説明

活性成分を含有する胃貯留錠の形態の薬学的組成物

胃液を代表とする環境と接触された場合、15分後に、少なくとも200%の膨潤率で容積を増加することを特徴とする、活性成分を含む、胃貯留マトリックス錠の形態の薬学的組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、1日1回の投与に使用することが可能である、活性成分を含有する、錠剤形態の薬学的組成物である。
【背景技術】
【0002】
従来の徐放薬学的剤形は、胃腸管の上部に吸収窓(absorption window)を示すある種の活性成分、すなわち、胃、小腸の上部、十二指腸、空腸及び回腸中で吸収されるが、大腸中ではこれより少なく吸収されるか、又はほとんど吸収されない活性成分に対してはほとんど適していない。実際、従来の投与可能単位は、活性成分の吸収が最大である部分中のみならず、胃腸管内の通過に沿って活性物質を放出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主題は、上記欠点を克服する、1日1回の投与に使用することが可能である、活性成分を含有する、錠剤の形態の薬学的組成物である。
【0004】
本発明は、胃液に接触すると、薬学的組成物はその容積を迅速に増加することを特徴とする。実際、本組成物が、胃液と接触すると直ちに、大幅にその容積を増加させるのみならず、極めて迅速にその容積を増加させることは明らかに有利である。これによって、この薬学的組成物は、早すぎる胃内容排出を回避するために胃内でのより長い貯留時間を確保し、薬学的組成物中に含有される活性成分の多くが、吸収能が最大である胃腸管の部分内で確実に放出及び吸収されることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の主題は、胃液を代表とする媒体との接触の15分後に、少なくとも200%の膨潤度で、より具体的には少なくとも250%の膨潤度で容積を迅速に増加する、活性成分を含み、及びその徐放を可能とするマトリックス錠の形態の薬学的組成物からなる。
【0006】
マトリックス錠という表現は、圧縮後に、活性成分の放出を制御できるマトリックスの形成を可能とする1つ以上の適切な賦形剤中に均一に分散された活性物質を含有する経口投与用薬学的組成物を意味するものと理解される。
【0007】
胃液を代表とする媒体という表現は、37℃で、0.01M塩酸及び0.1M塩化ナトリウムを含有する水溶液を意味するものと理解される。
【0008】
錠剤の膨潤度は、乾燥した錠剤の厚さ及び直径並びに胃液を代表とする媒体中に15分間浸漬し続けた錠剤の厚さ及び直径を測定し、適切な測定装置を使用することによって決定される。(パーセントでの)膨潤度は、このため、以下の式に従って、厚さ、直径又は容積で表現され得る。
【0009】
厚さでの膨潤度:
((Ept15−Ept0)/Ept0)×100
Ept0=T0での錠剤の厚さ
Ept15=15分での錠剤の厚さ
直径での膨潤度:
((Dt15−Dt0)/Dt0)×100
t0=T0での錠剤の直径
t15=15分での錠剤の直径
容積での膨潤度:
((Vt15−Vt0)/Vt0)×100
t0=T0での錠剤の容積
t15=15分での錠剤の容積
錠剤の容積は、以下の式に従って計算される。
【0010】
−凸状の錠剤の場合:
【0011】
【化1】

【0012】
Dは錠剤の直径であり、eは錠剤のスライスの厚さを表し、hは錠剤の全厚さとスライスの厚さとの差の半分を表し、Rは錠剤の曲率半径を表す。
【0013】
−その曲率半径が直径に等しい(例えば、規格10R10mm、12R12mmなど)錠剤の場合:
【0014】
【化2】

