説明

活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物

【課題】 機械物性、透明性を損なうことなく、永久的な帯電防止性に優れた硬化物を与え、とくにコーティング剤として有用な活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物、該組成物を基材表面に塗布し、硬化させてなる硬化膜、該硬化膜を基材の少なくとも片面の少なくとも一部に有する被覆物を提供する。
【解決手段】 少なくとも1個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなるポリマー型イオン性液体(A)および(メタ)アクリレート(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線照射で硬化し、優れた永久帯電防止性を発現する硬化物を与える組成物に関する。さらに詳しくは、機械物性、永久帯電防止性および光学特性に優れた硬化物を与え、とくにコーティング剤として有用な活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プラスチックは自動車業界、家電業界を始めとして幅広く産業界で大量に使われている。その理由としては、プラスチックの加工性、透明性等に加えて、軽量、安価等が挙げられる。しかしプラスチックは高い体積固有抵抗を有するために摩擦などにより接触面で容易に静電気を帯び、塵埃が付着しやすいという問題がある。また一旦帯びた静電気が漏洩し難いという欠点を有している。該欠点を解消する対策として、プラスチック表面に帯電防止性を付与するため帯電防止性付与剤を含有するコーティング層を形成させる方法があり、該帯電防止性付与剤として、水との親和性が高いイオン性液体(例えば特許文献1参照)、および水との親和性が低いイオン性液体(例えば特許文献2参照)が提唱されている。
【特許文献1】特開2007−70399号公報
【特許文献2】特開2005−314332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、イオン性液体は蒸気圧がないことから、時間経過とともに消失することはないものの、水との親和性が高いものでは、イオン性液体とはいえ流水で比較的容易に消失し帯電防止性の長期持続性に欠けるという問題があった。また、水との親和性が低いイオン性液体では、流水で容易に消失することはないものの、コーティング樹脂との相溶性が悪いため配合物が白濁し、コーティング層の透明性を損ねたり、透明になっても経時的にブリードアウトするという問題があった。
本発明の目的は、機械物性(耐擦傷性等)や外観を損なうことなく、永久的な帯電防止性および透明性に優れた硬化物を与える樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、少なくとも1個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなるポリマー型イオン性液体(A)および(メタ)アクリレート(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物は、下記の効果を奏する。
(1)該組成物を硬化させてなる硬化物は、機械物性に優れる。
(2)該組成物を硬化させてなる硬化物は、永久帯電防止性に優れる。
(3)該組成物を硬化させてなる硬化物は、透明性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明におけるポリマー型イオン性液体(A)は、少なくとも1(好ましくは1〜100)個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなる。 なお、ここおよび以下において、イオン性液体とは、室温付近に融点を持ち、イオンからなる液体を意味する。本発明においては、該イオン性液体を構成するカチオンと対アニオンをポリマー分子中に有するものをポリマー型イオン性液体と称する。
上記オニウムカチオン基(a)には、含窒素オニウムカチオン[アミジニウムカチオン(a1)およびグアニジニウムカチオン(a2)]、含硫黄オニウムカチオン(a3)、含リンオニウムカチオン(a4)が含まれる。
【0007】
アミジニウムカチオン(a1)としては下記のものが挙げられる。
(a11)イミダゾリニウムカチオン
炭素数(以下Cと略記)5〜15、例えば1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
【0008】
(a12)イミダゾリウムカチオン
C5〜15、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム;
【0009】
(a13)テトラヒドロピリミジニウムカチオン
C6〜15、例えば1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
【0010】
(a14)ジヒドロピリミジニウムカチオン
C6〜20、例えば1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表記を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウム。
【0011】
グアニジニウムカチオン(a2)としては下記のものが挙げられる。
(a21)イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C8〜15、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム;
【0012】
(a22)イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C8〜15、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5,6,7−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、1,5−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]イミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム;
【0013】
(a23)テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C10〜20、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,3,4,6−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム;
【0014】
(a24)ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン
C10〜20、例えば2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−テトラエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−1−エチル−3−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジエチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−イミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6,7,8−テトラヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、1,6−ジヒドロ−1,2−ジメチル−2H−ピリミド[1,2a]ピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−シアノ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−シアノメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−アセチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−アセチルメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メチルカルボオキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メチルカルボオキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−メトキシ−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−メトキシメチル−1−メチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ホルミル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ホルミルメチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−3−ヒドロキシエチル−1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム。
【0015】
含硫黄オニウムカチオン(a3)には、スルホニウム、チオフェニウム、チオモルホリニウムおよびチオキサニウムカチオン等、が含まれる。
【0016】
含リンオニウムカチオン(a4)には、ホスホニウムカチオンおよびテトラブチルホスホニウムブロミドカチオン等、が含まれる。
【0017】
これらのうち、ポリマー型イオン性液体の電導度の観点から好ましいのは(a1)、さらに好ましいのはイミダゾリウムカチオン(a12)、特に好ましいのは1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンである。
【0018】
本発明におけるポリマー(b)は、上記オニウムカチオン基(a)の対アニオン基を有するポリマーで、組成設計の自由度の観点から付加重合物(b1)、重縮合物(b2)および重付加物(b3)からなる群から選ばれるポリマーが好ましい。
(b)を構成するアニオン基には、カルボン酸基、硫酸エステル基、高級アルキルエーテル硫酸エステル基、スルホ基、リン酸エステル基等の有機酸基が含まれる。
【0019】
付加重合物(b1)には、エチレン性不飽和基含有モノマー(b01)の(共)重合物で、少なくとも1個の上記アニオン基を有するものが含まれる。
(b1)は、上記アニオン基を有するエチレン性不飽和基含有モノマー(b01)を(共)重合させることにより得られる。
【0020】
