説明

液体吐出ヘッド及び画像形成装置

【課題】フレキシブル基板の共通配線電極の電極幅を個別配線電極の電極幅と同等としても大型ヘッドでレーザー接合を行う場合に半田の接合強度が低下し、あるいはタクトタイムが低下する。
【解決手段】圧電素子部材12の一端部には、駆動圧電素子柱12Aよりも幅広の非駆動圧電素子柱12Baを形成し、非駆動圧電素子柱12Baの個別電極側端面にすべての駆動圧電素子柱12Aの共通電極24を接続した共通電極部25を設け、圧電素子部材12の各駆動用圧電素子柱12Aの個別電極23にはFPC15の個別配線電極31Aを電気的接続部材である半田32で接合して電気的に接続し、また、圧電素子部材12の一端部側の非駆動圧電素子柱12Baに設けられた共通電極部25にはFPC15の共通配線電極31Bを同じく半田32で接合して電気的に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
【0004】
従来、液体吐出ヘッドとして、液室内の液体であるインクを加圧する圧力を発生するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)として圧電素子、特に圧電層と内部電極を交互に積層した積層型圧電素子を用いて、積層型圧電素子のd33又はd31方向の変位で液室の壁面を形成する弾性変形可能な振動板を変形させ、液室内容積/圧力を変化させて液滴を吐出させるいわゆる圧電アクチュエータを用いた圧電型ヘッドが知られている。
【0005】
このような圧電型ヘッドでは、例えば積層型圧電素子を用いて、内部電極を端面に引き出した共通電極となる外部電極(端面電極ともいう。)及び個別電極となる外部電極にそれぞれFPC(フレキシブル基板、フレキシブルプリントケーブル、フレキシブル配線基板)などの配線部材の共通配線電極、個別配線電極を接合し、各圧電素子に画像信号に応じた駆動信号を与えるようにしている。
【0006】
この場合、FPCなどの配線部材に設けられた配線用電極と圧電素子の外部電極との電気的な接続を行う方法としては、例えば両電極間に金属を介在させ、両電極をガラス等のレーザー透過剛性部材で密着させて、レーザー光により金属を溶融させることで両電極を金属で溶着して接合する方法、両電極をヒータ等の熱圧着によりこの金属を溶融させることで両電極を金属で溶着して接合する方法が知られている。
【0007】
ところで、圧電型ヘッドの共通電極に流れる電流量は個別電極に流れる電気量よりも格段に大きいため、従来から、両端部又は一端部の複数の圧電素子の共通外部電極に通じる共通電極部を設け、この共通電極部を設ける圧電素子の幅を各ノズルに対応する個別の圧電素子の幅よりも広くし、また、FPC等の配線基板の共通配線電極の幅を個別電極に接続する個別配線電極の幅より広くすることが行われている(特許文献1)。
【0008】
しかしながら、共通電極部分(共通電極部と共通配線電極との接続部)が広くなると、使用する電気的接続部材(半田など)の量が個別電極部分(個別外部電極と個別配線電極との接続部)よりも多くなり、接続時に大きな熱量を与える必要がある。同様に、配線電極幅や圧電素子幅が共通電極部分は個別電極部分より広いため、共通電極部分の接続時に配線電極等に流れる熱量が多くなり、この点でも大きな熱量を与える必要がある。
【0009】
そこで、共通電極部を二つに分けて各接続幅を個別電極の幅と同等にすること(特許文献2)、配線基板の共通配線電極を櫛歯状にしたり、共通配線電極長さを短くすること(特許文献3)などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−175845号公報
【特許文献2】特開平10−202876号公報
【特許文献3】特開2002−86739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、特許文献2、特許文献3のように単一基板に形成された電極部への接合であれば、共通電極形成部、個別電極形成部の熱容量はほとんど差がないため、配線手段の電極幅を同等にすることで接合状態の差を改善することが可能となるが、圧電素子に直接配線手段を接合する場合、個別にカットされた個別電極の接続される圧電素子と、大きな幅の共通電極が形成された圧電素子では熱容量が全く異なり、配線基板の電極幅を同幅に形成したとしても共通電極部の半田の接合強度が十分に確保できないことが明らかになった。
【0012】
この接合強度の低下は、液体吐出ヘッドが大型化することでより大きな問題となる。すなわち、小型のヘッドであれば、ヒータチップで加熱して接合することができ、接合面全面を長めに加熱することで、熱容量の差を補って接合することが可能であるが、ヘッドが長尺化、大型化すると前記ヒータチップでの接合は困難となる。そのため、上述したようにレーザー接合が行われる。これはレーザーをスキャンして電極を1つずつ接合していく方法であり、フレキシブル基板の伸びを抑えることができて、大型のヘッドへのフレキシブル基板の接合が容易になるという利点がある。
