説明

液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッド

【課題】ノズルプレートの吐出を有する面に密着性が良好で耐久性に優れた撥液膜を備えている液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】吐出口を有する面があるノズルプレートを準備する工程と、ノズルプレートと一体となってノズル孔に連通し、アクチュエータの変位によりノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているボディプレートを準備する工程と、ノズルプレートの吐出口を有する面を外側にして、ノズルプレートとボディプレートを接合して圧力室を形成する接合工程と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、接合工程は、ノズルプレートとボディプレートを陽極接合する工程であり、接合工程の後、ノズルプレートの吐出口を有する面を超音波洗浄する工程と、超音波洗浄されたノズルプレートの吐出口を有する面に、撥液性を有する撥液膜を形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
Si基板、可動イオンを含む硼珪酸ガラス基板を使用してノズルプレートやボディプレート(キャビティプレート)を形成し、これらのプレートを陽極接合法を用いて貼り合わせる液体吐出ヘッドの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。陽極接合法を用いると、接着剤を使用する必要が無いため、煩雑な接着剤の塗布が不要で、また接着剤の流路へのはみ出しなどによる不良が発生せず良好な接合が可能となる。
【0003】
一方、ノズルプレートの液滴を吐出する吐出口を有する面(吐出面)には、撥液膜を設ける場合がある。この撥液膜を吐出面に設けると、吐出口から液滴を吐出する際に、液滴が吐出口の周囲に滲み出ることがなく、また、液滴が吐出面に広がろうとすることがないため、液滴の良好な吐出性能を得ることができる。
【0004】
しかし、陽極接合法では、ノズルプレートとボディプレートを高温で長時間加熱する必要があるため、貼り合わせる前にノズルプレートの吐出面に撥液膜が形成されている場合には撥液性が加熱のため劣化してしまう。このため、液滴の良好な吐出性能が得られない。そこで、オリフィスプレート(ノズルプレート)とチャンバープレート(ボディプレート)との陽極接合法により貼り合わせた後に、撥インク膜(撥液膜)の密着性を向上させる酸素プラズマ処理を行った後に撥液膜形成を行うことが知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−192712号公報
【特許文献2】特開2006−212971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2によれば、ノズルプレートの撥液膜形成面に酸素プラズマ処理を行った後に撥液膜形成を行っているが、撥液膜の耐久性が十分でない場合があった。このため、例えば、繰り返される吐出面のクリーニング動作におけるクリーナーによる摩擦力により、容易に撥液膜が吐出面から剥がれてしまい吐出口から吐出される液滴にバラツキが生じ、良好な吐出性能が得られないという問題があった。
【0006】
撥液膜の耐久性が十分得られない原因について本発明者らは精力的な検討を行った。この結果、ノズルプレートとボディプレートとを陽極接合法により貼り合せた後のノズルプレートの吐出面に、様々な種類の物質による汚れが有り、その中にガラス粒子やSi粒子が付着していることが分かった。上記の酸素プラズマ処理では、様々な種類の物質による汚れの内、有機物等による汚れには十分に除去効果を発揮するものの、例えば、ガラス粒子やSi粒子に対しては十分に除去できず残留してしまうことが分かった。
【0007】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ノズルプレートの吐出口を有する面に密着性が良好で耐久性に優れた撥液膜を備えている液体吐出ヘッドの製造方法及び液体吐出ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、以下の構成により解決される。
【0009】
1. 液体を液滴として吐出する吐出口を有するノズル孔が形成され、該吐出口を有する面があるノズルプレートを準備する工程と、
前記ノズルプレートと一体となって前記ノズル孔に連通し、アクチュエータの変位による容積の変化により前記ノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているボディプレートを準備する工程と、
前記ノズルプレートの前記吐出口を有する面を外側にして、該ノズルプレートと前記ボディプレートを接合して、前記圧力室を形成する接合工程と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記接合工程は、陽極接合法により前記ノズルプレートと前記ボディプレートを接合する工程であり、
