説明

洗浄装置

【課題】洗浄槽内で洗浄液を適切に循環させることが可能な洗浄装置を提供すること。
【解決手段】洗浄装置1は、被洗浄物2が浸漬される洗浄槽3と、被洗浄物2に向かって洗浄液を噴射する洗浄液噴射部材20とを備えている。洗浄液噴射部材20は、洗浄槽3の側面部3bに取り付けられている。この洗浄装置1では、洗浄液噴射部材20の影響で洗浄槽3内の洗浄液の流れに乱れが生じるおそれを低減することができ、洗浄槽3内で洗浄液を適切に循環させることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の被洗浄物を洗浄するための洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品等の被洗浄物を洗浄するための洗浄装置として、ワークが浸漬される洗浄液が溜まっている洗浄槽と、洗浄槽の上端から溢れ出た洗浄液が流入するオーバーフロー槽と、被洗浄物に対向配置されるシャワー部材とを備える洗浄装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の洗浄装置では、シャワー部材は、洗浄槽の中に配置されている。また、この洗浄装置では、シャワー部材に洗浄液を供給する液送管がシャワー部材の上端面に接続されており、この液送管は、洗浄槽の上方に向かって伸びている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−93529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の洗浄装置では、シャワー部材が洗浄槽の中に配置されている。そのため、シャワー部材の影響で洗浄槽内の洗浄液の流れに乱れが生じ、洗浄槽内で洗浄液が適切に循環しないおそれがある。その結果、被洗浄物の洗浄効率が低下したり、被洗浄物から除去された塵埃が洗浄槽からオーバーフロー槽へ流出せずに洗浄槽の中に留まるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、洗浄槽内で洗浄液を適切に循環させることが可能な洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の洗浄装置は、被洗浄物が浸漬される洗浄槽と、被洗浄物に向かって洗浄液を噴射する洗浄液噴射部材とを備え、洗浄液噴射部材は、洗浄槽の側面部に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の洗浄装置では、洗浄液噴射部材が洗浄槽の側面部に取り付けられている。そのため、洗浄液噴射部材が洗浄槽の中に配置されている場合と比較して、洗浄液噴射部材の影響で洗浄槽内の洗浄液の流れに乱れが生じるおそれを低減することができる。したがって、本発明では、洗浄槽内で洗浄液を適切に循環させることが可能になる。
【0008】
本発明において、洗浄液噴射部材は、洗浄液を噴射する噴射孔が形成されるシャワー面を有するシャワーヘッドであり、側面部の内側面とシャワー面とが略同一面上に配置されていることが好ましい。このように構成すると、シャワーヘッドの影響で洗浄槽内の洗浄液の流れに乱れが生じるのを防止することが可能になる。したがって、洗浄槽内で洗浄液をより適切に循環させることが可能になる。
【0009】
本発明において、洗浄装置は、洗浄槽内にキャビテーションを発生させる超音波振動子を備え、超音波振動子は、洗浄槽の底面部の下面に取り付けられていることが好ましい。すなわち、超音波振動子が洗浄槽の外に配置されていることが好ましい。このように構成すると、超音波振動子の影響で洗浄槽内の洗浄液の流れに乱れが生じるのを防止することが可能になる。したがって、洗浄槽内で洗浄液をより適切に循環させることが可能になる。また、超音波振動子が洗浄槽の中に配置されている場合と比較して、洗浄槽内に塵埃が溜りにくくなる。
【0010】
本発明において、洗浄装置は、洗浄液噴射部材に洗浄液を供給するための供給用配管を備え、供給用配管は、洗浄槽の側方に向かって伸びるように洗浄液噴射部材に接続されていることが好ましい。このように構成すると、洗浄槽の上方に供給用配管が配置されなくなるため、たとえば、洗浄槽の上方から洗浄槽に投入される被洗浄物を治具へ取り付ける際の作業が容易になる。また、洗浄槽への被洗浄物の出し入れが容易になる。
【0011】