(b01)としては下記のもの、およびこれらの併用系が挙げられる。
(1)カルボン酸基を有するもの
C13〜30、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)およびトリメリット酸(無水物)と水酸基含有(メタ)アクリレートとのエステル化物および(メタ)アクリル酸;
(2)硫酸エステル基を有するもの
C5〜20、例えば水酸基含有(メタ)アクリレートと硫酸との反応生成物[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの硫酸エステル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの硫酸エステル等];
(3)スルホ基を有するもの
C6〜30、例えば(メタ)アクリロイルメチルベンゼンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシベンゼンスルホン酸、(メタ)アクリロイルドデシルベンゼンスルホン酸等;
(4)リン酸エステル基を有するもの
C6〜30、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等;
これらの(b01)のうち、ポリマー型イオン性液体の電動度の観点から好ましいのは(1)および(3)である。
【0021】
重縮合物(b2)には、多価カルボン酸(b021)と、多価アルコール(b022)および/または多価アミン(b023)から形成される重縮合物(ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルエステルアミド等)で、少なくとも1個の上記アニオン基を有するものが含まれる。
【0022】
(b2)を構成する多価カルボン酸(b021)としては、2価〜4価またはそれ以上の多価カルボン酸(b0211)、スルホ基含有多価カルボン酸(b0212)、硫酸基含有多価カルボン酸(b0213)、スルファミン酸基含有多価カルボン酸(b0214)、リン酸基含有多価カルボン酸(b0215)、ホスホン酸基含有多価カルボン酸(b0216)等、例えば下記のものが挙げられる。
【0023】
(b0211)のうち、2価のカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(C2〜15、例えばシュウ酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸およびオクチルコハク酸等);芳香(脂肪)族ジカルボン酸(C8〜15、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、キシリレンジカルボン酸等);脂環式ジカルボン酸(C4〜20、例えばシクロヘキサンジカルボン酸等);およびこれらの酸無水物、アルキル(C1〜3)エステル等;
【0024】
3価カルボン酸としては、脂肪族トリカルボン酸(C7〜20、例えば1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン);芳香族トリカルボン酸[C9〜25、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸];脂環式トリカルボン酸(C9〜25、例えば1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸);およびこれらの酸無水物、アルキル(C1〜3)エステル等が挙げられる。
【0025】
4価カルボン酸としては、C9〜25、例えばテトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、およびこれらの酸無水物、アルキル(C1〜3)エステル等が挙げられる。
【0026】
スルホ基含有多価(2価またはそれ以上)カルボン酸(b0212)としては、スルホ基含有芳香族ジカルボン酸〔スルホベンゼンジカルボン酸およびそのアルキルエステル[5−スルホ−オルト−、イソ−およびテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸ジメチル等]、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸等〕;スルホ基含有脂肪族ジカルボン酸[スルホアルカン−およびアルケンジカルボン酸(スルホコハク酸、スルホグルタル酸、スルホアジピン酸、スルホピメリン酸、スルホスベリン酸、スルホアゼライン酸、スルホセバシン酸、スルホマレイン酸等)等];置換スルホコハク酸、例えば下記一般式(1)
で示されるもの等が挙げられる。

HOOC−CH(R2)−CH(SO3H)−COOH (1)

[式中、R2はR1またはC1〜13のハイドロカルビル(アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、アリール等)基を表し、R1は、アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)、ヒドロキシル、シアノ、アルデヒドもしくはニトロ基またはハロゲン原子(塩素、臭素等)を表す。]
【0027】
硫酸基含有多価カルボン酸(b0213)としては、ヒドロキシジカルボン酸[モノ−およびジヒドロキシアルカン二酸(タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸等)等]の硫酸エステル[水酸基を硫酸化剤(発煙硫酸等)で硫酸エステル化したもの]が挙げられる。
【0028】
スルファミン酸基含有多価カルボン酸(b0214)としては、アミノジカルボン酸(アスパラギン酸、グルタミン酸等)のスルファミン化物(アミノ基を発煙硫酸またはクロロ硫酸でスルファミン酸基に変換したもの)が挙げられる。
【0029】
リン酸基含有多価カルボン酸(b0215)としては、ヒドロキシジカルボン酸(上記に同じ。)のリン酸エステル[水酸基を、リン酸化剤(五酸化リン、オキシ塩化リン等)でリン酸エステル化したもの、およびその酸基(OH)の一部をアルコールもしくは後述のアルキレンオキシド(以下AOと略記)[C2〜8またはそれ以上、好ましくはC2〜4、例えばエチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド(以下POと略記)]と反応させて部分アルキルエステルもしくは部分ヒドロキシアルキルエステル化したもの]が挙げられる。
【0030】
ホスホン酸基含有多価カルボン酸(b0216)としては、ヒドロキシジカルボン酸(上記に同じ。)のホスホン化物[水酸基を、三塩化リンで亜リン酸エステル化し、さらに異性化してホスホン酸基に変換したもの、およびその酸基(OH)の一部を上記と同様に部分アルキルエステルもしくは部分ヒドロキシアルキルエステル化したもの]が挙げられる。
【0031】
多価アルコール(b022)としては2個以上のOH基を有し、OH当量(OH価に基づく、OH当たりの分子量)が250未満の低分子ポリオール(b0221)、およびOH当量が250以上の高分子ポリオール(b0222)、スルホ基含有ポリオール(b0223)等およびこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
低分子多価アルコール(b0221)としては、2価アルコール(C2〜20またはそれ以上)、例えば脂肪族2価アルコール〔C2〜12、例えば(ジ)アルキレングリコール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、2,3−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび3−メチルペンタンジオール(以下それぞれEG、DEG、PG、DPG、BD、HD、NPGおよびMPDと略記)、ドデカンジオール等]等〕、脂環含有2価アルコール[C5〜10、例えば1,3−シクロペンタンジオール、1,3−および1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等]、芳香脂肪族2価アルコール[C8〜20、例えばキシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];
3価〜8価もしくはそれ以上の多価アルコール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびジペンタエリスリトール(以下それぞれGR、TMP、PE、SOおよびDPEと略記)、1,2 ,6−ヘキサントリオール、エリスリトール、シクロヘキサントリオール、マンニトール、キシリトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリン等]、糖類およびその誘導体[ショ糖、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトース、グルコシド(メチルグルコシド等)等]等;
並びに、後述するポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオールのうち、OH当量が250未満のものが挙げられる。
【0033】
高分子ポリオール(b0222)としては、ポリエーテルポリオール[上記2価アルコール、または3価〜8価もしくはそれ以上の多価アルコールのAO[C2〜4、例えばEO、PO、1,2−および2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)。以下同じ。]付加物〔数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)による。]500〜20,000〕、PTMG(Mn500〜10,000)等]、ポリエステルポリオール(Mn500〜20,000)、Mn500〜10,000の、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンポリオールおよび水添ポリイソプレンポリオールが含まれる。
【0034】
スルホ基含有ポリオール(b0223)としては、前記スルホ基含有多価カルボン酸(b0212)のAO2〜10モル付加物[5−スルホ−オルト−、イソ−およびテレフタル酸のEO2モル付加物等]が挙げられる。
【0035】
多価アミン(b023)としては、C2〜20のジアミン、例えば脂肪族[エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エイコサンジアミン等]、芳香(脂肪)族[フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、キシリレンジアミン等]および脂環式ジアミン[1,3−および1,4−シクロヘキシサンジアミン等]等が挙げられる。
【0036】