【0015】
本発明の一態様によれば、薬学的組成物は、単相マトリックス錠の形態で存在する。
【0016】
本発明の別の態様によれば、薬学的組成物は、少なくとも2つの相を有するマトリックス錠の形態で存在する。
【0017】
本発明の別の態様によれば、薬学的組成物は、1つ以上の相の1つ以上の活性成分を含み得る。薬学的組成物は、より具体的には、1又は2個の活性成分を含むであろう。
【0018】
相という表現は、活性成分を含有し得る、粉末化された形態又は顆粒形態の、1つ以上の賦形剤の均一な混合物を意味するものと理解される。
【0019】
2以上の相を含む本発明の薬学的組成物は、1以上の相で被覆されたコアの形態で、多層(二重層、三重層など)、より具体的には二重層の錠剤の形態で存在し得る。
【0020】
別の主題によれば、本発明は、胃貯留マトリックス錠の形態の薬学的組成物からなり、該薬学的組成物は活性成分を含み、並びに、少なくとも1つの相が、賦形剤として、少なくとも、
−a)相の30重量%から80重量%までの割合のポビドン及び/又は酢酸ポリビニル、
−b)相の5重量%から25重量%までの割合のクロスポビドン、及び
−c)相の5重量%から40重量%までの割合のカルボオマー
を含有する。
【0021】
あるいは、本発明の別の主題によれば、クロスポビドンが、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、カルボキシメチルデンプンナトリウム及び/又はクロスカルメロースナトリウムなどの別の超崩壊剤で置換され又は超崩壊剤と組み合わされ得る。
【0022】
本発明のマトリックス錠は、胃液と接触されると、極めて迅速に膨潤するという利点を有する。実際、本発明に従う割合で賦形剤a)、b)及びc)が存在することによって、膨潤相乗効果を得ることが可能となる。この錠剤は、このため、胃の中に数時間留まることが可能である。
【0023】
マトリックス化合物が少なくとも2つの相を含む場合には、相の1つ以上が活性成分を含んでよい。さらに、各相は、別の相と同一又は異なる賦形剤組成を有することができ、相の少なくとも1つは、本発明に記載されているとおりの割合で賦形剤a)、b)及びc)を含むことが理解される。相の1つが、それぞれ、本発明に表記されている割合で賦形剤a)、b)及びc)を含まない場合には、当業者は、活性成分の放出の調節、膨潤度の増加など、生物薬学的な必要性に従って、その組成を決定することが可能である。
【0024】
ポビドン及び酢酸ポリビニル賦形剤又はポビドン/酢酸ポリビニル混合物は市販されており、又はより具体的には、この混合物は、Kollidon(R) SRの名称で販売されているものから選択される。
【0025】
ポビドン及び/又は酢酸ポリビニルは、これを含有する相の30重量%から80重量%まで、より具体的には、30重量%から65重量%にわたる量で存在する。
【0026】
クロスポビドンは、1,000,000DAより大きな分子量を有するN−ビニル−2−ピロリジノンの架橋されたホモ重合体である。このポリマーは、周囲の液体を迅速且つ激しく捕捉することが可能な超崩壊剤のカテゴリーに属する。例として、Kollidon(R) CL(BASF)又はPlasdone(R) XL(ISP)の名前で販売されるクロスポビドンが挙げられる。
【0027】
ヒドロキシプロピルセルロースは、水及びアルコールに不溶性であるが、これらの溶媒中で膨潤することが可能な低置換セルロースヒドロキシプロピルエーテルである。例として、Shin Etsuによって供給されるL−HPC LH−11等級を挙げることができる。
【0028】
カルボキシメチルデンプンナトリウム又はデンプングリコール酸ナトリウムは、デンプンのカルボキシメチル化されたエーテルのナトリウム塩である。これは、ナトリウム含量が異なるA、B及びCという3つの等級で存在する。例として、Primojel(R)(Avebe)又はExplotab(R)(JRS Pharma)の製品名で販売されているデンプングリコール酸ナトリウムを挙げることができる。
【0029】
クロスカルメロースナトリウムは、カルメロースナトリウムを架橋することによって得られるセルロース重合体である。例として、Ad−Di−Sol(R)(FMC)を挙げることができる。
【0030】
低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルデンプンナトリウム又はデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムなどのクロスポビドン又は超崩壊剤は、これらを含有する相の5重量%から25重量%まで、より具体的には、10重量%から25重量%までの量で存在する。
【0031】
