説明

活性剤組成物

有効平均粒子径が2000nm未満である活性剤粒子、及び粒子封鎖剤を含む活性剤組成物である。さらに、有効平均粒子径は2000nm未満であり、界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせを添加物として含まない組成物を開示する。ある態様において、前記活性剤はフェノフィブラートである。他の態様において、フェノフィブラート組成物はトリコール(登録商標)145mg又は48mgと生物的に等価である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年6月26日に出願された米国仮出願第60/805,823号の優先権を主張し、同出願は参照としてここでその全体が組み入られる。
【0002】
本発明は、活性剤の剤形、その作成方法、および使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
生体利用効率とは、活性剤が生体系に吸収され、あるいは生理学的活動のために利用可能となる量および/または割合をいう。薬剤の剤形、並びに活性剤及び/又は薬剤の剤形のさまざまな特性(活性剤の溶解率などを含む)など多くの要素が生体利用効率に影響を及ぼす。生体利用効率の低さは、製薬組成物の開発において直面される重大な課題であり、特に、製薬組成物に含まれる活性剤の水溶性が低い場合はこの問題が顕著である。水溶性が低い活性剤は、循環器系に吸収される前に胃腸管から除去されてしまう可能性がある。粒子状活性剤の溶解率は表面面積の増加、すなわち、粒子径の減少に伴って増大することが知られている。
【0004】
フェノフィブラートは、水溶性の低い薬剤活性剤の例である。フェノフィブラート、2−[4(4−)クロロベンゾイルフェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、1−メチルエチルエステルは成人における内因性の脂質異常症、高コレステロール症、高トリグリセリド症の治療に用いられる。フェノフィブラートは、米国特許4058552号に記載された方法で用意される。フェノフィブラートの活性代謝体である、フェノフィブリン酸は、治療対象の患者内において、全コレステロール、LDLコレステロール、アポリポタンパク質B、全トリグリセリド、高トリグリセリドリポタンパク質(VLDL)を減少させる。同時に、フェノフィブラートによる治療は、高密度リポタンパク質(HDL)、アポタンパク アポAIおよびアポAIIを増大させる。1日あたり300mgから400mgのフェノフィブラートを用いた長期治療によって、全コレステロールを20%から25%減少させることができ、全トリグリセリドを40%から50%減少させることができる。
【0005】
フェノフィブラートの水溶性は低いため、胃腸(GI)経路における吸収率には限界がある。研究者は、この問題を解決するために、例えば微粉化したフェノフィブラート生成物、フェノフィブラートとビタミンEとの組み合わせ、溶解剤としてのジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME)およびフェノフィブラートと1以上のポリグリコールグリセリドとの組み合わせなどの多数の組み合わせを用いた。別の方法では、ナノ粒子状のフェノフィブラートを用いた。ナノ粒子状のフェノフィブラートであるトリコール(登録商標、アボット社により販売。)145mgおよび48mgの薬物動態パラメータは、被験者の栄養状態又は絶食状態に大きく影響を及ぼすものでないとの報告がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、フェノフィブラート組成物の改善の必要性を主張し、特に、現在市販されている薬剤剤形と生物的に等価な組成物からなる治療剤形について説明する。
【0007】
1つの実施態様では、フェノフィブラート組成物は、有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子を含み、この組成物は粒子封鎖剤を含む。
【0008】
他の実施態様では、フェノフィブラート組成物は、有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子を含み、その組成物は粒子の封鎖剤を含み、かつ前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞ に対する非絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxに対する非絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である。
【0009】
さらに別の実施態様においては、フェノフィブラート組成物は、有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子を含み、その組成物は粒子の封鎖剤を含み、前記AUC0−∞と前記Cmaxにおいて、非絶食下で測定した時と、絶食下で測定した時との差は、25%未満である。
【0010】
さらに他の実施態様におけるフェノフィブラート組成物は、有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子含み、その組成物は粒子の封鎖剤を含み、かつ前記AUC0−tは、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において144652 hr・ng/mlであり、かつ前記AUC0−INFは、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において167445hr・ng/mlであり、さらに前記Cmaxは、の80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において10485ng/mlである。
【0011】
1つの態様では、フェノフィブラート組成物は、有効的平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子含み、その組成物は界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせは添加されておらず、前記組成物は、参照薬における対数変換幾何平均AUC0−∞に対する前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率が約0.80から1.25を示し、参照薬における対数変換幾何平均Cmaxに対する前記組成の対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25であり、前記参照薬は、参照製薬番号NDA#021656である。
【0012】
1つの態様では、フェノフィブラート組成物は、有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子含み、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせは添加されておらず、その組成物は粒子の封鎖剤を含み、さらに、前記組成物の絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞に対する非絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25であり、前記組成物の絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxに対する非絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である。
【0013】
さらに別の態様においては、フェノフィブラート組成物は、有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子含み、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはそれらの組み合わせは添加されておらず、かつ前記組成の前記AUC0−∞及び前記Cmaxを非絶食状態と比較して絶食状態で測定したときの差は、25%未満である。
【0014】
他の態様では、フェノフィブラート組成物は、有効的平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子含み、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはそれらの組み合わせは添加されておらず、さらに、前記AUC0−tは、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において144652hr・ng/mlであり、かつ前記AUC0−∞,は、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において167445hr・ng/mlであり、さらに前記Cmaxは、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において10485ng/mlである。
【0015】
他の実施態様においては、活性剤組成は有効平均粒径が2000nm未満である粒子からなっており、活性剤ナノ粒子と粒子封鎖剤が不活性コア粒子上に配置されており、前記粒子封鎖剤は水溶性の(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性の(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である。
【0016】
他の実施態様では、フェノフィブラート組成物は、有効的平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ微粒子含み、活性剤ナノ粒子と粒子封鎖剤が不活性コア粒子上に配置されており、かつ 前記組成に界面活性剤、リン脂質は添加されておらず、前記活性剤組成は生物的媒体内で再度分散する。
【0017】
他の実施態様においては、活性剤組成は有効平均粒径が2000nm未満である粒子を含み、活性剤ナノ粒子と粒子封鎖剤が不活性コア粒子上に配置されており、前記粒子封鎖剤は水溶性の(メタ)アクリレート・ユニットと酸溶解性の(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体であり、前記組成は、絶食状態と非絶食状態との両条件で生物的に等価であり、さらに、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞に対する非絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxに対する非絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である。
【0018】
他の実施態様であって、活性剤の生体利用効率を改善する方法は、活性剤を投与することであって、前記活性剤は、平均有効粒子径が2000nm未満である活性剤ナノ粒子含み、前記活性剤ナノ粒子と粒子封鎖剤が不活性コア粒子上に配置されており、前記組成は界面活性剤、リン脂質は添加されておらず、前記活性剤組成は生物的媒体において再度分散する。
【0019】
これらの実施態様、態様における本発明の特徴、利点は、以下の図面、詳細な説明、実施例によって例示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の一例を示すグラフである。
【図2】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図3】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図4】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図5】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図6】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図7】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図8】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図9】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図10】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図11】個々の被験者におけるプラズマ濃度対時間の他の例を示すグラフである。
【図12】トリコール(登録商標)と比較した11人の患者における線形平均プラズマ濃度対時間を示すグラフである。
【図13】フェノフィブラート錠剤を製造する方法を示すフローチャートである。
【図14】フェノフィブラートを粉砕直後の初期時でのフェノフィブラート懸濁液の粒子径分布を示すグラフである。
【図15】室温で保温3日経過後のフェノフィブラート懸濁液の粒子径分布を示すグラフである。
【図16】室温で保温7日経過後フェノフィブラート懸濁液の粒子径分布を示すグラフである。
【図17】室温で保温12日経過後フェノフィブラート懸濁液の粒子径分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで開示された内容は新たなフェノフィブラート薬剤の組成およびその処方についてであり、他の実質的に非水溶的な活性剤においても適用できる方法である。この経口剤形はナノ粒子活性剤に基づいている。いくつかの実施態様では、ナノ粒子活性剤は投与後に活性剤の再分散を促進する封鎖剤との組み合わせから成る。この実施態様にあっては、処方薬は、市販のナノ粒子フェノフィブラート錠剤と生物的に等価である、フェノフィブラートないしフェノフィブリン酸の薬剤である。
【0022】
「活性剤」とは、単体で、若しくは別の組成物、要素、又は混合物との組み合わせによって、直接的又は間接的に患者に生理的な影響をあたえる組成物、要素、又は混合物である。間接的な生理的影響は、代謝体又は別の間接的な機構を介して起こり得る。ここで活性剤の組成物として、塩、自由組成物又は塩の溶媒和物(水和物を含む)、結晶形体、非結晶形体、および組成物の多形体が考えられる。組成物は、立体中心や立体軸等の一つ以上の不斉素子(例えば、不斉炭素原子)を有することによって異なる立体異性体として存在し得る。これらの組成物は、例えばラセミ化合物又は光学活性形体であってもよい。さらに加えて、二つ以上の不斉素子を有す化合物に関しては、これらの化合物がジアステレオマーの混合物であってもよい。不斉中心を有す化合物に関しては、全ての光学異性体の純物質及び混合物を網羅する。さらに、化合物の全ての異性体において、炭素―炭素間の二重結合はZ−及びE−形式として生じることができる。これらの状況において、単一の鏡像体(光学活性形体)は、不斉合成、光学的に純粋な前駆体からの合成、又はラセミ化合物の溶解によって得ることができる。ラセミ化合物の溶解は、例えば、溶解剤を用いた結晶化や、キラルHPLCカラムを用いたクロマトグラフィーなどの従来の方法によって達成できる。ここでは、化合物の全ての形体がそれらの生成方法に拘らず考慮される。
