説明

液体噴射装置及び補助貯留手段

【課題】液体噴射ヘッドに残留した気泡による吐出不良を防止できるとともに、液体廃棄率を減少させる液体噴射装置及び補助貯留手段を提供する。
【解決手段】プリンタ1は、インク滴を吐出する記録ヘッド5と、インクを貯留するカートリッジ11と、カートリッジ11に収容されたインクを記録ヘッド5に供給するインク流路15と、カートリッジ11から供給されたインクを一時貯留するサブタンクとを備える。また、インク流路15の途中に、カートリッジ11から記録ヘッド5にインクを供給するとともに、サブタンク21内に滞留した空気をカートリッジ11に送出するチューブポンプ20を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置及び補助貯留手段に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を液体噴射ヘッドからターゲットに対して吐出する液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタと言う)がある。プリンタは、液体としてのインクを貯留したカートリッジから、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドにインクを供給する。そして、記録ヘッドを駆動して、ターゲットとしての紙に対してインクを吐出する。
【0003】
しかし、カートリッジの着脱、各部材の材料のガス透過性により、記録ヘッド側に供給されるインクに、気泡が混入することがある。記録ヘッドの直上には、インクを濾過するフィルタが設けられているが、クリーニングによりフィルタを通過した気泡が記録ヘッド内に残ることがある。記録ヘッド内に気泡が混入すると、ドット抜け等の印刷不良が生じる。またフィルタ上に溜まった気泡が大きくなり流路を塞いでしまうとヘッドにインクが供給されず印刷不良となる。
【0004】
これに対し、特許文献1では、気泡が滞留しやすい空間に突出部を配置したフィルタが記載されている。このフィルタは、キャリッジにカートリッジを搭載するオンキャリッジ式のインクジェット式プリンタに設けられる。この方法では、気泡が滞留しやすい空間を、フィルタの突出部が占有することにより、気泡排出性を向上させている。また、特許文献2では、記録ヘッドの上流側にバッファタンクを設けたインクジェット式プリンタにおいて、バッファタンクの上部の気泡貯留室に貯留された空気を、排気キャップを介して、外部に排出するプリンタが記載されている。
【特許文献1】特開2002−218809号公報
【特許文献2】特開2005−246928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のプリンタでは、フィルタ上に溜まった気泡を抜けやすくすることは出来るが、発生した気泡を排出するには、記録ヘッドのノズルから内部のインクを吸引するクリーニングを行う必要がある。クリーニングによって吸引されたインクは、廃インクとして、専用のタンクに貯留される。また、クリーニング時に気泡が記録ヘッドを通過するため、記録ヘッドに気泡が残り、吐出不良となることがある。さらに、クリーニングによって気泡を排出するため、インク廃棄率が増大してしまう。
【0006】
また、特許文献2に記載のプリンタでは、気泡貯留室内の空気とともに、バッファタンクのインクも外部に排出してしまう。このため、インク廃棄率が増大する可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射ヘッドに残留した気泡による吐出不良を防止できるとともに、液体廃棄率を減少させる液体噴射装置及び補助貯留手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液体を吐出する液体噴射ヘッドと、液体を貯留する主貯留手段と、前記主貯留手段に貯留された液体を前記液体噴射ヘッドに供給する流路と、前記主貯留手段から供給された液体を一時貯留する補助貯留手段とを備える液体噴射装置であって、前記主貯留手段の液体を前記流路を介して前記噴射ヘッドに供給するとともに、前記補助貯留手段内
に滞留した気体を前記流路を介して前記主貯留手段に送出するポンプ手段を備えた。
【0008】
これによれば、ポンプ手段により、主貯留手段から噴射ヘッドに液体を供給するとともに、補助貯留手段内に滞留した気体が主貯留手段に送出される。このため、補助貯留手段内に滞留した気体を排出することにより、噴射ヘッドに供給する液体に気泡が混入しないようにすることができる。また、主貯留手段に気体を排出するので、気体排出の際に、補助貯留手段内の液体が排出されても、排出された液体を主貯留手段に貯留することができるので、液体噴射用の液体として再利用することができる。このため、主貯留手段の液体廃棄率を低下させることができる。また、同じ流路を介して、液体及び気体を供給又は排出するので、例えば気体排出用の流路を省くことができる。
【0009】
この液体噴射装置において、前記主貯留手段は、液体を貯留する貯留部と、前記補助貯留手段側に液体を導出するための液体供給口と、前記液体供給口に対して鉛直方向上方に位置し、前記補助貯留手段から排出された気体を貯留する貯留部とを備えた。
【0010】
これによれば、補助貯留手段から排出された気体は、主貯留手段の貯留部のうち、液体供給口よりも鉛直方向上方に位置する部分に貯留される。このため、主貯留手段に貯留された気体が、液体供給口から、補助貯留手段及び噴射ヘッド側に送り戻されることがない。
【0011】
この液体噴射装置において、前記補助貯留手段は、前記ポンプ手段に連通し、内部容積を変更可能であって、容積が拡大する方向に付勢された可変容積部と、前記可変容積部に、前記主貯留手段側から供給された液体を導入する液体導入部と、前記可変容積部に滞留した気体を、前記主貯留手段側に排出する排出部と、前記噴射ヘッドに液体を供給する液体導出部とを備え、前記ポンプ手段の駆動により、前記可変容積部の気体を前記主貯留手段側に排出して、前記可変容積部の内部容積を縮小するとともに、縮小した前記可変容積部の付勢力と、前記ポンプ手段の駆動とにより、前記主貯留手段側から液体を前記可変容積部内に導入する。
【0012】
これによれば、可変容積部は、ポンプ手段の駆動に伴い、内部の気体を排出して縮小する。また、可変容積部は、縮小した容積を拡大する方向に付勢されているので、縮小した際に負圧が発生し、その負圧とポンプ駆動とにより、液体を吸入する。このため、短時間で比較的多量の液体を補助貯留手段に貯留することができる。
【0013】
この液体噴射装置において、前記可変容積部は、内部容積が拡大する方向に付勢する付勢手段を備えている。
これによれば、可変容積部を、付勢手段により、内部容積が拡大する方向に確実に付勢することができる。
【0014】
この液体噴射装置において、前記可変容積部内の気体を排出する前記排出部及び前記可変容積部内に液体を導入する前記液体導入部は、一体であって、気体を排出及び液体を導入する開口は、前記可変容積部の内側底面と該開口との間に、液体を充填するための空間を保持した位置に設けられる。
【0015】
これによれば、気体を排出する排出部と液体導入部とは一体に設けられている。また、その排出部(又は液体導入部)の開口部は、可変容積部の内側底面と開口部との間に、液体を充填するための空間を保持した位置に設けられる。このため、可変容積部に、所定量の液体を保持した状態で、その液面の上に滞留した気体を、その開口から排出することができる。