【0013】
ところが、レーザー接合においては電極当たりの加熱時間が短時間であるため、レーザーによる熱が熱容量の大きな共通電極部の圧電素子に吸収されてしまい、配線手段の電極幅を個別電極と同等としたとしても半田が溶融せずに接合ができない。
【0014】
この場合、共通電極部との接合を行うときにだけレーザー照射時間を延ばすことも考えられるが、これでは、タクトタイムの増加やレーザー接合の最大の特徴であるフレキシブル基板の伸びの抑制が図れないなどの不具合が生じる。
【0015】
本願発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、圧電素子に配線部材を接合するときのタクトタイムの増加を防止し、特に、長尺ヘッドの圧電素子に配線部材をレーザー接合するときにレーザー接合の利点も犠牲にすることなく短時間で接合できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液滴を吐出するノズルが連通する複数の加圧液室に対応する複数の圧電素子と、
前記複数の圧電素子に駆動信号を与える配線部材と、を有し、
前記複数の圧電素子の個別電極には電気的接続部材により配線部材に設けられた個別配線電極が接続され
前記複数の圧電素子に共通の共通電極部には電気的接続部材により前記配線部材に設けられた共通配線電極が接続され、
前記共通電極部は前記個別電極よりも面積が広く形成され、
前記配線部材の共通配線電極は、前記共通電極部と接続する接続部に、ノズル配列方向の幅が前記個別配線電極の幅よりも狭い複数の接続部分を有し、
前記配線部材の単位面積当たりの共通配線電極の面積が、前記配線部材の単位面積当たりの個別配線電極の面積よりも少ない
構成とした。
【0017】
ここで、前記配線部材の共通配線電極と前記共通電極部とを接続する電気的接続部材の単位面積当たりの量が、前記配線部材の個別配線電極と前記個別電極とを接続する電気的接続部材の単位面積当たりの量よりも少ない構成とできる。
【0018】
また、前記配線部材の共通配線電極は、前記共通電極部と接続する部分で前記複数の接続部分に分岐され、各分岐された接続部分は、前記個別配線電極と同じピッチで配置されている構成とできる。
【0019】
また、前記配線部材の共通配線電極の前記複数の接続部分は、前記共通電極部と接続する長さの2倍以上の長さを有している構成とできる。
【0020】
また、前記配線部材の共通配線電極と前記共通電極部とを接続する前記電気的接続部材の厚みが、前記配線部材の個別配線電極と前記個別電極とを接続する前記電気的接続部材の厚みよりも薄い構成とできる。
【0021】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、共通電極部は個別電極よりも面積が広く形成され、配線部材の共通配線電極は、共通電極部と接続する接続部に、ノズル配列方向の幅が個別配線電極の幅よりも狭い複数の接続部分を有し、配線部材の単位面積当たりの共通配線電極の面積が、配線部材の単位面積当たりの個別配線電極の面積よりも少ない構成としたので、レーザー接合を行う場合でも、レーザーによる加熱を集中し、同一速度の走査でも接合を可能とすることができ、タクトタイムもレーザー接合のメリットも犠牲にすることなく大型ヘッドへの配線部材の接合を行うことができるようになる。
【0023】
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えるので、安定した画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの一例を示す分解斜視図である。
【図2】同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。
【図3】同ヘッドの液室短手方向に沿うバイピッチ構造の断面説明図である。
【図4】同ヘッドの液室短手方向に沿うノーマルピッチ構造の断面説明図である。
【図5】圧電素子部材とFPCとの電極接続構造の説明に供するノズル配列方向と直交する方向に沿う模式的説明図である。
【図6】同じく接合状態の要部平面説明図である。
【図7】同じく圧電素子部材とFPCの要部正面説明図である。
【図8】比較例の電極接続構造の説明に供するノズル配列方向と直交する方向に沿う模式的説明図である。
【図9】同じく圧電素子部材とFPCの要部正面説明図である。
【図10】他の例のノズル配列方向と直交する方向に沿う接合状態の要部平面説明図である。
【図11】同じく圧電素子部材とFPCの要部正面説明図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図13】同じく要部平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る圧電アクチュエータを含む液体吐出ヘッドの一例について図1ないし図4を参照して説明する。なお、図1は同ヘッドの分解斜視説明図、図2は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図、図3及び図4は同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)に沿う異なる例の断面説明図である。