【0023】
一実施態様においては、活性剤は、実質的に非水溶性であって、フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、メタキサロン、アセチルジゴキシン、アシクロビル誘導体、アルベンダゾール、アルベンダゾール スルホキシド、アルファキサロン、アルプラゾラム、アルプロスタジル、アルトレタミン、アミロリド、アミオダロン、アミノホスチン、ベシル酸アムロジピン、アニパミル、抗トロンビンIII、アプレピタント、硫酸アタザナビル、アテノロール、アセチルサリチラート、アトルバスタチンカルシウム、アジスロマイシン、アジドチミジン、アトバクオン、ベキサロテン、べクロブレート、ベクロメタゾン、ベロミンシン、ベンザフィブラート、ベンゾカインの誘導体、ベータカロチン、ベータエンドルフィン、ベータインターフェロン、ベザフィブラート、ビカルタミド、ビノバム、ビペリデン、ボセンタン、ブリモニジン、ブロマゼパム、ブロモクリプチン、ブシンドロール、ブフロメジル、ブピバカイン、ブスルファン、アムポセチン、ベンズトロピンメシレート、ブプロピオン、カドララジン、カンプトテシン、カンデサルタン、カンタキサンチン、カプトプリル、カルバマゼピン、カルボプロスト、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セファゼドン、セフジニル、セフィロロキシム、セフィネノキシム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォキシチン、セフスロジン、セフチゾキシム、クロランブシル、クロマリセリン酸、シクロニカート、シグリタゾン、シロスタゾール、シプロフロクサシン、シタロプラム、クラリスロマイシン、クロニジン、二硫酸クロピドグレル、塩酸コレセベラム、コルテキソロン、コルチコステロン、コルチゾール、コーチゾン、シクロスポリンAとその他シクロスポリン、シクロフォスファミド、シタラビン、カベルゴリン、セリバスタチン、クロルプロマジン、シサプリド、Yクロベンザプリン、シプロヘプタジン、セフタジジム、セフロキシム、デュロキセチン、デソクリプチン、デソゲストレル、酢酸などのデキサメタゾンエステル、デゾシン、ジアゼパム、ジクロフェナク、ジデオキシアデノシン、ディディオクシイノシン、ジギトキシン、ジゴキシン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジルチザム、ドーパミン拮抗剤、ドキソルビシン、デラビルジン、デスモプレシン、ジピリダモール、ドラセトロン、ダカルバジン、エコナゾール、エンドララジン、エンケファリン、エナラプリル、エポプロステノール、エストラジオール、エストラムスチン、エトフィブレート、エトポシド、マレイン酸エナラプリル、エナラプリラート、第IX因子、第VIII因子、フェルバメート、フェンベンダゾール、塩酸化フェキソフェナジン、フィナステライド、フルナリジン、フルルビプロフェン、5−フルオロウウラシル、フルラゼパム、ホスホマイシン、フォスミドミシン、フロセミド、ファモチジン、フェロジピン、フラゾリドン、フルコナゾール、ガロパミル、ガンマインターフェロン、ガンシクロビル、ゲンタマイシン、ゲペフリン、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリブライド、グリセオフルビン、ハプトグロブリン、B型肝炎ワクチン、ヒドララジン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、イブプロフェン、イブプロキサム、インディナビル、インドメタシン、イオダミド などのヨウ化芳香族X線造影剤、臭化イプラトロピウム、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン、K−ストロファンチン、イルベサルタン、ラモトリジン、ラタノプロスト、ラベタロール、乳酸菌ワクチン、レトロゾール、リドカイン、イドフラジン、リスリド、マレイン酸水素リスリド、ロピナビル、ロラゼパム、ロバスタチン、ランソプラゾール、ロラタジン、ロキサピン、メフロキン、メフェナム酸、メロキシカム、メルファラン、メマンチン、メルカプトプリン、メスレルジン、メテルゴリン、メトトレキサート、メチルジゴキシン、メチルプレドニゾロン、メトロニダゾール、メチソプレノール、メチプラノロール、メトケファミド、メトラゾン、メトプロロール、酒石酸メトプロロール、ミコナゾール、硝酸ミコナゾール、乳酸ミルリノン、ミノキシジル、ミソニダゾール、ミルタザピン、モルシドミン、メベンダゾール、ミノサイクリン、ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ナドロール、ナフィベリン、ナファザトロム、ナプロキセン、ナテグリニド、自然インスリン、ナベルビン、ネサピジル、ニカルジピン、ニコランジル、ニフェジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニトラゼパム、ニトレンジピン、ニトロカモプトテン、9ーニトロカモプトテシン、メシル酸ネルフィナビル、ノルフィオキサシン、オランザピン、オルメサルタン、オキサゼパム、オクスプレノロール、オキシテトラサイクリン、オメプラゾール、パクリタキセル、ペンクロメジン、ピオグリタゾン、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンOなどのペニシリン、フェニルブタゾン、ピコタミド、ピンドロール、ピポサルファン、ピレタニド、ピリベジル、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラスミノーゲン活性化因子、プレドニソロンプレグネノロン、プロカルバシン、プロカテロール、プロゲステロン、プログアニル、プロインシュリン、プロパフェノン、プロパノロール、プロペントフィリン、プロポフォール、プロプラノロール、ペンシクロビル、ピモジド、クアゼパム、リファブチン、リファペンチン、リルゾール、リスペリドン、リトナビル、ロフェコキシブ、ロシグリタゾン、ラロキシフェン、リファムピン、リスペリドン、リザトリプタン、サクイナビル、シルデナフィル、アセチル−スルフィソキサゾール半合成インサリン、セルトラリン、シンバスタチン、シロリムス、ソブレロール、ソマストチンおよびその誘導体、ソマトロピン、スチラミン、塩酸サルフィナロール、スルフィピラゾン、スロクチジル、スプロフェン、スルプロストン、合成インサリン、タクロリムス、タモキシフェン、タモキシフェン、塩酸タムスロシン、タリノロール、タキソール、タキソテール、テマゼパム、テニポシド、塩酸テルビナフィン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ウンデカン酸テストステロン、ヨウ化水素酸テトラカイン、サリドマイド、チアベンダゾール、チオグアニン、塩酸チアラミド、トルメチン、トランドラプリル、トラニラスト、トリアムテレン、トリメトレキサート、トリキュラー、トログリタゾン、塩酸トロマンタジン、トロバフロキサシン、ウロキナーゼ、バルデコキシブ、ベイリウム、バルプロ酸とバルプロエックス、ベラパミル、ビダラビンとビダラビンリン酸ナトリウム、硫酸ビンブラスチン、ビンブリン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンポセチン、ビタミンAとその誘導体(レチノイン酸、イソトレチノインなど)、ビタミンEコハク酸、X線造影剤、ザフィルルカスト、ザレプロン、ゾルピデム、および前述のいずれかを含む組み合わせからなる組成物である。
【0024】
一実施態様における活性剤は、特にフェノフィブラート(例えば、フェノフィブリン酸の1−メチルエチル−エステル)である。フェノフィブラートは体内でその活性代謝産物であるフェノフィブリン酸に代謝される。よって、フェノフィブラートを経口投与した後にフェノフィブリン酸がプラズマ状態で見いだされる。別の態様では、活性剤は特にフェノフィブリン酸である。
【0025】
「実質的に非水溶性である」又は「溶解性が低い」活性剤とは、水中溶解性が1mg/ml未満の活性剤を指す。
【0026】
「有効性」とは、投与された患者に治癒効果を起こす活性剤の能力のことである。
【0027】
「安全性」とは、患者に関わる要因(例えば、年齢、性別、民族、人種、対象疾患、腎異常又は肝異常、合併疾患、代謝状態等の遺伝的特徴、若しくは環境)及び活性剤に関する要因(投与量、プラズマ度、服用期間、又は併用薬)による悪影響を含む、活性剤の投与に伴う悪影響又はその度合いを指す。
【0028】
「薬剤剤形」とは、活性剤の単一の投与剤形を示す。薬剤剤形は例えば、錠剤、カプセル、注射、懸濁液、液体、乳液、クリーム、軟膏、座薬、吸入可能形式、経皮剤等を含む。「治療剤形」とは、現在におけるフェノフィブラートの市販の経口薬剤と生物的に等価であるフェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の剤形を指す。一実施態様において、「治療剤形」はアボットラボラトリにより現在市販中のトリコール(登録商標)と生物的に等価な剤形を指す。
【0029】
「生体利用効率」とは、活性剤が、生体系に吸収される又は生理的活動部位において利用可能となる比率又は割合を指す。血流内に吸収されることが目的である活性剤において、ある剤形の生体利用効率データは、投与剤形の体循環に吸収される相対的な比率の推定値を提供する。「生体利用効率」を一つ以上の薬物動態パラメータによって特徴付けることができる。
【0030】
「薬物動態パラメータ」は、プラズマ濃度(C)、Cmax、C、C24、Tmax及びAUC等の活性剤(又は、活性剤の代理マーカー)の生体内における時間的特徴を表す。ここで、「Cmax」は、極大濃度におけるプラズマ状態の活性剤の測定濃度である。「C」は、投与から約n時間後のプラズマ状態の活性剤の測定濃度である。「C24」は、投与から約24時間後のプラズマ状態の活性剤の測定濃度である。記号「Tmax」は、投与後において、プラズマ状態の活性剤の測定濃度が最も高い値を示したときの経過時間を指す。「AUC」は、ある時間から別の時間までに測定された、活性剤の測定濃度(通常はプラズマ濃度)対時間グラフの曲線下の面積である。例えば、「AUC0−t」は、プラズマ濃度対時間の曲線下の時間0から時間tまでの面積である。「AUC0−∞」又は、「AUC0−INF」は、プラズマ濃度対時間の曲線下の時間0から無限時間まで計算された面積である。
【0031】
食物とは、通常十分な容量と脂肪量を有す固形食物であり、胃の内部で迅速に溶解又は吸収されないものである。一実施態様において、「食物」とは朝食、昼食、又は夕食などの食事である。FDAのガイドラインおよび基準に記載されているように、用語、「食物と一緒に摂取する」、「食物と共に」及び「非絶食の状態で」は同義である。一実施態様において、「食物と一緒に」とは、食前約30分から食後約2時間の間に剤形が患者に投与されたことを意味する。別の実施態様において、「食物と一緒に」とは、食事の摂取とほぼ同時間に薬剤が投与されたことを意味する。
【0032】
FDAのガイドラインおよび基準に記載されているように、用語、「食物なしに」、「胃を空にした状態で」及び「絶食した状態で」は同義である。一実施態様において、「絶食した状態で」とは、対象の摂取時間の少なくとも約1時間前から少なくとも約2時間後までの間には固形食物を摂らない状態を意味する。別の実施態様において、「絶食した状態で」とは、対象の摂取時間の少なくとも約1時間前から少なくとも約2時間後までの間には固形食物を摂らない状態を意味する。
【0033】
生物的等価性の特定及び生物学実験において、「絶食中の患者」とは、活性剤の剤形の投与前から少なくとも10時間前から食物を摂らず(絶食し)、剤形の投与後少なくとも4時間は食物を摂らずに継続的に絶食した患者を意味する。剤形は絶食中に240mlの水と共に投与される。2時間経過後から、必要に応じて飲水してもよいとする。
【0034】
生物的等価性の特定及び生物学実験において、「非絶食中の患者」とは、少なくとも10時間にわたり一晩絶食をし、その後最初の摂取時から30分内にテスト食事全てを摂る患者を意味する。剤形は食事の最初の摂取時から30分内に240mlの水と共に投与される。そして、投与から少なくとも4時間は食物を禁止する。2時間経過後から、必要に応じて飲水してもよいとする。高脂肪のテスト食事は、約1000カロリーを患者に提供し、そのカロリー内容の50%は脂肪に由来するものである。代表的な高脂肪高カロリーテスト食は、バターで炒めた卵2個、ベーコン2枚、バタートースト2枚、4オンスのハッシュポテト、及び8オンスの牛乳からなる食事により、たんぱく質によるカロリー150、炭水化物によるカロリー250、および脂肪によるカロリー500から600を提供する。
【0035】
一態様において、本発明は市販のナノ粒子性錠剤と生物的等価であるフェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の経口投薬剤に関する。トリコール(登録商標)145および 48はNDA#021656により11月5日2004年にFDAによって認可された。認可されたトリコール(登録商標)145および48の処方情報によれば、「CmaxおよびAUCにより測定されたプラズマ状態のフェノフィブリン酸の服用は、145mgの単一のフェノフィブラートを絶食下又は非絶食下において投与される場合と実質的に変わらない。」とされている。
【0036】
U.S.FDAガイドラインによれば、2つの製品(例えば、本発明の組成物及びトリコール(登録商標)145)、又は方法(例えば、絶食下における投与対非絶食下における投与)が生物的に等価であるとは,二番目の製品又は方法の対数変換幾何平均AUC0−∞に対する一番目の製品又は方法の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率、及び二番目の製品又は方法のCmaxに対する一番目の製品又は方法のCmaxの比率が90%信頼区間(CI)において約0.80から1.25である場合のことを指す。(規制目的により、Tmaxの測定量は生物的等価性とは無関係である。)ヨーロッパのEMEAガイドラインに従って、2つの組成物又は方法が生物的に等価であることを示すためには、二番目の製品又は方法におけるAUC0−∞の対数変換幾何平均に対する一番目の製品又は方法におけるAUC0−∞の対数変換幾何平均の比率の90%信頼区間(CI)が約0.80から1.25であり、二番目の製品又は方法におけるCmaxの対数変換幾何平均に対する一番目の製品又は方法におけるCmaxの対数変換幾何平均の比率の90%信頼区間(CI)が約0.70から1.43であることが必要とされる。
【0037】
従って、一実施態様において、経口フェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の治療剤形はトリコール(登録商標)145 mg又は48 mgと生物的に等価である。別の実施態様において、経口フェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の治療剤形は参照薬剤と生物的に等価であり、ここで参照薬剤とは、ヒプロメロース、ラリウル硫酸ナトリウム、及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウムから成る表面安定剤をフェノファブラートのナノ粒子の表面に付与した145mg又は48mgのフェノフィブラート薬剤である。