前記接合工程の後に、
前記ノズルプレートの前記吐出口を有する面を超音波洗浄する工程と、
超音波洗浄された前記ノズルプレートの前記吐出口を有する面に、前記液体に対して撥液性を有する撥液膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【0010】
2. 前記ノズルプレート及び前記ボディプレートの材料をSiとし、
前記接合工程で、前記ノズルプレートと前記ボディプレートを接合するために互いに接する面のいずれかの面に可動イオンを含む硼珪酸ガラス膜を形成する工程を有することを特徴とする1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0011】
3. 前記ノズル孔に連通する貫通孔を備えた中間プレートを準備する工程を含み、
前記接合工程において、前記ノズルプレートと前記ボディプレートとの間に前記中間プレートを挟むことを特徴とする1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0012】
4. 前記ノズルプレート及び前記ボディプレートの材料をSiとし、前記中間プレートの材料を可動イオンを含む硼珪酸ガラスとすることを特徴とする3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0013】
5. 前記接合工程において、前記ノズルプレートと前記中間プレートと前記ボディプレートとを同時に陽極接合法を用いて貼り合わせることを特徴とする3又は4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0014】
6. 前記撥液膜を形成する工程において、真空蒸着法、塗布法、浸漬法のいずれかにより前記撥液膜を形成することを特徴とする1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【0015】
7. 1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法により製造されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吐出口を有する面があるノズルプレートとボディプレート、又は、吐出口を面があるノズルプレートと中間プレートとボディプレートとを陽極接合法にて貼り合わせた後に、吐出口を有する面の超音波洗浄を行う。この超音波洗浄の後に、吐出面に撥液膜を形成する。
【0017】
超音波洗浄では、洗浄液を選択することで様々な種類の物質による汚れに対応することができるため、吐出面に付着している物質を十分に除去することができる。また、陽極接合法によりボディプレートを貼り合わせたノズルプレートの機械的強度は、ノズルプレートのみと比較して大きくなっているため、洗浄時に機械的負荷がかかる超音波洗浄を用いることが可能となる。よって、撥液膜を形成するノズルプレートの吐出口を有する面を十分に洗浄することができ、吐出口を有する面に形成する撥液膜の密着力を大きくすることができる。
【0018】
従って、ノズルプレートの吐出口を有する面に密着性が良好で耐久性に優れた撥液膜を備えている液体吐出ヘッド及び液体吐出ヘッドの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
【0020】
本発明に係わる液体吐出ヘッドの製造方法により製造される液体吐出ヘッドについて説明する。
【0021】
図1は液体吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと称する。)Aの構成を分解斜視図(配線部は図示していない。)を示している。図1において、1は液体吐出ヘッド用ノズルプレート(以下、ノズルプレートと称する。)、5は中間プレート、2はボディプレート、3は圧電素子、30はインク供給路を模式的に示している。また、図2は、この記録ヘッドAにおけるノズルプレート1のY−Y、中間プレート5のZ−Z及びボディプレート2のX−Xの位置での断面を模式的に示している(配線部は図示していない。)。
【0022】
ノズルプレート1には、インク吐出のためのノズル孔11を複数配列してある。ノズル孔11の液滴を吐出する吐出口を有する面(以降、吐出面と称する。)13には撥液膜45がある。中間プレート5には、ノズル孔11に連通する貫通孔12が設けてある。貫通孔12の径は、ノズル孔11の径より大きい。
【0023】
また、ボディプレート2には、中間プレート5を介してノズルプレート1を貼り合わせることで、圧力室となる圧力室溝24、インク供給路となるインク供給路溝23及び共通インク室となる共通インク室溝22、並びにインク供給口21が形成されている。
【0024】
