗浄液用ポンプ124で洗浄液貯槽121から洗浄液をくみ上げて濾過しつつ処理槽110に供給するようになっている。洗浄液貯槽121にはヒータ126が設けられ、洗浄液を所定の温度に加熱するようになっている。
洗浄液は、例えば動車部品精密機械部品などの切削加工油の脱脂洗浄、フラックスの洗浄、金属加工油の脱脂洗浄を行う。洗浄液には、例えば炭化水素系、または超純水、純水
、水などが使用される。また、洗浄の補助剤として軽洗剤、アルカリ電解水、防錆剤、IPA又はエタノール、フッ素系溶剤を使用することもある。
【0022】
[すすぎ液供給手段]
すすぎ液供給手段130はすすぎ液貯槽131を有する。このすすぎ液貯槽131は、その内部に貯めたすすぎ液を処理槽110に供給するためのすすぎ液貯槽でもあり、処理槽に供給したすすぎ液を処理槽110から回収するためのすすぎ液回収槽でもある。すすぎ液貯槽131は、洗浄液貯槽121と隣接し、その液位が処理槽110の液位よりも低い位置にあるように設けられており、処理槽110から排出される液体を重力で回収するようになっている。すすぎ液貯槽131はすすぎ液供給配管132を介して処理槽110に接続される。すすぎ液供給配管132にはすすぎ液用絞り弁133、すすぎ液用ポンプ134、フィルタ135が設けられ、すすぎ液用ポンプ134ですすぎ液貯槽131からすすぎ液をくみ上げて濾過しつつ処理槽110に供給するようになっている。すすぎ液貯槽131にはヒータ136が設けられ、すすぎ液を所定の温度の加熱するようになっている。
すすぎ液には、例えば水、純水、超純水が使用される。
【0023】
上述した洗浄液貯槽とすすぎ液貯槽とが、処理槽に供給される液体を工程別に管理することになるから、これら洗浄液貯槽とすすぎ液貯槽とを管理槽という。
【0024】
[排出手段]
排出手段145は、処理槽110の液体を排出する。
処理槽110の底部には、絞り弁147を設けた排出管146が接続され、処理槽110内の液体を、その流量を絞り弁147で調節しながらドレーンへ排出できるようになっている。この絞り弁147と排出管146とで排出手段145が構成される。
[液回収手段]
液回収手段140は、処理槽110内の洗浄液を洗浄液供給手段120に回収し、処理槽110内のすすぎ液をすすぎ液供給手段130に回収する。
処理槽110の底部の排出管146には、処理槽110内の液体を回収するための分岐管141接続され、この分岐管141には、処理槽110から排出される液体の回収先を前記洗浄液貯槽121または前記すすぎ液貯槽131に切り換えるための切換弁142が設けられている。切換弁142の流入側ポートは分岐管141に、流出側ポートの一方は洗浄液貯槽121に、流出側ポートの他方はすすぎ液貯槽131にそれぞれ接続され、処理槽110から液体を分岐管141に自重で流して洗浄液貯槽121またはすすぎ液貯槽131に回収できるようになっている。上述した分岐管141と切換弁142とで液回収手段140が構成される。
【0025】
[乾燥手段]
前記乾燥手段150は、熱効率を高めた熱風方式を取り入れ、短時間に乾燥を行う。この乾燥手段150は、ノズル挿入孔115に挿入されて前記処理槽110内を進退するノズル151と、高圧の熱風を発生して前記ノズルに供給する高圧熱風発生器155と、前記ノズル151を前記処理槽110内で進退させるアクチュエータ153とを備える。非乾燥工程(洗浄工程、すすぎ工程)ではノズル151を処理槽110から退避させてノズル151が洗浄籠180と干渉しないようにし、乾燥工程ではノズル151を処理槽110内の洗浄籠180に進入させて洗浄籠180の内部から高圧熱風を噴出するようになっている。
ノズル151は、ノズル全周に複数の噴射孔を分散して設けるようにしてもよいが、図10に示すように、上部に一列に等間隔に複数の噴射孔152を設けるようにしてもよい。洗浄籠180を回転しながら乾燥させる場合、例えば、噴射孔152を上部一列に等間隔に設けると、被洗浄物に対して下方から熱風を均等に吹き付けるようになるので、水切
りが可能になり、また乾燥効率が上がる。また、ノズル151から噴射される熱風は、被処理物のみならず、処理槽110の内壁を乾燥させることができる。