【0038】
生物的等価性は、幾つかの基準によって成立させることができる。例えば、AUC0−∞及びCmaxの対数変換幾何平均値が約0.80から1.25の90%信頼区間(CI)であるなどである。従って、ある実験において、経口フェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の治療剤形と、参照剤のNDA#021656のトリコール(登録商標)145又は48とは、得られたテスト剤/参照剤のAUCinf及びCmaxの対数変換幾何平均値比率パーセント、並びにそれらの対応するCI臨界が下限80%及び上限125%の間である場合に、生物的に等価であるとされる。測定されたフェノフィブラートの薬物動態パラメータにおいて、フェノフィブラートの非水溶性は実験間で実質的なばらつきを示すことがある。従って、フェノフィブラートの治療剤形と、トリコール(登録商標)145又は48と、を直接的に比較する場合、実験毎にセットにしてフェノフィブラートの治療剤形と、トリコール(登録商標)145又は48との薬物動態パラメータを特定することが望ましい。
【0039】
一実施態様によれば、経口フェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の治療剤形、並びにトリコール(登録商標)145におけるAUC0−t,AUC0−∞,及びCmaxは実質的に同じであり、トリコール(登録商標)145のAUC0−tは、下限80%から上限125%までの信頼区間で144652hr・ng/mlと測定され、トリコール(登録商標)145のAUC0−∞は、下限80%から上限125%までの信頼区間で167445hr・ng/mlと測定され、トリコール(登録商標)145のCmaxは、下限80%から上限125%までの信頼区間で10485ng/mlと測定された。
【0040】
別の実施態様によれば、経口フェノフィブラート又はフェノフィブリン酸の治療剤形、並びにトリコール(登録商標)145におけるAUC0−t,AUC0−∞,及びCmax は実質的に同じであり、トリコール(登録商標)145のAUC0−t は、120768から156764 hr・ng/mlの間と測定され、トリコール(登録商標)145のAUC0−∞は、139040 から186493hr・ng/mlの間と測定され、トリコール(登録商標)145のCmaxは、9096から11393ng/mlの間と測定された。
【0041】
本発明が網羅する経口フェノフィブラート又はフェノフィブリン酸剤形は、トリコール(登録商標)160mgや5mg等の従来の薬剤と比較して非絶食/絶食による影響を軽減する。トリコール(登録商標)160mg又は54mgにおいては、食物と共に投与することでフェノフィブラートの吸収率が35%増加する、ことが報告されている。従って、本実施態様においては、絶食と非絶食の薬剤動態パラメータの差は35%未満であり、更には25%未満、特に10%未満であるとする。
【0042】
生物的等価性を得るために、経口組成物の有する活性剤ナノ粒子(例えばフェノフィブラートナノ粒子)の平均粒子径を、光散乱法、顕微鏡法、又は他の手法によって測定したときに、約2000nm(すなわち、2マイクロン)未満,約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満 約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、又は400nm未満であるとする。本明細書全体において、「粒子径」とは粒子の最大直径(すなわち、寸法)を指す。
【0043】
より詳細には、生物的等価性を得るために、経口組成物の有する活性剤ナノ粒子(例えばフェノフィブラートナノ粒子)の有効平均粒子径を、光散乱法、顕微鏡法、又は他の手法によって測定したときに、約2000nm(すなわち、2マイクロン)未満,約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、又は400nm未満であるとする。「有効平均粒子径が約2000nm未満である」とは、活性剤粒子(例えば、フェノフィブラート粒子)の少なくとも(質量的に)50%が平均より小さい粒子径を有することを意味する。(すなわち、上記方法において測定された粒子径が約2000nm未満、約1900nm未満、約 1800nm未満等である。)少なくとも約70%、約90%、又は約95%の粒子の粒子径が有効平均粒子径より小さいことが好ましい(すなわち、粒子径が約2000nm未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満等である。)。ナノ粒子状の活性剤のD50の値とは、粒子径がその値未満であるときに(質量的に)50%の粒子が落下する、その粒子径の値であると従来理解されている。同様に、D90は粒子径がその値未満であるときに(質量的に)90%の粒子が落下する、その粒子径の値である。ある態様において、平均直径と、平均粒子径とは代替用語として使われる。
【0044】
ナノ粒子状の活性剤は、さらに狭い粒子径の分布を有してもよい。より詳細には、(質量的に)25%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満の粒子が4マイクロメートルより大きい粒子径を有する。別の実施態様において、(質量的に)25%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満の粒子が3マイクロメートルより大きい粒子径を有する。 さらに別の実施態様において、(質量的に)25%未満、15%未満、10%未満、又は5%未満の粒子が2マイクロメートルより大きい粒子径を有する。又、別の実施態様において、(質量的に)50%未満、35%未満、20%未満、又は10%未満の粒子が1マイクロメートルより大きい粒子径を有する。又、別の実施態様において、(質量的に)50%未満、35%未満、20%未満、又は10%未満の粒子が0.5マイクロメートルより大きい粒子径を有する。
【0045】
さらに、生物的等価性及び/又は再分散性を得るために、活性剤組成物は、上記活性剤ナノ粒子と、組成物、剤形、及び治療剤形の形成における組成処理の少なくとも一環においてナノ粒子を封鎖する組成物(すなわち、封鎖剤又は粒子封鎖物)と、を含む。粒子封鎖物の使用は、幾つかの利点を有するが、その一つに非水溶性の活性剤の生物的利用性の向上を提供することがある。理論的に限定されずにある仮説によるならば、粒子封鎖物は、製剤時において、隣接するナノ粒子からナノ粒子活性剤を隔離するとされる。従って、製剤時に粒子が凝集及び/又は結晶化するのを回避することによって、剤形が溶解され、(又は他の投与方法によって)ナノ粒子(他の大きな粒子でなく)が体内に取り込まれる。さらに、粒子封鎖物は、溶解又は他の体内への投与の最中若しくは後で、水溶性の低いナノ粒子状活性剤が凝集及び又は結晶化するのを防ぐ可能性がある。
【0046】
有効的な粒子封鎖物は、疎水性の(メタ)アクリレート・ユニット及び酸溶解性の(メタ)アクリレート・ユニット両方を有するpH応答性共重合体を含むことが分かっている。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸とメタクリル酸の両方を網羅する。疎水性(メタ)アクリレート・ユニットは、25°Cの測定条件において、水100gに対し2g以下、更には1.5g以下、特には1.0g以下の溶解度を有する(メタ)アクリレートモノマーから得られる。 酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットは、例えばアミンなどの塩基性基を有するモノマーから得る。酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットは、pH5.5未満、更には4.5未満、特には4.0未満である液体媒体内において、重合体に水溶性及び/又は膨張性を与える。一実施態様において、pH応答性共重合体は、胃内で見られるように約pH3で溶解又は膨張し、pH4以上では溶解又は膨張しない。重合体の封鎖活動に実質的な悪影響を与えることのない範囲で、重合体は他のタイプのユニットを含むことができる。
【0047】
25°Cの測定条件において水100gに対し2g以下の溶解度を有する例示的な(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のヒドロカルビルエスターを含む。本明細書において、用語「ヒドロカルビル」とは、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を含む2個以下のヘテロ原子と置換又は未置換のアルキル、シクロアルキル、アルキルアリル、アリルアルキル及びアリル基を含む。モノマーの水溶性を2g/水100gを超えて増大させる置換基(例えば、ヒドロキシル基)は本組成物の考慮範囲には入っていないことを理解されたい。炭素数1〜12のヒドロカルビルエステルとしては、特に、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、2−プロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘクシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、t―ブチル(メタ)アクリレート、n―ブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸メチル、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、及びメタクリル酸プロピルを含む。モノマーとしては、特に、t−ブチル(メタ)アクリレート、メタクリル酸メチル、及びn−ブチル(メタ)アクリレートである。
【0048】
一実施態様においては、疎水性(メタ)アクリレートモノマーの組み合わせが使用されている。特に、測定温度20℃の水100gに対して1から2gの溶解度を持つ疎水性(メタ)アクリレートモノマー、及び測定温度20℃の水100gに対して1g未満の溶解度を持つ疎水性(メタ)アクリレートモノマーから成る組み合わせがある。疎水性(メタ)アクリレートモノマーの例示的な組み合わせとしては、メチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートがある。測定温度20℃の水100gに対して1から2gの溶解度を持つ疎水性(メタ)アクリレートと、測定温度20℃の水100gに対して1g未満の溶解度を持つ疎水性(メタ)アクリレートとの相対的なモル濃度比率は活性剤、薬剤の溶媒、利用可能性等によって変化するものであり、過度の実験なしに当業者によって単純に特定できるものである。一般的に、測定温度20℃の水100gに対して1から2gの溶解度を持つ疎水性(メタ)アクリレートと、測定温度20℃の水100gに対して1g未満の溶解度を持つ疎水性(メタ)アクリレートとの相対的なモル濃度比率は95:5から5:95、更には80:20から20:80、特には70:30から30:70である。
【0049】
塩基性基を有する例示的な(メタ)アクリレートモノマーは、疎水性(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能であり、20未満のpKb、更には10未満のpKb、特には5未満のpKbを持つ官能基を有する。これには、窒素を有する官能基が好ましい。第3級アミンは特に有用である。アミンは一つのアミン置換基を介して(メタ)アクリレート酸に連結し、各置換基は同じでも異なっていてもよい。置換基の例は、炭素数1〜12のヒドロカルビル基、更には未置換の炭素数1〜12のヒドロカルビル基、特には未置換の炭素数1〜12のアルキル又はシクロアルキル基を含む。
【0050】
塩基性基を有する(メタ)アクリレートモノマーの例は、2−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ピペリジニルエチル(メタ)アクリレート、及び2−(ジ−t−ブチルアミノ)エチルメチル(メタ)アクリレートを含み、更には、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、及びアクリル酸2−ジエチルアミノエチルを含む。
【0051】
疎水性(メタ)アクリレートと、塩基性基を有する(メタ)アクリレートとの相対的なモル濃度比率は活性剤、薬剤の溶媒、利用可能性等によって変化するものであり、過度の実験なしに当業者によって単純に特定できるものである一般的に、疎水性(メタ)アクリレート酸と、塩基性基を有する(メタ)アクリレート酸との相対的なモル濃度比率は95:5から5:95、更には80:20から20:80、特には70:30から50:50である。共重合体の分子量は、10,000から800,000、特には50,000から500,000であってもよい。
【0052】
ある特定の封鎖剤の例として、商品名EUDRAGIT(登録商標)E−100として知られている顆粒状のメタクリル酸ブチル−(メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル)−メタクリル酸メチル共重合体(1:2:1)がある。この共重合体の、平均分子量は150,000、20℃での粘性が3から12m・Pasであり、N20の屈折率 は1.380から1.385であり、d20の相対的濃度は0.810から0.820である。同じ重合体の粉状の封鎖剤として、商品名EUDRAGIT(登録商標)EPOが知られている。一実施態様において、粒子封鎖剤は実質的に、メタクリル酸ブチル−(メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル)−メタクリル酸メチル共重合体(1:2:1)から成り、この共重合体の平均分子量は150,000、20℃での粘性が3から12m・Pasであり、N20の屈折率 は1.380から1.385であり、d20の相対的密度は0.810から0.820である。別の実施態様において、粒子封鎖剤は、メタクリル酸ブチル−(メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル)−メタクリル酸メチル共重合体(1:2:1)であり、この共重合体の平均分子量は150,000、20℃での粘性が3から12m・Pasであり、N20の屈折率 は1.380から1.385であり、d20の相対的密度は0.810から0.820である。
【0053】
所望の生物的等価性を得るために、様々な方法によって粒子封鎖剤及びナノ粒子状の活性剤を処方できる。一実施態様においては、錠剤、カプセル、懸濁液、又は液体剤形のための従来技術を使用して粒子封鎖剤及び生物的活性剤を配合し、処理する。活性剤と、粒子封鎖剤との相対的な比率は、使用される特定の活性剤及び粒子封鎖剤、ナノ粒子のサイズ、処方における他の成分、などによって変化する。一般的に、活性剤と粒子封鎖剤の質量比率は99:1から50:50、更には95:5、特には90:10である。
【0054】