そして、ノズルプレート1のノズル孔11とボディプレート2の圧力室溝24とが一対一で対応するように中間プレート5を挟んでノズルプレート1とボディプレート2と貼り合わせることで流路ユニットMを形成する。ここで、以後、上記で説明に使用した圧力室溝、供給路溝、共通インク室溝の各符号はそれぞれ圧力室、供給路、共通インク室にも使用する。また、インク供給口21に連通するようにインク供給路30を結合してある。インク供給路30と別途準備するインク貯蔵部(図示しない)とをパイプ(図示しない)で接続することで流路ユニットMにインクを供給することができる。
【0025】
図2が示しているように、流路ユニットMに圧電素子3を圧力室24の容積を変化させてノズル孔11から液滴を吐出させるアクチュエータとして、ボディプレート2のノズルプレート1を有する面と反対の各圧力室24の底部25の面に結合してある。ボディプレート2と圧電素子3との間には、全ての圧電素子3と電気的に接続される共通電極40が設けてある。
【0026】
図3は、記録ヘッドAの圧電素子3を設けてある側の様子で、圧電素子3を駆動するための配線部及びその周辺を示している。ボディプレート2の底面に、フレキシブル基板42の一方の端部が固定されている。フレキシブル基板42は、個別配線Lと共通配線CLを備えている。各圧電素子3に一対一に対応する個別配線Lを全ての圧電素子3に接続し、共通配線を共通電極40に接続する。共通電極40とフレキシブル基板の共通配線との接続は、銀ペースト等の導電性接着剤CPにより接続してある。また、フレキシブル基板の個別配線Lと各圧電素子3との接続は、ワイヤボンディングによるワイヤWで接続してある。
【0027】
別途用意する圧電素子3の駆動回路にフレキシブル基板42の他方の端を接続し、共通配線CLと個別配線Lとの間に駆動パルス電圧を印加することで、各圧電素子3を独立して駆動することができる。駆動した圧電素子3から発生する振動が圧力室24の底部25に伝えられ、この底部25の振動により圧力室24内の圧力を変動させることで圧力室24内の液体をノズル孔11から液滴として吐出できる。
【0028】
これまで説明した記録ヘッドAを製造する製造工程のフロー図を図4に示す。図4に沿って記録ヘッドAの製造に関して図1、2、3、5を参照しながら説明する。
【0029】
(ノズルプレートの準備、ボディプレートの準備、中間プレートの準備)
図1に示す流路ユニットMを構成するノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2をそれぞれ製造する。ノズルプレート1とボディプレート2を成す材料はSiとし、中間プレート5を成す材料は、可動イオンを含む硼珪酸ガラスが好ましい。各プレートをこれらの材料とすることで陽極接合を容易に行うことができる。
【0030】
ノズルプレート1にノズル孔11を形成する方法、中間プレート5に貫通孔12を形成する方法、ボディプレート2に圧力室溝24等を形成する方法は、公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)及びエッチング技術等を用いることができる。エッチング方法としては、ドライエッチングが好ましい。これらの方法により、ノズルプレート1、ボディプレート2及び中間プレート5を準備する。
【0031】
(接合)
次に、準備したノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2の3枚のプレートを重ね合わせ、図5に示す陽極接合装置により接合して圧力室24を形成する。図5は、ボディプレート2、ノズルプレート1、中間プレート5の3枚のプレートを同時に陽極接合する様子を模式的に示している。以下、図5を用いてノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2を陽極接合することに関して説明する。
【0032】
ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2は、十分に洗浄して乾燥させ、接合面にゴミが無いようにする。この洗浄及び乾燥するに先だって、ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2の各接合面は、各表面粗さを10nm未満にするのが好ましい。具体的には、例えば各接合面をダイヤモンドペースト(粒径はおおよそ0.1μm〜0.3μmの範囲)等を用いたバフ研磨等により研磨を行う。各接合面の表面粗さを10nm未満にすることで、3枚のプレートを後述の分子間力により密着することができる。
【0033】
ここで、表面粗さRaは、例えば、触針式表面粗計Dektak3030(Sloan Technology Veeco Instruments製、触針:ダイヤモンド製半径12.5μm、針圧:0.05mN)を使用して測定することができる。具体的には、任意の3箇所の各表面粗さを求め、その算術平均値として得ることができる。表面粗さを求める際の測定幅は3mmとする。
【0034】