カルボマーは、(100万の桁の)極めて高い分子量を有する、ショ糖又はペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸の重合体である。例として、Carbopol(R)974又はCarbopol(R)71G(NOVEON)、より具体的には、4000と11,000cspの粘度を有する水性分散液(0.5%で分散)を取得することを可能とするCarbopol(R)71Gを挙げることができる。カルボマーは、それぞれ、錠剤又は相の5から40重量%、より具体的には10から35重量%の量の割合で、錠剤又は相中に存在する。
【0032】
本発明の別の主題によれば、賦形剤a)、b)及びc)は、それぞれ、ポビドン及び/又は酢酸ポリビニルの場合、40ないし70%、クロスポビドンの場合、10ないし20%、カルボマーの場合、10ないし30%の量で存在する。
【0033】
錠剤は、
−希釈剤を含有する相の5から30重量%までの量の、可溶性又は不溶性希釈剤(微結晶性セルロース、ラクトース、マニトール、リン酸二カルシウムなど)、より具体的には、微結晶性セルロースなどの不溶性希釈剤;
−潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化ひまし油、PEG6000、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸など)及び
−流動促進剤(コロイド状シリカ、沈降シリカなど)
など、錠剤の製造に対して適切及び必要であるあらゆる賦形剤も含み得る。
【0034】
本発明の薬学的組成物は、例えば、ベンズアミド及びα1−アンタゴニスト、並びに以下の活性成分:カプトプリル、フロセミド、ウルソデスオキシコール酸、アモキシシリン、(+)−α−アミノメチル−2−メトキシスルホンアミド−ベンゼンメタノール(実施例3.6中の特許出願EP 842 148に開示されている)又は3’−(2−アミノ−1−ヒドロキシ−エチル)−4’−フルオロメタンスルホンアニリド(NS49)に対して有用であり得る。
【0035】
ベンズアミドは、特に、メトクロプラミド、ベラリプリド、アリザプリド、クレボプリド、より具体的には、アミスルプリド、チアプリド、スルピリド及びこれらの塩である。
【0036】
α1−アンタゴニストは、特に、テラゾシン及びアルフゾシン並びにこれらの塩、特にアルフゾシン塩酸塩である。これらは、特に、良性前立腺肥大症の治療を目的とする。
【0037】
カプトプリルは、特に、高血圧の治療用に使用され、フロセミドは利尿薬として、アモキシシリン及びその塩は抗生物質として使用され、並びに、ウルソデスオキシコール酸及びその塩は、胆石症、肝疾患及び梅毒の治療用に使用される。
【0038】
本発明において、様々な活性成分又は活性成分の族(ベンズアミド、α1−アンタゴニスト)の様々な鏡像異性体又はジアステレオ異性体も被覆され、これらの混合物(特にラセミ混合物)の他、これらの塩も含まれる。
【0039】
本発明の組成物に対して、より具体的に適している活性成分として、アミスルプリド(D)−タートラート、(S)−(−)アミスルプリド、(S)−(−)アミスルプリド(D)−タートラート、チアプリド塩酸塩、アルフゾシン塩酸塩及び3’−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)−4’−フルオロメタンスルホンアニリド塩酸塩を挙げることができる。
【0040】
薬学的組成物中に輸送される活性成分の量は、一般に、0.1mgから200mgまでである。
【0041】
本発明の錠剤は、粉末の混合物の直接的な圧縮によって、又は慣用の製造技術を使用して、造粒後に圧縮することによって製造され得る。選択される圧縮の方式は、当業者の一般的な知識に従って最適化され得る。
【0042】
実行圧縮力は、何らの問題なしに、錠剤を取り扱い、投与を可能とする破壊強度を有する錠剤を得るために、500DaNと3000DaNの間を変動する(例えば、10R10mm錠剤の場合、80と300Nの間)。容易な投与と嚥下を可能とする形状を有する単層又は少なくとも二層の錠剤は、実施例においてさらに詳細に記載されている方法に従って得られる。
【0043】
輸送される活性物質の量に応じて、錠剤の各相は、1から8mmまでにわたり、但し、好ましくは2mmから6mmまでにわたる異なる厚さを有し得る。これらのサイズは、圧縮の方式に従って変動し得る。
【0044】
当業者に周知の技術に従って、単に保護する目的を有し、又は活性成分のポリマー性マトリックスからの放出の速度論を変動させる目的を有するポリマー材料製のコーティングを、さらに、薬学的調製物に与えることができる。
【0045】
以下の実施例は、本発明を例示することを目的とする。
【実施例1】
【0046】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む単層錠剤の調製
【0047】
【表7】