高圧熱風発生器155は、ブロア156、ブロア156からの高圧風を加熱する加熱器157、この加熱器157で生成された高圧熱風をノズル151に導くフレキシブルダクト158などで構成することができる。アクチュエータ153としては、例えば流体シリンダがよく、特に工場内にエア供給源がある場合にはエアシリンダがよい。
【0026】
上述したような乾燥手段150を構成するアクチュエータ153は、例えば図2に示すような構成とすることができる。図2に示すように、乾燥手段150は、処理槽110の一側面に設けられた長尺なエアシリンダ153aを備える。エアシリンダ153aはノズル151の進退方向に突設されている。エアシリンダ153aのスライダ153bはノズル151と連結され、エアシリンダ153aの作動によりノズル151を進退させるようになっている。図示例のエアシリンダ153aはロッドレスタイプのもの、例えばコガネイ社製ORV25X350を示す。
なお、ノズル151に付した符号152は、前述したノズル151の上部一列に等間隔に設けた複数の噴射孔である。
【0027】
ところで、処理槽110の気密性を確保するために、ノズル151とノズル挿入孔115との間を気密に封止する封止手段160が設けられているのは前述した通りである。封止手段160は、少なくともノズル退避時(図2(b))とノズル進入時(図2(a))の両方の位置で、処理槽110の側壁に設けられているノズル挿入孔115を塞ぐように構成されているとよい。例えば、そのような封止手段160は、図2に示すように構成することができる。
【0028】
図2に示すように、前記封止手段160は、第1〜第3のパッキン161〜163から構成される。
処理槽110に形成されたノズル挿入孔115の内周に、第1のパッキン161が嵌められている。第1のパッキンは略円筒形をしている。ノズル挿入孔115から処理槽110内に挿入されるノズル151の先端部の外周に、第2のパッキン162が嵌められている。第2のパッキン162はノズル先端部を覆うようにキャップの形をしている。さらに、ノズル151を進入したときにノズル挿入孔115に位置することになるノズル中間部の外周に、第3のパッキン163が嵌められている。第3のパッキン163は円筒形をしている。
【0029】
前記第1のパッキン161の処理槽側の部分の内面と、第2のパッキン162の外面とには互いに密着可能なテーパ面が形成され、そのテーパ面はノズル退避方向に向かって縮径するように形成されている。また、前記第1のパッキン161の処理槽110と反対側の部分の内面と、第3のパッキン163の外面とには互いに密着可能なテーパ面が形成され、そのテーパ面はノズル進入方向に向かって縮径するように形成されている。これにより、ノズル151を処理槽110内に進入したときは(図2(a))、第1のパッキン161と第3のパッキン163とにより処理槽110は気密にシールされるようになっている。また、ノズル151を処理槽110内から退避させたときは(図2(b))、第1のパッキン161と第2のパッキン162とにより処理槽110は気密にシールされるようになっている。
【0030】
なお、処理槽110の内壁には、処理槽110内に進入したノズル151の先端を支持する先端支持部材165が設けられ、進入したノズル151の先端を支持するようになっている。
【0031】
[制御部]
図1に戻る。そして、弁の開閉、モータの駆動、ノズルの進退等を行うことにより、洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程を制御する制御部170が設けられている。この制御部170は洗浄時、処理槽110に洗浄液を供給するよう洗浄液供給手段120を制御し、洗浄後、前記処理槽110に供給された洗浄液を洗浄液貯槽121に回収するよう回収手段140を制御する。すすぎ時、処理槽110にすすぎ液を供給するようすすぎ液供給手段130を制御し、すすぎ終了後、処理槽110に供給されたすすぎ液をすすぎ液貯槽131に回収するよう回収手段140を制御する。乾燥時、ノズル151を前記処理槽110の洗浄籠180内に進入させて熱気体を前記被洗浄物に吹き付けるよう乾燥手段150を制御するとともに、乾燥時に出る液体を処理槽110から排出するよう排出手段145を制御し、乾燥後、ノズル151を洗浄籠180及び処理槽110内から退出させるよう乾燥手段150を制御するようになっている。