研磨後、ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2を、ヒーター(図示しない)及び陽極接合を行うために載せるプレートより大きいベース電極20aを備えたプレート固定台20の上に重ね合わせる。この時、ベース電極20aから、ボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1の順に各研磨面を対向させ、位置関係を調整して重ね合わせる。
【0035】
次に、電極となる押圧部材110をノズルプレート1の上に設けて、ノズルプレート1を押圧し、プレート固定台20が備えているヒーター(図示しない)により重ね合わせた3枚のプレートを加熱する。陽極接合温度まで3枚のプレートを加熱し、陽極接合温度を維持した状態で直流電圧を3枚のプレートに印可する。具体的には、ボディプレート2に接触するベース電極20aと、電極となる押圧板110に接触する電極プローブ60とをプラスとし、中間プレート5に接触する電極プローブ61をマイナスとして直流電源90より直流電圧を3枚のプレートに印加する。
【0036】
電源プローブ61を中間プレート5に接触させるためには、ノズルプレート1を中間プレート5より小さくする、又は、ノズルプレート1に切り欠きを設けて中間プレート5の一部を露出させればよい。
【0037】
押圧部材110で押圧することで、3枚のプレート間の間隔を狭くして、薄い空気層を周囲に押し出し、空気が押し出された領域は、研磨等で表面粗さRaが10nm未満と小さいため面同士が接触して分子間力で密着させる。ノズルプレート1を押圧する押圧部材110は、電極となる材料であれば特に限定されない。
【0038】
押圧部材110の大きさは、ノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2のうち最も小さいプレートの大きさの80%から同じ程度の大きさとするのが好ましい。この大きさにすることで、接合する3枚のプレートの接合面全域をより良好に気泡を排除した状態で陽極接合することができる。
【0039】
陽極接合を行う上で、重要な条件は陽極接合温度と印加する直流電圧である。上記の陽極接合温度は、350℃から550℃の範囲が好ましい。この温度範囲とすることで、中間プレート5の中のNa+等の可動イオンを移動可能にすることができる。
【0040】
また、直流電圧は、中間プレート5の中のNa+等の可動イオンの濃度によって若干異なるが、0.5kVから2kVの範囲が好ましく、より好ましくは0.8kVから1.5kV程度である。0.5kV以下であると可動イオンの動きが遅く、接合に時間がかかってしまう。2kV以上では、高電圧に対する絶縁の確保だけでなく周囲の環境(たとえば湿度など)の条件によっては、接合する中間プレート5を貫通する形で放電が起こる場合があり、接合不良となる。
【0041】
陽極接合は、陽極接合温度で中間プレート5の中の可動イオンが高電界に引かれて移動拡散する現象であり、この現象が顕著なガラスが好ましい。好ましいガラスとしてテンパックス(登録商標)及びパイレックス(登録商標)がある。テンパックス(登録商標)及びパイレックス(登録商標)は、Na+を可動イオンとして持っており、Na2Oが高温時にNa+とO2-になって、O2-が相手側に拡散することで接合が成立する。
【0042】
また、接合する3枚のプレートの熱膨張係数が近いことが好ましい。例えば、上記のガラスの他に通称ソーダガラス(青板ガラスとも称する。)を用いてもSiプレートとの陽極接合は可能であるが、互いの熱膨張係数の差により、接合後の室温までの冷却過程で生じる応力により割れ等の破損が生じてしまう場合がある。
【0043】
上記実施形態では、ボディプレート2と中間プレート5とノズルプレート1を同時に陽極接合法により貼り合わせる工程を例にして説明した。同時に3つのプレートを接合することで製造工程を簡略化、時間短縮することできる。勿論、ボディプレート2と中間プレート5を接合し、次に中間プレート5とノズルプレート1とを接合するように順次陽極接合を行ってもよい。
【0044】
また、流路ユニットMの構成をノズルプレート1とボディプレート2とすることができる。この場合、ノズルプレート1とボディプレート2を成す両者の材料をSiとすると陽極接合することができない。陽極接合を可能とするため、ノズルプレート1とボディプレート2とを接合する面のいずれか一方の面に可動イオンを含む硼珪酸ガラス膜を設ける。このガラス膜の厚みは、陽極接合にて強固に接合できる膜厚であれば良く、膜の密度や均一性及び陽極接合時に必要な接合面の加熱や印加電圧の観点から0.5μm〜3μmの範囲が好ましく、更には1μm〜2μmの範囲がより好ましい。可動イオンを含む硼珪酸ガラスの成膜方法は、真空蒸着法や高周波(RF)マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティング法のいずれでも良く、また成膜時に基板(ノズルプレート1又はボディプレート2)の温度を緻密な膜が形成しやすいように250℃以上となるように加熱することが好ましい。この温度の上限は特に定めないが、基板の取り付け治具や成膜時の基板の温度制御装置等の観点から400℃程度が好ましい。また、可動イオンを含む硼珪酸ガラス膜が不要であるノズルプレート1又はボディプレート2の個所には、成膜されないようにマスキングしておくのが好ましい。また、成膜後、上述した様に接合面を研磨しても良い。