この実施形態の変形例においては、フェノフィブラートナノ粒子に界面活性剤を添加しない。別の実施態様においては、フェノフィブラート剤に界面活性剤を添加しない。ここで使用される界面活性剤は、(高分子とは対照的に)疎水性部位と親水性部位との両方を有する両親媒性組成物に限定される。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、又は非イオン性であってもよい。この実施形態の組成の範囲から特定的に除かれている界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチル・スルホコハク酸ナトリウム及び(脂肪酸から形成される脂質のクラス、リン酸塩基、窒素を有するアルコール、並びに、グリセロール骨格又はスフィンゴシン骨格等の)リン脂質である。
【0055】
別の実施態様においては、活性剤及び粒子封鎖剤は同時処理され、不活性粒子と混合される。このような組成物はフェノフィブラート顆粒と呼ばれる。従って、この態様においては、活性剤組成は平均または有効粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子、粒子封鎖剤、並びに親水性粒子から成る。活性剤及び粒子封鎖剤の組み合わせは、親水性粒子の表面を部分的又は全体的に覆う層として該粒子上に配置される。
【0056】
例示された不活性粒子は親水性であり、体内で簡単に溶解し、例えば、乳糖、マニトール、ブドウ糖及びソルビトール、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、並びに上記の不活性粒子のいずれか一つ以上を含む組み合わせ等の糖を含む。一態様において、不活性粒子の平均直径は50から500 mである。ここで、「リン酸カルシウム」とは、オルトリン酸塩(PO3−)、メタリン酸塩、又はピロリン酸塩(P4−)、若しくはオプションとして水素、ハロゲンイオン、水酸化物イオン等のカルシウムイオン(Ca2+)と共にイオンを形成する物質を含み、例えば、ニュージャージー、クランベリーのInnopos社商品A−Tab(登録商標)として知られる、リン酸三カルシウム、第2リン酸カルシウム二水和物、無水第2リン酸カルシウムを含む。
【0057】
一実施態様において、不活性粒子と配合され同時処理された活性剤及び粒子封鎖剤から成る顆粒はコーティングで覆われている。顆粒のためのコーティング物質の例は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又は上記コーティング物質のひとつ以上の組み合わせを含む。界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。水溶性ポリマーの例は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール、及び前述の水溶性ポリマーのいずれか一つ以上を含む組み合わせを含む。非水溶性ポリマーの例は、アクリルポリマー、メタクリル酸−アククル酸エチル共共重合体などのメタクリル酸共重合体、エチルセルロース、又は前述の非水溶性ポリマーのいずれか一つ以上の組み合わせを含む。
【0058】
一実施態様において、フェノフィブラートナノ粒子を有する経口フェノフィブラート組成物はトリコール(登録商標)145mg又は48mgと生物的等価であり、該組成物は粒子封鎖物を含む。
【0059】
一実施態様において、活性剤組成物(すなわちフェノフィブラート組成物)は、絶食状態の患者への該組成物の投与と、非絶食状態の患者への該組成物の投与とが生物的に等価である。活性剤(すなわちフェノフィブラート)組成物のCmax及びAUC0−∞の非絶食状態投与に対する絶食状態投与の差は、約35%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、又は約3%未満である。
【0060】
別の実施態様において、経口フェノフィブラート組成物は界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせなどの添加物を含まない。該組成物は、不活性コア粒子上にオプションとして配置された粒子封鎖剤をオプションとして含む。
【0061】
一実施態様において、経口フェノフィブラート組成物は、界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせなどの添加物を含まない。また、AUC及びCma の対数変換幾何平均のテスト/参照比率パーセント及びそれらに対応する下限信頼区間及び上限信頼区間は、参照薬剤製品NDA#021656と比較して下限80%以内及び上限125%以内である。別の実施態様において、フェノフィブラート組成物は、界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせなどの添加物を含まない。ここで、該組成物は絶食状態及び非絶食状態において生物的に等価であり、生物的等価性は、AUC及びCmaxの対数変換幾何平均が90%信頼区間0.80から1.25において成立する。さらに別の実施態様において、フェノフィブラート組成物は、界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせなどの添加物を含まない。ここで、該組成物は、絶食状態及び非絶食状態において測定されたAUC及びCmax において25%未満又は20%未満の差を有する。
【0062】
別の実施態様において、経口フェノフィブラート組成物は、界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせなどの添加物を含まず、AUC0−t,AUC0−∞及びCmaxにおいてトリコール(登録商標)145と実質的に同じ値を有する。ここで、トリコール(登録商標)145のAUC0−tは、下限信頼区間80%から上限信頼区間125%において144652hr・ng/mlと測定される。トリコール(登録商標)145のAUC0−∞,は、下限信頼区間80%から上限信頼区間125%において167445hr・ng/mlと測定される。トリコール(登録商標)145のCmax,は、下限信頼区間80%から上限信頼区間125%において10485hr・ng/mlと測定される。
【0063】
別の実施態様において、経口フェノフィブラート組成物は、界面活性剤、リン脂質、又はこれらの組み合わせなどの添加物を含まず、AUC0−t,AUC0−∞及びCmaxにおいてトリコール(登録商標)145と実質的に同じ値を有する。ここで、トリコール(登録商標)145のAUC0−tは、120768から156764hr・ng/mlと測定され、トリコール(登録商標)145のAUC0−∞は、139040から186493hr・ng/mlと測定され、トリコール(登録商標)145のCmaxは、9096から11393hr・ng/mlと測定される。
【0064】
経口剤内の活性剤(すなわちフェノフィブラート)の濃度は、他の賦形剤を含まないフェノフィブラート及び少なくとも一つの粒子封鎖剤の全体の質量を基準として、質量%で、約99.5%から約0.001%、約95%から約0.1%、又は約90%から約0.5%であってもよい。少なくとも一つの粒子封鎖剤の濃度は、他の賦形剤を含まない活性剤及び少なくとも一つの粒子封鎖剤の全体の乾燥質量を基準として、質量%で、約0.5%から約99.999%、約5.0%から約99.9%、又は約10から約99.5%であってもよい。
【0065】
別の実施態様において、上記したように、組成物は活性剤(すなわちフェノフィブラート)を含み、粒子は遅延放出物質を含む。遅延放出物質は、親水性及び/又は疎水性ポリマーであってもよい。遅延放出物質は、例えば、アクリル系ポリマー、アルキルセルロース、シェラック、シソーラス、水素化された植物油、水素化されたひまし油、及び前述の材料のいずれか一つ以上を含む組み合わせを含む。経口剤形は、経口剤形の全体質量に対して1質量%から80質量%の遅延放射物質を含んでもよい。アクリル系ポリマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキル共重合体、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸、ポリ(メタクリル酸メチル)共重合体、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリル酸共重合体、メタクリル酸グリシジル共重合体、及びの前述のポリマーのいずれか一つ以上を含む組み合わせを含む。アクリル系ポリマーは、少量の第4級アンモニウムグループを有すメタクリル酸共重合体であってもよい。
【0066】
アルキルセルロースの例としてはエチルセルロースなどを含む。当業者は、他のアルキルセルロース系ポリマーを含む他のセルロース系ポリマーはエチルセルロースの一部または全ての代替物として使用できることを認識するであろう。
【0067】
他の疎水性物質の例は、やや疎水性の傾向をもつ不溶性物質である。疎水性物質の融点は、約30℃から約200℃、より好ましくは約45℃から約90℃である。疎水性物質は、中性または合成ワックス、脂肪アルコール(ラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチル、又は好ましくはセトステアリルアルコール) 、脂肪酸エステル又は脂肪酸グリセリドを含む脂肪酸(モノ、ディ、およびトリ−グリセリドを含む)、水素化脂肪、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、炭化水素骨格を有す疎水性や親水性物質、並びに前述の材料のいずれかひとつ以上の組み合わせを含む。ワックスの例としては、蜜ろう、グリコワックス、キャスターワックス、カルナバワックス、ワックスのような物質(例えば、室温で通常固体であり、約30℃から約100℃の融点を持つ物質)、又は前述のワックスのいずれか一つ以上の組み合わせがある。
【0068】
別の実施態様において、遅延放出物質は、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリンエステル、ミネラル及び植物油、ワックス、並びに前述の材料のいずれか一つ以上の組み合わせを含む、消化可能、長鎖(例えば、炭素数8〜50、好ましくは 炭素数12〜40)、置換、若しくは未置換の炭化水素を含む。融点が約25 ℃から約90℃の間である炭化水素を使用してもよい。これらの長鎖炭化水素材料のうち、脂肪族アルコール性脂肪が好ましい。経口剤形の全体質量の約60質量%までは、消化可能な長鎖炭化水素を含んでもよい。
【0069】
さらに、持続放出マトリックスまたは遅延放出マトリックスには、60質量%までは、少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含んでもよい。
【0070】
あるいは、遅延放出物質は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、または乳酸とグリコール酸の共重合体を含んでもよい。
【0071】
一実施態様の一製造方法においては、少なくとも一つの封鎖剤を含むことによって、活剤粒子の粒子径を縮小する。又は、活性剤粒子は一つ以上の粒子封鎖剤と摩耗後に接触する。縮小処理中に、希釈剤などの他の化合物を、活性剤または活性剤・粒子封鎖剤組成物に追加することもできる。分散を連続的に又はバッチモードで製造してもよい。ダイノ−ミル、またはその他の適切なメディア粉砕機を、粉砕に使用することができる。粉砕機に、温度調整部を設けることによって、粉砕室内の処理温度を保ち、懸濁容器の温度を制御することができる。
【0072】
特定の一実施態様においては、pH応答性共重合体を、pH応答性共重合体を溶解することに適したpHを有するバッファ水溶液などの水溶液内で溶解する。オプションとして、湿潤剤として、又はポリマー溶解を補助するために、炭素数1〜3のアルコールを溶液に追加する。このアルコールは、湿潤剤として効果的である(例えば、アルコールと水の組み合わせで1〜50体積%)分量で追加する。
【0073】
非水溶性の活性剤は、水、水に対して1から50体積%の炭素数1〜3のアルコールを混合した水溶液、又は、pH応答性共重合体を含む水溶液の一部の中で、別々に懸濁する。活性剤がフェノフィブラートである場合は、懸濁液の約1〜約85質量%はフェノフィブラートから成る。
【0074】
そして、活性剤ナノ粒子懸濁液を、例えば、流動床プロセッサ内で散布するなどして、不活性コア粒子の表面に分散させる。
【0075】
別の特定の実施態様においては、粒子状フェノフィブラート組成物は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニット及び酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方(例えば、EUDRAGIT(登録商標)E−100またはEUDRAGIT(登録商標)EPOなど)を含むpH応答性共重合体の水溶液を形成し、水溶液内で、活性剤(すなわちフェノフィブラート)の懸濁液を形成し、懸濁液を混合し及び粉末化することによって活性剤ナノ粒子懸濁液を形成し、不活性コアを含む粉末ベッド上に活性剤ナノ粒子懸濁液を散布することで、不活性コアの表面上に分散されたEUDRAGIT(登録商標)ポリマーの懸濁液及びフェノフィブラートを含む顆粒を形成する、ことを含む方法によって製造される。フェノフィブラート懸濁液は、200から700nmの粒子径、特に200から700nmの平均粒子径、及び、更には200から700nmの有効粒子径を有するフェノフィブラート粒子を含む。さらに、フェノフィブラート粒子のD90は1.5マイクロメートル以下である。前記粒子径は、マルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)の適当な分析モードを使用して測定できる。湿式分析モードを選択する場合は分散剤を使用する。
【0076】
一実施態様におけるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液は、フェノフィブラートナノ粒子を分散させた粒子封鎖剤水溶液を含む。一実施態様における懸濁液は、粒子封鎖剤以外の可溶化及び/又は安定化剤が添加されていない。別の態様におけるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液は、フェノフィブラートナノ粒子を分散させた粒子封鎖剤水溶液によって実質的に形成されている。別の実施態様におけるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液は、フェノフィブラートナノ粒子を分散させた粒子封鎖剤水溶液によって形成されている。一実施態様におけるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液は、粒子径測定から2週間後までは安定している。安定であるとは、フェノフィブラートナノ粒子の平均又は有効平均粒子径が、最初の粒子径測定から2週間内で35%を超えて変化しないこと、特に、最初の粒子径測定から2週間内で15%を超えて変化しないことを意味する。別の実施態様における粒子封鎖剤の濃度は1質量/体積%から25質量/体積%、特に3質量/体積%から15質量/体積%であり、フェノフィブラートの濃度は5質量/体積%から45質量/体積%、更には10質量/体積%から25質量/体積%である。
【0077】