【0026】
この液体吐出ヘッドは、SUS基板で形成した流路基板(液室基板)1と、この流路基板1の下面に接合した振動板部材2と、流路基板1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出する複数のノズル4がそれぞれノズル連通路5を介して連通する個別流路としての複数の液室(加圧液室、圧力室、加圧室、流路などとも称される。)6、液室6にインクを供給する供給路を兼ねた流体抵抗部7、この流体抵抗部7を介して液室6と連通する連通部8を形成し、連通部8に振動板部材2に形成した供給口9を介して後述するフレーム部材17に形成した共通液室10からインクを供給する。
【0027】
流路基板1は、流路板1Aと連通板1Bとを接着して構成している。この流路基板1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜き(プレス)などの機械加工することで、連通路5、加圧液室6、流体抵抗部7などの開口をそれぞれ形成している。
【0028】
振動板部材2は各液室6に対応してその壁面を形成する各振動領域(ダイアフラム部)2aを有し、振動領域2aの面外側(液室6と反対面側)に島状凸部2bが設けられ、この島状凸部2bに振動領域2aを変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての積層型圧電素子部材12の圧電素子柱12A、12Bの上端面(接合面)を接合している。また、積層型圧電素子部材12の下端面はベース部材13に接合している。
【0029】
ここで、圧電素子部材12は、圧電材料層21と内部電極22a、22bとを交互に積層したものであり、内部電極22a、22bをそれぞれ端面、即ち圧電素子12の振動板2に略垂直な側面に引き出して、この側面に形成された端面電極(外部電極)23、24に接続し、端面電極(外部電極)23、24間に電圧を印加することで積層方向の変位を生じる。ここで、外部電極23を個別外部電極(個別電極)とし、外部電極24を共通外部電極(共通電極)として使用する。
【0030】
この圧電素子部材12は、ハーフカットダイシングによる溝加工を施して1つの圧電素子部材に対して所要数の圧電素子柱12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成したものである。この例では、各圧電素子柱12A、12Bが「複数の圧電素子」になる。
【0031】
なお、圧電素子部材12の圧電素子柱12A、12Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電素子柱を駆動圧電素子柱12A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電素子柱を非駆動圧電素子柱12Bとして区別している。この場合、図3に示すように、駆動圧電素子柱12Aと非駆動圧電素子柱12Bとを交互に使用するバイピッチ構成でも、あるいは、図4に示すようにすべての圧電素子柱を駆動圧電素子柱12Aとして使用するノーマルピッチ構成のいずれでも採用できる。
【0032】
また、圧電素子部材12には駆動圧電素子柱12Aに駆動信号を与えるための可撓性を有する配線部材としてのFPC15が接続されている。なお、FPC15は圧電素子部材12の近傍でベース部材13にホットメルト接着剤16で接着されている。
【0033】
ノズル板3は、ニッケル(Ni)の金属プレートから形成したもので、エレクトロフォーミング法(電鋳)で製造している。このノズル板3には各液室6に対応して直径10〜35μmのノズル4を形成し、流路板1に接着剤接合している。そして、このノズル板3の液滴吐出側面(吐出方向の表面:吐出面、又は液室6側と反対の面)には撥水層を設けている。
【0034】
なお、このヘッドでは、圧電素子部材12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室6内インクを加圧する構成とし、更に、液滴の吐出方向が液室6での記録液の流れ方向と異なるサイドシュータ方式で液滴を吐出させる構成としている。サイドシュータ方式とすることで、圧電素子部材12の大きさが略ヘッドの大きさとなり、圧電素子部材12の小型化を直接ヘッドの小型化に結びつけることができ、ヘッドの小型化を図り易い。
【0035】
さらに、これらの圧電素子部材12、ベース部材13及びFPC15などで構成されるアクチュエータ部の外周側には、エポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成したフレーム部材17を接合している。そして、このフレーム部材17には前述した共通液室10を形成し、更に共通液室10に外部から記録液を供給するための供給口19を形成し、この供給口19は更に図示しないサブタンクやインクカートリッジなどのインク供給源に接続される。