【0045】
(超音波洗浄)
次に、ボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1を陽極接合した流路ユニットMの超音波洗浄を行う。特に撥液膜を設けるノズルプレート1の吐出面は十分に超音波洗浄を行って清浄にする。清浄した吐出面に撥液膜を形成することで、吐出面に対する撥液膜の密着力を十分に確保することができ、耐久性を向上することができる。記録ヘッド稼働時に吐出面の清掃のためヘッドクリーナーで擦って拭いても撥液膜が容易に剥がれることがなくなり、良好な液滴の吐出性能を長期に亘って維持することができる。
【0046】
超音波洗浄を行う前の吐出面は、これまでの製造過程により様々な種類の物質による汚染物質が付着している状態となっている。このまま、吐出面に撥液膜を設けると、これらの汚染物質が介在するため密着力が十分でなく容易に撥液膜が剥がれてしまう。
【0047】
形成する撥液膜の密着力を十分に向上させるため、超音波洗浄を行って吐出面の汚染物質を除去する。洗浄液としては、流路ユニットMを成す材料を浸食等の化学的変化を生じないものであれば特に限定せず、汚染物質に応じて適宜選択すれば良い。例えば、ガラスやSi等の粒子汚れの除去性や脱脂力に優れているアルカリ洗剤、取り扱いが容易な中性洗剤を挙げることができ、汚染物質に応じて適宜選択して用いる。また、RCA洗浄法を適用しても良い。RCA洗浄法は、硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、塩酸過水(HPM)、希フッ酸(DHF)を順番や繰り返しを適宜に組み合わせて行えば良い。例えば、硫酸過水(有機物除去)→DHF(酸化膜除去)→アンモニア過水(パーティクル除去)→DHF(酸化膜除去)→塩酸過水(金属除去)→DHF(酸化膜除去)→水という順番がある。
【0048】
超音波洗浄方法における超音波の周波数帯域は、25kHzから50kHz程度の範囲と0.5MHzから2MHz程度の範囲とがあり、いずれの周波数帯域も使用することができる。尚、超音波洗浄方法における超音波の周波数帯域が0.5MHzから2MHz程度の場合、特に高周波超音波洗浄方法と呼ぶ場合がある。
【0049】
ノズルプレート1は、厚みが、例えば、100μmから350μm程度と薄く脆いため、取り扱いが容易でなく、特に振動を加えながら十分に洗浄することは破損等による製造時の歩留まりの低下が十分予測できる。しかし、上記の厚み程度のノズルプレート1であっても、ノズルプレート1が陽極接合により流路ユニットMを構成することで、ノズルプレート1の強度が向上し、取り扱いが容易となる。この結果、ノズルプレート1の吐出面を超音波洗浄方法を用いて破損することなくノズルプレート1の吐出面を十分に洗浄することができる。特に、ガラスやSi等の粒子汚れが良好に除去できるため、吐出面の粒子汚れによる凹凸がなくなるため、密着力が良好となると伴に厚みが均一な撥液膜を形成することができる。
【0050】
上記の様に洗浄液を用いて超音波洗浄を行った流路ユニットMを、純水によるリンス処理を行い乾燥させる。この後、更に酸素プラズマによるアッシング処理(酸素プラズマ処理とも称する。)を行ってもよい。
【0051】
密着性が向上するのは撥液膜に限らない。吐出面をより清浄にすることで密着力を向上させることができることから、後述する撥液膜の下地層とする、例えば、TEOS膜に対しても密着性が向上するのは勿論である。
【0052】
(撥液膜形成)
次に吐出面に設ける撥液膜に関して説明する。図2に示すノズルプレート1の吐出面13に撥液膜45を設ける。撥液膜45を設けることで、ノズル孔11から液体が吐出面13に馴染むことによる染み出しや広がりを抑制することができる。具体的に撥液膜には、例えば液体が水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体が油性であれば撥油性を有する材料が用いられる。一般に、FEP(四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素化シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布方法、真空蒸着方法、浸漬方法で吐出面12に成膜する。撥液膜の厚みは、撥液膜の材料、形成方法により適宜決めればよい。
【0053】
撥液膜45は、ノズルプレート1の吐出面13に直接成膜することができるが、撥液膜45の密着性を向上させるために下地層、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)膜を介して成膜するのが好ましい。TEOS膜は、プラズマCVD法でTEOSガスを用いて形成することができる。
【0054】