重縮合物(b2)の形成に際して、上記多価カルボン酸(b021)と、多価アルコール(b022)および/または多価アミン(b023)との反応におけるCOOH基とOH基の当量比(COOH/OH)、COOH基とNH2基の当量比(COOH/NH2)、またはCOOH基と(OH基とNH2基の合計)の当量比[COOH/(OH+NH2)]は、後述する成形品の靭性およびポリマー型イオン性液体の電動度の観点から好ましくは1.2/1〜2/1、さらに好ましくは1.5/1〜2/1である。
【0037】
重付加物(b3)には、多価アルコール(b022)および/または多価アミン(b023)とポリイソシアネート(b031)からウレタン化反応等により形成されるポリウレタンおよび/またはポリウレア、およびOH末端またはアミノ基末端の該ポリウレタンまたはポリウレアにさらに多価カルボン酸を反応させたもので、少なくとも1個の前記アニオン基を有するものが含まれる。
該ウレタン化反応等において、例えばNCO基とOH基の当量比(NCO/OH)は、特に限定されないが、後述する成形品の靭性および(b3)の経時安定性の観点から好ましくは0.3/1〜0.6/1、さらに好ましくは0.4/1〜0.5/1である。NCO基とアミノ基の当量比についても同様である。
【0038】
前記ポリイソシアネート(b031)(以下においてPIと略記することがある。)としては、例えば下記のもの、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
(1)C(NCO基中のCを除く、以下同じ)6〜20の芳香族PI
ジイソシアネート(以下、DIと略記)、例えば1,3−および/または1,4−フェ ニレンDI、2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4, 4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンDI(MDI)、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニ ル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンDI、およびm−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)および4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート
【0039】
(2)C2〜18の脂肪族PI
DI、例えばエチレンDI、テトラメチレンDI、ヘキサメチレンDI(HDI)、ヘプタメチレンDI、オクタメチレンDI、ノナメチレンDI、デカメチレンDI、ドデカメチレンDI、2,2,4−および/または2,4,4 −トリメチルヘキサメチレンDI、リジンDI、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよびトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートおよびリジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンの反応生成物のホスゲン化物、例えば2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート)
【0040】
(3)C4〜45の脂環含有PI
DI、例えばイソホロンDI(IPDI)、2,4−および/または2,6−メチルシクロヘキサンDI(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−DI(水添MDI)、シクロヘキシレンDI、メチルシクロヘキシレンDI、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンDI、ダイマー酸DI(DDI);および3官能以上のPI(トリイソシアネート等)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート
(4)C8〜15の芳香脂肪族PI
m−および/またはp−キシリレンDI(XDI)、ジエチルベンゼンDIおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンDI(TMXDI)
(5)上記(1)〜(4)のヌレート化物
これらの(b032)のうち耐光性の観点から好ましいのは(2)、(3)、および(5)のうち脂肪族PIおよび脂環含有PIのヌレート化物である。
【0041】
本発明におけるポリマー型イオン性液体(A)は、前記オニウムカチオン基(a)を有するメチル炭酸塩(該塩は特開2001−316372記載の製造方法で得られる。)と前記対アニオン基を有するポリマー(b)とを塩交換反応させることにより得られる。
【0042】
本発明における(メタ)アクリレート(B)としては、下記の(1)〜(8)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
(1)モノ(メタ)アクリレート
(1−1)1価アルコール[脂肪族(C1〜30)、脂環式(C6〜30)および芳香脂肪族(C7〜10)]の(メタ)アクリレート
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート等;
(1−2)1価アルコール[脂肪族(C1〜30)、脂環式(C6〜30)および芳香脂肪族(C7〜10)]のAO1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
上記(1−1)における1価アルコールのAO付加物の(メタ)アクリレート、例えばラウリルアルコールのEO2モル付加物の(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのPO3モル付加物の(メタ)アクリレート;
(1−3)[アルキル(C1〜20)]フェノール(C6〜30)のAO1〜30モル付加物の(メタ)アクリレート
フェノールのPO3モル付加物の(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO1モル付加物の(メタ)アクリレート等;
【0044】
(2)ジ(メタ)アクリレート
(2−1)ポリオキシアルキレン(アルキレンはC2〜4)[分子量106以上かつMn3,000以下]のジ(メタ)アクリレート
ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(Mn400)、ポリプロピレングリコール(以下、PPGと略記)(Mn200)およびPTMG(Mn650)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(2−2)2価フェノール化合物のAO(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート
2価フェノール化合物[C6〜18、例えば単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、−Fおよび−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのEO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジヒドロキシナフタレンのPO4モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、−Fおよび−Sの、EO2モル、およびPO4モル各付加物等]の各ジ(メタ)アクリレート等;
(2−3)脂肪族2価アルコール(C2〜30)のジ(メタ)アクリレート
ネオペンチルグリコール(以下、NPGと略記)および1,6−ヘキサンジオール(以下、1,6−HDと略記)の各ジ(メタ)アクリレート等;
(2−4)脂環含有2価アルコール(C6〜30)のジ(メタ)アクリレート
ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのジ(メタ)アクリレートおよび水素化ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等
【0045】
(3)ポリ(3価〜6価またはそれ以上)(メタ)アクリレート
(3−1)C3〜40の多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールおよびそのAO付加物のポリ(メタ)アクリレート
TMPトリ(メタ)アクリレート、GRのトリ(メタ)アクリレート、TMPのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、GRのEO3モルおよびPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート、PEのトリ(メタ)アクリレート、PEのテトラ(メタ)アクリレート、PEのEO4モル付加物のテトラ(メタ)アクリレート、DPEのペンタ(メタ)アクリレート、DPEのヘキサ(メタ)アクリレート等;
【0046】
(4)ポリエステル(メタ)アクリレート
多価(2価〜4価)カルボン酸、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールおよびエステル形成性のアクリロイル基含有化合物のエステル化により得られる複数のエステル結合と5個以上のアクリロイル基を有する分子量150以上かつMn4,000以下のポリエステルアクリレート
上記多価カルボン酸としては、例えば脂肪族[C3〜20、例えばマロン酸、マレイン酸(無水物)、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、酸無水物の反応物(ジペンタエリスリトールと無水マレイン酸の反応物等)]、脂環式[C5〜30、例えばシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、メチルテトラヒドロ(無水)フタル酸]および芳香族多価カルボン酸[C8〜30、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸(無水物)、トリメリット酸(無水物)、ピロメリット酸(無水物)]が挙げられる。
【0047】
(5)ウレタン(メタ)アクリレート
ポリ(2官能〜3官能またはそれ以上)イソシアネート、多価(2価〜6価またはそれ以上)ポリオール、水酸基含有(メタ)アクリレートとのウレタン化反応により得られる複数のウレタン結合と2個以上のアクリロイル基を有する分子量400以上かつMn5,000以下のウレタン(メタ)アクリレート
該ポリイソシアネートとしては、C6〜45(NCO基の炭素を除く)、例えば脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等]、芳香(脂肪)族ポリイソシアネート[2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等]、脂環式ポリイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等]、その他前記例示したもの等が挙げられる。