【0016】
この液体噴射装置において、前記可変容積部は、所定の方向に伸縮する伸縮部材を有するとともに、前記伸縮部材の最大容積と最小容積とを検出するための検出手段をさらに備える。
【0017】
これによれば、検出手段により、最大容積と最小容積とを検出するので、最大容積検出時又は最小容積検出時にポンプ手段を制御して、可変容積部内の液体量又は気体量を管理することができる。
【0018】
この液体噴射装置において、前記検出手段は、前記伸縮部材の内部容積が最小容積の際に、前記伸縮部材の一部と接触する第1スイッチと、前記伸縮部材の内部容積が最大容積の際に、前記伸縮部材の一部と接触する第2スイッチとからなる。
【0019】
これによれば、検出手段は、最小容積又は最大容積の際に伸縮部材の一部と接触する第1スイッチ及び第2スイッチから構成される。このため、伸縮部材の伸長動作及び縮小動作を有効利用して、最大容積及び最小容積を検出できる。
【0020】
この液体噴射装置において、前記可変容積部の内部容積が上限値に到達した際に、前記可変容積部に当接して、さらなる内部容積の拡大を規制する規制手段をさらに備えた。
これによれば、内部容積が上限値に到達した際に、規制手段により、さらなる内部容積の拡大を規制するようにした。このため、可変容積部等の破損を防止できる。
【0021】
この液体噴射装置において、前記ポンプ手段を一方向に駆動することにより、前記補助貯留手段に液体を供給する液体供給動作と、前記ポンプ手段を他方向に駆動することにより、前記補助貯留手段の気体を前記主貯留手段に排出する気体排出動作とを、交互に繰り返して、前記補助貯留手段に液体を充填する。
【0022】
これによれば、液体供給動作と、気体排出動作とを交互に繰り返して補助貯留手段内に液体を充填する。このため、補助貯留手段内に気体が多量に残留しない状態で、液体を充填できる。
【0023】
この液体噴射装置において、所定期間毎に、前記気体排出動作と前記液体供給動作とを行って、前記補助貯留手段内の気体抜きを行う。
これによれば、所定時間毎に、気体排出動作及び液体供給動作を行って、気体抜きを行うので、噴射ヘッドに液体のみを供給するようにすることができる。
【0024】
この液体噴射装置において、前記噴射ヘッドにより液体が噴射され、前記検出手段が、前記可変容積部の最小容積を検出した際に、前記ポンプ手段を一方向に駆動して、前記補助貯留手段に液体を供給する。
【0025】
これによれば、補助貯留手段内の液体が消耗され、可変容積部の最小容積が検出された際に、ポンプ手段により液体を供給するようにした。このため、補助貯留手段内に、常に一定量以上の液体を貯留することができる。
【0026】
この液体噴射装置において、前記ポンプ手段を一方向に駆動して、前記補助貯留手段に液体を供給する液体供給動作を行う経過時間が最大所要時間を超えても、前記検出手段により前記可変容積部の最大容積が検出されない場合に、前記主貯留手段の液体消耗状態を検出する。
【0027】
これによれば、検出手段が、可変容積の最大容積を検出せず、ポンプ手段を最大所要時間駆動しても、最大容積にならないときに、主貯留手段の液体消耗状態を検出する。この
ため、簡単な構成で、主貯留手段の液体消耗状態を検出できる。
【0028】
本発明の補助貯留手段は、内部容積を変更可能であって、容積が拡大する方向に付勢された可変容積部と、前記可変容積部に、外部から供給された液体を導入する液体導入部と、前記可変容積部に滞留した気体を、外部に排出する排出部と、液体を外部に供給する液体導出部とを備え、前記可変容積部の気体を排出するに伴い、前記可変容積部の内部容積が縮小し、縮小した前記可変容積部の付勢力に基づく負圧により、外部から液体を前記可変容積部内に導入する。
【0029】
これによれば、可変容積部は、内部の気体を排出して縮小する。また、可変容積部は、縮小した容積を拡大する方向に付勢されているので、縮小した際に負圧が発生し、その負圧により、液体を吸入する。このため、短時間で比較的多量の液体を補助貯留手段に吸入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図14に従って説明する。
図1は、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、プリンタ1と言う)の概略を説明する図である。図1に示すように、プリンタ1は、1対のフレーム板2を備え、各フレーム板2間には、棒状のガイド部材3が架設されている。ガイド部材3には、キャリッジ4がガイド部材3の軸線方向に往復移動可能に挿通支持されている。このキャリッジ4は、図示しない1対のプーリに張設されたタイミングベルトを介して、キャリッジモータM1(図5参照)に連結されている。これにより、キャリッジ4は、キャリッジモータM1の駆動により、ガイド部材3に沿って主走査方向(図中Y矢印方向及び反Y矢印方向)に往復移動するようになっている。
【0031】
キャリッジ4の下面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド5が搭載されている。記録ヘッド5は、流路が形成された流路形成部材、圧電素子、下面に設けられたノズルプレート等を備えている。この記録ヘッド5内の流路には、インク供給機構10から液体としてのインクが供給され、圧電素子の駆動により、ノズルプレートに穿孔されたノズルから微小なインク滴が吐出されるようになっている。
【0032】
また、プリンタ1は、紙送モータM2(図5参照)を有する紙送機構(図示略)を備え、紙送機構は、記録ヘッド5の下方に、副走査方向(図中X矢印方向)に、紙等の印刷媒体を搬送する。そして、キャリッジ4に搭載された記録ヘッド5が主走査方向に往復移動しながらインク滴を吐出する動作と、上記した紙送機構により記録ヘッド5の下方に紙を副走査方向に搬送する動作とを交互に繰り返すことで印刷が行われる。
【0033】
次に、インク供給機構10について説明する。インク供給機構10は、4個の主貯留手段としての各カートリッジ11と、カートリッジ11内のインクを記録ヘッド5に導出するインク流路15、キャリッジ4に搭載された4個の補助貯留手段、補助貯留手段としてのサブタンク21とを備えている。
【0034】
各カートリッジ11は、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックのインクをそれぞれ貯留している。各カートリッジ11は、プリンタ1本体側に設けられたカートリッジホルダ12に着脱可能に取り付けられる。
【0035】
図2に示すように、カートリッジ11は、合成樹脂等からなる箱状のケース13内に貯留部としてのインクパック14を収容している。ケース13は、前壁部13a、背壁部13b、上壁部13c、底壁部13dを有し、前壁部13aには、インクパック14を固定するための貫挿孔13eが貫通形成されている。インクパック14は、ガスバリア性を有
するフィルムFを溶着して袋状に形成した袋部14aと、袋部14a内に一端が挟まれた合成樹脂からなる供給口14bとを備えている。各カートリッジ11の各袋部14aには、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4色の脱気されたインクが充填されている。供給口14bは内部に図示しない流路を備えており、長手方向の一端を袋部14a内に挿入した状態で、フィルムFの内側に溶着されている。このインクパック14は、供給口14bを、ケース13の貫挿孔13eに固定することにより、ケース13に対して位置決めされる。