【0032】
次に上述したような構成の洗浄装置を用いて実施する各工程を図1〜図8で説明する。
【0033】
図1において、超音波振動子111、ヒータ126、136を作動し、洗浄装置を運転状態にする。乾燥手段150のノズル151はエアシリンダ153aにより処理槽110内から退避させておき処理槽110を気密状態とする。また、高圧熱風発生器155はオフにしておく。切換弁142は2つの流出側ポートを共に閉、洗浄液用絞り弁123、すすぎ液用絞り弁133、排出用絞り弁147はいずれも閉にする。排気絞り弁113は開けておく。
例えば、洗浄籠180としての回転用バスケットサイズはφ200mm×220mm、被洗浄物は金属切削加工品であって付着物は研磨粉である。
【0034】
[洗浄工程]
図3に示すように、洗浄液貯槽121の絞り弁123を開にした後、洗浄液貯槽121の洗浄液用ポンプ124を作動して、洗浄液貯槽121に貯めた洗浄液をフィルタ125で濾過しつつ洗浄液供給配管122を介して処理槽110に供給する。この時、処理槽110内の余分な気体を排気管112から追い出す。洗浄液の供給が終了したら、洗浄液用ポンプ124を停止し、絞り弁123を閉じる。その後、被洗浄物を収容した洗浄籠180が、図示しない搬送手段により処理槽110に下降して、2本のローラ116上に載せられ、転動可能な状態にする。モータ114を回転すると、洗浄籠180が回転して中の被洗浄物が転動する。モータ114の回転は乾燥工程まで継続する。被洗浄物は例えば炭化水素系洗浄液に浸かり、その表面の汚れ成分が除去される。洗浄液は超音波振動子111で振動されるので、被洗浄物からの汚れ成分除去が高まる。
例えば、洗浄工程における超音波振動子は400W×40KHz、洗浄液の温度は40℃〜50℃であり、そして回転洗浄である。
【0035】
図4に示すように洗浄が終了したら、洗浄液用絞り弁123を閉じ、洗浄液用ポンプ124を停止して洗浄液の供給を停止する。切換弁142を作動して洗浄液貯槽121側の流出ポートを開き、処理槽110内部の使用済み洗浄液を処理槽110の底部から分岐管141を介して洗浄液貯槽121に重力作用で回収する。回収した使用済み洗浄液は、濾過した後再利用できるようにしてもよい。
【0036】
[すすぎ工程]
図5に示すように、洗浄液貯槽121に使用済み洗浄液を回収したら、切換弁142を再びオフとして両出力側ポートを閉じ、排出管146に設けた排出用絞り弁147を開く。すすぎ液用ポンプ134を作動して、すすぎ液貯槽131内のすすぎ液をフィルタ135で濾過しつつすすぎ液供給配管132を介して処理槽110内に供給する。すすぎ液を処理槽110内に供給しつつ排出管146からドレンに排出することで、処理槽内部のすすぎを行う。このすすぎ液の流れを温泉にたとえるなら、いわゆる掛け流しである。
【0037】
図6に示すように、処理槽110のすすぎが終了したら、排出用絞り弁147を閉じ、すすぎ液用絞り弁133を開き、すすぎ液用ポンプ134を作動する。すすぎ液用ポンプ134によりすすぎ液をフィルタ135で濾過しつすすぎ液供給配管132を介して処理槽110内に供給する。すすぎ液を供給後、処理槽110にすすぎ液を貯めた状態で被洗浄物のすすぎを行う。被洗浄物はすすぎ液に浸かり、その表面に残った洗浄液が除去される。すすぎ液は超音波振動子111で振動されるので、被洗浄物からの洗浄液成分除去が高まる。
例えば、すすぎ工程における超音波振動子は400W×40KHz、すすぎ液の温度は40℃〜50℃であり、そして回転すすぎである。
【0038】
図7に示すように、すすぎが終了したら、すすぎ液用絞り弁133を閉じ、すすぎ液用ポンプ134を停止して、すすぎ液の供給を停止する。切換弁142を作動してすすぎ液貯槽側の流出ポートを開き、処理槽110内部の使用済みすすぎ液を処理槽110の底部から分岐管を141介してすすぎ液貯槽131に重力作用で回収する。回収した使用済みのすすぎ液は、濾過した後再利用できるようにしてもよい。
【0039】
[乾燥工程]