該ポリオールとしては、分子量62以上かつMn3,000以下、例えばEG、1,4−BD、NPG、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、PTMG等が挙げられる。
該水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、C5〜30、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、DPEペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0048】
(6)エポキシ(メタ)アクリレート
多価(2〜4価)エポキシドと(メタ)アクリル酸の反応により得られる分子量400以上かつMn5,000以下のエポキシ(メタ)アクリレート等;
【0049】
(7)主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体
ポリブタジエンポリ(メタ)アクリレート(Mn500〜500,000)等
【0050】
(8)ジメチルポリシロキサンの主鎖および/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するシロキサン重合体[Mn300〜20,000、例えばジメチルポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート]
上記(1)〜(8)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。該(1)〜(8)のうち、硬化物の強靭性の観点から好ましいのは(2)〜(6)、さらに好ましいのは(3)および(5)である。
【0051】
本発明の組成物には、さらに必要によりエチレン性不飽和結合を有するイオン性液体(C)を含有させてもよい。
(C)は、下記の一般式(1)で表され、構成するカチオン(c1)およびアニオン(c2)のうち少なくとも一方がエチレン性不飽和結合を有し、かつ該(C)は室温以下の融点を有し、初期電導度が好ましくは1〜200ms/cm(さらに好ましくは10〜200ms/cm)である常温溶融塩である。

X+Y- (1)

[X+はカチオン、Y-はアニオンを表す。]
【0052】
(C)の分子内のエチレン性不飽和結合の個数は、少なくとも1個、硬化物の永久帯電防止性能、機械物性および透明性向上の観点から好ましくは2個〜5個またはそれ以上である。
【0053】
エチレン性不飽和結合としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。これらのうち活性エネルギー線硬化性および前記の(メタ)アクリレート(B)との共重合性の観点から好ましいのは(メタ)アクリロイル基である。
エチレン性不飽和結合は(X+)および/または(Y-)のいずれに導入してもよく、(X+)、(Y-)の組み合わせには、(1)エチレン性不飽和結合を有する(X+)(x1)とエチレン性不飽和結合を有する(Y-)(y1)の組み合わせ、(2)(x1)とエチレン性不飽和結合を有しない(Y-)(y2)の組み合わせ、(3)エチレン性不飽和結合を有しない(X+)(x2)と(y1)の組み合わせが含まれる。
【0054】
カチオン(X+)の種類としては、オニウムカチオン(含窒素オニウムカチオン、含硫黄オニウムカチオン、含リンオニウムカチオン等)、金属カチオン等が挙げられる。
含窒素オニウムカチオンには、アミジニウム、グアニジニウムおよびアンモニウムカチオン;含硫黄オニウムカチオンには、スルホニウム、チオフェニウム、チオモルホリニウムおよびチオキサニウムカチオン等;含リンオニウムカチオンには、ホスホニウムカチオンおよびテトラブチルホスホニウムブロミドカチオン等が、それぞれ含まれる。
帯電防止の観点から好ましいのはオニウムカチオンさらに好ましいのは含窒素オニウムカチオン、とくに好ましいのはアミジニウムおよびアンモニウムカチオンである。
【0055】
(x1)の具体例としては、アミジニウムカチオン〔C5〜30、例えばイミダゾリニウムカチオン[1−メチル−3−ビニルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル3−ビニルイミダゾリニウム、1−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルイミダゾリニウム、1,3ジメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイミダゾリウム等]、イミダゾリウムカチオン[1−メチル−3−ビニルイミダゾリウム、1−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1−メチル−3−ビニル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,3−ジメチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−4−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−1,5,6−トリヒドロピリミジニウム等]、およびジヒドロピリミジニウムカチオン[1−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチル、−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]〕;グアニジニウムカチオン〔C6〜30、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−メチル−2−ビニルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1,4−ジメチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−メチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,4−ジメチル−3−ビニルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−メチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]等〕;アンモニウムカチオン〔C3〜50、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウム、ビニルジラウリルアンモニウム〕;およびこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
(x2)としては、アミジニウムカチオン〔C3〜30、例えばイミダゾリニウムカチオン[1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウムカチオン[1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウムカチオン[1
,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、およびジヒドロピリミジニウムカチオン[1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]〕;グアニジニウムカチオン〔C4〜30、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリニウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム等]、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチルイミダゾリウム、2−ジメチルアミノ−1−メチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム等]、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム等]、ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン[2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−および−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3,4−トリメチル−1,4−および−1,6−ジヒドロピリミジニウム、2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−4−エチル−1,4−および−1,6−ジヒドロピリミジニウム等]〕;アンモニウムカチオン〔C3〜50、例えばメチルジラウリルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム];およびこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
(y1)の具体例としては、カルボン酸(エステル)〔C3〜30、例えば、(メタ)アクリル酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、モノビニルコハク酸、モノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタル酸、水酸基含有多価(メタ)アクリレート[例えば、GRジ(メタ)アクリレート、TMPのEO付加物のジ(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、DPEペンタアクリレート、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応物等]と2塩基酸とのモノエステル等〕、スルホン酸エステル〔C2〜30、例えば、(メタ)アクリロイルオキシEO5モル付加物のスルホン酸モノエステル、ビニルアルコールのPO3モル付加物のスルホン酸モノエステル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸、p−ビニルベンゼンスルホン酸等〕、リン酸エステル〔C3〜30、例えば、モノ−およびジ(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル、(メタ)アクリロイルオキシEO5モル付加物のリン酸モノ−およびジエステル(メタ)アクリロイルオキシエチルPO3モル付加物のリン酸モノ−およびジエステル、(メタ)アクリロイルオキシエチルカプロラクトン7モル付加物のリン酸モノ−およびジエステル、水酸基含有多価(メタ)アクリレート[例えば、GRジ(メタ)アクリレート、TMPのEO付加物のジ(メタ)アクリレート、PEトリ(メタ)アクリレート、DPEペンタアクリレート、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応物]とリン酸とのモノ−およびジエステル〕、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