尚、撥液膜45を形成する際に、吐出口をマスキングするのが好ましい。マスキングすることで、撥液膜が吐出口を塞ぐことがなくなり、撥液膜の形成後に吐出口部分の撥液膜を除去することなく良好な吐出口を得ることができる。
【0055】
(電極形成)
次に、洗浄が終わった流路ユニットMの背面(ノズルプレート1がある側と反対側の面)の圧力室24の位置に該当する部分(所謂振動板として機能する部分)に共通電極40を設ける(図2及び図3参照)。共通電極40は、この上に接して設ける全ての圧電素子3に電圧を印加して駆動するための一方の電極となる。この共通電極40を成す材料は、電極となる材料であれば特に限定することはなく、例えば、Al、Au、Cu、Agが挙げられる。また、密着性を良くするためのCr等の下地層を設けてもよい。共通電極40を形成する方法は、特に限定することはなく、例えば公知のスパッタリングや真空蒸着がある。
【0056】
(圧電素子結合)
次に、共通電極40の上に別途用意する圧電素子3を結合する。圧電素子3に電圧を印可する2つの面には、予めAu等の電極が設けてあり、この電極の一方の面を銀ペースト等の導電性接着剤を用いて共通電極40に結合する。
【0057】
(配線)
次に、流路ユニットMに結合した各圧電素子3に電圧を供給するための配線を行う。図3に示す様なフレキシブル基板42を流路ユニットMの背面に接着剤等で固定する。フレキシブル基板42は、共通電極40に接続する共通配線CLと各圧電素子3に接続する個別配線Lとを含んでいる。共通配線CLは、銀ペースト等の導電性接着剤CPで共通電極40と電気的に接続し、各圧電素子3と個別配線Lとは、例えばAu線をワイヤWとしたワイヤボンディングにて接続する。
【0058】
(インク供給路結合)
流路ユニットMに開口しているインク供給口21にインクを供給するためのインク供給路30を接着剤等で結合する。インク供給路30を流路ユニットMに設けることで、インク供給路30と別途設けるインク貯蔵部(図示しない)とをパイプで接続することができ、流路ユニットMにインクを供給することができる。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
図1に示す記録ヘッドAを製造した。記録ヘッドAには、図3で示すフレキシブル基板42を設け、フレキシブル基板42と全ての圧電素子3とを電気的に接続し駆動可能とした。これに関して図4に示すフロー図に沿って図1、2、3、5を参照しながら説明する。
【0060】
(ノズルプレートを準備する工程、ボディプレートを準備する工程、中間プレートを準備する工程)
図1に示すノズルプレート1、中間プレート5、ボディプレート2を公知のフォトリソグラフィー技術(レジスト塗布、露光、現像)とエッチング技術を用いて形成し準備した。ノズルプレート1及びボディプレート2は、それぞれの厚みを300μm及び500μmのSi基板を使用した。ノズルプレート1には、直径φ15μmのノズル孔11を128個設けた。ボディプレート2には、ノズル孔11に対応する圧力室となる圧力室溝24、インク供給路となるインク供給路溝23及び共通インク室となる共通インク室溝22、並びにインク供給口21を形成した。中間プレート5は、厚み350μmのテンパックス(登録商標)ガラスを基板として、直径φ60μmの貫通穴をノズル孔11に連通するように128個設けた。
【0061】
(接合)
次に、ノズルプレート1と中間プレート5とボディプレート2とを陽極接合法を用いて接合した。陽極接合するために、それぞれの接合面をダイヤモンドペーストを用いたバフ研磨により研磨し、各接合面の表面粗さRaを10nm未満とした。表面粗さRaの測定は、触針式表面粗計Dektak3030(Sloan Technology Veeco Instruments製、触針:ダイヤモンド製半径12.5μm、針圧:0.05mN)を使用した。測定幅を3mmとし、任意の3箇所で表面粗さを測定し、この算術平均値を表面粗さRaとした。
【0062】
次に、研磨を完了したノズルプレート1と中間プレート5とボディプレート2を十分に洗浄・乾燥した。この後、図5に示す様にヒーター(図示しない)を備えたプレート固定台20の上にベース電極20aを設け、このベース電極20aの上に順にボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1を位置調整を行って重ね合わせた。
【0063】
次に、ノズルプレート1の上に電極となる押圧板110を載せた。また、中間プレート5と押圧板110とにはそれぞれ電極プローブ61及び電極プローブ60を設けた。電極プローブ61をマイナス、電極プローブ60及びベース電極20aをプラスとする直流電圧を印加できるように電極プローブ61、電極プローブ60及び電極20aを直流電源90に接続した。プレート固定台20に設けたヒーター(図示しない)によりボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1の接合部が400℃となるように加熱し、この温度を維持した状態で直流電圧を印加した。具体的には、電極プローブ60と電極プローブ61及び電極プローブ60と電極20aとの間に直流電源90を用いて電圧1kVを2時間印加し、陽極接合を行った。この電圧の印加時間は、十分に陽極接合が成される時間として予め実験により決めた。