図8に示すように、すすぎ液の回収が終了したら切換弁142を再び閉じ、排出管146の絞り弁147を開ける。また、排気管112の排気絞り弁113を開ける。エアシリンダ153aを作動して、乾燥手段150のノズル151を水平方向から処理槽110内に進入させて、円筒形の洗浄籠180の軸心中央部に挿入する。高圧熱風発生器155をオンして高圧熱風をノズル151から被洗浄物に向けて噴出させる。排気管112から高圧熱風を排気することにより、高圧熱風により高まる処理槽110内の圧力を開放する。高圧の気体が、洗浄籠180の外側からではなく、洗浄籠180の内側から、転動する被洗浄物に直接、吹き付けられる。回転している被洗浄物に対して、吹き付けは下から上に向けて行われるため、被洗浄物は高速遠心の水切りがなされる。これによって、被洗浄物に損傷を与えることなく、効率よく水切りができる。また、乾燥温度まで高められた高圧熱風が、洗浄籠180の外からではなく、洗浄籠180の内から、転動する被洗浄物に直接吹き付けられるため、水切りと同時に被洗浄物が効率よく乾燥する。水切り・乾燥時に発生する液体は排出管146からドレーンへ排出される。
例えば、乾燥工程における熱風は高音エアーブローであり、そのエアーは50Nl/min圧力0.5MPa以上、熱風発生器は7.5W風圧型、そして回転乾燥である。
【0040】
乾燥工程(水切り、乾燥、排出を含む工程)の後、高圧熱風発生器155を止め、エアシリンダ153aを作動してノズル151を洗浄籠180から引き抜いて処理槽110から退避させる。モータ114を停止し、ノズル151の干渉から解放された洗浄籠180を搬送手段により処理槽110の外へ移送する。
【0041】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の態様によれば、以下に挙げる一つ又はそれ以上の効果を有する。
【0042】
(1)本発明の一つ又はそれ以上の実施の態様によれば、転動する洗浄籠の内部にノズルを挿入して高速遠心水切りするようにしたので、洗浄物の損傷を与えることなく、被洗浄物を効率よく水切りができる。
【0043】
(2)本発明の一つ又はそれ以上の実施の形態によれば、洗浄籠の内部にノズルを挿入して洗浄籠の内側から熱風を与えて、直近から確実に被洗浄物に当てるようにしたので、被洗浄物を効率よく乾燥できる。
【0044】
(3)本実施の形態によれば、従来のように被洗浄物を移動するのではなく、液体や熱風を移動するようにして、1つの処理槽で洗浄→すすぎ→乾燥を行うようにしたので、洗浄装置がコンパクトになり、狭い設置場所にも対応できる。例えば、従来、3m以上あった装置サイズを本実施の形態によれば、1.5mのサイズに縮小することができる。
【0045】
[他の実施の形態]
次に、管理槽を増設した本発明の他の実施の形態について説明する。
水素系洗浄では、洗浄を一次洗浄、二次洗浄、…というように段階的に、また、すすぎでも、一次すすぎ、二次すすぎ、…というように段階的に行うことがある。図9は、そのような段階的処理を行うための洗浄装置の実施の形態を示す説明図である。
排出管146から分岐した分岐管141に、増設用洗浄液貯槽121b、121c、121d…又は増設用すすぎ液貯槽131b、131c、131d…を接続するための増設ポート148b、148c、148d…を設けてある。この場合、増設した洗浄液貯槽121b、121c、121d…又はすすぎ液貯槽131b、131c、131d…を乾燥手段150の長手方向に沿って配設することが、スペースの有効利用上好ましい。
【0046】
この実施の形態によれば、管理槽の数量を選択するだけで、あらゆる洗浄工程を一つの処理槽で行うことができる。
また、増設した洗浄液貯槽又はすすぎ液貯槽を乾燥手段の長手方向に沿って配設するようにしたので、乾燥手段150を設けることにより形成されることになるデッドスペースの有効利用が図れ、管理槽を増設しながら洗浄装置の大型化が避けられ、狭い設置場所にも対応できる。
【0047】