【0036】
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて駆動圧電素子柱12Aに20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加することによって、パルス電圧が印加された駆動圧電素子柱12Aが変位して振動板2の振動領域2aをノズル板3方向に変形させ、液室6の容積(体積)変化によって液室6内の液体を加圧することで、ノズル板3のノズル4から液滴が吐出される。そして、液滴の吐出に伴って液室6内の圧力が低下し、このときの液流れの慣性によって液室6内には若干の負圧が発生する。この状態の下において、駆動圧電素子柱12Aへの電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。このとき、共通液室10から液室6内に記録液が充填され、次の駆動パルスの印加に応じて液滴がノズル4から吐出される。
【0037】
なお、液体吐出ヘッドは、上記の押し打ち以外にも、引き打ち方式(振動板2を引いた状態から開放して復元力で加圧する方式)、引き−押し打ち方式(振動板2を中間位置で保持しておき、この位置から引いた後、押出す方式)などの方式で駆動することもできる。
【0038】
次に、この液体吐出ヘッドにおける圧電素子部材とFPCとの電極接続構造について図5ないし図7を参照して説明する。なお、図5はノズル配列方向と直交する方向に沿う模式的説明図、図6は同じく接合状態の要部平面説明図、図7は圧電素子部材とFPCの要部正面説明図である。ここでは、圧電素子部材12の圧電素子柱はすべて駆動用圧電素子柱12Aとして使用するノーマルピッチ構成で図示している。
【0039】
圧電素子部材12の一端部(又は両端部)には、幅広の非駆動圧電素子柱12Baを形成し、この非駆動圧電素子柱12Baの個別電極側端面にすべての駆動圧電素子柱12Aの共通電極24を接続した共通電極部25を設けている。この共通電極部25はノズル配列方向の幅が個別電極23の幅よりも広く、したがって、共通電極部25は個別電極23よりも面積が広く形成されている。また、この共通電極部25と各共通電極24との接続は、圧電素子部材12のハーフカットダイシングで分断されない内部電極22a、22bを通じて行われている。
【0040】
FPC15は、基材30上に複数の個別配線電極31Aと共通配線電極31Bが形成されている。そして、圧電素子部材12の各駆動用圧電素子柱12Aの個別電極23にはFPC15の個別配線電極31Aを電気的接続部材である半田32で接合して電気的に接続し、また、圧電素子部材12の一端部側の非駆動圧電素子柱12Baに設けられた共通電極部25にはFPC15の共通配線電極31Bを同じく半田32で接合して電気的に接続している。
【0041】
ここで、FPC15の共通配線電極31Bは、1本の配線が複数に分岐して、圧電素子部材12の共通電極部25と接続する接続部15Aにおいて複数の接続部分31Baが形成されている。これらの複数の接続部分31Baは、ノズル配列方向の幅が個別配線電極31Aの幅(個別電極23の幅)よりも狭く、この例では1/2の幅としている。また、これらの複数の接続部分31Baは、個別配線電極31Aと同じピッチ(個別電極23と同じピッチ)としている。
【0042】
これにより、FPC15の共通配線電極31Bの共通電極部25と接続する部分では単位面積あたりの電極面積が、個別電極23と接続する部分より小さい約1/2の面積となる。また、FPC15の共通配線電極31Bの共通電極部25と接続する部分で使用する電気的接続部材である半田32の量が、厚みが同じであれば、個別電極23と接続する部分の半田32の量より少ない約1/2の量となる。ここで、単位面積とは、FPCの電極部と非電極部を含めた一定の面積を指し、図7のように等間隔で電極部が非電極部を挟んで並んだ構成では電極部と非電極部を同数含んだ領域の面積として設定されたものである。
【0043】
また、FPCの共通配線電極31Bの接続部分31Baの長さは、共通電極部25と接続する部分15Aの長さL1とこの長さL1以上の長さL2とを合わせた長さ、すなわち、接続部分31Baは共通電極部25と接続する長さの2倍以上の長さを有している構成としている。
【0044】
これらの圧電素子部材12の個別電極23、共通電極部25とFPC15の各電極31A、31Bを接続する方法としては、FPC15をガラス等のレーザー透過剛性部材で加圧した状態でレーザー光をFPC15の電極31や半田32に照射して半田32を溶融硬化させることにより接合するレーザー接合法を用いている。また、電極を位置合わせして圧電素子部材12とFPC15を重ね合わせ、ヒータチップ(ブロック)でFPC15の接合部分15A裏面の基材を加圧しながらヒータチップの温度をパルス的に上昇させ半田32を溶融硬化させることにより接合するヒータ接合法等を用いることもできるが、本発明による構成は特にレーザー接合法による場合に効果的である。