本発明において、洗浄槽の上端側には、洗浄液が流出する流出部が形成され、流出部は、洗浄槽の上端に向かうにしたがって外周側に向かって広がるように形成されていることが好ましい。このように構成すると、洗浄液の表面付近に浮かぶ塵埃が洗浄槽から流出しやすくなる。したがって、洗浄槽内の塵埃の除去効率を高めることができ、洗浄槽から引き上げられる被洗浄物への塵埃の再付着を抑制することが可能となる。また、洗浄槽から円滑に洗浄液が流出しやすくなる。
【0012】
本発明において、洗浄装置は、たとえば、洗浄液噴射部材として、洗浄液を噴射する噴射孔が形成されるシャワー面を有する2個のシャワーヘッドを備え、洗浄槽は、略直方体の箱状に形成され、2個のシャワーヘッドは、シャワー面が互いに対向するように配置されている。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の洗浄装置では、洗浄槽内で洗浄液を適切に循環させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(洗浄装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる洗浄装置1の概略構成を説明するための概略図である。図2は、図1に示す洗浄槽3への超音波振動子13の固定構造を説明するための図である。
【0016】
本形態の洗浄装置1は、電子部品、金属部品、プリント配線基板あるいはガラス基板等の各種の被洗浄物2(以下、「ワーク2」とする。)を洗浄処理するための装置である。この洗浄装置1は、図1に示すように、ワーク2を洗浄液に浸漬するための洗浄槽3を下端側に有する本体部4と、本体部4の中へ洗浄液の蒸気を供給するための蒸気発生槽5と、本体部4の上端側に取り付けられ洗浄液の蒸気を冷却して液化させるための冷却手段6と、冷却手段6で液化された洗浄液を回収して水と分離するための水分離槽7と、ワーク2を保持するワーク保持治具8と、洗浄槽3に洗浄液を供給する給液部9と、洗浄槽3から排出される洗浄液を給液部9まで循環させるための循環経路10とを備えている。
【0017】
洗浄装置1で使用される洗浄液は、たとえば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)やHFE(ハイドロフルオロエーテル)等のフッ素系溶剤、ジクロロメタンやトリクロロエチレン等の塩素系溶剤、1−ブロモプロパン等の臭素系溶剤あるいは炭化水素系洗浄剤等の非水系洗浄剤である。また、洗浄装置1で使用される洗浄液は、水系洗浄剤あるいは準水系洗浄剤であっても良い。
【0018】
本体部4は、上述の洗浄槽3に加え、洗浄槽3の周囲に配置され洗浄槽3から溢れ出した洗浄液が流れ込むオーバーフロー槽12と、洗浄槽3内にキャビテーションを発生させる超音波振動子13とを備えている。また、本体部4では、蒸気発生槽5で蒸気化された洗浄液を用いてワーク2を蒸気洗浄するための蒸気洗浄空間14が洗浄槽3の上方に形成されている。
【0019】
本形態の洗浄槽3は、略直方体の箱状に形成されており、洗浄槽3の底面を構成する底面部3aと洗浄槽3の側面を構成する側面部3bとを備えている。この洗浄槽3は、洗浄液で満たされており、ワーク2の洗浄時には、洗浄槽3の上端側の4面からオーバーフロー槽12へ洗浄液が流出する。すなわち、洗浄槽3の上端側は、洗浄液が流出する流出部3cとなっている。
【0020】
洗浄槽3の上端側(すなわち、側面部3bの上端側)は、洗浄槽3の上端に向かうにしたがって外周側に向かって広がるように形成されている。すなわち、流出部3cは、洗浄槽3の上端に向かうにしたがって外周側に向かって広がるように形成されている。具体的には、流出部3cは、上方向に向かって膨らむ凸面からなる曲面状に形成されている。たとえば、流出部3cは、略1/4円弧状に形成されており、流出部3cの上端に接する接線の方向は略水平となっている。
【0021】
オーバーフロー槽12の底面には、循環経路10の一端側が接続されている。本形態では、ワーク2を洗浄する際に、洗浄槽3からオーバーフロー槽12に溢れ出した洗浄液が循環経路10を介して給液部9に供給される。すなわち、オーバーフロー槽12を介して洗浄槽3から排出される洗浄液が循環経路10を通過して給液部9に供給される。
【0022】
超音波振動子13は、洗浄槽3の底面部3aの下面に取り付けられている。すなわち、超音波振動子13は、洗浄槽3の外に配置されている。本形態では、図2に示すように、底面部3aの下面に溶接等で固定されたスタッドボルト15に超音波振動子13がねじ込まれた状態で、接着剤によって底面部3aの下面に超音波振動子13が固定されている。
【0023】
蒸気発生槽5の内部には、洗浄液を温めて気化させるためのヒータ16が配置されている。蒸気発生槽5の上端は、蒸気洗浄空間14に接続されており、ヒータ16によって気化された洗浄液は、蒸気洗浄空間14に供給される。