また、上述した実施の形態では、洗浄液またはすすぎ液をポンプでくみ上げて処理槽に供給するようにしているが、ポンプに代えて圧搾空気で液体を押し上げるようにしてもよい。すなわち、各洗浄液貯槽、及びすすぎ液貯槽に圧搾空気を送り込むことで、ポンプを用いることなく、処理槽に洗浄液またはすすぎ液を供給することができるようになる。特に、工場内にエア供給源がある場合には、ポンプを用いなくてもよいので、圧搾空気押し上げ式の採用が好ましい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、乾燥工程のときのみに、処理槽内にノズルを挿入して高圧熱風を注入するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗浄工程、すすぎ工程時にも、ノズルを挿入して高圧気体を処理槽内に注入することにより気泡を発生させて、洗浄、すすぎのアシストを行うようにしてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態では、洗浄液またはすすぎ液(洗浄液等という)をくみ上げて供給し、落下回収するようにしていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗浄液等を落下供給し、くみ上げ回収するようにしても、或いは、洗浄液等をくみ上げ供給し、くみ上げ回収するようにしてもよい。
【0050】
また、上述した実施の形態のノズルを進退させる乾燥手段は、本発明の単槽式の洗浄装置への適用に限定されない。従来の多槽式の洗浄装置を構成する乾燥槽に適用することも可能である。これによれば、洗浄籠内に収容した被洗浄物を乾燥させる乾燥槽と、乾燥槽に設けられたノズル用挿入孔と、ノズル用挿入孔に挿入されて乾燥槽内を進退するノズルを有し、ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と備えているので、水切り工程を不要にして、乾燥を確実に行うことが可能になる。さらに、ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段を備えていると、乾燥槽の気密を保持できる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、ノズルを洗浄籠の軸心中央部に挿入して、中心部から熱風を噴出するようにしたが、本発明のノズル挿入位置はこれに限定されない。例えば、
ノズルを洗浄籠の軸心中央部には挿入せず、洗浄籠の外側にのみ挿入するようにしても良い。あるいは、洗浄籠の軸心中央部からのノズル挿入の他に、洗浄籠の軸心中央部からずらした洗浄籠の外側にもノズルを挿入して、洗浄籠の中心部からの熱風噴出に加えて洗浄籠の外側からも熱風を噴出するようにしてもよい。これによれば、複数本のノズルからなるマルチノズルを必要とするが、外側からの熱風が乾燥を補助するので、乾燥効率をさらに向上できる。
【0052】
以下に本発明の好ましい態様を付記する。
[付記1]
洗浄籠内に被洗浄物を収容した状態で洗浄する方法において、
洗浄時、洗浄液供給手段を用いて処理槽に洗浄液を供給して洗浄籠内に収容した前記被洗浄物を洗浄し、洗浄後、前記洗浄液供給手段を用いて前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、
すすぎ時、すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽にすすぎ液を供給し、すすぎ終了後、前記すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収し、
乾燥時、ノズルを有する乾燥手段を用いて前記ノズルを前記処理槽の前記洗浄籠内に進入させて熱風を前記被洗浄物に吹き付けるとともに、排出手段を用いて乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出し、乾燥後、前記乾燥手段を用いて前記ノズルを前記洗浄籠及び前記処理槽から退出させる
洗浄方法。
【0053】
[付記2]
洗浄籠に収容される被洗浄物を処理する気密性を確保した処理槽と、前記処理槽に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記処理槽にすすぎ液を供給するすすぎ液供給手段と、前記処理槽内の洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、前記処理装置内のすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収する回収手段と、前記処理槽の液体を排出する排出手段と、前記処理槽に設けられたノズル用挿入孔と、前記ノズル用挿入孔に挿入されて前記処理槽内を進退するノズルを有し、該ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と、前記ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段と、制御手段とを備えた洗浄装置であって、