活性剤粒子の平均又は有効粒子径が約2000nm未満にするために、活性剤(すなわちフェノフィブラート組成物)を生物関連のメディア内で再度分散してもよい。再度分散によって活性剤粒子の粒子径を実質的にナノ粒子状にすることによって、活性剤をナノ粒子状の粒子径で処方することによる好ましい効果を得ることができる。一般的にナノ粒子状の活性剤組成においては活性剤の粒子は小さいほうが好ましい。これは、投与時に、活性剤が再度分散することで小さな粒子径を持つにいたらない場合は、ナノ粒子システムの非常に高い表面自由エネルギー及び熱力学的に自由エネルギーを小さくしようとする作用が働くことにより、活性剤の粒子が凝集して“塊”を形成するためである。このような凝集した活性剤粒子の形成によって、剤形の生物的利用性は、ナノ粒子活性剤が液体に分散した態様における生物的利用性を大きく下回る可能性がある。
【0078】
一実施態様において、ナノ粒子活性剤(すなわち、フェノフィブラート)組成物は、人間や動物などの哺乳類への投与において、ナノ粒子状活性剤粒子の顕著な再度分散性を示す。 再度分散されたフェノフィブラートの平均又は有効平均粒子径が約2000ナノメートル未満の場合に、生物的水媒体において、再度分散・再構成処理が行われる。該生物的水媒体とは、媒体の生物的関連性を示すイオン強度とpHを有す水媒体のことである。該pHとイオン強度は人体における生理的な状態を表すものである。該生物的水媒体は、例えば、所望のpHやイオン強度を示す電解液や、塩、酸、又は塩基の水溶液、若しくはこれらの組み合わせであってもよい。
【0079】
生物的pH値は従来からよく知られている。例えば、胃の中では、pHは2よりやや低い値(しかし、通常1より高い値)から4又は5までの範囲である。小腸では、pHは4から6までの範囲であり、結腸では、pHは6から8までの範囲である。生物的イオン強度の値も従来からよく知られている。絶食状態における胃酸のイオン強度は約0.1Mであり、絶食状態における腸液のイオン強度は約0.14Mである。
【0080】
理論上確証されてはいないが、生物的媒体のpH及びイオン強度は、特定の化学物質の含有よりも重要であると考えられている。従って、pHやイオン強度の適切な値は、強酸、強塩基、塩、単一又は複数の共役酸塩基対(すなわち、弱酸及びそれらに対応する塩)、一塩基及び多塩基の電溶液などの値の数ある組み合わせから得ることができる。
【0081】
代表的な電解液としては、濃度約0.001から0.1MまでのHCL溶液、濃度約0.001から0.1MまでのNaCL溶液、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、電解液は、約0.1M以下のHCL、約0.01M以下のHCL、約0.001M以下のHCL、約0.1M以下のNaCL、約0.01M以下のNaCL、約0.001M以下のNaCL、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。基部に近い胃腸管のpH及びイオン強度によれば、0.01MHCl及び/又は0.1MNaClがこれらの電解液のなかで絶食時の人体生理状態を表す最も代表的な電解液である。
【0082】
0.001MHCl、0.01MHCl,及び0.1MHClの電解液濃度は、それぞれpH3,pH2,及びpH1に対応する。従って、0.01MHCL水溶液は、胃の中の典型的な状態を疑似的に実現する。0.1MNaCl水溶液は、イオン強度において胃腸液を含む体全域の妥当な近似状態を提供する。0.1M以上の濃度を使用して人体の胃腸管内の非絶食時における状態を疑似的に実現させることもできる。
【0083】
所望のpH及びイオン強度を示す塩、酸、塩基又はこれらの組み合わせから成る水溶液の例としては、リン酸/リン酸塩+ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム塩、酢酸/酢酸塩+ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム塩、炭酸/重炭酸塩+ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム塩、クエン酸/クエン酸塩+ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム塩等があるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
別の実施態様によれば、生物的水媒体で再度分散する活性剤(フェノフィブラート)の粒子寸法は、光散乱法、顕微鏡法、又は他の手法によって測定した場合、約2000nm 未満,約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、又は約500nm未満であるとする。
【0085】
経口投与のための固形剤形は、カプセル、錠剤、ピル、粉末、及び顆粒などを含むが、これらに限定されるものではない。このような固形剤形において、活性剤を次のような一つ以上の添加物と混合してもよい:(a)クエン酸ナトリウムやリン酸二カルシウムのような一つ以上の不活性添加剤(またはキャリア 、b)でんぷん、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、ケイ酸などのフィラーまたはエクステンダ、(c)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、蔗糖、アカシアなどのバインダー、(d)グリセロールなどの保湿剤、(e)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモやタピオカのでんぷん、アルギン酸、特定の複雑なケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(f)パラフィンなどの抑制剤、(g)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(h)セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(i)カオリン、ベントナイトなどの吸着剤、(j)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、又は、上記添加剤のいずれか一つ以上を含む組み合わせ。剤形がカプセル、錠剤及びピルの場合は、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
【0086】
活性剤の生体利用効率を高める方法であって、平均又は有効粒子径が2000nm未満の活性剤ナノ粒子を有する活性剤剤形を投与することを含み、不活性粒子コアに活性剤ナノ粒子及び粒子封鎖剤が付され、粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニット及び酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットを有するpH応答性共重合体である。一実施態様では、活性剤の剤形は、生物的媒体において再度分散する。別の態様では、活性剤の剤形は界面活性剤又はリン脂質を添加物として含まない。さらに別の実施態様では、活性剤の剤形は界面活性剤又はリン脂質を添加物として含まず、かつ生物的媒体において再度分散する。
【0087】
フェノフィブラート組成物は、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、心血管系疾患、冠状動脈性心臓病(症候性頸動脈疾患などの末梢血管疾患を含む)などの症状を治療するために有益である。フェノフィブラート組成物は、高コレステロール血症、又は混合脂質異常症(フレドリックソンタイプIIa及びIIb)の大人患者のLDL−C、トータルC、トリグリセド、及びApo Bを削減するためのダイエット治療の補助治療として利用できる。フェノフィブラート組成物は、高トリグリセド血症(フレドリックソンタイプIV及びV)の大人患者のダイエット治療の補助治療として利用できる。高い血清トリグリセドの値(2000mg/dLを超える値)は、膵臓炎のリスクを高める。フェノフィブラート組成物は、典型的には、脂質調整剤が使用される場合における他の適応症においても使用される。
【0088】
食物の影響を実質的に除去する経口剤の剤形の利点は、被験者が薬剤を服用する際に、絶食状態又は非絶食状態であるかを確認する必要がないため、被験者の利便性を高め、従って被験者の服薬率を高める。被験者の服薬率が低い場合は、薬剤の処方対象の病状の悪化(すなわち、フェノフィブラートの低服薬率は、心臓血管の問題と関連するなど)が見られるため、この利点は重要である。
【実施例】
【0089】
本発明は、さらに以下において例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
(例1:フェノフィブラート薬剤例)
粒子状フェノフィブラート組成物の生成処理は、アルコールを湿潤剤として含む緩衝水溶液において、疎水性(メタ)アクリレート・ユニット及び酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニット(例えば、EUDRAGIT(登録商標)E−100又はEUDRAGIT(登録商標)EPO)両方を有するpH応答性共重合体の水溶液を生成することを含む。前記水溶液を作るには、36gのEUDRAGIT(登録商標)E−100又はEUDRAGIT(登録商標)EPOを、613gの水及び36gのリン酸1ナトリウムを含む90gの変性エタノールに溶解する。pH応答性共重合体の水溶液に225gのフェノフィブラートを追加し、フェノフィブラート懸濁液を生成する。ダイノ−ミル内で、フェノフィブラート懸濁液を微粒化し、フェノフィブラートナノ粒子懸濁液を生成する。フェノフィブラートナノ粒子懸濁液を、868gの直径180マイクロメートル(A−TAB)リン酸カルシウム粒子を含む粉末ベッド上に散布し、不活性コアの表面にEUDRAGIT(登録商標)ポリマー及びフェノフィブラートナノ粒子が分散された顆粒を形成する。スプレーは、流動層造粒機上で行われる。フェノフィブラートナノ粒子は、有効平均粒子径200−700nm、特に300nmを有し、及び1.5マイクロメートル以下、特に590ナノメートルのD90 を有す。粒子径は、分散剤を有する水、エタノール、EUDRAGIT(登録商標)ポリマー、及びリン酸1ナトリウムの混合物を用いてマルバーン・マスターサイザーSにより測定した。全体組成は、表1に示した
【0091】
【表1】

【0092】
次に、フェノフィブラートを含有した顆粒は、Ac−Di−Solと配合される。スクリーンされたステアリン酸マグネシウムが前記配合物に追加され、最終配合物が生成される。最終配合物を圧迫し、錠剤を形成する。
【0093】
(例2:フェノフィブラート剤形の生物的実験)
生物的等価性の特定及び生物学実験において、「絶食中の患者」とは、フェノフィブラートの剤形の投与から少なくとも10時間前から食物を摂らず(絶食し)、剤形の投与後少なくとも4時間は食物を摂らずに継続的に絶食した患者を意味する。剤形は絶食中に240mlの水と共に投与される。2時間経過した後から、必要に応じて飲水してもよいとする。
【0094】
発明の薬剤動的パラメータと、トリコール(登録商標)とを比較するために、無作為化された、単一服用、双方向交差実験により実験を計画した。12人の健康な被験者がこの比較実験に参加し、そのうちの11人が実験を完了した。被験者は、所定の期間に、2つの別の薬剤投与治療を受け、ランダムスケジュールに従い期間ごとに単一の治療を施された。服用日の間には、少なくとも7日の排出期間を空けた。服用前、及び服用1,1.5,2,2.5,3,3.5,4,5,6,7,8,9,10,11,12,18,24,36,及び48時間後に血液サンプルを採取する。そして、サンプルのフェノフィブリン酸含有状態を解析する。
【0095】
次の薬剤パラメータは、プラズマ濃度データにより特定される。
【0096】
プラズマ濃度対時間の曲線下の面積(AUC)は、時刻0から最後の濃度測定時刻までを線形台形公式に従って計算する。
【0097】
時刻0から無限までの、プラズマ濃度対時間の曲線下[AUC0−INF]の面積は、AUCに対してC/Kelmを加えることによって計算する。ここで、C は最終濃度測定値であり、Kelm除去率係数である。
【0098】
測定されたプラズマ濃度の最高値[Cmax]は、視覚的検査によって得られる。Cmaxは、CMAXとも表記される。
【0099】
プラズマ濃度の最高値までの時間[Tmax]は、視覚的検査によって得られる。同プラズマ濃度が一つ以上の時刻において生じる場合は、最初の該時刻をTmaxとして選択する。
【0100】
除去率係数[Kelm]は、濃度対時間を基数eの対数変換した後の点図の終末点を通る回帰分析直線の傾きから得る。
【0101】
半減期[T1/2]は式T1/2=0.693/Kelmによって計算する。
【0102】
11人の被験者におけるデータは表2及び図1−11に表示し、これらの平均データは、表3および図12に示す。
【0103】
【表2】

【0104】
【表3】

【0105】
【表4】

【0106】
平均的には、本発明の剤形の薬剤動態パラメータによれば本発明剤形の錠剤はトリコール(登録商標)と生物的等価でない可能性がある。しかしながら、個々の被験者における実験結果によれば、本発明はトリコールと生物学的等価である可能性も示されている。例えば、被験者2(図2)、9(図8)、10(図9)、及び11(図10)によれば、トリコールと比較して良好な吸収率を示している。
【0107】
理論的確証は得られていないが、本発明の剤形の生物的等価性は錠剤の製造処理により影響を受けている可能性がある。錠剤の製造処理が生物的等価性を影響するか否かを判断するために、錠剤ではなくカプセル状の例1のフェノフィブラートの顆粒について同様の実験を行った。本発明のフェノフィブラートカプセルの薬物動態パラメータがトリコールの同パラメータにより照合するならば、幾つかの方法の一つを用いて例1の剤形を変更することができる。フェノフィブラートの顆粒錠剤からの放出を補助するために、崩壊剤などの賦形剤を錠剤に添加してもよい。これとは別に、又はこれに追加して、フェノフィブラートの顆粒を錠剤製造中に保護するために、錠剤製造前にフェノフィブラートの顆粒を被覆物によって被覆してもよい。フェノフィブラート顆粒の被覆物に適した組成物は、既述した界面活性剤、水溶性又は非水溶性ポリマーを含む。
【0108】
(例3: フェノフィブラート懸濁液の安定性)
フェノフィブラート懸濁液は図5に示すように処方してもよい。
【0109】
【表5】

【0110】
表5のパラメータ範囲に収まる懸濁液を処方する。懸濁液内のフェノフィブラートナノ粒子の粒子径を時間の関数として測定した。粒子径はMalvern光散乱法により測定した。図14は、粉末化直後の初期時点における粒子径データを示す。有効平均粒子径は、約260nmである。図15は、室温でフェノフィブラート懸濁液を3日間保存した場合の粒子径データを示す。有効平均粒子径は約323nmである。図16は、室温でフェノフィブラート懸濁液を7日間保存した場合の粒子径データを示す。有効平均粒子径は約254nmである。図17は、室温でフェノフィブラート懸濁液を12日間保存した場合の粒子径データを示す。有効平均粒子径は約243nmである。従って、12日後からは、懸濁液内のフェノフィブラート粒子径は安定する。
【0111】