【0024】
冷却手段6は、たとえば、内部にチラー水が流れる冷却用配管で構成されており、本体部4の上端側の周囲を囲むように配置されている。この冷却手段6は、本体部4の、蒸気洗浄空間14の上端側の内壁を冷却する。そのため、蒸気洗浄空間14内の洗浄液の蒸気は、冷却手段6によって冷却され液化されて蒸気洗浄空間14の上端側の内壁につく。本形態の洗浄装置1では、蒸気洗浄空間14の上端側の内壁についた液体状の洗浄液は、その後、水分離槽7に流れ込む。
【0025】
また、冷却手段6は、本体部4の上端部近傍の空気も冷却するため、内壁が飽和水蒸気圧温度以下になると空気中に含まれる水分も内壁に結露する。結露して内壁に付着した水滴は、洗浄液と同様に水分離槽7に流れ込む。
【0026】
水分離槽7では、流れ込んだ水と洗浄液とが分離される。また、水分離槽7で分離された洗浄液は、オーバーフロー槽12または洗浄槽3へ戻される。なお、水分離槽7の中にも冷却用配管が埋設されており、その内部をチラー水が循環している。
【0027】
ワーク保持治具8は、図示を省略する昇降機構に連結されている。そのため、ワーク保持治具8に保持されたワーク2は、洗浄槽3に対して出し入れ可能となっている。本形態では、ワーク保持治具8に保持されたワーク2が本体部4の上方から洗浄槽3の中へ投入される。
【0028】
給液部9は、ワーク2に向かって洗浄液を噴射する洗浄液噴射部材としての2個のシャワーヘッド20を備えている。シャワーヘッド20は、扁平な直方体状に形成されるとともに、洗浄液を噴射するための複数の噴射孔(図示省略)が形成されたシャワー面20aを備えている。
【0029】
シャワーヘッド20は、洗浄槽3の側面部3bに取り付けられている。具体的には、側面部3bに形成された開口部に溶接固定されることでシャワーヘッド20が側面部3bに取り付けられている。本形態では、側面部3bの内側面とシャワー面20aとが略同一平面上に配置されている。すなわち、本形態では、側面部3bの内側面から洗浄槽3の内側に向かってシャワー面20aが突出していない状態で、シャワーヘッド20が側面部3bに取り付けられている。また、2個のシャワーヘッド20は、シャワー面20aが互いに対向するように配置されている。
【0030】
シャワーヘッド20には、シャワーヘッド20に洗浄液を供給するための供給用配管21の一端が接続されている。この供給用配管21は、洗浄槽3の側方に向かって伸びるようにシャワーヘッド20に接続されている。また、供給用配管21の他端には、循環経路10の他端側に接続されている。
【0031】
上述のように、循環経路10の一端側はオーバーフロー槽12の底面に接続され、循環経路10の他端側は給液部9(具体的には、供給用配管21)に接続されている。この循環経路10は、オーバーフロー槽12を介して洗浄槽3から排出される洗浄液を給液部9に向かって送るためのポンプ23と、洗浄槽3から排出される洗浄液を濾過して洗浄液内の塵埃等の不純物を取り除くための除塵フィルタ24とを備えている。
【0032】
なお、本形態では、本体部4の蒸気発生槽5との接続部にフランジ4aが形成されるとともに、蒸気発生槽5の本体部4との接続部にフランジ5aが形成されており、フランジ4aとフランジ5aとの間にOリング25を挟んだ状態でボルト(図示省略)およびナット(図示省略)によってフランジ4aとフランジ5aとが互いに固定されることで、本体部4と蒸気発生槽5とが連結されている。なお、Oリング25の表面は、耐食性に優れたFEPやPFA等のフッ素系樹脂で被覆されている。
【0033】
また、本体部4では、同様に、洗浄槽3およびオーバーフロー槽12が形成される部分と蒸気洗浄空間14が形成される部分との境界部に形成される2個のフランジの間にOリングを挟んだ状態で、ボルトおよびナットによって2個のフランジが互いに固定されることで、洗浄槽3およびオーバーフロー槽12が形成される部分と蒸気洗浄空間14が形成される部分とが連結されている。また、蒸気洗浄空間14が形成される部分と冷却手段6が配置される部分との境界部に形成される2個のフランジの間にOリングを挟んだ状態で、ボルトおよびナットによって2個のフランジが互いに固定されることで、蒸気洗浄空間14が形成される部分と冷却手段6が配置される部分とが連結されている。なお、これらのOリングの表面も、FEPやPFA等のフッ素系樹脂で被覆されている。
【0034】