前記制御手段は、洗浄時、前記処理槽に洗浄液を供給するよう前記洗浄液供給手段を制御し、洗浄後、前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収するよう前記回収手段を制御し、すすぎ時、前記処理槽にすすぎ液を供給するよう前記すすぎ液供給手段を制御し、すすぎ終了後、前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収するよう前記回収手段を制御し、乾燥時、前記ノズルを前記処理槽の洗浄籠内に進入させて前記熱気体を前記被洗浄物に吹き付けるよう前記乾燥手段を制御するとともに、乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出するよう前記排出手段を制御し、乾燥後、前記ノズルを洗浄籠及び処理槽内から退出させるよう前記乾燥手段を制御するものである
洗浄装置。
【0054】
[付記3]
前記洗浄籠を回転させる回転駆動手段を備えた付記2に記載の洗浄装置。
【0055】
[付記4]
前記乾燥手段は、前記のノズルと、該ノズルに高圧熱風を送る高圧熱風発生器と、前記ノズルを進退させるアクチュエータとを備える付記2、3に記載の洗浄装置。
【0056】
[付記5]
前記ノズルの噴出孔が上方に設けられている付記2〜4に記載の洗浄装置。
【0057】
[付記6]
前記洗浄液供給手段は、洗浄液供給路と、該洗浄液供給路を介して前記処理槽に洗浄液を供給する洗浄液貯槽とを有する付記2〜5に記載の洗浄装置。
【0058】
[付記7]
前記すすぎ液供給手段は、すすぎ液供給路と、該すすぎ液供給路を介して前記処理槽にすすぎ液を供給するすすぎ液貯槽とを有する付記2〜6に記載の洗浄装置。
【0059】
[付記8]
前記回収手段は、前記処理槽の下部に接続した排水路と、前記排水路から分岐された分岐路と、該分岐路を介して前記処理槽から排出される液体の回収先を前記洗浄液貯槽または前記すすぎ液貯槽に切り換える切換弁とを有している付記7に記載の洗浄装置。
【0060】
[付記9]
前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液貯槽に圧縮ガスを送り込み、該洗浄液貯槽から洗浄液を追い出すことにより、前記処理槽に洗浄液を供給する付記7〜8に記載の洗浄装置。
【0061】
[付記10]
前記すすぎ液供給手段は、前記すすぎ液貯槽に圧縮ガスを送り込み、該すすぎ液貯槽からすすぎ液を追い出すことにより、前記処理槽にすすぎ液を供給する付記7〜9に記載の洗浄装置。
【0062】
[付記11]
前記分岐路に、増設用洗浄液貯槽又は増設用すすぎ液貯槽を接続するための増設ポートを設けた付記8〜10に記載の洗浄装置。
【0063】
[付記12]
前記増設ポートに設けた増設用洗浄液貯槽又は増設用すすぎ液貯槽を乾燥手段の長手方向に沿って設けた付記11に記載の洗浄装置。
【0064】
[付記13]
洗浄籠内に収容した被洗浄物を乾燥させる乾燥槽と、前記乾燥槽に設けられたノズル用挿入孔と、前記ノズル用挿入孔に挿入されて前記乾燥槽内を進退するノズルを有し、該ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と、前記ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段とを備えた乾燥装置。
【0065】
[付記14]
前記ノズル用挿入孔に挿入される前記ノズルが、前記乾燥槽内の洗浄籠内を進退するようになっている付記13に記載の乾燥装置。
[付記15]
前記ノズルが、マルチノズルから構成され、前記乾燥槽内の洗浄籠内及び洗浄籠外を進退するようになっている付記13に記載の乾燥装置。
【符号の説明】