(y2)としては、有機酸(C1〜30、例えばカルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸エステルおよびリン酸エステル)、無機酸[例えば超強酸(ホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸等)、リン酸およびホウ酸]が挙げられる。
超強酸の共役塩基以外のアニオンとしては、例えばハロゲン(例えばフッ素、塩素および臭素)イオン、アルキル[C1〜12]ベンゼンスルホン酸(例えばp−トルエンスルホン酸)イオンおよびポリ(n=1〜25)フルオロアルカンスルホン酸(例えばウンデカフルオロペンタンスルホン酸)イオンが挙げられる。
超強酸としては、プロトン酸およびプロトン酸とルイス酸との組み合わせから誘導されるもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
超強酸としてのプロトン酸としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド酸、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド酸、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、過塩素酸、フルオロスルホン酸、アルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばメタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸)、ポリ(n=1〜30)フルオロアルカン(C1〜30)スルホン酸(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸およびトリデカフルオロヘキサンスルホン酸)、ホウフッ素酸および四フッ化ホウ素酸が挙げられる。
ルイス酸と組合せて用いられるプロトン酸としては、例えばハロゲン化水素(例えばフッ化水素、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素)、過塩素酸、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸およびこれらの混合物が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば三フッ化ホウ素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化ヒ素、五フッ化タンタルおよびこれらの混合物が挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、これらの組み合わせからなる超強酸としては、例えばテトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、六フッ化タンタル酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化タンタルスルホン酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸、塩化三フッ化ホウ素酸、六フッ化ヒ素酸およびこれらの混合物が挙げられる。
【0059】
上記カチオンとアニオンで構成されるイオン性液体(C)の組み合わせのうち、帯電防止性の観点から好ましいのはエチレン性不飽和結合を有しないカチオン(X+)(x2)とエチレン性不飽和結合を有するアニオン(Y-)(y1)の組み合わせ、さらに好ましいのはエチレン性不飽和結合を有しないアミジニウムカチオンとスルホン酸エステルまたはリン酸エステルの組み合わせ、とくに好ましいのはエチレン性不飽和結合を有しないイミダゾリウムカチオンとスルホン酸またはリン酸エステルの組み合わせであり、具体的には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−1−スルホン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノ−およびジ(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステル塩が挙げられる。
また、機械物性の観点から、最も好ましい組み合わせは、イミダゾリウムカチオンと多価(メタ)アクリレートを有する酸の組み合わせであり、具体的には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムとPEトリ(メタ)アクリレートの2塩基酸またはリン酸のエステル塩が挙げられる。
【0060】
また、本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により(A)、(C)以外のイオン性液体(C’)を含有させることができる。(C’)の具体例としては、上述した(x2)と(y2)を組み合わせたものが挙げられる。
(C’)を含有させる場合、その使用量は、(C)の重量に基づいて通常200%以下、帯電防止性およびその持続性の観点から好ましくは10〜100%である。
【0061】
重合開始剤(D)としては、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
これらのうち硬化物の着色防止の観点から好ましいのは2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドである。
【0062】
(D)の使用量は、(A)、(B)および後述の(C)の合計重量に基づいて、反応性および硬化物の硬度の観点から好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.3〜10%である。
【0063】
本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりさらに塗料、に使用される種々のその他の添加剤(E)を含有させてもよい。該(E)には、無機充填剤(E1)、有機充填剤(E2)、有機顔料(E3)、分散剤(E4)、消泡剤(E5)、レベリング剤(E6)、シランカップリング剤(E7)、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)(E8)、スリップ剤(E9)、酸化防止剤(E10)紫外線吸収剤(E11)および帯電防止剤(E12)が含まれる。
(E)の合計の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常60%以下、添加効果および工業上の観点から好ましくは0.5〜50%である。
【0064】
無機充填剤(E1)としては、アルミナ[酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナホワイト(アルミナ水和物)、シリカアルミナ(アルミナとシリカの融着物、アルミナの表面にシリカをコーティングしたもの等)]、ジルコニア、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ダイヤモンド、カーボンブラック(チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等)、シリカ(微粉ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ藻、コロイダルシリカ等)、ケイ酸塩(微粉ケイ酸マグネシウム、タルク、ソープストーン、ステアライト、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸ソーダ等)、炭酸塩[沈降性(活性、乾式、重質または軽質)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等]、クレー(カオリン質クレー、セリサイト質クレー、バイロフィライト質クレー、モンモリロナイト質クレー、ベントナイト、酸性白土等)、硫酸塩[硫酸アルミニウム(硫酸バンド、サチンホワイト等)、硫酸バリウム(バライト粉、沈降性硫酸バリウム、リトポン等)、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム(石コウ)(無水石コウ、半水石コウ等)等]、鉛白、雲母粉、亜鉛華、酸化チタン、活性フッ化カルシウム、セメント、石灰、亜硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、アスベスト、ガラスファイバー、ロックファイバーおよびマイクロバルーン等が挙げられる。
【0065】
これらのうち硬化物(膜)の耐擦傷性および組成物、硬化物の着色抑制の観点から好ましいのはアルミナ、シリカ、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩および酸化チタン、さらに好ましいのはシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムおよび酸化チタンである。
(E1)は、2種以上併用してもよく、また2種以上が複合化(例えばシリカに酸化チタンが融着)されたものでもよい。(D1)の形状は、特に限定されず、例えば不定形状、球状、中空状、多孔質状、花弁状、凝集状および粒状のいずれでもよい。
(E1)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常50%以下、硬化物の耐熱性および可撓性の観点から好ましくは5〜30%、さらに好ましくは10〜25%である。
【0066】
有機充填剤(E2)としては、アクリル、スチレン、シリコーン、ポリウレタン、アクリルウレタン、ベンゾグアナミン、ポリエチレンの各樹脂のビーズが挙げられる。これらのうち耐熱性の観点から、シリコーン樹脂のビーズが好ましい。
また、(E2)の数平均粒径(μm)は、硬化物の光透過性および塗工性の観点から、好ましくは1〜30、さらに好ましくは3〜20である。
(E2)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常50%以下、硬化物の耐熱性および塗工性の観点から好ましくは5〜40%、さらに好ましくは10〜35%である。
【0067】