以上のように構成された洗浄装置1では、たとえば、以下のように、ワーク2の洗浄が行われる。まず、本体部4の上方からワーク2を保持したワーク保持治具8を下降させて、洗浄液で満たされた洗浄槽3の中にワーク2を浸漬する。その後、超音波振動子13を用いてワーク2の超音波洗浄を行うとともに、シャワーヘッド20からワーク2に向かって洗浄液をジェット噴射してワーク2の表面に付着した塵埃を掻き出す。
【0035】
洗浄槽3内でのワーク2の洗浄が終わると、ワーク保持治具8を上昇させ、ワーク2を洗浄槽3から引き上げて、蒸気洗浄空間14に配置する。この状態で、蒸気発生槽5から供給される蒸気化された洗浄液によって、ワーク2の蒸気洗浄を行う。蒸気洗浄空間14でのワーク2の蒸気洗浄が終わると、さらに、ワーク保持治具8を上昇させ、冷却手段6の内周側にワーク2を配置してワーク2を乾燥させる。ワーク2の乾燥が終わるとワーク2の洗浄が完了する。
【0036】
なお、ワーク2の洗浄時には、シャワーヘッド20から洗浄槽3内に洗浄液が供給され、洗浄槽3からオーバーフロー槽12に向かって洗浄液が流出する。また、オーバーフロー槽12に流出した洗浄液は、さらにオーバーフロー槽12から排出され、循環経路10を通過してシャワーヘッド20に供給される。
【0037】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、シャワーヘッド20は、洗浄槽3の側面部3bに取り付けられている。そのため、シャワーヘッド20が洗浄槽3の中に配置されている場合と比較して、シャワーヘッド20の影響で洗浄槽3内の洗浄液の流れに乱れが生じるおそれを低減することができる。特に本形態では、側面部3bの内側面とシャワー面20aとが略同一面上に配置されており、側面部3bの内側面から洗浄槽3の内側に向かってシャワー面20aが突出していない。そのため、シャワーヘッド20の影響で洗浄槽3内の洗浄液の流れに乱れが生じるのを防止することができる。したがって、本形態では、洗浄槽3内で洗浄液を適切に循環させることが可能になる。
【0038】
本形態では、超音波振動子13は、洗浄槽3の底面部3aの下面に取り付けられており、洗浄槽3の外に配置されている。そのため、超音波振動子13の影響で洗浄槽3内の洗浄液の流れに乱れが生じるのを防止することができる。したがって、本形態では、洗浄槽3内で洗浄液をより適切に循環させることが可能になる。また、洗浄槽3の底面部3aの上面に超音波振動子13が取り付けられている場合(すなわち、洗浄槽3の中に超音波振動子13が配置されている場合)と比較して、洗浄槽3の底面に塵埃が溜りにくくなる。
【0039】
本形態では、シャワーヘッド20に洗浄液を供給するための供給用配管21は、洗浄槽3の側方に向かって伸びるようにシャワーヘッド20に接続されている。そのため、洗浄槽3の上方に供給用配管21が配置されなくなる。したがって、本体部4の上方から洗浄槽3に投入されるワーク2をワーク保持治具8へ取り付ける際の作業が容易になる。また、洗浄槽3へのワーク2の出し入れが容易になる。
【0040】
本形態では、洗浄槽3の上端側に形成される流出部3cは、洗浄槽3の上端に向かうにしたがって外周側に向かって広がるように形成されている。そのため、洗浄液の表面付近に浮かぶ塵埃が洗浄槽3から流出しやすくなる。したがって、洗浄槽3内の塵埃の除去効率を高めることができ、洗浄槽3から引き上げられるワーク2への塵埃の再付着を抑制することが可能となる。また、洗浄槽3からオーバーフロー槽12に向かって洗浄液が円滑に流出しやすくなる。
【0041】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0042】
上述した形態では、洗浄槽3の側面部3bの内側面とシャワー面20aとが略同一平面上に配置されるように、シャワーヘッド20が側面部3bに取り付けられている。この他にもたとえば、図3に示すように、側面部3bの内側面から洗浄槽3の内側に向かってシャワー面20aが突出するように、シャワーヘッド20が側面部3bに取り付けられても良い。
【0043】
上述した形態では、洗浄槽3の側面部3bにシャワーヘッド20が取り付けられている。この他にもたとえば、側面部3bに洗浄液噴射部材としてのノズルが取り付けられても良い。
【0044】
上述した形態では、底面部3aの下面に固定されたスタッドボルト15に超音波振動子13がねじ込まれた状態で、接着剤によって底面部3aの下面に超音波振動子13が固定されている。この他にもたとえば、図4に示すように、本体部4の底面部4bと一体となった超音波振動子13が本体部4の下端に固定されても良い。この場合には、本体部4の下端にフランジ4cが形成されるとともに、底面部4bの外周側部分とフランジ4cとの間にOリング28を挟んだ状態でボルトおよびナットによって、底面部4bの外周側部分とフランジ4cとが互いに固定されることで、底面部4bが本体部4の下端に固定される。また、この場合には、超音波振動子13の交換作業が容易になる。