【0036】
図2に示すように、カートリッジホルダ12は、インクパック14を収容したカートリッジ11を、ケース13の前壁部13aが、背壁部13bよりも鉛直方向(Z矢印方向)において下方になるように斜めに取り付ける構成になっている。これにより、カートリッジホルダ12に取り付けられた各カートリッジ11内のインクパック14は、液体供給口としての供給口14bが下方に配置された、傾斜した姿勢になる。従って、インクパック14内に気体としての空気が気泡として混入した場合等には、インクパック14のうち鉛直方向上方の部分、即ち袋部14aのうち、供給口14bが取着された側と反対側に設けられた、貯留部としての端部14cに滞留する。その結果、インクパック14内に混入した気泡は、カートリッジ11から記録ヘッド5側に排出されない。
【0037】
カートリッジホルダ12には、中空状の挿入針(図示略)がそれぞれ設けられ、これらの各挿入針には、インク流路15が連結されている。図1に示すように、各インク流路15は、流路途中にポンプ手段としての第1〜第4チューブポンプ20a〜20dが配設された各ポンプ側流路16と、キャリッジ4の往復動作に追従して撓む可撓性チューブ18とを有し、ポンプ側流路16と可撓性チューブ18とは継ぎ手17で連結されている。
【0038】
各ポンプ側流路16は、合成樹脂製の流路形成部材に形成された流路、又は、ポリエチレン等の可撓性のチューブ等から構成されている。また、ポンプ側流路16は、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックのインクをそれぞれ可撓性チューブ18に導出する。
【0039】
第1〜第4チューブポンプ20a〜20dは、エラストマチューブ等、可撓性のポンプ用チューブ及びローラ(図示略)を備えている。第1〜第4チューブポンプ20a〜20dのポンプ用チューブは、ポンプ側流路16とそれぞれ接続されている。
【0040】
また、第1〜第4チューブポンプ20a〜20dには、プリンタ1が備える各ポンプモータM3a〜M3d(図5参照)がそれぞれ連結されている。これらのポンプモータM3a〜M3dの正方向の回転により、各チューブポンプ20a〜20dの上記ローラは正方向に回転し、ポンプ用チューブ内のインク又は空気を、下流側、即ち記録ヘッド5側にそれぞれ送り出す。各ポンプモータM3a〜M3dがそれぞれ逆転すると、上記ローラが逆方向に回転し、ポンプ用チューブ内のインク又は空気を、上流側、即ちカートリッジ11側にそれぞれ送り出すようになっている。ポンプモータM3a〜M3dは、ステッピングモータ等からなり、第1〜第4チューブポンプ20a〜20dに対して例えば1個ずつ備えられている。尚、この第1〜第4チューブポンプ20a〜20d、各ポンプモータM3a〜M3dを互いに区別しないで説明する場合には、単にチューブポンプ20、ポンプモータM3として説明する。
【0041】
インク流路15を構成する可撓性チューブ18は、例えば、4つの流路がZ矢印方向に並べられた集束流路であって、ポリエチレンチューブ、又はポリエチレンチューブにアルミ層を備えたチューブ等、少なくともその一部が可撓性材質からなるチューブである。可撓性チューブ18とキャリッジ4とは、可撓性チューブ18がキャリッジ4の動作により脱落しないように連結部19を介して連結されている。また、可撓性チューブ18の各流路は、連結部19を介して、キャリッジ4上の各サブタンク21に接続されている。各サ
ブタンク21は、各インク流路15を介して送出された、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックのインクをそれぞれ一時貯留している。
【0042】
このような構成により、各ポンプモータM3が正方向に回転すると、各チューブポンプ20が正転して、ポンプ側流路16内の流体を記録ヘッド5側に圧送する。チューブポンプ20がさらに回転を継続すると、チューブポンプ20よりも上流(カートリッジ11側)の流路が負圧状態となり、カートリッジ11内のインクが、ポンプ側流路16に導出される。その結果、カートリッジ11から、インク流路15を介して、サブタンク21にインクが圧送される。
【0043】
また、各ポンプモータM3が逆転すると、キャリッジ4に搭載された各サブタンク21内の空気が、インク流路15を介してカートリッジ11に排出されることにより、サブタンク21内の空気排出が行われる。これにより、サブタンク21内のインクへの気泡混入を防止する。このとき、サブタンク21内の空気が、カートリッジ11のインクパック14内に混入するが、その空気はインクパック14の鉛直方向上方の端部14cに貯留され、供給口14b側から導出されることがないようになっている。
【0044】
次に、サブタンク21について図3及び図4に従って説明する。図3は、サブタンク21の要部を説明する側面図、図4はサブタンク21の要部断面図である。図3に示すように、サブタンク21は、図中鎖線で示す箱状のケース22内に、合成樹脂からなる板状の流路形成板23を備えている。図4に示すように、この流路形成板23には、管状の導入口24が突出形成されている。この導入口24に、上記した連結部19に連通するチューブTが貫挿されることにより、インク流路15内のインクを、流路形成板23内に導入する。また、流路形成板23の下面23bには、導入口24内の流路に連通する、連通溝25が形成されている。この連通溝25は、流路形成板23の下面23bにガスバリア性を有するフィルム26が熱溶着等により張られることで、シールされている。連通溝25は、流路形成板23の上面23a側に突出形成された、液体導入部、排出部としての鉛直管27内に連通している。鉛直管27は、内部に連通溝25に連通する流路27aを有し、流路形成板23からZ矢印方向に延出されている。
【0045】
また、流路形成板23の上面23aであって、鉛直管27の隣には、略円形状の嵌合部28が突出形成されている。この嵌合部28は、鉛直管27の高さよりも低く形成され、その上面28aには、さらに環状突部29が突出形成されている。環状突部29の内側には、すり鉢状の傾斜部30が形成されている。環状突部29の内側であって、傾斜部30の上側には、フィルタ31が設けられている。フィルタ31は、環状突部29の内径とほぼ同じ直径の略円盤状に形成され、環状突部29の内側に嵌合されている。また、傾斜部30の底部には、記録ヘッド5に連通する液体導出部としてのヘッド側流路32が紙面奥側に向かって貫通形成されている。ヘッド側流路32は、流路形成板23の下面23bに溝状に形成され、下面23bに溶着されたフィルム26によって封止されることで流路をなしている。
【0046】
また、流路形成板23の上面23aには、略コの字状の規制手段としての規制部材33が、各ボルト34によって締結されている。規制部材33は、基端に形成されたボルト締結部35、鉛直部36、水平部37を備えている。水平部37の略中央には、反Z矢印方向に突出した突出部38が形成されている。
【0047】
また、規制部材33と流路形成板23との間には、可変容積部としての伸縮部材40が設けられている。伸縮部材40は、有蓋筒状に形成された可撓性の合成樹脂からなり、その側壁は蛇腹状に形成されている。図4に示すように、伸縮部材40の上部には、嵌合突部42が突出形成されている。さらに、嵌合突部42の先端には、板状の当接部43が設