有機顔料(E3)としては、下記の(1)〜(4)が挙げられる。
(1)アゾ顔料
不溶性モノアゾ顔料(トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG等)、不溶性ジスアゾ顔料(ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP等)、アゾレーキ(溶性アゾ顔料)(レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B等)、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等;
(2)多環式顔料
フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等;
(3)染つけレーキ
塩基性染料(ビクトリアピュアブルーBOレーキ等)、酸性染料(アルカリブルートーナー等)等;
(4)その他
アジン顔料(アニリンブラック等)、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料等。
(E3)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、硬化物の着色性および可撓性の観点から好ましくは0.5〜4%、さらに好ましくは1〜3%である。
【0068】
(E4)としては、有機分散剤[高分子分散剤(Mn2,000〜500,000)および低分子分散剤(分子量100以上かつMn2,000未満)]および無機分散剤が挙げられる。
【0069】
高分子分散剤としては、ナフタレンスルホン酸塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩、4級アンモニウム塩等、以下の塩も同じ。]のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ(2〜4)カルボン酸(マレイン酸/グリセリン/モノアリルエーテル共重合体等)塩、カルボキシメチルセルロース(Mn2,000〜10,000)およびポリビニルアルコール(Mn2,000〜100,000)等が挙げられる。
【0070】
低分子分散剤としては、下記の(1)〜(8)が挙げられる。
(1)ポリオキシアルキレン型
脂肪族アルコール(C4〜30)、[アルキル(C1〜30)]フェノール、脂肪族(C4〜30)アミンおよび脂肪族(C4〜30)アミドのAO[C2〜4、例えばEO、PO]1〜30モル付加物等;
脂肪族アルコールとしては、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、オクタノール、ドデカノール等;(アルキル)フェノールとしては、フェノール、メチルフェノールおよびノニルフェノール等;脂肪族アミンとしては、ラウリルアミンおよびメチルステアリルアミン等;および脂肪族アミドとしては、ステアリン酸アミド等が挙げられる。
(2)多価アルコール型
C4〜30の脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸等)と多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコール[例えばGR、PE、SO)およびソルビタン]のモノエステル化合物等;
(3)カルボン酸塩型
C4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のアルカリ金属(前記に同じ)塩等;
(4)硫酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(前記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物の硫酸エステルアルカリ金属(前記に同じ)塩等;
【0071】
(5)スルホン酸塩型
[アルキル(C1〜30)]フェノール(前記に同じ)のスルホン酸アルカリ金属(前記に同じ)塩等;
(6)リン酸エステル型
C4〜30の脂肪族アルコール(前記に同じ)および脂肪族アルコールのAO(C2〜4)1〜30モル付加物のモノまたはジリン酸エステルの塩[アルカリ金属(前記に同じ)塩、4級アンモニウム塩等]等;
(7)1〜3級アミン塩型
C4〜30の脂肪族アミン[1級アミン(ラウリルアミン等)、2級アミン(ジブチルアミン等)および3級アミン(ジメチルステアリルアミン等)]塩酸塩、トリエタノールアミンとC4〜30の脂肪酸(前記に同じ)のモノエステルの無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等)塩等;
(8)4級アンモニウム塩型
C4〜30の4級アンモニウム(ブチルトリメチルアンモニウム、ジエチルラウリルメチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム等)の無機酸(上記に同じ)塩等。
【0072】
無機分散剤としては、ポリリン酸のアルカリ金属(前記に同じ)塩およびリン酸系分散剤(リン酸、モノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステル等)等が挙げられる。
(E4)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、上記(E1)〜(E3)等の分散性および硬化物の可撓性の観点から好ましくは0.05〜3%である。
【0073】
消泡剤(E5)としては、低級アルコール(C1〜6)(メタノール、ブタノール等)、高級アルコール(C8〜18)(オクチルアルコール、ヘキサデシルアルコール等)、高級脂肪酸(C10〜20)(オレイン酸、ステアリン酸等)、高級脂肪酸エステル(C11〜30)(グリセリンモノラウレート等)、リン酸エステル(トリブチルホスフェート等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)、ポリエーテル[PEG(Mn200〜10,000)、PPG(Mn200〜10,000)等]、シリコーン(ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等)および鉱物油系(シリカ粉末を鉱物油に分散させたもの)等が挙げられる。
(E5)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、硬化物の製造時の消泡性および硬化物の光透過性の観点から好ましくは0.01〜2%である。
【0074】
レベリング剤(E6)としては、PEG型非イオン界面活性剤(ノニルフェノールEO1〜40モル付加物、ステアリン酸EO1〜40モル付加物等)、多価アルコール型非イオン界面活性剤(ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等)、フッ素含有界面活性剤(パーフルオロアルキルEO1〜50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等)、変性シリコーンオイル[上記(E5)以外のもの、例えばポリエーテル変性シリコーンオイルおよび(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル]等が挙げられる。
(E6)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、組成物塗工時のレベリング性および硬化物の光透過性の観点から好ましくは0.1〜2%である。
【0075】
シランカップリング剤(E7)としては、アミノ基含有シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノフロピルトリメトキシシラン等)、ウレイド基含有シランカップリング剤(ウレイドプロピルトリエトキシシラン等)、ビニル基含有シランカップリング剤[ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等]、(メタ)アクリレート基含有シランカップリング剤[γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等]、エポキシ基含有シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、イソシアネート基含有シランカップリング剤(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等)、ポリマー型シランカップリング剤(ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等)、カチオン型シランカップリング剤[N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等]等が挙げられる。
(E7)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、硬化物の基材への密着性および光透過性の観点から好ましくは0.5〜3%である。
【0076】
チクソトロピー性付与剤(増粘剤)(E8)としては、無機チクソトロピー性付与剤[ベントナイト、有機処理ベントナイト(表面ワックスコーティング処理ベントナイト等)および極微細表面処理炭酸カルシウム(コロイダル炭酸カルシウム等)等]および有機チクソトロピー性付与剤(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)が挙げられる。
(E8)の使用量は本発明の組成物の全重量に基づいて、通常10%以下、上記(E1)〜(E3)等の分散性および硬化物の可撓性の観点から好ましくは0.5〜5%である。
【0077】
スリップ剤(E9)としては、高級脂肪酸エステル(C11〜30、例えばステアリン酸ブチル)、高級脂肪酸(C10〜20、例えばオレイン酸、ステアリン酸)アミド(エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等)、金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等)、ワックス[パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等)等]およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルおよびフルオロシリコーンオイル)等が挙げられる。
(E9)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常5%以下、微粒子等の組成物成分の耐ブロッキング性および硬化物の光透過性の観点から好ましくは0.01〜2%である。
【0078】