本明細書における 用語が指し示すアイテムの数は限定されるものでなく、該アイテムの少なくとも一つを示すとする。語句「又は」は、「及び/又は」を意味する。語句、「〜を含む」、「〜有する」、は非制限語句であるとする(すなわち、「〜を含むがこれらに限定されるものではない」を意味する)。特別に指定された場合を除いて、本明細書内の技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意味を持つとする。同一の成分又は属性に関する区間の端点は、包含的であり、これらは独立に組み合わせることができるとする。
【0112】
本発明の実施態様は明細書に説明されている通りであり、本発明を実施するための最良の態様を含む。当業者にとって、上記説明から、これらの好ましい実施態様の変形例を導き出すことは単純である。本発明者は、当業者がこのような変形例を適切に用いること、又は、本明細書に特定的に説明されない形で本発明を実施することを予期するものである。従って、本発明は、適切な法によって承諾される範囲で本請求項に記載の全ての変形例及び本主題の等価物を含む。さらに、文脈と明らかに背理しない範囲において、上記要素の如何なる組み合わせ及びその組み合わせの全ての変形例を本発明は含むとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤と、からなるフェノフィブラート組成物。
【請求項2】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせが添加されていない請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項3】
不活性コア粒子上に配置されているフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤と、をさらに含み、フェノフィブラート顆粒剤を形成する請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項4】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カリシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1つ以上の組み合わせを含む請求項3に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項5】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項6】
前記粒子封鎖剤は、メタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項7】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットと酸溶解性の(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項3に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項8】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項3に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項9】
前記フェノフィブラート組成物は、NDA#021656の参照薬製品と生物的に等価である治療剤形である請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項10】
前記組成物は治療剤形であって、参照薬製品の対数変換幾何平均AUC0−∞に対する前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25の間であり、参照薬製品の対数変換幾何平均Cmaxに対する前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25の間であり、前記参照薬品は、NDA#021656の参照薬製品である請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項11】
前記フェノフィブラート組成物は、トリコール(登録商標)145又は48mgに生物的に等価な治療剤形である請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項12】
前記組成物は、参照薬製品の対数変換幾何平均AUC0−∞に対する前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25の間であり、参照薬製品の対数変換幾何平均Cmaxに対する前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25の間であり、前記参照薬製品は、145または48mgのフェノフィブラート組成物であり、該フェノフィブラート組成物は表面に、ヒプロメロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及びジオクチルコハク酸エステルナトリウムから成る表面安定材を有すフェノフィブラートナノ粒子を含む請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項13】
前記フェノフィブラート組成物は生物的媒体内で再度分散される請求項1に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項14】
有効平均粒子径が2000nm未満のフェノフィブラート粒子と、粒子封鎖剤と、を含み、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞に対する非絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxに対する非絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25であるフェノフィブラート組成物。
【請求項15】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせなどの添加物を含まない請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項16】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべくフェノフィブラートナノ粒子と、不活性コア粒子上に配置されている粒子封鎖剤とをさらに含む請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項17】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カリシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項16に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項18】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項19】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項20】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項16に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項21】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項16に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項22】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項23】
2000nm未満の有効平均粒子径を有すフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤と、を含むフェノフィブラート組成物であって、前記組成物は、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、25%未満の差を有する。
【請求項24】
前記組成物は、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、20%未満の差を有する請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項25】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせなどの添加物を含まない、請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項26】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上にフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤と、を配置した、請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項27】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含むことを特徴とする請求項26に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項28】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項29】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項30】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である請求項26に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項31】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項26に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項32】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項33】
有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤とを含むフェノフィブラート組成物であって、前記組成物の治療剤形において、AUC0−tは、80%下限信頼区間から125%上限信頼区間で144652hr・ng/mlであり、前記AUC0−INFは、80%下限信頼区間から125%上限信頼区間で167445hr・ng/mlであり、前記Cmaxは、80%下限信頼区間から125%上限信頼区間で10485ng/mlであるフェノフィブラート組成物。
【請求項34】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせなどの添加物を含まない請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項35】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上に配置したフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤とをさらに含む請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項36】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項35に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項37】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項38】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項39】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項35に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項40】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メルメタクリル酸共重合体を含む請求項35に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項41】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項42】
2000nm未満の有効平均粒子径を有すフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤と、を含むフェノフィブラート組成物であって、AUC0−tが、120768から156764hr・ng/mlの間であり、AUC0−∞が、139040 から186493hr・ng/mlの間であり、Cmaxが、9096から11393ng/mlの間である治療剤形の態様を有するフェノフィブラート組成物。
【請求項43】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせなどの添加物を含まない請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項44】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべくフェノフィブラートナノ粒子と、不活性コア粒子上に配置されている粒子封鎖剤とをさら含む請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項45】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項44に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項46】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項47】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項48】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である請求項44に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項49】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項44に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項50】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項51】