けられている。嵌合突部42には、伸縮部材40の上面よりも大きく形成された検出板44が嵌合されている。嵌合突部42に検出板44を固定した状態では、嵌合突部42の先端の当接部43は、検出板44よりも突出した状態になる。
【0048】
また、伸縮部材40の下部開口40aは、流路形成板23の嵌合部28の外径とほぼ同じ大きさに形成され、その下部開口40aが嵌合部28に嵌合されることで、伸縮部材40と流路形成板23とが連結される。また、下部開口40aを嵌合部28に嵌合すると、流路形成板23の鉛直管27、フィルタ31は、伸縮部材40の内側に内包されるとともに、伸縮部材40の当接部43が、規制部材33の突出部38に当接した状態になる。
【0049】
そして、伸縮部材40の側壁及び上壁と、流路形成板23とにより、インクを一時貯留する貯留室41が形成される。鉛直管27の開口27bは、貯留室41の底面である、流路形成板23の上面23aに対し、鉛直方向(Z矢印方向)において高い位置に配置されている。
【0050】
流路形成板23の上面23aと、検出板44の下面44bとの間には、付勢手段としての付勢ばね46が配設されている。付勢ばね46は、検出板44をZ矢印方向に付勢し、伸縮部材40を、その貯留室41が拡大する方向に付勢している。
【0051】
規制部材33の鉛直部36には、リミットスイッチからなる、検出手段を構成する第1スイッチ36aと、第2スイッチ36bとが設けられている。第1スイッチ36aは、第2スイッチ36bよりも、鉛直方向において下方に設けられている。
【0052】
各チューブポンプ20の駆動により、伸縮部材40が伸縮して、その接触部45が、第1スイッチ36a又は第2スイッチ36bに接触すると、第1スイッチ36a又は第2スイッチ36bはオン信号を出力し、検出板44の位置、即ち伸縮部材40の伸縮状態を検出するようになっている。サブタンク21を組み立てを完了した初期状態には、この接触部45は、第2スイッチ36bに接触した状態になっている。また、初期状態では、伸縮部材40の当接部43が、規制部材33の突出部38に当接し、伸縮部材40のZ方向への伸長が規制された状態になっている。
【0053】
また、流路形成板23の上面23aと、検出板44の下面44bとの間には、付勢手段としての付勢ばね46が介在している。付勢ばね46は、検出板44をZ矢印方向に押圧し、伸縮部材40を、その貯留室41の容積が拡大する方向に付勢している。
【0054】
このように構成されたサブタンク21に、チューブポンプ20が正転することにより、カートリッジ11から、インク流路15を介してインクが送出されると、流路形成板23の導入口24、連通溝25、鉛直管27内の流路27aを介して、伸縮部材40の貯留室41にインクが供給される。チューブポンプ20が所定時間回転駆動することにより、貯留室41には所定量のインクが貯留される。そして、貯留室41に一時貯留されたインクは、貯留室41に一時貯留された後、フィルタ31によって濾過され、傾斜部30、ヘッド側流路32を介して、記録ヘッド5に供給される。
【0055】
チューブポンプ20が停止した後、プリンタ1の印刷動作によって、記録ヘッド5からインク滴が噴射され、記録ヘッド5内のインクが消耗されると、貯留室41に貯留されたインクが記録ヘッド5に供給される。そして、貯留室41内のインクが消耗されると、貯留室41の内圧が下降し、付勢ばね46の付勢力に抗して伸縮部材40が反Z矢印方向に縮む。このとき、チューブポンプ20が再び正転すると、カートリッジ11から貯留室41にインクが供給され、貯留室41内のインク量が増大する。そして、貯留室41の内圧が上昇するに伴い、伸縮部材40はZ矢印方向に伸長する。
【0056】
次に、プリンタ1のコントローラ1aの構成について、図5に従って説明する。コントローラ1aは、主制御を行うCPU50、RAM51、ROM52、ASIC53、タイマ54、検出手段を構成する検出部55を備えている。CPU50は、ROM52に格納された制御プログラムに従って、キャリッジモータM1を駆動制御する第1モータ駆動回路56、紙送モータM2を駆動制御する第2モータ駆動回路57、ポンプモータM3を駆動制御する第3モータ駆動回路58に各種駆動信号を出力する。また、記録ヘッド5を駆動制御するヘッド駆動回路59、プリンタ1の図示しない外郭ケースに設けられたディスプレイ61に各種画像を表示するディスプレイ駆動回路60を駆動制御する。また、ASIC53は、プリンタ1が外部から入力した画像データをビットマップ変換したり、2値化等の画像処理を行う。タイマ54は、サブタンク21にインクが充填された時点からの経過時間等を計時する。検出部55は、第1スイッチ36a、第2スイッチ36bからのオン信号を検出し、CPU50に検出信号を出力する。
【0057】
次に、本実施形態の処理手順について、図6〜図8に従って説明する。まず、プリンタ1の使用開始時等、インク流路15及び記録ヘッド5にインクが充填されていない初期状態の際の処理手順について、図6に従って説明する。カートリッジ11が装着された後、コントローラ1aのCPU50は、第3モータ駆動回路58を駆動制御して、各ポンプモータM3を正方向に回転させ、各チューブポンプ20を正転させる(ステップS1−1)。また、各ポンプモータM3が回転を開始すると、タイマ54は、開始時点からの経過時間(以下、モータ正転時間)を計測する。
【0058】
各ポンプモータM3が正方向に回転すると、各チューブポンプ20の上記各ローラがそれぞれ正方向に回転して、ポンプ用チューブをしごくことにより、内部の空気(又はプリンタ1の初期状態に各インク流路15内に充填されている洗浄液)を下流側に圧送する。これにより、各チューブポンプ20よりも上流側の各ポンプ側流路16内に負圧が発生して、各カートリッジ11内のインクがポンプ側流路16に導出される。そして、各チューブポンプ20がさらに正転することにより、インクが、各インク流路15を介してサブタンク21内に流入する。
【0059】
各サブタンク21は、初期状態においては、図4に示すように、各伸縮部材40の当接部43が、規制部材33の突出部38にそれぞれ当接するとともに、各検出板44の接触部45が、各規制部材33の第2スイッチ36bにそれぞれ接触した状態になっている。サブタンク21の導入口24にインクが流入すると、図9に示すように、連通溝25を介して、鉛直管27内の流路27aにインクIが流入する。そして、鉛直管27の開口27bからインクIが溢れ出て、各貯留室41内に流入する。各貯留室41内に導出されたインクIは、フィルタ31によって濾過され、傾斜部30及びヘッド側流路32を介して記録ヘッド5に供給される。
【0060】
各チューブポンプ20がさらに回転を継続すると、図9のように貯留室41にインクIが溜まり、液面が上昇する。これにより、各貯留室41内の内圧が上昇し、伸縮部材40はZ矢印方向に伸長しようとするが、伸縮部材40の当接部43と、規制部材33の突出部38との当接により、初期状態以上の伸長が規制されている。
【0061】
また、図6に示すように、CPU50は、タイマ54が計時したモータ正転時間が、所定時間T1を超えたか否かを判断する(ステップS1−2)。この所定時間T1は、各ポンプモータM3を所定の回転速度で駆動したときに、各貯留室41の内圧上昇により記録ヘッド5からインクIが漏出しない程度に、各貯留室41にインクIが溜まるまでの時間である。この所定時間T1が経過したとき、各貯留室41に貯留されたインクIの液面は、鉛直管27の開口27bよりも下方になっている。