【0045】
上述した形態では、超音波振動子13は洗浄槽3の外に配置されている。この他にもたとえば、超音波振動子13は洗浄槽3の中に配置されても良い。この場合には、図5に示すように、超音波振動子13の上端の周囲に整流板30を配置することが好ましい。
【0046】
上述した形態では、洗浄槽3は、略直方体の箱状に形成されている。この他にもたとえば、図6に示すように、洗浄槽3は、上端側に向かうにしたがって外側に向かって広がるように形成されても良い。すなわち、側面部3bは、上端側に向かうにしたがって外側に向かって広がるように傾斜していても良い。この場合には、シャワーヘッド20は、図6に示すように、斜め上方に向かって洗浄液を噴射する。また、洗浄槽3は、底付きの円筒状に形成されても良い。この場合には、シャワーヘッド20は、たとえば、円筒状に形成される。
【0047】
上述した形態では、本体部4は、1個の洗浄槽3を備えている。この他にもたとえば、本体部4は、荒洗浄槽、仕上洗浄槽等の複数の洗浄槽を備えていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態にかかる洗浄装置の概略構成を説明するための概略図である。
【図2】図1に示す洗浄槽への超音波振動子の固定構造を説明するための図である。
【図3】本発明の他の実施の形態にかかる洗浄槽へのシャワーヘッドの取付構造を説明するための図である。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかる超音波振動子の固定構造を説明するための図である。
【図5】本発明の他の実施の形態にかかる超音波振動子の配置位置を説明するための図である。
【図6】本発明の他の実施の形態にかかる洗浄槽の形状を説明するための図である。
【符号の説明】
【0049】
1 洗浄装置
2 ワーク(被洗浄物)
3 洗浄槽
3a 底面部
3b 側面部
3c 流出部
13 超音波振動子
20 シャワーヘッド(洗浄液噴射部材)
20a シャワー面
21 供給用配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物が浸漬される洗浄槽と、前記被洗浄物に向かって洗浄液を噴射する洗浄液噴射部材とを備え、
前記洗浄液噴射部材は、前記洗浄槽の側面部に取り付けられていることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄液噴射部材は、前記洗浄液を噴射する噴射孔が形成されるシャワー面を有するシャワーヘッドであり、
前記側面部の内側面と前記シャワー面とが略同一面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄槽内にキャビテーションを発生させる超音波振動子を備え、
前記超音波振動子は、前記洗浄槽の底面部の下面に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄液噴射部材に前記洗浄液を供給するための供給用配管を備え、
前記供給用配管は、前記洗浄槽の側方に向かって伸びるように前記洗浄液噴射部材に接続されていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄槽の上端側には、前記洗浄液が流出する流出部が形成され、
前記流出部は、前記洗浄槽の上端に向かうにしたがって外周側に向かって広がるように形成されていることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記洗浄液噴射部材として、前記洗浄液を噴射する噴射孔が形成されるシャワー面を有する2個のシャワーヘッドを備え、
前記洗浄槽は、略直方体の箱状に形成され、
2個の前記シャワーヘッドは、前記シャワー面が互いに対向するように配置されていることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−125375(P2010−125375A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301803(P2008−301803)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】