【0064】
(超音波洗浄)
次に陽極接合を完了したボディプレート2、中間プレート5、ノズルプレート1で構成される流路ユニットMを超音波洗浄した。超音波洗浄は次のように行った。
(1)高周波超音波洗浄器(周波数0.7MHz)の液槽に70℃のアルカリ洗浄液を満たし、この洗浄液槽に流路ユニットMを15分間浸漬した。
(2)高周波超音波洗浄器(周波数0.7MHz)の液槽に70℃の純水を満たしアルカリ洗浄液から取りだした流路ユニットMを純水槽に10分間浸漬した。
【0065】
次に、純水槽から取りだした流路ユニットMを70℃のオーブンに20分間入れ乾燥させた。次に、オーブンから取りだした流路ユニットMを酸素プラズマ(高周波電力300W)中に30分間置いて、アッシング処理を行った。この後、吐出面を顕微鏡にて観察したところ、汚染物質と見られるようなものは確認できなかった。
【0066】
(撥液膜形成)
次に、撥水膜の下地膜としてTEOS膜を設けた。TEOSガスを用いたプラズマCVD法により、流路ユニットMを構成するノズルプレート1の吐出面に厚み1μmのTEOS膜を設けた。
【0067】
次に、TEOS膜の上に撥水膜として厚み40nmのフッ素化シロキサン系撥水膜であるメルク社の撥水性蒸着材料「Evaporation substance WR1:パーフルオロアルキルシラン」を真空蒸着法により形成した。
【0068】
(電極形成)
次に、図3で示す様にAlからなる共通電極40をスパッタ法により設けた後、共通電極40の上に銀ペーストからなる導電性接着剤を用いて圧電素子3を接着した。
【0069】
次に、流路ユニットMにフレキシブル基板42を接着した。このフレキシブル基板42の共通配線CLと共通電極40とを銀ペーストからなる導電性接着剤CPで電気的に接続し、個別配線Lと各圧電素子3の電極とをAu線をワイヤWとしてワイヤボンディングにて電気的に接続した。
【0070】
(圧電素子結合、配線、インク供給路結合)
次に、流路ユニットMにインク供給路30を接着剤にて結合した。以上により記録ヘッドAを完成した。完成した記録ヘッドAのフレキシブル基板42に、別途用意した圧電素子3を駆動する駆動回路を接続し、インク供給路30とインク貯蔵部とをパイプで接続し、インク(水溶性)が吐出できるようにした。
【0071】
(試験)
撥水膜が設けてある吐出面にヘッドクリーナーとするルビスティックを押圧力10gで押し当てて10回擦るクリーニング動作を行った後、1000万回インクの吐出を行った。このクリーニング動作とインクの吐出を1サイクルとする動作試験を10サイクル行った。
【0072】
試験当初と試験終了後でインク吐出状態の変化は見られなかった。また、試験当初と試験終了後の吐出面の濡れ性を純水による接触角にて評価した。接触角の測定には、接触角計Drop Master 700型(協和界面科学株式会社製)を使用した。撥水膜の撥水性が良好か否かの判定として、経験的に接触角が100度以上の場合を良好とした。測定した接触角は、試験当初及び試験終了後ともほぼ110度となり良好な撥水性を示した。実験後、吐出面を顕微鏡にて観察したところ、撥水膜の剥がれがなく良好な状態であった。
【0073】
(実施例2)
実施例1における陽極接合後の洗浄において、(1)、(2)及びオーブンによる乾燥を実施しアッシング処理を行わなかった以外は、実施例1と同じとして記録ヘッドBを作製した。撥水膜形成前に、吐出面を顕微鏡にて観察したところ、汚染物質と見られるようなものは確認できなかった。
【0074】
この記録ヘッドBを用いて実施例1と同じく、撥水膜が設けてある吐出面にヘッドクリーナーとするルビスティックを押圧力10gで押し当てて10回擦るクリーニング動作を行った後、1000万回インクの吐出を行った。このクリーニング動作とインクの吐出を1サイクルとする動作試験を10サイクル行った。
【0075】
試験当初と試験終了後でインク吐出状態の変化は見られなかった。また、試験当初と試験終了後の吐出面の濡れ性を純水による接触角にて評価した。測定した接触角は、試験当初は110度、試験終了後は105度となり良好な撥水性を示した。実験後、吐出面を顕微鏡にて観察したところ、撥水膜の剥がれがなく良好な状態であった。
【0076】
(比較例1)
実施例1における陽極接合後の洗浄において、(1)、(2)の超音波洗浄を行わずアッシング処理のみを行った以外は、実施例1と同じとして記録ヘッドCを作製した。撥水膜形成前に、吐出面を顕微鏡にて観察したところ、ガラス粒子やSi粒子と見られる汚染物質があることが確認された。
【0077】
この記録ヘッドCを用いて実施例1と同じく、撥水膜が設けてある吐出面にヘッドクリーナーとするルビスティックを押圧力10gで押し当てて10回擦るクリーニング動作を行った後、1000万回インクの吐出を行った。このクリーニング動作とインクの吐出を1サイクルとする動作試験を5サイクル行った時点で、吐出されるインク滴のムラによる吐出不良の発生が確認されたため、動作試験を中止した。