【0062】
所定時間T1が経過したと判断すると(ステップS1−2においてYES)、CPU50は、第3モータ駆動回路58を介してポンプモータM3を逆転させる(ステップS1−3)。ポンプモータM3が逆転すると、各チューブポンプ20が逆方向にそれぞれ回転し、各チューブポンプ20のローラが、ポンプ用チューブを下流側から上流側へしごきながら回転する。その結果、各チューブポンプ20より下流側(記録ヘッド側5)のポンプ側流路16内に負圧が発生し、図9に示す貯留室41内のうち、インクIの液面よりも上方に収容されている空気が、鉛直管27を介して各可撓性チューブ18内にそれぞれ排出される。このとき、伸縮部材40の縮小による空気排出量が、可撓性チューブ18及びポンプ側流路16内の体積よりも大きいので、可撓性チューブ18に排出された空気は、ポンプ側流路16及びチューブポンプ20を介して、カートリッジ11のインクパック14内に排出される。このとき、空気は、各インクパック14の供給口14bを介して流入し、袋部14aの端部14cにそれぞれ貯留される。
【0063】
さらにチューブポンプ20が逆転し、貯留室41内の空気が排出されると、伸縮部材40の内圧が低下し、付勢ばね46の付勢力に抗して、伸縮部材40が流路形成板23側(反Z矢印方向)に向かって縮む。その結果、検出板44が流路形成板23側に変位し、各第2スイッチ36bに接触していた検出板44の接触部45が、第2スイッチ36bから離間する。そして、各伸縮部材40の縮小に従って、検出板44は、第1スイッチ36a側に下降する。
【0064】
CPU50は、各検出板44の接触部45が、各第1スイッチ36aにそれぞれ接触したか否かを判断する(ステップS1−4)。第1スイッチ36aからオン信号が出力されていない場合には(ステップS1−4においてNO)、チューブポンプ20の逆転を継続する(ステップS1−3)。
【0065】
貯留室41の気体が減少するに従い、図10に示すように、各伸縮部材40が縮小して、各検出板44の接触部45が第1スイッチ36aに接触すると、各第1スイッチ36aからオン信号が出力される(尚、以下、このときの伸縮部材40の状態を、最大収縮状態という)。また、上記したように、最大収縮状態にある伸縮部材40は、付勢ばね46により、貯留室41が拡大する方向に付勢力を受けている。このため、このときの貯留室41は、負圧状態になっている。
【0066】
接触部45と第1スイッチ36aとが接触すると、コントローラ1aの検出部55は、第1スイッチ36aのオン信号を入力し、CPU50に検出信号を出力する。これに基づき、CPU50は接触部45が第1スイッチ36aに接触したと判断して(ステップS1−4においてYES)、各ポンプモータM3を正方向に回転する(ステップS1−5)。
【0067】
各ポンプモータM3を正方向に回転すると、各貯留室41内に生じた負圧及びチューブポンプ20の正転による圧力により、各カートリッジ11から各サブタンク21に向かってインクIがそれぞれ供給される。最大収縮状態にある伸縮部材40内にインクIが流入すると、各伸縮部材40が伸長し、この伸縮部材40の伸長に伴い、各検出板44は第1スイッチ36aから離間し、第2スイッチ36bに向かって変位する。
【0068】
続いて、CPU50は、各検出板44の接触部45が、各第2スイッチ36bに接触したか否かを判断する(ステップS1−6)。検出板44の接触部45が、第1スイッチ36aと第2スイッチ36bの間に位置するとき、第2スイッチ36bからオン信号が出力されていないので(ステップS1−6においてNO)、ポンプモータM3の正方向の回転を継続する(ステップS1−5)。
【0069】
各貯留室41内のインクIが増大すると、図11に示すように、各伸縮部材40が伸長し、各検出板44の接触部45が第2スイッチ36bに接触した状態になる。このとき、各伸縮部材40の当接部43は、各規制部材33の突出部38と当接しない状態になっている(以下、伸縮部材40のこの状態を、最大伸長状態という)。1回目に伸縮部材40が最大伸長状態になったとき、各貯留室41内のインクIの液面は、鉛直管27の開口27bよりも下方になっている。各接触部45と各第2スイッチ36bとが接触し、第2スイッチ36bからオン信号が出力されると、CPU50は、接触部45と第2スイッチ36bとが接触したと判断して(ステップS1−6においてYES)、ステップS1−7に進む。
【0070】
ステップS1−7では、CPU50は、RAM51に記憶された伸縮回数カウンタのカウンタ値Caに「1」を加算して、更新する。このカウンタは、伸縮部材40が最大伸長状態になった回数を計数するカウンタであって、初期値は「0」になっている。そして、CPU50は、カウンタ値Caが、所定回数N1に到達したか否かを判断する(ステップS1−8)。所定回数N1は、貯留室41内のインクIが最大量になるまでに伸縮部材40が伸長する回数を予め実験で求めた回数に設定されている。本実施形態では、所定回数は「2」回に設定されている。
【0071】
カウンタ値Caが所定回数N1を超えていないと判断すると(ステップS1−8においてNO)、ステップS1−3に戻り、CPU50は、第3モータ駆動回路58を介して各ポンプモータM3を逆方向に回転する。これにより、各チューブポンプ20が逆転し、インクIの液面よりも鉛直方向(Z矢印方向)上方にある開口27bにより、液面よりも上方に滞留する空気をそれぞれ吸入する。各開口27bから吸入された空気は、各インク流路15を介して各カートリッジ11にそれぞれ圧送される。このとき、インク液面が開口27bとほぼ同じ高さにあったとき、開口27bからインクIを少量吸入することがあるが、吸入されたインクIは、空気とともに各カートリッジ11に送出される。各インクパック14に圧送された空気は、インクパック14の端部14cに貯留され、インクIはインクパック14内のインクIとともに貯留される。即ち、空気排出時にサブタンク21から吸入したインクIも、各インクパック14に貯留され再利用されるので、廃棄することがない。このように貯留室41の空気が減少すると、図12に示すように、各伸縮部材40が縮み、各検出板44の接触部45が第1スイッチ36aにそれぞれ接触する。
【0072】
CPU50は、各接触部45が第1スイッチ36aに接触したと判断すると(ステップS1−4においてYES)、各ポンプモータM3を正方向に回転し、各チューブポンプ20を正転する(ステップS1−5)。その結果、各カートリッジ11から、各インク流路15を介して、各サブタンク21にインクIがそれぞれ圧送される。これにより、各貯留室41内のインクIがさらに増加する。
【0073】
各貯留室41内のインクIが増加するに従い、インクIの液面が、鉛直管27の開口27bよりも高くなる。また、内圧上昇に伴い伸縮部材40が伸長し、図13に示すように、検出板44の接触部45が第2スイッチ36bに接触する。このとき、貯留室41内のインクIは、最大量になっている。
【0074】
接触部45と第2スイッチ36bが接触すると、第2スイッチ36bがコントローラ1aの検出部55にオン信号を出力する。CPU50は、接触部45が第2スイッチ36bに接触したと判断し(ステップS1−6においてYES)、伸縮回数カウンタのカウンタ値Caを更新する(ステップS1−7)。