【0048】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0049】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0050】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:100ニュートン。
錠剤の質量:300mg。
錠剤の規格:10R10mm。
【0051】
錠剤の膨潤度は、適切な測定装置を用いて、乾燥した錠剤の厚さ及び直径並びに37℃の胃液(0.01M HCl+0.1M NaCl)中に15分間浸漬し続けた錠剤の厚さ及び直径を測定することによって決定される。記載されている例では、膨潤度は厚さにより80%、直径により25%、すなわち容積により約200%である。
【0052】
この処方で得られた、胃溶媒(pH2+0.1M NaCl)中への活性成分の放出特性は、0の桁の特性である。すなわち:
−1時間で10ないし20%放出される。
−6時間で40ないし55%放出される。
−12時間で65ないし85%放出される。
−20時間で85ないし100%放出される。
【実施例2】
【0053】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む二重層錠剤の調製
【0054】
【表8】

【0055】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0056】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0057】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:125ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0058】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は厚さにより80%、直径により30%、すなわち容積により約300%である。
【0059】
この処方で得られた、胃溶媒(pH2+0.1M NaCl)中への活性成分の放出特性は、0の桁の特性である。すなわち:
−1時間で10ないし20%放出される。
−6時間で40ないし55%放出される。
−12時間で65ないし85%放出される。
−20時間で85ないし100%放出される。
【実施例3】
【0060】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む二重層錠剤の調製
【0061】
【表9】

【0062】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0063】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0064】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:130ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容量により300%である。
【実施例4】
【0065】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む500mgの二重層錠剤の調製
【0066】
【表10】

【0067】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0068】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0069】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の質量:150ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0070】
錠剤の膨潤度は、実施例1に上述されている方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容積により350%である。
【実施例5】
【0071】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む500mgの二重層錠剤の調製
【0072】
【表11】

【0073】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0074】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0075】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:150ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0076】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容積により360%である。
【実施例6】
【0077】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む500mgの二重層錠剤の調製
【0078】
【表12】

【0079】
【表13】

【0080】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0081】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0082】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:140ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0083】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容積により270%である。
【実施例7】
【0084】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む二重層錠剤の調製
【0085】
【表14】

【0086】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0087】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0088】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:150ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0089】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容積により300%である。
【実施例8】
【0090】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含む500mgの二重層錠剤の調製
【0091】
【表15】

【0092】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0093】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0094】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:150ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0095】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容積により300%である。
【0096】
以下の実施例9及び10は、プラセボ単層錠剤組成物を表す。これらの組成物は、多層錠剤の製造に関連して、膨潤プラセボ層として使用され得る。本発明の薬学的組成物を取得するために、例えば、10mgの量で、これらの組成物中に活性成分を取り込ませることも可能である。
【実施例9】
【0097】
500mgの単層プラセボ錠剤の調製
【0098】
【表16】

【0099】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0100】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0101】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:140ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0102】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は容量により340%である。
【実施例10】
【0103】
500mgの単層プラセボ錠剤の調製
【0104】
【表17】