有効平均粒子径が2000nmであるフェノフィブラートナノ粒子を有し、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まず、前記組成物は治療剤形であり、参照薬の対数変換幾何平均AUC0−∞に対する前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率が約0.80から1.25であり、前記参照薬の対数変換幾何平均Cmaxに対する前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25であり、前記参照薬は、参照製薬番号NDA#021656であるフェノフィブラート組成物。
【請求項52】
前記組成物が粒子封鎖物を含む請求項51に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項53】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上に配置されたフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤とをさらに含む請求項52に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項54】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項53に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項55】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項51に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項56】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項51に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項57】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項53に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項58】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項53に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項59】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項51に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項60】
有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤を有し、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まないフェノフィブラート組成物であって、前記組成物は治療剤形であり、非絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞に対する絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率が約0.80から1.25であり、非絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxに対する絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である。
【請求項61】
前記組成物が粒子封鎖剤を含む請求項60に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項62】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上に配置されたフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤とをさら含む請求項61に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項63】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項62に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項64】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項61に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項65】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項61に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項66】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項62に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項67】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項62に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項68】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項60に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項69】
有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子を有し、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まないフェノフィブラート組成物であって、前記組成物は、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、25%未満の差を有する、フェノフィブラート組成物。
【請求項70】
前記組成物は、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、20%未満の差を有する請求項69に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項71】
粒子封鎖剤をさらに含む請求項69に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項72】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上に配置されたフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤とをさらに含む請求項71に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項73】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項72に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項74】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項71に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項75】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項71に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項76】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である 、ことを特徴とする請求項72に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項77】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項72に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項78】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項69に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項79】
有効平均粒子径が2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子を含み、かつ界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まないフェノフィブラート組成物であって、前記組成物は治療剤形であり、AUC0−tは、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において、144652hr・ng/mlであり、かつ前記AUC0−INF は、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において167445hr・ng/mlであり、前記Cmaxは、80%下限信頼区間及び125%上限信頼区間において10485ng/mlである。
【請求項80】
粒子封鎖剤をさらに含む請求項79に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項81】
フェノフィブラート顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上に配置されたフェノフィブラートナノ粒子と、粒子封鎖剤とをさらに含む請求項80に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項82】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項81に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項83】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項80に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項84】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項80に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項85】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体である請求項81に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項86】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項81に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項87】
フェノフィブラート組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項79に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項88】
有効平均粒子径が2000nm未満である活性剤ナノ粒子と、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体と、を含み、前記活性剤ナノ粒子及び前記共重合体は、不活性コア粒子上に配置されている活性剤組成物。
【請求項89】
前記活性剤組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項88に記載の活性剤組成物。
【請求項90】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせかを含む請求項88に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項91】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項88に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項92】
前記組成物は非絶食状態及び絶食状態において生物的に等価であり、絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞に対する非絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均AUC0−∞の比率が約0.80から1.25であり、前記絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxに対する前記非絶食状態において投与された前記組成物の対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である請求項88に記載の活性剤組成物。
【請求項93】
前記活性剤は、実質的に非水溶性である請求項88に記載の活性剤組成物。
【請求項94】
前記活性剤は フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、又はメタキサロンである請求項93に記載の活性剤組成物。
【請求項95】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まない請求項88に記載の活性剤組成物。
【請求項96】
前記組成物は、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、25%未満の差を有する請求項88に記載の活性剤組成物。
【請求項97】
有効平均粒子径が2000nm未満である活性剤ナノ粒子と、粒子封鎖剤を含む活性剤組成物であって、前記組成物は、界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせなどの添加物を含まず、活性剤顆粒剤を形成すべく、不活性コア粒子上に配置された活性剤ナノ粒子と、粒子封鎖剤とをさらに有し、前記活性剤組成物が生物的媒体内で再度分散する活性剤組成物。
【請求項98】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項97に記載の活性剤組成物。
【請求項99】
前記不活性コア粒子は、糖、微晶性のセルロース、リン酸カルシウム、ラクトース、ポリマー、又はこれら粒子のいずれか1以上の組み合わせを含む請求項97に記載の活性剤組成物。
【請求項100】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項97に記載の活性剤組成物。
【請求項101】