【0075】
そして、CPU50が、カウンタ値Caが所定回数「2」回に到達したと判断すると(ステップS1−8においてYES)、カウンタ値Caをリセットし(ステップS1−9)
、初期状態からのインク充填処理を終了する。
【0076】
このようにサブタンク21内にインクIを充填した後、プリンタ1は、印刷動作を行う。上記したように、プリンタ1は、紙送動作と、印刷動作とを交互に行い、記録ヘッド5のノズルからは、インク滴が噴射される。尚、本実施形態では、CPU50は、各サブタンク21からの検出信号等に基づき、各ポンプモータM3a〜M3dをそれぞれ別に制御する。
【0077】
印刷動作により、貯留室41内のインクIが消耗されると、貯留室41の内圧が低下し、伸縮部材40が、付勢ばね46の付勢力に抗して、流路形成板23に向かって縮む。その結果、図14に示すように、検出板44も流路形成板23に向かって下降し、検出板44の接触部45は、第2スイッチ36bから離間して、第1スイッチ36aに徐々に接近する。
【0078】
図7に示すように、CPU50は、印刷動作中、接触部45が第1スイッチ36aに接触するのを待つ(ステップS2−1)。そして、貯留室41内のインクIがさらに消耗され、図10のように伸縮部材40が最大収縮状態になると、接触部45が第1スイッチ36aに接触する。また、付勢ばね46の付勢力により、貯留室41は、負圧状態になっている。尚、このとき、貯留室41内のインクIの液面は、フィルタ31よりも上方になっており、フィルタ31は、空気に曝されることがない。
【0079】
CPU50は、一つのサブタンク21が備える第1スイッチ36aから、オン信号を入力すると、そのサブタンク21の接触部45が第1スイッチ36aに接触したと判断し(ステップS2−1においてYES)、オン信号を出力したサブタンク21に対応するポンプモータM3を正方向に回転して、チューブポンプ20を正転する(ステップS2−2)。その結果、チューブポンプ20の正転及び貯留室41内に発生した負圧により、カートリッジ11からそのサブタンク21にインクIが送出される。このとき、伸縮部材40は、貯留室41の内圧の上昇に伴い伸長する。
【0080】
続いて、CPU50は、タイマ54を制御して、チューブポンプ20の正転時間を計測する(ステップS2−3)。そして、検出板44の接触部45が、第2スイッチ36bに接触するのを待つ(ステップS2−4)。接触部45が第2スイッチ36bに接触しないとき(ステップS2−4においてNO)、CPU50は、タイマ54により計測された正転時間が所定時間T2を超えたか否かを判断する(ステップS2−5)。この所定時間T2は、貯留室41内のインクIが消耗されて、伸縮部材40が最大収縮状態となったときから、チューブポンプ20の正転により、伸縮部材40が最大伸長状態に到達するまでの時間を実験で求めた時間である。
【0081】
正転時間が所定時間T2以内であるとき(ステップS2−5においてNO)、ステップS2−2に戻り、正転時間が所定時間T2を超えるまで、チューブポンプ20を正転する。正転時間が所定時間T2を超えたと判断すると(ステップS2−5においてYES)、CPU50は、チューブポンプ20を正転させても伸縮部材40が最大伸長状態にならないことから、カートリッジ11のインクエンド(液体消耗状態)を検出する(ステップS2−6)。このとき、CPU50は、ディスプレイ駆動回路60を駆動制御して、ディスプレイ61に、そのカートリッジ11のインクエンド表示を出力する。
【0082】
一方、チューブポンプ20の正転により、CPU50が、検出部55を介して検出信号を入力して、検出板44の接触部45が第2スイッチ36bに接触したと判断すると(ステップS2−4においてYES)、ポンプモータM3を制御して、チューブポンプ20を停止する(ステップS2−7)。このとき、貯留室41のインクIは増量された状態にな
っている。
【0083】
このように、貯留室41内に一時貯留されるインクIには、カートリッジ11の着脱時にインク流路15に流入した空気や、伸縮部材40の側壁を透過した空気等が混入することがある。即ち、伸縮部材40等の各部材は、ガスバリア性を有しているものの、僅かな量の空気の透過や、各部材の継ぎ目からの微量な空気の混入がある。インクIに混入した空気は、貯留室41に貯留されている間に、インクIの液面より上方に滞留する。長期間が経過すると、貯留室41内での空気の占有体積が大きくなり、伸縮部材40が伸長する。このように、空気の占有体積が大きくなると、インクIの貯留量が少なくなって、インクIが吐出できなくなる。このため、所定期間毎に貯留室41内の空気を排出する空気排出動作を行う必要がある。
【0084】
この空気排出動作について、図8に従って説明する。まず、CPU50は、タイマ54を制御して、各サブタンク21毎に、初期状態から最初にインクが充填された時点、又は前回空気排出動作を完了した時点からの経過時間の計時をそれぞれ開始する(ステップS3−1)。そして、タイマ54が計測した時間が、所定時間T3(最大所要時間)を経過したか否かを判断する(ステップS3−2)。所定時間T3は、初期状態から最初にインクが充填された時点、又は前回空気排出動作を完了した時点から、貯留室41に空気が溜まる時間を予め実験等により求めた時間である。
【0085】
所定時間T3が経過したと判断すると(ステップS3−2においてYES)、所定時間T3が経過したサブタンク21に対応するポンプモータM3を正方向に回転し、チューブポンプ20を正転させる(ステップS3−3)。これにより、カートリッジ11からそのサブタンク21にインクIが圧送される。ポンプモータM3を正転させると、CPU50は、タイマ54が計時した経過時間をリセットする。また、ポンプモータM3を正方向に回転すると、CPU50は、タイマ54を制御して、チューブポンプ20の正転時間の計測を開始する(ステップS3−4)。
【0086】
次に、CPU50は、そのサブタンク21の検出板44の接触部45が第2スイッチ36bに接触したか否かを判断する(ステップS3−5)。接触部45と第2スイッチ36bとが接触していない場合には(ステップS3−5においてNO)、タイマ54が計測した正転時間が、インクエンドを検出するための所定時間T2を超えたか否かを判断する(ステップS3−6)。所定時間T2を超えていない場合には(ステップS3−6においてNO)、ステップS3−5に戻る。所定時間T2を超えた場合には(ステップS3−6においてYES)、上記したステップS2−6と同様に、インクエンドを検出して(ステップS3−7)、処理を終了する。
【0087】
ステップS3−5において、図9に示すように、接触部45が第2スイッチ36bに接触したと判断すると(ステップS3−5においてYES)、CPU50は、ポンプモータM3を逆方向に回転して、チューブポンプ20を逆転する(ステップS3−8)。これにより、図9のように、そのサブタンク21の貯留室41に溜まった空気が、鉛直管27の開口27bに吸入され、対応するカートリッジ11側に排出される。カートリッジ11に流入した空気は、インクパック14の端部14cに滞留する。
【0088】