【0045】
なお、半田32は、金属部材からなるFPC15の電極31及びFPC15の基材30に比較して低い融点を有する材料であり、かつ導電性を有する材料から構成されたものであればよく、鉛(Pb)を含有しないものであることが好ましい。たとえば、半田32としてスズ(Sn)及びビスマス(Bi)を主成分とする半田を用いることができる。鉛が含有されていないことから、環境保護の観点において効果的であるとともに、スズ(Sn)及びビスマス(Bi)が主成分の半田32は非鉛の部材の中では非常に低い融点を有していることから、FPC15及び圧電素子部材12にダメージを与えることなくFPC15の電極31A、31Bと圧電素子部材12の個別電極23及び共通電極部25とを容易に溶着することができる。
【0046】
また、ここでは、電気接続部材として半田を用いたが、異方性導電膜や導電性接着剤等を用いることも出来る。また、印刷法やめっき法等により、あらかじめ、圧電素子部材12側の個別電極23、共通電極部25、または、FPCの個別配線電極31A、共通配線電極31Bの接続部分31Baに形成することができる。また、ここでは、配線部材として、FPCを用いたが、薄膜状であり互いに並列された複数の電極が設けられているものであればよく、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)を用いることもできる。
【0047】
次に、上記実施形態の構成とFPC15の共通配線電極31Bを個別配線電極と同幅にした図8及び図9に示す比較例の構成とを比較するため、レーザー接合法を用いて、圧電素子部材12の個別電極23、共通電極部25とFPC15の各電極31A、31Bを接続した。
【0048】
この結果、上記実施形態の構成では、圧電素子部材12の個別電極23とFPC15の個別配線電極31Aの半田32が溶融し接合できるレーザー照射条件で、圧電素子部材12の共通電極部25とFPC15の共通配線電極31Bの接続部分31Baの接合ができ、圧電素子部材12とFPC15との電極の接合不良やFPC基材の損傷は生じず、良好な接合が得られた。
【0049】
一方、従来の構成では、同じレーザー照射条件で接合を行ったところ、個別電極23と個別配線電極31Aは問題なく接合できたが、共通電極部25と共通配線電極31Bは半田32が良好に溶融せず接合できなかった。また、共通電極部25の半田32が溶融できる照射条件で、個別電極23との接合を行うと、FPC15の基材30の膨張収縮が大きくなって接合不良が生じたり、一部基材30の損傷も生じた。
【0050】
このように、共通電極部は個別電極よりも面積が広く形成され、配線部材の共通配線電極は、共通電極部と接続する接続部に、ノズル配列方向の幅が個別電極の幅よりも狭い複数の接続部分を有し、配線部材の単位面積当たりの共通配線電極の面積が、配線部材の単位面積当たりの個別配線電極の面積よりも少ない構成とすることで、レーザー接合を行う場合でも、レーザーによる加熱を集中し、同一速度の走査でも接合を可能とすることができ、タクトタイムもレーザー接合のメリットも犠牲にすることなく大型ヘッドへの配線部材の接合を行うことができるようになる。
【0051】
なお、上記実施形態では、電気的接続部材である半田32の量を共通電極部25が個別電極23より少なく約1/2としているが、FPC15などの配線部材の伸長・収縮による接合不良,過熱による配線部材の損傷,生産効率の著しい低下等の不具合の生じなければ、1/2である必要はない。
【0052】
また、配線部材の共通配線電極と共通電極部とを接続する電気的接続部材の単位面積当たりの量を、配線部材の個別配線電極と個別電極とを接続する電気的接続部材の単位面積当たりの量よりも少ない構成とすることで、共通電極部と個別電極を同じ条件で接続でき、圧電素子と配線部材との電極の接続不良や圧電素子及び配線部材の損傷を低減することができる。
【0053】
また、圧電素子部材の端部の共通電極部を個別電極より広くすることで、ノズルピッチが微細化し、個別電極を設けている圧電素子柱が細くなっても、圧電素子部材の端部の共通電極部を設ける圧電素子柱の幅を広くすることができ、圧電素子の強度を保つことができて、圧電素子と配線部材の接続時やその他の組立時の損傷を低減することができる。
【0054】
また、配線部材の共通配線電極の共通電極部と接続する部分における単位面積あたりの電極面積を、配線部材の個別電極と接続する部分における単位面積あたりの電極面積より小さくすることで、簡単に共通電極部の電気的接続部材の量を少なくすることができ、圧電素子と配線部材との電極の接続不良や圧電素子及び配線部材の損傷を低減することができる。
【0055】
また、配線部材の共通配線電極の接続部分のピッチと個別電極のピッチを同じにし、配線部材の共通配線電極の接続部分の幅を個別電極の幅より小さくすることで、ヒータチップやレーザー等の加熱ツールの熱量を共通電極部と個別電極部に均一に与えることができ、余分な熱量を低減することができる。すなわち、簡単な構成で、圧電素子と配線部材との電極の接続不良や圧電素子及び配線部材の損傷を低減することができるため、設備コストや加熱時間を短縮できる。