酸化防止剤(E10)としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル〕およびアミン化合物(n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミノメチルメタクリレート等)が挙げられる。
(E10)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、酸化防止効果および低着色性の観点から好ましくは0.005〜2%である。
【0079】
紫外線吸収剤(E11)としては、ベンゾトリアゾール化合物[2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]、トリアジン化合物〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール〕、ベンゾフェノン(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等)、シュウ酸アニリド化合物(2−エトキシ−2’−エチルオキサリック酸ビスアニリド等)が挙げられる。
(E11)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常3%以下、耐侯性および光透過性の観点から好ましくは0.005〜2%である。
【0080】
帯電防止剤(E12)としては、カチオン性帯電防止剤(E121)、アニオン性帯電防止剤(E122)および非イオン性帯電防止剤(E123)が挙げられる。
【0081】
(E121)としては、前記(C)および(C’)を除くアミジニウム塩、グアニジニウム塩および4級アンモニウム塩等が挙げられる。該塩を構成するアニオンとしては、メチル−およびエチル炭酸アニオンが挙げられる。
(E121)のうち低着色性の観点から好ましいのはアミジニウムアルキル(C1〜3)炭酸塩とグアニジウムアルキル(C1〜3)炭酸塩、さらに好ましいのはイミダゾリニウムメチル炭酸塩とイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウムメチル炭酸塩である。
【0082】
(E122)としては、スルホン酸(ポリエチレンスルホン酸、ラウリルスルホン酸等)塩、硫酸エステル(ラウリルアルコール硫酸エステル、ラウリルアルコールEO3モル付加物硫酸エステル等)塩、リン酸エステル(オクチルアルコールリン酸エステル、ラウリルアルコールEO3モル付加物リン酸エステル等)塩等が挙げられる。該塩を構成するカチオンとしてはアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)イオンが挙げられる。
(E122)のうち帯電防止性の観点から好ましいのはスルホン酸塩である。
【0083】
(E123)としては、高級アルコール(C8〜24、例えばオレイルアルコール、ラウリルアルコールおよびステアリルアルコール)のEO付加物、PEG脂肪酸エステル、多価アルコール(C2〜20、例えばGR、PE、SOおよびソルビタン等)脂肪酸エステル等が挙げられ、帯電防止性の観点から好ましいのは、多価アルコール脂肪酸エステルである。
【0084】
(E12)の使用量は、本発明の組成物の全重量に基づいて、通常30%以下、硬化物の帯電防止性および光透過性の観点から好ましくは10〜25%である。
【0085】
上記(E1)〜(E12)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
【0086】
本発明の組成物は、塗工の際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈した組成物とすることができる。
溶剤の使用量は、該組成物の全重量に基づいて通常2,000%以下、ハンドリング性(作業性)および硬化物の表面硬度の観点から好ましくは10〜500%である。また、該希釈組成物の粘度は、使用時の温度(通常5〜60℃)で、通常5〜500,000mPa・s、安定塗工の観点から好ましくは10〜10,000mPa・sである。
【0087】
該溶剤としては、本発明の組成物中の樹脂分を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素(C7〜10、例えばトルエン、キシレンおよびエチルベンゼン)、エステルまたはエーテルエステル(C4〜10、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメトキシブチルアセテート)、エーテル[C4〜10、例えばジエチルエーテル、THF、EGのモノエチル−およびモノブチルエーテル、PGのモノメチルエーテルおよびDEGのモノエチルエーテル]、ケトン(C3〜10、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンおよびシクロヘキサノン)、アルコール(C1〜10、例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール、n−、i−、sec−およびt−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールおよびベンジルアルコール)、アミド(C3〜6、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド(C2〜4、例えばジメチルスルホキシド)、水、およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
これらの溶剤のうち、乾燥工程時間の観点から好ましいのは、ケトンおよびアルコール、さらに好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、i−プロパノールおよびこれらの混合物である。
【0088】
本発明の組成物は、必要により溶剤で希釈して、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、必要により乾燥させた後、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)を照射して硬化させることにより基材の少なくとも片面の少なくとも一部に硬化物(膜)を有する被覆物を得ることができる。
該塗工に際しては、通常用いられる装置、例えば塗工機[バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレスロールコーター、ゲートロールコーター等)、エアナイフコーター、スピンコーター、ブレードコーター等]が使用できる。塗工膜厚は、硬化乾燥後の膜厚として、通常0.5〜300μm、乾燥性、硬化性の観点から好ましい上限は250μm、耐摩耗性、耐溶剤性、耐汚染性の観点から好ましい下限は1μmである。
【0089】
本発明の組成物を溶剤で希釈して使用する場合は、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥方法としては、例えば熱風乾燥(ドライヤー等)が挙げられる。乾燥温度は、通常10〜200℃、塗膜の平滑性および外観の観点から好ましい上限は150℃、乾燥速度の観点から好ましい下限は30℃である。
【0090】
本発明の組成物を紫外線照射で硬化させるに際しては、公知の紫外線照射装置[例えば商品名「アイグランデージ」、アイグラフィック(株)製]を使用することができる。紫外線の照射量(mJ/cm2)は、通常10〜10,000、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は100、硬化物の可撓性の観点から好ましい上限は5,000である。
【0091】
本発明の組成物を電子線照射で硬化させるに際しては、公知の電子線照射装置[例えば商品名「エレクトロンビーム」、岩崎電気(株)製]を使用することができる。電子線の照射量(Mrad)は、通常0.5〜20、組成物の硬化性の観点から好ましい下限は1、硬化物の可撓性、並びに硬化物(膜)または基材の損傷を避けるとの観点から、好ましい上限は15である。
【0092】
本発明の組成物は、通常、活性エネルギー線(紫外線、電子線、X線等)により硬化させるが、熱重合開始剤(B2)を含有する場合は熱で硬化させることができる。熱で硬化させる場合は、通常50〜200℃、硬化性および低着色性の観点から好ましくは80〜180℃のオーブンで1分〜20時間加熱処理される。
【0093】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。以下において、特に指定しない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。
【0094】
合成例1
ポリアクリル酸[商品名「ポリアクリル酸5,000」、和光純薬工業(株)製、Mn5,000」39.2部と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩(合成方法は特開2001−316372号公報記載の方法に従った。以下同じ。)96.5部を混合するし、脱炭酸反応を行うことによってポリ(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)アクリル酸塩(A−1)100部を得た。
【0095】
合成例2
冷却管、撹拌装置および窒素導入管を備えた反応容器に、1,4−BD21.9部、5−スルホイソフタル酸58.3部、縮合反応触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド1.5部を仕込み、150℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら3時間反応させた。次いで180℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、水を留去しながら10時間反応させ、両末端水酸基、水酸基価36.0()のポリエステルを得た。放冷後、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩42.7部を添加、混合することによって(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)ポリエステル(A−2)100部を得た。
【0096】
合成例3
冷却管、撹拌装置、温度計を備えた反応容器に5−スルホイソフタル酸のEO2モル付加物52.7部、IPDI31.5部、およびビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)溶液(2−エチルヘキサン酸50%溶液)0.1部を配合し、80℃で6時間反応させた。放冷後、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩27.7部を混合、脱炭酸することによって(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)ポリウレタン(A−3)100部を得た。