次に、CPU50は、検出板44の接触部45が、第1スイッチ36aに接触したか否かを判断する(ステップS3−9)。接触部45が第1スイッチ36aに接触していない場合には(ステップS3−9においてNO)、ステップS3−8に戻り、ポンプモータM3の逆方向の回転を継続する。接触部45が第1スイッチ36aに接触したと判断すると(ステップS3−9においてYES)、RAM51に記憶された、そのサブタンク21に対応する伸縮回数カウンタのカウンタ値Cbに「1」を加算して更新する(ステップS3
−10)。
【0089】
そして、CPU50は、カウンタ値Cbが所定回数N2に到達したか否かを判断する(ステップS3−10)。所定回数N2は、所定時間T3が経過したときの貯留室41内の空気を排出するまでにかかる伸縮部材40の伸縮回数を予め実験で求めた回数である。カウンタ値Cbが所定回数N2に到達していない場合には、ステップS3−3に戻り、所定回数N2に到達するまで伸縮部材40の縮小による空気排出、伸長によるインクIの供給を繰り返す。カウンタ値Cbが所定回数N2に到達した場合には(ステップS3−10においてYES)、空気排出動作を終了する。
【0090】
(1)上記実施形態では、カートリッジ11と記録ヘッド5とを接続するインク流路15の途中に、カートリッジ11から記録ヘッド5にインクIを供給するとともに、記録ヘッド5の直上のサブタンク21内に滞留した空気を、カートリッジ11に送り戻すチューブポンプ20を備えるようにした。このため、サブタンク21内に滞留した空気を排出することにより、記録ヘッド5に供給するインクIに気泡が混入しないようにすることができるので、吐出不良(印刷不良)を防止できる。また、カートリッジ11にサブタンク21内の空気を排出するので、空気排出動作の際に、サブタンク21内に貯留されたインクIの一部が排出されても、排出されたインクIをカートリッジ11に貯留することができる。このため、サブタンク21から排出されたインクIを、印刷用のインクIとして再利用することができる。このため、インク廃棄率を低下させることができる。
【0091】
(2)上記実施形態では、カートリッジ11内のインクパック14を、供給口14bが袋部14aよりも鉛直方向下方にして、斜めの姿勢にするようにした。このため、サブタンク21から排出された空気は、カートリッジ11のインクパック14のうち、供給口14bよりも鉛直方向上方に位置する端部14cに貯留される。このため、カートリッジ11に貯留された空気が、供給口14bから、サブタンク21及び記録ヘッド5側に送り戻されることがない。
【0092】
(3)上記実施形態では、サブタンク21は、チューブポンプ20に連通し、内部容積を変更可能である伸縮部材40と、伸縮部材40にインクIを導入するとともに、伸縮部材40内に滞留した空気をカートリッジ11に排出する鉛直管27とを備えるようにした。また、伸縮部材40を、付勢ばね46により、貯留室41(内部容積)が拡大する方向に付勢するようにした。そして、伸縮部材40が縮小したとき、付勢ばね46の付勢力とチューブポンプ20の駆動とにより、カートリッジ11からインクIを導入するようにした。このため、短時間で比較的多量のインクIをサブタンク21に貯留することができる。
【0093】
(4)上記実施形態では、鉛直管27の開口27bを、貯留室41の底面である、流路形成板23の上面23aに対し、鉛直方向(Z矢印方向)において高い位置に配置した。即ち、伸縮部材40(貯留室41)の内側底面と開口27bとの間に、インクIを充填するための空間を保持した。このため、伸縮部材40に、所定量のインクIを保持した状態で、その液面の上に滞留した空気を、その開口27bから排出することができるので、サブタンク21内に滞留した空気を効率良く排出できる。
【0094】
(5)上記実施形態では、伸縮部材40の貯留室41が最小容積(最大収縮状態)の際に、検出板44の接触部45が、第1スイッチ36aに接触するようにした。また、伸縮部材40の貯留室41が、最大容積(最大伸長状態)の際に、第2スイッチ36bに接触するようにした。また、第1及び第2スイッチ36a,36bは、検出板44と接触した際に、コントローラ1aの検出部55にオン信号を出力するようにした。このため、伸縮部材40の伸縮動作を制御することにより、貯留室41内のインクIの量を管理すること
ができる。
【0095】
(6)上記実施形態では、規制部材33の突出部38により、伸縮部材40の最大伸長状態以上の伸長を規制するようにした。このため、伸縮部材40の破損や、伸縮部材40が延びきって、縮小動作ができなくなるような事象の発生を防止できる。
【0096】
(7)上記実施形態では、チューブポンプ20の正転によるサブタンク21へのインク供給動作と、サブタンク21内の空気を排出する空気排出動作とを交互に繰り返して、サブタンク21内にインクIを充填する。このため、サブタンク21内のインクIへの気泡混入を防止しながらインクIを充填できる。
【0097】
(8)上記実施形態では、所定時間T3毎に、空気排出動作及び液体供給動作を行って、サブタンク21内の空気抜きを行うようにした。このため、空気(気泡)が溜まって、インクIの残量が少量になる前に、空気を排出してインクIを充填できる。
【0098】
(9)上記実施形態では、印刷動作により、サブタンク21内のインクIが消耗され、検出板44の接触部45が第1スイッチ36aに接触した際に、インク供給動作を行うようにした。このため、サブタンク21内に一定量以上のインクIを常に貯留できる。
【0099】
(10)上記実施形態では、インク供給動作を行って所定時間T2経過しても、検出板44の接触部45が第2スイッチ36bに接触しない場合には、カートリッジ11のインクエンドを検出するようにした。このため、簡単な構成及び制御で、カートリッジ11のインクエンドを検出できる。
【0100】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、印刷動作、空気抜き動作の際、CPU50は、各サブタンク21からの検出信号等に基づき、各ポンプモータM3a〜M3dをそれぞれ別に制御するとしたが、同期して制御するようにしてもよい。
【0101】
・上記実施形態では、各インク流路15に対して別個にチューブポンプ20を設けたが、1つのポンプを共通駆動源としてもよい。
・上記実施形態では、印刷によりインクIが消耗されたとき、チューブポンプ20を正転させることで、貯留室41内のインクIを増量させたが、チューブポンプ20の正転及び逆方向の回転を繰り返すことで、貯留室41内にインクIを供給しても良い。
【0102】
・可撓性チューブ18は、集束流路であるとしたが、これ以外にしても良い。
・上記実施形態では、可変容積部として、側壁が蛇腹状に形成された伸縮部材40を用いたが、鉛直方向に伸縮できる部材であればよい。
【0103】
・上記実施形態では、カートリッジ11は、インクパック14を備えたカートリッジにしたが、ケースの開口にフィルムを溶着し、ケース内側面とフィルムとにより区画された空間にインクを貯留するカートリッジでもよい。この場合、ケースに形成された供給口を、貯留空間よりも鉛直方向下方に配置すればよい。
【0104】
・上記実施形態では、補助貯留手段を、記録ヘッド5上方に搭載されたサブタンク21に具体化したが、その他の流路等に設けても良い。
・液体噴射装置は、プリンタ1に限定されない。例えば、液体噴射装置は、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造装置、有機ELディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極形成装置、バイオチップ製造用の生体有機物を噴射する噴射装置、精密ピペット用の製造装置等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施形態のプリンタの平面図。