【0056】
また、配線部材の共通配線電極の複数の接続部分は、共通電極部と接続する長さの2倍以上の長さを有している構成とすることで、配線部材の配線に流れる熱量を少なくでき、圧電素子と配線部材との電極の接続不良や圧電素子及び配線部材の損傷を低減することができる。
【0057】
すなわち、共通配線電極の複数の接続部分が接続部から外れたところですぐに1本に繋がれている構成では、この繋ぎ部の熱容量が大きくなることから、配線部材の接続時の熱が前記配線を通じて前記繋ぎ部に流れ、接続部の温度を低下させてしまう。これに対して、前述のように接続部分を接続する長さよりも十分に長く構成することで、繋ぎ部の熱容量の影響を小さくすることができる。
【0058】
次に、他の具体的な実施例について図10及び図11を参照して説明する。なお、図10はノズル配列方向と直交する方向に沿う接合状態の要部平面説明図、図11は圧電素子部材とFPCの要部正面説明図である。ここでは、圧電素子部材12の圧電素子柱はすべて駆動用圧電素子柱12Aとして使用するノーマルピッチ構成で図示している。
【0059】
FPC15の共通配線電極31Bは1本の配線が複数に分岐して接続部15Aに複数の接続部分31Baを形成し、複数の接続部分31Baの配列ピッチは個別配線電極31Aのピッチと等しく、共通配線電極31Bの接続部分31Baの幅は個別配線電極31Aの幅より小さく約2/3の幅とした。また、共通配線電極31Bの接続部分31Baの半田32の厚さを個別配線電極31Aの半田32の厚さの約2/3とした。これにより、FPC15の単位面積あたりの電気接続部材である半田32の量が、共通配線電極32の接続部分32Baが個別破線電極31Aより少なく約4/9になるようにしている。また、半田32は、FPC15の電極31A、接続部分31Baに電気めっき法により形成し、めっき時の積算電流量を個別配線電極31Aと共通配線電極31Bで変えることにより、個別配線電極31Aと共通配線電極31Bの接続部分31baの厚さを制御している。
【0060】
前述した実施形態と同様に、レーザー接合法を用いて、圧電素子部材12の個別電極23とFPC15の個別配線電極31Aの半田32が溶融し接合できるレーザー照射条件で、圧電素子部材12の共通電極部25とFPC15の共通配線電極31Bの接続部分31Baの接合ができ、圧電素子部材12とFPC15との電極の接合不良やFPC基材の損傷は生じず、良好な接合が得られた。
【0061】
なお、レーザー接合法はヒータチップ等と異なり非接触加熱であるため、このように半田厚が異なり加圧面が平らでなかったとしても確実に接合することが可能となる。具体的には、レーザー照射部に空気を噴きつけて押さえながらレーザー照射することでが、非平坦面であっても均一な加圧状態での接合を行うことができる。
【0062】
このように、共通配線電極と共通電極部とを接続する電気接続部材の厚さを個別配線電極と個別電極とを接続する電気接続部材の厚さより薄くすることで、前記実施形態よりも共通配線電極の幅を広げることができ、共通配線電極により多くの電流を流すことができる。
【0063】
なお、ここでは、電気的接続部材である半田32の量を共通電極部が個別電極より少なく約4/9としているが、配線部材の伸長・収縮による接合不良,過熱による配線基板の損傷,生産効率の著しい低下等の不具合の生じなければ、4/9である必要はない。
【0064】
また、電気的接続部材として、半田を用い、電気めっき法により、配線部材の電極に形成しているので、簡単に共通配線電極と個別配線電極の電気的接続部材の膜厚を制御することができ、印刷法に比べ、ノズルピッチの微細化にも対応しやすい。
【0065】
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載する画像形成装置の一例について図12及び図13を参照して説明する。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0066】
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0067】
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、各色毎の記録ヘッドを備えることもできるし、4色の液滴を吐出する複数のノズルを並べたノズル列を有する1つの記録ヘッド構成とすることもできる。
【0068】
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク235a、235b(区別しないときは「サブタンク235」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、図示しない供給ユニットによって各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