【0105】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0106】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0107】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:140ニュートン。
錠剤の質量:500mg。
錠剤の規格:12R12mm。
【0108】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤は、容積により470%である。
【実施例11】
【0109】
アルフゾシン塩酸塩10mgを含有する700mg三重層錠剤の調製
【0110】
【表18】

【0111】
【表19】

【0112】
【表20】

【0113】
−製造の方法
本実施例に記載されている錠剤は、Forgerais OA交互打錠機を用いた直接圧縮によって得られる。
【0114】
全ての賦形剤は、事前に、篩(1mmの網)にかけられた後、Turbula(R)反転ミキサーを用いて混合される。混合物は自由に流動し、圧縮チャンバーの充填を促進する。
【0115】
−混合物及び錠剤の特徴
混合物の流動:混合物100g当たり10秒未満。
錠剤の硬度:200ニュートン。
錠剤の質量:700mg。
錠剤の規格:18*9R7mm。
【0116】
錠剤の膨潤度は、上記方法によって測定される。本実施例では、膨潤度は厚さにより104%、幅により41%、すなわち長さにより36%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃液を代表とする媒体と接触すると、15分後に、少なくとも200%の膨潤度で容積を増加することを特徴とする、活性成分を含む胃貯留マトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項2】
1つ以上の相を含む、請求項1に記載の胃貯留マトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項3】
相の少なくとも1つが、賦形剤として、少なくとも、
−a)相の30重量%から80重量%までの割合のポビドン及び/又は酢酸ポリビニル、
−b)相の5重量%から25重量%までの割合のクロスポビドン、及び
−c)相の5重量%から40重量%までの割合のカルボマー
を含有することを特徴とする、請求項2に記載の胃貯留マトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項4】
ポビドン及び/又は酢酸ポリビニルが、薬学的組成物の30重量%から65重量%までの割合で存在することを特徴とする、請求項3に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項5】
クロスポビドンが、薬学的組成物の10重量%から25重量%までの割合で存在することを特徴とする、請求項3又は4に記載の、活性成分を含むマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項6】
カルボマーが、薬学的組成物の10重量%から35重量%までの割合で存在することを特徴とする、請求項3、4又は5に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項7】
クロスポビドンが、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、カルボキシメチルデンプンナトリウム及び/又はクロスカルメロースナトリウムから選択される他の超崩壊剤で置換され又は超崩壊剤と組み合わされることを特徴とする、請求項3又は5に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項8】
5ないし30%の量で希釈剤を含有することを特徴とする、請求項1ないし7の何れか1項に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項9】
活性成分が、ベンズアミド、α1−アンタゴニスト、カプトプリル、フロセミド、ウルソデスオキシコール酸、アモキシシリン、(+)−α−アミノメチル−2−メトキシスルホンアミドベンゼンメタノール及び3’−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)−4’−フルオロメタンスルホンアニリドから選択され得ることを特徴とする、請求項1ないし8の何れか1項に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項10】
活性成分がアルフゾシン塩酸塩であることを特徴とする、請求項9に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項11】
活性成分が0.1mgから200mgまでの範囲の量で存在することを特徴とする、請求項9又は10に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項12】
マトリックス錠が、2つの相を含む二重層マトリックス錠の形態で存在することを特徴とする、請求項1ないし11の何れか1項に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項13】
パーセント組成が、
【表1】

であることを特徴とする、請求項1ないし11の何れか1項に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項14】
パーセント組成が、
【表2】

及び
【表3】

であることを特徴とする、請求項12に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。
【請求項15】
パーセント組成が、
【表4】

及び
【表5】

及び
【表6】

であることを特徴とする、請求項1ないし11の何れか1項に記載のマトリックス錠の形態の薬学的組成物。

【公表番号】特表2008−509973(P2008−509973A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526512(P2007−526512)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002092
【国際公開番号】WO2006/021692
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】