【図2】カートリッジの要部断面図。
【図3】サブタンクの要部側面図。
【図4】同サブタンクの要部断面図。
【図5】プリンタのコントローラのブロック図。
【図6】本実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】同サブタンクの要部断面図。
【図10】同サブタンクの要部断面図。
【図11】同サブタンクの要部断面図。
【図12】同サブタンクの要部断面図。
【図13】同サブタンクの要部断面図。
【図14】同サブタンクの要部断面図。
【符号の説明】
【0106】
1…液体噴射装置としてのプリンタ、5…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、11…主貯留手段としてのカートリッジ、14…貯留部としてのインクパック、14b…液体供給口としての供給口、15…流路としてのインク流路、20…ポンプ手段としてのチューブポンプ、21…補助貯留手段としてのサブタンク、27…液体導入部及び排出部としての鉛直管、27a…流路、27b…開口、32…液体導出部としてのヘッド側流路、33…規制手段としての規制部材、36a,36b…検出手段を構成する第1及び第2スイッチ、38…規制手段としての突出部、40…可変容積部としての伸縮部材、45…検出手段を構成する接触部、46…付勢手段としての付勢ばね、55…検出手段を構成する検出部、I…液体としてのインク、T3…最大所要時間としての所定時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体噴射ヘッドと、
液体を貯留する主貯留手段と、
前記主貯留手段に貯留された液体を前記液体噴射ヘッドに供給する流路と、
前記主貯留手段から供給された液体を一時貯留する補助貯留手段とを備える液体噴射装置であって、
前記主貯留手段の液体を前記流路を介して前記噴射ヘッドに供給するとともに、前記補助貯留手段内に滞留した気体を前記流路を介して前記主貯留手段に送出するポンプ手段を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記主貯留手段は、
液体を貯留する貯留部と、
前記補助貯留手段側に液体を導出するための液体供給口と、
前記液体供給口に対して鉛直方向上方に位置し、前記補助貯留手段から排出された気体を貯留する貯留部とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液体噴射装置において、
前記補助貯留手段は、
前記ポンプ手段に連通し、内部容積を変更可能であって、容積が拡大する方向に付勢された可変容積部と、
前記可変容積部に、前記主貯留手段側から供給された液体を導入する液体導入部と、
前記可変容積部に滞留した気体を、前記主貯留手段側に排出する排出部と、
前記噴射ヘッドに液体を供給する液体導出部とを備え、
前記ポンプ手段の駆動により、前記可変容積部の気体を前記主貯留手段側に排出して、前記可変容積部の内部容積を縮小するとともに、
縮小した前記可変容積部の付勢力と、前記ポンプ手段の駆動とにより、前記主貯留手段側から液体を前記可変容積部内に導入することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液体噴射装置において、
前記可変容積部は、内部容積が拡大する方向に付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の液体噴射装置において、
前記可変容積部内の気体を排出する前記排出部及び前記可変容積部内に液体を導入する前記液体導入部は、一体であって、
気体を排出及び液体を導入する開口は、前記可変容積部の内側底面と該開口との間に、液体を充填するための空間を保持した位置に設けられることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記可変容積部は、所定の方向に伸縮する伸縮部材を有するとともに、
前記伸縮部材の最大容積と最小容積とを検出するための検出手段をさらに備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体噴射装置において、
前記検出手段は、前記伸縮部材の内部容積が最小容積の際に、前記伸縮部材の一部と接触する第1スイッチと、前記伸縮部材の内部容積が最大容積の際に、前記伸縮部材の一部と接触する第2スイッチとからなることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記可変容積部の内部容積が上限値に到達した際に、前記可変容積部に当接して、さらなる内部容積の拡大を規制する規制手段をさらに備えたことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記ポンプ手段を一方向に駆動することにより、前記補助貯留手段に液体を供給する液体供給動作と、
前記ポンプ手段を他方向に駆動することにより、前記補助貯留手段の気体を前記主貯留手段に排出する気体排出動作とを、交互に繰り返して、前記補助貯留手段に液体を充填することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項10】
請求項9に記載の液体噴射装置において、
所定期間毎に、前記気体排出動作と前記液体供給動作とを行って、前記補助貯留手段内の気体抜きを行うことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記噴射ヘッドにより液体が噴射され、前記検出手段が、前記可変容積部の最小容積を検出した際に、前記ポンプ手段を一方向に駆動して、前記補助貯留手段に液体を供給することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
前記ポンプ手段を一方向に駆動して、前記補助貯留手段に液体を供給する液体供給動作を行う経過時間が最大所要時間を超えても、前記検出手段により前記可変容積部の最大容積が検出されない場合に、前記主貯留手段の液体消耗状態を検出することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項13】
内部容積を変更可能であって、容積が拡大する方向に付勢された可変容積部と、
前記可変容積部に、外部から供給された液体を導入する液体導入部と、
前記可変容積部に滞留した気体を、外部に排出する排出部と、
液体を外部に供給する液体導出部とを備え、
前記可変容積部の気体を排出するに伴い、前記可変容積部の内部容積が縮小し、
縮小した前記可変容積部の付勢力に基づく負圧により、外部から液体を前記可変容積部内に導入することを特徴とする補助貯留手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−230041(P2007−230041A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53238(P2006−53238)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】