【0069】
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
【0070】
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
【0071】
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
【0072】
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
【0073】
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
【0074】
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む本発明に係るヘッドの維持回復装置である維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
【0075】
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
【0076】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0077】
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
【0078】
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
【0079】
このように、この画像形成装置では本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、接合不良がなく、記録ヘッドの信頼性が向上し、安定した記録を行うことができる。
【0080】
なお、上記実施形態では本発明をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、狭義のインク以外の液体や定着処理液などを用いる画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 流路板
2 ノズル板
3 振動板
4 ノズル
6 個別液室
10 共通液室
12 圧電素子部材
12A、12B 圧電素子柱
12Ba 圧電素子柱
13 ベース部材
15 FPC(配線部材)
23 個別電極
25 共通電極部
31A 個別配線電極(接続電極)
31B 共通配線電極(接続電極)
31Ba 接続部分
32…半田部材
234…キャリッジ
235…記録ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出するノズルが連通する複数の加圧液室に対応する複数の圧電素子と、
前記複数の圧電素子に駆動信号を与える配線部材と、を有し、
前記複数の圧電素子の個別電極には電気的接続部材により配線部材に設けられた個別配線電極が接続され
前記複数の圧電素子に共通の共通電極部には電気的接続部材により前記配線部材に設けられた共通配線電極が接続され、
前記共通電極部は前記個別電極よりも面積が広く形成され、
前記配線部材の共通配線電極は、前記共通電極部と接続する接続部に、ノズル配列方向の幅が前記個別配線電極の幅よりも狭い複数の接続部分を有し、
前記配線部材の単位面積当たりの共通配線電極の面積が、前記配線部材の単位面積当たりの個別配線電極の面積よりも少ない
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記配線部材の共通配線電極と前記共通電極部とを接続する電気的接続部材の単位面積当たりの量が、前記配線部材の個別配線電極と前記個別電極とを接続する電気的接続部材の単位面積当たりの量よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記配線部材の共通配線電極は、前記共通電極部と接続する部分で前記複数の接続部分に分岐され、各分岐された接続部分は、前記個別配線電極と同じピッチで配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記配線部材の共通配線電極の前記複数の接続部分は、前記共通電極部と接続する長さの2倍以上の長さを有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記配線部材の共通配線電極と前記共通電極部とを接続する前記電気的接続部材の厚みが、前記配線部材の個別配線電極と前記個別電極とを接続する前記電気的接続部材の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−214791(P2010−214791A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64596(P2009−64596)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】