【0066】
100 洗浄装置
110 処理槽
111 超音波振動子
114 モータ
115 ノズル挿入孔
120 洗浄液供給手段
124 ポンプ
130 すすぎ液供給手段
134 ポンプ
140 回収手段
142 切換弁
145 排出手段
150 乾燥手段
151 ノズル
160 封止手段
170 制御部
180 洗浄籠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄籠内に被洗浄物を収容した状態で洗浄する方法において、
洗浄時、洗浄液供給手段を用いて処理槽に洗浄液を供給して洗浄籠内に収容した前記被洗浄物を洗浄し、洗浄後、前記洗浄液供給手段を用いて前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、
すすぎ時、すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽にすすぎ液を供給し、すすぎ終了後、前記すすぎ液供給手段を用いて前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収し、
乾燥時、ノズルを有する乾燥手段を用いて前記ノズルを前記処理槽の前記洗浄籠内に進入させて熱風を前記被洗浄物に吹き付けるとともに、排出手段を用いて乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出し、乾燥後、前記乾燥手段を用いて前記ノズルを前記洗浄籠及び前記処理槽から退出させる
洗浄方法。
【請求項2】
洗浄籠に収容される被洗浄物を処理する気密性を確保した処理槽と、
前記処理槽に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
前記処理槽にすすぎ液を供給するすすぎ液供給手段と、
前記処理槽内の洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収し、前記処理装置内のすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収する回収手段と、
前記処理槽の液体を排出する排出手段と、
前記処理槽に設けられたノズル用挿入孔と、
前記ノズル用挿入孔に挿入されて前記処理槽内を進退するノズルを有し、該ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と
前記ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段と、
制御手段と
を備えた洗浄装置であって、
前記制御手段は、洗浄時、前記処理槽に洗浄液を供給するよう前記洗浄液供給手段を制御し、洗浄後、前記処理槽に供給された洗浄液を前記洗浄液供給手段に回収するよう前記回収手段を制御し、すすぎ時、前記処理槽にすすぎ液を供給するよう前記すすぎ液供給手段を制御し、すすぎ終了後、前記処理槽に供給されたすすぎ液を前記すすぎ液供給手段に回収するよう前記回収手段を制御し、乾燥時、前記ノズルを前記処理槽の洗浄籠内に進入させて前記熱気体を前記被洗浄物に吹き付けるよう前記乾燥手段を制御するとともに、乾燥時に出る液体を前記処理槽から排出するよう前記排出手段を制御し、乾燥後、前記ノズルを洗浄籠及び処理槽内から退出させるよう前記乾燥手段を制御するものである
洗浄装置。
【請求項3】
洗浄籠内に収容した被洗浄物を乾燥させる乾燥槽と、
前記乾燥槽に設けられたノズル用挿入孔と、
前記ノズル用挿入孔に挿入されて前記乾燥槽内を進退するノズルを有し、該ノズルから熱気体を噴射させる乾燥手段と
前記ノズルとノズル挿入孔との間を気密に封止する封止手段と
を備えた乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−21213(P2011−21213A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165313(P2009−165313)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(390034234)株式会社ワールド機工 (7)
【Fターム(参考)】