絶食状態及び非絶食状態において生物的等価であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞に対する非絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均Cmax に対する非絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である請求項97に記載に記載の活性剤組成物。
【請求項102】
前記活性剤は実質的に非水溶性である請求項97に記載の活性剤組成物。
【請求項103】
前記活性剤は フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、又はメタキサロンを含む請求項102に記載の活性剤組成物。
【請求項104】
前記組成物は、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、25%未満の差を有する請求項97に記載の活性剤組成物。
【請求項105】
有効平均粒子径が2000nm未満の活性剤ナノ粒子と、粒子封鎖剤とを含む活性剤組成物であって、活性剤ナノ粒子と、粒子封鎖剤が不活性コア粒子上に配置され、前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体であり、絶食状態及び非絶食状態において生物的等価であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平AUC0−∞に対する非絶食状態における対数変換幾何平均AUC0−∞の比率は約0.80から1.25であり、前記組成の絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxに対する非絶食状態における対数変換幾何平均Cmaxの比率は約0.80から1.25である活性剤組成物。
【請求項106】
前記活性剤が実質的に不可溶である請求項105に記載の活性剤組成物。
【請求項107】
前記活性剤は フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、又はメタキサロンを含む請求項106に記載の活性剤組成物。
【請求項108】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まない請求項105に記載の活性剤組成物。
【請求項109】
有効平均粒子径が2000nm未満の活性剤ナノ粒子と、粒子封鎖剤とを含む活性剤組成物であって、活性剤ナノ粒子と、粒子封鎖剤が不活性コア粒子上に配置され、前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体であり、前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含み、AUC0−∞及びCmaxを絶食状態で測定した場合に、非絶食状態で測定した場合と比較して、25%未満の差を有する活性剤組成物。
【請求項110】
前記活性剤が実質的に不可溶である請求項109に記載の活性剤組成物。
【請求項111】
前記活性剤は フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、又はメタキサロンを含む請求項110に記載の活性剤組成物。
【請求項112】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まない請求項109に記載の活性剤組成物。
【請求項113】
活性剤の生物的利用効率を高める方法であって、有効平均粒子サイズが2000nm未満である活性剤ナノ粒子を含む活性剤剤形を投与し、前記活性剤ナノ粒子及び前記粒子封鎖剤は不活性コア粒子上に配置され、前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む、ことを含む方法。
【請求項114】
前記活性剤が実質的に不可溶である請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記活性剤は フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、又はメタキサロンを含む請求項114に記載の方法。
【請求項116】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まない請求項113に記載の方法。
【請求項117】
前記活性剤組成物が生物的媒体内で再度分散する請求項113に記載の方法。
【請求項118】
活性剤の生物的利用効率を高める方法であって、有効平均粒子サイズが2000nm未満である活性剤ナノ粒子を含む活性剤剤形を投与することを含み、前記活性剤ナノ粒子及び前記粒子封鎖剤は不活性コア粒子上に配置され、前記組成物は、界面活性剤又はリン脂質を含まず、前記活性剤組成物が生物的媒体内で再度分散する、方法。
【請求項119】
前記活性剤が実質的に不可溶である請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記活性剤は フェノフィブラート、オクスカルバゼピン、又はメタキサロンを含む請求項118に記載の方法。
【請求項121】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項3に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項122】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項121に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項123】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項124】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項123に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項125】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項14に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項126】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項127】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項126に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項128】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項23に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項129】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項130】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項129に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項131】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項33に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項132】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項133】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項132に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項134】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項42に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項135】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項51に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項136】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項135に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項137】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項51に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項138】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項60に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項139】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項138に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項140】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項60に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項141】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項69に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項142】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項141に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項143】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項69に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項144】
フェノフィブラート顆粒を実質的に被覆する被覆物をさらに含む請求項79に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項145】
前記被覆物は、界面活性剤、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む請求項144に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項146】
崩壊剤を含む錠剤の剤形である請求項79に記載のフェノフィブラート組成物。
【請求項147】
フェノフィブラートナノ粒子及び粒子封鎖剤を分散させた粒子封鎖剤水溶液を含むフェノフィブラートナノ粒子懸濁液であって、フェノフィブラートナノ粒子の有効平均粒子サイズは2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項148】
界面活性剤、リン脂質、あるいはその組み合わせを添加物として含まない請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項149】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するpH応答性共重合体を含む請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項150】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体である請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項151】
前記粒子封鎖剤は、疎水性(メタ)アクリレート・ユニットおよび酸溶解性(メタ)アクリレート・ユニットの両方を有するPH応答性共重合体を含む請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項152】
前記粒子封鎖剤はメタクリル酸ブチル−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体を含む請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項153】
前記フェノフィブラートナノ粒子の前記有効平均粒子径は、最初の粒子径測定時から2週間内において35%を超えて変化しない請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項154】
前記フェノフィブラートナノ粒子の前記有効平均粒子径は、最初の粒子径測定時から2週間内において15%を超えて変化しない請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項155】
前記粒子封鎖剤の濃度は、約1重量/体積%から約25重量/体積%であり、フェノフィブラートの濃度は、約5重量/体積%から約45重量/体積%である請求項147に記載のフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項156】
フェノフィブラートナノ粒子を内部に分散させた粒子封鎖剤水溶液を実質的に含むフェノフィブラートナノ粒子懸濁液であって、フェノフィブラートナノ粒子の有効平均粒子サイズは2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。
【請求項157】
フェノフィブラートナノ粒子を内部に分散させた粒子封鎖剤水溶液から構成されるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液であって、フェノフィブラートナノ粒子の有効平均粒子サイズは2000nm未満であるフェノフィブラートナノ粒子懸濁液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−541485(P2009−541485A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518224(P2009−518224)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/014818
【国際公開番号】WO2008/002568
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(509000345)ミューチュアル ファーマシューティカル カンパニー,インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】MUTUAL PHARMACEUTICAL COMPANY,INC.
【住所又は居所原語表記】1100 Orthodox Street,Philadelphia,PA 19124 U.S.A.
【Fターム(参考)】