【0097】
合成例4
モノ(アクリロイルオキシエチル)フタレート[商品名「アロニックス M−5400」、東亜合成(株)製]と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を等モルで混合することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノ(アクリロイルオキシエチル)フタレート塩(C−1)を得た。
【0098】
合成例5
モノ(メタアクリロイルオキシエチル)リン酸エステル[商品名「ライトエステルP−1M」共栄社化学(株)製]と1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩を等モルで混合することによって1−エチル−3−メチルイミダゾリウムモノ(メタクリロイルオキシエチル)リン酸エステル塩(C−2)を得た。
【0099】
実施例1〜10、比較例1〜3
表1の配合組成に従ってディスパーザーで混合撹拌し、実施例1〜10、比較例1〜3のコーティング用組成物を得た。下記の被覆物作成法に従い、該組成物をフィルム基材に塗布して、被覆物を作成した。表中の配合成分は下記の通りである。なお、実施例、比較例ではいずれも成分を一括配合し均一混合して組成物を作成した。
【0100】
【表1】

【0101】
TMPT :TMPのトリメタアクリレート[商品名「TMPT」、新中村化学工業(
株)製、平均官能基数3.1]
DA−600:DPEポリアクリレート[商品名「ネオマーDA−600」、三洋化成工
業(株)製、平均官能基数5.5]
UA−306H:PEトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートのウレタンア
クリレート[商品名「UA―306H」、共栄社化学(株)製、平均官能
基数6]
DCPA :トリシクロデカンジメタノールジアクリレート[商品名「ライトアクリレ
ートDCP−A」、共栄社化学(株)製]
EMI・BF4:1−エチル−3−メチルイミダゾリウム4フッ化ホウ素酸塩[試薬、和
光純薬工業(株)製]
BB :ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド[商品名「カチオンBB」、
日本油脂(株)製]
TFSILi:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[試薬、和光純薬
工業(株)製]
I184 :1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア1
84」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
TPO :2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド[商品
名「ルシリンTPO」、BASFジャパン(株)製]
アエロジル :シリカ微粒子[商品名「アエロジル200」、日本アエロジル(株)製、
体積平均粒径0.012μm]
BYK−333:ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン[商品名「Disperby
k−333、ビックケミージャパン(株)製]
【0102】
<被覆物作成法>
表1の組成物をメチルエチルケトンで希釈し、不揮発分30%に調整する。厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」、東洋紡績(株)製]基材の片面にバーコーターを用い、乾燥硬化後の膜厚が5μmになるように塗布し、60℃で3分間乾燥させた後、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を300mJ/cm2照射し、基材フィルム表面に硬化膜を有する被覆物を作成した。該被覆物について下記の方法で性能評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0103】
<性能評価方法>
(1)透明性(ヘイズ)
JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard−dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定する。単位は%。
(2)耐擦傷性
スチールウール#0000を用い、250g/cm2荷重にて、被覆物の塗膜表面を30往復擦傷後、外観を目視により下記の基準で評価する。

○ 全く擦り傷が付かない。
△ 擦り傷が数本程度認められる。
× 多数の擦り傷が認められ、表面が白化する。
(3)鉛筆硬度
JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定する。
(4)帯電防止性[ASTM D257(1984年制定)に準拠]
(4−1)表面抵抗
被覆物から切り出した試験片(100×100mm)を23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置後、デジタル超絶縁計[DSM−8103、東亜電波工業(株)製、以下同じ。]により同条件の雰囲気下で測定する。単位はΩ。(4−2)水洗後の表面抵抗
(4−1)と同様の試験片を、25℃のイオン交換水1,000ml中に浸漬し、24時間静置する。ついで試験片を取り出し25℃のイオン交換水100ml×3回の流水で塗膜表面を洗い流した後、循風乾燥機内80℃で3時間乾燥する。該水洗−乾燥の操作を3回繰り返した後、試験片を23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置後、超絶縁計により同条件の雰囲気下で測定する。単位はΩ。
【0104】
実施例11〜13、比較例4〜5
表2の配合組成に従ってディスパーザーで混合撹拌し、実施例11〜13、比較例4〜5の成形用組成物を得た。下記の成形物作成法に従い、該組成物を成形した。表中の配合成分は下記の通りである。なお、実施例、比較例ではいずれも成分を一括配合し均一混合して組成物を作成した。

ML−200:ラウリルリン酸[商品名「フォスファノールML−200」、東邦化学工業(株)製]
【0105】
<成形物作成法>
表面を離型剤処理したガラス板(11cm×11cm)の端に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切る。その正方形内に表2の組成物を注型した後、同様のガラス板を載せる。紫外線照射装置により、紫外線を1,000mJ/cm2照射後、ガラス板から離型し、成形物を得た。該成形物について下記の方法で性能評価を行った。結果を表2に示す。
【0106】
【表2】

【0107】
<性能評価方法>
(1) 透明性(透過率)
JIS−K7361−1に準拠し、全光線透過率測定装置を用いて全光線透過率を測定する。単位は%。
(2)圧縮弾性率
ビッカース硬度計[フィシャー硬度計:フィシャー(株)製]にて、100mN荷重で、圧縮弾性率を測定する。単位はMPa。
(3)帯電防止性[ASTM D257(1984年制定)に準拠]
(3−1)表面抵抗、水洗後の表面抵抗
前記(4)と同様の方法で表面抵抗、水洗後の表面抵抗を測定する。
(3−2)体積抵抗
成形物を23℃、湿度50%RHの条件で24時間静置後、デジタル超絶縁計により体積抵抗を測定する。単位はΩ・cm。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物を基材に塗布し硬化させてなる硬化膜は、帯電防止性の持続性、耐擦傷性、透明性等に優れるため、特にプラスチック光学部品、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル等、表面硬度、およびほこりの付着防止が必要とされる分野に幅広く好適に使用することができ、極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のオニウムカチオン基(a)と、対アニオン基を有するポリマー(b)からなるポリマー型イオン性液体(A)および(メタ)アクリレート(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物。
【請求項2】
ポリマー(b)が、付加重合物、重縮合物および重付加物からなる群から選ばれるポリマーである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
さらに、エチレン性不飽和結合を有するイオン性液体(C)を含有させてなる請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
(A)と(B)の重量比が、5/95〜80/20である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
【請求項5】
さらに、重合開始剤(D)を含有させてなる請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
【請求項6】
さらに、(A)および(C)以外のイオン性液体を含有させてなる請求項1〜5のいずれか記載の組成物。
【請求項7】
さらに、充填剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤、スリップ剤、酸化防止剤および紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を含有させてなる請求項1〜6のいずれか記載の組成物
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか記載の組成物を、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し、硬化させてなる硬化膜。
【請求項9】
請求項8記載の硬化膜を、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に有する被覆物。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか記載の組成物を、基材の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布し活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする被覆物の製造方法。

【公開番号】特開2009−179727(P2009−179727A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20388(P2008−20388)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】