【0078】
実施例1と同様に、試験当初と試験終了後の吐出面の濡れ性を純水による接触角にて評価した。この結果、試験当初に測定した接触角は、実施例1と同じく110度であったが、吐出不良で試験終了した時の接触角は85度であった。実験後、吐出面を顕微鏡にて観察したところ、撥水膜の剥がれが吐出面全域に渡って点々と見られる状態であった。
【0079】
(結果)
以上の実施例1、実施例2及び比較例1との結果より、吐出面を洗浄液を用いて超音波洗浄することで、酸素プラズマによるアッシング処理のみに比較して撥水膜の吐出面への密着力が良好で耐久性が向上していることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】液体吐出ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを示す図である。
【図2】インクジェット式記録ヘッドの断面を模式的に示す図である。
【図3】インクジェット式記録ヘッドを圧電素子が設けてある側より、圧電素子を駆動するための配線部及びその周辺を示す図である。
【図4】インクジェット式記録ヘッドの製造工程を説明するためのフロー図である。
【図5】ボディプレート、中間プレート、ノズルプレートの3枚の基板を重ねて同時に陽極接合することを説明する図である。
【符号の説明】
【0081】
1 ノズルプレート
2 ボディプレート
3 圧電素子
5 中間プレート
11 ノズル孔
12 貫通穴
13 吐出口
20 プレート固定台
20a ベース電極
21 インク供給口
22 共通インク室(溝)
23 インク供給路(溝)
24 圧力室(溝)
30 インク供給路
40 共通電極
42 フレキシブル配線
45 撥液層
60、61 電極プローブ
90 直流電源
110 押圧部材
A インクジェット式記録ヘッド
L 個別配線
CL 共通配線
CP 導電性接着剤
W ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を液滴として吐出する吐出口を有するノズル孔が形成され、該吐出口を有する面があるノズルプレートを準備する工程と、
前記ノズルプレートと一体となって前記ノズル孔に連通し、アクチュエータの変位による容積の変化により前記ノズル孔から液滴を吐出させる圧力室を形成する圧力室溝が形成されているボディプレートを準備する工程と、
前記ノズルプレートの前記吐出口を有する面を外側にして、該ノズルプレートと前記ボディプレートを接合して、前記圧力室を形成する接合工程と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法において、
前記接合工程は、陽極接合法により前記ノズルプレートと前記ボディプレートを接合する工程であり、
前記接合工程の後に、
前記ノズルプレートの前記吐出口を有する面を超音波洗浄する工程と、
超音波洗浄された前記ノズルプレートの前記吐出口を有する面に、前記液体に対して撥液性を有する撥液膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記ノズルプレート及び前記ボディプレートの材料をSiとし、
前記接合工程で、前記ノズルプレートと前記ボディプレートを接合するために互いに接する面のいずれかの面に可動イオンを含む硼珪酸ガラス膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記ノズル孔に連通する貫通孔を備えた中間プレートを準備する工程を含み、
前記接合工程において、前記ノズルプレートと前記ボディプレートとの間に前記中間プレートを挟むことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記ノズルプレート及び前記ボディプレートの材料をSiとし、前記中間プレートの材料を可動イオンを含む硼珪酸ガラスとすることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記接合工程において、前記ノズルプレートと前記中間プレートと前記ボディプレートとを同時に陽極接合法を用いて貼り合わせることを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記撥液膜を形成する工程において、真空蒸着法、塗布法、浸漬法のいずれかにより前記撥液膜を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法により製造されることを特徴とする液体吐出ヘッド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−207519(P2008−207519A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48772(P2007−48772)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】